JP7403136B2 - 心拍検出システム - Google Patents

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Description

本開示は、心臓の拍動に基づく波形から心拍周期を求める心拍検出装置、心拍検出方法及びプログラムに関する。
工事現場などの騒音環境下では、騒音の影響を除去しユーザの音声を取得するために、骨を伝播する声帯振動を取得する骨伝導マイクが用いられる(例えば、特許文献1)。
ヒトの身体的・精神的負担によるストレスの評価に、心拍情報が多く用いられる。心拍は、自律神経系の活動を反映するとされ、例えば、心拍情報に基づいて心拍数と拍動間隔の変動を演算し、演算結果の心拍数と拍動間隔変動の時間的な推移傾向と、心拍数の瞬時増加の有無とに基づいて、ユーザの疲労度を判定する装置がある(特許文献2)。
特開平6-54387号公報 特開2002-65650号公報
工事現場などの騒音環境下等での作業は、作業従事者の身体的・精神的負担が高いことが懸念される。このような環境下での作業者の身体・精神の状態を管理する心拍検出装置および心拍検出方法を提供する。
本開示における心拍検出システムは、ユーザの音声情報と心拍情報を検出する検出装置と、前記検出装置と通信を行う出力装置からなる心拍検出システムであって、前記検出装置は、前記ユーザの音声情報を第一の信号に変換する骨伝導マイクと、前記ユーザの心拍情報に基づく第二の信号と前記第一の信号とを含む合成信号を送信する第一の通信部と、を有し、前記出力装置は、前記第一の通信部が送信した前記合成信号を受信する第二の通信部と、前記合成信号に含まれる前記第一の信号と、前記第二の信号を抽出する抽出部と、前記第一の信号を音声信号に変換し、前記第二の信号を心拍信号に変換する変換部と、前記音声信号から前記音声情報を出力する音声出力部と、前記心拍信号から心拍情報を算出する算出部と、前記算出部が算出した心拍情報を表示する表示部と、を有する。
本開示における心拍検出システムは、ユーザの音声情報と心拍情報を検出する検出装置と、前記検出装置と通信を行う出力装置からなる心拍検出システムであって、前記検出装置は、前記ユーザの音声情報を第一の信号に変換する骨伝導マイクと、前記ユーザの心拍情報に基づく第二の信号と、前記第一の信号を抽出する抽出部と、前記第一の信号を音声信号に変換し、前記第二の信号を心拍信号に変換する変換部と、前記音声信号と前記心拍信号とを含んだ信号を送信する第一の通信部と、を有し、前記出力装置は、前記第一の通信部が送信した前記信号を受信する第二の通信部と、前記音声信号から前記音声情報を出力する音声出力部と、前記心拍信号から心拍情報を算出する算出部と、前記算出部が算出した心拍情報を表示する表示部と、を有する。
本開示における心拍検出システムは、ユーザの音声情報と心拍情報を検出する検出装置と、前記検出装置と通信を行う出力装置からなる心拍検出システムであって、前記検出装置は、前記ユーザの音声情報を第一の信号に変換する骨伝導マイクと、前記ユーザの心拍情報に基づく第二の信号と、前記第一の信号を抽出する抽出部と、前記第一の信号を音声信号に変換し、前記第二の信号を心拍信号に変換する変換部と、前記心拍信号から心拍情報を算出する算出部と、前記音声信号と前記心拍情報とを含んだ信号を送信する第一の通信部と、を有し、前記出力装置は、前記第一の通信部が送信した前記信号を受信する第二の通信部と、前記音声信号から前記音声情報を出力する音声出力部と、前記第二の通信部が受信した心拍情報を表示する表示部と、を有する。
本開示における心拍検出装置等は、心臓の拍動に基づく波形に基づいて、ユーザの身体・精神の状態を推定できる。
図1は、実施の形態1における心拍検出装置を示す斜視図である。 図2は、実施の形態1における心拍検出装置の制御構成を示す概略図である。 図3は、実施の形態1における骨伝導ヘッドセットの使用態様を示す斜視図である。 図4は、実施の形態1における骨伝導マイクの断面斜視図である。 図5は、実施の形態1における制御構成の詳細を示すブロック図である。 図6は、実施の形態1における制御構成のその他の例の詳細を示すブロック図である。 図7は、実施の形態1の変形例2における制御構成の詳細を示すブロック図である。 図8は、実施の形態1の変形例3における制御構成の詳細を示すブロック図である。 図9は、実施の形態2の心拍検出装置1Aにおける制御構成を示す概略図である。 図10は、実施の形態2における制御構成の詳細を示すブロック図である。 図11は、実施の形態2における別の制御構成の詳細を示すブロック図である。 図12は、実施の形態3における算出部の構成を示すブロック図である。 図13は、実施の形態3における算出部が出力する波形を示す模式図である。 図14は、実施の形態3の変形例1における算出部が出力する波形を示す模式図である。 図15は、実施の形態3の変形例2における算出部の構成を示すブロック図である。 図16は、実施の形態3の変形例2における算出部が出力する波形を示す模式図である。
本開示の心拍検出装置は、例えば、工場現場などの騒音環境下で用いられ、ユーザの体表面の変位を取得する。さらに、心拍検出装置は、取得した体表面の変位に含まれる、体内を伝播する音声情報と心拍情報を抽出する。音声情報は、発話に基づく波形変化を表す情報である。また、心拍情報は、心臓の拍動に基づく波形変化を表す情報である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態における心拍検出装置1は、骨伝導マイク3を有し、骨伝導マイク3が取得したユーザUの体表面の変位に含まれる音声情報及び心拍情報を抽出する。
[1-1.心拍検出装置の全体構成]
図1は、実施の形態1における心拍検出装置1を示す斜視図である。図2は、実施の形態1における心拍検出装置1の制御構成を示す概略図である。図3は、実施の形態1における骨伝導ヘッドセット10の使用態様を示す図である。
