JP7404818B2 - 機器、モード切替方法およびプログラム - Google Patents

機器、モード切替方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、機器、モード切替方法およびプログラムに関する。
通常動作モードと省電力モードを有する機器において、通常動作時にデータ処理や各種ハードウエアの制御を行い、省電力モード時には処理能力の高いCPUを停止させる技術が知られている。
また、機器が省電力モードの際に通常動作モードへ復帰させるか否かの判断の精度を向上させることで、機器の省電力効率を向上させる技術も知られている。例えば、特許文献1には、受信したデータに特定の命令が含まれるときに、スリープモード(省電力モード)を保ったまま、データを送信する構成が開示されている。
しかしながら、従来の方法では、省電力モードから通常動作モードに切り替える条件が固定されていたため、例えば、ネットワークの状態によっては不要な場合にまでも通常動作モードへ復帰することがあるため、機器の省電力性能を十分に発揮できていないという課題があった。
上述した課題を解決すべく、請求項1に係る発明は、通常動作モードと省電力モードを切り替えて動作可能な機器であって、前記通常動作モードにおける動作を制御する第1の制御手段と、前記省電力モードにおける動作を制御する第2の制御手段と、前記省電力モードから前記通常動作モードに切り替える条件を示す切替条件として、要求信号の所定の形式が記憶される記憶手段と、を備え、前記第2の制御手段は、前記要求信号を検知する検知手段と、検知された前記要求信号の形式が前記切替条件として記憶されている前記所定の形式である場合、前記省電力モードから前記通常動作モードへの切り替えを要求する切替要求を前記第1の制御手段へ送信する送信手段と、を有し、前記第1の制御手段は、前記切替要求に応じて前記通常動作モードを起動させる起動手段と、検知された前記要求信号の形式に起因して前記通常動作モードを起動させた頻度が閾値以上である場合、前記切替条件から前記所定の形式を削除する条件設定手段と、を有し、前記条件設定手段は、前記切替条件から前記所定の形式が削除された履歴を示す削除履歴を前記記憶手段に記憶させるとともに、前記所定の形式が削除されてから所定時間が経過したか否かが判断され前記所定時間が経過した場合、前記削除履歴に含まれる当該所定の形式を前記切替条件に追加する機器である。
本発明によれば、機器の省電力性能を向上させることができるという効果を奏する。
実施形態に係る通信システムのシステム構成の一例を示す図である。 実施形態に係る機器のハードウエア構成の一例を示す図である。 実施形態に係るユーザ端末のハードウエア構成の一例を示す図である。 実施形態に係る機器のソフトウエア構成の一例を示す図である。 実施形態に係る通信システムの機能構成の一例を示す図である。 (A)は実施形態に係る切替条件管理テーブルの一例を示す概念図であり、(B)は実施形態に係る起動履歴管理テーブルの一例を示す概念図である。 (A)は実施形態に係る削除履歴管理テーブルの一例を示す概念図であり、(B)は実施形態に係るプロセス管理テーブルの一例を示す概念図である。 実施形態に係る主制御部および副制御部の詳細な機能構成の一例を示す図である。 実施形態に係る機器における省電力モードへの切替処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る機器における省電力モードから通常動作モードへの切り替え処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る機器における通常動作モードと省電力モードの切り替えについて説明するための図である。 実施形態に係る機器における通常動作モードへの切替条件の更新処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る機器における切替条件管理テーブルが更新された場合の一例を説明するための図である。 実施形態に係る機器における通常動作モードへの切替条件の更新処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
●システム構成●
図1は、実施形態に係る通信システムのシステム構成の一例を示す図である。図1に示されている通信システム1は、通常動作モードと省電力モードを切り替えて動作可能な機器10において、省電力モードから通常動作モードに切り替える条件を示す切替条件を動的に変更可能なシステムである。
通信システム1は、機器10およびユーザ端末90によって構成されている。機器10およびユーザ端末90は、通信ネットワーク5を介して通信可能に接続されている。通信ネットワーク5は、インターネット、移動体通信網、LAN(Local Area Network)等によって構築されている。なお、通信ネットワーク5には、有線通信だけでなく、3G(3rd Generation)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、Wi-Fi(Wireless Fidelity(登録商標))、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)またはLTE(Long Term Evolution)等の無線通信によるネットワークが含まれてもよい。また、通信ネットワーク5には、ブロックチェーンによって構築されたネットワークが含まれていてもよい。
機器10は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral/Printer/Product:複合機)、ファクシミリ、スキャナ、またはプリンタ等の画像処理機能を備える画像処理装置である。機器10は、ケーブルによりデータ通信可能に接続された操作部30と本体部50とを備える。
操作部30は、画面表示およびユーザAによるユーザ操作を受け付ける。本体部50は、操作部30によって受け付けられた入力に応じた動作を行う。なお、操作部30と本体部50は、ケーブルによる有線接続に代えて、無線(赤外線を含む)接続としてもよい。
機器10は、操作部30を本体部50から独立させ、本体部50の負荷が高くても操作レスポンスを低下させないようにすることが考えられる。例えば、操作部30は、本体部50と独立したOS(Operating System)が搭載され、本体部50と独立に動作する。また、機器10は、本体部50におけるデータ処理や各種ハードウエアの制御等を行う通常動作モードと、通常動作モードをOFFにして機器10の消費電力を抑制する省電力モードとを切り替えて動作する。機器10は、省電力モードでの動作時において所定の要求信号を受信した場合、後述する切替条件に基づいて通常動作モードへの切り替えを行う。省電力モードは、例えば、省エネモードまたはスリープモードと称されてもよい。
