以下、本発明を適用した防護柵を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した防護柵1を示す斜視図である。本発明を適用した防護柵1は、主として、歩行者用の防護柵として歩道等に設置され、歩行者が道路を横断するのを防止する横断防止柵や、崖等からの転落を防止するための転落防止柵等として用いられる。
本発明を適用した防護柵1は、平坦な場所に設けられるのみならず、段差や勾配等のある場所にも用いられる。本発明を適用した防護柵1は、カーブ等のある場所にも用いられる。本発明を適用した防護柵1は、積雪荷重が作用するような降雪地帯に設置されるものであってもよい。
防護柵1は、例えば、鉄、アルミニウム等の金属から構成され、適宜塗装等の表面処理が施される。
防護柵1は、図1に示すように、地面に所定の間隔を空けて設けられた複数の支柱10と、各支柱10間に設けられたパネル20と、支柱10とパネル20とをそれぞれボルト接合するためのブラケット構造体2とを備えている。
図2及び図3は、支柱10を示す斜視図である。支柱10は、その上端部近傍及び下端部近傍において、ボルト接続するための貫通孔11が2つずつ互いに対向するようにして形成される。
支柱10は、断面円形状の筒状体が好適に用いられるが、断面楕円形状の筒状体等が用いられてもよい。支柱10は、その上端には支柱キャップ12を有する。この支柱キャップ12が設けられることにより、支柱10を構成する筒状体の内部に雨水が浸入するのを防止することが可能となる。
支柱10は、主として、その下端部が地面に埋設され、下端部から略鉛直方向の上方に向けて延長されている。支柱10は、その下端部の周囲がコンクリートにより根固めさせて固定されてもよい。
支柱10は、図3に示すように、その下端に板状のベースプレート16が設けられてもよい。ベースプレート16は、例えば、矩形状に形成されるが、如何なる形状で形成されてもよい。ベースプレート16は、アンカー71を挿入可能な挿入孔17を複数有する。ベースプレート16は、コンクリート等から構成される所定の硬さを持った地面に設けられたアンカー71を挿入孔17に挿入させ、このアンカー71の上端にワッシャ72が介装され、ナット73を螺着することによって、固定される。アンカー71は、例えば、機械式アンカーが用いられるが、ケミカルアンカー等が用いられてもよい。
図4は、パネル20を示す正面図であり、図5は、その斜視図であり、図6は、その一部を分解した斜視図である。パネル20は、上下一対の横桟部材21と、上下一対の横桟部材21を連結する複数の縦桟部材22とを有する。パネル20は、正面から見た場合、矩形状に形成される。
横桟部材21は、図5に示すように、互いに間隔を空けて対向させて設けられる一対の支持部材24と、一対の支持部材24を覆うカバー部材25とを有する。
支持部材24は、鉄、アルミニウム等の金属で構成されるL型アングル鋼等が用いられる。支持部材24は、一対のL型アングル鋼のフランジ面24−1同士を互いに重ね合わせることにより構成される。支持部材24は、この重ね合わせたフランジ面24−1においてボルト接続するためのボルト挿入孔24bが形成されている。また、支持部材24は、この重ね合わせたフランジ面24−1において、リベット接続するためのリベット挿入孔24rが複数に亘り設けられている。支持部材24は、重ね合わせたフランジ面24−1間に僅かな間隔を空けることによって形成されるスリット24sを有する。
カバー部材25は、一枚の金属板を筒状に折り曲げることにより形成される。カバー部材25を構成する金属板の両端は、図5に示すように互いに重ね合わせるようにして筒状体の内側に向けて突出するように延長された一対の立上部26を形成する。この立上部26の突出端26aには、上述した支持部材24が当接される。ちなみに、カバー部材25は、一対の立上部26の間において、長手方向に沿って、一定幅のスリット25sが形成される。
カバー部材25における互いに対向する外側面には、ボルト接続をするためのボルト挿入孔25bが形成される。このボルト挿入孔25bは、カバー部材25の外側面を貫通するように互いに対向して形成される。上下のカバー部材25は、互いのスリット25sが上下方向に向けて互いに対向するようにして設けられる。
縦桟部材22は、断面円筒状又は断面多角形状に形成され、その上端部22−1、下端部22−2が押し潰されて板状に形成される。縦桟部材22の上端部22−1、下端部22−2は、それぞれカバー部材25のスリット25s及び支持部材24のスリット24sに嵌め込まれ、更にはフランジ面24−1間に挟持された状態で保持される。
縦桟部材22は、図6に示すように、その上端部22−1、下端部22−2にそれぞれフランジ面24−1のリベット挿入孔24rと対向させて設けられるリベット挿入孔22rを有する。縦桟部材22にリベット接合をする際には、リベット挿入孔24rとリベット挿入孔22rの位置が互いに整合するように縦桟部材22の位置合わせを行う。そして、このリベット挿入孔24rとリベット挿入孔22rにリベット27が挿入されることで固定される。その結果、このリベット27を回動中心とし、縦桟部材22と支持部材24間を回動自在に構成することが可能となる。
図7は、本発明を適用した防護柵1における支柱10近傍の拡大斜視図である。ブラケット構造体2は、共に支柱10に連結される第1ブラケット30及び第2ブラケット40とを備えており、第1ブラケット30及び第2ブラケット40は、支柱10において互いに上下方向に隣接して設けられる。
