JP7406430B2 - パイロット式電磁弁 - Google Patents

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Description

本発明は、ピストンガイドを備えるパイロット式電磁弁に関する。
パイロット式電磁弁は、プランジャの軸方向の動きに連動させて、ピストンを軸方向に沿って摺動自在に駆動させ、ピストンに設けた弁体を弁座に離接させることにより、開閉弁動作を行うものである。よって、パイロット式電磁弁において、ピストンが弁座と同軸上に駆動されるように、ピストンの移動を案内するピストンガイドを採用し、弁漏れを防止することが行われてきた。
また、近年、パイロット式電磁弁に使用されている本体部品は、部品コストを下げるため、従来の切削加工部品からプレス加工部品へと移行してきている。
ここで、ピストンガイドを備えるパイロット式電磁弁において、プレス加工部品を弁本体及びプランジャチューブに採用したもの(以下、「従来のパイロット式電磁弁」という)が、例えば、特許文献1の図6及び図7などに開示されている。
特開2015-4435号公報
図6は、従来のパイロット式電磁弁110を示す断面図である。従来のパイロット式電磁弁110は、弁室126及び弁座127aを有する弁本体120、プランジャチューブ130、パイロット弁室144及びパイロット流路145を有するピストン140、ピストンガイド150を備える。また、従来のパイロット式電磁弁110は、パイロット弁体171を保持するプランジャ170、コイルバネ173を介してプランジャ170と対向する吸引子180、プランジャチューブ130の小径部132の外周部に設けられる制御部(不図示)を備える。
弁本体120には、流入管101及び流出管102がろう付けRにより接合されて弁室126に連通する。また、ピストンガイド150の上端部は、外方に曲折する曲折部154を備える。さらに、プランジャチューブ130の下端部は、外側に曲折するフランジ形状となっており、第1の平坦部133、第2の平坦部134、第1の平坦部133及び第2の平坦部134の間で形成されている接続部135を備える。ここで、ピストンガイド150の曲折部154を、プランジャチューブ130の接続部135に当接させ、径方向の位置決めを行うとともに、第2の平坦部134と溶接Wによって接合されている。
ここで、ピストン140は、ピストンガイド150の側壁151に摺動自在に内包されるとともに、ピストンガイド150とピストン140との間に配設されるピストンバネ160により、弁座127aから離反する方向に付勢される。また、ピストン140の下端部には、環状のシール部材147が配設されており、シール部材147が弁本体120の弁座127aと当接することにより、弁室126を密閉状態とする。
このような、従来のパイロット式電磁弁110は、主に以下で述べる2つの問題点により、ピストン140を弁座127aと同軸上に配置することが非常に困難であり、ピストン140の作動不良や、弁漏れなどを生じるおそれがあった。
第1の問題点として、ピストン140を案内するピストンガイド150、及び、弁座127aが一体的に形成されている弁本体120は、それぞれ、薄肉のプレス加工部品から構成されている。プレス加工部品は一般的に切削加工部品と比べて精度が得られにくいため、曲折部154により位置決めされているピストンガイド150、及び、弁本体120と一体的に形成されている弁座127aを、それぞれ同軸上に配置することが困難であった(以下、「軸心合わせ困難」という。)。
第2の問題点として、プレス加工部品であるピストンガイド150は、曲折部154を介して、プランジャチューブ130の接続部135に溶接されている。したがって、この溶接時に、ピストンガイド150が、曲折部154を介して熱の影響を受け、残留応力に起因する歪みが生じるおそれがあった(以下、「熱の影響による歪み」という。)。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ピストンと弁座とを同軸上に配置するとともに、ピストンを同軸上に沿って移動するパイロット式電磁弁を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、パイロット式電磁弁は、弁座を有し、流出管がろう付けされている弁座体と、パイロット流路を有し、一端部が前記弁座と離接するピストンと、一端部に前記パイロット流路を開閉するパイロット弁体を設けるプランジャと、弁室を設ける大径部、前記プランジャを軸方向に摺動自在に案内する小径部を有する本体と、切削体から形成され、前記ピストンを軸方向に摺動自在に案内するピストンガイドと、前記プランジャを駆動する制御部と、を備え、流入管がろう付けされた前記本体の前記大径部には、前記ピストンを収容する前記ピストンガイド及び前記弁座体をそれぞれ嵌合させるものである。
