JP7402760B2 - タンク構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、低温液化ガス等を貯蔵する既設の地下タンクの施工領域に、新設のタンクを構築するタンク構築方法に関する。
地下タンクは、一般的に、地中に構築されるRC(Reinforced Concrete)側壁と、RC底版と、鋼製の屋根と、を含んで構成されている。このような地下タンクのなかには、新たなタンクへの更新(建て替え)が必要なものもある。そして、多くの場合、新たなタンク(新設のタンク)は、既設の地下タンクの施工領域で再び構築される。
既設の地下タンクの施工領域に、新設のタンクを構築するタンク構築方法の一例としては、特許文献1に開示されたタンク更新方法が知られている。このタンク更新方法(以下では、タンク構築方法という)では、屋根や躯体(RC側壁及びRC底版)を含む既設の地下タンクの全体を撤去した後に、新設のタンクを再び地下に構築している。
特開2018-9401号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたタンク構築方法では、既設の地下タンクの施工領域において、新設のタンクを構築するために、既設の地下タンクの全体を撤去する必要がある。そのため、既設の地下タンクの撤去にかかるコストと手数が多くなり、その工夫が求められている。
そこで、本発明は、既設の地下タンクの施工領域において、効率的に新設のタンクを構築可能なタンク構築方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、下端が地中に位置し上端が地上に位置する筒状の側壁と前記側壁の下端側開口を塞ぐ底版と前記側壁の上端側開口を塞ぐ屋根部とを有した既設の地下タンクの施工領域に、新設のタンクを構築するタンク構築方法が提供される。このタンク構築方法は、撤去工程と、基礎構築工程と、本体構築工程と、を含み、前記新設のタンクを地上に構築する。前記撤去工程は、少なくとも前記既設の地下タンクのうちの前記側壁の下端と上端の間に設定される所定の高さ位置よりも上方の部分を撤去し、少なくとも前記側壁のうちの前記所定の高さ位置よりも下方の側壁残余部及び前記底版を前記施工領域に残置する。前記基礎構築工程は、前記側壁残余部の上に前記新設のタンクの基礎を構築する。前記本体構築工程は、前記基礎の上に前記新設のタンクの本体を構築する。
前記一側面によるタンク構築方法によると、少なくとも側壁のうちの前記所定の高さ位置よりも下方の側壁残余部及び底版を残置しているため、既設の地下タンクの全体を撤去する必要がなく、撤去工事にかかるコストや手数を従来よりも低減させることができ、撤去工事の工期短縮及びコストダウンを図ることができる。そして、新設のタンクの基礎は、既設の地下タンクの側壁の一部である側壁残余部の上に構築されており、側壁残余部及び底版を含む地中の構造体により支持されることになる。したがって、新設のタンクを支持する支持構造体を、側壁残余部及び底版を含む地中の構造体を利用して構築することができるため、新設のタンクの基礎工事の工期短縮及びコストダウンをも図ることができる。このようにして、既設の地下タンクの施工領域において、効率的に新設のタンクを構築可能なタンク構築方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るタンク構築方法を適用する施工領域を含む地盤の縦断面図である。 前記タンク構築方法により構築された新設のタンクの縦断面図である。 前記タンク構築方法における撤去工程を説明するための概念図である。 前記撤去工程における側壁及び山留壁の切断位置を示した図である。 前記撤去工程が完了した状態を示した図である。 前記タンク構築方法における内側補強構造体と外側補強構造体を構築する工程を説明するための概念図である。 