(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1~12を参照しながら説明する。
本実施形態に係る空気圧縮機10は、可搬型コンプレッサであり、図1に示すように、本体カバー17で覆われた機構部と、この機構部の下方に配置された2本のタンク部15と、を備えている。
機構部は、従来公知ものであるため特に図示しないが、モータ11、圧縮機構、制御基板(制御部30)、などで構成されている。
モータ11は、圧縮機構を作動させる駆動源となるものであり、本実施形態においては三相ブラシレスDCモータが使用されている。このモータ11は、後述する制御部30から出力されるPWM信号によって回転が制御される。
なお、本実施形態に係るモータ11の出力は、圧縮空気の使用状況に応じて動的に変更可能となっている。モータ11の出力を高く設定すれば、モータ11を高速で駆動させて圧縮空気の充填速度を上げることができる。一方、モータ11の出力を低く設定すれば、モータ11を低速で駆動させることになるので、圧縮空気の充填速度は下がるが、消費電力を下げて、静音性を向上させることができる。
モータ11の出力を変更する方法としては、モータ11の目標回転数を変更する方法、モータ11の制御電流値を変更する方法、モータ11のデューティー比を変更する方法などがある。本実施形態においては、モータ11の制御電流値を変更することでモータ11の出力を変更する例について説明するが、これに限らず、他の方法でモータ11の出力を変更するようにしてもよい。
圧縮機構は、モータ11によって駆動して圧縮空気を生成するためのものであり、ピストンを往復動させることでシリンダ内に導入された空気を圧縮する公知の構造を使用することができる。本実施形態に係る空気圧縮機10は、一次圧縮機構と二次圧縮機構の2つの圧縮機構を備えた多段圧縮機である。すなわち、外部から供給された空気は、まず一次圧縮機構によって圧縮される。一次圧縮機構によって圧縮された空気は、二次圧縮機構に導入され、二次圧縮機構によって更に圧縮される。このように二段階で圧縮された空気は、タンク部15に送られて貯留される。
タンク部15に貯留された圧縮空気は、減圧弁16を通過することで任意の圧力に減圧されて、エア取り出し口21から外部に取り出すことができる。例えば、釘打ち機やスプレーガン、エアダスタなどの工具のエアホースをエア取り出し口21に接続することで、タンク部15内の圧縮空気を工具に供給することができる。
制御部30は、空気圧縮機10の動作を制御するためのものであり、特に図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM等を備えている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種の入力装置及び出力装置を制御するように構成されている。本実施形態においては、本体カバー17の内部(タンク部15の上方)に配置された制御基板によって、制御部30が構成されている。
この制御部30の入力装置としては、図2に示すように、電源スイッチ31、圧力センサ33、モード変更スイッチ34、などが設けられている。なお、入力装置としては、これらの入力装置に限定されず、他の入力装置を備えていてもよい。また、スマートフォンなどの外部操作手段を入力装置として用いてもよい。
電源スイッチ31は、空気圧縮機10の電源のオンオフを行うスイッチである。この電源スイッチ31は、本体カバー17の表面に設けられた操作パネル19(図1参照)に、操作可能に配置されている。
圧力センサ33は、タンク部15の内圧を計測するためのものであり、本実施形態に係る圧力検出部を構成している。この圧力センサ33が検出した圧力値は制御部30に送信される。制御部30は、圧力センサ33から取得した圧力値を基に、モータ11の駆動開始または駆動停止を制御する。具体的には、圧縮機構の駆動を開始させるための圧力値であるON圧値と、圧縮機構の駆動を停止するための圧力値であるOFF圧値とが、ON圧値<OFF圧値となるように予め決められている。そして、制御部30は、圧力センサ33によって検出されたタンク部15内の圧力値が、ON圧値以下となったときにモータ11を駆動させ、圧力センサ33によって検出されたタンク部15内の圧力値が、OFF圧値以上となったときにモータ11の駆動を停止させる制御を行う。これにより、タンク部15の内圧が予め設定されたON圧値に到達していない場合には、モータ11を駆動して圧縮空気の充填を行うとともに、モータ11の駆動中にタンク部15の内圧が予め設定されたOFF圧値に到達したら、モータ11の駆動を停止するようになっている。
なお、本実施形態に係る空気圧縮機10のON圧値およびOFF圧値は、後述する運転モードに応じて異なる値が設定されている。例えば、ON圧値およびOFF圧値を高く設定すれば、タンク部15の内圧を高い水準で維持する制御が実行されることとなる。反対に、ON圧値およびOFF圧値を低く設定すれば、タンク部15の内圧はそれほど高くならない反面、モータ11の駆動を抑制して静音性の向上や消費電力の低下を図ることができる。
モード変更スイッチ34は、空気圧縮機10の運転モードを切り替えるためのスイッチである。このモード変更スイッチ34は、本体カバー17の表面に設けられた操作パネル19(図1参照)に、操作可能に配置されている。
また、制御部30の出力装置としては、図2に示すように、モータ11、表示部32、などが設けられている。なお、出力装置としては、これらの出力装置に限定されず、他の出力装置を備えていてもよい。
モータ11は、上述したように圧縮機構を作動させる動力源となるものである。制御部30は、PWM制御によりモータ11の回転を制御する。
表示部32は、ユーザに向けて各種の情報を表示するためのものである。例えば、7セグメントディスプレイや液晶画面、LEDなどの表示装置である。本実施形態に係る表示部32は、電源のオン・オフ、現在の運転モード、タンク部15の内圧値、エラーの有無などを表示可能となっている。この表示部32は、本体カバー17の表面に設けられた操作パネル19に設けられている。
ところで、本実施形態に係る空気圧縮機10は、複数の運転モードを備えている。例えば、複数の運転モードとして、「静音モード」「通常モード」「急速充填モード」「追従制御モード」を備えている。
このうち、「静音モード」「通常モード」「急速充填モード」は、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力が常に一定に保たれる運転モードである。ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力は、「静音モード」<「通常モード」<「急速充填モード」の順に大きくなるように設定されている。このため、作業者は、モータ11の回転数を下げて運転時に発生する音を抑制したい場合には「静音モード」を選択することができる。また、モータ11の回転数を上げて圧縮機構で生成される圧縮空気量を増加させたい場合には「急速充填モード」を選択することができる。また、そのどちらでもない場合には「通常モード」を選択することができる。
「追従制御モード」は、モータ11の連続駆動時間または連続停止時間を検出して、この連続駆動時間または連続停止時間に基づき、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力の少なくともいずれかを変更する設定変更処理を実行するモードである。例えば、モータ11の連続駆動時間が長い場合、エア使用量が多いと判断し、所定時間毎に段階的にモータ11の出力やタンク部15内の圧力(ON圧値、OFF圧値)とを上げていくことで、圧縮空気の不足が発生しにくくすることができる。逆に、モータ11の連続停止時間が長い場合、エア消費量が少ないと判断し、所定時間毎に段階的にモータ11の出力とタンク部15内(ON圧値、OFF圧値)の圧力とを下げていくことで、騒音や電力消費、部品の消耗を抑制することができる。このように、追従制御モードにおいては、圧縮空気の使用状況に応じて制御部30がON圧値、OFF圧値、モータ11の出力を動的に変更することで、圧縮空気の消費量に追従した制御が実行される。
なお、本実施形態に係る追従制御モードでは、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力のすべてを変更する例について説明するが、これに限らない。すなわち、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力のうちの少なくとも1つを変更するものであればよい。例えば、モータ11の出力のみを変更し、ON圧値およびOFF圧値を変更しない追従制御モードを備えていてもよいし、モータ11の出力を変更せず、ON圧値およびOFF圧値を変更する追従制御モードを備えていてもよい。
上記した運転モードは、図8に示すモード変更処理によって実行される。
すなわち、図8のステップS600に示すように、モード変更スイッチ34がユーザによって操作されると、スイッチ入力による外部割り込みが発生する。この外部割り込みによって、制御部30がモード変更スイッチ34の押下を検出する。
モード変更スイッチ34の押下を検出した制御部30は、ステップS610に示すように、運転モードを変更する。なお、運転モードを変更する処理としては種々のものが考えられ、1つの処理方法に限定されるものではない。例えば、モード変更スイッチ34が押下されるごとに順番に運転モードを切り替えていくようにしてもよいし(例えば、「静音モード」→「通常モード」→「急速充填モード」→「追従制御モード」の順に循環して切り替えていくようにしてもよいし)、運転モードごとに異なるスイッチを設け、押下されたスイッチに対応する運転モードに切り替えるようにしてもよい。
このように、ユーザは任意の運転モードを選択して、空気圧縮機10を使用することができる。
上記した空気圧縮機10は、図3に示すメインフローに従って作動する。なお、このメインフローとは独立して、上記したモード変更処理や、後述する圧力変化検出処理が、同時並行的に処理される。モード変更処理は、上記したように外部割り込みが発生したときに実行される処理である。また、圧力変化検出処理は、タイマー割り込みが発生したときに実行される処理であり、決まった時間(例えば200ミリ秒)ごとに発生するタイマー割り込みによって定期的に呼び出されて実行される処理である。
まず、メインフローについて、図3を参照しながら説明する。このメインフローは、電源が投入された後、電源がオフになるまで実行される処理である。なお、電源がオフになったときには、任意のタイミングで外部割り込みが発生してメインフローが中断され、終了処理(図示せず)が実行される。
このメインフローでは、まず図3に示すステップS100において、電源スイッチ31が操作され、電源がオンになる。そして、ステップS105に進む。
ステップS105では、制御部30により、各種パラメータが初期化される。本実施形態に係る空気圧縮機10は、前回の電源オフ時の終了処理において、現在の運転モードを不揮発性メモリに記憶するようになっている。このステップS105においては、不揮発性メモリに記憶された運転モードが読み出され、その運転モードの情報を元に各種パラメータが初期化される。例えば、運転モードを復元するとともに、その運転モードの初期値に基づき、ON圧値、OFF圧値、制御電流値が設定されるようにしてもよい。また、表示部32を初期化し、LEDや液晶などを用いた表示を行ってもよい。
なお、復元した運転モードが追従制御モードである場合、追従制御モードに使用する各種パラメータの初期化も行われる。本実施形態においては、追従制御モードに使用する可変パラメータとして、「第1経過時間」「第2経過時間」「第3経過時間」「第4経過時間」「制御電流値の変更量」「ON圧値の変更量」「OFF圧値の変更量」が設定されている。電源投入時やモード変更時には、これらのパラメータが初期化され、予め定められた初期値が設定される。
「第1経過時間」は、モータ11の連続駆動時間を参照して制御電流値を変更する処理の実行周期を規定するものである。本実施形態に係る制御部30は、モータ11の連続駆動時間が、第1経過時間で規定された時間を経過するごとに、段階的に制御電流値を上げるようになっている(ただし上限あり)。このため、第1経過時間が短ければ、速やかにモータ11の出力がアップし、逆に、第1経過時間が長ければ、緩やかにモータ11の出力がアップするようになっている。
「第2経過時間」は、モータ11の連続駆動時間を参照してON圧値を変更する処理の実行周期を規定するものである。本実施形態に係る制御部30は、モータ11の連続駆動時間が、第2経過時間で規定された時間を経過するごとに、段階的にON圧値を上げるようになっている(ただし上限あり)。このため、第2経過時間が短ければ、速やかにタンク部15内の圧力が上昇し、逆に、第2経過時間が長ければ、緩やかにタンク部15内の圧力が上昇するようになっている。
「第3経過時間」は、モータ11の連続駆動時間を参照してOFF圧値を変更する処理の実行周期を規定するものである。本実施形態に係る制御部30は、モータ11の連続駆動時間が、第3経過時間で規定された時間を経過するごとに、段階的にOFF圧値を上げるようになっている(ただし上限あり)。このため、第3経過時間が短ければ、速やかにタンク部15内の圧力が上昇し、逆に、第3経過時間が長ければ、緩やかにタンク部15内の圧力が上昇するようになっている。