なお、画像処理装置は、管理者またはユーザによって特定の場所に設置された装置だけでなく、持ち運び可能なハンディプリンタまたはハンディスキャナ等であってもよい。また、機器10は、画像処理装置に限られず、通常動作モードと省電力モードを切り替えて実現可能な機器であればよい。機器10は、例えば、3Dプリンタ(立体造形装置)、プロジェクタ(Projector)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、ビデオ会議(テレビ会議)端末、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、スピーカ等の音響出力装置、自律走行ロボット、またはテレプレゼンスロボット等であってもよい。また、機器10は、加工装置、検査装置、搬送装置もしくはピッキング装置等の産業機械、デジタルカメラ等の撮影装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動販売機、電源装置、空調システム、またはガス、水道もしくは電気等の計量システムであってもよい。さらに、機器10は、PC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、またはウェアラブル端末等であってもよい。
ユーザ端末90は、ユーザBが使用するPC(Personal Computer)等の端末装置である。ユーザ端末90は、通信ネットワーク5を介して、機器10とデータ通信を行うことができる。なお、ユーザ端末90は、PCに限られず、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話等であってもよい。
●ハードウエア構成●
次に、図2および図3を用いて、図1に示されている機器10およびユーザ端末90のハードウエア構成を説明する。なお、図2および図3に示されているハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。
●機器のハードウエア構成
まず、図2を用いて、機器10のハードウエア構成について説明する。図2は、機器10の一例として、図1に示されているような画像処理装置の構成について説明する。図2は、実施形態に係る機器のハードウエア構成の一例を示す図である。画像処理装置としての機器10は、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能およびファックス機能等の各種の機能を実現可能な本体部50と、ユーザ操作に応じた入力を受け付ける操作部30とを備えている。操作部30は、本体部50の制御部、および、本体部50とは独立した制御部を備えた本体部50の操作部30(操作パネル)である。
なお、ユーザの操作を受け付けるとは、ユーザの操作に応じて入力される情報(画面の座標値を示す信号等を含む)を受け付けることを含む概念である。本体部50と操作部30は、専用の通信路200を介して相互に通信可能に接続されている。通信路200は、例えば、USB(Universal Serial Bus)規格を用いることができるが、有線または無線を問わず任意の規格であってもよい。本体部50は、操作部30によって受け付けられた入力に応じた動作を行う。また、本体部50は、例えば、通信ネットワーク5を介して、ユーザ端末90と通信可能であり、ユーザ端末90から受信される指示に応じた動作を行うこともできる。
まず、本体部50のハードウエア構成について説明する。図3に示されているように、本体部50は、メインCPU(Central Processing Unit)501、サブCPU502、ROM(Read Only Memory)503、RAM(Random Access Memory)504と、HDD(Hard Disk Drive)505、スキャナエンジン506、プリンタエンジン507、FAX制御ユニット508、通信I/F(Interface)509、接続I/F511、タイマ512および電源ユニット513を備えている。
メインCPU501およびサブCPU502は、本体部50全体の動作を制御する。ROM503は、メインCPU501およびサブCPU502の駆動に用いられるプログラムを記憶する不揮発性のメモリである。RAM504は、メインCPU501およびサブCPU502のワークエリアとして使用される揮発性のメモリである。HDD505は、各種データまたはプログラムを記憶する不揮発性の記憶媒体である。メインCPU501またはサブCPU502は、RAM504をワークエリア(作業領域)として、ROM503またはHDD505等に格納されたプログラムを実行することで、本体部50全体の動作を制御する。このうち、メインCPU501は、機器10における所定の処理を実行する通常動作モードでの動作を制御する。メインCPU501は、スキャナエンジン506、プリンタエンジン507またはFAX制御ユニット508によって、上述したプリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能、ファックス機能等の各種機能を実現させる。一方で、サブCPU502は、所定時間通常動作モードによる処理が実行されない場合、メインCPU501を停止させて省電力モードでの動作を制御する。
通信I/F509は、通信ネットワーク5を介して、ユーザ端末90等の外部装置等と通信するためのインターフェースである。接続I/F511は、通信路200を介して、操作部30と通信するためのインターフェースである。タイマ512は、時間計測機能を有する計測装置である。タイマ512は、コンピュータによるソフトタイマでもよい。電源ユニット513は、本体部50の電源供給を制御する。また、本体部50は、バスライン510を備えている。バスライン510は、メインCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスまたはデータバス等である。
次に、操作部30のハードウエア構成について説明する。図3に示されているように、操作部30は、CPU301、ROM302、RAM303、フラッシュメモリ304、操作パネル305および接続I/F306を備えている。
CPU301は、操作部30全体の動作を制御する。ROM302は、CPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶する不揮発性のメモリである。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される揮発性のメモリである。CPU301は、RAM303をワークエリア(作業領域)として、ROM302またはフラッシュメモリ304等に格納されたプログラムを実行することで、操作部30全体の動作を制御する。また、CPU301は、ユーザ操作により受け付けられた入力に応じた情報(画像)を表示する等、各種機能を実現する。
操作パネル305は、ユーザ操作に応じた各種の入力を受け付けるとともに、各種の情報を表示する。例えば、各種の情報は、受け付けられた入力に応じた情報、機器10の動作状況を示す情報、設定状態を示す情報等が挙げられる。操作パネル305は、例えば、タッチパネル機能を搭載した液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)、またはタッチパネル機能が搭載された有機EL(Electro Luminescence)表示装置等により構成される。また、操作パネル305は、これに加えてまたはこれに代えて、ハードウエアキー等の入力部やランプ等の表示部を設けることもできる。接続I/F306は、通信路200を介して本体部50と通信するためのインターフェースである。また、操作部30は、バスライン310を備えている。バスライン310は、CPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスまたはデータバス等である。
なお、図3は、機器10が画像処理装置である例を説明したが、上述のように機器10は、画像処理装置に限られない。この場合、機器10は、操作部30を備えていない構成であってもよく、または操作部30の機能が本体部50に備えられた構成であってもよい。