心拍検出装置1は、図1及び図2に示すように、骨伝導ヘッドセット10と、トランシーバ2を有する。骨伝導ヘッドセット10は、骨伝導マイク3と、スピーカ4と、制御部5を有する。トランシーバ2は、通信部21を有する。
骨伝導マイク3は、ユーザUの体表面に装着され、ユーザUの体表面の変位を取得する。骨伝導マイク3は、主に骨を伝播する音声情報を取得する目的で作られたマイクである。よって、骨伝導マイク3は、骨上(体表面のすぐ下に顎骨や頬骨等の骨がある硬い部分)の体表面に装着されることが適している。しかしながら、心拍情報は、筋肉、血管、脂肪等の軟組織を主に伝播すると考えられている。骨伝導マイク3が骨上に装着された場合、心拍情報は、取得レベルが小さくなってしまい、抽出可能なレベルで心拍情報を取得することは難しい。よって、本実施の形態のように、音声情報と心拍情報の両方を取得する際は、図3に示すように、骨伝導マイク3を軟組織上(体表面と骨の間の軟組織が厚い、柔らかい部分)、特に骨伝導マイク3の少なくとも一部が、ユーザUの頸動脈上となる範囲の体表面に装着することが望ましい。ここで、骨上、軟組織上、頸動脈上等における「上」は、ユーザUの身体の厚み方向(Z方向)での体表面側である。音声情報の取得レベルは、軟組織上では骨上に比べて小さい。しかしながら、音声情報は心拍情報に比べて位置依存性が低い。そのため、骨伝導マイク3は、頸動脈上の体表面に装着された場合であっても、聴取可能な音声情報を取得することができる。これにより、ユーザUは1つのセンサを装着するだけで、音声情報と心拍情報を取得することができる。
骨伝導マイク3は、図3に示すように、留め金具34を用いて、装着具12に取り付けられる。装着具12は、骨伝導マイク3の取得部30に、ユーザUの体表面を加圧させる。これにより、骨伝導マイク3の装着状態が、使用中に変化する可能性を軽減し、取得した信号の信号レベルを安定させる。装着具12は、骨伝導マイク3の取得部30に、200重量グラム以上500重量グラム以下の圧力でユーザUの体表面を加圧させることが望ましい。可圧する強さが小さいと、取得部30とユーザUの体表面との当接が十分に行われず、必要な情報を取得しにくい。一方、加圧する強さが大きいと、心拍情報と、ノイズのSN比が悪くなるので、心拍情報を取得しにくい。また、加圧する強さが大きいと、ユーザUに不快感を生じさせる恐れもある。最適な加圧強さには個人差があるため、200重量グラム以上500重量グラム以下の範囲で適宜調整して決定されることが望ましい。
なお、装着具12は、本実施の形態では、骨伝導マイク3をユーザUの頸動脈上の体表面に装着するために、顎紐形状を用いたが、外れたりずれたりしなければ、テープで止めるなど任意でよい。
スピーカ4は、例えば、骨伝導スピーカである。スピーカ4は、図1に示すように、保持具11で保持される。スピーカ4は、制御部5と無線又は有線で接続される。制御部5は、例えば、CPU(central processing unit)、RAM(random access memory)およびROM(read only memory)である。なお、制御部5は、FPGA(field-programmable gate array)、ASIC(application specific integrated circuit)、マイクロプロセッサ(Microprocessor)及び、アナログ回路などでもよい。
通信部21は、図2に示すように、無線又は有線で、骨伝導ヘッドセット10の制御部5と接続される。そして、通信部21は、外部機器との通信を行う。具体的には、通信部21は、骨伝導マイク3から出力された信号を、制御部5を介して入力し、外部機器に送信する。一方、通信部21は、外部機器から送信された信号を受信し、制御部5を介してスピーカ4に出力する。
通信部21が通信を行う外部機器は、通話を行う相手の通話装置や、情報処理装置などである。情報処理装置は、例えば、後述する心拍検出装置1Bであり、心拍情報の処理やモニタリングを行うパソコンである。トランシーバ2は、例えば、服装の一部に取り付けられて使用される。なお、心拍検出装置1は、トランシーバ2を有さず、骨伝導ヘッドセット10が通信部21を有してもよい。
[1-2.骨伝導マイクの構成]
次に、骨伝導マイク3の詳しい構成を説明する。図4は、実施の形態1における骨伝導マイクの断面斜視図である。
骨伝導マイク3は、図4に示すように、取得部30と、筐体33を有する。取得部30は、ユーザUに接触する接触部材31と、接触部材31に支持される変位センサ32とを有する。
接触部材31は、ユーザUの体表面に接触されて、ユーザUの体表面の変位を取得し、取得した変位を変位センサ32に伝達する部材である。接触部材31は、筐体33よりも柔らかい弾性体であり、例えばシリコンゴムなどの樹脂材料により形成される。柔らかいとは、柔らかい素材を用いること、および、構造的に柔らかいこと(例えば、薄く形成したり、波状に形成したりして変形しやすくなっていること)の両者を含む意味である。また、接触部材31は、触り心地の良い素材が用いられることが望ましい。
変位センサ32は、接触部材31を介して取得した体表面の変位のうちの所定方向(Z方向すなわち身体の厚み方向)の変位を検出する検出素子である。変位センサ32は、検出したZ方向の体表面の変位を電気信号(第一の信号)に変換して、骨伝導ヘッドセット10の制御部5に入力する。変位センサ32は、Z方向に撓んで厚み振動を行うことができるように、接触部材31の内壁に取り付けられている。変位センサ32は、筐体33よりも柔らかい弾性体である接触部材31を介して、筐体33に支持されるので、外部から筐体33に伝わる振動ノイズおよび筐体33内で発生する振動ノイズが変位センサ32に入りにくくなる。そのため、骨伝導マイク3は体内を伝播する音声情報及び心拍情報を取得しやすくなる。
