以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
まず第1の実施の形態について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る自動取引装置の一例を示す図である。第1の実施の形態は、自動取引装置10のタッチパネル11を消毒するものである。自動取引装置10は、ユーザの操作に従って金融取引を実行する装置である。自動取引装置10は、例えば、金融機関等に設置されたATMである。
自動取引装置10は、タッチパネル11とライト12と人感センサ13と温度センサ14と制御部15とを有する。タッチパネル11は、操作者からのタッチ入力を受け付ける。タッチパネル11は、例えば、自動取引装置10のディスプレイの前面に設置される。ライト12は、タッチパネル11に紫外線を照射可能である。ライト12は、例えば、タッチパネル11の近傍に設置された、紫外線を照射可能なライトである。ライト12は、紫外線照射機能を有する、自動取引装置10のディスプレイのバックライトでもよい。
人感センサ13は、タッチパネル11の操作位置にいる人物を検知可能である。人感センサ13は、例えば、タッチパネル11を操作する場合に立つ位置に向くように設置された、赤外線センサ、カメラ等である。温度センサ14は、タッチパネル11の操作者の体温を測定可能なセンサである。温度センサ14は、例えば、操作者が立つ位置に向けられた非接触体温計、サーモカメラ等である。制御部15は、自動取引装置10を制御し、所要の処理を実行可能である。制御部15は、例えば、自動取引装置10が有するプロセッサまたは演算回路である。
制御部15は、タッチパネル11の操作者の人数(操作者人数)をカウントする。例えば、制御部15は、自動取引装置10による取引を受け付けている場合に、人感センサ13が人物を検知し、当該人物を人感センサ13が検知しなくなった場合、操作者人数に1を加算する。なお、制御部15は、タッチパネル11からの入力情報や、通帳、カード等の投入回数に基づいて、操作者人数をカウントしてもよい。
制御部15は、操作者人数が所定の人数になった場合、自装置による取引受付を休止する。例えば、制御部15は、取引受付を休止していることを示す画面を自動取引装置10のディスプレイに表示させ、タッチパネル11からの入力の受け付けを停止する。そして、制御部15は、ライト12によりタッチパネル11に紫外線を所定時間照射する。例えば、制御部15は、ライト12に紫外線の照射開始を指示し、所定時間経過後、ライト12に紫外線の照射停止を指示する。なお、制御部15は、念のため人感センサ13によって自動取引装置10周辺に人がいないことを検知した後に照射開始を指示するとさらに理想的である。
また、制御部15は、温度センサ14が測定した操作者の体温が閾値以上の場合、自装置による取引受付を休止し、ライト12によりタッチパネル11に紫外線を所定時間照射する。例えば、制御部15は、人感センサ13が人物を検知した場合、当該人物の体温を温度センサ14に測定させる。そして、制御部15は、温度センサ14が測定した人物の体温が閾値以上の場合、当該人物を人感センサ13が検知しなくなってから自装置による取引受付を休止し、ライト12による紫外線照射を開始する。
また、制御部15は、他の所定時間タッチパネル11が操作されていない場合、自装置による取引受付を休止し、ライト12によりタッチパネル11に紫外線を所定時間照射する。例えば、制御部15は、人感センサ13が人物を検知した時刻を記録しておく。そして、制御部15は、最後に記録された時刻から他の所定時間経過した場合、自装置による取引受付を休止し、ライト12による紫外線照射を開始する。なお、この場合も制御部15は、念のため人感センサ13によって自動取引装置10周辺に人がいないことを検知した後にライト12に対して照射開始を指示するとさらに理想的である。
制御部15は、所定時間の紫外線照射後、自装置による取引受付を再開する。例えば、制御部15は、取引受付のための画面を自動取引装置10のディスプレイに表示させ、タッチパネル11からの入力受付を再開する。
第1の実施の形態によれば、自動取引装置10の制御部15は、タッチパネル11の操作者人数をカウントする。そして、制御部15は、操作者人数が所定の人数になった場合、自装置による取引受付を休止し、ライト12によりタッチパネル11に紫外線を所定時間照射する。これにより、自動取引装置10は、操作者人数が所定の人数になるまで、消毒のための待ち時間なしに操作者にタッチパネル11を操作させることができる。また、自動取引装置10は、タッチパネル11を消毒するための十分な紫外線照射時間を確保できる。よって、自動取引装置10は、適切なタイミングでタッチパネル11を消毒することができる。