前記タンク構築方法における埋め戻し工程を説明するための概念図である。 前記タンク構築方法における基礎構築工程を説明するための概念図である。 前記内側補強構造体と外側補強構造体の変形例を説明するための図である。 図9に示すA-A矢視の断面図である。 前記側壁及び前記山留壁と前記基礎との接続構造の変形例を説明するための図である。 図11に示すB部の拡大図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るタンク構築方法を適用する施工領域を含む地盤Gの縦断面図である。図2は、本実施形態に係るタンク構築方法により、図1に示した施工領域に構築された新設のタンク100の縦断面図である。
図1に示した施工領域には、地下タンク1が既に構築されている。前記タンク構築方法は、この既設の地下タンク1の施工領域において、新設のタンク100を地上に構築するための方法である。
まず、既設の地下タンク1について説明する。
既設の地下タンク1は、LNG、LPGといった低温液化ガス等を貯蔵するタンクであり、その大半の部分が地中に埋設されている。特に限定されるものではないが、地下タンク1は、例えば、最大貯留容量6万KL、内径60m程度、外径70m程度で構築されている。
本実施形態では、地下タンク1は山留壁2の内側で構築されている。山留壁2は、例えば、地盤G内に円筒状に構築された鉄筋コンクリート製の地中連続壁(RC地中連続壁)からなる。RC地中連続壁からなる山留壁2は、土留めとして地盤Gの崩落を防ぐ機能と止水機能とを有している。また、山留壁2は、例えば、地下タンク1が構築される前の施工地盤面G0(施工基準面)から地下タンク1の床付け深度以深まで構築されている。図1及び図2に示すように、不透水層(難透水層)G1が地下タンク1の床付け深度以深の適度な深度に存在している場合には、山留壁2の下端部を不透水層(難透水層)G1まで到達させるとよい。そして、本実施形態では、既設の地下タンク1は、地中連続壁(山留壁2)を支持壁として、掘削と側壁の構築を繰り返す、いわゆる連壁逆巻き工法で構築されていたものとする。
地下タンク1は、鉄筋コンクリート製の筒状の側壁3(RC側壁)と、側壁3と一体に形成される鉄筋コンクリート製の底版4(RC底版)と、鋼製の屋根部5と、を有している。
側壁3は、円筒状に形成され、地盤Gにおいて上下方向に延伸しており、その下端が地中に位置し、その上端が地上に位置している。つまり、側壁3の上端が地上で露出している。そして、側壁3は山留壁2の内周面に沿って形成されており、側壁3の外周面は山留壁2の内周面に接触している。
本実施形態では、地下タンク1における側壁3の周囲の地表面側の部分には、盛土Mが例えば環状になされている。具体的には、つまり、地下タンク1の側壁3の近傍の地表面が、地下タンク1が構築される前の施工地盤面G0よりも一段高くなっている。そして、本実施形態では、側壁3の上端が、盛土Mの表面よりも上方に突出している(つまり、地上に位置している)。地下タンク1の構築時に、山留壁2の内部が掘削されており、例えば、この掘削により生じた土砂が盛土Mとして用いられている。
底版4は、その周縁部にて側壁3の下端と一体につながっており、側壁3の下端側開口を塞いでいる。また、底版4の直下の地盤には、集水層6が形成され、ここに地下水が集められ、図示しないポンプにより適宜排出されるように構成されている。
地下タンク1の躯体(外槽)は、側壁3と底版4とにより構成されている。この地下タンク1の躯体の内側には、側部メンブレン7及び底部メンブレン8などにより構成された内槽が配置されている。地下タンク1の側部メンブレン7及び底部メンブレン8は、薄い鋼板(例えばSUS304)からなり、側壁3の内周面及び底版4の上面に、側部断熱材9及び底部断熱材10を介して、被着されている。このように、地下タンク1の内槽は、側部メンブレン7と底部メンブレン8と側部断熱材9と底部断熱材10とを有している。