変位センサ32は、本実施の形態では、厚み振動を行う平板状の圧電素子である。変位センサ32は、2枚の電極の電極間容量の変化で体表面の変位を検出する、コンデンサなどでもよい。しかしながら、ユーザUの発話時の心拍情報を、圧電素子で取得した場合、コンデンサで取得する場合に比べて、心拍情報とノイズとのSN比が高いレベルで、心拍情報が取得できる。よって、圧電素子は、心拍情報と音声情報を同時に抽出可能な信号を取得しやすい。
筐体33は、取得部30を支持する。
[1-3.音声情報及び心拍情報の抽出]
図5は、実施の形態1における、制御構成を示すブロック図である。
まず、骨伝導マイク3の変位センサ32は、ユーザUの体表面のZ方向への変位をアナログの信号S1に変換する。
制御部5は、信号S1に含まれる音声情報及び心拍情報を検出する。制御部5は、図5に示すように、調整部51、増幅部52、抽出部53、A/D変換部54、算出部56を有する。まず、音声情報について説明する。
増幅部52の増幅部52aは、信号S1を増幅した信号S2を出力する。増幅部52aは、音声情報の信号レベルに基づいて増幅率を定め、一定の増幅率で増幅を行う。
抽出部53の音声フィルタ53a(第一の抽出部)は、信号S2に含まれる音声情報に基づく周波数成分(第一の周波数成分)を抽出する。音声は、主として100Hzより大きい周波数成分であり、心拍情報は、主として10Hzより小さい周波数成分である。そこで、本実施の形態では、音声フィルタ53aは、100Hz以下の周波数帯域を除去するハイパスフィルタ(HPF)を用いた。なお、制御部5は、音声フィルタ53aを有さなくてもよいが、骨伝導マイク3を頸動脈上の体表面に装着した場合は、音声情報には心拍情報が重畳しているため、音声フィルタ53aを設けることが好ましい。
A/D変換部54のA/D変換部54aは、アナログの信号S3を、デジタルデータの信号S4に変換する。
トランシーバ2の通信部21は、制御部5が出力する信号S4(音声情報)を外部機器に送信する。外部機器は、例えば、通話を行う相手の通話装置である。
次に、心拍情報について説明する。
調整部51は、信号S1を入力し、信号S1のDCオフセットを除去して、出力位置を調整した信号S5を出力する。DCオフセットとは、入力する信号S1のDC成分とA/D変換部54bの出力のゼロ基準値との差分量である。ゼロ基準値は、通常はA/D変換部54bの入力値の範囲における中心値とするが、これに限らず、ゼロ基準値は、A/D変換部54bに入力される信号S7波形の値飽和を避ける範囲で設定されることが好ましい。調整部51は、使用する骨伝導マイク3の個体差や周辺環境等の影響を排除する。また、信号レベルの小さい心拍情報を抽出しやすくする。
増幅部52の増幅部52bは、信号S5を増幅した信号S6を出力する。増幅部52bは、心拍情報の信号レベルに基づいて増幅率を定め、一定の増幅率で増幅を行う。
抽出部53の心拍フィルタ53b(第二の抽出部)は、信号S6に含まれる心拍情報に基づく周波数成分(第二の周波数成分)を抽出して、信号S7を出力する。本実施の形態では、心拍フィルタ53bは、10Hz以上の周波数帯域を除去する、ローパスフィルタ(LPF)を用いた。
なお、前述した音声フィルタ53aと心拍フィルタ53bは、所定帯域を通過させるバンドパスフィルタ(BPF)を用いてもよい。
A/D変換部54のA/D変換部54bは、アナログの信号S7を、デジタルデータの信号S8に変換する。
算出部56は、信号S8を入力し、心拍情報の解析処理を行う。算出部56は、ユーザUの心拍周期を求める。心拍周期は、例えば、心拍数や、心拍変動を求めることに用いられ、ユーザUのストレス状態を知るのに有用である。算出部56の一例については、実施の形態3で詳しく説明する。
トランシーバ2の通信部21は、算出部56の出力(例えば、心拍周期、心拍数、心拍変動のデータ)を、外部機器に送信する。外部機器は、例えば、パソコンなどの情報処理装置である。外部機器は、例えば、送られたデータの表示や、さらなる解析を行う。なお、通信部21は、心拍フィルタ53bが抽出した心拍情報を外部機器に送信してもよい。その場合、外部機器が受信した心拍情報の解析等を行ってもよい。
なお、図6に示すように、抽出部53は可変フィルタ53cを有してもよい。可変フィルタ53cは除去する周波数帯域を変更することで、音声情報と心拍情報を抽出する。
[1-4.変形例1]
実施の形態1の変形例1では、骨伝導マイク3が、増幅部52aと、音声フィルタ53aと、A/D変換部54aを有する。実施の形態1と同様に、骨伝導マイク3の変位センサ32が体表面の厚み方向への変位を信号S1に変換して出力する。増幅部52aは、信号S1を増幅した信号S2を出力する。音声フィルタ53aは、信号S2に膨れる音声情報に基づく周波数成分を抽出し、信号S3を出力する。A/D変換部54aは、アナログ信号をデジタル信号に変換し、信号S4を出力する。骨伝導マイク3は、デジタルデータである信号S4を、通信部21を介して、外部機器に送信する。また、信号S1を制御部5に出力する。制御部5は増幅部52bと、心拍フィルタ53bと、A/D変換部54bを有し、信号S1に基づき、心拍情報を抽出する。
[1-5.変形例2]
図7は、実施の形態1の変形例2における制御構成の詳細を示すブロック図である。
変形例2における心拍検出装置1は、変位センサ32が取得した信号S1に、音声情報が含まれるか否かを判定する判定部57を備える。制御部5は、図7に示すように、音声情報が含まれていた場合は音声情報を通信部21に出力し、音声情報が含まれていない場合は信号S8を算出部56に出力する。これにより、算出部56は、音声情報が含まれない信号に基づいて心拍情報を算出するため、心拍情報を精度よく抽出し易くなる。
判定部57は、信号S1の信号レベルに応じて判定を行ってもよいが、判定部57をアナログ回路で構成すると、回路素子の劣化や温度特性等の影響を受けて、信号レベルに誤差が生じる恐れがある。そこで、本実施の形態では、判定部57は、A/D変換部54が出力した信号(音声情報を抽出している場合は信号S4、心拍情報を抽出している場合は信号S8)の信号レベルに応じて、判定を行う。音声情報は、心拍情報に比べて信号レベルが大きい。そのため、音声情報が含まれている場合、音声情報が含まれていない場合よりも信号レベルが大きくなる。よって、A/D変換部54が出力した信号の信号レベルが所定値以上の場合は、判定部57は信号S1に音声情報が含まれていると判定し、A/D変換部54が出力した信号の信号レベルが所定値未満の場合は、信号S1に音声情報が含まれていないと判定する。所定値は、音声情報と心拍情報との各々に対して定められてもよい。