また、制御部15は、温度センサ14が測定した操作者の体温が閾値以上の場合、自装置による取引受付を休止し、ライト12によりタッチパネル11に紫外線を所定時間照射する。これにより、自動取引装置10は、発熱している操作者がタッチパネル11を操作した場合に、次の操作者がタッチパネル11を操作する前にタッチパネル11を消毒できる。
また、制御部15は、他の所定時間タッチパネル11が操作されていない場合、自装置による取引受付を休止し、ライト12によりタッチパネル11に紫外線を所定時間照射する。これにより、自動取引装置10は、操作者が少ない時間帯にタッチパネル11を消毒することができる。
なお、制御部15は、ライト12が紫外線を照射させている間に人感センサ13が人物を検知した場合、ライト12による紫外線の照射を停止し、人感センサ13が人物を検知しなくなってからライト12による紫外線の照射を再開してもよい。これにより、自動取引装置10は、紫外線を照射中のタッチパネル11を操作しようとした人物がいた場合、紫外線照射を停止できる。
〔第2の実施の形態〕
次に第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、ATMが自動でタッチパネルの消毒をするものである。
図2は、第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。第2の実施の形態の情報処理システムは、ATM100およびホストサーバ30を有する。ATM100は、操作者による入力操作をタッチパネルから受け付け、受け付けた入力に基づいて、入金、出金、振込等の金融取引を実行する装置である。また、ATM100は、センサによって操作者を検知する。そして、ATM100は、操作者の人数、操作者の体温、空き時間に応じて、取引受付を休止し、タッチパネルを紫外線消毒する。なお、第2の実施の形態の情報処理システムは、ATM100と同様のATMを複数有していてもよい。
ATM100は、ネットワーク20を介してホストサーバ30に接続されている。ネットワーク20は、有線ネットワークであってもよいし、無線ネットワークであってもよい。また、ネットワーク20は、専用回線であってもよい。ホストサーバ30は、銀行口座等の情報を記憶するデータベースを管理するためのサーバコンピュータである。ホストサーバ30は、ATM100から取引内容を取得し、取得した取引内容に基づいてデータベースに記憶された情報を更新する。
図3は、ATMのハードウェアの一構成例を示す図である。ATM100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス108を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現してもよい。
メモリ102は、ATM100の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、例えばRAM(Random Access Memory)等の揮発性の半導体記憶装置が使用される。
バス108に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、ネットワークインタフェース104、表示処理ユニット105、タッチパネル処理ユニット106およびI/O(Input/Output)制御部107がある。
ストレージ装置103は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置103は、ATM100の補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および取引履歴情報等を含む各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
ネットワークインタフェース104は、ネットワーク20に接続されている。ネットワークインタフェース104は、ネットワーク20を介して、ホストサーバ30との間でデータの送受信を行う。