屋根部5は、球面状に形成された鋼製部材からなり、側壁3の上端側開口を塞ぐものである。屋根部5は、側壁3の上に配置されており、地上に露出している。なお、図示を省略したが、地下タンク1には、ポンプや配管といった配管類等も備えられている。
次に、新設のタンク100について詳述する。
新設のタンク100は、既設の地下タンク1の施工領域において、地上に構築されるものである。以下では、タンク100を地上タンク100と呼ぶ。
本実施形態では、地上タンク100は、地下タンク1よりも大容量の最大貯留容量を有している。特に限定されるものではないが、地上タンク100は、例えば、最大貯留容量23万KL、内径80m程度、外径90m程度で構築されており、地下タンク1の外径よりも大きな外径で構築されているものとする。
地上タンク100は、例えば、外槽タンク20と内槽タンク30とを有した二重構造タイプのタンクである。
外槽タンク20は、底版21(基礎)と、側壁22と、外槽屋根部23と、を有している。なお、本実施形態では、地上タンク100の底版21が本発明に係る「基礎」に相当し、外槽タンク20のうちの側壁22及び外槽屋根部23と内槽タンク30とが本発明に係る「本体」に相当するものとする。
底版21は、円板状の鉄筋コンクリートからなり、地上タンク100の基礎スラブをなすものであり、RC底版とも呼ばれる。底版21は、地盤G上で一部埋設されて配置されている。詳しくは、底版21の下面は、施工地盤面G0よりも所定深さ分だけ低い位置(例えば、1m低い位置、つまり、GL-1m)に位置している。なお、本実施形態では、この底版21は、後述するように、地下タンク1の一部を含む支持構造体200(主構造体50、内側補強構造体60及び外側補強構造体70)により支持されている。
側壁22は、円筒状に形成され、地上タンク100の防液堤をなすものである。側壁22は、例えば、底版21の外径と同程度の外径を有する円筒状のプレストレスコンクリート(Pre-stressed Concrete)からなり、PC側壁やPC防液堤とも呼ばれる。
外槽屋根部23は、球面状に形成された鋼製部材からなり、側壁22の上端側開口を塞ぐものである。
内槽タンク30は、内槽底板31と、内槽側壁32と、内槽屋根部33と、を有しており、いずれも鋼製部材からなる。
内槽底板31は、側壁22の内径より小さい外径の円板状に形成され、例えば鋼板からなる。
内槽側壁32は、円筒状に形成され、例えば鋼板からなる。内槽側壁32の下端部は、内槽底板31の外縁部に溶接されている。
内槽屋根部33は、球面状に形成された鋼製部材からなり、内槽側壁32の上端側開口を塞ぐものである。
外槽タンク20(底版21、側壁22及び外槽屋根部23)と内槽タンク30(内槽底板31、内槽側壁32及び内槽屋根部33)との間には、例えば1m程度の厚さの断熱材(保冷材)41~43が配置される。詳しくは、底版21と内槽底板31との間に、底部保冷用の底部断熱材41が配置され、側壁22と内槽側壁32との間に、側部保冷用の側部断熱材42が配置され、外槽屋根部23と内槽屋根部33との間に、屋根部保冷用の屋根部断熱材43が配置される。
なお、図示を省略したが、地上タンク100には、ポンプや配管といった配管類等も備えられている。以上のような新設の地上タンク100はPC金属二重殻地上タンクとも呼ばれ、以下に説明するタンク構築方法により構築される。
次に、本実施形態におけるタンク構築方法について説明する。
前記タンク構築方法は、既設の地下タンク1の施工領域において、新設の地上タンク100を構築するための方法であり、タンク更新方法又はタンク建て替え方法ともいえる。
本実施形態では、前記タンク構築方法は、撤去工程と、内側補強工程と、外側補強工程と、埋め戻し工程と、基礎構築工程と、本体構築工程と、を含む。
[撤去工程]