なお、判定部57は、抽出部53が抽出した信号(音声情報を抽出している場合は信号S3、心拍情報を抽出している場合は信号S7)の信号レベルに応じて、判定を行ってもよいが、アナログ回路での構成のため、信号レベルに誤差が生じる恐れがある。
なお、骨伝導マイク3が判定部57を有していてもよい。例えば、判定部57は、信号レベルの代わりに変位センサ32に加わる圧力の大きさに基づいて、音声情報が含まれるか否かを判定するとしてもよい。
なお、A/D変換部54は、A/D変換部54cを有し、A/D変換部54cは、判定部57の判定に基づいて、信号S3と信号S7のいずれかを、デジタル信号に変換してもよい。このようにA/D変換部54を音声情報と心拍情報で共用化することで、制御部5に必要なA/D変換器の数を軽減できる。これによって、制御部5の低コスト化ができる。または、制御部5にその他の機能を追加することができる。A/D変換部54cが信号S3を入力した場合、A/D変換部54cは通信部21へ出力する。A/D変換部54cが信号S7を入力した場合、A/D変換部54cは、算出部56を介して通信部21へ出力する。
[1-6.変形例3]
図8は、実施の形態1の変形例3における制御構成の詳細を示すブロック図である。実施の形態1の変形例3は、判定部57を用いて音声情報と心拍情報を抽出する際の別の制御構成を示す。本実施の形態では、判定部57をデジタル回路で構成する。本実施の形態の制御部5は、実施の形態1の変形例2と増幅部が異なり、増幅部52c、増幅部52d、増幅部52eを有する。
まず、調整部51は、変位センサ32の出力したアナログの信号S1を入力し、信号S1のDCオフセットを除去して、出力位置を調整した信号S12を出力する。増幅部52cが、信号S12を増幅した信号S13を出力する。増幅部52cの増幅率は、音声情報抽出用の倍率と心拍情報抽出用の倍率の間にある値、例えば、平均値とする。
A/D変換部54は、アナログの信号S13を、デジタルデータの信号S14に変換する。
判定部57の判定に基づいて、音声情報と心拍情報のいずれかが抽出される。判定部57の判定は、A/D変換部54が出力した信号S14に基づいて行われる。また、判定部57の判定は、抽出部53が抽出した信号S16またはS18に基づいて行われるとしてもよい。
音声情報を抽出する場合、増幅部52dが、音声情報の抽出に適切な大きさになるように、信号S14を増幅して信号S15を出力する。音声情報を抽出する場合は、音声フィルタ53aは、信号S15から音声情報を抽出し、信号S16を通信部21へ出力する。
心拍情報を抽出する場合、増幅部52eが、心拍情報の抽出に適切な大きさになるように、信号S14を増幅して信号S17を出力する。心拍フィルタ53bは、信号S17から心拍情報を抽出し、信号S18を算出部56を介して通信部21へ出力する。
[1-7.効果等]
本実施の形態において、心拍検出装置1は、ユーザUの体表面の厚み方向への変位を信号S1に変換する骨伝導マイク3と、信号S1に含まれる音声情報に基づく第一の周波数成分と、信号S1に含まれる前記ユーザの心拍情報に基づく第二の周波数成分を抽出する抽出部とを備える。これにより、心拍検出装置1は、骨伝導マイク3が出力した信号S1から、音声情報と心拍情報の両方を抽出する。ユーザUは、複数のセンサを装着する必要がなく、ユーザUにとって負担が少ない。また、心拍情報に基づいてユーザUの身体・精神の状態を推定できる。
また、本実施の形態において、骨伝導マイク3は、ユーザUの体表面の変位を信号S1に変換する変位センサ32を備える。変位センサ32は、圧電素子が望ましい。これにより、心拍情報と音声情報の両方を抽出可能な信号を取得しやすい。よって、心拍情報は、心拍情報と音声情報が重畳した信号からも、抽出されやすい。
また、本実施の形態において、骨伝導マイク3は、ユーザUの体表面の変位を取得して変位センサ32に伝達する接触部材31を備える。接触部材31は、筐体33よりも柔らかい弾性体である。これにより、変位センサ32は、柔らかい接触部材31を介して筐体33に支持されるので、外部から筐体33に伝わる振動ノイズおよび筐体33内で発生する振動ノイズが変位センサ32に入りにくくなる。そのため、骨伝導マイク3は体内を伝播する音声情報や心拍情報を取得しやすくなる。
また、本実施の形態において、抽出部53は、音声情報に基づく周波数成分(第一の周波数成分)に重畳された心拍情報に基づく周波数成分(第二の周波数成分)を抽出することができる。これにより、発話の有無に関わらず、心拍情報を抽出することができる。
また、本実施の形態において、骨伝導マイク3は、骨伝導マイク3の少なくとも一部が、ユーザUの頸動脈上となる範囲の体表面に装着することが望ましい。これにより、骨伝導マイクは、音声情報に比べて位置依存性が高い心拍情報を取得し易くなる。よって、ユーザUにとって1つのセンサを装着するだけで、音声情報と心拍情報を検出することができる。
また、本実施の形態において、心拍検出装置1の装着具12は、骨伝導マイク3(の取得部30)に、ユーザUの所定部位の体表面を加圧させる。これにより、骨伝導マイク3の装着状態が、使用中に変化する可能性を軽減し、取得した信号の信号レベルを安定させる。
また、本実施の形態において、骨伝導マイク3が、前記所定部位を200重量グラム以上の力で加圧する。これにより、骨伝導マイク3とユーザUの体表面が、十分な力で当接され、抽出可能な音声情報と心拍情報を取得することができる。
また、本実施の形態において、骨伝導マイク3が、前記所定部位を500重量グラム以下の力で加圧する。これにより、心拍情報と、音声情報を含むノイズのSN比が良くなり、抽出可能な心拍情報を取得することができる。また、ユーザUの不快感を軽減させる。