表示処理ユニット105には、ディスプレイ111aおよびサブディスプレイ111bが接続される。表示処理ユニット105は、プロセッサ101からの命令に従って、操作案内等の各種情報をディスプレイ111aおよびサブディスプレイ111bの画面に表示させる。ディスプレイ111aおよびサブディスプレイ111bとしては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
タッチパネル処理ユニット106には、タッチパネル112が接続される。タッチパネル112は、例えば、ディスプレイ111aの前面に配置される。タッチパネル処理ユニット106は、操作者の指がタッチパネル112に接触あるいは接近した画面上の位置を検出し、プロセッサ101に通知する。
I/O制御部107には、カード処理ユニット113、通帳処理ユニット114、硬貨処理ユニット115、紙幣処理ユニット116、人感センサ117、温度センサ118および紫外線ライト119aが接続される。I/O制御部107は、プロセッサ101の命令に従って、接続する各部にプロセッサ101からの指示を通知する。また、I/O制御部107は、各部から取得した情報をバス108経由でプロセッサ101に通知する。
カード処理ユニット113は、カードの取り込みおよび放出を制御する。カード処理ユニット113は、取り込んだカードに付された磁気で記録された情報(口座番号等)を読み込む。
通帳処理ユニット114は、通帳の取り込みと放出を制御する。また、通帳処理ユニット114は、取り込んだ通帳に付された磁気で記録された情報(口座番号等)を読み込む。また、通帳処理ユニット114は、通帳に印字を行う機能も備えており、通帳の記帳が可能である。
硬貨処理ユニット115は、プロセッサ101の指示に従って硬貨の入出金と、硬貨の出入口の扉の開閉とを制御する。紙幣処理ユニット116は、プロセッサ101の指示に従って紙幣の入出金と、紙幣の出入口の扉の開閉とを制御する。紙幣処理ユニット116は、紙幣の種別および記番号を読み取る機能を備える。紙幣処理ユニット116は、入出金の際に出し入れした紙幣の記番号を読み取り、プロセッサ101に出力する。
人感センサ117は、人物を検出し、検出結果をプロセッサ101に出力する。人感センサ117は、例えば、所定の範囲にある人体から発せられる赤外線を受光部から受光すると、人体を検出したことをプロセッサ101に通知する。人感センサ117は、例えば、赤外線センサである。
温度センサ118は、人物の体温を測定し、測定結果をプロセッサ101に出力する。温度センサ118は、例えば、所定の範囲にある人体から発せられる赤外線を受光部から受光すると、受光した赤外線量に基づいて算出される体温をプロセッサ101に通知する。温度センサ118は、例えば、非接触体温計、サーモカメラ等である。
紫外線ライト119aは、プロセッサ101の指示に従って点灯し、紫外線を発するライトである。例えば、紫外線ライト119aは、プロセッサ101からの指示に従ってLED(Light Emitting Diode)を発光させ紫外線を放射する。
また、I/O制御部107は、可搬型記録媒体31からデータを読み込みまたは、可搬型記録媒体31にデータを書き込むことができる。可搬型記録媒体31は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)やCD(Compact Disc)等の記録媒体である。可搬型記録媒体31は、取引履歴情報等を格納できる。
なお、第1の実施の形態に示した自動取引装置10も、図3に示したATM100と同様のハードウェアにより実現することができる。また、プロセッサ101は、第1の実施の形態に示した制御部15の一例である。ATM100は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。ATM100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、ATM100に実行させるプログラムを、ストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。またATM100に実行させるプログラムを、可搬型記録媒体31に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体31に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体31から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
次に、ATM100の外観について説明する。