まず、図3~図5を参照して、前記撤去工程について説明する。図3~図5はそれぞれ前記撤去工程を説明するための概念図であり、図3は盛土Mを撤去(一時退避)した状態を、図4は側壁3及び山留壁2(地中連続壁)の切断位置を、図5は前記撤去工程が完了した状態を示している。
前記撤去工程は、少なくとも地下タンク1のうちの側壁3の下端と上端の間に設定される所定の高さ位置よりも上方の部分(つまり、側壁3の上端側の部分と屋根部5とを含む部分)を撤去する工程である。前記所定の高さ位置(切断位置)は、図4に点線で示されており、施工地盤面G0を基準にすると、施工地盤面G0よりも所定深さ分だけ低い位置(例えば、1m低い位置、つまり、GL-1m)に設定されている。
本実施形態では、前記撤去工程では、側壁3の上端側の部分と屋根部5とを含む部分の撤去だけでなく、地下タンク1の周囲の盛土Mの撤去(一時退避)と、山留壁2の上端側の部分の撤去と、地下タンク1の内槽(側部メンブレン7、底部メンブレン8、側部断熱材9、底部断熱材10等)及び地下タンク1内の前記配管類(図示省略)の撤去も行う。
具体的には、前記撤去工程では、まず、図3に示すように、地下タンク1の周囲の盛土Mを、重機等により地下タンク1の施工領域の近傍(つまり構内)に退避させて仮置きする。そして、例えば、この盛土Mの撤去の際に、山留壁2の周囲の地盤Gを、施工地盤面G0よりも1m低い位置(つまり、GL-1m)まで円環状に掘削し、地上タンク100の底版21の床付け面の一部を予め形成する。つまり、前記所定の高さ位置は、図4に点線で示したように、施工地盤面G0を基準にすると、地上タンク100の底版21の床付け深度(GL-1m)に合わせて設定される。
そして、図4に示すように、地下タンク1の屋根部5、前記内槽及び前記配管類を撤去する。その後、山留壁2(地中連続壁)の外周面における前記所定の高さ位置に、カッターを用いて、全周に亘って水平方向に切れ目を入れる。同様に、側壁3の内周面における前記所定の高さ位置にも全周に亘って水平方向に切れ目を入れる。
その後、図5に示すように、山留壁2及び側壁3における前記所定の高さ位置(切れ目)より上方の部分を壊す(斫り取る)。この時、例えば、前記切れ目よりも上方の山留壁2及び側壁3内の鉛直方向鉄筋(図示省略)が残るように、山留壁2及び側壁3の端部を斫る。これにより、前記撤去工程が完了する。
このようにして、前記撤去工程は、少なくとも地下タンク1のうちの側壁3の下端と上端の間に設定される前記所定の高さ位置よりも上方の部分を撤去することで、少なくとも側壁3のうちの前記所定の高さ位置よりも下方の側壁残余部3a(つまり、側壁3のうちの撤去されずに残った余りの下側の部分)及び底版4を地下タンク1の施工領域に残置する。
また、本実施形態では、前記撤去工程は、山留壁2における前記所定の高さ位置よりも上方の部分を撤去し、山留壁2のうちの前記所定の高さ位置よりも下方の山留壁残余部2a(つまり、山留壁2のうちの撤去されずに残った余りの下側の部分)を地下タンク1の施工領域に残置することを含んでいる。
本実施形態では、新設の地上タンク100を支持する支持構造体200の主要部は、前記撤去工程により地中に残置された山留壁残余部2a、側壁残余部3a及び底版4からなる主構造体50により構成されている。
ここで、新設する地上タンク100の重量や、主構造体50の強度や、既設の地下タンク1の底版4の下方の地盤Gの地耐力等を考慮すると、主構造体50だけで、地上タンク100を安全に支持することが困難な場合も想定される。本実施形態では、主構造体50だけで地上タンク100を安全に支持することが困難であるものとし、以下で詳述するように、主構造体50による支持を補強するための内側補強構造体60及び外側補強構造体70を構築している。つまり、本実施形態では、支持構造体200は主構造体50と内側補強構造体60と外側補強構造体70とにより構成されている。
