JP7407417B2 - ガス処理方法、及びガス処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス処理方法、及びガス処理装置に関する。
発電所排ガス及び高炉副生ガス等の、二酸化炭素(CO)を含有する大容量のガス(CO含有ガス)からCOを回収する方法としては、種々の方法があり、例えば、アミン吸収法等の化学吸収法等が挙げられる。化学吸収法とは、アミン水溶液等のアルカリ性水溶液を吸収液として用い、この吸収液にCO含有ガスを接触させて、COを吸収させた後、COを吸収させた吸収液を加熱して、前記吸収液からCOを放出させ、この放出したCOを回収する方法である。
一方で、化学吸収法における吸収液には、通常、CO以外の酸性成分も吸収される。具体的には、前記吸収液には、CO以外にも、前記CO含有ガスに不純物として含まれるSOx及びHS等の硫黄化合物も吸収される。このため、CO含有ガス中のCOを吸収させた吸収液から放出されるCO中には、硫黄化合物が混入されてしまう。また、化学吸収法では、被処理ガスである前記CO含有ガスに含まれる成分のうち、前記吸収液に吸収される成分のみを回収し、前記吸収液に吸収されない成分は回収されない。このため、化学吸収法では、COも優先的に回収されるが、前記吸収液に吸収される硫黄化合物も優先的に回収されことになり、回収されたガスにおける硫黄化合物の濃度は、被処理ガスにおける硫黄化合物の濃度より高くなってしまう。
回収されたCOは、尿素等の化学品の合成、ドライアイス製造、二酸化炭素回収・貯留(Carbon dioxide Capture and Storage:CCS)、及び石油増進回収法(Enhanced Oil Recovery:EOR)等の様々な分野に利用される。回収されたCOの利用方法として、いずれの方法であっても、回収されたCOには、配管腐食及び触媒失活等の諸問題を引き起こしうる硫黄化合物の濃度を極力下げることが求められる。また、硫黄化合物は、吸収液に含まれる成分、例えば、アミン等に対する不可逆的な劣化反応を促進させる。このため、化学吸収法によるCOの回収を長期間にわたって実施すると、吸収液に含まれる成分の劣化が進行して、廃棄する吸収液の量が増える。これに伴い、吸収液を追加する量、いわゆる、メイクアップアミン量が増えてしまう。このメイクアップアミン量を減らすためにも、化学吸収法によってCOを回収することができるガス処理装置(CO回収装置)内に蓄積される硫黄化合物の量が少ないことも求められる。
これらの要求を満たすために、例えば、化学吸収法によるCO回収装置には、その前段に、脱硫装置が備えられていた。すなわち、前記CO回収装置に導入される被処理ガスとして、前記脱硫装置で硫黄酸化物を予め除去したガスを用いることによって、硫黄化合物に係る問題を解消していた。このような技術としては、例えば、特許文献1に記載の脱硫脱炭酸方法等が挙げられる。
特許文献1には、硫黄酸化物及び二酸化炭素を含有するガスを塩基性カルシウム化合物を含む吸収液に接触させて、前記ガス中から硫黄酸化物を除去する脱硫工程と、前記脱硫工程で脱硫処理されたガスを塩基性吸収液に接触させてガス中の硫黄酸化物濃度が5ppm以下になるようにさらに硫黄酸化物を除去し、またガスの温度を50℃以下に冷却する高度脱硫ガス冷却工程と、前記高度脱硫ガス冷却工程で高度脱硫ガス冷却処理されたガスを塩基性アミン化合物を含む吸収液を接触させて、前記ガス中から二酸化炭素を除去する脱炭酸工程とを含んでなる脱硫脱炭酸方法が記載されている。特許文献1によれば、脱硫処理後のガスに含まれる硫黄酸化物を除去して、脱炭酸吸収液への硫黄酸化物の蓄積を抑制するとともに、脱炭酸工程における排ガスに同伴する吸収液のアミン化合物の量を低減することができる旨が開示されている。
特開2005-87828号公報
上記のように、化学吸収法によるCO回収装置の前段に脱硫装置を備えることによって、回収されるCO中における硫黄化合物の濃度を低下させることができたとしても、脱硫装置の設置は、コストアップにつながる。このことから、CO回収装置は、脱硫装置等で被処理ガスから硫黄酸化物等の硫黄化合物を予め除去しなくても、混入される硫黄化合物の濃度が低いCOを回収できることが望ましい。すなわち、化学吸収法において、硫黄化合物等が含有されているCO含有ガスをそのまま被処理ガスとして処理しても、高濃度のCOを回収することができる方法が求められている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、高濃度の二酸化炭素を回収することができるガス処理方法及びガス処理装置を提供することが目的である。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。
本発明の一態様に係るガス処理方法は、二酸化炭素と硫黄化合物とを含む被処理ガスを、二酸化炭素の吸収により相分離する吸収液に接触させることによって、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物を前記吸収液に吸収させる吸収工程と、前記被処理ガスを接触させた吸収液を、前記吸収液に吸収された二酸化炭素が前記吸収液から放出される温度以上であって、前記吸収液に吸収された硫黄化合物が前記吸収液から放出される温度未満に加熱することによって、前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させる第1放出工程とを備えるガス処理方法である。
このような構成によれば、前記吸収工程で、前記被処理ガスを前記吸収液に接触させることにより、前記被処理ガスに含まれる二酸化炭素を前記吸収液に吸収させるとともに、前記被処理ガスに含まれる硫黄化合物も吸収させる。
前記第1放出工程で、この二酸化炭素及び硫黄化合物を吸収させた吸収液を加熱することによって、前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させる。この第1放出工程では、前記吸収液を、前記吸収液に吸収された二酸化炭素が前記吸収液から放出される温度以上に加熱するので、前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させることができる。この前記吸収液から放出された二酸化炭素は、前記吸収液から分離されるので、回収することができる。
また、前記被処理ガスには、二酸化炭素の吸収により相分離する吸収液に吸収されにくい気体、例えば、窒素等が存在する。前記吸収液に吸収されていない気体は、前記第1放出工程で前記吸収液を加熱しても、放出されない。
さらに、前記第1放出工程における加熱は、前記吸収液に吸収された硫黄化合物が前記吸収液から放出される温度未満の加熱であるので、被処理ガスに硫黄化合物が含まれていても、硫黄化合物の放出が、充分に抑制される。
よって、前記第1放出工程では、前記吸収液に吸収されにくい気体の放出だけではなく、前記吸収液に吸収される硫黄化合物の放出も充分に抑制される。
以上のことから、前記ガス処理方法は、二酸化炭素だけではなく、硫黄化合物も含む被処理ガスから、二酸化炭素が優先的に放出される。すなわち、前記ガス処理方法において、前記吸収液から放出された気体に、前記吸収液に吸収されにくい気体及び前記硫黄化合物が混入されることを充分に抑制することができる。よって、前記ガス処理方法は、被処理ガスに硫黄化合物が含まれていても、また、脱硫装置等で被処理ガスから硫黄化合物を予め除去しなくても、高濃度の二酸化炭素を回収することができる。
また、化学吸収法によってCOを回収することができるガス処理装置(CO回収装置)では、上述したように、硫黄化合物を含む被処理ガスを処理しても、装置内に蓄積される硫黄化合物が少ないことも求められる。前記ガス処理方法では、二酸化炭素を回収した後の吸収液から前記硫黄化合物を除去する処理を別途行うことで、例えば、以下のような構成により、前記ガス処理方法を実施する装置内の吸収液に含まれる硫黄化合物の蓄積も抑制することができる。
また、前記ガス処理方法において、前記第1放出工程で、前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させた後、前記第1放出工程後の前記吸収液から前記硫黄化合物を吸着して回収する第1回収工程をさらに備える構成としてもよい。
このような構成によれば、前記第1回収工程で、前記第1放出工程後の前記吸収液、すなわち、二酸化炭素を放出させた後の吸収液から前記硫黄化合物を吸着して回収することができる。よって、このガス処理方法によれば、高濃度の二酸化炭素を回収することができるだけではなく、二酸化炭素回収後の吸収液から硫黄化合物を除去することもできる。このことから、前記吸収液に含まれる硫黄化合物の蓄積も抑制することができる。
また、前記ガス処理方法において、前記第1放出工程で、前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させた後、前記第1放出工程後の前記吸収液を、前記吸収液に吸収された硫黄化合物が前記吸収液から放出される温度以上に加熱することによって、前記吸収液から前記硫黄化合物を放出させる第2放出工程をさらに備える構成としてもよい。
このような構成によれば、前記第1放出工程後の前記吸収液、すなわち、二酸化炭素を放出させた後の吸収液を、前記第2放出工程で、前記吸収液に吸収された硫黄化合物が前記吸収液から放出される温度以上に加熱することによって、前記吸収液から、前記硫黄化合物を放出させることができる。よって、このガス処理方法によれば、高濃度の二酸化炭素を回収することができるだけではなく、二酸化炭素回収後の吸収液から硫黄化合物を除去することもできる。このことから、前記吸収液に含まれる硫黄化合物の蓄積も抑制することができる。