図4は、ATMの外観の一例を示す図である。ATM100は、水平な第1面と操作者の正面に配置される第2面とサブディスプレイ111bとを有する。第1面には、ディスプレイ111a、タッチパネル112およびフレーム119が配置される。ディスプレイ111aは、ATM100の操作画面を表示する。タッチパネル112は、ディスプレイ111aの前面に配置される。タッチパネル112は、ディスプレイ111aが表示した画面に対する操作者のタッチ操作を検知する。これにより、ディスプレイ111aおよびタッチパネル112は、ATM100による取引操作の案内と操作者からの指示の受付とを行う。
フレーム119は、ディスプレイ111aおよびタッチパネル112を囲うように設置されている。フレーム119の1辺には、紫外線ライト119aが設置されている。ここで、プロセッサ101が紫外線ライト119aを点灯させると、タッチパネル112に紫外線ライト119aから紫外線が照射される。つまり、プロセッサ101は、紫外線ライト119aを点灯させることでタッチパネル112に紫外線を照射する。なお、紫外線ライト119aは、フレーム119の複数の辺に設置されていてもよい。
第2面には、カード出入口21、通帳出入口22、紙幣出入口23、硬貨出入口24、人感センサ117および温度センサ118が配置される。カード出入口21は、操作者によるキャッシュカードの挿入とカード処理ユニット113によるキャッシュカードの放出とに用いられる出入口である。カード処理ユニット113は、カード出入口21に挿入されたキャッシュカードから口座番号等の情報を読み取る。また、カード処理ユニット113は、取引終了後にキャッシュカードをカード出入口21から放出する。
通帳出入口22は、操作者による通帳の挿入と通帳処理ユニット114による通帳の放出とに用いられる出入口である。通帳処理ユニット114は、通帳出入口22に挿入された通帳から口座番号等の情報を読み取る。また、通帳処理ユニット114は、通帳出入口22から挿入された通帳に印字を行う。また、通帳処理ユニット114は、取引終了後に通帳を通帳出入口22から放出する。
紙幣出入口23は、操作者による紙幣の投入と紙幣処理ユニット116による紙幣の放出とに用いられる出入口である。紙幣処理ユニット116は、紙幣出入口23に投入された紙幣の読み取りを行う。また、紙幣処理ユニット116は、出金される紙幣を紙幣出入口23から放出する。硬貨出入口24は、操作者による硬貨の投入と硬貨処理ユニット115による硬貨の放出とに用いられる出入口である。硬貨処理ユニット115は、硬貨出入口24に投入された硬貨の読み取りを行う。また、硬貨処理ユニット115は、出金される硬貨を硬貨出入口24から放出する。
人感センサ117は、受光部が第2面の正面に向くように設置される。人感センサ117は、タッチパネル112を操作可能な操作位置に操作者が来ると、操作者が発する赤外線を受光し、操作者を検知できる。そして、人感センサ117は、検知結果をプロセッサ101に通知する。
温度センサ118は、受光部が第2面の正面に向くように設置される。温度センサ118は、操作位置に操作者が来ると、操作者が発する赤外線を受光し、受光した赤外線量に基づいて操作者の体温を測定できる。そして、温度センサ118は、測定結果をプロセッサ101に通知する。
サブディスプレイ111bは、ATM100の上部に配置される。サブディスプレイ111bには、ATM100の操作画面以外の画面(例えば、稼働中か否かを示す画面)を表示する。サブディスプレイ111bの表示は、ATM100から離れた位置にいる人物が視認可能である。
なお、ATM100の形状や各部の配置は、図4に示したものに限られない。例えば、フレーム119が設置されず、紫外線ライト119aがタッチパネル112の近傍に設置されていてもよい。また、例えば、人感センサ117は、第2面以外の、操作者を検知可能な位置に設置されていてもよい。また、例えば、温度センサ118は、第2面以外の、操作者の体温を測定可能な位置に設置されていてもよい。
次に、ATM100の機能について詳細に説明する。
図5は、ATMの機能例を示すブロック図である。ATM100は、記憶部120、照射判定部130および照射制御部140を有する。記憶部120は、メモリ102またはストレージ装置103の記憶領域を用いて実現される。照射判定部130および照射制御部140は、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。記憶部120は、センサ情報121を記憶する。センサ情報121には、人感センサ117および温度センサ118から取得した情報が記録される。
