JP7406474B2 - 支柱を有する構造物 - Google Patents
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Description
以下、図面を使って説明するが、以下の図面は説明を目的に作成されたもので、分かりやすくするため、説明に不要な部材を意図的に図示していない場合がある。また、説明のため部材を意図的に大きくまたは小さく図示している場合があり、正確な縮尺を示す図面ではない。
偏芯基礎1は、
(1)カーポート8の内側に大きく張り出したコンクリート3
(2)支柱5に取り付けられ支持力を高める偏芯基礎部材2(偏芯基礎部材2は、カーポート8の内側に向けて伸びている部材であり、コンクリート3と一体化することで支持力向上に寄与する。)
などで構成されている。
実施例のカーポート8では、強固な支持力が求められるため支柱5の上下2ヶ所に偏芯基礎部材2が取り付けられている。偏芯基礎部材2の具体的な構成については後述する。
コンクリート3で固められる支柱5に設けられる偏芯基礎部材2は、大きく分けて受金具21と押さえ金具22と寸切ボルト24と第1ナット23の4つの部材で構成される。後述するが、これ以外の部材がさらに追加されることを妨げるものではない。
次いで、施工手順を追うことで偏芯基礎部材2の構造が明らかになるように説明する。
図2は工程図である。
1.第1工程では、偏芯基礎部材2を取り付ける支柱5を寝かせておく。
2.第2工程では、寸切ボルト24を用意しその一端部に第1ナット23を螺合しておく。なお、寸切ボルト24の代わりに六角ボルトを用意してもよい。
3.第3工程では、支柱5の下に受金具21を敷く。次いで、点線で示した寸切ボルト24に螺合した第1ナット23を袋部211に呑み込ませる。袋部211は、第1ナット23の回り止めとなっており、丁度第1ナット23が嵌まり込む大きさとなっている。一対の寸切ボルト24が、支柱5を挟むように両側から受金具21に取り付けられる。
なお、寸切ボルト24の代わりに六角ボルトを使用した場合は、六角ボルトの頭を袋部211に呑み込ませてもよい。
4.第4工程では、押さえ金具22を一対の寸切ボルト24に挿入し、受金具21と押さえ金具21を挟持固定すべく、一対の第2ナット222で固定する。なお、この工程で、ビス225を押さえ金具22締結することが好ましい。後述の第6工程でコンクリートを打ち込む際に、偏芯基礎部材2が動く可能性があるからである。
5.第5工程では、寸切ボルト24の他端に固定ナット261をねじ込み、その上に引抜け防止金具27を取り付けた後に、第3ナット25で引抜け防止金具27を締結する。
なお、引抜け防止金具27は、基礎の支持力を向上させる機能を有する。カーポートのように支持力が強い基礎が求められる時に取り付けることが好ましい。大きな支持力を要しないフェンス等の基礎の場合は、省くことができる。
6.第6工程では、偏芯基礎部材2の取り付けが完了した支柱5を立設させ、コンクリートを打ち込み偏芯基礎1とする。
図3は受金具21の構造図であり、図3(A)は支柱5側から観た正面図であり、図3(B)は側面図である。図3(B)に図示されているように、受金具21の支柱取付側の面は、開口2111が設けられている。また、開口2111を挟んで上側と下側に鍔部214が設けられ、鍔部214の支柱5に当接する側が、当接面部212となっている。図3(A)に図示されているように袋部211は、受金具21の長手方向に全長にわたって設けられており、袋部211の両端に、第1ナット挿入口2112が開設されている。袋部211が長尺であるため、支柱5の太さに合わせて第1ナット23の位置が調節できる。図3(A)では第1ナット23が袋部211に入れられた状態を示しており、袋部当接面開口2111の開口幅は第1ナット23の2面幅23sより狭く、第1ナット23の一部が袋部当接面開口2111から見えており、支柱取付側の面から第1ナット23がこぼれ出ないようになっている。袋部211があることで、偏芯基礎部材2の組み立て作業の効率化が図れる。また、袋部211が第1ナット23や六角ボルト(図示せず)を呑み込むことで回り止めとしても機能するので、さらに作業効率が向上する。
また、受金具21の袋部211は背骨の役割を果たし、寸切ボルト24を介して強く押さえ金具22と締結しても曲がることはない。
さらに、受金具21の袋部211に隣接する鍔部214があることで当接面部212が広く設けることができ、強く締結しても支柱5が凹むことがない。そして、暴風などで偏芯基礎1に強い力が加わったとき、受金具21に鍔部214があることで、支柱5にかかる力を分散でき、鍔部214は偏芯基礎1の支持力向上に寄与する。
簡単な構造であるがゆえに安価に製造できる受金具21が提供できるようになった。
押さえ金具22の外的構造は様々であり得るが、代表的な例として2例示す。
図4は押さえ金具22の構造図であり、図4(A)はL字タイプの説明図である。図4(A-1)は支柱5に向かって観た正面図であり、図4(A-2)はB-B間の断面図である。
押さえ金具22には、寸切ボルト24を通すための一対の押さえ金具長孔223(挿通孔)が設けてある。支柱5の太さは様々であり、押さえ金具長孔223(挿通孔)で対応できるようになっている。そして、L字タイプでは、支柱から離れる方向に支持壁224が一つ設けられており、コンクリートに埋設されることで支持力を増す。支持壁224は、支柱5を立設したとき上側になるように設けてもよいし、下側になるように設けてもよい。寸切ボルト24を押さえ金具長孔223(挿通孔)に挿通させ第2ナット222で締結することで、支柱5に対して、受金具21と押さえ金具22が挟み付けられて固定される。前述したように、受金具21の袋部211が第1ナット23の回り止めとして機能するため、第2ナット222の締結作業は簡単にできる。