●ユーザ端末のハードウエア構成
続いて、図3を用いて、ユーザ端末90のハードウエア構成について説明する。図3は、実施形態に係るユーザ端末のハードウエア構成の一例を示す図である。ユーザ端末90は、CPU901、ROM902、RAM903、入力装置904、ディスプレイ905、外部ストレージI/F906、入出力I/F907およびネットワークI/F908を備えている。
CPU901は、ユーザ端末90全体の動作を制御する。ROM902は、CPU901の駆動に用いられるプログラムを記憶する不揮発性のメモリである。RAM903は、CPU901のワークエリアとして使用される揮発性のメモリである。入力装置904は、ユーザによる操作入力を受け付ける入力手段の一種である。入力装置904は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、ボタン、ダイヤルまたは音声入力のためのマイク等である。
ディスプレイ905は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、アイコンまたは画像等の各種情報を表示する液晶または有機EL等の表示手段の一種である。外部ストレージI/F906は、記録メディア等の外部ストレージに対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。入出力I/F907は、各種の外部機器との間で各種データまたは情報の入出力を行うために、外部機器と接続するためのインターフェースである。ネットワークI/F908は、通信ネットワーク5を介してデータ通信を行うためのインターフェースである。また、ユーザ端末90は、バスライン910を備えている。バスライン910は、CPU901等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスまたはデータバス等である。
なお、上記各プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。記録媒体の例として、CD-R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray(登録商標)ディスク、SDカード、USBメモリ等が挙げられる。また、記録媒体は、プログラム製品(Program Product)として、国内または国外へ提供されることができる。例えば、機器10は、本発明に係るプログラムが実行されることで本発明に係るモード切替方法を実現する。
●ソフトウエア構成●
次に、図4を用いて、機器10のソフトウエア構成の概要について説明する。図4は、実施形態に係る機器のソフトウエア構成の一例を示す図である。図4に示すように、本体部50は、アプリ層551、サービス層552、およびOS(Operating System)層553を有している。アプリ層551、サービス層552およびOS層553は、ROM503またはHDD505等に格納されている各種ソフトウエアである。本体部50は、メインCPU501またはサブCPU502によって、これらのソフトウエアを実行することにより、各種機能を提供する。
アプリ層551のソフトウエアは、ハードウエア資源を動作させて所定の機能を提供す
るためのアプリケーションソフトウエア(以下、「アプリ」称する)である。例えば、アプリは、コピー機能を提供するためのコピーアプリ、スキャナ機能を提供するためのスキャナアプリ、ファクス機能を提供するためのファクスアプリ、プリンタ機能を提供するためのプリンタアプリ等である。
サービス層552のソフトウエアは、アプリ層551とOS層553との間に介在する。サービス層552のソフトウエアは、本体部50が備えるハードウエア資源を利用するためのインターフェースを、アプリに提供するためのソフトウエアである。具体的には、サービス層552のソフトウエアは、ハードウエア資源に対する動作要求の受け付け、および動作要求の調停を行なう機能を提供するためのソフトウエアである。サービス層552によって受け付けられる動作要求は、例えば、スキャナエンジン506による読み取りまたはプリンタエンジン507による印刷等の要求である。
サービス層552によるインターフェースの機能は、本体部50のアプリ層551だけではなく、操作部30のアプリ層351にも提供される。すなわち、操作部30のアプリ層351は、サービス層552のインターフェース機能を介して、本体部50のハードウエア資源(例えば、スキャナエンジン506、プリンタエンジン507、FAX制御ユニット508等)を利用した機能を実現することができる。
OS層553のソフトウエアは、本体部50が備えるハードウエアを制御する基本機能を提供するための基本ソフトウエア(オペレーティングシステム)である。サービス層552のソフトウエアは、各種アプリからのハードウエア資源の利用要求を、OS層553が解釈可能なコマンドに変換してOS層553に渡す。そして、OS層553のソフトウエアによりコマンドが実行されることで、ハードウエア資源は、アプリの要求に従った動作を行なう。
操作部30は、アプリ層351、サービス層352およびOS層353を有する。操作部30が備えるアプリ層351、サービス層352およびOS層353の階層構造は、本体部50と同様である。ただし、アプリ層351のアプリにより提供される機能や、サービス層352が受け付け可能な動作要求の種類は、本体部50とは異なる。アプリ層351のアプリは、操作部30が備えるハードウエア資源を動作させて所定の機能を提供するためのソフトウエアである。アプリ層351のアプリは、本体部50が備える機能(プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能、ファックス機能)に関する操作や表示を行
なうためのUI(User Interface)の機能を提供するためのソフトウエア等が含まれる。
機器10において、機能の独立性を保つため、本体部50のOS層553のソフトウエアと操作部30のOS層353のソフトウエアは、互いに異なる。つまり、本体部50と操作部30は、異なるオペレーティングシステムで互いに独立して動作する。例えば、本体部50のOS層553のソフトウエアは、LINUX(登録商標)を採用し、操作部30のOS層353のソフトウエアは、Android(登録商標)を採用してもよい。
上述したように、図4に示されている機器10において、本体部50と操作部30は、異なるオペレーティングシステムで動作するため、本体部50と操作部30との間の通信は、共通の装置内のプロセス間通信ではなく、異なる装置間の通信として行なわれる。例えば、操作部30によって受け付けられた入力(ユーザ操作による指示内容)を本体部50に伝達する動作(コマンド通信)、および本体部50が操作部30にイベントを通知する動作等は、異なる装置間の通信として行われる。これにより、操作部30は、本体部50にコマンド通信を行うことにより、本体部50の機能を利用することができる。なお、本体部50から操作部30に通知されるイベントは、本体部50における動作の実行状況、および本体部50側で設定された内容等が挙げられる。また、図4に示されている機器10において、操作部30への電力供給は、通信路200を経由し、本体部50から行われる。このため、操作部30の電源制御は、本体部50の電源制御とは別に(独立して)行うことができる。
●機能構成●