また、前記第2放出工程で、前記第1放出工程後の前記吸収液から、前記硫黄化合物の全てを放出できない場合がある。このような場合、前記ガス処理方法では、前記第2放出工程後の前記吸収液から前記硫黄化合物を除去する処理を別途行うことで、例えば、以下のような構成により、前記ガス処理方法を実施する装置内の吸収液に含まれる硫黄化合物の蓄積をさらに抑制することができる。
また、前記ガス処理方法において、前記第2放出工程で、前記吸収液から前記硫黄化合物を放出させた後、前記第2放出工程後の前記吸収液から、前記第2放出工程で放出されなかった前記硫黄化合物を吸着して回収する第2回収工程をさらに備える構成としてもよい。
このような構成によれば、前記第2回収工程で、前記第2放出工程後の前記吸収液、すなわち、硫黄化合物を放出させた後の吸収液から、前記第2放出工程で放出されなかった前記硫黄化合物を吸着して回収することができる。よって、このガス処理方法によれば、高濃度の二酸化炭素を回収することができるだけではなく、二酸化炭素回収後の吸収液から硫黄化合物をより除去することができる。このことから、前記吸収液に含まれる硫黄化合物の蓄積をより抑制することができる。
前記ガス処理方法において、前記第2回収工程を備える理由としては、上述したように、二酸化炭素回収後の吸収液から硫黄化合物をより除去することができることである。より具体的には、前記第2放出工程で前記吸収液から硫黄化合物を除去するほうが、前記第2回収工程での除去より、要するコストが低い傾向がある。このため、前記第2放出工程で前記吸収液から硫黄化合物を除去した後に、前記吸収液に残存する硫黄化合物を第2回収工程で除去することは、前記吸収液から硫黄化合物をより除去することができるだけではなく、コスト面でもメリットがある。また、前記第2放出工程で前記吸収液から硫黄化合物を除去する前に、前記吸収液に含有される硫黄化合物を第1回収工程で予め除去することは、前記吸収液から硫黄化合物をより除去することができる。
また、前記第1回収工程及び前記第2回収工程では、前記吸収液に含まれるアミン等の吸収液成分の劣化物、又は腐食で生じた金属イオン等も除去することができる場合がある。
また、前記ガス処理方法において、前記吸収液は、前記硫黄化合物の吸収によっても相分離する吸収液であって、前記吸収工程では、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の吸収により、前記吸収液が第1相部分と第2相部分とに相分離し、前記第1相部分における前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の含有率が前記第2相部分における前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の含有率より高く、前記第2放出工程が、前記第1放出工程で前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させた後の前記第1相部分を加熱する工程である構成としてもよい。
このような構成によれば、前記吸収工程において、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の吸収により、前記吸収液が、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の含有率が相対的に高い第1相部分と、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の含有率が相対的に低い第2相部分とに相分離する。そして、前記第1放出工程で前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させた後の前記第1相部分であっても、前記第1相部分における前記硫黄化合物の含有率が前記第2相部分における前記硫黄化合物の含有率より高い。前記第2放出工程において、前記硫黄化合物の含有率が相対的に高い第1相部分を加熱することによって、前記吸収液から前記硫黄化合物を放出させるので、前記吸収液から前記硫黄化合物を効率的に放出することができる。
また、前記ガス処理方法において、前記第1放出工程の後に、前記第1相部分の少なくとも一部を廃棄し、前記廃棄した第1相部分以外の前記吸収液を、前記吸収工程で前記被処理ガスと接触させる吸収液として使用する工程をさらに備える構成としてもよい。
このような構成によれば、前記硫黄化合物の含有率が相対的に高い第1相部分の少なくとも一部を廃棄することによって、前記硫黄化合物を効率的に廃棄することができる。
また、硫黄化合物は、上述したように、前記吸収液に含まれる成分、例えば、アミン等に対する不可逆的な劣化反応を促進させる。すなわち、硫黄化合物は、吸収液に含まれる成分を劣化させ、この吸収液成分の劣化物を生成させる。このため、二酸化炭素を放出した後の吸収液を、再度、吸収工程で使用すること等によって、前記二酸化炭素の回収に前記吸収液を長期間にわたって使用すると、前記吸収液に生成される吸収液成分の劣化物の量が増加することになる。このことから、使用済みの吸収液の少なくとも一部を廃棄し、新たな吸収液に交換することになる。この廃棄として、前記硫黄化合物の含有率が相対的に高い第1相部分を廃棄することによって、前記硫黄化合物を効率的に廃棄することができるだけではなく、この劣化物も効率的に廃棄することができる。
そして、この廃棄した第1相部分以外の前記吸収液を、前記吸収工程で前記被処理ガスと接触させる吸収液として使用することによって、前記硫黄化合物及び前記劣化物の含有率の比較的低い吸収液を使用して、二酸化炭素の回収を行うことができる。
また、二酸化炭素を放出した後の吸収液を、再度、吸収工程で使用すること等によって、前記二酸化炭素の回収に前記吸収液を長期間にわたって使用しても、その吸収液に残存する前記硫黄化合物及び前記劣化物の量を少ないままに維持することができる。このことから、吸収液の交換頻度を下げることができるとともに、新たな吸収液を追加する量も減らすことができ、吸収液の使用量を減らすことができる。具体的には、前記二酸化炭素の回収に前記吸収液を長期間にわたって使用する際に、硫黄化合物の含有率が相対的に高い第1相部分を廃棄し、その廃棄分に相当する量の新たな吸収液を追加することによって、吸収液の使用量を減らすことができる。
本発明の他の一態様に係るガス処理装置は、二酸化炭素と硫黄化合物とを含む被処理ガスを、二酸化炭素の吸収により相分離する吸収液に接触させることによって、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物を前記吸収液に吸収させる吸収器と、前記被処理ガスを接触させた吸収液を、前記吸収液に吸収された二酸化炭素が前記吸収液から放出される温度以上であって、前記吸収液に吸収された硫黄化合物が前記吸収液から放出される温度未満に加熱することによって、前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させる第1放出器とを備えるガス処理装置である。
このような構成によれば、前記吸収器で、二酸化炭素だけではなく、硫黄化合物が前記吸収液に吸収されたとしても、前記第1吸収器で、前記吸収液から、二酸化炭素を優先的に放出できる。また、前記吸収液に吸収されていない気体は、前記第1放出器で前記吸収液を加熱しても、放出されない。よって、前記第1放出器では、前記吸収液に吸収されにくい気体の放出だけではなく、前記吸収液に吸収される硫黄化合物の放出も充分に抑制される。すなわち、前記ガス処理装置では、二酸化炭素だけではなく、硫黄化合物も含む被処理ガスから、二酸化炭素が優先的に放出される。よって、前記被処理ガスから、高濃度の二酸化炭素を回収することができる。
これらのことから、前記ガス処理装置は、被処理ガスに硫黄化合物が含まれていても、また、脱硫装置等で被処理ガスから硫黄化合物を予め除去しなくても、高濃度の二酸化炭素を回収することができる。また、前記ガス処理装置では、二酸化炭素を回収した後の吸収液から前記硫黄化合物を除去する処理を別途行うことで、例えば、以下のような構成により、前記ガス処理装置内の吸収液に含まれる硫黄化合物の蓄積も抑制することができる。
また、前記ガス処理装置において、前記第1放出器で前記二酸化炭素を放出させた後の前記吸収液から前記硫黄化合物を吸着して回収する第1回収器をさらに備える構成としてもよい。
このような構成によれば、前記第1回収器で、前記第1放出器で前記二酸化炭素を放出させた後の前記吸収液から前記硫黄化合物を吸着して回収することができる。よって、このガス処理装置によれば、高濃度の二酸化炭素を回収することができるだけではなく、二酸化炭素回収後の吸収液から硫黄化合物を除去することもできる。このことから、前記吸収液に含まれる硫黄化合物の蓄積も抑制することができる。
また、前記ガス処理装置において、前記第1放出器で前記二酸化炭素を放出させた後の前記吸収液を、前記吸収液に吸収された硫黄化合物が前記吸収液から放出される温度以上に加熱することによって、前記吸収液から前記硫黄化合物を放出させる第2放出器をさらに備える構成としてもよい。
このような構成によれば、前記第1放出器において、二酸化炭素を放出させた後の吸収液を、前記第2放出器で、前記吸収液に吸収された硫黄化合物が前記吸収液から放出される温度以上に加熱することによって、前記吸収液から、前記硫黄化合物を放出させることができる。よって、このガス処理装置によれば、高濃度の二酸化炭素を回収することができるだけではなく、二酸化炭素回収後の吸収液から硫黄化合物を除去することもできる。このことから、前記吸収液に含まれる硫黄化合物の蓄積も抑制することができる。