「第4経過時間」は、モータ11の連続停止時間を参照して、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を変更する処理の実行周期を規定するものである。本実施形態に係る制御部30は、モータ11の連続停止時間が、第4経過時間で規定された時間を経過するごとに、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を段階的に下げるようになっている(ただし下限あり)。このため、第4経過時間が短ければ、速やかにタンク部15内の圧力が低下し、逆に、第4経過時間が長ければ、緩やかにタンク部15内の圧力が低下するようになっている。ただし、本実施形態においては、この第4経過時間は固定値(例えば30秒)となっている。
「制御電流値の変更量」は、モータ11の連続駆動時間または連続停止時間を参照して制御電流値を変更するときの、値の変更量を規定するものである。このため、制御電流値の変更量が大きければ、速やかにモータ11の出力が向上(または低下)し、逆に、制御電流値の変更量が小さければ、緩やかにモータ11の出力が向上(または低下)するようになっている。
「ON圧値の変更量」は、モータ11の連続駆動時間または連続停止時間を参照してON圧値を変更するするときの、値の変更量を規定するものである。このため、ON圧値の変更量が大きければ、速やかにタンク部15内の圧力が上昇(または低下)し、逆に、ON圧値の変更量が小さければ、緩やかにタンク部15内の圧力が上昇(または低下)するようになっている。
「OFF圧値の変更量」は、モータ11の連続駆動時間または連続停止時間を参照してOFF圧値を変更するするときの、値の変更量を規定するものである。このため、OFF圧値の変更量が大きければ、速やかにタンク部15内の圧力が上昇(または低下)し、逆に、緩やかにタンク部15内の圧力が上昇(または低下)するようになっている。
これらの初期化が完了したら、ステップS110に進む。
ステップS110では、制御部30が、タイマカウンタをリセットする。本実施形態においては4つのタイマカウンタを設けている。これらのタイマカウンタは、リセットしたタイミングからの経過時間を取得するためのものである。すなわち、タイマカウンタを参照することで、最後にリセットされてからの経過時間を取得できるようになっている。なお、本実施形態においては4つのタイマカウンタで経過時間を計測しているが、これに限らず、経過時間を計測できるものであればよい。例えば、1つのタイマカウンタで4つの経過時間を計測してもよい。また、必ずしもタイマカウンタを使用する必要はなく、直接CPUに内蔵されたタイマの値を参照して経過時間を計測してもよいし、タイマ割り込みにより経過時間を検知してもよい。
なお、本実施形態に係るこれらのタイマカウンタは、追従制御モードにおいて使用される。具体的には、第1タイマカウンタは、モータ11の連続駆動時間を参照して制御電流値を変更する処理の実行周期を管理するためのものである。第2タイマカウンタは、モータ11の連続駆動時間を参照してON圧値を変更する処理の実行周期を管理するためのものである。第3タイマカウンタは、モータ11の連続駆動時間を参照してOFF圧値を変更する処理の実行周期を管理するためのものである。第4タイマカウンタは、モータ11の連続停止時間を参照して、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を変更する処理の実行周期を管理するためのものである。
すべてのタイマカウンタをリセットしたら、ステップS115に進む。
ステップS115では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得し、この圧力値がON圧値以下であるかがチェックされる。圧力値がON圧値以下である場合には、ステップS125へ進む。一方、圧力値がON圧値以下でない場合には、ステップS120に進む。
ステップS120に進んだ場合、モータ11が停止中であり、タンク部15内の圧力値がON圧値以下ではない(タンク部15内の圧力が足りている)ため、モータ11は停止した状態を継続する。この場合、後述する駆動停止時変更処理が実行される。その後、ステップS115に戻る。
一方、ステップS125に進んだ場合、モータ11が停止中であり、タンク部15内の圧力値がON圧値以下である(タンク部15内の圧力が不足している)ため、制御部30は、モータ11の駆動を開始する制御を行う。このとき、モータ11の出力は、設定された制御電流値によって制御される。そして、ステップS130に進む。
ステップS130では、すべてのタイマカウンタがリセットされる。そして、ステップS135に進む。
ステップS135では、後述する制御電流値変更処理が実行される。その後、ステップS140に進む。
ステップS140では、後述するON圧値変更処理が実行される。その後、ステップS145に進む。
ステップS145では、後述するOFF圧値変更処理が実行される。その後、ステップS150に進む。
ステップS150では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得し、この圧力値がOFF圧値以上であるかがチェックされる。圧力値がOFF圧値以上である場合には、ステップS155へ進む。一方、圧力値がOFF圧値以上でない場合には、ステップS135に戻る。
ステップS155に進んだ場合、モータ11の駆動によりタンク部15内の圧力値がモータ11の停止圧力に達したということであるため、制御部30は、モータ11の駆動を停止する。そして、ステップS110に戻る。
次に、制御電流値変更処理について、図4を参照しつつ説明する。制御電流値変更処理は、モータ11の連続駆動時間が一定時間を超えるごとに、制御電流値を段階的に上げていく処理である。
この制御電流値変更処理では、まず、図4に示すステップS205において、現在の運転モードが追従制御モードであるか否かをチェックする。追従制御モードでない場合には、制御電流値変更処理を終了する。一方、追従制御モードである場合には、ステップS210に進む。
ステップS210では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得し、この圧力値がON圧値以下であるかがチェックされる。圧力値がON圧値以下でない場合には、制御電流値変更処理を終了する。一方、圧力値がON圧値以下である場合には、ステップS215に進む。
ステップS215では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得し、この圧力値が駆動圧力値以下であるかがチェックされる。駆動圧力値とは、工具を駆動するために必要と推定される圧力値である。この圧力値は、固定値でもよいし、作業者が任意の値に設定することも可能である。本実施形態においては、例えば2.8MPaが駆動圧力値として設定されている。圧力値が駆動圧力値以下でない場合には、制御電流値変更処理を終了する。一方、圧力値が駆動圧力値以下である場合には、ステップS220に進む。
ステップS220では、制御部30が、第1タイマカウンタを参照し、第1タイマカウンタの値が第1経過時間以上であるかがチェックされる。第1タイマカウンタの値が第1経過時間以上でない場合には、制御電流値変更処理を終了する。一方、第1タイマカウンタの値が第1経過時間以上である場合には、第1タイマカウンタが最後にリセットしてから一定周期の時間(第1経過時間)が経過しているので、ステップS225に進む。
ステップS225に進んだ場合、予め定められた「制御電流値の変更量」に従い、制御電流値を1段階上げる。これにより、モータ11の出力が1段階アップする(ただし、予め定められた上限値に達している場合には、それ以上アップしない)。そして、ステップS230に進む。
ステップS230では、第1タイマカウンタをリセットする。そして、制御電流値変更処理を終了する。
次に、ON圧値変更処理について、図5を参照しつつ説明する。ON圧値変更処理は、モータ11の連続駆動時間が一定時間を超えるごとに、ON圧値を段階的に上げていく処理である。
このON圧値変更処理では、まず、図5に示すステップS305において、現在の運転モードが追従制御モードであるか否かをチェックする。追従制御モードでない場合には、ON圧値変更処理を終了する。一方、追従制御モードである場合には、ステップS310に進む。
ステップS310では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得し、この圧力値がON圧値以下であるかがチェックされる。圧力値がON圧値以下でない場合には、ON圧値変更処理を終了する。一方、圧力値がON圧値以下である場合には、ステップS315に進む。
ステップS315では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得し、この圧力値が駆動圧力値以下であるかがチェックされる。圧力値が駆動圧力値以下でない場合には、ON圧値変更処理を終了する。一方、圧力値が駆動圧力値以下である場合には、ステップS320に進む。
ステップS320では、制御部30が、第2タイマカウンタを参照し、第2タイマカウンタの値が第2経過時間以上であるかがチェックされる。第2タイマカウンタの値が第2経過時間以上でない場合には、ON圧値変更処理を終了する。一方、第2タイマカウンタの値が第2経過時間以上である場合には、第2タイマカウンタが最後にリセットしてから一定周期の時間(第2経過時間)が経過しているので、ステップS325に進む。
ステップS325に進んだ場合、予め定められた「ON圧値の変更量」に従い、ON圧値を1段階上げる(ただし、予め定められた上限値に達している場合には、それ以上アップしない)。これにより、タンク部15内の最低圧力のレベルが1段階アップする。そして、ステップS330に進む。
ステップS330では、第2タイマカウンタをリセットする。そして、ON圧値変更処理を終了する。
次に、OFF圧値変更処理について、図6を参照しつつ説明する。OFF圧値変更処理は、モータ11の連続駆動時間が一定時間を超えるごとに、OFF圧値を段階的に上げていく処理である。
このOFF圧値変更処理では、まず、図6に示すステップS405において、現在の運転モードが追従制御モードであるか否かをチェックする。追従制御モードでない場合には、OFF圧値変更処理を終了する。一方、追従制御モードである場合には、ステップS410に進む。
ステップS410では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得し、この圧力値がON圧値以下であるかがチェックされる。圧力値がON圧値以下でない場合には、OFF圧値変更処理を終了する。一方、圧力値がON圧値以下である場合には、ステップS415に進む。
ステップS415では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得し、この圧力値が駆動圧力値以下であるかがチェックされる。圧力値が駆動圧力値以下でない場合には、OFF圧値変更処理を終了する。一方、圧力値が駆動圧力値以下である場合には、ステップS420に進む。
ステップS420では、制御部30が、第3タイマカウンタを参照し、第3タイマカウンタの値が第3経過時間以上であるかがチェックされる。第3タイマカウンタの値が第3経過時間以上でない場合には、OFF圧値変更処理を終了する。一方、第3タイマカウンタの値が第3経過時間以上である場合には、第3タイマカウンタが最後にリセットしてから一定周期の時間(第3経過時間)が経過しているので、ステップS425に進む。
ステップS425に進んだ場合、予め定められた「OFF圧値の変更量」に従い、OFF圧値を1段階上げる(ただし、予め定められた上限値に達している場合には、それ以上アップしない)。これにより、タンク部15内の最高圧力のレベルが1段階アップする。そして、ステップS430に進む。
ステップS430では、第3タイマカウンタをリセットする。そして、OFF圧値変更処理を終了する。
次に、駆動停止時変更処理について、図7を参照しつつ説明する。駆動停止時変更処理は、モータ11の連続停止時間が一定時間を超えるごとに、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を段階的に下げていく処理である。
この駆動停止時変更処理では、まず、図7に示すステップS500において、現在の運転モードが追従制御モードであるか否かをチェックする。追従制御モードでない場合には、駆動停止時変更処理を終了する。一方、追従制御モードである場合には、ステップS505に進む。
ステップS505では、制御部30が、第4タイマカウンタを参照し、第4タイマカウンタの値が第4経過時間以上であるかがチェックされる。第4タイマカウンタの値が第4経過時間以上でない場合には、駆動停止時変更処理を終了する。一方、第4タイマカウンタの値が第4経過時間以上である場合には、第4タイマカウンタが最後にリセットしてから一定周期の時間(第4経過時間)が経過しているので、ステップS510に進む。
ステップS510に進んだ場合、予め定められた「制御電流値の変更量」「ON圧値の変更量」「OFF圧値の変更量」に従い、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を1段階下げる(ただし、予め定められた下限値に達している場合には、それ以上は下げない)。そして、ステップS515に進む。
なお、本実施形態に係るステップS510においては、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を同時に1段階下げることとしているが、これに限らず、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を異なる時間間隔で変更させるようにしてもよい。