照射判定部130は、人感センサ117および温度センサ118から取得した情報をセンサ情報121に記録し、センサ情報121に基づいて紫外線を照射するか否かを決定する。照射判定部130は、タッチパネル112の操作者の人数をカウントし、センサ情報121に記録する。例えば、照射判定部130は、人感センサ117が人物を検知するたびに、検知された人物が検知されなくなると、センサ情報121に記録された操作者人数に1を加算する。
また、照射判定部130は、最後の操作者が発熱者であるか否かをセンサ情報121に記録する。例えば、照射判定部130は、人感センサ117が人物を検知するたびに、検知された人物の体温を温度センサ118に測定させる。そして、照射判定部130は、温度センサ118が測定した体温が37.5[℃]以上の場合、最後の操作者が発熱者であることをセンサ情報121に記録する。また、照射判定部130は、タッチパネル112が最後に操作された時刻をセンサ情報121に記録する。例えば、照射判定部130は、操作者の人数をカウントしたときに現在時刻をセンサ情報121に記録する。
照射判定部130は、操作者人数が所定の人数(例えば、10人)になった場合、最後の操作者が発熱者である場合または最後の操作から所定時間(例えば、30分)経過した場合、照射制御部140に紫外線照射制御処理を実行させる。例えば、照射判定部130は、センサ情報121に記録された操作者人数が10人になった場合、照射制御部140に紫外線照射制御処理を実行させる。また、例えば、照射判定部130は、センサ情報121に最後の操作者が発熱者であることが記録されている場合、照射制御部140に紫外線照射制御処理を実行させる。また、例えば、照射判定部130は、センサ情報121に記録されている最後に操作された時刻から30分経過している場合、照射制御部140に紫外線照射制御処理を実行させる。
照射制御部140は、照射判定部130の指示に応じて、紫外線照射制御処理を実行する。なお、照射制御部140は、紫外線照射制御処理を実行するときに、センサ情報121に記録された操作者人数および最後の操作者が発熱者であるか否かの情報をリセットする。
照射制御部140は、ATM100による取引を休止してから、紫外線ライト119aによる紫外線照射を開始する。例えば、照射制御部140は、紫外線ライト119aに点灯するよう指示する。照射制御部140は、紫外線ライト119aによる紫外線照射を開始してから所定時間(例えば、30秒)経過した場合、紫外線ライト119aによる紫外線照射を停止する。例えば、照射制御部140は、紫外線照射を開始してから30秒経過した場合、紫外線ライト119aに消灯するよう指示する。そして、照射制御部140は、ATM100による取引を再開する。
照射制御部140は、紫外線ライト119aによる紫外線照射中、人感センサ117が人物を検知したか否かを判定する。照射制御部140は、人感センサ117が人物を検知したと判定した場合、紫外線ライト119aによる紫外線照射を停止する。そして、照射制御部140は、検知された人物が検知されなくなるまで待機し、紫外線ライト119aによる紫外線照射を再度開始する。
なお、図5に示した各要素間を接続する線は通信経路の一部を示すものであり、図示した通信経路以外の通信経路も設定可能である。次に、記憶部120に記憶されるセンサ情報121について詳細に説明する。
図6は、センサ情報の一例を示す図である。センサ情報121は、操作者人数、発熱者フラグおよび最終時刻の項目を有する。操作者人数の項目には、前回紫外線を照射してからの操作者の人数が記録される。例えば、照射判定部130は、人感センサ117が操作者を検知した場合、操作者人数の項目の数値に1を加算する。また、照射制御部140は、紫外線ライト119aによる紫外線照射をするときに、操作者人数の項目の数値をリセットする(つまり、「0」にする)。
発熱者フラグの項目には、最後の操作者が発熱者であるか否かを示す情報が記録される。例えば、照射判定部130は、温度センサ118が測定した操作者の体温が閾値(例えば、37.5[℃])以上の場合、発熱者フラグの項目を最後の操作者が発熱者であることを示す「1」にする。また、照射制御部140は、紫外線ライト119aによる紫外線照射をするときに、発熱者フラグの項目をリセットする(つまり、最後の操作者が発熱者でないことを示す「0」にする)。最終時刻の項目には、タッチパネル112が最後に操作された時刻が記録される。例えば、照射判定部130は、人感センサ117が操作者を検知した場合、最終時刻の項目に現在時刻を記録する。