また、上記パイロット式電磁弁は、前記ピストンガイドの外周面には、周方向に連続又は離間して形成される溝部を設け、前記ピストンガイドを前記本体の前記大径部に嵌合させるとともに、前記ピストンガイドの前記溝部に対して、前記本体を塑性変形させて固定することものとしてもよい。
また、上記パイロット式電磁弁は、前記弁座体を前記本体の前記大径部に嵌合させるとともに、前記本体の前記大径部及び前記弁座体の圧入代に対して、局部的に溶融及び凝固させて固定するものとしてもよい。
また、上記パイロット式電磁弁は、前記ピストンを前記弁座から離反する方向に付勢するピストンバネを備え、前記ピストンバネが、前記ピストンの他端部に設けられるフランジ部と前記ピストンガイドの一端部に設けられる環状の内側突起部との間に挟持されるものとしてもよい。
また、上記パイロット式電磁弁は、前記ピストンと前記ピストンガイドとの摺動面が、軸方向に離間又は連続して設けられているものとしてもよい。
本発明によれば、ピストンと弁座とを同軸上に配置するとともに、ピストンを同軸上に沿って移動するパイロット式電磁弁を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るピストンガイドを備えるパイロット式電磁弁の弁閉状態を示す断面図である。 図1に示されるパイロット式電磁弁の拡大図であり、(a)は、図1の破線II(a)で囲まれる領域、(b)は、破線II(b)で囲まれる領域、(c)及び(d)は、破線II(c)及びII(d)で囲まれる領域、を、それぞれ表す。 図1に示されるパイロット式電磁弁の弁開状態を示す断面図であり、(a)は、パイロット式電磁弁の全体図、(b)は、(a)の破線III(b)で囲まれるプランジャチューブと第1の継手及び第2の継手との接続部の拡大図を、それぞれ表す。 図1に示されるパイロット式電磁弁の組立工程の説明図である。(a)第1の継手の接続工程、(b)プランジャの組立工程、(c)プランジャの組付け工程、(d)ピストンの組立工程、(e)ピストンの組付け工程、(f)第2の継手の組立工程、(g)第2の継手の接続工程、(h)制御部の組付け工程を、それぞれ表す。 本発明の第2の実施形態に係るピストンバネを有さない構造のパイロット式電磁弁を示す断面図であり、(a)は、摺動面が軸方向に離間する様態、(b)は、摺動面が軸方向に連続する様態を、それぞれ表す。 従来のパイロット式電磁弁を示す断面図である。
本発明の実施形態について、図1から図5を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は本実施形態の態様に限定されるものではない。
<用語について>
本明細書および特許請求の範囲の記載において、「一端」及び「他端」とは、図面における「下方」及び「上方」を示す。
(第1の実施形態)
<パイロット式電磁弁の構成について>
図1乃至図3を用いて、本発明の第1の実施形態に係るパイロット式電磁弁10について説明する。パイロット式電磁弁10は、第1の継手1A及び第2の継手2Aに接続される本体30、ピストン40、ピストンガイド50、ピストンバネ60、プランジャ70、吸引子80、及び、制御部90から主に構成される。ここで、第1の継手1Aは、流入管1からなり、第2の継手2Aは、流出管2及び弁座体3とからなる。以下、パイロット式電磁弁10のそれぞれの構成について説明する。