ステップS515では、第4タイマカウンタをリセットする。そして、駆動停止時変更処理を終了する。
上記したようなメインフローにより、本実施形態に係る制御部30は、追従制御モードにおいて、モータ11の連続駆動時間または連続停止時間を検出して、この連続駆動時間または連続停止時間に基づき、ON圧値を変更する設定変更処理、OFF圧値を変更する設定変更処理、モータ11の出力を変更する設定変更処理を実行するように構成されている。
そして、本実施形態に係る制御部30は、これらの設定変更処理の実行周期を自動的に変更することにより、従来よりも高い追従性でモータ11の出力やタンク部15内の圧力を設定できるようになっている。具体的には、制御部30は、タンク部15内の圧力値の変化率を算出して、この変化率に基づき、設定変更処理の実行周期を決定するように構成されている。
図9に示す圧力変化検出処理は、このような設定変更処理の実行周期を変更するための処理である。この圧力変化検出処理は、決まった時間(例えば200ミリ秒)ごとに発生するタイマー割り込みによって定期的に呼び出されて実行される処理である。
この圧力変化検出処理は、図9のステップS630に示すように、予め定められた周期(例えば200ミリ秒ごと)でタイマー割り込みが発生することで開始される。そして、ステップS636に進む。
ステップS636では、現在の運転モードが追従制御モードであるか否かをチェックする。追従制御モードでない場合には、圧力変化検出処理を終了する。一方、追従制御モードである場合には、ステップS635に進む。
ステップS635では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得する。なお、取得した圧力値は、少なくとも次回の圧力変化検出処理で参照できるようにメモリに記憶される。そして、ステップS640に進む。
ステップS640では、ステップS635で取得した圧力値と、前回の圧力変化検出処理で取得された圧力値(メモリに記憶された圧力値)とを比較し、タンク部15内の圧力値の変化率を算出する。なお、本実施形態においては、圧力変化検出処理2回分の圧力値によって変化率を算出しているが、変化率の算出方法はこれに限らず、任意の方法を選択することができる。そして、ステップS645に進む。
ステップS645では、ステップS640で算出した圧力変化率に基づき、第1経過時間、第2経過時間、第3経過時間を設定する。例えば、空気圧縮機10の記憶装置に、図10に示すような周期指定テーブルを予め記憶させておき、この周期指定テーブルを使用して、第1経過時間、第2経過時間、第3経過時間を設定する。
図10に示す周期指定テーブルにおいては、圧力変化率が「低」「中」「高」「最高」の4段階に区分されており、「低」<「中」<「高」<「最高」の順に徐々に圧力変化率が大きい区分となっている(この区分は例示に過ぎず、区分数を任意に設定できることは言うまでもない)。
ステップS640で算出した圧力変化率が、「低」の区分に属する場合(すなわち、最も圧力変化率が小さい区分に属する場合)、設定変更処理の実行周期が最も長くなるように、第1経過時間、第2経過時間、第3経過時間が設定される。具体的には、第1経過時間が2秒、第2経過時間が20秒、第3経過時間が20秒に設定される。これにより、モータ11の出力や、タンク部15内の圧力が、緩やかに上がっていく設定となる。
また、ステップS640で算出した圧力変化率が、「中」の区分に属する場合(すなわち、2番目に圧力変化率が小さい区分に属する場合)、設定変更処理の実行周期が「低」よりも短くなるように、第1経過時間、第2経過時間、第3経過時間が設定される。具体的には、第1経過時間が1秒、第2経過時間が10秒、第3経過時間が10秒に設定される。これにより、モータ11の出力や、タンク部15内の圧力が、「低」よりも速やかに上がっていく設定となる。
また、ステップS640で算出した圧力変化率が、「高」の区分に属する場合(すなわち、3番目に圧力変化率が小さい区分に属する場合)、設定変更処理の実行周期が「中」よりも短くなるように、第1経過時間、第2経過時間、第3経過時間が設定される。具体的には、第1経過時間が0.75秒、第2経過時間が7.5秒、第3経過時間が7.5秒に設定される。これにより、モータ11の出力や、タンク部15内の圧力が、「中」よりも速やかに上がっていく設定となる。
また、ステップS640で算出した圧力変化率が、「最高」の区分に属する場合(すなわち、最も圧力変化率が大きい区分に属する場合)、設定変更処理の実行周期が「高」よりも短くなるように、第1経過時間、第2経過時間、第3経過時間が設定される。具体的には、第1経過時間が0.5秒、第2経過時間が5秒、第3経過時間が5秒に設定される。これにより、モータ11の出力や、タンク部15内の圧力が、最も速やかに上がっていく設定となる。
このように、圧力変化率が大きくなるに従って、設定変更処理の実行周期が短くなるように構成することで、エア消費量に対する圧縮機構の作動の追従性を向上させることができる。
例えば、図11(a)に示すように、タンク部15内の圧力値が比較的急速に低下している場合(エア消費量が大きい場合)、圧力変化率が大きくなる。このようなときには、設定変更処理の実行周期が短くなるため、図11(b)および図11(c)に示すように、制御電流値やON圧値、OFF圧値が速いペースで引き上げられていく(T1、T2で示すように、値を引き上げるタイミングの間隔が比較的短くなっている)。よって、急激にエア消費量が増大した場合でも、これに追従して、モータ11の出力が速いペースで引き上げられ、また、タンク内圧の水準も速いペースで引き上げられるようになっている。
反対に、図12(a)に示すように、タンク部15内の圧力値が比較的緩やかに低下している場合(エア消費量が小さい場合)、圧力変化率が小さくなる。このようなときには、設定変更処理の実行周期が長くなるため、図12(b)および図12(c)に示すように、制御電流値やON圧値、OFF圧値がゆっくりとしたペースで引き上げられていく(T3、T4で示すように、値を引き上げるタイミングの間隔が比較的長くなっている)。よって、エア消費量がゆっくりと増えていく場合には、これに追従して、モータ11の出力が緩やかに引き上げられ、また、タンク内圧の水準も緩やかに引き上げられる。
このように、本実施形態によれば、制御部30は、モータ11の連続駆動時間または連続停止時間を検出して、この連続駆動時間または連続停止時間に基づき、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力を変更する設定変更処理を実行可能であり、更に制御部30は、タンク部15内の圧力値の変化率を算出して、この変化率に基づき、設定変更処理の実行周期を決定する。
このような構成によれば、圧縮空気の使用量によって、設定変更処理の実行周期を変化させることができるので、従来よりも高い追従性でモータ11の出力やタンク部15内の圧力を自動的に設定することができる。
例えば、タンク部15内の圧力変化が大きい場合には、タンク部15内の圧力変化に対して敏感に反応して、モータ11の出力やタンク部15内の圧力を変化させることができる。また、反対に、タンク部15内の圧力変化が小さい場合には、タンク部15内の圧力変化に対して緩やかに反応して、モータ11の出力やタンク部15内の圧力を変化させることができる。
具体的には、瞬間的に圧縮空気を使用する大型の釘打ち機や、継続して圧縮空気を使用するインパクトレンチなどに空気圧縮機10を使用した場合、タンク部15内の圧力が大きく降下する。このようにタンク部15内の圧力値の変化率が大きい場合には、設定変更処理の実行周期を短くすることで、モータ11の出力やタンク部15内の圧力を速やかに上昇させることができる。すなわち、従来よりも高い追従性によって、圧縮空気の不足を防止することができる。
反対に、圧縮空気をあまり消費しないエアタッカのような工具に空気圧縮機10を使用した場合、タンク部15内の圧力の降下は小さい。このようにタンク部15内の圧力値の変化率が小さい場合には、設定変更処理の実行周期を長くすることで、モータ11の出力やタンク部15内の圧力の上昇を緩やかにすることができる。モータ11の出力やタンク部15内の圧力の上昇が抑制されることで、負荷の増大を抑制することができる。すなわち、従来よりも高い追従性によって、騒音や電力消費、部品の消耗を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、タンク部15内の圧力値を参照することで、圧力変化率を求めているが、これに限らない。例えば、エア消費量やバルブ流量を用いて、圧力変化率を推定するようにしてもよい。
(第1の実施形態の変形例)
上記した第1の実施形態においては、圧縮空気の使用量によって、設定変更処理の実行周期を変化させるようにしたが、これに限らず、圧縮空気の使用量によって、設定変更処理における値の変更量を決定するようにしてもよい。
以下、圧縮空気の使用量によって、設定変更処理における値の変更量を決定するようにした第1の実施形態の変形例について、図13~16を参照しつつ、説明する。なお、本変形例の基本的構成は第1の実施形態と相違しないため、重複する記載を避けて、相違する箇所のみを説明する。
本変形例においては、図9で説明した圧力変化検出処理に代えて、図13に示す圧力変化検出処理が実行される。図13に示す圧力変化検出処理は、図9で説明した圧力変化検出処理と同様に、決まった時間(例えば200ミリ秒)ごとに発生するタイマー割り込みによって定期的に呼び出されて実行される処理である。
この圧力変化検出処理は、図13のステップS670に示すように、予め定められた周期(例えば200ミリ秒ごと)でタイマー割り込みが発生することで開始される。そして、ステップS672に進む。
ステップS672では、現在の運転モードが追従制御モードであるか否かをチェックする。追従制御モードでない場合には、圧力変化検出処理を終了する。一方、追従制御モードである場合には、ステップS675に進む。
ステップS675では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得する。なお、取得した圧力値は、少なくとも次回の圧力変化検出処理で参照できるようにメモリに記憶される。そして、ステップS680に進む。
ステップS680では、ステップS675で取得した圧力値と、前回の圧力変化検出処理で取得された圧力値(メモリに記憶された圧力値)とを比較し、タンク部15内の圧力値の変化率を算出する。なお、本変形例においては、圧力変化検出処理2回分の圧力値によって変化率を算出しているが、変化率の算出方法はこれに限らず、任意の方法を選択することができる。そして、ステップS685に進む。
ステップS685では、ステップS680で算出した圧力変化率に基づき、制御電流値の変更量、ON圧値の変更量、OFF圧値の変更量を設定する。例えば、空気圧縮機10の記憶装置に、図14に示すような変更量指定テーブルを予め記憶させておき、この変更量指定テーブルを使用して、制御電流値の変更量、ON圧値の変更量、OFF圧値の変更量を設定する。ここで設定された変更量は、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を段階的に変動させる処理(制御電流値変更処理、ON圧値変更処理、OFF圧値変更処理、駆動停止時変更処理)において、変動の単位(1段階分の変更量)として使用される。
図14に示す変更量指定テーブルにおいては、圧力変化率が「低」「中」「高」「最高」の4段階に区分されており、「低」<「中」<「高」<「最高」の順に徐々に圧力変化率が大きい区分となっている(この区分は例示に過ぎず、区分数を任意に設定できることは言うまでもない)。
ステップS680で算出した圧力変化率が、「低」の区分に属する場合(すなわち、最も圧力変化率が小さい区分に属する場合)、設定変更処理における値の変更量が最も小さくなるように、制御電流値の変更量、ON圧値の変更量、OFF圧値の変更量が設定される。具体的には、制御電流値の変更量が0.05A、ON圧値の変更量が0.05MPa、OFF圧値の変更量が0.05MPaに設定される。これにより、モータ11の出力や、タンク部15内の圧力が、最も緩やかに上がっていく設定となる。
また、ステップS680で算出した圧力変化率が、「中」の区分に属する場合(すなわち、圧力変化率が2番目に小さい区分に属する場合)、設定変更処理における値の変更量が「低」よりも大きくなるように、制御電流値の変更量、ON圧値の変更量、OFF圧値の変更量が設定される。具体的には、制御電流値の変更量が0.1A、ON圧値の変更量が0.1MPa、OFF圧値の変更量が0.1MPaに設定される。これにより、モータ11の出力や、タンク部15内の圧力が、「低」よりも速やかに上がっていく設定となる。
また、ステップS680で算出した圧力変化率が、「高」の区分に属する場合(すなわち、圧力変化率が3番目に小さい区分に属する場合)、設定変更処理における値の変更量が「中」よりも大きくなるように、制御電流値の変更量、ON圧値の変更量、OFF圧値の変更量が設定される。具体的には、制御電流値の変更量が0.2A、ON圧値の変更量が0.2MPa、OFF圧値の変更量が0.2MPaに設定される。これにより、モータ11の出力や、タンク部15内の圧力が、「中」よりも速やかに上がっていく設定となる。
また、ステップS680で算出した圧力変化率が、「最高」の区分に属する場合(すなわち、最も圧力変化率が大きい区分に属する場合)、設定変更処理における値の変更量が「高」よりも大きくなるように、制御電流値の変更量、ON圧値の変更量、OFF圧値の変更量が設定される。具体的には、制御電流値の変更量が0.3A、ON圧値の変更量が0.3MPa、OFF圧値の変更量が0.3MPaに設定される。これにより、モータ11の出力や、タンク部15内の圧力が、最も速やかに上がっていく設定となる。