第1ブラケット30及び第2ブラケット40は、一枚の板状の鉄やアルミニウム等の金属を曲げ加工することによって製作される。第1ブラケット30及び第2ブラケット40は、その板厚が1〜5mmで構成されるが、これに限定されることはない。第1ブラケット30及び第2ブラケット40は、その板厚が好ましくは3.2mm〜4.5mmで構成され、人間等が力を加えることによって容易に折り曲げられることなく、弾性変形を抑制できる程度の板厚が望ましい。
図8は、本発明を適用した防護柵1の第1実施形態において、第1ブラケット30を示す斜視図であり、図9は、図8のA−A断面図であり、図10は、図9のB−B断面図である。
第1ブラケット30は、図8に示すように、湾曲した面板で構成される支柱取付部31と、支柱取付部31にそれぞれ連続して設けられる一対の面板で構成される横桟連結部32とを有する。
支柱取付部31は、図8に示すように、上方から見た場合、円環の一部が欠落した、いわゆるC字形状で形成される。支柱取付部31は、図7に示すように、その内側に支柱10が挿入可能に、その内径の大きさが支柱10の外径よりも大きくなるように形成される。支柱取付部31は、図9に示すように、ボルト挿入孔31bが、貫通するように設けられている。
このボルト挿入孔31bは、長孔形状で形成されるが、これに限定されるものではない。ボルト挿入孔31bは、図7に示すように、支柱10の貫通孔11に位置合わせされる。その上で、ボルト13が挿入され、そのボルト13の先端にはワッシャ14が介装され、ナット15により螺着されることでボルト接続される。
横桟連結部32は、一枚の金属板を折曲げ加工することにより形成される。この横桟連結部32の断面形状は、略断面矩形状、略断面円形状等で形成されてもよいが、以下の例では、略断面矩形状で構成する場合を例に取り説明をする。
横桟連結部32は、図7に示すように、その内側に横桟部材21が挿入方向Mに向けて挿入可能に、その内径の大きさが横桟部材21の外径よりも大きくなるように形成される。
横桟連結部32は、図8に示すように、その両側面にそれぞれ形成された側板132、133を有し、側板132の下端から内側方向に向けて延長される受け部35を有し、側板133の上端から内側方向に向けて延長される上面部34を有する。
受け部35は、図9に示すように、支柱取付部31に近接する側の端部35aに近づくにつれ、下方に向けて傾斜して形成される。受け部35は、側板132の下端から側板133に向けて延長され、更に側板133に向けて上方に向けて折り曲げられて突出した突出部35bが設けられている。突出部35bの上端と側板133との間にスリット35sが形成される。また受け部35と側板132間、並びに受け部35と側板133間は、角面状又は湾曲形状となるように折り曲げられている。なお、受け部35は、突出部35bの構成が省略されてもよい。
また、受け部35は、図示はしないが、側板132の下端からではなく、側板133の下端から内側方向に向けて延長されて形成されてもよい。かかる形態の場合、側板133の下端から側板132に向けて延長され、更に側板132に向けて上方に向けて折り曲げられて突出した突出部35bが設けられ、その突出部35bの上端と側板132の下端との間にスリット35sが形成されることとなる。
受け部35は、図8に示すように、上下方向から見た場合、支柱取付部31に近い側の端部35aの形状が挿入方向Mに直交する方向に向けて直線状に形成される。なお、受け部35の端部35aは、これに限らず、上下方向から見た場合、湾曲形状で形成されてもよい。かかる形態の場合、受け部35の端部35aは、その湾曲形状の曲率が支柱10の曲率と略同一の円弧状に形成されることが望ましい。
側板132、133は、図8、9に示すように、その上下方向の長さが支柱取付部31から離間するにつれて小さくなる形状とされている。その結果、この側板132、133の上端、下端はそれぞれ挿入方向Mに沿って傾斜された状態となる。
側板132、133には、図8に示すように、ボルト挿入孔32b、33bが、貫通するように設けられている。ボルト挿入孔32b、33bの形成位置は、後述するボルト接合の利便性の関係から、支柱取付部31から離間され上下方向に向けて縮径された部位に形成されていることが望ましい。このボルト挿入孔32b、33bは、図9に示すように、長孔形状で形成されるが、これに限定されるものではない。ボルト挿入孔32b、33bは、図7に示すように、横桟部材21のボルト挿入孔25bに位置合わせされる。その上で、ボルト91が挿入され、そのボルト91の先端にはワッシャ92が介装され、ナット93により螺着されることでボルト接続される。
スリット35sは、図9に示すように、突出部35bの上端と側板133の下端との間隔が一定幅で形成される。上述したように側板133の下端は挿入方向Mに沿って傾斜された状態となっているため、突出部35bの上端及びこれらにより形成されるスリット35sは、その傾斜された延長方向に平行となるように形成されている。