図6は、内側補強構造体60と外側補強構造体70を構築する工程(内側補強工程及び外側補強工程)を説明するための概念図である。
[内側補強工程]
前記内側補強工程は、側壁残余部3aの内側の領域に、新設の地上タンク100の底版21(基礎)の支持を補強する内側補強構造体60を構築する工程である。つまり、内側補強構造体60は、側壁残余部3aの内側において底版21を下方から支持するものである。本実施形態では、内側補強構造体60は、それぞれ上下方向に延伸する複数の内側杭61により構成される。内側杭61は、例えば、施工地盤面G0よりも1m低い位置(つまり、GL-1m)から地下タンク1の底版4まで延在している。内側杭61としては、例えば、円柱状に形成された鉄筋コンクリートの支柱(RC柱)が用いられる。内側杭61の平面的な配列箇所は、新設の地上タンク100の底版21の大きさ等を考慮して決定され、内側杭61の構築本数は、地上タンク100の重量や主構造体50の強度や地下タンク1の底版4の下方の地盤Gの地耐力等を考慮して決定される。
[外側補強工程]
前記外側補強工程は、側壁残余部3a(具体的には山留壁残余部2a)の外側の地盤Gの領域に、新設の地上タンク100の底版21(基礎)の支持を補強する外側補強構造体70を構築する工程である。つまり、外側補強構造体70は、側壁残余部3aの外側において底版21を下方から支持するものである。構築予定の底版21の外縁部は、上方から視た平面視で、側壁残余部3a(具体的には山留壁残余部2a)の外周面より外側に張り出している。本実施形態では、外側補強構造体70は、山留壁残余部2aの外周面よりも径方向外側且つ構築予定の底版21の外縁部の下方)で、それぞれ上下方向に延伸する複数の外側杭71により構成されている。複数の外側杭71は、互いに山留壁残余部2aの周方向に間隔を空けて配置され、山留壁残余部2aの周囲を取り囲んでいる。各外側杭71は、例えば、施工地盤面G0よりも1m低い位置(GL-1m)から地下タンク1の床付け深度以深まで構築される。外側杭71としては、例えば、鋼管杭やPHC杭が用いられる。外側杭71の平面的な配列箇所や構築本数は、内側杭61と同様に、新設の地上タンク100の底版21の大きさや重量等を考慮して決定される。
[埋め戻し工程]
図7は、前記埋め戻し工程を説明するための概念図である。
前記埋め戻し工程は、側壁残余部3aの内側の領域(空間)を埋め戻す工程である。側壁残余部3aの内側の領域の埋め戻し材としては、所定の材料、部材を用いることができる。この埋め戻し材は、例えば、施工地盤面G0よりも1m低い位置(GL-1m)まで充填されている。これにより、構築予定の底版21の床付け面Sが形成される。
本実施形態では、前記埋め戻し工程は、埋め戻し材として、構内に仮置きした盛土M(つまり、現地発生土)の少なくとも一部を用いる。また、埋め戻し材としては、盛土Mだけでなく、前記撤去工程において撤去された、山留壁2や側壁3の上端側の部分を粉砕して得たガラ(コンクリートのガラ)を混入させてもよい。
[基礎構築工程]
図8は、前記基礎構築工程を説明するための概念図である。
前記基礎構築工程は、側壁残余部3aの上に新設の地上タンク100の底版21(基礎)を構築する工程である。
本実施形態では、前記基礎構築工程は、底版21の外縁部が側壁残余部3a(具体的には山留壁残余部2a)の外周面より外側に張り出すように、底版21を構築する。そして、前記基礎構築工程は、側壁残余部3a及び山留壁残余部2aの上に底版21を構築する。具体的には、底版21の下面は、それぞれ鉄筋が突出している側壁残余部3aの上端面及び山留壁残余部2aの上端面に接触している。