このように、圧力変化率が大きくなるに従って、設定変更処理における値の変更量が大きくなるように構成することで、エア消費に対する圧縮機構の作動の追従性を向上させることができる。
例えば、図15(a)に示すように、タンク部15内の圧力値が比較的急速に低下している場合(エア消費量が大きい場合)、圧力変化率が大きくなる。このようなときには、図15(b)および図15(c)に示すように、設定変更処理における値の変更量(W1およびW2参照)が大きくなるため、制御電流値やON圧値、OFF圧値が速いペースで引き上げられていく。よって、急激にエア消費量が増大した場合でも、これに追従して、モータ11の出力が速いペースで引き上げられ、また、タンク内圧の水準も速いペースで引き上げられるようになっている。
反対に、図16(a)に示すように、タンク部15内の圧力値が比較的緩やかに低下している場合(エア消費量が小さい場合)、圧力変化率が小さくなる。このようなときには、図16(b)および図16(c)に示すように、設定変更処理における値の変更量(W3およびW4参照)が小さいため、制御電流値やON圧値、OFF圧値がゆっくりとしたペースで引き上げられていく。よって、エア消費量がゆっくりと増えていく場合には、これに追従して、モータ11の出力が緩やかに引き上げられ、また、タンク内圧の水準も緩やかに引き上げられる。
このように、本変形例によれば、制御部30は、タンク部15内の圧力値の変化率を算出して、この変化率に基づき、設定変更処理における値の変更量を決定する。
このような構成によれば、圧縮空気の使用量によって、設定変更処理における値の変更量を変化させることができるので、従来よりも高い追従性を実現することができる。
例えば、タンク部15内の圧力変化が大きい場合には、タンク部15内の圧力変化に対して敏感に反応して、モータ11の出力やタンク部15内の圧力を変化させることができる。また、反対に、タンク部15内の圧力変化が小さい場合には、タンク部15内の圧力変化に対して緩やかに反応して、モータ11の出力やタンク部15内の圧力を変化させることができる。
(第1の実施形態のその他の変形例)
上記した第1の実施形態では、タンク部15内の圧力値の変化率を算出して、この変化率に基づき、3つのパラメータ(ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力)に係る設定変更処理の実行周期を決定するようにした。また、上記した第1の実施形態の変形例では、タンク部15内の圧力値の変化率を算出して、この変化率に基づき、3つのパラメータ(ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力)に係る設定変更処理における値の変更量を決定するようにした。しかしながら、これに限らず、3つのパラメータのうちの2つまたは1つだけが影響を受けるように、設定変更処理の実行周期または設定変更処理における値の変更量を決定するようにしてもよい。
また、上記した第1の実施形態および変形例では、タンク部15内の圧力値の変化率を算出して、この変化率に基づき、設定変更処理の実行周期または設定変更処理における値の変更量のいずれかを決定するようにしている。しかしながら、これに限らず、圧力値の変化率に基づいて、設定変更処理の実行周期を決定しつつ、設定変更処理における値の変更量を決定するようにしてもよい。すなわち、図9で説明した圧力変化検出処理と、図13に示す圧力変化検出処理とを、いずれも実行する実施形態としてもよい。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、図17~18を参照しながら説明する。なお、本実施形態の基本的構成は第1の実施形態と相違しないため、重複する記載を避けて、相違する箇所のみを説明する。
本実施形態の特徴は、図17に示す変化率変動検出処理を実行する点にある。この変化率変動検出処理は、図9で説明した圧力変化検出処理に代えて実行するようにしてもよいし、図9で説明した圧力変化検出処理に加えて(圧力変化検出処理と同時並行的に)実行するようにしてもよい。この変化率変動検出処理は、決まった時間(例えば200ミリ秒)ごとに発生するタイマー割り込みによって定期的に呼び出されて実行される処理である。
この変化率変動検出処理は、図17のステップS710に示すように、予め定められた周期(例えば200ミリ秒ごと)でタイマー割り込みが発生することで開始される。そして、ステップS712に進む。
ステップS712では、現在の運転モードが追従制御モードであるか否かをチェックする。追従制御モードでない場合には、圧力変化検出処理を終了する。一方、追従制御モードである場合には、ステップS715に進む。
ステップS715では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得する。なお、取得した圧力値は、少なくとも次回の圧力変化検出処理で参照できるようにメモリに記憶される。そして、ステップS720に進む。
ステップS720では、ステップS715で取得した圧力値と、前回の圧力変化検出処理で取得された圧力値(メモリに記憶された圧力値)とを比較し、タンク部15内の圧力値の変化率を算出する。なお、本変形例においては、圧力変化検出処理2回分の圧力値によって変化率を算出しているが、変化率の算出方法はこれに限らず、任意の方法を選択することができる。算出した変化率は、少なくとも次回の圧力変化検出処理で参照できるようにメモリに記憶される。そして、ステップS730に進む。
ステップS730では、ステップS720で算出した圧力変化率と、前回の圧力変化検出処理で算出された圧力変化率(メモリに記憶された圧力変化率)とを比較し、「変化率の変化率」を算出する。本変形例においては、圧力変化検出処理2回分の変化率によって「変化率の変化率」を算出しているが、「変化率の変化率」の算出方法はこれに限らず、任意の方法を選択することができる。例えば、圧力変化率(圧力変化の速さ)は、タンク部15から流出する空気の流量の大きさを表しているから、「圧力変化率の変化率」を算出することは、「流量の変化」を検出すること同義である。このため、上記したような算出方法を実施する代わりに、流量計を使用してタンク部15から流出する空気の流量を検出して「流量の変化」を算出し、この「流量の変化」を「圧力変化率の変化率」として使用してもよい。そして、ステップS735に進む。
ステップS735では、制御部30が、ステップS730で算出した「変化率の変化率」が所定の条件を満たしているときに、制御電流値、ON圧値、OFF圧値の少なくともいずれかを変更する。
例えば、図18に示すように、「変化率の変化率」が所定の閾値よりも低かった場合、すなわち、変化率が大きく変動しなかった場合や、変化率がマイナス方向に変動した場合には、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を変更しないようにしてもよい。
一方、「変化率の変化率」が所定の閾値よりも高かった場合、すなわち、変化率が大きく変動した場合(エア消費量が急激に増大した場合)には、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を初期値に変更してもよい(ただし、もともとの制御電流値、ON圧値、OFF圧値が初期値よりも大きい場合には、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を変更しなくてもよい)。
このように設定すれば、追従制御モードで制御電流値、ON圧値、OFF圧値が最低値まで低下した状態(休憩時間などで空気圧縮機10が使用されずに放置されていた場合など)から、急激にエア消費量が増加した場合(休憩から復帰して、エア消費量の大きい工具が使用された場合など)でも、「変化率の変化率」を検出することで、急激な変化率の上昇を検知することができる。そして、急激な変化率の上昇を検知した場合には、最低値まで低下した制御電流値、ON圧値、OFF圧値を、速やかに初期値に戻すことで、圧縮空気の不足を未然に防止することができる。
以上説明したように、この第2の実施形態に係る制御部30は、タンク部15内の圧力値の変化率を算出して、過去に算出したタンク部15内の圧力値の変化率と比較し、その比較結果が所定の条件を満たしたときに、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力の少なくともいずれかを変更する。
このような構成によれば、急激に変化率が変化したときに、通常とは異なる制御によりモータ11の出力やタンク部15内の圧力を設定することができるので、従来よりも高い追従性でモータ11の出力やタンク部15内の圧力を自動的に設定することができる。
例えば、従来の空気圧縮機10では、休憩時間などで圧縮空気が一定時間消費されていない状態が続くと、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力が設定可能な最低値まで低下することになる。この状態で作業が開始されて急激に圧縮空気が使用された場合、タンク部15内の圧力を低く抑える設定となっているため、圧縮空気が不足してしまうおそれがある。すなわち、[0]モータ11の出力やON圧値・OFF圧値の設定値が低い状態から、徐々に(段階的に)上げてゆくことになるので、消費量に見合った吐出量が得られるまで時間を要する。この点、本実施形態によれば、駆動開始後の圧力変化率の変動に応じて、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力の少なくともいずれかを変更することができる。
具体的には、上述したように休憩から復帰して急激に圧縮空気が使用されると、圧力値の変化率が急激に大きくなる。このように変化率が大きく変動したことを検知して、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力を変更することで、モータ11の出力やタンク部15内の圧力を速やかに上昇させることができるため、従来よりも追従性が向上する。
なお、本実施形態においては、「変化率の変化率」に基づいて、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力のすべてを変更しているが、これに限らず、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力の少なくともいずれかを変更するものであればよい。
また、本実施形態においては、「変化率の変化率」に基づいて、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力を個別に変更しているが、これに限らず、運転モードを切り替えることでON圧値、OFF圧値、モータ11の出力を変更するようにしてもよい。すなわち、予め用意された複数の運転モードに、それぞれON圧値、OFF圧値、モータ11の出力が予め関連付けて記憶されており、「変化率の変化率」に基づいて、この運転モードを切り替えるようにしてもよい。
また、「変化率の変化率」が所定の閾値よりも高い値であった場合に、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力を初期値に変更しているが、これに限らない。例えば、複数の閾値を使用して、段階的にON圧値、OFF圧値、モータ11の出力を変更していくようにしてもよい。また、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力は、必ずしも初期値に変更する必要はなく、初期値よりも高い値に変更してもよいし、初期値よりも低い値に変更してもよい。
また、この第2の実施形態は、第1の実施形態やその変形例とは別に実施することも可能であるし、第1の実施形態やその変形例に組み合わせて実施することも可能である。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について、図19~20を参照しながら説明する。なお、本実施形態の基本的構成は第1の実施形態と相違しないため、重複する記載を避けて、相違する箇所のみを説明する。
本実施形態においては、図3で説明したメインフローに代えて、図19に示すメインフローが実行される。この図19で示すメインフローは、図3に示すメインフローと比較して、ステップS827の「駆動開始時変更処理」が追加された点と、ステップS860の「停止カウンタ計測開始」が追加された点とで相違する。
すなわち、まず、図19に示すステップS800において、電源スイッチ31が操作され、電源がオンになる。そして、ステップS805に進む。
ステップS805では、制御部30により、各種パラメータが初期化される。そして、ステップS810に進む。
ステップS810では、制御部30が、タイマカウンタをリセットする。そして、ステップS815に進む。
ステップS815では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得し、この圧力値がON圧値以下であるかがチェックされる。圧力値がON圧値以下である場合には、ステップS825へ進む。一方、圧力値がON圧値以下でない場合には、ステップS820に進む。
ステップS820に進んだ場合、モータ11が停止中であり、タンク部15内の圧力値がON圧値以下ではない(タンク部15内の圧力が足りている)ため、モータ11は停止した状態を継続する。この場合、後述する駆動停止時変更処理が実行される。その後、ステップS815に戻る。