上面部34は、図9に示すように、支柱取付部31に近接する側の端部34aに近づくにつれ、上方に向けて傾斜して形成される。上面部34は、図10に示すように、側板133の上端から側板132に向けて延長され、更に側板132に向けて下方に向けて折り曲げられて突出した突出部34bが設けられている。また突出部34bの下端と側板132の上端との間にスリット34sが形成される。また、上面部34と側板132間、並びに上面部34と側板133間は、角面状又は湾曲形状となるように折り曲げられている。なお、上面部34は、突出部34bの構成が省略されてもよい。加えて、上面部34は、その構成が省略されてもよい。
上面部34は、図8に示すように、上下方向から見た場合、支柱取付部31に近い側の端部34aの形状が挿入方向Mに直交する方向に向けて直線状に形成される。なお、上面部34の端部34aは、これに限らず、上下方向から見た場合、湾曲形状で形成されてもよい。かかる形態の場合、上面部34の端部34aは、その湾曲形状の曲率が支柱10の曲率と略同一の円弧状に形成されることが望ましい。
また、上面部34は、図示はしないが、側板133の上端からではなく、側板132の上端に内側方向に向けて延長されて形成されてもよい。かかる形態の場合、側板132の上端から側板133に向けて延長され、更に側板133に向けて下方に向けて折り曲げられて、その先端が下方へ突出した突出部34bが設けられ、その突出部34bの下端と側板133の上端との間にスリット34sが形成されるものとなる。
スリット34sは、図9に示すように、突出部34bの下端と側板132の上端との間隔が一定幅で形成される。上述したように側板132の上端は挿入方向Mに沿って傾斜された状態となっているため、突出部34bの下端及びこれらにより形成されるスリット34sは、その傾斜された延長方向に平行となるように形成されている。
なお、スリット35s及びスリット34sは、その構成が省略されていてもよい。即ち、受け部35及び上面部34は側板132、133にそれぞれ連続して設けられるものとなる。かかる場合には、この横桟連結部32は、筒状に構成されることとなる。
図11は、本発明を適用した防護柵1の第1実施形態において、第2ブラケット40を示す斜視図であり、図12は、図11のC−C断面図であり、図13は、図11のD−D断面図である。
第2ブラケット40は、図11に示すように、帯状の湾曲した板で構成される支柱取付部41と、支柱取付部41の帯状の長手方向の両端にそれぞれ連続して設けられる一対の面板で構成される横桟連結部42とを有する。
支柱取付部41は、上方から見た場合、円環の一部が欠落した、いわゆるC字形状で形成される。支柱取付部41は、上下一対となって設けられ、その上段に設けられる支柱取付部41−1と、支柱取付部41−1の下方に設けられる支柱取付部41−2とを有する。支柱取付部41は、図7に示すように、その内側に支柱10が挿入可能に、その内径の大きさが支柱10の外径よりも大きくなるように形成されるとともに、その内周側の形状は、支柱10の外周に沿うように形成される。第2ブラケット40は、支柱取付部41−1と支柱取付部41−2との間に第1ブラケット30における支柱取付部31を挟み込むようにして支柱10に取り付けられる。このため、第2ブラケット40における上段の支柱取付部41−1は、第1ブラケット30の支柱取付部31に下側から支持されつつ、支柱10に取り付けられることとなる。なお、下側の支柱取付部41−2の構成は省略するようにしてもよい。
横桟連結部42は、一枚の金属板を折曲げ加工することにより形成される。この横桟連結部42の断面形状は、略断面矩形状、略断面円形状等で形成されてもよいが、以下の例では、略断面矩形状で構成する場合を例に取り説明をする。
横桟連結部42は、図7に示すように、その内側に横桟部材21が挿入方向Mに向けて挿入可能に、その内径の大きさが横桟部材21の外径よりも大きくなるように形成される。
横桟連結部42は、図11に示すように、その両側面にそれぞれ形成された側板142、143を有し、側板142の下端から内側方向に向けて延長される受け部45を有し、側板143の上端から内側方向に向けて延長される上面部44を有する。
受け部45は、図12に示すように、支柱取付部41に近接する側の端部45aに近づくにつれて、下方に向けて傾斜して形成される。受け部45は、側板142の下端から側板143に向けて延長され、更に側板143に向けて上方に向けて折り曲げられて突出した突出部45bが設けられている。突出部45bの上端と側板143との間にスリット45sが形成される。また受け部45と側板142間、並びに受け部45と側板143間は、角面状又は湾曲形状となるように折り曲げられている。なお、受け部45は、突出部45bの構成が省略されてもよい。
また、受け部45は、図示はしないが、側板142の下端からではなく、側板143の下端から内側方向に向けて延長されて形成されてもよい。かかる形態の場合、側板143の下端から側板142に向けて延長され、更に側板142に向けて上方に向けて折り曲げられて突出した突出部45bが設けられ、その突出部45bの上端と側板142の下端との間にスリット45sが形成されることとなる。
受け部45は、図11に示すように、上下方向から見た場合、支柱取付部41に近い側の端部45aの形状が挿入方向Mに直交する方向に向けて直線状に形成される。なお、受け部45の端部45aは、これに限らず、上下方向から見た場合、湾曲形状で形成されてもよい。かかる形態の場合、受け部45の端部45aは、その湾曲形状の曲率が支柱10の曲率と略同一の円弧状に形成されることが望ましい。