また、前記第2放出器で、前記第1放出器で前記二酸化炭素を放出させた後の前記吸収液から、前記硫黄化合物の全てを放出できない場合がある。このような場合、前記ガス処理装置では、前記第2放出器で前記硫黄化合物を放出させた後の前記吸収液に対して、前記硫黄化合物を除去する処理を別途行うことで、例えば、以下のような構成により、前記ガス処理装置内の吸収液に含まれる硫黄化合物の蓄積をさらに抑制することができる。
また、前記ガス処理装置において、前記第2放出器で前記硫黄化合物を放出させた後の前記吸収液から、前記第2放出器で放出されなかった前記硫黄化合物を吸着して回収する第2回収器をさらに備える構成としてもよい。
このような構成によれば、前記第2回収器で、前記第2放出器で前記硫黄化合物を放出させた後の前記吸収液から、前記第2放出器で放出されなかった前記硫黄化合物を吸着して回収することができる。よって、このガス処理装置によれば、高濃度の二酸化炭素を回収することができるだけではなく、二酸化炭素回収後の吸収液から硫黄化合物をより除去することができる。このことから、前記吸収液に含まれる硫黄化合物の蓄積をより抑制することができる。
前記ガス処理装置において、前記第2回収器を備える理由としては、上述したように、二酸化炭素回収後の吸収液から硫黄化合物をより除去することができることである。より具体的には、前記第2放出器で前記吸収液から硫黄化合物を除去するほうが、前記第2回収器での除去より、要するコストが低い傾向がある。このため、前記第2放出器で前記吸収液から硫黄化合物を除去した後に、前記吸収液に残存する硫黄化合物を第2回収器で除去することは、前記吸収液から硫黄化合物をより除去することができるだけではなく、コスト面でもメリットがある。また、前記第2放出器で前記吸収液から硫黄化合物を除去する前に、前記吸収液に含有される硫黄化合物を前記第1回収器で予め除去することは、前記吸収液から硫黄化合物をより除去することができる。
また、前記第1回収器での処理及び前記第2回収器での処理では、前記吸収液に含まれるアミン等の吸収液成分の劣化物、又は腐食で生じた金属イオン等も除去することができる場合がある。
また、前記ガス処理装置において、前記吸収液は、前記硫黄化合物の吸収によっても相分離する吸収液であって、前記吸収器において、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の吸収により、前記吸収液が第1相部分と第2相部分とに相分離し、前記第1相部分における前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の含有率が前記第2相部分における前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の含有率より高く、前記第2放出器は、前記第1放出器で前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させた後の前記第1相部分を加熱する構成としてもよい。
このような構成によれば、前記第1放出器で前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させた後の前記第1相部分であっても、前記第1相部分における前記硫黄化合物の含有率が前記第2相部分における前記硫黄化合物の含有率より高い。このような硫黄化合物の含有率が相対的に高い第1相部分を、前記第2放出器で加熱することによって、前記吸収液から前記硫黄化合物を放出させるので、前記吸収液から前記硫黄化合物を効率的に放出することができる。
また、前記第1回収器及び前記第2回収器の少なくとも一方を備える場合、前記第1回収器及び前記第2回収器が、例えば、以下の構成であることが好ましい。
また、前記ガス処理装置において、前記第1回収器及び前記第2回収器は、前記硫黄化合物を吸着可能な吸着剤を備え、前記吸着剤は、金属吸着剤、樹脂吸着剤、無機吸着剤、及び物理吸着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
このような構成であれば、前記吸収液(前記第1回収器の場合、前記第1放出器で前記二酸化炭素を放出させた後の前記吸収液であり、前記第2回収器の場合、前記第2放出器で前記硫黄化合物を放出させた後の前記吸収液)から、前記硫黄化合物をより効率的に吸着して回収することができる。よって、前記吸収液に含まれる硫黄化合物の蓄積をより抑制することができる。
また、前記ガス処理装置において、前記第1回収器及び前記第2回収器は、長手方向が水平方向になるように載置した横置であってもよいし、長手方向が鉛直方向になるように載置した縦置であってもよい。
また、前記ガス処理装置において、前記第1放出器で前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させた後の前記第1相部分の少なくとも一部を廃棄し、前記廃棄した第1相部分以外の前記吸収液を、前記吸収器で前記被処理ガスと接触させる吸収液として使用する機構をさらに備える構成としてもよい。
このような構成によれば、前記硫黄化合物の含有率が相対的に高い第1相部分の少なくとも一部を廃棄することによって、前記硫黄化合物を効率的に廃棄することができるだけではなく、この劣化物も効率的に廃棄することができる。そして、この廃棄した第1相部分以外の前記吸収液を、前記吸収器で前記被処理ガスと接触させる吸収液として使用することによって、前記硫黄化合物及び前記劣化物の含有率の比較的低い吸収液を使用して、二酸化炭素の回収を行うことができる。また、二酸化炭素を放出した後の吸収液を、再度、吸収工程で使用すること等によって、前記二酸化炭素の回収に前記吸収液を長期間にわたって使用しても、その吸収液に残存する前記硫黄化合物及び前記劣化物の量を少ないままに維持することができる。このことから、吸収液の交換頻度を下げることができるとともに、新たな吸収液を追加する量も減らすことができ、吸収液の使用量を減らすことができる。具体的には、前記二酸化炭素の回収に前記吸収液を長期間にわたって使用する際に、硫黄化合物の含有率が相対的に高い第1相部分を廃棄し、その廃棄分に相当する量の新たな吸収液を追加することによって、吸収液の使用量を減らすことができる。
本発明によれば、高濃度の二酸化炭素を回収することができるガス処理方法及びガス処理装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るガス処理方法を説明するための概念図である。 図2は、本発明の実施形態に係るガス処理装置の一例を示す概略図である。 図3は、本発明の実施形態に係るガス処理装置の他の一例を示す概略図である。 図4は、本発明の実施形態に係るガス処理装置の他の一例を示す概略図である。 図5は、本発明の実施形態に係るガス処理装置の他の一例を示す概略図である。 図6は、本発明の実施形態に係るガス処理装置の他の一例を示す概略図である。 図7は、本発明の実施形態に係るガス処理装置の他の一例を示す概略図である。 図8は、本発明の実施形態に係るガス処理装置の他の一例を示す概略図である。 図9は、本発明の実施形態に係るガス処理装置の他の一例を示す概略図である。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本発明の実施形態に係るガス処理方法は、図1に示すように、二酸化炭素(CO)の吸収により相分離する吸収液を用い、二酸化炭素と硫黄化合物とを含む被処理ガスから前記二酸化炭素を分離して回収する方法である。なお、図1は、本実施形態に係るガス処理方法を説明するための概念図である。また、図1には、前記硫黄化合物としては、硫黄酸化物(SOx)を記載するが、気体状の硫黄化合物であれば、特に限定されず、例えば、硫化水素(HS)であってもよい。
前記ガス処理方法は、図1(a)に示すように、二酸化炭素と硫黄化合物とを含む被処理ガスを、二酸化炭素の吸収により相分離する吸収液11に接触させる。そうすることによって、図1(b)に示すように、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物が前記吸収液11に吸収される。前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物が吸収された吸収液11は、第1相部分12と第2相部分13とに相分離する。このように、前記吸収液11に前記被処理ガスを接触させて、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物を吸収させる工程が、吸収工程に相当する。なお、このように相分離された第1相部分12及び第2相部分13には、図1(b)に示すように、二酸化炭素及び硫黄化合物が、それぞれの相において、異なる形態で吸収されていてもよい。また、図1(a)には、前記吸収液11に含まれる成分として、第一級アミン(R-NH)を記載するが、二酸化炭素の吸収により相分離する吸収液を構成する成分、すなわち、二酸化炭素と会合し、それにより吸収液の相分離に寄与する成分であれば、特に限定されない。この成分としては、例えば、第一級アミンに限らず、第二級アミン及び第三級アミン等も挙げられる。また、図1(b)及び図1(c)には、前記吸収液11に含まれる成分として、第一級アミン(R-NH)を用い、前記硫黄化合物が、硫黄酸化物(SOx)である場合を例示として、第1相部分12及び第2相部分13のそれぞれにおいて、二酸化炭素と第一級アミン(R-NH)との会合状態、及び硫黄化合物と第一級アミン(R-NH)との会合状態を記載しているが、これらに限定されない。