一方、ステップS825に進んだ場合、モータ11が停止中であり、タンク部15内の圧力値がON圧値以下である(タンク部15内の圧力が不足している)ため、制御部30は、モータ11の駆動を開始する制御を行う。このとき、モータ11の出力は、設定された制御電流値によって制御される。そして、ステップS827に進む。
ステップS827では、後述する駆動開始時変更処理が実行される。そして、ステップS830に進む。
ステップS830では、すべてのタイマカウンタがリセットされる。そして、ステップS835に進む。
ステップS835では、制御電流値変更処理が実行される。その後、ステップS840に進む。
ステップS840では、ON圧値変更処理が実行される。その後、ステップS845に進む。
ステップS845では、OFF圧値変更処理が実行される。その後、ステップS850に進む。
ステップS850では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得し、この圧力値がOFF圧値以上であるかがチェックされる。圧力値がOFF圧値以上である場合には、ステップS855へ進む。一方、圧力値がOFF圧値以上でない場合には、ステップS835に戻る。
ステップS855に進んだ場合、モータ11の駆動によりタンク部15内の圧力値が上昇し、停止圧力に達したということであるため、制御部30は、モータ11の駆動を停止する。そして、ステップS860に進む。
ステップS860では、停止カウンタをリセットし、停止カウンタによる計測を開始する。停止カウンタは、モータ11の駆動が停止してから、モータ11が再駆動するまでの時間を計測するためのタイマカウンタである。そして、ステップS810に戻る。
次に、駆動開始時変更処理について、図20を参照しつつ説明する。駆動開始時変更処理は、モータ11が所定時間(例えば30分)よりも長く連続停止した後に再駆動したときに、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を変更する処理である。
この駆動開始時変更処理では、まず、図20に示すステップS880において、現在の運転モードが追従制御モードであるか否かをチェックする。追従制御モードでない場合には、駆動開始時変更処理を終了する。一方、追従制御モードである場合には、ステップS882に進む。
ステップS882では、制御部30が、停止カウンタを参照し、停止カウンタの値が所定時間(例えば30分)以上であるかがチェックされる。停止カウンタの値が所定時間以上でない場合には、駆動開始時変更処理を終了する。一方、停止カウンタの値が所定時間以上である場合には、モータ11の駆動が停止してからモータ11が再駆動するまでに所定時間(30分)が経過しているので、ステップS885に進む。
ステップS885に進んだ場合、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を初期値に変更する。そして、駆動開始時変更処理を終了する。
このように構成することで、モータ11が最後に停止してから再駆動するまでに所定時間(例えば30分)以上が経過している場合には、制御電流値、ON圧値、OFF圧値が最低値まで低下している場合でも、初期値に戻されることとなる。よって、休憩時間などで長時間モータ11が作動していない状態から、エア消費量の大きい工具が使用された場合であっても、最低値まで低下した制御電流値、ON圧値、OFF圧値を、速やかに初期値に戻すことで、圧縮空気の不足を未然に防止することができる。
以上説明したように、この第3の実施形態に係る制御部30は、モータ11が所定時間よりも長く連続停止した後に再駆動を開始したときに、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力の少なくともいずれかを変更する。
このような構成によれば、休憩時間などで圧縮空気が一定時間が消費されていない状態が続き、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力が設定可能な最低値まで低下した場合でも、作業の再開時に、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力を変更することで、モータ11の出力やタンク部15内の圧力を速やかに上昇させることができるため、作業が再開されたときの追従性の低下を防ぐことができ、圧縮空気の不足を防止することができる。
なお、本実施形態においては、モータ11が所定時間よりも長く連続停止した後に再駆動を開始したときに、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力のすべてを変更しているが、これに限らず、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力の少なくともいずれかを変更するものであればよい。
また、本実施形態においては、モータ11が所定時間よりも長く連続停止した後に再駆動を開始したときに、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力を個別に変更しているが、これに限らず、運転モードを切り替えることでON圧値、OFF圧値、モータ11の出力を変更するようにしてもよい。すなわち、予め用意された複数の運転モードに、それぞれON圧値、OFF圧値、モータ11の出力が予め関連付けて記憶されており、モータ11が所定時間よりも長く連続停止した後に再駆動を開始したときに、この運転モードを切り替えるようにしてもよい。
また、モータ11が所定時間よりも長く連続停止した後に再駆動を開始したときに、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力を初期値に変更しているが、これに限らない。例えば、停止時間の長短に応じて、段階的にON圧値、OFF圧値、モータ11の出力を変更していくようにしてもよい。また、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力は、必ずしも初期値に変更する必要はなく、初期値よりも高い値に変更してもよいし、初期値よりも低い値に変更してもよい。
また、この第3の実施形態は、第1の実施形態やその変形例、第2の実施形態とは別に実施することも可能であるし、第1の実施形態やその変形例、第2の実施形態と組み合わせて実施することも可能である。
(第3の実施形態の変形例1)
上記した第3の実施形態においては、モータ11が所定時間よりも長く連続停止した後に再駆動を開始したときに、休憩が終了したと判断するようにした。しかしながら、これに限らず、休憩が終わったという情報の入力を受け付ける休憩終了受付手段を設けてもよい。このような休憩終了受付手段を設けることで、休憩の終了を検知することができ、休憩の終了を制御部30に認識させることができる。そして、制御部30は、休憩の終了を検知したときに、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力を変更するようにしてもよい。
以下、休憩終了受付手段を設けた第3の実施形態の変形例1について、図21を参照しつつ、説明する。なお、本変形例の基本的構成は第1の実施形態と相違しないため、重複する記載を避けて、相違する箇所のみを説明する。
この変形例においては、図3と同様のメインフローが実行される。すなわち、モータ11の起動時に「駆動開始時変更処理」(図19のステップS827参照)は実行されない。その代わり、休憩終了受付手段が休憩が終わったという情報の入力を受け付けたときに、図21に示す休憩終了処理が実行される。
なお、休憩終了受付手段は、作業者からの操作を受け付けることで、休憩が終わったという情報の入力を受け付けるものであってもよい。例えば、作業者が操作可能な操作部(スイッチ等)を設け、この操作部が操作されたときに休憩が終わったという情報の入力を受け付けるものであってもよい。このような操作部を設ければ、休憩が終わったときに作業者が所定の操作(例えばスイッチの押下)を行うことで、休憩の終了を検知することができる。
また、休憩終了受付手段は、時刻と連動するものであってもよい。すなわち、休憩終了受付手段は、空気圧縮機10に内蔵された時計から時刻を取得することで、休憩が終わったという情報の入力を受け付けるものであってもよい。例えば、昼休み等、決まった時間に休憩する場合は、作業者等によって予め定められた所定の時刻となったときに、休憩が終わったと判断し、これにより休憩の終了を検知するようにしてもよい。
また、休憩終了受付手段は、休憩開始から所定時間が経過したときに、休憩が終わったと判断し、これにより休憩の終了を検知するものであってもよい。すなわち、休憩終了受付手段は、空気圧縮機10に内蔵された時計から経過時間を取得することで、休憩が終わったという情報の入力を受け付けるものであってもよい。この場合、休憩が開始したという情報の入力を受け付ける休憩開始受付手段(後述)が必要である。この休憩開始受付手段によって、休憩の開始が検知されてから時間計測を開始し、予め定められた所定の休憩時間が経過したら、休憩終了受付手段は休憩が終わったと判断し、これにより休憩の終了を検知することができる。なお、休憩時間を入力するための手段を設けることで、使用者が休憩時間を任意の時間に設定できるようにしてもよい。
また、休憩終了受付手段は、急激な圧力変動を検出したときに、休憩が終わったと判断し、これにより休憩の終了を検知するものであってもよい。例えば、制御部30が圧力センサ33を使用してタンク部15内の圧力値の変化量を定期的に検出し、この変化量が基準値を超えたときに、休憩が終わったと判断してもよい。このように、休憩終了受付手段は、制御部30から圧力変動の情報を取得することで、休憩が終わったという情報の入力を受け付けるものであってもよい。
上記したような種々の方法により、休憩終了受付手段が休憩の終了を検知すると、制御部30が図21に示す休憩終了処理を実行する。
休憩終了処理においては、まず、図21に示すステップS890において、現在の運転モードが追従制御モードであるか否かをチェックする。追従制御モードでない場合には、駆動開始時変更処理を終了する。一方、追従制御モードである場合には、ステップS895に進む。
ステップS895に進んだ場合、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を初期値に変更する。そして、休憩終了処理を終了する。
このように構成することで、より明確に休憩の終了を把握することができる。
なお、本変形例においては、上記したステップS895において、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力のすべてを変更しているが、これに限らず、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力の少なくともいずれかを変更するものであればよい。
また、上記したステップS895において、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力を初期値に変更しているが、これに限らず、初期値以外の値に変更してもよい。
以上説明したように、本変形例によれば、休憩が終わったという情報の入力を受け付ける休憩終了受付手段を備え、制御部30は、休憩終了受付手段によって休憩の終了を検知したときに、ON圧値、OFF圧値、モータの出力の少なくともいずれかを変更する。
このような構成によれば、休憩時間などで圧縮空気が一定時間消費されていない状態が続き、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力が設定可能な最低値まで低下した場合でも、作業の再開時(休憩の終了時)に、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力を変更することで、モータ11の出力やタンク部15内の圧力を速やかに上昇させることができる。よって、作業が再開されたときの追従性の低下を防ぐことができ、圧縮空気の不足を防止することができる。
例えば、休憩が終了したときに、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力を、設定変更処理が実行される前の初期値に戻すようにしてもよい。このようにすれば、休憩からの復帰時に圧縮空気が不足する問題を効果的に防止することができる。
(第3の実施形態の変形例2)
上記した第3の実施形態においては、休憩の開始を検知していないが、休憩の開始を検知するようにしてもよい。すなわち、休憩が開始したという情報の入力を受け付ける休憩開始受付手段を設けてもよい。
以下、休憩開始受付手段を設けた第3の実施形態の変形例2について、図22~24を参照しつつ、説明する。なお、本変形例の基本的構成は第1の実施形態と相違しないため、重複する記載を避けて、相違する箇所のみを説明する。
この変形例においては、図3と同様のメインフローが実行される。すなわち、第3の実施形態とは異なり、モータ11の起動時に「駆動開始時変更処理」(図19のステップS827参照)は実行されない。
また、この変形例においては、図7に示す駆動停止時変更処理に代えて、図22に示す駆動停止時変更処理が実行される。また、休憩開始受付手段が休憩が開始したという情報の入力を受け付けたときに、図23に示す休憩開始処理が実行される。また、休憩終了受付手段が休憩が終わったという情報の入力を受け付けたときに、図24に示す休憩終了処理が実行される。