本体30は、プレス加工により形成されており、軸方向の一端側へ延在する円筒形状の大径部31と、大径部31から軸方向の他端側へ延在する円筒形状の小径部32と、を備える。大径部31と小径部32との接合部には、段差部33が形成されている。図2(b)に示すように、大径部31の一端側開口部34には、第2の継手2Aを構成する弁座体3が所定の圧入代(嵌合部)Lを有して嵌合されるとともに、溶接Wにより接合されている。本実施形態における圧入代Lは、1~4(mm)とすることが好ましい。この弁座体3は、弁座3aと、弁ポート3bとを備え、弁ポート3bには、低圧側である二次側圧力が導入される流出管2がろう付け(ろう付け部)Rにより接合される。また、本体30の側方開口部35には、高圧側である一次側圧力が導入される流入管1からなる第1の継手1Aがろう付け(ろう付け部)Rにより接合されて弁室36に連通する。
ここで、本体30の大径部31における内径は、弁座体3の最外径より僅かに小さくなるように設定されている。よって、この圧入代Lが得られるように、軸方向への圧入固定を進めるにつれて、弁座体3及び本体30は、互いの対向面の摺動により径方向への位置決めを行うため、同軸上に配置することができる。これにより、本実施形態におけるパイロット式電磁弁10は、前述した第1の問題点(軸心合わせ困難)を解消することができる。また、大径部31と弁座体3との溶接Wは、熱の影響による歪みを抑制するために、圧入代Lに対して、局部的に溶融及び凝固させて固定、例えば、レーザー溶接、スポット溶接等を行うもの(溶接部を設けるもの)である。これにより、本実施形態におけるパイロット式電磁弁10は、第2の問題点(熱の影響による歪み)を解消することができる。
ピストン40は、ブロック体から切削加工及び研磨加工など(削り出し)により、高い加工精度で形成された切削加工部品(切削体)であり、一端側に設けられる弁体41と、他端側に延在し、他端部に外径方向に向けられたフランジ部42を設ける側壁43と、を備える。さらにピストン40は、他端側に設けられる凹部からなるパイロット弁室44と、弁体41の中心開口とパイロット弁室44とを連通するパイロット流路45と、パイロット弁座46とを備える。
ピストンガイド50は、ブロック体から切削加工及び研磨加工など(削り出し)により、高い加工精度で形成された切削加工部品(切削体)であり、略中空円柱形状である円筒部51を備える。この円筒部51は、一端部に環状の内側突起部52と、外周面の軸方向中央部に、周方向に連続又は離間して形成される溝部53とを有する。ここで、ピストンガイド50の環状の内側突起部52とピストン40のフランジ部42との間に、ピストンバネ60を挟持した状態で、本体30の大径部31内にピストンガイド50の円筒部51が嵌合される。このピストンバネ60は、一次側圧力と二次側圧力との差圧が生じない無差圧時においても、弁体41が弁座3aから離反する方向に移動できる程度の付勢力を有する比較的弱いばね定数のものから構成されている。ここで、ピストンガイド50の他端部を、本体30の段差部33に突き当てることにより、軸方向への位置決めを行っている。この本体30の段差部33は、プレス加工により形成されるため、段差部33の角部はR形状を有している。よって、図2(c)及び(d)に示すように、ピストンガイド50は、この角部のR形状を避けるために、テーパー形状の先端部51a1や、切り欠き形状の先端部51a2を有している。これにより、ピストンガイド50の先端部51a1,51a2を本体30の段差部33に確実に突き当てることにより、ピストンバネ60の伸縮量を所定値に設定することができる。加えて、ピストンガイド50の溝部53に対して、ロールカシメやポンチ留めなどにより、本体30を塑性変形させ、固定部(塑性変形部)Fpを形成している。
このように、ピストンガイド50の加工精度を高くするとともに、ピストンガイド50を、弁座体3と同様に、大径部31内に嵌合させることにより、ピストンガイド50と弁座体3とを同軸上に配置するための寸法管理が簡略化できる。これにより、本実施形態におけるパイロット式電磁弁10は、弁座体3に対する前述した第1の問題点(軸心合わせ困難)を解消することができる。さらに、ピストンガイド50は、切削加工及び研磨加工など(削り出し)により形成されたものであり、プレス加工部品と比べ、残留応力に起因する歪みが生じるおそれが少ない。また、ピストンガイド50と本体30との固定手段が、熱の影響を与えるろう付けなどではなく、本体30の塑性変形を利用したものである。これにより、第2の問題点(熱の影響による歪み)を解消することができる。