前記ガス処理方法は、前記吸収工程の後に、前記被処理ガスを接触させた吸収液11(第1相部分12及び第2相部分13)を、前記吸収液11に吸収された二酸化炭素が前記吸収液11から放出される温度以上であって、前記吸収液11に吸収された硫黄化合物が前記吸収液11から放出される温度未満に加熱する。このように加熱することによって、図1(c)に示すように、前記吸収液11から前記二酸化炭素を放出させる。このように、前記吸収液11を加熱することによって、前記二酸化炭素を前記吸収液11から放出させる工程が、第1放出工程に相当する。また、この加熱は、上述したように、前記吸収液11に吸収された硫黄化合物が前記吸収液11から放出される温度未満の加熱であるので、図1(c)に示すように、前記吸収液11に吸収された硫黄化合物は、前記吸収液11に吸収されたままである。また、前記被処理ガスには、二酸化炭素及び硫黄化合物以外の気体が含有されていても、その気体が、前記吸収工程で、前記吸収液11に吸収されなければ、この第1放出工程で、放出されることはない。これらのことから、前記第1放出工程では、前記吸収液11に吸収されにくい気体及び硫黄化合物の放出が充分に抑制される。よって、前記ガス処理方法は、高濃度の二酸化炭素を回収することができる。
前記ガス処理方法は、前記第1放出工程の後に、前記第1放出工程後の吸収液11を、前記吸収液11に吸収された硫黄化合物が前記吸収液11から放出される温度以上に加熱してもよい。そうすることによって、図1(d)に示すように、硫黄化合物も吸収液11から放出される。このように、前記吸収液11を加熱することによって、前記硫黄化合物を前記吸収液11から放出させる工程が、第2放出工程に相当する。このようなガス処理方法によれば、二酸化炭素と硫黄化合物とを個別に回収することができる。
前記被処理ガスとしては、二酸化炭素と硫黄化合物とを含む気体であればよく、このようなガスを被処理ガスとして、前記ガス処理方法で処理することによって、上述したように、高濃度の二酸化炭素を回収することができる。前記被処理ガスには、二酸化炭素及び硫黄化合物以外の気体を含んでいてもよく、この二酸化炭素及び硫黄化合物以外の気体として、例えば、窒素等の、前記吸収液11に吸収されにくい気体等が挙げられる。前記被処理ガスとしては、具体的には、発電所排ガス及び高炉副生ガス等が挙げられる。
前記吸収液は、上述したように、二酸化炭素の吸収により相分離する吸収液である。また、前記吸収液は、二酸化炭素の吸収だけではなく、硫黄化合物の吸収によって相分離する吸収液であってもよい。前記吸収液としては、例えば、アミン化合物の水溶液等が挙げられ、前記アミン化合物の水溶液には、有機溶剤をさらに含んでいてもよい。すなわち、前記吸収液としては、例えば、アミン化合物、有機溶剤、及び水を含む塩基性の液体等が挙げられる。
前記アミン化合物としては、上述したように、第一級アミンに限定されず、第二級アミン及び第三級アミンも挙げられる。前記第一級アミンとしては、例えば、2-アミノエタノール(MEA:溶解度パラメータ=14.3(cal/cm1/2)、及び2-(2-アミノエトキシ)エタノール(AEE:溶解度パラメータ=12.7(cal/cm1/2 )等が挙げられる。前記第二級アミンとしては、例えば、2-(メチルアミノ)エタノール(MAE)、2-(エチルアミノ)エタノール(EAE)、及び2-(ブチルアミノ)エタノール(BAE)等が挙げられる。前記第三級アミンとしては、例えばトリエタノールアミン(TEA)、N-メチルジエタノールアミン(MDEA)、テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、及びビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル等が挙げられる。前記アミン化合物は、これらを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記有機溶剤としては、例えば、1-ブタノール(溶解度パラメータ=11.3(cal/cm1/2)、1-ペンタノール(溶解度パラメータ=11.0(cal/cm1/2)、オクタノール、ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEGDEE)、及びジエチレングリコールジメチルエーテル(DEGDME)等が挙げられる。前記有機溶剤としては、これらを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記吸収液は、前記アミン化合物、前記有機溶剤、及び水以外にも、イオン液体等を含んでいてもよい。
前記吸収液は、アミン化合物、有機溶剤、及び水を含む塩基性の液体である場合、前記アミン化合物の含有率は、20~40質量%であることが好ましい。また、前記有機溶剤の含有率は、40~60質量%であることが好ましい。なお、前記吸収液には、水を含むことが好ましい。前記吸収液としては、例えば、前記アミン化合物が30質量%、前記有機溶剤が60質量%、及び水が10質量%を含有する液体等が挙げられる。
前記吸収液は、前記アミン化合物、前記有機溶剤、及び水を含む塩基性の液体である場合、前記アミン化合物の溶解度パラメータと、前記有機溶剤の溶解度パラメータとが、後述する関係を満たすことが好ましい。なお、溶解度パラメータは、下記式(1)で求められる。
δ=[(ΔH-RT)/V]1/2 (1)
式(1)中、δは、溶解度パラメータを示し、ΔHは、モル蒸発潜熱を示し、Rは、ガス定数を示し、Tは、絶対温度を示し、Vは、モル体積を示す
前記吸収液が、前記アミン化合物、前記有機溶剤、及び水を含む塩基性の液体である場合における、二酸化炭素を吸収させた後の吸収液の状態について説明する。前記吸収液として、前記アミン化合物が30質量%、前記有機溶剤が60質量%、及び水が10質量%を含有する液体を用い、前記アミン化合物と前記有機溶剤との組合せを変えて、それぞれの組合せにおける吸収液の状態を観察した。その結果を、表1に示す。なお、表1には、前記アミン化合物の溶解度パラメータと、前記有機溶剤の溶解度パラメータと、前記アミン化合物の溶解度パラメータから前記有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値と、二酸化炭素を吸収させた後の吸収液の状態とを示す。表1における「良好」とは、二酸化炭素の吸収前は単一液相であり、二酸化炭素の吸収により二液相に分離したことを示す。また、表1における「混和せず」とは、二酸化炭素の吸収前から二液相状態で単一液相を形成しなかったことを示す。また、表1における「分離せず」とは、二酸化炭素の吸収後でも単一液相であったことを示す。なお、表1に示す、前記アミン化合物の溶解度パラメータ、及び前記有機溶剤の溶解度パラメータは、有効数字の関係で、小数点以下1桁までしか記載していないため、前記アミン化合物の溶解度パラメータから前記有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値には、丸め誤差が発生しており、表1に記載の溶解度パラメータの差分にはなっていない場合がある。
Figure 0007407417000001
表1からもわかるように、前記吸収液は、アミン化合物、有機溶剤、及び水を含む塩基性の液体である場合、前記アミン化合物の溶解度パラメータから前記有機溶剤の溶解度パラメータを減じた値(溶解度パラメータ差分)が、1.1(cal/cm1/2以上4.2(cal/cm1/2以下であることが好ましい。この値が上記範囲内となるように、前記アミン化合物及び前記有機溶剤を選択することによって、吸収液は、二酸化炭素を吸収することができ、二酸化炭素の吸収前は、1相状態であったものが、二酸化炭素の吸収後は、2相状態となる。すなわち、二酸化炭素の吸収により、相分離される吸収液となる。前記溶解度パラメータ差分が小さすぎると、得られた液体に二酸化炭素を吸収させても、相分離されない傾向がある。また、前記溶解度パラメータ差分が大きすぎると、得られた液体が、二酸化炭素を吸収させる前から2相状態となる傾向がある。この2相状態は、有機溶剤と水との混和が不充分であり、アミン化合物がいずれかの相、例えば、水相のほうに多く含まれることになる。このような状態の液体に、前記被処理ガスを接触させても、前記液体と前記被処理ガスとの接触状態が不均一となり、吸収効率が低下するおそれがある。
前記吸収液は、前記吸収液に吸収された硫黄化合物が前記吸収液から放出される最低温度(硫黄化合物放出可能温度)が、前記吸収液に吸収された二酸化炭素が前記吸収液から放出される最低温度(CO放出可能温度)より高い。また、前記吸収液は、前記吸収液に前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物が吸収される最高温度(吸収可能温度)が、前記CO放出可能温度より低い。
例えば、前記アミン化合物として、EAEを30質量%、前記有機溶剤として、DEGDEEを60質量%、水を10質量%含有させた吸収液を用い、被処理ガスとして、二酸化炭素(CO)と、前記硫黄化合物である硫黄酸化物(SOx)とを含むガスを用いた場合に、吸収可能温度、CO放出可能温度、及び硫黄化合物放出可能温度が、それぞれ、約60℃、約70℃、約120℃となる場合を想定する。なお、これらの温度は、大気圧近傍の低圧で想定される値であって、高圧になるにつれて、これらの温度は高くなる。このとき、前記吸収液と前記被処理ガスとが共存する状態で、60℃以下、例えば、0~60℃であれば、前記吸収液に、二酸化炭素及び硫黄酸化物が吸収される。すなわち、前記吸収工程における前記吸収液の温度は、0~60℃とすることが好ましい。また、二酸化炭素及び硫黄酸化物が吸収された吸収液を、70℃以上に加熱すると、二酸化炭素が放出され、120℃以上に加熱すると、硫黄酸化物も放出される。このことから、前記第1放出工程における前記吸収液の温度は、70℃以上120℃未満とすることが好ましく、前記第2放出工程における前記吸収液の温度は、120℃以上とすることが好ましい。