休憩開始受付手段は、作業者からの操作を受け付けることで、休憩が開始したという情報の入力を受け付けるものであってもよい。例えば、作業者が操作可能な操作部(スイッチ等)を設け、この操作部が操作されたときに休憩が開始したという情報の入力を受け付けるものであってもよい。このような操作部を設ければ、休憩が開始したときに作業者が所定の操作(例えばスイッチの押下)を行うことで、休憩の開始を検知することができる。
また、休憩開始受付手段は、時刻と連動するものであってもよい。すなわち、休憩開始受付手段は、空気圧縮機10に内蔵された時計から時刻を取得することで、休憩が開始したという情報の入力を受け付けるものであってもよい。例えば、昼休み等、決まった時間に休憩する場合は、作業者等によって予め定められた所定の時刻となったときに、休憩が開始したと判断し、これにより休憩の開始を検知するようにしてもよい。
また、休憩終了受付手段は、すでに説明したような方法により、休憩が終わったという情報の入力を受け付けるものであればよい。例えば、作業者からの操作により入力を受け付けるものであってもよいし、空気圧縮機10に内蔵された時計から時刻を取得することで入力を受け付けるものであってもよいし、空気圧縮機10に内蔵された時計から経過時間を取得することで入力を受け付けるものであってもよいし、制御部30から圧力変動の情報を取得することで入力を受け付けるものであってもよい。なお、経過時間によって休憩の終了を予測する場合は、休憩開始受付手段によって休憩の開始が検知されたことを契機として、時間計測を開始すればよい。
以下、図22に示す駆動停止時変更処理について説明する。
駆動停止時変更処理においては、まず、図22に示すステップS900において、現在の運転モードが追従制御モードであるか否かをチェックする。追従制御モードでない場合には、駆動停止時変更処理を終了する。一方、追従制御モードである場合には、ステップS903に進む。
ステップS903では、休憩フラグがONであるか否かをチェックする。休憩フラグは、空気圧縮機10が休憩状態であるか否かを示すフラグであり、制御部30の揮発性メモリに記憶されている。休憩フラグは、電源投入時などの初期状態においてはOFFに設定されているが、休憩開始受付手段によって休憩の開始を検知したときに、ONに設定される。休憩フラグがONである場合には、休憩中であると判断して、駆動停止時変更処理を終了する。一方、休憩フラグがOFFである場合には、休憩中ではないので、ステップS905に進む。
ステップS905では、制御部30が、第4タイマカウンタを参照し、第4タイマカウンタの値が第4経過時間以上であるかがチェックされる。第4タイマカウンタの値が第4経過時間以上でない場合には、駆動停止時変更処理を終了する。一方、第4タイマカウンタの値が第4経過時間以上である場合には、第4タイマカウンタが最後にリセットしてから一定周期の時間(第4経過時間)が経過しているので、ステップS910に進む。
ステップS910に進んだ場合、予め定められた「制御電流値の変更量」「ON圧値の変更量」「OFF圧値の変更量」に従い、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を1段階下げる(ただし、予め定められた下限値に達している場合には、それ以上は下げない)。そして、ステップS915に進む。
なお、本実施形態に係るステップS910においては、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を同時に1段階下げることとしているが、これに限らず、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を異なる時間間隔で変更させるようにしてもよい。
ステップS915では、第4タイマカウンタをリセットする。そして、駆動停止時変更処理を終了する。
次に、休憩開始処理について説明する。制御部30は、休憩開始受付手段が休憩の終了を検知したときに、図23に示す休憩開始処理を実行する。
この休憩開始処理においては、図23に示すステップS920において、休憩フラグがONに設定される。そして、休憩開始処理を終了する。
次に、休憩終了処理について説明する。制御部30は、休憩終了受付手段が休憩の終了を検知したときに、図24に示す休憩開始処理を実行する。
この休憩終了処理においては、図24に示すステップS925において、休憩フラグがOFFに設定される。そして、休憩終了処理を終了する。
このような構成によれば、休憩中はON圧値、OFF圧値、モータ11の出力を下げる制御が実行されないので、休憩中にON圧値、OFF圧値、モータ11の出力が低下する問題を解消することができる。
なお、本変形例においては、休憩中は、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力のすべてを下げないように制御したが、これに限らない。すなわち、休憩中は、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力のうちの少なくともいずれかの値が下がらないように制御されていればよい。
以上説明したように、本変形例によれば、休憩が開始したという情報の入力を受け付ける休憩開始受付手段と、休憩が終わったという情報の入力を受け付ける休憩終了受付手段と、を備え、制御部30は、休憩開始受付手段によって休憩の開始を検知してから休憩終了受付手段によって休憩の終了を検知するまでの間、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力の少なくともいずれかの値を下げる制御を実行しない。
このような構成によれば、休憩開始受付手段と休憩終了受付手段とによって休憩中であることを識別できるので、この休憩中はON圧値、OFF圧値、モータ11の出力が下がらないようにすることができる。よって、休憩中に、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力が設定可能な最低値まで低下することを防止できるので、休憩からの復帰時に圧縮空気が不足する問題を防止することができる。
なお、本変形例においては特に説明していないが、休憩中は、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力のうちの少なくともいずれかの値が一定となるように制御してもよい。すなわち、休憩中は、これらの値を下げる操作が行われないだけではなく、これらの値を上げる操作も行われないようにしてもよい。
(第3の実施形態の変形例3)
本変形例は、上記した第3の実施形態の変形例2と同様に、休憩開始受付手段が休憩が開始したという情報の入力を受け付けたときに休憩開始処理を実行し、休憩終了受付手段が休憩が終わったという情報の入力を受け付けたときに休憩終了処理を実行するものである。
以下、第3の実施形態の変形例3について、図25および図26を参照しつつ、説明する。なお、本変形例の基本的構成は第1の実施形態と相違しないため、重複する記載を避けて、相違する箇所のみを説明する。
この変形例においては、図3と同様のメインフローが実行される。また、図7と同様の駆動停止時変更処理が実行される。
ただし、休憩開始受付手段が休憩が開始したという情報の入力を受け付けたときに、図25に示す休憩開始処理が実行される。また、休憩終了受付手段が休憩が終わったという情報の入力を受け付けたときに、図26に示す休憩終了処理が実行される。
休憩開始処理においては、図25に示すステップS930において、現在の制御電流値、ON圧値、OFF圧値が制御部30の記憶装置(揮発性メモリ)に記憶する。そして、休憩開始処理を終了する。
また、休憩終了処理においては、図26に示すステップS935において、休憩開始処理で記憶した制御電流値、ON圧値、OFF圧値を復元し、現在の設定に反映する。そして、休憩終了処理を終了する。
このような構成によれば、休憩中にON圧値、OFF圧値、モータ11の出力が低下したとしても、休憩が終了したタイミングで休憩に入る前の状態に戻す制御を実行するので、作業が再開されたときの追従性の低下を防ぐことができ、圧縮空気の不足を防止することができる。
なお、本変形例においては、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力のすべてについて、休憩に入る前の状態に戻す制御を実行しているが、これに限らない。すなわち、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力のうちの少なくともいずれかの値について、休憩に入る前の状態に戻す制御を実行するものであればよい。
以上説明したように、本変形例によれば、休憩が開始したという情報の入力を受け付ける休憩開始受付手段と、休憩が終わったという情報の入力を受け付ける休憩終了受付手段と、を備え、制御部30は、休憩開始受付手段によって休憩の開始を検知したときにON圧値、OFF圧値、モータ11の出力の少なくともいずれかの値を記憶するとともに、休憩終了受付手段によって休憩の終了を検知したときに記憶した値を復元する。
このような構成によれば、休憩前の設定を休憩後に復元することができる。よって、作業が再開されたときの追従性の低下を防ぐことができ、圧縮空気の不足を防止することができる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について、図27~30を参照しながら説明する。なお、本実施形態の基本的構成は第1の実施形態と相違しないため、重複する記載を避けて、相違する箇所のみを説明する。
本実施形態においては、図3で説明したメインフローに代えて、図27に示すメインフローが実行される。この図27で示すメインフローは、図3に示すメインフローと比較して、ステップS1013およびステップS1033のモータ停止フラグに係る操作が追加された点で相違する。
すなわち、まず、図27に示すステップS1000において、電源スイッチ31が操作され、電源がオンになる。そして、ステップS1005に進む。
ステップS1005では、制御部30により、各種パラメータが初期化される。そして、ステップS1010に進む。
ステップS1010では、制御部30が、タイマカウンタをリセットする。そして、ステップS1013に進む。
ステップS1013では、制御部30が、モータ停止フラグをONに設定する。このモータ停止フラグは、モータ11が停止状態であることを示すフラグである。このフラグは、後ほど詳述する停止時圧力検出処理において参照される。そして、ステップS1015に進む。
ステップS1015では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得し、この圧力値がON圧値以下であるかがチェックされる。圧力値がON圧値以下である場合には、ステップS1025へ進む。一方、圧力値がON圧値以下でない場合には、ステップS1020に進む。
ステップS1020に進んだ場合、モータ11が停止中であり、タンク部15内の圧力値がON圧値以下ではない(タンク部15内の圧力が足りている)ため、モータ11は停止した状態を継続する。この場合、後述する駆動停止時変更処理が実行される。その後、ステップS1015に戻る。ただし、駆動停止時変更処理において、臨時駆動制御処理が実行された場合、ステップS1025に進むことになる。この点は後ほど詳しく説明する。
一方、ステップS1025に進んだ場合、モータ11が停止中であり、タンク部15内の圧力値がON圧値以下である(タンク部15内の圧力が不足している)ため、制御部30は、モータ11の駆動を開始する制御を行う。このとき、モータ11の出力は、設定された制御電流値によって制御される。そして、ステップS1030に進む。
ステップS1030では、すべてのタイマカウンタがリセットされる。そして、ステップS1033に進む。
ステップS1033では、制御部30が、モータ停止フラグをOFFに設定する。すなわち、モータ11が駆動状態であることを示すようにフラグの設定を変更する。そして、ステップS1035に進む。
ステップS1035では、制御電流値変更処理が実行される。その後、ステップS1040に進む。
ステップS1040では、ON圧値変更処理が実行される。その後、ステップS1045に進む。
ステップS1045では、OFF圧値変更処理が実行される。その後、ステップS1050に進む。
ステップS1050では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得し、この圧力値がOFF圧値以上であるかがチェックされる。圧力値がOFF圧値以上である場合には、ステップS1055へ進む。一方、圧力値がOFF圧値以上でない場合には、ステップS1035に戻る。
ステップS1055に進んだ場合、モータ11の駆動によりタンク部15内の圧力値が上昇し、停止圧力に達したということであるため、制御部30は、モータ11の駆動を停止する。そして、ステップS1010に戻る。
次に、停止時圧力検出処理について、図28を参照しつつ説明する。停止時圧力検出処理は、モータ11の停止中のタンク部15内の圧力値の変化量を定期的に検出し、この変化量が基準値を超えているかをチェックする処理である。この停止時圧力検出処理は、タイマー割り込みが発生したときに実行される処理であり、決まった時間(例えば500ミリ秒)ごとに発生するタイマー割り込みによって定期的に呼び出されて実行される。
すなわち、この停止時圧力検出処理は、まず、図28のステップS1100に示すように、予め定められた周期(例えば500ミリ秒ごと)でタイマー割り込みが発生することで開始される。そして、ステップS1105に進む。
ステップステップS1105では、現在の運転モードが追従制御モードであるか否かをチェックする。追従制御モードでない場合には、停止時圧力検出処理を終了する。一方、追従制御モードである場合には、ステップS1110に進む。