具体的には、底版21は、施工地盤面G0よりも低い床付け面S上に配置され、山留壁残余部2a、側壁残余部3a及び底版4からなる主構造体50を主要部とする支持構造体200により下方から支持される。また、山留壁残余部2aの上端面及び側壁残余部3aの上端面には、鉛直方向鉄筋(図示省略)が1m程度突出して残っており、この鉄筋を底版21の下面に嵌入させる。本実施形態では、図示省略したが、内側杭61(内側補強構造体60)及び外側杭71(外側補強構造体70)のそれぞれの上端面(杭頭)からも、鉄筋が上方に突出しており、これらの鉄筋も底版21の下面に嵌入させる。これにより、底版21(地上タンク100)の水平方向の移動を規制する。
[本体構築工程]
前記本体構築工程は、底版21の上に新設の地上タンク100の本体を構築する工程である。本体とは、主に外槽タンク20のうちの側壁22及び外槽屋根部23と内槽タンク30である。前記本体構築工程は、底版21の上に側壁22(防液堤)を構築し、その後、側壁22の内側で、内槽タンク30の構築工事と、外槽屋根部23の取り付け工事と、各断熱材(41~43)の敷設工事と、配管類の工事とを行う。これにより、前記本体構築工程が完了し、図1に示す地上タンク100が完成する。
かかる本実施形態によるタンク構築方法によると、少なくとも側壁3のうちの前記所定の高さ位置よりも下方の側壁残余部3a及び底版4を残置しているため、既設の地下タンク1の全体を撤去する必要がなく、撤去工事にかかるコストや手数を従来よりも低減させることができ、撤去工事の工期短縮及びコストダウンを図ることができる。そして、新設の地上タンク100の基礎(底版21)は、既設の地下タンク1の側壁3の一部である側壁残余部3aの上に構築されており、側壁残余部3a及び底版4を含む地中の構造体(主構造体50)により支持されることになる。したがって、新設の地上タンク100を支持する支持構造体200を、側壁残余部3a及び底版4を含む地中の構造体(主構造体50)を利用して構築することができるため、新設の地上タンク100の基礎工事の工期短縮及びコストダウンをも図ることができる。このようにして、既設の地下タンクの施工領域において、効率的に新設のタンクを構築可能なタンク構築方法を提供することができる。
本実施形態では、前記基礎構築工程では、底版21の外縁部が側壁残余部3aの外周面より外側に張り出すように、底版21を構築している。これにより、既設の地下タンク1の大きさ及び形状に左右されずに、既設の地下タンク1よりも大型の地上タンク100を容易に構築することができる。
本実施形態では、前記タンク構築方法は、内側補強構造体60と外側補強構造体70を構築する工程(前記内側補強工程、前記外側補強工程)を含んでいる。これにより、主構造体50だけでは、新設の地上タンク100に対する支持力を確保することが困難な現場においても、側壁残余部3aの内外において、不足分の支持力を確保する補強構造体(60、70)を柔軟に構築することができる。
本実施形態では、既設の地下タンク1は山留壁2の内側で構築されており、前記撤去工程では、山留壁2については山留壁残余部2aを残置し、前記基礎構築工程では、側壁残余部3a及び山留壁残余部2aの上(上端部)に底版21を構築している。これにより、側壁3の一部及び底版4だけでなく、山留壁2の一部をも、主構造体50(支持構造体200)に利用することができ、新設の地上タンク100の基礎工事の工期短縮及びコストダウンを、より効果的に図ることができる。
本実施形態では、前記タンク構築方法は、側壁残余部3aの内側の領域を埋め戻す埋め戻し工程を更に含んでいる。これにより、強固な支持構造体200を容易に構築することができると共に、底版21用の大面積の床付け面Sを容易に形成することができる。また、前記撤去工程において発生するコンクリートのガラを、埋め戻し材に混入することもでき、構外で処分する廃棄物の量を最小化することができる。
本実施形態では、前記埋め戻し工程は、側壁残余部3aの内側の領域の埋め戻し材として、既設の地下タンク1における側壁3の周囲の盛土Mの少なくとも一部を用いている。これにより、埋め戻し工事(工程)における埋め戻し材の材料費や運搬費等のコストダウンを図ることができる。また、盛土Mを元の場所に埋め戻すことにより、地上側において盛土Mとして占有していた空間を有効利用することができるとともに、盛土Mの構外処分が不要となる。