前記吸収液11は、上述したように、二酸化炭素の吸収だけではなく、硫黄化合物の吸収によって相分離する吸収液であってもよい。そして、この場合、前記吸収液11は、図1(b)に示すように、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の吸収により、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の含有率が相対的に高い第1相部分12と、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の含有率が相対的に低い第2相部分13とに相分離する。
前記第2放出工程は、上述したように、前記第1放出工程で前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させた後の吸収液を加熱すればよい。前記第2放出工程は、前記吸収液全体を加熱してもよいが、前記第1放出工程で前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させた後の前記第1相部分を加熱することが好ましい。この工程としては、例えば、前記第1放出工程で前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させた後、図1(c)に示すような、第1相部分12を優先的に加熱することによって、図1(d)に示すように、吸収液11から硫黄化合物を放出する方法等が挙げられる。この方法以外の方法(他の方法)としては、前記第1放出工程で前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させた後、図1(c)に示すような、第1相部分12の少なくとも一部を取り出し、取り出した第1相部分12を加熱することによって、前記第1相部分12から硫黄化合物を放出する方法等も挙げられる。このように、前記第2放出工程において、前記硫黄化合物の含有率が相対的に高い第1相部分を加熱することによって、前記吸収液から前記硫黄化合物を放出させるので、前記吸収液から前記硫黄化合物を効率的に放出することができる。
前記ガス処理方法は、前記第1放出工程で、前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させた後、前記第1放出工程後の前記吸収液から前記硫黄化合物を吸着して回収する第1回収工程をさらに備える構成であってもよい。
前記第1回収工程は、前記第1放出工程後の前記吸収液から前記硫黄化合物を吸着して回収することができれば、特に限定されない。前記第1回収工程としては、例えば、前記硫黄化合物を吸着可能な吸着剤を収容した回収器に、前記第1放出工程後の前記吸収液を通過させる工程等が挙げられる。この工程は、前記第1放出工程後の前記吸収液が、前記回収器に収容された吸着剤に接触しながら、前記回収器を通過するので、前記第1放出工程後の前記吸収液に含まれる硫黄化合物が、前記吸着剤に吸着される。この硫黄化合物が吸着された吸着剤を回収することによって、前記第1放出工程後の前記吸収液から前記硫黄化合物が回収される。なお、前記第1回収工程で用いる回収器は、第1回収器とも言う。
前記回収器は、前記吸収液から前記硫黄化合物を吸着して回収することができれば、特に限定されない。前記回収器は、例えば、前記吸収液を流動可能な容器と、前記容器に収容された吸着剤とを備える。前記回収器は、長手方向が水平方向になるように載置した横置であっても、長手方向が鉛直方向になるように載置した縦置であってもよく、載置方向には特に限定されない。
前記吸着剤は、前記吸収液に接触することによって、前記吸収液から前記硫黄化合物を吸着することができる吸着剤であれば、特に限定されない。前記吸着剤としては、例えば、金属吸着剤、樹脂吸着剤、無機吸着剤、及び物理吸着剤等が挙げられる。前記吸着剤としては、これら以外にも、脱硫に用いられる吸着剤、例えば、脱硫用吸着剤であれば、用いることができる。前記金属吸着剤としては、例えば、Ca系吸着剤、Mg系吸着剤、Zn系吸着剤、Fe系吸着剤、及びBa系吸着剤等が挙げられる。前記金属吸着剤の形態としては、例えば、金属単体であってもよいし、炭酸塩、水酸化物、及び酸化物等であってもよい。また、前記樹脂吸着剤としては、例えば、イオン交換樹脂等が挙げられる。前記無機吸着剤としては、例えば、ゼオライト、及びシリカゲル等が挙げられる。前記物理吸着剤としては、例えば、活性炭等が挙げられる。前記吸着剤としては、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ガス処理方法は、前記第1回収工程をさらに備えることによって、前記第1回収工程で、前記第1放出工程後の前記吸収液、すなわち、二酸化炭素を放出させた後の吸収液から前記硫黄化合物を吸着して回収することができる。このことから、このようなガス処理方法は、高濃度の二酸化炭素を回収することができるだけではなく、二酸化炭素回収後の吸収液から硫黄化合物を除去することもできる。すなわち、このようなガス処理方法は、高濃度の二酸化炭素を回収することができるだけではなく、前記吸収液に含まれる硫黄化合物の蓄積も抑制することができる。
また、前記第2放出工程で、前記第1放出工程後の前記吸収液から、前記硫黄化合物の全てを放出できない場合がある。このような場合、前記ガス処理方法では、前記第2放出工程後の前記吸収液から前記硫黄化合物を除去する処理を別途行うことで、例えば、以下のような構成により、前記ガス処理方法を実施する装置内の吸収液に含まれる硫黄化合物の蓄積をさらに抑制することができる。具体的には、前記ガス処理方法は、前記第2放出工程で、前記吸収液から前記硫黄化合物を放出させた後、前記第2放出工程後の前記吸収液から、前記第2放出工程で放出されなかった前記硫黄化合物を吸着して回収する第2回収工程をさらに備える構成であってもよい。
前記第2回収工程は、前記第2放出工程後の前記吸収液から、前記第2放出工程で放出されなかった前記硫黄化合物を吸着して回収することができれば、特に限定されない。前記第2回収工程は、前記第1放出工程後の前記吸収液の代わりに、前記第2放出工程後の前記吸収液を用いること以外、前記第1回収工程と同様である。なお、前記第2回収工程で用いる回収器は、第2回収器とも言う。この第2回収器は、前記第2放出工程後の前記吸収液から前記硫黄化合物を回収することができれば、特に限定されないが、例えば、前記第1回収器と同様のものが挙げられる。
前記ガス処理方法は、前記第2回収工程をさらに備えることによって、前記第2回収工程で、前記第2放出工程後の前記吸収液、すなわち、硫黄化合物を放出させた後の吸収液から、前記第2放出工程で放出されなかった前記硫黄化合物を吸着して回収することができる。このことから、このようなガス処理方法は、高濃度の二酸化炭素を回収することができるだけではなく、二酸化炭素回収後の吸収液から硫黄化合物を除去することもできる。すなわち、このようなガス処理方法は、高濃度の二酸化炭素を回収することができるだけではなく、前記吸収液に含まれる硫黄化合物の蓄積も抑制することができる。
前記ガス処理方法において、前記第2回収工程を備える理由としては、上述したように、二酸化炭素回収後の吸収液から硫黄化合物をより除去することができることである。より具体的には、前記第2放出工程で前記吸収液から硫黄化合物を除去するほうが、前記第2回収工程での除去より、要するコストが低い傾向がある。このため、前記第2放出工程で前記吸収液から硫黄化合物を除去した後に、前記吸収液に残存する硫黄化合物を第2回収工程で除去することは、前記吸収液から硫黄化合物をより除去することができるだけではなく、コスト面でもメリットがある。また、前記第2放出工程で前記吸収液から硫黄化合物を除去する前に、前記吸収液に含有される硫黄化合物を前記第1回収工程で予め除去すると、前記第2放出工程に供される吸収液に含まれる硫黄化合物の量が減るので、前記吸収液から硫黄化合物をより除去することができる。
前記ガス処理方法は、前記第1回収工程も前記第2回収工程も備えていなくてもよく、また、前記第1回収工程及び前記第2回収工程のいずれか一方又は両方を備えていてもよい。前記第1回収工程及び前記第2回収工程の両方を備えていると、前記吸収液から硫黄化合物をより除去することができる。また、前記第1回収工程及び前記第2回収工程では、用いる吸着剤によっては、前記吸収液に含まれるアミン等の吸収液成分の劣化物、又は腐食で生じた金属イオン等も除去することができる場合がある。具体的には、前記吸着剤として、前記吸収液から前記硫黄化合物を吸着することができるだけではなく、吸収液成分の劣化物も吸着することができる吸着剤を用いると、前記吸収液から、前記硫黄化合物だけではなく、吸収液成分の劣化物も除去することができる。
前記ガス処理方法は、吸収液を循環する循環工程をさらに備える構成であってもよい。前記循環工程としては、例えば、前記第1放出工程の後に、前記第1相部分の少なくとも一部を廃棄する廃棄工程と、前記廃棄した第1相部分以外の前記吸収液を、前記吸収工程で前記被処理ガスと接触させる吸収液として使用する再使用工程を備える工程等が挙げられる。前記廃棄工程で、前記硫黄化合物の含有率が相対的に高い第1相部分の少なくとも一部を廃棄することによって、前記硫黄化合物を効率的に廃棄することができる。