次に、図5乃至図8を用いて、実施形態に係る通信システムの機能構成について説明する。図5は、実施形態に係る通信システムの機能構成の一例を示す図である。なお、図5には、図1に示されている装置および端末において、後述の処理または動作に関連する機能構成が示されている。
●機器の機能構成
まず、図5を用いて、機器10の機能構成について説明する。機器10は、上述のように、操作部30および本体部50によって構成される。このうち、操作部30は、入出力部31、受付部32および表示制御部33を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、RAM303上に展開されたプログラムに従ったCPU301からの命令によって動作することで実現される機能、または機能する手段である。
入出力部31は、図2に示されているCPU301からの命令、および接続I/F306によって実現され、本体部50との間で各種データまたは情報のやり取りを行う機能である。入出力部31は、例えば、本体部50に対して、ユーザAの入力操作により受け付けられた要求に応じた所定の要求信号を送信する。
受付部32は、図2に示されているCPU301からの命令、および操作パネル305によって実現され、ユーザAからの各種入力操作を受け付ける機能である。表示制御部33は、図2に示されているCPU301からの命令、および操作パネル305によって実現され、ユーザAによる入力操作を受け付ける操作画面等の各種画面を、操作パネル305に表示させる機能である。表示制御部33は、例えば、WEBブラウザを用いて、HTML(HyperText Markup Language)等により作成されたWebページを、操作パネル305に表示させる。
続いて、本体部50は、通信部51、入出力部52、主制御部53、副制御部54、画像処理部55および記憶・読出部59を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、RAM504上に展開されたプログラムに従ったメインCPU501またはサブCPU502からの命令によって動作することで実現される機能、または機能する手段である。また、本体部50は、図2に示されているROM503またはHDD505によって構築される記憶部5000を有している。記憶部5000は、記憶手段の一例である。
通信部51は、図2に示されているメインCPU501またはサブCPU502からの命令、並びに通信I/F509によって実現され、通信ネットワーク5を介して、ユーザ端末90との間で各種データまたは情報の通信を行う機能である。通信部51は、例えば、ユーザ端末90から送信された所定の処理要求を示す要求信号を受信する。
入出力部52は、図2に示されているメインCPU501またはサブCPU502からの命令、並びに接続I/F511によって実現され、操作部30との間で各種データまたは情報のやり取りを行う機能である。入出力部52は、例えば、操作部30から送信された所定の要求信号を受信する。
主制御部53は、図2に示されているメインCPU501からの命令によって実現され、通常動作モードにおける処理または動作を制御する機能である。主制御部53は、第1の制御手段の一例である。副制御部54は、図2に示されているサブCPU502からの命令によって実現され、省電力モードにおける処理または動作を制御する機能である。副制御部54は、第2の制御手段の一例である。なお、主制御部53および副制御部54の詳細は、後述する。
画像処理部55は、図2に示されているメインCPU501からの命令、並びにスキャナエンジン506、プリンタエンジン507またはFAX制御ユニット508によって実現され、機器10による各種画像処理を実行する機能である。
記憶・読出部59は、図2に示されているメインCPU501またはサブCPU502からの命令によって実行され、記憶部5000に各種データを記憶させ、または記憶部5000から各種データを読み出す機能である。
○切替条件管理テーブル
図6(A)は、実施形態に係る切替条件管理テーブルの一例を示す概念図である。記憶部5000には、図6(A)に示されているような切替条件管理テーブルによって構成されている切替条件管理DB5001が構築されている。この切替条件管理テーブルには、機器10の動作状態を、省電力モードから通常動作モードに切り替える(復帰される)条件を示す切替条件が記憶されて管理されている。切替条件には、副制御部54によって検知された機器10に対する所定の要求信号の形式が示されている。機器10は、切替条件管理テーブルに記憶された切替条件に示されている形式の要求信号を検知した場合、動作状態を省電力モードから通常動作モードへ切り替える。
切替条件には、例えば、要求信号の形式として、要求信号のパケットの種別を示す種別情報が示されている。図6(A)に示されている切替条件には、パケットの種別として、「broadcast」、「unicast」、「multicast」および「mac event」が示されている。このうち、「broadcast」は、ブロードキャストパケットが検知(受信)された場合に、通常動作モードに切り替えることを意味し、「unicast」は、ユニキャストパケットが検知(受信)された場合に、通常動作モードに切り替えることを意味し、「multicast」は、マルチキャストパケットが検知(受信)された場合に、通常動作モードに切り替えることを意味する。また、「mac event」は、Link Down(通信遮断)等のイベントに係る信号が検知(受信)された場合に、通常動作モードに切り替えることを意味する。
○起動履歴管理テーブル
図6(B)は、実施形態に係る起動履歴管理テーブルの一例を示す概念図である。記憶部5000には、図6(B)に示されているような起動履歴管理テーブルによって構成されている起動履歴管理DB5003が構築されている。この起動履歴管理テーブルには、通常動作モードが起動した起動日時および起動理由が起動履歴として関連づけられて管理されている。このうち、起動理由は、通常動作モードを起動させる際のトリガーとなった要求信号の形式が示されている。要求信号の形式とは、例えば、要求信号のパケットの種別である。図6(B)に示されている起動履歴管理テーブルは、過去10回の起動履歴のうち8回が、ブロードキャストパケット(「broadcast」)が検知(受信)されたことによって通常動作モードが起動したことを意味する。
○削除履歴管理テーブル
図7(A)は、実施形態に係る削除履歴管理テーブルの一例を示す概念図である。記憶部5000には、図7(A)に示されているような削除履歴管理テーブルによって構成されている削除履歴管理DB5005が構築されている。この削除履歴管理テーブルには、切替条件から削除された起動理由が記憶されて管理されている。削除履歴管理テーブルには、所定時間経過後に再度切替条件に追加できるように、削除日時が削除された起動理由に関連づけられている。図7(A)に示されている削除履歴管理テーブルは、例えば、「broadcast」の起動理由が切替条件から削除されたことを示している。
○プロセス管理テーブル