また、本実施の形態の変形例2において、心拍検出装置1は、変位センサ32が取得したS1信号に、音声情報が含まれるか判定する判定部57を備え、判定部57の判定に基づき、抽出部53は、音声情報と心拍情報のいずれかを抽出する。これにより、音声情報が含まれない信号に基づいて心拍情報を抽出するため、心拍情報の抽出し易くなる。
また、本実施の形態において、心拍検出装置1は、信号S1の出力位置を調整する調整部を備える。これにより、使用する骨伝導マイク3の個体差や周辺環境等の影響を排除する。さらに、信号レベルの小さい心拍情報を抽出しやすくする。
また、本実施の形態において、心拍検出装置1の制御部5は、抽出部53が抽出した心拍情報に基づいて、ユーザUの心臓の拍動周期を求める算出部56を備える。これにより、ユーザUのストレス状態を知ることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2における心拍検出装置1Aは、骨伝導マイク3の変位センサ32がユーザUの体表面の変位を取得し、信号S1に変換する。通信部21は、信号S1を心拍検出装置1Bに送信する。心拍検出装置1Bは、信号S1に含まれる音声情報と心拍情報を抽出する。なお、実施の形態1と同一の構成の説明は、省略する。
[2-1.心拍検出装置1Aの構成]
図9は、実施の形態2の心拍検出装置1Aにおける制御構成を示す概略図である。図10は、実施の形態2における制御構成の詳細を示すブロック図である。
実施の形態2の心拍検出装置1Aは、図9に示すように、骨伝導ヘッドセット10Aと、トランシーバ2を有する。
骨伝導マイク3の変位センサ32は、検出した体表面のZ方向への変位を信号S1に変換する。骨伝導マイク3は信号S1を、制御部5Aを介してトランシーバ2に出力する。トランシーバ2の通信部21は、信号S1を心拍検出装置1Bに送信する。
[2-2.心拍検出装置1Bの構成]
心拍検出装置1Bは、例えば、CPU(central processing unit)、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)などで構成されるコンピュータである。
なお、心拍検出装置1Bは、FPGA(field-programmable gate array)、ASIC(application specific integrated circuit)、マイクロプロセッサ(Microprocessor)及び、アナログ回路などで構成されていてもよい。
心拍検出装置1Bは、通信部21B、制御部5B、音声出力部55B、表示部58B、通知部59Bを有する。
図10に示すように、通信部21Bは、心拍検出装置1Aの通信部21から信号S1を受信する。制御部5Bは、通信部21Bが受信した信号S1から音声情報と心拍情報を抽出する。制御部5Bは、調整部51、増幅部52、抽出部53、A/D変換部54、設定部55、算出部56を有する。制御部5Bが行う音声情報と心拍情報の抽出は、実施の形態1の制御部5と同じため、説明を省略する。
音声出力部55Bは、信号S4を出力し、例えば、ユーザUと通話を行う。
表示部58Bは、抽出部53が抽出した心拍情報と、算出部56の出力(例えば、心拍周期、心拍数、心拍変動のデータ)を表示する。なお、表示部58Bは、信号S8を表示してもよい。これにより、ユーザUの状態をモニタリングできる。
なお、心拍検出装置1Bは、解析結果を表すデータに異常値がある場合に通知をする通知部59Bを有してもよい。通知部59Bは、例えば、警告音を出力する。
なお、通信部21Bは、心拍情報を表す信号S8と、算出部56の出力を外部機器に送信してもよい。外部機器は、例えば、送られたデータの表示や、さらなる解析を行う。
なお、図11に示すように、心拍検出装置1Aが、増幅部52と、抽出部53と、A/D変換部54とを備え、音声情報と心拍情報の抽出を行い、通信部21を介して、外部機器に送信してもよい。心拍検出装置1Bは、信号S8を受信し、算出部56が信号S8に基づき、心拍情報の解析処理を行う。心拍検出装置1Bは、心拍検出装置1Aが送信する信号S4を受信し、音声出力部55Bで出力してもよい。
[2-3.効果等]
本実施の形態において、心拍検出装置1Bは、音声情報と心拍情報が含まれる信号S4を受信する通信部21Bと、信号S4に含まれる音声情報と心拍情報を抽出する抽出部53を備える。これにより、音声情報と心拍情報を含む信号から、音声情報と心拍情報を抽出できる。抽出した心拍情報に基づいてユーザUの状態を推定できる。
(実施の形態3)
実施の形態3では、実施の形態1及び実施の形態2における心拍検出装置の算出部56の一例について、詳細に説明する。
[3-1.心拍周期の算出]
図12は、本実施の形態における、算出部56の構成を示すブロック図である。図13は、本実施の形態における、算出部56が出力する波形を示す模式図である。
算出部56は、信号S8に基づき、ユーザUの心臓の拍動周期を求める。信号S8は、心拍信号(心拍情報に基づく信号)である。骨伝導マイク3が取得した心拍信号は、心室や心房の収縮や弛緩を反映した概周期的な波形である。一回の心拍で生じる心拍信号のうち、プラス電位にピークが生じる波形を、図13に示すように、経過時間の順に、a波、b波、c波とする。b波とc波は、通常、a波より振幅が小さい。
算出部56は、図12に示すように、BPF61と、増幅部62と、第一の検出部63と、第二の検出部64と、第三の検出部65と、演算部66を有する。
BPF61は、信号S8に含まれる所定の周波数帯域を抽出するバンドパスフィルタ(BPF)である。BPF61のLPFは、高周波成分のノイズを除去する。BPF61のHPFは、信号S8のDC成分をゼロ基準値に一致させる。本実施の形態では、BPF61は、1Hz以上10Hz以下の周波数帯域を除去するBPFを用いた。