前記硫黄化合物は、上述したように、前記吸収液に含まれる成分、例えば、アミン等に対する不可逆的な劣化反応を促進させる。すなわち、前記硫黄化合物は、吸収液に含まれる成分を劣化させ、この吸収液成分の劣化物、例えば、アミンの劣化物等を生成させる。このため、二酸化炭素を放出した後の吸収液を、再度、前記吸収工程で使用すること等によって、前記二酸化炭素の回収に前記吸収液を長期間にわたって使用すると、前記吸収液に生成される吸収液成分の劣化物の量が増加することになる。また、前記二酸化炭素の回収に前記吸収液を長期間にわたって使用すると、吸収液成分の劣化物の量が増加するだけではなく、グリコール酸、シュウ酸、及びギ酸等の酸も発生する。この吸収液成分の劣化物及び酸は、二酸化炭素を吸収することができない、すなわち、二酸化炭素の回収に作用しないので、少ないことが望まれる。このことから、使用済みの吸収液の少なくとも一部を廃棄し、新たな吸収液に交換することになる。
前記吸収液は、二酸化炭素及び硫黄酸化物の吸収により、上述したように、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の含有率が相対的に高い第1相部分と前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の含有率が相対的に低い第2相部分とに相分離される。第1相部分には、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物だけではなく、前記吸収液成分の劣化物及び酸の含有量も相対的に高い。このことは、第1相部分が、水相であり、その水にアミンが溶解することにより、第1相部分は、アミンがリッチなアミン相であり、第2相部分が、有機溶剤がリッチな有機相であることによると考えられる。このことにより、第1相部分は、相対的に極性が高い。また、前記吸収液成分の劣化物及び酸の多くも、分子内に極性を有することから、極性が相対的に高い第1相部分に優先的に存在することになると考えられる。よって、前記廃棄として、前記硫黄化合物の含有率が相対的に高い第1相部分を廃棄することによって、前記硫黄化合物を効率的に廃棄することができるだけではなく、この劣化物も効率的に廃棄することができる。
前記再使用工程としては、例えば、前記廃棄工程で廃棄した第1相部分以外の前記吸収液を、図1(a)に示す吸収液に投入する方法等が挙げられる。なお、前記廃棄した第1相部分以外の前記吸収液は、前記第2相部分と、廃棄されなかった第1相部分とを含む吸収液である。この方法以外の方法(他の方法)としては、前記第1放出工程の後に、前記第1相部分の少なくとも一部を廃棄し、前記廃棄した第1相部分以外の前記吸収液に対して、前記第2放出工程を行った後の吸収液を、図1(a)に示す吸収液に投入する方法等が挙げられる。
このように循環工程を備えることによって、前記廃棄した第1相部分以外の前記吸収液を、前記吸収工程で前記被処理ガスと接触させる吸収液として使用することができ、前記硫黄化合物及び前記劣化物の含有率の比較的低い吸収液を使用して、二酸化炭素の回収を行うことができる。また、二酸化炭素を放出した後の吸収液を、再度、吸収工程で使用すること等によって、前記二酸化炭素の回収に前記吸収液を長期間にわたって使用しても、その吸収液に残存する前記硫黄化合物及び前記劣化物の量を少ないままに維持することができる。このことから、吸収液の交換頻度を下げることができるとともに、新たな吸収液を追加する量も減らすことができる。よって、吸収液の使用量を減らすことができる。具体的には、前記二酸化炭素の回収に前記吸収液を長期間にわたって使用する際に、硫黄化合物の含有率が相対的に高い第1相部分を廃棄し、その廃棄分に相当する量の新たな吸収液を追加することによって、吸収液の使用量を減らすことができる。
前記ガス処理方法を実施する装置は、前記吸収工程及び前記第1放出工程を実施できれば、特に限定されず、例えば、二酸化炭素と硫黄化合物とを含む被処理ガスを、二酸化炭素の吸収により相分離する吸収液に接触させることによって、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物を前記吸収液に吸収させる吸収器と、前記被処理ガスを接触させた吸収液を、前記吸収液に吸収された二酸化炭素が前記吸収液から放出される温度以上であって、前記吸収液に吸収された硫黄化合物が前記吸収液から放出される温度未満に加熱することによって、前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させる第1放出器とを備えるガス処理装置等が挙げられる。このようなガス処理装置は、前記吸収器で前記吸収工程を実施し、前記第1放出器で前記第1放出工程を実施することによって、二酸化炭素と硫黄化合物とを含む被処理ガスから、高濃度の二酸化炭素を回収することができる。
前記ガス処理装置は、前記吸収液を用いて、二酸化炭素と硫黄化合物とを含む被処理ガスから、高濃度の二酸化炭素を回収するために利用される。前記ガス処理装置21としては、具体的には、図2に示すように、吸収器22と、第1放出器23と、循環路24と、熱交換器25とを備える装置等が挙げられる。なお、図2は、本実施形態に係るガス処理装置の一例を示す概略図である。
前記循環路24は、前記吸収器22から吸収液を抜き出して、前記第1放出器23に導入させる第1流路26と、前記第1放出器23から吸収液を抜き出して、前記吸収器22に還流させる第2流路27とを含む。なお、前記熱交換器25は、省略することが可能である。
前記吸収器22は、被処理ガスを供給するガス供給路32と、前記吸収器22での処理後のガスを排出するガス排出路33と、吸収液を前記第1放出器23に送るための第1流路26と、前記第1放出器23から吸収液を前記吸収器22に戻すための第2流路27とが接続されている。前記ガス供給路32は、前記吸収器22内に被処理ガスを供給することができる。前記ガス排出路33は、前記吸収器22内から、前記被処理ガスを前記吸収液に接触させても吸収されなかったガスを排出することができる。前記第1流路26は、前記吸収器22内に溜まった吸収液を抜き出すことができる。前記第2流路27は、前記第1放出器23から還流された吸収液を上から流下させることができる。
前記吸収器22は、被処理ガスと吸収液とを接触させることにより、被処理ガス中の二酸化炭素及び硫黄化合物等の酸性化合物を吸収液に吸収させ、酸性化合物が除去されたガスを排出する。このような吸収器22は、被処理ガスと吸収液とを連続的に接触させられるものであればよい。前記吸収器22としては、例えば、被処理ガスの流路に吸収液を噴霧するもの、被処理ガスの流路に配置される充填剤を伝って吸収液を流下させるもの、及び被処理ガス及び吸収液をそれぞれ多数の微細な流路に導入して被処理ガスの微細流路と吸収液の微細流路とをそれぞれ合流させるもの等を用いることができる。なお、吸収液への二酸化炭素及び硫黄化合物の吸収は発熱反応である。
前記第1放出器23には、前記第1流路26と、前記第2流路27とが接続されている。前記第1流路26は、前記吸収器22から導出された吸収液を、前記第1放出器23内に導入させることができる。前記第2流路27は、前記第1放出器23内に貯留された吸収液を導出させることができる。
前記第1放出器23は、吸収液が貯留され、この貯留された吸収液を、前記CO放出可能温度以上前記硫黄化合物放出可能温度未満に加熱することによって、二酸化炭素を放出させる。この吸収液からの二酸化炭素の放出、すなわち、吸収液に含まれる成分からの二酸化炭素の脱離は、吸熱反応である。なお、前記第1放出器23において、前記吸収液を上記のように加熱すると、二酸化炭素が放出されるだけでなく、吸収液に含まれる水も蒸発する。すなわち、前記第1放出器23では、前記吸収液から、二酸化炭素及び水蒸気が放出される。
前記第1放出器23には、供給路35と加熱流路36とが接続されている。
前記供給路35は、前記第1放出器23内で得られた二酸化炭素を供給先に供給する。前記供給路35には、冷却器37と二酸化炭素分離器38とが設けられている。前記冷却器37は、吸収液から放出した二酸化炭素と水蒸気との混合気体を冷却することによって、水蒸気を凝縮させる。前記二酸化炭素分離器38は、前記冷却器37で凝縮された水と、二酸化炭素とを分離する。分離された水蒸気は、前記第1放出器23に還流される。前記冷却器37としては、川水等の安価な冷却水を用いた熱交換器を用いることができる。なお、前記冷却器37及び前記二酸化炭素分離器38は、省略することが可能である。
前記加熱流路36は、一端部が前記第2流路27に接続されているが、前記第1放出器23に接続されていてもよい。前記加熱流路36の他端部は、前記第1放出器23に接続されている。前記加熱流路36には、前記第1放出器23に貯留される吸収液を加熱する加熱器42が設けられている。前記加熱器42は、前記第1放出器23の内部で吸収液を加熱するよう配設してもよいが、図示するように、前記第1放出器23から外部に抜き出された吸収液を加熱するように構成してもよい。この場合、前記加熱器42は、加熱後に前記第1放出器23に還流させる加熱流路36に配設することができる。なお、前記加熱器42としては、例えば電気、蒸気、及びバーナ等の任意の熱源により、直接又は間接的に吸収液を加熱するものを用いることができる。
前記熱交換器25は、前記第1流路26及び前記第2流路27に接続され、前記第1流路26を流れる吸収液と前記第2流路27を流れる吸収液との間で熱交換させる。前記熱交換器25は、例えば、プレート熱交換器等によって構成されるが、温度差が比較的小さい流体間での熱交換が可能なマイクロチャネル熱交換器によって構成され得る。これにより、エネルギ効率を向上することができる。
前記第2流路27には、ポンプ43が設けられている。また、前記第2流路27には、吸収液排出路44と、冷却器45と、吸収液供給路46とが設けられる。前記吸収液排出路44は、吸収液を交換する場合等において、ガス処理装置21から吸収液を排出する。前記冷却器45は、前記吸収器22に戻される吸収液を冷却させる。前記吸収液供給路46は、吸収液を交換する場合等において、吸収液を前記第2流路27に供給する。なお、前記冷却器45は、省略することが可能である。