図7(B)は、実施形態に係るプロセス管理テーブルの一例を示す概念図である。記憶部5000には、図7(B)に示されているようなプロセス管理テーブルによって構成されているプロセス管理DB5007が構築されている。このプロセス管理テーブルには、機器10においてプロセス(処理)を必須とする起動理由が記憶されて管理されている。プロセス管理テーブルには、プロセスを識別するための情報に、当該プロセスに対応するプロトコルを示す情報、起動理由、および当該プロセスが必須であるか否かを示す情報(要否)が関連づけられている。図7(B)に示されているプロセス管理テーブルの場合、機器10では「dhclient」と「avahi-daemon」の二つのプロセスが動作しており、「avahi-daemon」は、mDNSパケットを処理する必要があるため、マルチキャストパケット(「multicast」)が検知(受信)された場合、通常動作モードを起動させることが必須となっている。
○主制御部および副制御部の機能構成
ここで、図8を用いて、図5に示されている主制御部53および副制御部54の機能構成について詳細に説明する。図8は、実施形態に係る主制御部および副制御部の詳細な機能構成の一例を示す図である。図8に示されている主制御部53は、信号検知部61、入出力部62、起動処理部63、停止処理部64、判断部65、算出部66および条件設定部67を有している。
信号検知部61は、所定の信号を検知する機能である。信号検知部61は、例えば、タイマ512からの割込みであるタイマ信号を検知する。入出力部62は、副制御部54との間と各種データまたは情報のやり取りを行う機能である。入出力部62は、例えば、副制御部54から送信された通常動作モードへ切り替えを要求する旨を示す切替要求を受信する。
起動処理部63は、メインCPU501を起動させて、機器10の動作状態を省電力モードから通常動作モードに切り替える機能である。起動処理部63は、例えば、入出力部62によって受信された切替要求に応じて通常動作モードを起動させる。起動処理部63は、起動手段の一例である。停止処理部64は、メインCPU501を停止させて、機器10の動作状態を通常動作モードから省電力モードに切り替える機能である。
判断部65は、主制御部53による各種判断を行う機能である。算出部66は、起動処理部63によって通常動作モードを起動させた起動理由の発生頻度を算出する機能である。条件設定部67は、機器10の動作状態を省電力モードから通常動作モードに切り替える条件を示す切替条件を設定する機能である。条件設定部67は、例えば、副制御部54の信号検知部71によって検知された要求信号の形式に起因して通常動作モードを起動させた頻度が閾値以上である場合、切替条件から検知された要求信号の形式を削除する。条件設定部67は、条件設定手段の一例である。
続いて、図8に示されている副制御部54は、信号検知部71、入出力部72、判断部73およびモード切替部74を有している。信号検知部71は、所定の信号を検知する機能である。信号検知部71は、例えば、通信部51によって受信された所定の要求信号を検知する。信号検知部71は、検知手段の一例である。入出力部72は、主制御部53との間と各種データまたは情報のやり取りを行う機能である。入出力部72は、例えば、主制御部53に対して、省電力モードから通常動作モードへ切り替えを要求する切替要求を送信する。入出力部72は、送信手段の一例である。
判断部73は、副制御部54による各種判断を行う機能である。モード切替部74は、機器10の動作状態を、省電力モードから通常動作モードへ切り替える機能である。モード切替部74は、例えば、判断部73によって切替条件を満たすと判断された場合、通常動作モードを起動させるために、省電力モードから通常動作モードへの切り替えを要求する旨を示す切替要求を生成する。
●ユーザ端末の機能構成
続いて、図5を用いて、ユーザ端末90の機能構成について説明する。ユーザ端末90は、通信部91、受付部92、表示制御部93および記憶・読出部99を有している。これら各部は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、RAM903上に展開されたプログラムに従ったCPU901からの命令によって動作することで実現される機能、または機能する手段である。また、ユーザ端末90は、図5に示されているROM902または外部ストレージによって構築される記憶部9000を有している。
通信部91は、図3に示されているCPU901からの命令、およびネットワークI/F908によって実現され、通信ネットワーク5を介して、機器10との間で各種データまたは情報の送受信を行う機能である。通信部91は、例えば、機器10に対して、ユーザBによる入力操作によって受け付けられた要求に応じた所定の要求信号を送信する。
受付部92は、図3に示されているCPU901からの命令、および入力装置904によって実現され、ユーザBからの各種入力操作を受け付ける機能である。表示制御部33は、図3に示されているCPU901からの命令、およびディスプレイ905によって実現され、ユーザBによる入力操作を受け付ける操作画面等の各種画面を、ディスプレイ905に表示させる機能である。記憶・読出部99は、図3に示されているCPU901からの命令によって実行され、記憶部9000に各種データを記憶させ、または記憶部9000から各種データを読み出す機能である。
●実施形態の処理または動作●
●省電力モードへの移行
次に、図9乃至図14を用いて、実施形態に係る通信システムの処理または動作について説明する。まず、図9を用いて、機器10が通常動作モードから省電力モードへ移行する際の処理について説明する。図9は、実施形態に係る機器における省電力モードへの切替処理の一例を示すフローチャートである。以下の説明では、機器10の省電力モードへの自動移行設定が有効になっている状態において、設定された期間に所定の処理が行われなかった場合の例を示す。なお、操作部30への入力操作によって省電力モードへの移行の要求が受け付けられた場合についても同様である。
まず、本体部50の条件設定部67は、切替条件管理DB5001(図6(A)参照)に対して、省電力モードから通常動作モードへ切り替える条件を示す切替条件を設定する(ステップS11)。そして、本体部50の停止処理部64は、メインCPU501を停止させて、機器10の動作状態を省電力モードへ移行させる(ステップS12)。これにより、機器10の動作状態は、通常動作モードから省電力モードに切り替わる。
●省電力モードから通常動作モードへの切り替え
次に、図10および図11を用いて、動作状態が省電力モードである機器10が通常動作モードに復帰する場合の処理について説明する。図10は、実施形態に係る機器における省電力モードから通常動作モードへの切り替え処理の一例を示すフローチャートである。この場合、機器10の動作状態は、省電力モードであるため、メインCPU501が停止しており、サブCPU502が動作している状態である。
まず、副制御部54の信号検知部71は、所定の要求信号を検知する(ステップS71)。具体的には、機器10の通信部51は、通信ネットワーク5を介してユーザ端末90から送信された所定の処理を要求する要求信号を受信する。そして、信号検知部71は、通信部51によって受信された要求信号を検知する。また、信号検知部71は、操作部30の受付部32によって受け付けられたユーザAの入力操作に応じて、要求信号を検知してもよい。
次に、副制御部54の判断部73は、信号検知部71によって検知された要求信号の形式がステップS11で設定された切替条件を満たすか否かを判断する(ステップS32)。具体的には、判断部73は、検知された要求信号のパケットの種別が、設定された切替条件に含まれている場合(ステップS32のYES)、処理をステップS33へ移行させる。一方で、判断部73は、検知された要求信号のパケットの種別が、設定された切替条件に含まれていない場合(ステップS32のNO)、ステップS31からの処理を繰り返す。