ステップステップS1110では、モータ停止フラグがONであるか、すなわち、現在モータ11が停止しているかをチェックする。モータ停止フラグがOFFである場合には、停止時圧力検出処理を終了する。一方、モータ停止フラグがONである場合には、ステップS1115に進む。
ステップS1115では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得する。なお、取得した圧力値は、少なくとも次回の停止時圧力検出処理で参照できるようにメモリに記憶される。そして、ステップS1120に進む。
ステップS1120では、ステップS1115で取得した圧力値と、前回の停止時圧力検出処理で取得された圧力値(メモリに記憶された圧力値)とを比較し、タンク部15内の圧力値の変化量を算出する。具体的には、前回の圧力値から今回の圧力値を減算し、圧力値が低下した変化量を算出する。そして、ステップS1125に進む。
ステップステップS1125では、ステップS1120で算出した圧力値の変化量が、予め定められた基準値よりも大きいか否か(急激なエア消費より、基準値を超える圧力値の低下が発生しているか否か)をチェックする。圧力値の変化量が、予め定められた基準値を超えていない場合、停止時圧力検出処理を終了する。一方、圧力値の変化量が、予め定められた基準値を超えている場合、ステップS1130に進む。
ステップステップS1130では、臨時駆動フラグがONに設定される。この臨時駆動フラグは、後述する臨時駆動制御処理を実行するか否かを指定するフラグである。この臨時駆動フラグは、後述する駆動停止時変更処理において参照され、臨時駆動フラグがONの場合には、後述する臨時駆動制御処理が実行される。そして、停止時圧力検出処理を終了する。
次に、駆動停止時変更処理について説明する。本実施形態においては、図7に示す駆動停止時変更処理に代えて、図29に示す駆動停止時変更処理が実行される。
この駆動停止時変更処理においては、まず、図29に示すステップS1200において、現在の運転モードが追従制御モードであるか否かをチェックする。追従制御モードでない場合には、駆動停止時変更処理を終了する。一方、追従制御モードである場合には、ステップS1205に進む。
ステップS1205では、臨時駆動フラグがONであるか否かをチェックする。臨時駆動フラグがONである場合は、モータ11の停止中に急激なエア消費が発生した状態であるので、臨時駆動制御を実行するべく、ステップS1210に進む。一方、臨時駆動フラグがOFFである場合は、ステップS1220に進む。
ステップS1210に進んだ場合、まず臨時駆動フラグをOFFにリセットする(臨時駆動フラグを初期状態に戻す)。そして、ステップS1215に進む。そして、ステップS1215では、後述する臨時駆動制御処理が実行される。
一方、ステップS1220に進んだ場合、制御部30が、第4タイマカウンタを参照し、第4タイマカウンタの値が第4経過時間以上であるかがチェックされる。第4タイマカウンタの値が第4経過時間以上でない場合には、駆動停止時変更処理を終了する。一方、第4タイマカウンタの値が第4経過時間以上である場合には、第4タイマカウンタが最後にリセットしてから一定周期の時間(第4経過時間)が経過しているので、ステップS1225に進む。
ステップS1225に進んだ場合、予め定められた「制御電流値の変更量」「ON圧値の変更量」「OFF圧値の変更量」に従い、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を1段階下げる(ただし、予め定められた下限値に達している場合には、それ以上は下げない)。そして、ステップS1230に進む。
なお、本実施形態に係るステップS1225においては、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を同時に1段階下げることとしているが、これに限らず、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を異なる時間間隔で変更させるようにしてもよい。
ステップS1230では、第4タイマカウンタをリセットする。そして、駆動停止時変更処理を終了する。
次に、臨時駆動制御処理について説明する。臨時駆動制御処理は、モータ11の停止中のタンク部15内の圧力値の変化量が基準値を超えたときに、タンク部15内の圧力値がON圧値に到達する前であってもモータ11を駆動させる制御(臨時駆動制御)を実行するための処理である。
この休憩開始処理においては、まず図30に示すステップS1310において、ON圧値、OFF圧値を、現在の運転モード(追従制御モード)の初期値に変更する。そして、ステップS1320に進む。
ステップS1320では、制御電流値を、現在の運転モードである追従制御モードの初期値に変更する。そして、メインフロー(図27)のステップS1025に進む。
メインフロー(図27)のステップS1025では、モータ11の駆動が開始され、タンク部15内の圧力値がOFF圧値に到達するまで圧縮機構が作動する。これにより、十分な量の圧縮空気が生成される。
なお、本実施形態においては、上記したステップS1310において、臨時駆動制御を実行するときに、ON圧値、OFF圧値を初期値に変更するようにしている。しかしながら、これに限らず、ON圧値、OFF圧値を変更しなくてもよいし、ON圧値またはOFF圧値の一方だけを変更してもよい。また、ON圧値、OFF圧値を変更する場合でも、初期値とは異なる値に変更してもよい。例えば、現状よりもタンク部15内の圧力値を高く維持できるように、ON圧値およびOFF圧値を変更するときに、現在の値に予め定められた所定値を加算した値を設定するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、上記したステップS1310において、臨時駆動制御を実行するときに、制御電流値を初期値に変更するようにしている。しかしながら、これに限らず、制御電流値を変更しなくてもよい。また、制御電流値を変更する場合でも、初期値とは異なる値に変更してもよい。例えば、現状よりもモータ11の回転数を上げるために、制御電流値を変更するときに、現在の値に予め定められた所定値を加算した値を設定するようにしてもよい。
このように、本実施形態に係る制御部30は、モータ11の停止中のタンク部15内の圧力値の変化量を定期的に検出し、この変化量が基準値を超えたときに、タンク部15内の圧力値がON圧値に到達する前であってもモータ11を駆動させる制御(臨時駆動制御)を実行する。
このような構成によれば、休憩時間などで圧縮空気が一定時間消費されていない状態が続き、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力が設定可能な最低値まで低下した状況において、作業再開によって急激にエア消費が増加するような状況が発生したとしても、臨時駆動制御を実行することで圧縮空気の不足を防止することができる。
すなわち、休憩時間などでエアが消費されず、タンク部15内の圧力値がON圧値よりも高い状態を維持している場合には、モータ11は停止し続ける。この状態が続くと、追従制御モードの制御(ステップS1225参照)により、ON圧値が設定可能な最低値まで低下することになる。
従来の空気圧縮機10では、このような状態から作業が再開され、急激にエア消費が増加すると、最低値まで低下したON圧値を下回るまでモータ11が再駆動しないため、圧縮空気が不足しやすい。
しかしながら、本実施形態によれば、急激にエア消費が増加した場合には、タンク部15内の圧力値がON圧値に到達する前であってもモータ11を駆動させる制御(臨時駆動制御)を実行するので、ON圧値が低下している状態であってもエア不足を未然に防止することができる。
なお、この第4の実施形態は、第1の実施形態やその変形例、第2の実施形態、第3の実施形態やその変形例とは別に実施することも可能であるし、第1の実施形態やその変形例、第2の実施形態、第3の実施形態やその変形例と組み合わせて実施することも可能である。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態について、図31~33を参照しながら説明する。なお、本実施形態の基本的構成は第1の実施形態と相違しないため、重複する記載を避けて、相違する箇所のみを説明する。
本実施形態においては、図3で説明したメインフローに代えて、図31に示すメインフローが実行される。この図31で示すメインフローは、図3に示すメインフローと比較して、ステップS1413およびステップS1433のモータ停止フラグに係る操作が追加された点で相違する。
すなわち、まず、図31に示すステップS1400において、電源スイッチ31が操作され、電源がオンになる。そして、ステップS1405に進む。
ステップS1405では、制御部30により、各種パラメータが初期化される。そして、ステップS1410に進む。
ステップS1410では、制御部30が、タイマカウンタをリセットする。そして、ステップS1413に進む。
ステップS1413では、制御部30が、モータ停止フラグをONに設定する。このモータ停止フラグは、モータ11が停止状態であることを示すフラグである。このフラグは、後ほど詳述する停止時圧力検出処理において参照される。そして、ステップS1415に進む。
ステップS1415では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得し、この圧力値がON圧値以下であるかがチェックされる。圧力値がON圧値以下である場合には、ステップS1425へ進む。一方、圧力値がON圧値以下でない場合には、ステップS1420に進む。
ステップS1420に進んだ場合、モータ11が停止中であり、タンク部15内の圧力値がON圧値以下ではない(タンク部15内の圧力が足りている)ため、モータ11は停止した状態を継続する。この場合、後述する駆動停止時変更処理が実行される。その後、ステップS1415に戻る。
一方、ステップS1425に進んだ場合、モータ11が停止中であり、タンク部15内の圧力値がON圧値以下である(タンク部15内の圧力が不足している)ため、制御部30は、モータ11の駆動を開始する制御を行う。このとき、モータ11の出力は、設定された制御電流値によって制御される。そして、ステップS1430に進む。
ステップS1430では、すべてのタイマカウンタがリセットされる。そして、ステップS1433に進む。
ステップS1433では、制御部30が、モータ停止フラグをOFFに設定する。すなわち、モータ11が駆動状態であることを示すようにフラグの設定を変更する。そして、ステップS1435に進む。
ステップS1435では、制御電流値変更処理が実行される。その後、ステップS1440に進む。
ステップS1440では、ON圧値変更処理が実行される。その後、ステップS1445に進む。
ステップS1445では、OFF圧値変更処理が実行される。その後、ステップS1450に進む。
ステップS1450では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得し、この圧力値がOFF圧値以上であるかがチェックされる。圧力値がOFF圧値以上である場合には、ステップS1455へ進む。一方、圧力値がOFF圧値以上でない場合には、ステップS1435に戻る。
ステップS1455に進んだ場合、モータ11の駆動によりタンク部15内の圧力値が上昇し、停止圧力に達したということであるため、制御部30は、モータ11の駆動を停止する。そして、ステップS1410に戻る。
次に、停止時圧力検出処理について、図32を参照しつつ説明する。停止時圧力検出処理は、モータ11の停止中のタンク部15内の圧力値の変化量を定期的に検出し、この変化量が基準値を超えているかをチェックする処理である。この停止時圧力検出処理は、タイマー割り込みが発生したときに実行される処理であり、決まった時間(例えば500ミリ秒)ごとに発生するタイマー割り込みによって定期的に呼び出されて実行される。
すなわち、この停止時圧力検出処理は、まず、図32のステップS1500に示すように、予め定められた周期(例えば500ミリ秒ごと)でタイマー割り込みが発生することで開始される。そして、ステップS1505に進む。
ステップステップS1505では、現在の運転モードが追従制御モードであるか否かをチェックする。追従制御モードでない場合には、停止時圧力検出処理を終了する。一方、追従制御モードである場合には、ステップS1510に進む。
ステップステップS1510では、モータ停止フラグがONであるか、すなわち、現在モータ11が停止しているかをチェックする。モータ停止フラグがOFFである場合には、停止時圧力検出処理を終了する。一方、モータ停止フラグがONである場合には、ステップS1515に進む。
ステップS1515では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得する。なお、取得した圧力値は、少なくとも次回の停止時圧力検出処理で参照できるようにメモリに記憶される。そして、ステップS1520に進む。
ステップS1520では、ステップS1515で取得した圧力値と、前回の停止時圧力検出処理で取得された圧力値(メモリに記憶された圧力値)とを比較し、タンク部15内の圧力値の変化量を算出する。具体的には、前回の圧力値から今回の圧力値を減算し、圧力値が低下した変化量を算出する。そして、ステップS1525に進む。