側板142、143は、図11に示すように、その上下方向の長さが支柱取付部41から離れるにつれて小さくなる形状とされている。その結果、この側板142、143の上端、下端はそれぞれ挿入方向Mに沿って傾斜された状態となる。
側板142、143には、図11に示すように、ボルト挿入孔42b、43bが、貫通するように設けられている。ボルト挿入孔42b、43bの形成位置は、後述するボルト接合の利便性の関係から、支柱取付部41から離間され上下方向に向けて縮径された部位に形成されていることが望ましいこのボルト挿入孔42b、43bは、長孔形状で形成されるが、これに限定されるものではない。ボルト挿入孔42b、43bは、図11に示すように、横桟部材21のボルト挿入孔25bに位置合わせされる。その上で、ボルト91が挿入され、そのボルト91の先端にはワッシャ92が介装され、ナット93により螺着されることでボルト接続される。
側板142、143には、支柱取付部41側の端部に切欠部47、48を有する。切欠部47、48は、図12に示すように、略半円形状に切り欠かれているが、これに限定されることはなく、いかなる形状で切り欠かれてよい。
スリット45sは、図12に示すように、突出部45bの上端と側板143の下端との間隔が一定幅で形成される。上述したように側板143の下端は挿入方向Mに沿って傾斜された状態となっているため、突出部45bの上端及びこれらにより形成されるスリット45sは、その傾斜された延長方向に平行となるように形成されている。
上面部44は、図12に示すように、支柱取付部41に近接する側の端部44aに近づくにつれて、上方に向けて傾斜して形成される。上面部44は、図13に示すように、側板143の上端から側板142に向けて延長され、更に側板142に向けて下方に向けて折り曲げられて突出した突出部44bが設けられている。また突出部44bの下端と側板142の上端との間にスリット44sが形成される。また、上面部44と側板142間、並びに上面部44と側板143間は、角面状又は湾曲形状となるように折り曲げられている。なお、上面部44は、突出部44bの構成が省略されてもよい。加えて、上面部44は、その構成が省略されてもよい。
上面部44は、図11に示すように、上下方向から見た場合、支柱取付部41に近い側の端部44aの形状が挿入方向Mに直交する方向に向けて直線状に形成される。なお、上面部44の端部44aは、これに限らず、上下方向から見た場合、湾曲形状で形成されてもよい。かかる形態の場合、上面部44の端部44aは、その湾曲形状の曲率が支柱10の曲率と略同一の円弧状に形成されることが望ましい。
また、上面部44は、図示はしないが、側板143の上端からではなく、側板142の上端に内側方向に向けて延長されて形成されてもよい。かかる形態の場合、側板142の上端から側板143に向けて延長され、更に側板143に向けて下方に向けて折り曲げられて、その先端が下方へ突出した突出部44bが設けられ、その突出部44bの下端と側板143の上端との間にスリット44sが形成されるものとなる。
スリット44sは、図12に示すように、突出部44bの下端と側板142の上端との間隔が一定幅で形成される。上述したように側板142の上端は挿入方向Mに沿って傾斜された状態となっているため、突出部44bの下端及びこれらにより形成されるスリット44sは、その傾斜された延長方向に平行となるように形成されている。
第1ブラケット30及び第2ブラケット40は、スリット35s及びスリット34s並びにスリット45s及びスリット44sが形成されることによって、一枚の板状の鋼材を曲げ加工することによって製作することができ、製作効率を向上させることが可能となる。
なお、スリット45s及びスリット44sは、その構成が省略されていてもよい。即ち、受け部45及び上面部44は側板142、143にそれぞれ連続して設けられるものとなる。かかる場合には、この横桟連結部42は、筒状に構成されることとなる。
本発明を適用したブラケット構造体2は、図7に示すように、第2ブラケット40の上段の支柱取付部41−1と下段の支柱取付部41−2との間に第1ブラケット30の支柱取付部31を嵌め入れ、各支柱取付部31、41−1及び41−2につき、支柱10への挿入方向Mに向けて互いに軸心がずれないように互いに位置合わせをし、さらにこれらを支柱10の上方から挿入することで配設される。
ブラケット構造体2は、支柱10に取付けられた第1ブラケット30が受け部35を有することによって、横桟部材21を横桟連結部32に挿入した後に手を放しても、横桟部材21が受け部35に支持されるため、パネル20を仮置きすることが可能となる。
また、ブラケット構造体2は、第2ブラケット40における上段の支柱取付部41−1が、第1ブラケット30の支柱取付部31に下側から支持されつつ、支柱10に取り付けられる。これにより、ブラケット構造体2は、横桟部材21を横桟連結部42に挿入した後に手を放しても、横桟部材21が受け部45に支持されるため、パネル20を仮置きすることが可能となる。
すわなち、ブラケット構造体2は、横桟部材21を受け部35及び受け部45に仮置きさせることができ、横桟連結部32及び横桟連結部42にそれぞれ横桟部材21を取り付ける作業を容易に行うことができ、施工性を向上させることが可能となる。
ブラケット構造体2は、図7に示すように、横桟連結部32及び横桟連結部42のそれぞれの挿入方向Mが互いに略同一となって設けられる。