次に、副制御部54のモード切替部74は、機器10の動作状態を省電力モードから通常動作モードに切り替える(ステップS33)。ここで、モード切替部74は、通常動作モードを起動させるために、省電力モードから通常動作モードへの切り替えを要求する旨を示す切替要求を生成する。そして、副制御部54の入出力部72は、主制御部53に対して、省電力モードから通常動作モードへの切り替えを要求する切替要求(割込み)を送信する(ステップS34)。これにより、主制御部53の入出力部62は、副制御部54から送信された切替要求(割込み)を受信する(ステップS35)。そして、主制御部53の起動処理部63は、ステップS35で切替要求が受信された場合、すなわち割込みが発生した場合、メインCPU501を起動させることで通常動作モードを起動させる(ステップS36)。
ここで、図11を用いて、図9および図10に示されているような通常動作モードと省電力モードの切り替えの流れを概略的に説明する。図11は、実施形態に係る機器における通常動作モードと省電力モードの切り替えについて説明するための図である。
機器10は、通常動作モードでの動作中において、主制御部53による処理、すなわちメインCPU501を使用する処理が存在しない場合、動作状態を省電力モードへ移行させる。一方で、機器10は、主制御部53による所定のプロセスの処理中である場合、省電力モードへ移行させずに通常動作モードでの動作を継続する。
また、機器10は、省電力モードでの動作中において、切替条件を満たす割込みが発生しない場合、省電力モードに移行してから所定時間(例えば、約900msec)経過後に、省電力モードから通常動作モードに復帰させる。一方で、機器10は、図10に示されているように、切替条件を満たす割込みが発生した場合、所定時間を経過する前であっても、省電力モードから通常動作モードに復帰させる。これにより、機器10は、省電力モードでの動作中に検知された要求信号の形式であるパケットの種別に応じて、動作状態を通常動作モードに復帰させるか否かを決定することができる。
●切替条件の更新
次に、図12乃至図14を用いて、機器10の動作状態を省電力モードから通常動作モードに切り替える条件を示す切替条件を動的に更新する処理について説明する。図12は、実施形態に係る機器における通常動作モードへの切替条件の更新処理の一例を示すフローチャートである。
まず、主制御部53は、起動処理部63によって通常動作モードを起動させた起動理由を取得する(ステップS51)。具体的には、主制御部53の入出力部62は、副制御部54から送信された切替要求(割込み)を受信するとともに、ステップS31で副制御部54によって検知された要求信号の形式を起動理由として、副制御部54から取得する。この場合、主制御部53は、図10に示されているように、起動理由として「broadcast」を取得する。
次に、記憶・読出部59は、起動履歴管理DB5003(図6(B)参照)に対して、ステップS51で取得された起動理由を、起動処理部63によって通常動作モードが起動された起動日時に関連づけて記憶させる(ステップS52)。また、記憶・読出部59は、起動履歴管理DB5003に記憶されている起動履歴を取得する(ステップS53)。
次に、主制御部53の算出部66は、ステップS33で取得された起動履歴を参照し、ステップS51で取得された起動理由の発生頻度を算出する(ステップS54)。具体的には、算出部66は、ステップS51で取得された起動理由である「broadcast」が、起動履歴に示されている起動理由にどのくらいの頻度で含まれているかを算出する。発生頻度とは、例えば、所定期間において取得された起動理由に含まれる特定の起動理由の割合、または所定期間において特定の起動理由が発生した回数等である。図6(B)に示されている起動履歴の場合、算出部66は、例えば、ステップS51で取得された起動理由である「broadcast」が、直近の起動履歴に10回中8回含まれていることを算出する。
そして、主制御部53の判断部65は、ステップS31で取得された起動理由の発生頻度が所定の閾値以上である場合(ステップS34のYES)、処理をステップS56へ移行させる。この所定の閾値は、予め機器10に設定されており、例えば、発生頻度が80%以上であるものとする。なお、所定の閾値は、これに限られず、機器10に予め設定された値であればよい。また、所定の閾値は、特定の起動理由が発生した回数の値であってもよい。一方で、判断部65は、ステップS31で取得された起動理由の発生頻度が所定の閾値よりも低い場合(ステップS34のNO)。処理を終了する。
次に、記憶・読出部59は、機器10において処理が必須である起動理由を取得する(ステップS56)。具体的には、記憶・読出部59は、プロセス管理DB5007(図7(B)参照)を検索し、要否が「must」であるプロセスの起動理由を取得する。図7(B)に示されているプロセス管理テーブルの場合、記憶・読出部59は、要否が「must」であるプロセス「avahi-daemon」に関連づけられた起動理由「multicast」を取得する。
続いて、主制御部53の判断部65は、ステップS56で取得された起動理由を参照し、ステップS51で取得された起動理由を切替条件から削除可能である場合(ステップS57のYES)、処理をステップS58へ移行させる。具体的には、判断部65は、ステップS51で取得された起動理由がステップS56で取得された処理が必須であるプロセスに対応する起動理由に該当しない場合、切替条件から削除可能である判断する。一方で、判断部65は、ステップS51で取得された起動理由を切替条件から削除できないと判断する場合(ステップS57のNO)、処理を終了する。この場合、判断部65は、ステップS51で取得された起動理由がステップS56で取得された処理が必須であるプロセスに対応する起動理由に該当する場合、切替条件から削除できないと判断する。
次に、主制御部53の条件設定部67は、ステップS51で取得された起動理由を、切替条件管理DB5001(図6(A)参照)に記憶された切替条件から削除することによって、切替条件を更新する(ステップS58)。さらに、主制御部53の条件設定部67は、ステップS58で切替条件から削除された起動理由を削除履歴として、削除履歴管理DB5005(図7(A)参照)に記憶させる(ステップS59)。
ここで、図13を用いて、図12の処理において更新された切替条件について説明する。図13は、実施形態に係る機器における切替条件管理テーブルが更新された場合の一例を説明するための図である。図13に示されているように、削除後の切断条件では、削除前の切断条件から「broadcast」の起動理由が削除されている。この場合、機器10は、図12に示されている処理において、起動理由「broadcast」に起因して通常動作モードを起動させた頻度が所定の閾値以上(例えば、80%以上)であり、処理が必須な起動理由でないと判断することによって、起動理由「broadcast」を切替条件から削除することができる。
このように、機器10は、検知された要求信号の形式であるパケットの種類に応じて、通常動作モードに復帰させるための切替条件を動的に変更することができる。また、機器10は、検知された要求信号の形式に起因して通常動作モードを起動させた発生頻度に応じて、該当する起動理由を切替条件から削除することができるので、通常動作モードへの移行が頻繁に発生する要因を除外することで省電力性能を向上させることができる。さらに、機器10は、処理が必須な起動理由を管理しておくことで、例えば、上位層のアプリで所定の形式の要求信号を受信して処理を行うことが必須である場合に省電力モードから通常動作モードに確実に切り替えることができるので、上位層のアプリへの影響を低減させることができる。