プランジャ70は、一端側に保持されたパイロット弁体71と、他端側に形成された凹部72と、を備える。プランジャ70は、本体30の小径部32内を軸方向に摺動自在に案内される。コイルバネ73は、圧縮された状態で、プランジャ70の凹部72と、小径部32の他端側に固定された吸引子80との間に挟持され、プランジャ70を下方に、すなわち、弁座3aの方向にピストン40を付勢する。
制御部90は、電磁コイル91と、磁気フレーム92と、を備え、本体30の小径部32の外周部に配置され、プランジャ70を駆動する。この電磁コイル91は、磁気フレーム92の内部に装着され、巻線が巻かれたボビン93と、ボビン93の周囲をモールドするモールド樹脂94と、を備える。制御部90は、吸引子80の上部に形成された雌ねじ81に、磁気フレーム92に形成されたボルト挿通孔92aを介して、締結ボルト95が螺合されている。
<パイロット式電磁弁の動作について>
以上説明した構成を有するパイロット式電磁弁10の動作について説明する。パイロット式電磁弁10には、流入管1を介して一次側圧力(高圧力)が導入され、流出管2を介して二次側圧力(低圧力)が導入されており、一次側圧力と二次側圧力との間に差圧が生じるものとする。
(電磁コイルへの通電を遮断した状態)
図1及び図2に示されるように、プランジャ70が、コイルバネ73の付勢力により、吸引子80から離反する方向に移動する。これにより、プランジャ70の一端側に保持されたパイロット弁体71が、ピストン40のパイロット流路45の上部に形成されたパイロット弁座46に着座し、パイロット流路45を閉弁状態とする。
また、プランジャ70が、ピストンバネ60を収縮させながらピストン40とともに、吸引子80から離反する方向へとさらに移動することによって、弁体41が弁座3aに着座し、弁座3aに形成された弁ポート3bを閉弁状態とする。ここで、ピストン40とピストンガイド50との間には摺動面が設けられる。具体的には、ピストン40の側壁43及びピストンガイド50の環状の内側突起部52により、第1の摺動面Ss1が設けられるとともに、ピストン40のフランジ部42及びピストンガイド50の円筒部51とにより、第2の摺動面Ss2が設けられる。したがって、2か所の摺動面Ss1,Ss2の加工精度は高いものであり、また、ピストン40を軸方向に離間する2か所の摺動面Ss1,Ss2で支持している。これにより、ピストン40を弁座3aと同軸上に配置し、この同軸上に沿ってピストンを傾かせずに摺動自在に案内することができる。よって、本実施形態におけるパイロット式電磁弁10は、ピストン40の作動不良や、弁座3aからの弁漏れなどを生じさせることなく、閉弁動作を確実に行うことができる。
ここで、第1の摺動面Ss1及び第2の摺動面Ss2と対応する位置に、弁室36とパイロット弁室44とを常時連通する副流路が形成されている。この副流路は、ピストン40の側壁43とピストンガイド50の環状の内側突起部52との間に形成される環状の第1の副流路Sf1と、ピストン40のフランジ部42とピストンガイド50の円筒部51との間に形成される環状の第2の副流路Sf2とからなる。
したがって、パイロット流路45及び弁ポート3bが閉弁状態された状態においては、高圧側である流入管1の流体が、第1の副流路Sf1及び第2の副流路Sf2を介して、パイロット弁室44に流入する。これにより、コイルバネ73の付勢力に加えて、パイロット弁室44の高圧が、弁体41を弁座3aに当接させる方向に付勢する。
(電磁コイルへの通電を行った状態)
図3に示されるように、プランジャ70が、コイルバネ73の付勢力に抗して吸引子80の方向に移動する。これにより、プランジャ70の一端側に保持されたパイロット弁体71が、ピストン40のパイロット流路45の上部に形成されたパイロット弁座46から離反する方向に移動して、パイロット流路45を開弁状態とする。
この際、図3(b)に示すように、ピストン40のパイロット弁室44内の高圧の流体は、パイロット流路45を介して、低圧側である流出管2へと排出される(矢印E参照)。一方、ピストン40のパイロット弁室44には、第1の副流路Sf1及び第2の副流路Sf2を介して、流入管1からの流体が供給される(矢印F参照)。ここで、確実にピストン40に差圧を生じさせ、ピストン40を弁座3aから離反する方向に移動させるために、パイロット弁室44に対する供給流量を排出流量より小さくしている。