これに対し、図14は、本発明を適用したブラケット構造体2における支柱10近傍の拡大斜視図であり、特に、第1ブラケット30の挿入方向Mと第2ブラケット40の挿入方向Mとが互いに交差する場合を示す。
ブラケット構造体2は、第1ブラケット30の支柱取付部31が支柱10とボルト13を介してボルト接続されて固定される。このとき、第2ブラケット40は、支柱10とはボルト接続されていないものの、その上段の支柱取付部41−1が第1ブラケット30の支柱取付部31に下側から支持されることによって、支柱10から下方への落下を防止することが可能となる。
加えて、第2ブラケット40は、その下段の支柱取付部41−2も第1ブラケット30の支柱取付部31に支持される。これにより、風等が支柱10の下方から上方へ吹くことにより第2ブラケット40が上方へ向けて脱離してしまうのを防止することが可能となる。
また、ブラケット構造体2は、第2ブラケット40の上段の支柱取付部41−1及び下段の支柱取付部41−2における内周側の形状が、外周形状が円形状に形成される支柱10に沿うように形成される。これにより、第2ブラケット40を図中矢印R方向に回転可能に構成することができる。
なお、防護柵1は、第1ブラケット30と支柱10とを接続するボルト13が支柱10の側面から突出されるものとなる。また、側板142、143は、支柱取付部31から支柱10に対してボルト接合するためのボルト13、ワッシャ14及びナット15等で構成される締結部材との干渉を回避可能な切り欠きが形成されている。すなわち、ブラケット構造体2は、側板142、143において切り欠かれた切欠部47、48が形成されており、その切欠部47、48における切り欠き深さ、サイズがボルト13の支柱10の側面からの突出長よりも大きく形成される。これにより、切欠部47、48がボルト13に衝突することなく、図中矢印R方向に回転自在に構成することが可能となる。このため、本発明を適用した防護柵1は、水平方向に屈曲した場所に設けることが可能となる。
図15は、本発明を適用した防護柵1が積雪荷重等により上方から力の作用を受けた時の状態を示す図である。
防護柵1は、パネル20における横桟部材21に積雪荷重等の上方からの力が作用したとき、第1ブラケット30及び第2ブラケット40が、支柱10のボルト13を中心として図中矢印P方向に回転しようとする作用を受ける。
このとき、受け部35の端部35a及び受け部45の端部45aがなるべく支柱10に近接するように固定されることにより、支柱10のボルト13を中心としてわずかに回転した場合、受け部35及び受け部45が支柱10に当接される。このため、受け部35及び受け部45が支柱10から反力を得ることができ、回転に対する作用に耐えることが可能となる。
このとき、第1ブラケット30及び第2ブラケット40は、所定の板厚を有しているため、受け部35及び受け部45が容易に弾性変形することはなく、その荷重に耐え得る性能をより効果的に発揮することが可能となる。
図16は、本発明を適用した防護柵の第1実施形態において、支柱近傍を示す拡大正面図である。
第1ブラケット30は、図16に示すように、上面部34と受け部35との間隔が、横桟部材21の高さよりも広く設定されている。同様に、第2ブラケット40は、上面部44と受け部45との間隔が、横桟部材21の高さよりも広く設定されている。
これにより、防護柵1は、図16に示すように、ブラケット構造体2にパネル20が取り付けられる場合、横桟部材21がボルト91を中心として水平方向に対して上方又は下方に向けて図中Q方向に自在に傾斜させることが可能となる。
受け部35及び受け部45は、図16に示すように、それぞれ端部35a及び端部45aに近づくにつれて、下方に向けて傾斜して形成される。また、上面部34及び上面部44は、それぞれ端部34a及び端部44aに近づくにつれて、上方に向けて傾斜して形成される。これにより、支柱10に近づくにつれて、第1ブラケット30及び第2ブラケット40の内部に大きな空間を形成することが可能となる。
防護柵1は、ボルト91を中心として横桟部材21を傾斜させたとき、横桟部材21の長手方向の端部21aをより深く潜り込ませることが可能となる。その結果、防護柵1は、横桟部材21の水平方向に対する傾斜角度をより大きくすることが可能となる。
また横桟部材21は、受け部35又は上面部34若しくは受け部45又は上面部44に当接するまで、ボルト91を中心として水平方向に対して上方又は下方に向けて傾斜させることができる。
このように横桟部材21の傾斜角度を急峻にした場合においても、最終的にボルト91を締め付けることによって強固に固定することが可能となる。
そして、パネル20の縦桟部材22は、横桟部材21に対してリベット27を回転中心として回動可能に取り付けられている。このため、図16に示すように、横桟部材21が水平方向に対してより急峻に傾斜させて設けられていた場合においても、縦桟部材22はその重力により自然に略鉛直方向に配向させることが可能となる。このため、本発明を適用した防護柵1は、傾斜した場所に設けることが可能となる。
また、本発明によれば、一つの支柱10に取り付けられる左右一対の第1ブラケット30及び第2ブラケット40にパネル20の横桟部材21がそれぞれ取り付けられるため、水平方向に対する傾斜角度を互いに独立して調整することができる。このため、左右の横桟部材21の傾斜角度を互いに同一とすることもできるし、或いは互いに異ならせることも可能となる。