増幅部62は、増幅後の信号の最大振幅(a波振幅)が所定値となるように増幅率を適宜変更して、信号S9を信号S10に増幅する。増幅部62は、心拍周期に基づいて定められた周期(以下、切換周期)で増幅率を切り換える。切換周期は、予め定められた固定値(例えば、1秒)を用いてもよい。なお、心拍周期には個人差があるため、切換周期は、ユーザUの心拍周期に基づいて適宜設定されてもよい。
第一の検出部63は、信号S10に含まれるa波を複数検出する。第一の検出部63は、図13(a)に示すように、信号S10が第一の値より小さい値から第一の値以上に変化する第一の時点を複数検出する。本実施の形態では、a波以外の波形を誤って第一の値と検知しても、周期の算出に用いないため、第一の値は、信号S10の最大値以下であればよい。しかしながら、第一の値は、a波の振幅以下で、b波とc波の振幅より大きな値、例えば、a波の振幅(心拍信号の最大値)の50パーセント以上とする方が好ましい。
第一の時点は、周期を求める際の時点としては用いず、a波を検出することを目的としている。よって、時間の誤差は許容されるため、少ない計算量で検出を行う。なお、本実施の形態では、第一の値は、増幅部62の増幅率を決定する際の所定値を、a波の振幅の100パーセントとした。増幅部62は、出力した信号S10に基づいて定められた増幅率をフィードバックして、信号S9を増幅するため、a波の振幅は所定値よりも小さな値になる恐れもある。よって、第一の値は、所定値の100パーセント未満としてもよい。
なお、第一の時点は、信号S10が第一の値より大きい値から第一の値以下に変化する時点としてもよい。
第二の検出部64は、信号S10がプラス電方向に増加した後に減少し、第二の値となる点を複数検出する。第二の検出部64は、図13(b)に示すように、信号S10が第二の値より大きい値から第二の値以下に変化する第二の時点を複数検出する。第二の値は、第一の値より小さい値である。
第二の時点は、周期を求める際の検出点として用いられるため、時点の誤差が少ないことが求められる。心拍信号は、振動の中心付近が最も傾きが大きい。調整部51が、心拍信号のDC成分の出力位置とゼロ基準値とが一致するように調整しているため、第二の値は、ゼロ基準値とすることが好ましい。
第三の検出部65は、第一の時点直後の第二の時点である検出点を複数検出する。カウンタ65aは、図13(c)に示すように、第一の時点を時間経過の開始点として経過時間を測る。判定部65bは、開始点直後の第二の時点において、カウンタ65aに基づき、開始点からの経過時間が閾値未満か否かを判定する。
判定部65bは、判定に基づき、図13(d)に示すように、第二の時点で検出値の出力の開始と停止をする。検出値の出力の開始時点は、心拍周期の算出に用いられる。判定部65bは、図13(d)に示すように、開始点直後の第二の時点において、経過時間が閾値未満の場合、第二の時点を検出点と判定し、検出点であることを示す検出値「1」の出力を開始する。判定部65bは、次の第二の時点(開始点直後でない第二の時点)で、検出値の出力を停止する。検出値の出力を停止するときは、非検出値「0」とする。また、判定部65bは、開始点直後の第二の時点において、経過時間が閾値以上の場合、第二の時点を検出点ではないと判定し、検出値の出力を開始しない。これにより、検出点を誤って検出する可能性を低減する。
演算部66は、第三の検出部65が検出した複数の検出点の間隔に基づいて、心拍の周期を求める。
なお、図13(d)では、判定部65bは、検出値を「1」、非検出値を「0」としたが、値はこれらに限らない。検出値と非検出値が異なっていれば任意の値でよい。また、判定部65bは、例えば、第一の時点直後の第二の値と、第一の時点直後でない第二の時点で異なる値を出力するなど、複数の非検出値を出力してもよい。
なお、本実施の形態において、検出点で検出値の出力を開始し、次の第二の時点で検出値の出力を停止するとしたが、検出点で検出値の出力を行い、所定時間後、例えば、0.1秒後に検出値の出力を停止するとしてもよい。
なお、本実施の形態における算出部56は、図8における心拍フィルタ53bが出力する信号S18に基づき、同様に心臓の拍動周期を求めてもよい。
なお、本実施の形態における算出部56は、骨伝導マイク以外で取得した心拍信号に基づいて、心拍周期を求めてもよい。本実施の形態は、例えば、加速度脈波など、信号の波形が心電図等に比べて緩やかな波形に基づいて、精度の高い心拍周期を得るために、特に有用である。
[3-2.変形例1]
図14は、本実施の形態の変形例1における、算出部56が出力する波形を示す模式図である。算出部56の構成は図12と同じである。
一回の心拍で生じる心拍信号のうち、マイナス電位にピークが生じる波形を、図14に示すように、経過時間の順に、d波、e波とする。一回の心拍で生じる心拍信号は、d波で振幅が最大となり、経過時間に沿って減衰する波形となることが多い。
算出部56は、マイナス電位にピークが生じる波形に基づいて、心拍周期を求める。算出部56は、BPF61と、増幅部62と、第一の検出部63と、第二の検出部64と、第三の検出部65と、演算部66を有する。BPF61と、増幅部62とは、実施の形態3と同一の構成であるため、説明を省略する。
第一の検出部63は、信号S10に含まれるd波を検出する。第一の検出部63は、図14(a)に示すように、信号S10が第三の値より大きい値から第三の値以下に変化する第三の時点を複数検出する。第三の値は、信号S10の最小値以上であればよい。しかしながら、第三の値とは、d波の振幅以上で、e波の振幅より小さな値、例えば、d波の振幅(心拍信号の最小値)の50パーセント以下とする方が好ましい。
なお、第三の時点は、信号S10が第三の値より小さい値から第三の値以上に変化する時点としてもよい。
第二の検出部64は、マイナス電位の波形が生じた後に電位が上がり、第四の値となる点を複数検出する。第二の検出部64は、図14(b)に示すように、信号S10が第四の値より小さい値から第四の値以上に変化する第四の時点を複数検出する。第四の値は、第三の値より大きい値である。本実施の形態では、第四の値は、ゼロ基準値とした。