前記ガス処理装置21は、前記吸収器22で前記吸収工程を実施し、前記第1放出器23で前記第1放出工程を実施することによって、二酸化炭素と硫黄化合物とを含む被処理ガスから、高濃度の二酸化炭素を回収することができる。また、前記ガス処理装置21は、前記循環路24で、吸収液を循環させることによって、前記二酸化炭素の回収に前記吸収液を長期間にわたって使用することができる。
前記ガス処理方法を実施する他の装置としては、例えば、図3に示すように、前記第1放出器23から導出させた吸収液から、前記第1相部分の少なくとも一部を分離すること以外、上記ガス処理装置21と同様のガス処理装置31等が挙げられる。すなわち、前記第1放出器23で前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させた後の前記第1相部分の少なくとも一部を廃棄し、前記廃棄した第1相部分以外の前記吸収液を、前記吸収器22で前記被処理ガスと接触させる吸収液として使用する循環機構をさらに備えること以外、上記ガス処理装置21と同様のガス処理装置31等が挙げられる。
前記ガス処理装置31は、具体的には、前記第2流路に、相分離器52が設けられる。前記相分離器52は、前記第1放出器23から導出させた吸収液の、前記第1相部分の少なくとも一部を分離する。前記相分離器52には、導出路53が設けられる。前記導出路53は、前記相分離器52で分離した前記第1相部分を導出させる。この導出した前記第1相部分は、廃棄してもよいし、後述するように、他の装置、例えば、後述する第2放出器等に供給してもよい。また、前記相分離器52で分離して、前記導出路53に導出した第1相部分以外の吸収液は、前記第2流路27を介して、前記吸収器22に戻す。前記相分離器52は、硫黄化合物が吸収されていることにより、前記第1相部分と前記第2相部分とに相分離されている吸収液から、前記第1相部分の少なくとも一部を抜き出すことができれば、特に限定されず、前記第1相部分は下層になるので、下層のみが導出されるように、前記導出路53が接続された容器等が挙げられる。なお、図3は、本実施形態に係るガス処理装置31の他の一例を示す概略図である。
前記ガス処理装置31は、前記吸収器22で前記吸収工程を実施し、前記第1放出器23で前記第1放出工程を実施し、さらに、前記相分離器52及び前記循環路24で、前記循環工程を実施することができる。よって、前記ガス処理装置31は、前記被処理ガスから、高濃度の二酸化炭素を回収できるだけではなく、前記硫黄化合物、前記劣化物、及び前記酸を効率的に廃棄することができる。そして、前記二酸化炭素の回収に前記吸収液を長期間にわたって使用する場合であっても、前記劣化物及び前記酸の含有量を低く維持することができる。よって、吸収液の交換頻度を下げることができ、吸収液を新たに供給する量を減らすことができる。
前記ガス処理方法を実施する他の装置としては、例えば、図4に示すように、前記第1放出器23で二酸化炭素を放出させた後の吸収液を、前記硫黄化合物放出可能温度以上に加熱する第2放出器62を備えること以外、上記ガス処理装置31と同様のガス処理装置41等が挙げられる。なお、図4は、本実施形態に係るガス処理装置41の他の一例を示す概略図である。
前記ガス処理装置41は、具体的には、前記導出路53に、前記第2放出器62が設けられる。前記第2放出器62には、前記導出路53と、前記第3流路68とが接続されている。前記導出路53は、前記相分離器52から導出された吸収液を、前記第2放出器62内に導入させることができる。前記導出路53には、ポンプ86が設けられている。前記第3流路68は、前記第2放出器62内に貯留された吸収液を導出させることができる。また、前記第3流路68にも、ポンプを設けていてもよい。前記第3流路68は、前記第2放出器62から導出された吸収液を前記第2流路27に供給する。なお、前記第3流路68には、冷却器を設けてもよい。
前記第2放出器62は、吸収液が貯留され、この貯留された吸収液を、前記硫黄化合物放出可能温度以上に加熱することによって、硫黄化合物を放出させる。この吸収液からの硫黄化合物の放出、すなわち、吸収液に含まれる成分からの硫黄化合物の脱離は、吸熱反応である。なお、前記第2放出器62において、前記吸収液を上記のように加熱すると、硫黄化合物が放出されるだけでなく、吸収液に含まれる水も蒸発する。すなわち、前記第2放出器62では、前記吸収液から、硫黄化合物及び水蒸気が放出される。
前記第2放出器62には、放出路63と加熱流路66とが接続されている。
前記放出路63は、前記第2放出器62内で、吸収液から発生した硫黄化合物を放出して、回収装置等に送る。前記放出路63には、冷却器64と硫黄化合物分離器65とが設けられている。前記冷却器64は、吸収液から放出した硫黄化合物と水蒸気との混合気体を冷却することによって、水蒸気を凝縮させる。前記硫黄化合物分離器65は、前記冷却器64で凝縮された水と、硫黄化合物とを分離する。分離された水蒸気は、前記第2放出器62に還流される。前記冷却器64としては、川水等の安価な冷却水を用いた熱交換器を用いることができる。なお、前記冷却器64及び前記硫黄化合物分離器65は、省略することが可能である。
前記加熱流路66は、一端部が前記第3流路68に接続されているが、前記第2放出器62に接続されていてもよい。前記加熱流路66の他端部は、前記第2放出器62に接続されている。前記加熱流路66には、前記第2放出器62に貯留される吸収液を加熱する加熱器67が設けられている。前記加熱器67は、前記第2放出器62の内部で吸収液を加熱するよう配設してもよいが、図示するように、前記第2放出器62から外部に抜き出された吸収液を加熱するように構成してもよい。この場合、前記加熱器67は、加熱後に前記第2放出器62に還流させる加熱流路66に配設することができる。なお、前記加熱器67としては、例えば電気、蒸気、及びバーナ等の任意の熱源により、直接又は間接的に吸収液を加熱するものを用いることができる。
前記ガス処理装置41は、前記吸収器22で前記吸収工程を実施し、前記第1放出器23で前記第1放出工程を実施し、さらに、前記第2放出器62で前記第2放出工程を実施することができる。よって、前記ガス処理装置41は、前記被処理ガスから、二酸化炭素と硫黄化合物とを個別に回収することができる。
前記ガス処理方法を実施する他の装置としては、例えば、図5に示すように、前記導出路53に、前記第2放出器62だけではなく、吸収液排出路70が設けられていること以外、上記ガス処理装置41と同様のガス処理装置51等が挙げられる。なお、図5は、本実施形態に係るガス処理装置51の他の一例を示す概略図である。
前記ガス処理装置51は、前記導出路53に、前記相分離器52から導出された吸収液の第1相部分の少なくとも一部を廃棄するための吸収液排出路70を備える。この吸収液排出路70で廃棄されなかった吸収液を、前記第2放出器62に送る。
前記ガス処理装置51は、前記吸収器22で前記吸収工程を実施し、前記第1放出器23で前記第1放出工程を実施し、前記第2放出器62で前記第2放出工程を実施し、さらに、前記相分離器52、前記循環路24、及び第3流路68で、前記循環工程を実施することができる。よって、前記ガス処理装置51は、前記被処理ガスから、二酸化炭素と硫黄化合物とを個別に回収することができる。さらに、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の回収に前記吸収液を長期間にわたって使用しても、吸収液の交換頻度を下げることができ、吸収液を新たに供給する量を減らすことができる。
前記ガス処理方法を実施する他の装置としては、例えば、図6に示すように、前記第1放出器23で二酸化炭素を放出させた後の吸収液から前記硫黄化合物を吸着して回収する第1回収器83を備えること以外、上記ガス処理装置31と同様のガス処理装置61等が挙げられる。なお、図6は、本実施形態に係るガス処理装置61の他の一例を示す概略図である。
前記ガス処理装置61は、具体的には、前記導出路53に、前記第1回収器83が設けられる。前記第1回収器83には、前記導出路53と前記第4流路82とが接続されている。前記導出路53には、ポンプ86が設けられている。前記導出路53は、前記相分離器52から導出された吸収液を、前記第1回収器83内に導入させることができる。前記第4流路82は、前記第1回収器83を通過した吸収液を前記第2流路27に供給することができる。
前記第1回収器83は、上述した、前記第1回収工程で用いる第1回収器であり、前記第1放出器23から導出させた吸収液から前記硫黄化合物を吸着して回収する回収器である。なお、前記ガス処理装置61では、前記第1回収器83を縦置で設置している。
前記ガス処理装置61は、前記吸収器22で前記吸収工程を実施し、前記第1放出器23で前記第1放出工程を実施し、さらに、前記第1回収器83で前記第1回収工程を実施することができる。よって、前記ガス処理装置61は、前記被処理ガスから、二酸化炭素と硫黄化合物とを個別に回収することができる。
前記第1回収器83は、上記のように縦置の第1回収器であってもよく、後述するような、横置の第1回収器であってもよい。
前記ガス処理方法を実施する他の装置としては、例えば、図7に示すように、前記第1回収器として、第1回収器83を縦置で備える代わりに、第1回収器83を横置で備えたこと以外、上記ガス処理装置61と同様のガス処理装置71等が挙げられる。なお、図7は、本実施形態に係るガス処理装置71の他の一例を示す概略図である。
前記ガス処理装置71は、前記吸収器22で前記吸収工程を実施し、前記第1放出器23で前記第1放出工程を実施し、さらに、前記第1回収器83で前記第1回収工程を実施することができる。よって、前記ガス処理装置71は、前記被処理ガスから、二酸化炭素と硫黄化合物とを個別に回収することができる。