次に、本発明を適用した防護柵1の第2実施形態について説明する。この第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素、部材に関しては、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
図17は、本発明を適用した防護柵1の第2実施形態の支柱10近傍を示す斜視図である。
本発明を適用した防護柵1は、地面に所定の間隔を空けて設けられた複数の支柱10と、各支柱10間に取り付けられたパネル20と、支柱10とパネル20とをそれぞれボルト接合するためのブラケット構造体3とを備える。
図18は、本発明を適用した防護柵1の第2実施形態の支柱10に取り付けられるブラケット構造体3を分解した状態を示す拡大斜視図である。
本発明を適用したブラケット構造体3は、支柱10に取り付けられる第1ブラケット500と、第1ブラケット500に隣接して設けられ、支柱10に取り付けられる第2ブラケット600を備える。この第1ブラケット500および第2ブラケット600からなるブラケット構造体3は、互いの上下を反転させて対向して設けられる一対の第1分割ブラケット50と一対の第2分割ブラケット60とで構成される。
換言すれば、ブラケット構造体3は、一対の第1分割ブラケット50を互いの上下を反転させて対向して構成される第1ブラケット500と一対の第2分割ブラケット60を互いの上下を反転させて対向して構成される第2ブラケット600とで構成される。なお、以下の例では、前述した構成からなるブラケット構造体3を例に取り説明をする。
ちなみに、ブラケット構造体3は、第1ブラケット500のみで構成される場合や、第2ブラケット600のみで構成される場合もある。
図19は、本発明を適用した第1分割ブラケット50を示す斜視図であり、図20は、そのE−E断面図である。
第1分割ブラケット50は、湾曲した面板で構成される支柱取付部51と、支柱取付部51の端部に連続して設けられる面板で構成される横桟連結部52とを有する。
支柱取付部51は、上方から見た場合、円弧状で形成される。支柱取付部51は、図20に示すように、正面視略矩形状に形成され、ボルト挿入孔51bが横桟連結部52側の端部から水平方向に向けて延びて形成される。
ボルト挿入孔51bは、図18に示すように、支柱10の貫通孔11に位置合わせされる。その上で、ボルト13が挿入され、そのボルト13の先端にはワッシャ14が介装され、ナット15により螺着されることでボルト接続される。
横桟連結部52は、一枚の金属板を折曲げ加工することにより形成される。
横桟連結部52は、その側面に形成された側板152を有し、側板152の下端から内側方向に向けて延長される受け部53を有する。
受け部53は、図19に示すように、支柱取付部51に近い側の端部53aに近づくにつれ、下方に向けて傾斜して形成される。受け部53の延長端は、図20に示すように、上方に向けて折り曲げられて突出した突出部53bが設けられていてもよい。
受け部53は、図19に示すように、上下方向から見た場合、支柱取付部51に近い側の端部53aの形状が挿入方向Mに直交する方向に向けて直線状に形成される。なお、受け部53の端部53aは、これに限らず、上下方向から見た場合、湾曲形状で形成されてもよい。かかる形態の場合、受け部53の端部53aは、その湾曲形状の曲率が支柱10の曲率と略同一の円弧状に形成されることが望ましい。
受け部53と側板152との間は、角面状又は湾曲形状となるように折り曲げられていてもよい。なお受け部53は、突出部53bの構成が省略されてもよい。
側板152は、図19に示すように、その上下方向の長さが支柱取付部51から離間するにつれて小さくなる。このため側板152の上端又は下端は、図20に示すように傾斜されて構成されている。
側板152には、図19に示すように、ボルト挿入孔52bが、長孔形状で形成される。ボルト挿入孔52bは、これに限定されず、円形状、長方形状等の如何なる形状で形成されてよい。ボルト挿入孔52bの形成位置は、後述するボルト接合の利便性の関係から、支柱取付部51から離間され上下方向に向けて縮径された部位に形成されていることが望ましい。ボルト挿入孔52bは、図17に示すように、横桟部材21のボルト挿入孔25bに位置合わせされる。その上で、ボルト91が挿入され、そのボルト91の先端にはワッシャ92が介装され、ナット93により螺着されることでボルト接続される。
図21は、本発明を適用したブラケット構造体3の第2実施形態において、第2分割ブラケット60を示す斜視図であり、図22は、図21のF−F断面図である。
第2分割ブラケット60は、図21に示すように、帯状の湾曲した板で構成される支柱取付部61と、支柱取付部61の帯状の長手方向の両端にそれぞれ連続して設けられる一対の面板で構成される横桟連結部62とを有する。
支柱取付部61は、上方から見た場合、円弧状で形成される。支柱取付部61は、第1分割ブラケット50の支柱取付部51が挿入可能に形成される切欠部64を有する。切欠部64は、その上下方向の寸法が支柱取付部51の上下方向の寸法よりも広くなるように形成される。切欠部64は、図22に示すように、矩形状に形成されるが、これに限定されず、如何なる形状で形成されてよい。