一例として、センサ情報121の操作者人数の項目が「5」、発熱者フラグの項目が「0」、最終時刻の項目が「15:30」であるとする。この場合、センサ情報121は、前回紫外線を照射してからの操作者の人数が「5」人であり、最後の操作者が発熱者でなく、タッチパネル112が最後に操作された時刻が「15:30」であることを示す。
次に、紫外線ライト119aによる紫外線照射をするときのディスプレイ111aおよびサブディスプレイ111bの表示画面について説明する。
図7は、ディスプレイおよびサブディスプレイの表示画面の一例を示す図である。照射制御部140は、紫外線ライト119aによりタッチパネル112に紫外線照射をするときに、ディスプレイ111aおよびサブディスプレイ111bの表示を切り替える。
ATM100が取引を受け付けている場合、ディスプレイ111aは、ディスプレイ画面201を表示し、サブディスプレイ111bは、サブディスプレイ画面301を表示する。ディスプレイ画面201は、ATM100による取引受付のための初期画面である。ディスプレイ画面201は、例えば、操作者に取引内容を選択させるための画面であり、「お引出し」、「お預入れ」、「残高照会」、「お振込み」等のボタンイメージを含む。サブディスプレイ画面301は、ATM100が取引を受け付けていることを示す画面である。例えば、サブディスプレイ画面301は、「稼働中」等のATM100が取引を受け付けていることを示すメッセージを含む。
ここで、照射制御部140は、紫外線ライト119aによる紫外線照射を開始するときに、ATM100による取引受付を休止する。そして、照射制御部140は、ディスプレイ111aにディスプレイ画面202を表示させ、サブディスプレイ111bにサブディスプレイ画面302を表示させる。
ディスプレイ画面202は、ATM100が取引受付を休止し、紫外線ライト119aによる紫外線照射をしていることを示す画面である。例えば、ディスプレイ画面202は、「紫外線照射中」等の紫外線ライト119aによる紫外線照射をしていることを示すメッセージを含む。また、例えば、ディスプレイ画面202は、「取引できません」、「しばらくお待ちください」等のATM100が取引受付を休止していることを示すメッセージを含む。サブディスプレイ画面302は、ATM100が取引受付を休止していることを示す画面である。例えば、サブディスプレイ画面302は、「休止中」等のATM100が取引受付を休止していることを示すメッセージを含む。
そして、照射制御部140は、紫外線ライト119aによる所定時間の紫外線照射が終了すると、ATM100による取引受付を再開する。そして、照射制御部140は、ディスプレイ111aにディスプレイ画面201を表示させ、サブディスプレイ111bにサブディスプレイ画面301を表示させる。
このように、照射制御部140は、紫外線ライト119aによる紫外線照射中にディスプレイ111aにディスプレイ画面202を表示させ、サブディスプレイ111bにサブディスプレイ画面302を表示させる。照射制御部140は、サブディスプレイ111bにサブディスプレイ画面302を表示させることにより、ATM100が取引受付を休止していることを、ATM100から離れた位置にいる人物に通知できる。これにより、照射制御部140は、紫外線照射中にATM100に人が接近することを防止できる。
また、照射制御部140は、ディスプレイ111aにディスプレイ画面202を表示させることによりATM100が取引受付を休止していることを、ATM100に接近した人に通知できる。よって、照射制御部140は、紫外線ライト119aによる紫外線照射中にATM100に接近した人にATM100から離れるよう促すことができる。
次に、紫外線を照射するか否かを判定する照射判定処理手順について説明する。
図8は、照射判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図8に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS101]照射判定部130は、人感センサ117が人物を検知したか否かを判定する。照射判定部130は、人感センサ117が人物を検知したと判定した場合、処理をステップS102に進める。また、照射判定部130は、人感センサ117が人物を検知していないと判定した場合、処理をステップS109に進める。