ステップステップS1525では、ステップS1520で算出した圧力値の変化量が、予め定められた基準値よりも大きいか否か(急激なエア消費より、基準値を超える圧力値の低下が発生しているか否か)をチェックする。圧力値の変化量が、予め定められた基準値を超えていない場合、停止時圧力検出処理を終了する。一方、圧力値の変化量が、予め定められた基準値を超えている場合、ステップS1530に進む。
ステップステップS1530では、圧力変化フラグがONに設定される。この圧力変化フラグは、圧力変化が急激であることを示すフラグである。この圧力変化フラグは、後述する駆動停止時変更処理において参照される。そして、停止時圧力検出処理を終了する。
次に、駆動停止時変更処理について説明する。本実施形態においては、図7に示す駆動停止時変更処理に代えて、図33に示す駆動停止時変更処理が実行される。
この駆動停止時変更処理においては、まず、図33に示すステップS1600において、現在の運転モードが追従制御モードであるか否かをチェックする。追従制御モードでない場合には、駆動停止時変更処理を終了する。一方、追従制御モードである場合には、ステップS1605に進む。
ステップS1605では、臨時駆動フラグがONであるか否かをチェックする。臨時駆動フラグがONである場合は、モータ11の停止中に急激なエア消費が発生した状態であるので、ステップS1610に進む。一方、臨時駆動フラグがOFFである場合は、ステップS1620に進む。
ステップS1610に進んだ場合、まず臨時駆動フラグをOFFにリセットする(臨時駆動フラグを初期状態に戻す)。そして、ステップS1615に進む。
ステップS1615では、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を上げる処理を実行する。なお、制御電流値、ON圧値、OFF圧値をどのような値にまで引き上げるのかは、任意に設定することができる。例えば、現在の運転モード(追従制御モード)の初期値を上限として引き上げてもよいし、初期値よりも高い値まで引き上げてもよい。そして、駆動停止時変更処理を終了する。
なお、本実施形態に係るステップS1615においては、制御電流値、ON圧値、OFF圧値をすべて上げるようにしているが、これらのうちの一部だけを上げるようにしてもよい。
一方、ステップS1620に進んだ場合、制御部30が、第4タイマカウンタを参照し、第4タイマカウンタの値が第4経過時間以上であるかがチェックされる。第4タイマカウンタの値が第4経過時間以上でない場合には、駆動停止時変更処理を終了する。一方、第4タイマカウンタの値が第4経過時間以上である場合には、第4タイマカウンタが最後にリセットしてから一定周期の時間(第4経過時間)が経過しているので、ステップS1625に進む。
ステップS1625に進んだ場合、予め定められた「制御電流値の変更量」「ON圧値の変更量」「OFF圧値の変更量」に従い、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を1段階下げる(ただし、予め定められた下限値に達している場合には、それ以上は下げない)。そして、ステップS1630に進む。
なお、本実施形態に係るステップS1625においては、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を同時に1段階下げることとしているが、これに限らず、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を異なる時間間隔で変更させるようにしてもよい。
ステップS1630では、第4タイマカウンタをリセットする。そして、駆動停止時変更処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る制御部30は、モータ11の停止中のタンク部15内の圧力値の変化量を定期的に検出し、この変化量が基準値を超えたときに、ON圧値、OFF圧値の少なくともいずれかを変更する。
このような構成によれば、休憩時間などで圧縮空気が一定時間消費されていない状態が続き、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力が設定可能な最低値まで低下した状況において、作業再開によって急激にエア消費が増加するような状況が発生したとしても、追従性を高めることができる。
すなわち、休憩時間などでエアが消費されず、タンク部15内の圧力値がON圧値よりも高い状態を維持している場合には、モータ11は停止し続ける。この状態が続くと、、従制御モードの制御(ステップS1625参照)により、ON圧値が設定可能な最低値まで低下することになる。
従来の空気圧縮機10では、このような状態から作業が再開され、急激にエア消費が増加すると、最低値まで低下したON圧値を下回るまでモータ11が再駆動しないため、圧縮空気が不足しやすい。
しかしながら、本実施形態によれば、急激にエア消費が増加した場合には、ON圧値、OFF圧値の少なくともいずれかが変更される。例えば、ON圧値が高く変更された場合、速やかにモータ11が再駆動されるので、エア不足を未然に防止することができる。また、OFF圧値が高く変更された場合、タンク部15内の圧力を高く保つことができるので、エア不足が発生しにくくなる。
なお、本実施形態においては、圧力値の変化量が基準値を超えたときに、ON圧値、OFF圧値の少なくともいずれかを個別に変更するようにしているが、これに限らず、運転モードを切り替えることでON圧値、OFF圧値を変更するようにしてもよい。すなわち、予め用意された複数の運転モードに、それぞれON圧値、OFF圧値が予め関連付けて記憶されており、圧力値の変化量が基準値を超えたときに、この運転モードを切り替えるようにしてもよい。
なお、この第5の実施形態は、第1の実施形態やその変形例、第2の実施形態、第3の実施形態やその変形例、第4の実施形態とは別に実施することも可能であるし、第1の実施形態やその変形例、第2の実施形態、第3の実施形態やその変形例、第4の実施形態と組み合わせて実施することも可能である。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態について、図34~35を参照しながら説明する。なお、本実施形態の基本的構成は第1の実施形態と相違しないため、重複する記載を避けて、相違する箇所のみを説明する。
本実施形態は、すでに説明した4つのタイマカウンタに加え、少なくとも1つの追加のタイマカウンタ(第5タイマカウンタ)を備えている。この第5タイマカウンタは、第4タイマカウンタよりも長いスパンで、モータ11の連続停止時間を取得するためのものである。
本実施形態においては、図3で説明したメインフローに代えて、図34に示すメインフローが実行される。
すなわち、まず、図34に示すステップS1700において、電源スイッチ31が操作され、電源がオンになる。そして、ステップS1705に進む。
ステップS1705では、制御部30により、各種パラメータが初期化される。そして、ステップS1710に進む。
ステップS1710では、制御部30が、タイマカウンタをリセットする。すなわち、第5タイマカウンタを含めた5つのタイマカウンタをリセットする。そして、ステップS1715に進む。
ステップS1715では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得し、この圧力値がON圧値以下であるかがチェックされる。圧力値がON圧値以下である場合には、ステップS1725へ進む。一方、圧力値がON圧値以下でない場合には、ステップS1720に進む。
ステップS1720に進んだ場合、モータ11が停止中であり、タンク部15内の圧力値がON圧値以下ではない(タンク部15内の圧力が足りている)ため、モータ11は停止した状態を継続する。この場合、後述する駆動停止時変更処理が実行される。その後、ステップS1715に戻る。ただし、駆動停止時変更処理において、臨時駆動制御処理が実行された場合、ステップS1725に進むことになる。この点は後ほど詳しく説明する。
一方、ステップS1725に進んだ場合、モータ11が停止中であり、タンク部15内の圧力値がON圧値以下である(タンク部15内の圧力が不足している)ため、制御部30は、モータ11の駆動を開始する制御を行う。このとき、モータ11の出力は、設定された制御電流値によって制御される。そして、ステップS1730に進む。
ステップS1730では、すべてのタイマカウンタがリセットされる。そして、ステップS1735に進む。
ステップS1735では、制御電流値変更処理が実行される。その後、ステップS1740に進む。
ステップS1740では、ON圧値変更処理が実行される。その後、ステップS1745に進む。
ステップS1745では、OFF圧値変更処理が実行される。その後、ステップS1750に進む。
ステップS1750では、制御部30が、圧力センサ33で検出したタンク部15内の圧力値を取得し、この圧力値がOFF圧値以上であるかがチェックされる。圧力値がOFF圧値以上である場合には、ステップS1755へ進む。一方、圧力値がOFF圧値以上でない場合には、ステップS1735に戻る。
ステップS1755に進んだ場合、モータ11の駆動によりタンク部15内の圧力値が上昇し、停止圧力に達したということであるため、制御部30は、モータ11の駆動を停止する。そして、ステップS1710に戻る。
次に、駆動停止時変更処理について説明する。本実施形態においては、図7に示す駆動停止時変更処理に代えて、図35に示す駆動停止時変更処理が実行される。
この駆動停止時変更処理においては、まず、図35に示すステップS1800において、現在の運転モードが追従制御モードであるか否かをチェックする。追従制御モードでない場合には、駆動停止時変更処理を終了する。一方、追従制御モードである場合には、ステップS1805に進む。
ステップS1805では、制御部30が、第5タイマカウンタを参照し、第5タイマカウンタの値が予め定められた時間を超えているかがチェックされる。この予め定められた時間は、少なくとも第4経過時間よりも有意に大きな値であればよく、任意に設定可能であるが、本実施形態においては30分が設定されている。これにより、本実施形態においては、モータ11の停止時間(第5タイマカウンタの値)が30分を超えている場合に、作業の中断が長引いており、休憩が取られていると判断する。第5タイマカウンタの値が30分を超えている場合には、ステップS1810に進む。一方、第5タイマカウンタの値が30分を超えていない場合には、ステップS1820に進む。
ステップS1810に進んだ場合、第5タイマカウンタをリセットする(第5タイマカウンタを初期状態に戻す)。その後、タンク部15内の圧力値がON圧値に到達する前であってもモータ11を駆動させる制御(臨時駆動制御)を実行するために、メインフロー(図34)のステップS1725に進む。
一方、ステップS1820に進んだ場合、制御部30が、第4タイマカウンタを参照し、第4タイマカウンタの値が第4経過時間以上であるかがチェックされる。第4タイマカウンタの値が第4経過時間以上でない場合には、駆動停止時変更処理を終了する。一方、第4タイマカウンタの値が第4経過時間以上である場合には、第4タイマカウンタが最後にリセットしてから一定周期の時間(第4経過時間)が経過しているので、ステップS1825に進む。
ステップS1825に進んだ場合、予め定められた「制御電流値の変更量」「ON圧値の変更量」「OFF圧値の変更量」に従い、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を1段階下げる(ただし、予め定められた下限値に達している場合には、それ以上は下げない)。そして、ステップS1830に進む。
なお、本実施形態に係るステップS1825においては、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を同時に1段階下げることとしているが、これに限らず、制御電流値、ON圧値、OFF圧値を異なる時間間隔で変更させるようにしてもよい。
ステップS1830では、第4タイマカウンタをリセットする。そして、駆動停止時変更処理を終了する。
このように、本実施形態に係る制御部30は、モータ11の停止時間が予め定められた時間(30分)を超えたときに、タンク部15内の圧力値がON圧値に到達する前であってもモータ11を駆動させる制御(臨時駆動制御)を実行する。
このような構成によれば、休憩時間などで圧縮空気が一定時間消費されていない状態が続き、ON圧値、OFF圧値、モータ11の出力が設定可能な最低値まで低下した状況においても、臨時駆動制御を実行することで圧縮空気の不足を防止することができる。
すなわち、従来の空気圧縮機では、休憩時間などでエアが消費されず、タンク部15内の圧力値がON圧値よりも高い状態を維持している場合には、モータ11は停止し続ける。この状態が続くと、追従制御モードの制御(ステップS1825参照)により、ON圧値が設定可能な最低値まで低下することになる。このような状態から作業が再開され、急激にエア消費が増加すると、最低値まで低下したON圧値を下回るまでモータ11が再駆動しないため、圧縮空気が不足しやすい。
しかしながら、本実施形態によれば、休憩時間などでモータ11の停止時間が長くなると、自動的に臨時駆動制御が実行され、タンク部15内の圧力が高く維持される。よって、エア不足を未然に防止することができる。
なお、この第6の実施形態は、第1の実施形態やその変形例、第2の実施形態、第3の実施形態やその変形例、第4の実施形態、第5の実施形態とは別に実施することも可能であるし、第1の実施形態やその変形例、第2の実施形態、第3の実施形態やその変形例、第4の実施形態、第5の実施形態と組み合わせて実施することも可能である。