図4(B)はコ字タイプの説明図である。(B-1)は支柱5に向かって観た正面図であり、図4(B-2)はC-C間の断面図である。
コ字タイプでは、支持壁224が押さえ金具22の上下に設けられていることを特徴とする。他の説明はL字タイプと同様である。
特に基礎の支持力が要求されるカーポート8にあっては、コ字タイプが好ましい。
寸切ボルト24の末端(受金具21と反対端)の構造は様々であり得る。図5は、寸切ボルト末端の構造図である。
特にカーポート8の支柱5のように偏芯基礎1の支持力が求められる時は、図5(A)の平板タイプの引抜け防止金具27が好ましい。さらに、支持力を向上させた図5(B)のコ字タイプの引き抜け防止金具27も採用し得る。引抜け防止金具27の幅は、支柱5の幅より大きい方が、支持力が高く好ましい。また、寸切ボルト24の長さは長い方が、支持力が強く好ましい。
それほど支持力が求められないフェンスなどの偏芯基礎1では、長い寸切ボルト24を採用するだけで、または、図5(C)のように四角座金26を取り付ける程度で要求される支持力を達成できることもある。
1つの支柱5に対する偏芯基礎部材2の取り付け数は、カーポートでは上下に2つ設けるのが好ましい。フェンスなどの強度がさほど要求されない場合は1つでもよい。
図6(A)~(I)は、様々な形状や補強材52の有無などフェンスの支柱5の多様性に対応した偏芯基礎部材2の取付構造を示すバリエーション(横断面図)である。受金具21と押さえ金具22をどのような径の支柱5でも対応できるように、受金具21に袋部211が設けられている(図3参照)。例えば図6(I)のように幅広い支柱や、図6(H)のように細い支柱でも対応できる。また、必要に応じて図6(H)のように、受具21と押さえ金具22の中央で挟み込まなくてもよい。
さらに、コンクリートを打ち込む際、偏芯基礎部材2が動かぬように押さえ金具22をビス225で支柱5に固定した(前述の第4工程および図2参照)が、図6(G)~図6(I)のように、受金具21をビス225で支柱5に固定してもよい。
さらに、後述の(受金具のバリエーション)で説明するように、補強材52を受金具21側から補強材締結ビス521で固定してもよい。コンクリートを打ち込む際に、偏芯基礎部材2が動く可能性があるため、ビス224により押さえ金具22と支柱が締結されているところ(前述の第4工程および図2参照)、図6(B)~図6(D)のように、補強材締結ビス521を使用せずに、補強材52の固定と支柱5への偏芯基礎部材2の固定を兼ねて押さえ金具22側からビス225を打ち込み固定してもよい。
支柱5の受具21側の形状が複雑な図6(A)~図6(C)、図6(E)、図6(I)のようなものでも、支柱5は、ボルトとナットの締結により、受金具21と押さえ金具22で挟み付けられて固定されているため、偏芯基礎部材2を取り付けることができる。
以上の説明は、フェンスの支柱5のバリエーションであったがカーポート8の支柱5であっても同様である。デザイン性が要求されるシェルターの支柱5にも適用化可能である。
図7の態様は、受金具21のバリエーションを説明するものである。袋部211を有しさえすれば受金具21も、他の部材と同様に様々なバリエーションが本発明に包含される。図7(A)で図示するように受金具21は、支持壁215を上部と下部に有していてもよい。また、図7(B)のように、押さえ金具22も上部と下部に支持壁224を有している。
さらに、この態様では、図7(C)のように、支柱5内に補強材52が長手方向に挿入されており、偏芯基礎1内だけでなく、地上部も含めて複数箇所で補強材締結ビス521により固定され、支柱5と補強材52が一体化している。補強材締結ビス521のネジ頭が支柱5から飛び出ることになり、受金具21の支柱5との当接面部212が、しっかりと当接できない事態が生じる。これは、暴風雨などにより強い力を受ける偏芯基礎部材2にとって好ましからざる事態である。そのため、受金具21の当接面部212には、補強材締結ビス521のネジ頭を呑み込むビス呑込部2121が設けられている。
以上のように、受金具21は様々な態様があり得ることが理解されるであろう。
2 偏芯基礎部材
21 受金具
211 袋部
2111 開口
212 当接面部
2121 ビス呑込部
214 鍔部
215 支持壁
22 押さえ金具
222 第2ナット
223 押さえ金具長孔(挿通孔)
224 支持壁
225 ビス
23 第1ナット
23s 二面幅
24 寸切ボルト
25 第3ナット
26 四角座金
261 固定ナット
27 引抜け防止金具
3 コンクリート
4 砕石・捨コン
5 支柱
52 補強材
521 補強材締結ビス
8 カーポート
81 カーポート屋根
Claims (1)
- 受金具と押さえ金具と支柱と一対のボルト・ナットを備え、
受金具は、支柱の左側に位置し、ボルトまたはナットを呑み込み、回り止めとなる袋部を有し、
押さえ金具は、支柱の右側に位置し、ボルトを挿通する一対の挿通孔を有し、
支柱の前側及び後側に位置するボルトとこれに各々螺合するナットの締結により、受金具と押さえ金具とで支柱を挟み付けた基礎構造を有することを特徴とする支柱を有する構造物。
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