[ステップS102]照射判定部130は、タッチパネル112の操作者の体温が閾値(例えば、37.5[℃])以上であるか否かを判定する。例えば、照射判定部130は、ステップS101で検知された人物の体温を温度センサ118に測定させる。照射判定部130は、温度センサ118が測定した体温が37.5[℃]以上の場合、操作者の体温が37.5[℃]以上であると判定する。照射判定部130は、操作者の体温が37.5[℃]以上であると判定した場合、処理をステップS103に進める。また、照射判定部130は、操作者の体温が37.5[℃]未満であると判定した場合、処理をステップS104に進める。
[ステップS103]照射判定部130は、センサ情報121の発熱者フラグの項目を最後の操作者が発熱者であることを示す「1」に更新する。
[ステップS104]照射判定部130は、人感センサ117が人物を検知したか否かを判定する。照射判定部130は、人感センサ117が人物を検知したと判定した場合、処理をステップS104に進める。また、照射判定部130は、人感センサ117が人物を検知していないと判定した場合、処理をステップS105に進める。つまり、照射判定部130は、ステップS101で検知された人物が検知されなくなるまで待機する。
[ステップS105]照射判定部130は、操作者人数をカウントする。例えば、照射判定部130は、センサ情報121の操作者人数の項目の数値に1を加算する。
[ステップS106]照射判定部130は、最終時刻を記録する。例えば、照射判定部130は、センサ情報121の最終時刻の項目を現在時刻に更新する。
[ステップS107]照射判定部130は、操作者人数が所定の人数(例えば、10人)になったか否かを判定する。例えば、照射判定部130は、センサ情報121の操作者人数の項目の数値が「10」である場合、操作者人数が10人になったと判定する。照射判定部130は、操作者人数が10人になったと判定した場合、処理をステップS111に進める。また、照射判定部130は、操作者人数が10人になっていないと判定した場合、処理をステップS108に進める。
[ステップS108]照射判定部130は、センサ情報121の発熱者フラグの項目が「1」であるか否かを判定する。照射判定部130は、センサ情報121の発熱者フラグの項目が「1」であると判定した場合、処理をステップS111に進める。また、照射判定部130は、センサ情報121の発熱者フラグの項目が「0」であると判定した場合、処理をステップS101に進める。
[ステップS109]照射判定部130は、最後の操作から所定時間(例えば、30分)経過したか否かを判定する。例えば、照射判定部130は、センサ情報121の最終時刻の項目に記録されている時刻から30分経過している場合、最後に操作者を検知してから30分経過した(つまり、30分間タッチパネル112が操作されなかった)と判定する。照射判定部130は、最後の操作から30分経過したと判定した場合、処理をステップS110に進める。また、照射判定部130は、最後の操作から30分経過していないと判定した場合、処理をステップS101に進める。
[ステップS110]照射判定部130は、操作者人数が1人以上であるか否かを判定する。例えば、照射判定部130は、センサ情報121の操作者人数の項目の数値が1以上である場合、操作者人数が1人以上であると判定する。照射判定部130は、操作者人数が1人以上であると判定した場合、処理をステップS111に進める。また、照射判定部130は、操作者人数が0人であると判定した場合、処理をステップS101に進める。
[ステップS111]照射制御部140は、紫外線照射制御処理を実行する。紫外線照射制御処理の詳細については後述する(図9参照)。そして、処理がステップS101に進む。
このように、照射判定部130は、タッチパネル112の操作者人数をカウントする。そして、照射判定部130は、操作者人数が10人になった場合、照射制御部140に紫外線照射制御処理を実行させる。また、照射判定部130は、操作者の体温を温度センサ118に測定させる。そして、照射判定部130は、温度センサ118が測定した操作者の体温が37.5[℃]以上の場合、照射制御部140に紫外線照射制御処理を実行させる。また、照射判定部130は、30分間タッチパネル112が操作されていない場合、照射制御部140に紫外線照射制御処理を実行させる。
次に、照射制御部140による紫外線照射制御処理の手順について説明する。