このように、ピストン40が上方から受圧するパイロット弁室44内の圧力が低下し、ピストン40が下方から受圧する一次側圧力(高圧力)との間に差圧が生じるため、ピストン40が弁座3aから離反する方向に移動して、弁ポート3bが開弁状態となる。さらに、ピストン40が、2か所の摺動面Ss1,Ss2に支持されながら、弁座3aから離反する方向に移動すると、本体30の段差部33が、ピストン40のフランジ部42と当接し、ストッパの機能を果たすことにより、弁体41の最大開度を規定する。
なお、上記説明では、一次側圧力と二次側圧力との間に差圧が生じるものとした。しかしながら、一次側圧力と二次側圧力との間に差圧が生じない無差圧時においても、ピストンバネ60が、ピストン40を弁座3aから離反する方向に付勢することにより、開弁動作を確実に行うことができる。
<パイロット式電磁弁の組立工程について>
図4を用いて、パイロット式電磁弁10の組立工程を順に説明する。
(a)第1の継手の接続工程
図4(a)に示すように、本体30の側方開口部35には、流入管1からなる第1の継手1Aがろう付け(ろう付け部)Rにより接合される。また、本体30の小径部32の他端側に、吸引子80を溶接等により固定する。これにより、本体30及び第1の継手1Aのみにろう付けRによる熱の影響を限定することができる。
(b)プランジャの組立工程
図4(b)に示すように、プランジャ組立体70Aは、プランジャ70の一端側に、球形状のパイロット弁体71をカシメ等により保持するとともに、プランジャ70の他端側に形成された凹部72に、コイルバネ73を収容することにより組み立てられる。
(c)プランジャの組付け工程
図4(c)に示すように、プランジャ組立体70Aを、本体30の一端側開口部34から挿入し、本体30の小径部32内における、吸引子80との間にコイルバネ73を挟持する位置に配置させる。
(d)ピストンの組立工程
図4(d)に示すように、ピストン組立体40Aは、ピストン40のフランジ部42とピストンガイド50の環状の内側突起部52との間に、ピストンバネ60を挟持することにより組み立てられる。ここで、ピストン40及びピストンガイド50は、ブロック体から切削加工及び研磨加工など(削り出し)により、高い加工精度で形成された切削加工部品(切削体)である。
(e)ピストンの組付け工程
図4(e)に示すように、ピストン組立体40Aを、本体30の一端側開口部34から挿入し、本体30の大径部31内にピストンガイド50の円筒部51を嵌合させるとともに、本体30の段差部33にピストンガイド50の先端部51a1,51a2を突き当てる。さらに、ピストンガイド50の溝部53に対して、ロールカシメやポンチ留めなどにより、本体30の大径部31を塑性変形させ、固定部(塑性変形部)Fpを形成する。これにより、本体30とピストンガイド50との固定手段が、本体30の塑性変形を利用することにより、ピストンガイド50の熱変形を抑制することができる。
(f)第2の継手の組立工程
図4(f)に示すように、第2の継手2Aは、弁座体3の弁ポート3bに、流出管2がろう付け(ろう付け部)Rにより接合されることにより組み立てられる。これにより、弁座体3及び流出管2のみにろう付けRによる熱の影響を限定することができる。
(g)第2の継手の接続工程
図4(g)に示すように、本体30の一端側開口部34には、第2の継手2Aを構成する弁座体3が所定の圧入代(嵌合部)L(図2(b)参照)を有して嵌合されるとともに、溶接Wにより接合される。ここで、図4(e)及び図4(g)に示すように、ピストンガイド50及び弁座体3を、同一の本体30の大径部31内に嵌合させることにより、ピストンガイド50と弁座体3とを同軸上に配置するための寸法管理が簡略化できる。また、溶接Wは、圧入代Lに対して、局部的に溶融及び凝固させて固定する、例えば、レーザー溶接、スポット溶接等を行うもの(溶接部を設けるもの)であり、本体30及び弁座体3の熱変形を抑制することができる。
(h)制御部の組付け工程
図4(h)に示すように、本体30の小径部32が、制御部90のボビン93の内側に挿入されるとともに、吸引子80の雌ねじ81に、ボルト挿通孔92aを介して、締結ボルト95を螺合させる。