支柱取付部61は、正面視略矩形状に形成され、ボルト挿入孔61bが横桟連結部62側の端部から水平方向に向けて延びて形成される。
ボルト挿入孔61bは、図18に示すように、支柱10の貫通孔11に位置合わせされる。その上で、ボルト13が挿入され、そのボルト13の先端にはワッシャ14が介装され、ナット15により螺着されることでボルト接続される。
横桟連結部62は、一枚の金属板を折曲げ加工することにより形成される。
横桟連結部62は、図21に示すように、側面に形成された側板162を有し、側板162の下端に内側方向に向けて延長される受け部63を有する。
受け部63は、図22に示すように、支柱取付部61に近い側の端部63aに近づくにつれ、下方に向けて傾斜して形成される。受け部63は、図21に示すように、側板162に対向する側の端部から上方に向けて突出した突出部63bが設けられていてもよい。
受け部63の側板162側との間は、角面状又は湾曲形状となるように折り曲げられている。なお、受け部63は、突出部63bの構成が省略されてもよい。
受け部63は、図21に示すように、上下方向から見た場合、支柱取付部61に近い側の端部63aの形状が挿入方向Mに直交する方向に向けて直線状に形成される。なお、受け部63の端部63aは、これに限らず、上下方向から見た場合、湾曲形状で形成されてもよい。かかる形態の場合、受け部63の端部63aは、その湾曲形状の曲率が支柱10の曲率と略同一の円弧状に形成されることが望ましい。
側板162は、図22に示すように、その上下方向の長さが支柱取付部61から離れるにつれて小さくなる。このため側板162の上端又は下端は、図22に示すように傾斜されて構成されている。
側板162には、図21に示すように、ボルト挿入孔62bが、長孔形状で形成される。ボルト挿入孔62bは、これに限定されず、円形状、長方形状等の如何なる形状で形成されてよい。ボルト挿入孔62bは、図17に示すように、横桟部材21のボルト挿入孔25bに位置合わせされる。その上で、ボルト91が挿入され、そのボルト91の先端にはワッシャ92が介装され、ナット93により螺着されることでボルト接続される。
ブラケット構造体3は、図18に示すように、第1分割ブラケット50と第2分割ブラケット60を2つずつ用いて、それぞれ支柱取付部51のボルト挿入孔51b及び支柱取付部61のボルト挿入孔61bとが整合するように位置合わせする。そして、一対の第1分割ブラケット50を側板152同士互いに対向させ、同様に一対の第2分割ブラケット60を側板162同士互いに対向させて支柱10の貫通孔11と整合するように位置合わせする。その上で、ボルト13がボルト挿入孔51b、61bに挿入され、そのボルト13の先端にはワッシャ14が介装され、ナット15により螺着されることでボルト接続される。
ブラケット構造体3は、図17に示すように、一方の第1分割ブラケット50の側板152の上端と他方の第1分割ブラケット50の突出部53bとの間隔が一定幅で形成されるスリット70を有する。スリット70は、側板152の上端の延長方向とほぼ平行となるように延びて形成される。なお、スリット70は、一方の第1分割ブラケット50の側板152の上端と他方の第1分割ブラケット50の突出部53bとが互いに当接することによって、その構成が省略されてもよい。
ブラケット構造体3は、一方の第2分割ブラケット60の側板162の上端と他方の第2分割ブラケット60の突出部63bとの間隔が一定幅で形成されるスリット80を有する。スリット80は、側板162の上端又は下端の延長方向とほぼ平行となるように延びて形成される。なお、スリット80は、一方の第2分割ブラケット60の側板162の上端と他方の第2分割ブラケット60の突出部63bとが当接することによって、その構成が省略されてもよい。
ブラケット構造体3は、2つの横桟連結部52の側板152の間隔につき、横桟部材21の外径よりも大きくなるように形成する。ブラケット構造体3は、互いに対向させた上段と下段の受け部53の間隔が、横桟部材21の高さよりも広く設定されている。これにより、当該横桟部材21を側板152の間に挿入することが可能となる。
同様にブラケット構造体3は、2つの横桟連結部62の側板162の間隔につき、横桟部材21の外径よりも大きくなるように形成する。ブラケット構造体3は、互いに対向させた上段と下段の受け部63の間隔が、横桟部材21の高さよりも広く設定されている。これにより、当該横桟部材21を側板162の間に挿入することが可能となる。
ブラケット構造体3は、支柱10に取付けられた第1分割ブラケット50が側板152の下端に受け部53を有することによって、横桟部材21を2つの横桟連結部52の側板152の間に挿入した後に手を放した場合であっても、横桟部材21が受け部53に支持されるため、パネル20を仮置きすることが可能となる。
同様に、ブラケット構造体3は、支柱10に取付けられた第2分割ブラケット60が側板162の下端に受け部63を有することによって、横桟部材21を2つの横桟連結部62の側板162の間に挿入した後に手を放した場合であっても、横桟部材21が受け部63に支持されるため、パネル20を仮置きすることが可能となる。
すわなち、ブラケット構造体3は、横桟部材21を受け部53及び受け部63に仮置きさせることができ、2つの横桟連結部52及び2つの横桟連結部62にそれぞれ横桟部材21を取り付ける作業を容易に行うことができ、施工性を向上させることが可能となる。