図9は、紫外線照射制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS121]照射制御部140は、操作者人数および発熱者フラグをリセットする。例えば、照射制御部140は、センサ情報121の操作者人数の項目の数値を「0」にする。また、照射制御部140は、センサ情報121の発熱者フラグの項目を最後の操作者が発熱者でないことを示す「0」に更新する。
[ステップS122]照射制御部140は、ATM100による取引を休止する。そして、照射制御部140は、ディスプレイ111aにディスプレイ画面202を表示させ、サブディスプレイ111bにサブディスプレイ画面302を表示させる。
[ステップS123]照射制御部140は、紫外線ライト119aによる紫外線照射を開始する。例えば、照射制御部140は、紫外線ライト119aに点灯するよう指示する。
[ステップS124]照射制御部140は、人感センサ117が人物を検知したか否かを判定する。照射制御部140は、人感センサ117が人物を検知したと判定した場合、処理をステップS125に進める。また、照射制御部140は、人感センサ117が人物を検知していないと判定した場合、処理をステップS127に進める。
[ステップS125]照射制御部140は、紫外線ライト119aによる紫外線照射を停止する。例えば、照射制御部140は、紫外線ライト119aに消灯するよう指示する。
[ステップS126]照射制御部140は、人感センサ117が人物を検知したか否かを判定する。照射制御部140は、人感センサ117が人物を検知したと判定した場合、処理をステップS126に進める。また、照射制御部140は、人感センサ117が操作者を検知していないと判定した場合、処理をステップS123に進める。つまり、照射制御部140は、ステップS124で検知された人物が検知されなくなるまで待機し、処理をステップS123に進める。
[ステップS127]照射制御部140は、紫外線ライト119aによる紫外線照射を開始してから所定時間(例えば、30秒)経過したか否かを判定する。照射制御部140は、紫外線ライト119aによる紫外線照射を開始してから30秒経過したと判定した場合、処理をステップS128に進める。また、照射制御部140は、紫外線ライト119aによる紫外線照射を開始してから30秒経過していないと判定した場合、処理をステップS124に進める。
[ステップS128]照射制御部140は、紫外線ライト119aによる紫外線照射を停止する。
[ステップS129]照射制御部140は、ATM100による取引を再開する。そして、照射制御部140は、ディスプレイ111aにディスプレイ画面201を表示させ、サブディスプレイ111bにサブディスプレイ画面301を表示させる。
このように紫外線照射制御処理では、照射制御部140は、自装置による取引受付を休止し、紫外線ライト119aによりタッチパネル112に紫外線を30秒間照射する。照射制御部140は、紫外線ライト119aによる紫外線照射中に、人感センサ117が人物を検知した場合、紫外線照射を停止する。そして、照射制御部140は、人感センサ117が人物を検知しなくなってから紫外線ライト119aによる紫外線の照射を再開する。これにより、ATM100は、紫外線を照射中のタッチパネル112を操作しようとした人物がいた場合、紫外線照射を停止できる。
照射制御部140は、操作者人数が10人になった場合に上記のような紫外線照射制御処理を実行する。これにより、ATM100は、操作者人数が10人になるまで、消毒のための待ち時間なしに操作者にタッチパネル112を操作させることができる。また、ATM100は、自装置による取引受付を休止することで、タッチパネル112を消毒するための十分な紫外線照射時間を確保できる。よって、ATM100は、適切なタイミングでタッチパネル112を消毒することができる。
また、照射制御部140は、温度センサ118が測定した操作者の体温が37.5[℃]以上の場合に紫外線照射制御処理を実行する。これにより、ATM100は、発熱者がタッチパネル112を操作した場合に、次の操作者がタッチパネル112を操作する前にタッチパネル112を消毒できる。
また、照射制御部140は、30分間タッチパネル112が操作されていない場合に紫外線照射制御処理を実行する。これにより、ATM100は、操作者が少ない時間帯にタッチパネル112を消毒することができる。
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。