続いて、図14を用いて、切断条件から削除された起動理由を、再度切断条件に追加する場合の処理について説明する。図14は、実施形態に係る機器における通常動作モードへの切替条件の更新処理の一例を示すフローチャートである。
まず、主制御部53の信号検知部61は、タイマ512からのタイマ信号、すなわちタイマ512からの割込みの発生を検知する(ステップS71)。次に、記憶・読出部59は、削除履歴管理DB5005に記憶された削除履歴の情報を取得する(ステップS72)。そして、主制御部53の判断部65は、取得された削除履歴に示されている削除日時に基づいて、切替条件の削除が行われてから所定時間経過したか否かを判断する(ステップS73)。判断部65は、削除が行われてからの経過時間が予め定められた閾値以上であると判断する場合(ステップS73のYES)、処理をステップS74へ移行させる。一方で、判断部65は、削除が行われてからの経過時間が予め定められた閾値より短いと判断する場合(ステップS73のNO)、処理を終了する。
次に、主制御部53の条件設定部67は、ステップS72で取得された削除履歴に示されている起動理由を、切替条件管理DB5001(図6(A)参照)に記憶された切替条件に追加することにより、切替条件を更新する(ステップS74)。さらに、主制御部53の条件設定部67は、ステップS74で切替条件に追加された起動理由を、削除履歴管理DB5005(図7(A)参照)から削除する(ステップS75)。これにより、機器10は、省電力性能に影響がない程度の起動理由を切替条件に再度追加することで、例えば、上位層のアプリへパケットが届かないといった問題の発生を低減させることができる。
従来の省電力モードにおいて、どのようなパケットを受信した場合に割込みを発生させて通常動作モードに復帰させるかを指定することができ、省電力モードでの動作中の機器では、例えば、ユニキャスト受信、ブロードキャスト受信、MACイベント(APとの切断等)発生時等に割り込みが発生する。しかしながら、例えば、ネットワークに接続するだけでNetBIOSプロトコル等のブロードキャストパケットが送信される機器も存在するため、このようなケースでは頻繁に割込みが発生することで省電力性能に低下してしまう。このような問題を解決するため、ブロードキャスト受信時には割り込みが発生しないようにすることが考えられるが、機器内部のDNS(Domain Name System)サーバやDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバのようなブロードキャストを処理するサーバが動作している場合があり、ネットワーク状態や機器内部で動作するプログラムによって、適切な割込み発生させる必要がある。しかしながら、従来の方法では、省電力モードからの切替条件が固定的に定められていたため、十分に省電力性能を発揮できていないという課題があった。
そこで、本実施形態に係る機器10は、頻繁に通常動作モードが起動されていて、かつ起動させることが必須ではない起動理由を切替条件から削除する処理を行う。これにより、機器10は、ネットワーク状態に応じて省電力モードから通常動作モードへの切替条件を動的に変更させることで省電力性能を向上させることができる。
●まとめ●
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る機器10は、通常動作モードと省電力モードを切り替えて動作可能な機器10であって、通常動作モードにおける動作を制御する主制御部53(第1の制御手段の一例)と、省電力モードにおける動作を制御する副制御部54(第2の制御手段の一例)と、省電力モードから通常動作モードに切り替える条件を示す切替条件を記憶する記憶部5000(記憶手段の一例)と、を備える。また、副制御部54は、所定の形式によって送信された要求信号を検知し、検知された要求信号の形式が切替条件を満たしている場合、省電力モードから通常動作モードへの切り替えを要求する切替要求を主制御部53へ送信する。そして、主制御部53は、切替要求に応じて通常動作モードを起動させ、検知された要求信号の形式に起因して通常動作モードを起動させた頻度が閾値より多い場合、切替条件から検知された要求信号の形式を削除する。れにより、機器10は、検知された要求信号の形式に応じて省電力モードから通常動作モードへの切替条件を動的に変更させることで、省電力性能を向上させることができる。
また、本発明の一実施形態に係る機器10において、記憶部5000(記憶手段の一例)は、通常動作モードが起動された履歴を示す起動履歴を記憶する。そして、主制御部53(第1の制御手段の一例)は、検知された要求信号の形式が、記憶された起動履歴に閾値以上含まれている場合、省電力モードから通常動作モードに切り替える条件を示す切替条件から検知された要求信号の形式を削除する。これにより、機器10は、検知された要求信号の形式に起因して通常動作モードを起動させた頻度に応じて、該当する要求信号の形式を切替条件から削除することができるので、通常動作モードへの切り替えが頻繁に発生する要因を除外することで省電力性能を向上させることができる。
さらに、本発明の一実施形態に係る機器10において、記憶部5000(記憶手段の一例)は、省電力モードから通常動作モードに切り替える条件を示す切替条件から検知された要求信号の形式が削除された履歴を示す削除履歴を記憶する。そして、主制御部53(第1の制御手段の一例)は、検知された要求信号の形式が削除されてから所定時間経過した場合、切替条件に検知された要求信号の形式を追加する。これにより、機器10は、機器10は、省電力性能に影響がない程度の起動理由を切替条件に再度追加することで、例えば、上位層のアプリに対して要求信号が届かないといった問題の発生を低減させることができる。
また、本発明の一実施形態に係る機器10において、主制御部53(第1の制御手段の一例)は、検知された要求信号の形式が通常動作モードを動作させるための必須な処理に対応する場合、省電力モードから通常動作モードに切り替える条件を示す切替条件から検知された要求信号の形式を削除しない。これにより、機器10は、処理が必須な起動理由を管理しておくことで、例えば、上位層のアプリで所定の形式の要求信号を受信して処理を行うことが必須である場合に省電力モードから通常動作モードに確実に切り替えることができるので、上位層のアプリへの影響を低減させることができる。
さらに、本発明の一実施形態に係る機器10において、省電力モードから通常動作モードに切り替える条件を示す切替条件は、要求信号のパケットの種別を示す種別情報を含む。副制御部54(第2の制御手段の一例)は、検知された要求信号のパケットの種別が切替条件に含まれる種別情報に示されているパケットである場合、省電力モードから通常動作モードへの切り替えを要求する切替要求を主制御部53(第1の制御手段の一例)へ送信し、主制御部53は、検知された要求信号のパケットに起因して通常動作モードを起動させた頻度が閾値以上である場合、種別情報から検知された要求信号のパケットの種別を削除する。これにより、機器10は、パケットを受信したネットワークの状態に応じて切替条件を動的に変更することができるので、省電力性能を向上させることができる。