なお、本実施形態では、内側補強構造体60は複数の内側杭61により構成され、外側補強構造体70は複数の外側杭71により構成されるものとしたが、これに限らず、例えば、図9に示すように、内側補強構造体60及び外側補強構造体70のそれぞれとして、リブ構造を採用してもよい。
具体的には、内側補強構造体60は複数の内側リブ62(内側片持ち梁)により構成され、外側補強構造体70は複数の外側リブ72(外側片持ち梁)により構成されてもよい。詳しくは、図9に示すA-A矢視の断面図である図10に示すように、複数の内側リブ62は、側壁残余部3aの内周面の上端部において周方向に間隔を空けて設けられており、それぞれ、側壁残余部3aの内周面から内向きに張り出すように形成されている。複数の外側リブ72は、山留壁残余部2aの外周面の上端部において周方向に間隔を空けて設けられており、それぞれ、山留壁残余部2aの外周面から外向きに張り出すように形成されている。また、周方向について、内側リブ62の構築箇所と外側リブ72の構築箇所は合わせられている。これにより、補強構造体(60、70)を地中深くまで構築することなく、地表面側において容易に構築することができる。図9及び図10では、各内側リブ62はその一端が側壁残余部3aの内周面に固定されたいわば片持ち梁であるが、これに限定されるものではない。図示省略するが、各内側リブ62は、例えば、側壁残余部3aの内径全体に亘って延びた両端固定梁であってもよい。
また、埋め戻し材により内部が埋め戻された主構造体50だけで、新設の地上タンク100に対する支持力を確保することが可能な場合には、図11に示すように、内側補強構造体60と外側補強構造体70を構築しなくてもよい。また、主構造体50だけで、十分な支持力を確保できる場合等には、側壁残余部3aの内側の領域を埋め戻さなくてもよく、前記埋め戻し工程は不要である。
また、前記基礎構築工程では、側壁残余部3aの上端面及び山留壁残余部2aの上端面から突出した鉄筋を底版21の下面に嵌入させることで、底版21(地上タンク100)の水平方向の移動を規制したが、水平方向の移動の規制構造はこれに限らない。例えば、前記基礎構築工程は、図11に示すように、側壁残余部3aの上端部及び山留壁残余部2aの上端部が嵌め込まれる環状の溝部21a(嵌合部)を、底版21の下面に形成することを含んでもよい。溝部21aを形成する場合は、前記撤去工程において、鉛直方向鉄筋も含めて撤去され、鉄筋は側壁残余部3aの上端面及び山留壁残余部2aの上端面から突出させず、側壁残余部3aの上端面及び山留壁残余部2aの上端面はモルタル等により平滑に仕上げられる。そして、前記基礎構築工程では、例えば、溝部21aの深さ分だけ底版21を厚く形成し、側壁残余部3aの上端部及び山留壁残余部2aの上端部を溝部21aに嵌め込むことにより、底版21を側壁残余部3a及び山留壁残余部2aの上に構築する。これにより、底版21の水平方向の移動が規制される。
そして、底版21の下面に溝部21aを形成する場合は、図11に示すB部の拡大図である図12に示すように、溝部21aの底面及び内側面と側壁残余部3aの上端部及び山留壁残余部2aの上端部との間の隙間に、ゴム板24を敷き詰めるとよい。これにより、例えば、温度変化等に起因する底版21の水平方向についての伸縮量が多い場合等において、その伸縮変位が支持構造体200(主構造体50)に伝達されることを効果的に抑制することができる。