第三の検出部65は、第三の時点直後の第四の時点である検出点を複数検出する。
カウンタ65aは、図14(c)に示すように、第三の時点を時間経過の開始点として経過時間を測る。
判定部65bは、開始点直後の第四の時点において、カウンタ65aに基づき、開始点からの経過時間が閾値未満か否かを判定する。判定部65bは、判定に基づき、図14(d)に示すように、第四の時点で検出値の出力の開始と停止をする。判定部65bの出力の開始と停止については、実施の形態3の判定部65bと同じため、説明を省略する。
演算部66は、第三の検出部65が検出した複数の検出点の間隔に基づいて、心拍の周期を求める。
なお、算出部56は、心拍信号の電位が反転した場合、図13のa波を変形例1のd波として、同様に心拍周期を求めることができる。
[3-3.変形例2]
図15は、本実施の形態の変形例2における、算出部56Bの構成を示すブロック図である。図16は、本実施の形態の変形例2における、算出部56Bが出力する波形を示す模式図である。
算出部56Bは、BPF61と、増幅部62と、第一の検出部63Bと、演算部66Bを有する。BPF61と、増幅部62とは、実施の形態3と構成が同一なため、説明を省略する。
第一の検出部63Bは、信号S10に含まれるa波を検出する。第一の検出部63Bは、図16に示すように、信号S10が第五の値より小さい値から第五の値以上に変化する第五の時点を複数検出する。第五の値とは、a波の振幅以下で、b波とc波の振幅より大きな値である。本実施の形態では、a波の振幅(心拍信号の最大値)の90パーセント未満を、第五の値とした。なお、第五の時点は、信号S10が第五の値より大きい値から第五の値以下に変化する時点としてもよい。
骨伝導マイク3が取得した心拍信号の波形は、心電図で取得した波形に比べて、ピーク付近の傾きが小さく、第一の値を大きな値に設定してピーク時点を検出すると、誤差が生じる恐れがある。よって、検出点として用いる第五の値は、a波の傾きが大きな部分、例えば、a波の振幅の90パーセント未満を用いる。
なお、第五の値は、a波の振幅以下で、b波とc波の振幅より大きな値、例えば、a波の振幅の50パーセント以上の値としてもよい。これにより、心拍周期の精度を高めることができる。
演算部66Bは、複数の第五の時点の間隔に基づいて心拍の周期を求める。
[3-4.効果等]
本実施の形態において、心拍検出装置1は、ユーザUの心拍信号を入力し、心拍信号が第一の値より小さい値から第一の値以上に変化する時点、または、心拍信号が第一の値より大きい値から第一の値以下に変化する時点のいずれか一方である第一の時点を複数検出する第一の検出部63と、心拍信号が第一の値より小さい第二の値より大きい値から第二の値以下に変化する第二の時点を複数検出する第二の検出部64と、第一の時点直後の第二の時点である検出点を複数検出する第三の検出部65と、複数の検出点の間隔に基づいて心拍の周期を求める演算部66と、を備える。これにより、心拍検出装置1は、時間的誤差の少ない検出点に基づいて、心拍周期を求めることができる。
また、本実施の形態において、第二の検出部64が第二の時点の検出に用いる第二の値は、ゼロ基準値である。これにより、心拍信号は、第二の値の付近で傾きが大きくなり、第二の値の時間的誤差が少なくなる。
また、本実施の形態において、第三の検出部65は、第一の時点を開始点として経過時間を測るカウンタ65aと、開始点直後の第二の時点における経過時間が閾値未満の場合、第二の時点を検出点と判定し、開始点直後の第二の時点における経過時間が閾値以上の場合、第二の時点を検出点ではないと判定する判定部と、を備える。これにより、経過時間の後期に生じる緩やかな波形(例えば、c波)を検出点と誤って検知する可能性を低減する。
また、本実施の形態において、判定部65bは、カウンタ65aの経過時間の測定の開始点直後の第二の時点において、経過時間の値が閾値未満の場合、検出値の出力を開始して、第一の時点直後でない第二の時点において、検出値の出力を停止する。演算部66は、判定部65bが検出値の出力を開始した時点を検出点として、心拍の周期を求める。これにより、第一の検出部63が誤ってb波を検出した場合に、b波の成分を検出点と誤って検知する可能性を低減する。
また、本実施の形態において、心拍検出装置1は、心拍信号の出力位置を調整する調整部51を備える。これにより、心拍信号の傾きが大きい値がゼロ基準値付近となり、一定値を第二の値としたときの時間的な誤差が低減される。
また、本実施の形態において、心拍検出装置1は、心拍信号の最大振幅が所定値となるように心拍信号を増幅する増幅部62を備える。これにより、第一の値の設定は、増幅部62の増幅率を決定する際の所定値を基準に設定することができ、a波の第一の値を検出する精度を高くする。
また、本実施の形態の変形例1において、心拍検出装置1は、ユーザUの心拍に基づく波形変化である心拍信号を入力し、心拍信号が第三の値より小さい値から第三の値以上に変化する時点、または、心拍信号が第三の値より大きい値から第三の値以下に変化する時点のいずれか一方である第三の時点を複数検出する第一の検出部63と、心拍信号が第三の値より大きい第四の値より小さい値から第四の値以上に変化する第四の時点を複数検出する第二の検出部64と、第三の時点直後の前記第四の時点である検出点を複数検出する第三の検出部65と、複数の検出点の間隔に基づいて前記心拍の周期を求める演算部66と、を備える。それによって、心拍信号のマイナスにピークが生じる波形に基づいて、心拍周期を求めることができる。
また、本実施の形態の変形例2において、心拍検出装置1は、ユーザUの心拍に基づく波形変化である心拍信号を入力し、心拍信号が心拍信号の最大値の90パーセント未満の第五の値より小さい値から第五の値以上に変化する時点、または、心拍信号が第五の値より大きい値から第一の値以下に変化する時点のいずれか一方である第五の時点を複数検出する第一の検出部63Bと、複数の第五の時点の間隔に基づいて前記心拍の周期を求める演算部66Bと、を備える。これにより、簡易的に、精度の良い心拍周期の求めることができる。