●補足●
上記で説明した実施形態の各機能は、一または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウエアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
また、上記で説明した実施形態の各種テーブルは、機械学習の学習効果によって生成されたものでもよく、関連づけられている各項目のデータを機械学習にて分類付けすることで、テーブルを使用しなくてもよい。ここで、機械学習とは、コンピュータに人のような学習能力を獲得させるための技術であり,コンピュータが,データ識別等の判断に必要なアルゴリズムを,事前に取り込まれる学習データから自律的に生成し,新たなデータについてこれを適用して予測を行う技術のことをいう。機械学習のための学習方法は、教師あり学習、教師なし学習、半教師学習、強化学習、深層学習のいずれかの方法でもよく、さらに、これらの学習方法を組み合わせた学習方法でもよく、機械学習のための学習方法は問わない。
これまで本発明の一実施形態に係る機器、モード切替方法およびプログラムについて説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の追加、変更または削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
1 通信システム
5 通信ネットワーク
10 機器
30 操作部
50 本体部
53 主制御部(第1の制御手段の一例)
54 副制御部(第2の制御手段の一例)
63 起動処理部(起動手段の一例)
67 条件設定部(条件設定手段の一例)
71 信号検知部(検知手段の一例)
72 入出力部(送信手段の一例)
90 ユーザ端末
501 メインCPU
502 サブCPU
5000 記憶部(記憶手段の一例)
特開2000-261515号公報

Claims (7)

  1. 通常動作モードと省電力モードを切り替えて動作可能な機器であって、
    前記通常動作モードにおける動作を制御する第1の制御手段と、
    前記省電力モードにおける動作を制御する第2の制御手段と、
    前記省電力モードから前記通常動作モードに切り替える条件を示す切替条件として、要求信号の所定の形式が記憶される記憶手段と、を備え、
    前記第2の制御手段は、
    前記要求信号を検知する検知手段と、
    検知された前記要求信号の形式が前記切替条件として記憶されている前記所定の形式である場合、前記省電力モードから前記通常動作モードへの切り替えを要求する切替要求を前記第1の制御手段へ送信する送信手段と、を有し、
    前記第1の制御手段は、
    前記切替要求に応じて前記通常動作モードを起動させる起動手段と、
    検知された前記要求信号の形式に起因して前記通常動作モードを起動させた頻度が閾値以上である場合、前記切替条件から前記所定の形式を削除する条件設定手段と、
    を有し、
    前記条件設定手段は、
    前記切替条件から前記所定の形式が削除された履歴を示す削除履歴を前記記憶手段に記憶させるとともに、前記所定の形式が削除されてから所定時間が経過したか否かが判断され前記所定時間が経過した場合、前記削除履歴に含まれる当該所定の形式を前記切替条件に追加する機器。
  2. 前記記憶手段は、前記通常動作モードが起動された履歴を示す起動履歴記憶され
    前記条件設定手段は、検知された前記要求信号の形式が、前記起動履歴に閾値以上含まれている場合、前記切替条件から当該形式を削除する請求項1に記載の機器。
  3. 前記条件設定手段は、検知された前記要求信号の形式が前記通常動作モードを動作させるための必須な処理に対応する場合、前記切替条件から前記形式を削除しない請求項1または2に記載の機器。
  4. 前記切替条件は、前記要求信号のパケットの種別を示す種別情報を含み、
    前記送信手段は、検知された前記要求信号のパケットの種別が前記種別情報に示されている場合、前記切替要求を前記第1の制御手段へ送信し、
    前記条件設定手段は、検知された前記要求信号のパケットに起因して前記通常動作モードを起動させた頻度が閾値以上である場合、前記種別情報から前記パケットの種別を削除する請求項1乃至のいずれか一項に記載の機器。
  5. 前記機器は、前記通常動作モードにおいて画像処理を実行する画像処理装置である請求項1乃至のいずれか一項に記載の機器。
  6. 通常動作モードと省電力モードを切り替えて動作可能な機器が実行するモード切替方法であって、
    前記機器は、
    前記通常動作モードにおける動作を制御する第1の制御手段と、
    前記省電力モードにおける動作を制御する第2の制御手段と、
    前記省電力モードから前記通常動作モードに切り替える条件を示す切替条件として、要求信号の所定の形式が記憶される記憶手段と、を備え、
    前記第2の制御手段は、
    前記要求信号を検知する検知ステップと、
    検知された前記要求信号の形式が前記切替条件として記憶されている前記所定の形式である場合、前記省電力モードから前記通常動作モードへの切り替えを要求する切替要求を前記第1の制御手段へ送信する送信ステップと、を実行し、
    前記第1の制御手段は、
    前記切替要求に応じて前記通常動作モードを起動させる起動ステップと、
    検知された前記要求信号の形式に起因して前記通常動作モードを起動させた頻度が閾値以上である場合、前記切替条件から前記所定の形式を削除する条件設定ステップと、
    を実行し、
    前記条件設定ステップは、
    前記切替条件から前記所定の形式が削除された履歴を示す削除履歴を前記記憶手段に記憶させるとともに、前記所定の形式が削除されてから所定時間が経過したか否かが判断され前記所定時間が経過した場合、前記削除履歴に含まれる当該所定の形式を前記切替条件に追加するモード切替方法。
  7. 通常動作モードにおける動作を制御する第1の制御手段と、省電力モードにおける動作を制御する第2の制御手段と、前記省電力モードから前記通常動作モードに切り替える条件を示す切替条件として、要求信号の所定の形式が記憶される記憶手段と、を備え、前記通常動作モードと前記省電力モードを切り替えて動作可能な機器に実行させるプログラムであって、
    前記第2の制御手段に、
    所定の形式によって送信された要求信号を検知する検知ステップと、
    検知された前記要求信号の形式が前記切替条件を満たしている場合、前記省電力モードから前記通常動作モードへの切り替えを要求する切替要求を前記第1の制御手段へ送信する送信ステップと、を実行させ、
    前記第1の制御手段に、
    前記切替要求に応じて前記通常動作モードを起動させる起動ステップと、
    検知された前記要求信号の形式に起因して前記通常動作モードを起動させた頻度が閾値以上である場合、前記切替条件から前記所定の形式を削除する条件設定ステップと、
    を実行させ
    前記条件設定ステップは、
    前記切替条件から前記所定の形式が削除された履歴を示す削除履歴を前記記憶手段に記憶させるとともに、前記所定の形式が削除されてから所定時間が経過したか否かが判断され前記所定時間が経過した場合、前記削除履歴に含まれる当該所定の形式を前記切替条件に追加するプログラム。
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