また、前記埋め戻し工程では、側壁残余部3aの内側の領域の埋め戻し材として、盛土Mや前記撤去工程において発生したコンクリートのガラを用いたが、これに限らない。例えば、埋め戻し材として、プレパックドコンクリートや改良土(マメイドロック)を用いてもよい。また、既設の底版4の下方の地盤Gの地耐力に余裕がないため、埋め戻し材の重量を軽減させる必要がある場合がある。このような場合には、埋め戻し材として、モルタルに発砲させた気泡を混入させて作られたエアモルタル等の軽量化された材料を用いるとよい。
また、山留壁2は地中連続壁であり、既設の地下タンク1はいわゆる連壁逆巻き工法で構築されていたものとしたが、地下タンク1の工法はこれに限らない。例えば、地下タンク1は、いわゆるオープンケーソン工法(つまり、側壁を予め地上で構築し、鋼矢板遮水壁内で、掘削と側壁の沈下を繰り返す工法)で構築されていてもよい。この場合、山留壁2は鋼矢板遮水壁である。
以上、本発明の好ましい実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は上記実施形態及び上記変形例に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。
1…既設の地下タンク、
2…山留壁(地中連続壁)、
2a…山留壁残余部、
3…側壁、
3a…側壁残余部、
4…底版、
5…屋根部、
21…底版(基礎)、
22…側壁(本体)、
23…外槽屋根部(本体)、
30…内槽タンク(本体)、
60…内側補強構造体、
70…外側補強構造体、
100…地上タンク(新設のタンク)、
M…盛土

Claims (8)

  1. 下端が地中に位置し上端が地上に位置する筒状の側壁と前記側壁の下端側開口を塞ぐ底版と前記側壁の上端側開口を塞ぐ屋根部とを有した既設の地下タンクの施工領域に、新設のタンクを構築するタンク構築方法であって、
    少なくとも前記既設の地下タンクのうちの前記側壁の下端と上端の間に設定される所定の高さ位置よりも上方の部分を撤去し、少なくとも前記側壁のうちの前記所定の高さ位置よりも下方の側壁残余部及び前記底版を前記施工領域に残置する撤去工程と、
    前記側壁残余部の上に前記新設のタンクの基礎を構築する基礎構築工程と、
    前記基礎の上に前記新設のタンクの本体を構築する本体構築工程と、
    を含み、前記新設のタンクを地上に構築するタンク構築方法。
  2. 前記基礎構築工程は、前記基礎の外縁部が前記側壁残余部の外周面より外側に張り出すように、前記基礎を構築する、請求項1に記載のタンク構築方法。
  3. 前記側壁残余部の外側の領域に、前記基礎の支持を補強する外側補強構造体を構築する外側補強工程を、更に含む、請求項2に記載のタンク構築方法。
  4. 前記側壁残余部の内側の領域に、前記基礎の支持を補強する内側補強構造体を構築する内側補強工程を、更に含む、請求項1~3のいずれか一つに記載のタンク構築方法。
  5. 前記既設の地下タンクは山留壁の内側で構築されており、
    前記撤去工程は、前記山留壁における前記所定の高さ位置よりも上方の部分を撤去し、前記山留壁のうちの前記所定の高さ位置よりも下方の山留壁残余部を前記施工領域に残置することを含み、
    前記基礎構築工程は、前記側壁残余部及び前記山留壁残余部の上に前記基礎を構築する、請求項1~4のいずれか一つに記載のタンク構築方法。
  6. 前記基礎構築工程は、前記側壁残余部の上端部及び前記山留壁残余部の上端部が嵌め込まれる環状の溝部を、前記基礎の下面に形成することを含む、請求項5に記載のタンク構築方法。
  7. 前記側壁残余部の内側の領域を埋め戻す埋め戻し工程を、更に含む、請求項1~6のいずれか一つに記載のタンク構築方法。
  8. 前記既設の地下タンクにおける前記側壁の周囲の地表面側の部分には、盛土がなされており、
    前記埋め戻し工程は、前記側壁残余部の内側の領域の埋め戻し材として、前記盛土の少なくとも一部を用いる、請求項7に記載のタンク構築方法。
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