このように、本実施形態のパイロット式電磁弁の組立工程において、ピストン40及びピストンガイド50は、高い加工精度で形成されたものである。また、熱影響の比較的大きいろう付けRの使用を、(a)第1の継手の接続工程、及び、(f)第2の継手の組立工程のみに限定している。さらに、(e)ピストンの組付け工程、(g)第2の継手の接続工程は、ピストン40と弁座3aとを同軸上に配置するために特に重要であるため、熱の影響が極力少ないもの(嵌合、ロールカシメ、ポンチ留め、レーザー溶接、スポット溶接など)を採用している。これにより、本実施形態におけるパイロット式電磁弁10は、第1の問題点(軸心合わせ困難)及び第2の問題点(熱の影響による歪み)を解消することができる。
なお、本実施形態のパイロット式電磁弁の組立工程は、図4に示す(a)-(h)の順番で行われるものであるが、これに限られるものではない。例えば、(a)第1の継手の接続工程、(d)ピストンの組立工程、(e)ピストンの組付け工程、(f)第2の継手の組立工程、(b)プランジャの組立工程、(c)プランジャの組付け工程、(g)第2の継手の接続工程、(h)制御部の組付け工程でも良い。なお、この順番で行う際には、(a)第1の継手の接続工程において、(a’)吸引子の固定工程を除いて行い、(c)プランジャの組付け工程を行った後に、(a’)吸引子の固定工程を行うこととする。さらに、(a)第1の継手の接続工程、及び、(f)第2の継手の組立工程におけるろう付けのタイミングを同時に行っても良い。
(第2の実施形態)
図5(a)及び(b)を用いて、本発明の第2の実施形態に係るピストンバネを有さない構造のパイロット式電磁弁11,12について説明する。
まず、図5(a)を用いて、第2の実施形態の一例におけるパイロット式電磁弁11を説明する。パイロット式電磁弁11は、無差圧作動を行わない仕様とするために、ピストンバネ60を備えていない点で、第1の実施形態に係るパイロット式電磁弁10と相違する。しかしながら、その他の基本構成は第1の実施形態と同一であるため、同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
ピストン40は、第1の実施形態と同様に、軸方向に離間するとともに、加工精度が高い摺動面Ss1,Ss2により支持されているため、弁座3aと同軸上に配置されるとともに、この同軸上に沿って傾かせずに摺動自在に案内されることができる。よって、パイロット式電磁弁11においても、ピストン40の作動不良や、弁座3aからの弁漏れなどを生じさせることなく、閉弁動作を確実に行うことができる。なお、摺動面Ss1,Ss2と対応する位置に、弁室36とパイロット弁室44とを常時連通する副流路Sf1,Sf2が形成されている。
これにより、パイロット式電磁弁11は、第1の実施形態に係るパイロット式電磁弁10と、全ての部品を共通化することができるため、生産性を向上させることができる。また、パイロット式電磁弁11においても、第1の実施形態におけるパイロット式電磁弁10と同様に、第1の問題点(軸心合わせ困難)及び第2の問題点(熱の影響による歪み)を解消することができる。
次に、図5(b)を用いて、第2の実施形態の他の例におけるパイロット式電磁弁12を説明する。パイロット式電磁弁12は、ピストン40’のフランジ部及びピストンガイド50’の環状の内側突起部を省略する点、及び、ピストン40’が摺動する単一の摺動面Ss’を軸方向に連続的に設けている点で、パイロット式電磁弁11と相違する。しかしながら、その他の基本構成はパイロット式電磁弁11と同一であるため、同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
ピストン40’は、ブロック体から切削加工及び研磨加工など(削り出し)により、高い加工精度で形成された切削加工部品(切削体)であり、一端側に設けられる弁体41’と、他端側に延在する側壁43’と、を備える。またピストンガイド50’は、ブロック体から切削加工及び研磨加工など(削り出し)により、高い加工精度で形成された切削加工部品(切削体)であり、略中空円柱形状である円筒部51’を備える。この円筒部51’は、外周面の軸方向中央部に、周方向に連続又は離間して形成される溝部53’を有する。