ブラケット構造体3は、図17に示すように、横桟連結部32及び横桟連結部42のそれぞれの挿入方向Mが互いに略同一となって設けられる。
図23は、本発明を適用したブラケット構造体3における支柱10近傍の拡大斜視図であり、特に、2つの第1分割ブラケット50の挿入方向Mと2つの第2分割ブラケット60の挿入方向Mとが互いに交差する場合を示す。
ブラケット構造体3は、支柱取付部51のボルト挿入孔51b及び支柱取付部61のボルト挿入孔61bが支柱10の貫通孔11とボルト接続されて固定される。
ブラケット構造体3は、支柱取付部51及び支柱取付部61における内周側の形状が、外周形状が円形状に形成される支柱10に沿うように形成される。これにより、第1分割ブラケット50及び第2分割ブラケット60を図中矢印R方向に回転可能となる。
このとき、ボルト挿入孔51b及びボルト挿入孔61bは、円弧状に形成される支柱取付部51及び支柱取付部61に沿って、水平方向に向けた長孔形状とされているため、第1分割ブラケット50及び第2分割ブラケット60はそれぞれ独立して図中矢印R方向に回転可能となる。
この結果、支柱10の貫通孔11の位置に依存することなく、第1分割ブラケット50及び第2分割ブラケット60の配設角度を自由に調整することが可能となる。
切欠部64は、その上下方向の寸法が支柱取付部51の上下方向の寸法よりも広くなるように形成される。これにより、一方の第1分割ブラケット50を支柱10を中心として回転させたとき、その支柱取付部51の先端が一方又は他方の切欠部64へ挿入可能となる。このため、第1分割ブラケット50及び第2分割ブラケット60の配設角度をより大きくすることが可能となる。従って、本発明を適用した防護柵1は、水平方向に屈曲した場所に設けることが可能となる。
図24は、本発明を適用した防護柵1が積雪荷重等により上方から力の作用を受けた時の状態を示す図である。
防護柵1は、パネル20における横桟部材21に積雪荷重等の上方からの力が作用したとき、第1分割ブラケット50及び第2分割ブラケット60が、支柱10のボルト13を中心として図中矢印P方向に回転しようとする作用を受ける。
このとき、下段の受け部53の端部53a及び下段の受け部63の端部63aがなるべく支柱10に近接するように固定されることにより、支柱10のボルト13を中心としてわずかに回転した場合、下段の受け部53及び下段の受け部63が支柱10に当接される。このため、下段の受け部53及び下段の受け部63が支柱10から反力を得ることができ、回転に対する作用に耐えることが可能となる。
このとき、第1分割ブラケット50及び第2分割ブラケット60は、所定の板厚を有しているため、受け部35及び受け部45が容易に弾性変形することはなく、その荷重に耐え得る性能をより効果的に発揮することが可能となる。
図25は、本発明を適用した防護柵の第1実施形態において、支柱近傍を示す拡大正面図である。
ブラケット構造体3は、上段の受け部53と下段の受け部53との間隔が、横桟部材21の高さよりも広くなって形成されるとともに、上段の受け部63と下段の受け部63との間隔が、横桟部材の高さよりも広くなって形成される。
これにより、防護柵1は、第1分割ブラケット50及び第2分割ブラケット60にパネル20を取り付けられる場合、それぞれの横桟部材21がボルト91を中心として水平方向に対して図中Q方向に向けて自在に傾斜させることが可能となる。
下段の受け部53及び下段の受け部63は、それぞれ端部53a及び端部63aに近づくにつれて、下方に向けて傾斜して形成される。また、上段の受け部53及び上段の受け部63は、それぞれ端部53a及び端部63aに近づくにつれて、上方に向けて傾斜して形成される。これにより、支柱10に近づくにつれて、第1ブラケット30及び第2ブラケット40の内部に大きな空間を形成することが可能となる。
このため、防護柵1は、ボルト91を中心として横桟部材21を傾斜させたとき、横桟部材21の長手方向の端部21aをより深く潜り込ませることが可能となる。すなわち、防護柵1は、横桟部材21の水平方向に対する傾斜角度をより大きくすることが可能となる。
また横桟部材21は、上段及び下段の受け部35及び受け部45に当接するまで、ボルト91を中心として水平方向に対して上方又は下方に向けて傾斜させることができる。
このように横桟部材21の傾斜角度を大きくした場合においても、最終的にボルト91を締め付けることによって強固に固定することが可能となる。
そして、パネル20の縦桟部材22は、横桟部材21に対してリベット27を回転中心として回動可能に取り付けられている。このため、図25に示すように、横桟部材21が水平方向に対して傾斜させて設けられていた場合においても、縦桟部材22はその重力により自然に略鉛直方向に配向させることが可能となる。このため、本発明を適用した防護柵1は、傾斜した場所に設けることが可能となる。
また、本発明によれば、一つの支柱10に取り付けられる一対の第1分割ブラケット50及び一対の第2分割ブラケット60にパネル20の横桟部材21がそれぞれ取り付けられるため、水平方向に対する傾斜角度を互いに独立して調整することができる。このため、左右の横桟部材21の傾斜角度を互いに同一とすることもできるし、或いは互いに異ならせることも可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。