前記ガス処理方法を実施する他の装置としては、例えば、図8に示すように、前記第2放出器62で硫黄化合物を放出させた後の吸収液から、前記第2放出器62で放出されなかった前記硫黄化合物を吸着して回収する第2回収器84を備えること以外、上記ガス処理装置41と同様のガス処理装置81等が挙げられる。なお、図8は、本実施形態に係るガス処理装置81の他の一例を示す概略図である。
前記ガス処理装置81は、具体的には、第3流路68に、前記第2回収器84が設けられる。前記第2回収器84には、前記第3流路68と前記第5流路85とが接続されている。前記第3流路68は、前記第2放出器62から導出された吸収液を、前記第2回収器84内に導入させることができる。前記第5流路85は、前記第2回収器84を通過した吸収液を前記第2流路27に供給することができる。
前記第2回収器84は、上述した、前記第2回収工程で用いる第2回収器であり、前記第2放出器62から導出させた吸収液から前記硫黄化合物を吸着して回収する回収器である。前記第2回収器84としては、具体的には、前記第1回収工程で用いる第1回収器と同様のものが挙げられる。なお、前記ガス処理装置81では、前記第2回収器84を横置で設置しているが、縦置であってもよい。
前記ガス処理装置81は、前記吸収器22で前記吸収工程を実施し、前記第1放出器23で前記第1放出工程を実施し、前記第2放出器62で前記第2放出工程を実施し、前記相分離器52、前記循環路24、及び第3流路68で、前記循環工程を実施し、さらに、前記第2回収器84で前記第2回収工程を実施することができる。よって、前記ガス処理装置81は、前記被処理ガスから、二酸化炭素と硫黄化合物とを個別に回収することができる。さらに、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の回収に前記吸収液を長期間にわたって使用しても、吸収液の交換頻度を下げることができ、吸収液を新たに供給する量を減らすことができる。
前記ガス処理装置は、上述したように、前記第1回収器及び前記第2回収器のいずれか一方を備えたものであってもよいが、後述するように、前記第1回収器及び前記第2回収器の両方を備えたものであってもよい。
前記ガス処理方法を実施する他の装置としては、例えば、図9に示すように、前記第1放出器23で二酸化炭素を放出させた後の吸収液から前記硫黄化合物を吸着して回収する第1回収器83を備えること以外、上記ガス処理装置81と同様のガス処理装置91等が挙げられる。前記第3流路68には、上述したように、ポンプが設けていてもよく、図9に示すガス処理装置においては、前記第3流路68にポンプ69が設けられている。なお、図9は、本実施形態に係るガス処理装置91の他の一例を示す概略図である。
前記ガス処理装置91は、前記吸収器22で前記吸収工程を実施し、前記第1放出器23で前記第1放出工程を実施し、前記第2放出器62で前記第2放出工程を実施し、前記相分離器52、前記循環路24、及び第3流路68で、前記循環工程を実施し、さらに、前記第1回収器83で前記第1回収工程を実施し、前記第2回収器84で前記第2回収工程を実施することができる。よって、前記ガス処理装置91は、前記被処理ガスから、二酸化炭素と硫黄化合物とを個別に回収することができる。さらに、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の回収に前記吸収液を長期間にわたって使用しても、吸収液の交換頻度を下げることができ、吸収液を新たに供給する量を減らすことができる。
11 吸収液
12 第1相部分
13 第2相部分
21、31、41、51、61、71、81、91 ガス処理装置
22 吸収器
23 第1放出器
24 循環路
25 熱交換器
26 第1流路
27 第2流路
32 ガス供給路
33 ガス排出路
35 供給路
36、66 加熱流路
37、45、64 冷却器
38 二酸化炭素分離器
42、67 加熱器
43、69、86 ポンプ
44、70 吸収液排出路
46 吸収液供給路
52 相分離器
53 導出路
62 第2放出器
63 放出路
65 硫黄化合物分離器
68 第3流路
82 第4流路
83 第1回収器
84 第2回収器
85 第5流路

Claims (8)

  1. 二酸化炭素と硫黄化合物とを含む被処理ガスを、前記二酸化炭素の吸収だけではなく、前記硫黄化合物の吸収によっても相分離する吸収液に接触させることによって、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物を前記吸収液に吸収させる吸収工程と、
    前記被処理ガスを接触させた吸収液を、前記吸収液に吸収された二酸化炭素が前記吸収液から放出される温度以上であって、前記吸収液に吸収された硫黄化合物が前記吸収液から放出される温度未満に加熱することによって、前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させる第1放出工程と
    前記第1放出工程で、前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させた後、前記第1放出工程後の前記吸収液を、前記吸収液に吸収された硫黄化合物が前記吸収液から放出される温度以上に加熱することによって、前記吸収液から前記硫黄化合物を放出させる第2放出工程とを備え
    前記吸収工程では、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の吸収により、前記吸収液が第1相部分と第2相部分とに相分離し、
    前記第1相部分における前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の含有率が前記第2相部分における前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の含有率より高く、
    前記第2放出工程が、前記第1放出工程で前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させた後の前記第1相部分を加熱する工程であるガス処理方法。
  2. 前記第2放出工程で、前記吸収液から前記硫黄化合物を放出させた後、前記第2放出工程後の前記吸収液から、前記第2放出工程で放出されなかった前記硫黄化合物を吸着して回収する第2回収工程をさらに備える請求項に記載のガス処理方法。
  3. 記第1放出工程の後に、前記第1相部分の少なくとも一部を廃棄し、前記廃棄した第1相部分以外の前記吸収液を、前記吸収工程で前記被処理ガスと接触させる吸収液として使用する工程とをさらに備える請求項1又は請求項2に記載のガス処理方法。
  4. 二酸化炭素と硫黄化合物とを含む被処理ガスを、前記二酸化炭素の吸収だけではなく、前記硫黄化合物の吸収によっても相分離する吸収液に接触させることによって、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物を前記吸収液に吸収させる吸収器と、
    前記被処理ガスを接触させた吸収液を、前記吸収液に吸収された二酸化炭素が前記吸収液から放出される温度以上であって、前記吸収液に吸収された硫黄化合物が前記吸収液から放出される温度未満に加熱することによって、前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させる第1放出器と
    前記第1放出器で前記二酸化炭素を放出させた後の前記吸収液を、前記吸収液に吸収された硫黄化合物が前記吸収液から放出される温度以上に加熱することによって、前記吸収液から前記硫黄化合物を放出させる第2放出器とを備え、
    前記吸収器において、前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の吸収により、前記吸収液が第1相部分と第2相部分とに相分離し、
    前記第1相部分における前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の含有率が前記第2相部分における前記二酸化炭素及び前記硫黄化合物の含有率より高く、
    前記第2放出器は、前記第1放出器で前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させた後の前記第1相部分を加熱するガス処理装置。
  5. 前記第2放出器で前記硫黄化合物を放出させた後の前記吸収液から、前記第2放出器で放出されなかった前記硫黄化合物を吸着して回収する第2回収器をさらに備える請求項に記載のガス処理装置。
  6. 記第2回収器は、前記硫黄化合物を吸着可能な吸着剤を備え、
    前記吸着剤は、金属吸着剤、樹脂吸着剤、無機吸着剤、及び物理吸着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項に記載のガス処理装置。
  7. 記第2回収器は、長手方向が水平方向になるように載置した横置、又は長手方向が鉛直方向になるように載置した縦置である請求項又は請求項に記載のガス処理装置。
  8. 記第1放出器で前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させた後の前記第1相部分の少なくとも一部を廃棄し、前記廃棄した第1相部分以外の前記吸収液を、前記吸収器で前記被処理ガスと接触させる吸収液として使用する機構とをさらに備える請求項のいずれか1項に記載のガス処理装置。
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