ピストン40’は、軸方向に連続するとともに、加工精度が高い単一の摺動面Ss’により支持されているため、弁座3aと同軸上に配置されるとともに、この同軸上に沿って傾かせずに摺動自在に案内されることができる。よって、パイロット式電磁弁12においても、ピストン40’の作動不良や、弁座3aからの弁漏れなどを生じさせることなく、閉弁動作を確実に行うことができる。なお、単一の摺動面Ss’と対応する位置に、弁室36とパイロット弁室44とを常時連通する単一の副流路Sf’が形成されている。
これにより、パイロット式電磁弁12は、ピストン40’及びピストンガイド50’の形状が簡素化することにより、寸法管理が必要となる箇所を少なくできるため、生産性を向上させることができる。また、パイロット式電磁弁12においても、パイロット式電磁弁11と同様に、第1の問題点(軸心合わせ困難)及び第2の問題点(熱の影響による歪み)を解消することができる。
<その他>
本実施形態のパイロット式電磁弁は、あらゆる流体装置及び流体回路に適用可能である。また、本発明は、上述した各形態や、各実施形態、随所に述べた変形例に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。
10 パイロット式電磁弁
1A 第1の継手
1 流入管
2A 第2の継手
2 流出管
3 弁座体
3a 弁座
3b 弁ポート
30 本体
31 大径部
32 小径部
33 段差部
34 一端側開口部
35 側方開口部
40A ピストン組立体
40,40’ ピストン
41,41’ 弁体
42 フランジ部
43,43’ 側壁
44 パイロット弁室
45 パイロット流路
46 パイロット弁座
50,50’ ピストンガイド
51,51’ 円筒部
51a1,51a2 先端部
52 環状の内側突起部
53,53’ 溝部
60 ピストンバネ
70A プランジャ組立体
70 プランジャ
71 パイロット弁体
80 吸引子
90 制御部
L 圧入代
R ろう付け
Sf1 第1の副流路
Sf2 第2の副流路
Sf’ 単一の副流路
Ss1 第1の摺動面
Ss2 第2の摺動面
Ss’ 単一の摺動面
W 溶接

Claims (5)

  1. 弁座を有し、流出管がろう付けされている弁座体と、
    パイロット流路を有し、一端部が前記弁座と離接するピストンと、
    一端部に前記パイロット流路を開閉するパイロット弁体を設けるプランジャと、
    弁室を設ける大径部、前記プランジャを軸方向に摺動自在に案内する小径部を有する本体と、
    切削体から形成され、前記ピストンを軸方向に摺動自在に案内するピストンガイドと、
    前記プランジャを駆動する制御部と、
    を備え、
    流入管がろう付けされた前記本体の前記大径部には、前記ピストンガイド及び前記弁座体をそれぞれ嵌合させることを特徴とするパイロット式電磁弁。
  2. 前記ピストンガイドの外周面には、周方向に連続又は離間して形成される溝部を設け、
    前記ピストンガイドを前記本体の前記大径部に嵌合させるとともに、前記ピストンガイドの前記溝部に対して、前記本体を塑性変形させて固定することを特徴とする請求項1に記載のパイロット式電磁弁。
  3. 前記弁座体を前記本体の前記大径部に嵌合させるとともに、前記本体の前記大径部及び前記弁座体の圧入代に対して、局部的に溶融及び凝固させて固定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパイロット式電磁弁。
  4. 前記ピストンを前記弁座から離反する方向に付勢するピストンバネを備え、
    前記ピストンバネが、前記ピストンの他端部に設けられるフランジ部と前記ピストンガイドの一端部に設けられる環状の内側突起部との間に挟持されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のパイロット式電磁弁。
  5. 前記ピストンと前記ピストンガイドとの摺動面が、軸方向に離間又は連続して設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のパイロット式電磁弁。
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