本開示は、人体に接触して音声情報を取得する集音装置に適用可能である。また、本開示は、建設現場、工事現場、工場、物流倉庫等で用いるヘルメット、バイク用ヘルメット、ヘッドフォンまたはインカム(インターコミュニケーション)などを頭部に装着して、通信相手と通話する場合の音声入出力器に適用可能である。
1、1A、1B 心拍検出装置
2 トランシーバ
3 骨伝導マイク
4 スピーカ
5、5A、5B 制御部
10、10A 骨伝導ヘッドセット
11 保持具
12 装着具
21、21B 通信部
30 取得部
31 接触部材
32 変位センサ
33 筐体
34 留め金具
51 調整部
52、52a、52b、52c、52d、52e、62 増幅部
53 抽出部
53a 音声フィルタ(第一の抽出部)
53b 心拍フィルタ(第二の抽出部)
54、54a、54b、54c A/D変換部
55B 音声出力部
56、56B 算出部
57、65b 判定部
58B 表示部
59B 通知部
61 BPF
63、63B 第一の検出部
64 第二の検出部
65 第三の検出部
65a カウンタ
66、66B 演算部

Claims (6)

  1. ユーザの音声情報と心拍情報を検出する検出装置と、前記検出装置と通信を行う出力装置からなる心拍検出システムであって、
    前記検出装置は、
    前記ユーザの音声情報を第一の信号に変換し、前記ユーザの心拍情報を第二の信号に変換する骨伝導マイクと、
    記第一の信号と前記第二の信号とを含む合成信号を送信する第一の通信部と、を有し、
    前記出力装置は、
    前記第一の通信部が送信した前記合成信号を受信する第二の通信部と、
    前記合成信号に含まれる前記第一の信号と、前記第二の信号を抽出する抽出部と、
    前記第一の信号を音声信号に変換し、前記第二の信号を心拍信号に変換する変換部と、
    前記音声信号から前記音声情報を出力する音声出力部と、
    前記心拍信号から心拍情報を算出する算出部と、
    前記算出部が算出した心拍情報を表示する表示部と、を有する、
    心拍検出システム。
  2. ユーザの音声情報と心拍情報を検出する検出装置と、前記検出装置と通信を行う出力装置からなる心拍検出システムであって、
    前記検出装置は、
    前記ユーザの音声情報を第一の信号に変換し、前記ユーザの心拍情報を第二の信号に変換する骨伝導マイクと、
    記第一の信号と前記第二の信号とを抽出する抽出部と、
    前記第一の信号を音声信号に変換し、前記第二の信号を心拍信号に変換する変換部と、
    前記音声信号と前記心拍信号とを含んだ信号を送信する第一の通信部と、を有し、
    前記出力装置は、
    前記第一の通信部が送信した前記信号を受信する第二の通信部と、
    前記音声信号から前記音声情報を出力する音声出力部と、
    前記心拍信号から心拍情報を算出する算出部と、
    前記算出部が算出した心拍情報を表示する表示部と、を有する、
    心拍検出システム。
  3. ユーザの音声情報と心拍情報を検出する検出装置と、前記検出装置と通信を行う出力装置からなる心拍検出システムであって、
    前記検出装置は、
    前記ユーザの音声情報を第一の信号に変換し、前記ユーザの心拍情報を第二の信号に変換する骨伝導マイクと、
    記第一の信号と前記第二の信号とを抽出する抽出部と、
    前記第一の信号を音声信号に変換し、前記第二の信号を心拍信号に変換する変換部と、
    前記心拍信号から心拍情報を算出する算出部と、
    前記音声信号と前記心拍情報とを含んだ信号を送信する第一の通信部と、を有し、
    前記出力装置は、
    前記第一の通信部が送信した前記信号を受信する第二の通信部と、
    前記音声信号から前記音声情報を出力する音声出力部と、
    前記第二の通信部が受信した心拍情報を表示する表示部と、を有する、
    心拍検出システム。
  4. 前記骨伝導マイクは前記ユーザの体表面の厚み方向への変位を前記第一の信号と前記第二の信号とを含む合成信号に変換し、前記第一の信号は、前記合成信号の第一の周波数成分であり、前記第二の信号は、前記合成信号の第二の周波数成分である、
    請求項1~3のいずれかに記載の心拍検出システム。
  5. 前記算出部は、前記心拍信号を入力し、
    前記心拍信号が前記心拍信号の最大値の50パーセント以上である第一の値より小さい値から前記第一の値以上に変化する時点、または、前記心拍信号が前記第一の値より大きい値から前記第一の値以下に変化する時点のいずれか一方である第一の時点を複数検出し、
    前記心拍信号が前記第一の値より小さい第二の値より大きい値から前記第二の値以下に変化する第二の時点を複数検出し、
    前記第一の時点直後の前記第二の時点である第一の検出点を複数検出し、
    前記複数の第一の検出点の間隔に基づいて前記心拍信号の周期を求める、
    請求項1~3のいずれかに記載の心拍検出システム。
  6. 前記算出部は、前記心拍信号を入力し、
    前記心拍信号が前記心拍信号の最小値の50パーセント以下である第三の値より小さい値から前記第三の値以上に変化する時点、または、前記心拍信号が前記第三の値より大きい値から前記第三の値以下に変化する時点のいずれか一方である第三の時点を複数検出し、
    前記心拍信号が前記第三の値より大きい第四の値より小さい値から前記第四の値以上に変化する第四の時点を複数検出し、
    前記第三の時点直後の前記第四の時点である第二の検出点を複数検出し、
    前記複数の第二の検出点の間隔に基づいて前記心拍信号の周期を求める、
    請求項1~3のいずれかに記載の心拍検出システム。
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