JP6584979B2 - 地下タンク構造の構築方法、地下タンク構造 - Google Patents

地下タンク構造の構築方法、地下タンク構造 Download PDF

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Description

本発明は、地下タンク構造の構築方法および地下タンク構造に関する。
LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)などの低温液化ガスを貯留する設備として地下タンクがある。図9に地下タンク100の概略を示す。地下タンク100は、鉄筋コンクリート製の略円筒状の地中連続壁30を山留として内部の施工地盤21を掘削し、躯体の構築を行った地下構造物である。施工地盤21の掘削により生じる掘削土は、盛土材22として地中連続壁30の頭部32および頭部32の外側の施工地盤21の上に配置される。
地下タンク100の躯体は、鉄筋コンクリート製の底版11と側壁12、および鋼製屋根13から構成されることが一般的である。側壁12は底版11上に略円筒状に形成され、底版11や側壁12の内面には断熱材やメンブレン(不図示)なども設置される。また底版11の下方に、底版下の水位のコントロールのため砕石等による集水層が設けられることもある。
最近では、地下タンク100の大型化に伴って、地中連続壁30の頭部32の上方の盛土材22の重量を、地中連続壁30とタンク躯体の摩擦または接続治具等を介して地下タンク100の浮力に抵抗する力として組み入れることが多くなっている(特許文献1〜4参照)。地中連続壁30の頭部32にフランジ部分を設けて平面積を大きくすることで、広範囲の盛土材22の重量を浮力に対する抵抗力とできる。
地中連続壁30の頭部32は、地中連続壁30の構築時のガイドウォール(以下、GWということがある)を利用して形成することができる。すなわち、地中連続壁30は、地下タンク100の周方向に連続するように施工地盤21に設けた内外一対のGWの間で施工地盤21を掘削し、掘削箇所に鉄筋籠の建込みとコンクリートの打設を行うことで構築されるが、この時外側のGWを頭部32のフランジ部分に利用することができる。図9の32aはこのGWを示している。
具体的な手順としては、まず図10(a)に示すように施工地盤21を一定深さまで掘削し、掘削部211において、内側のGWの底板321と縦壁322、および外側のGW32aの構築を行う。これらは型枠の設置および配筋を行った後、コンクリートを場所打ちして構築される。GW32aの構築時には、カプラー(不図示)などもGW32aに埋設される。また縦壁322は底板321の完成後に構築する。
掘削部211の底幅は、型枠設置、配筋などの作業スペースも考慮して底板321とGW32aの構築範囲よりも内外に1m程度広くしている。施工地盤21の掘削に伴う掘削土は一旦仮置き場に仮置きして管理し、次の工程での埋戻しに用いる。
続いて、図10(b)に示すように、施工地盤21の掘削部211を、施工地盤21の掘削時に生じた掘削土212によって埋戻す。内側のGWに当たる位置では縦壁322の頂部より若干低い位置まで埋戻しを行い、その位置で図10(c)に示すように内側のGWの頂板323を底板321等と同様に構築する。底板321と縦壁322、および頂板323により、内側のGW32bが略コの字状に形成される。
GWの断面形状は色々あるが、図10(c)に示すように、外側のGW32aに略矩形状のものが、内側のGW32bに略コの字状のものが多く用いられる。また内外のGW32a、32bは場所打ちコンクリートによってほぼ同時に施工するのが一般的である。
この後、掘削機によって内外のGW32a、32bの間の掘削土212およびその下方の施工地盤21を板状に掘削し、掘削箇所に図10(d)に示すように地中連続壁30を構築する。さらにGW32a、32bの間にも地下タンク100の周方向に連続してコンクリートを打設し、地中連続壁30と連続するコンクリート部32cを構築する。このコンクリートの打設時には、コンクリート部32cに埋設する鉄筋(不図示)を予めGW32aのカプラーと接続し配置しておく。
以上の手順の後、コンクリート部32cの内側の掘削土212とGW32bを取り除いて地中連続壁30の内側の施工地盤21を掘削し、床付地盤23上に図9に示す地下タンク100が構築される。コンクリート部32cと外側のGW32aは、地中連続壁30の頭部32を形成する。
特許第3886275号 特許第4328267号 特許第4829870号 特許第4904593号
20万KL、内径75mクラスの一般的な地下タンク100では、図10に示す内外のGW32a、32bの構築時の施工地盤21の掘削量が3000m3程度となり、掘削土212の仮置き場への運搬、掘削土212の埋戻し時の掘削部211への再運搬の負担が大きい。また、掘削開始から内外のGW32a、32bの構築、掘削土212の埋戻しに要する工事期間が長く、仮置き場での掘削土212の管理の負担も大きい。さらに、外側のGW32aのカプラー設置作業にも手間がかかる。
また、地下タンク100の構築時には地中連続壁30の内側の施工地盤21が掘削されるが、その掘削量は、上記した一般的な地下タンク100の例では約24万m3となり、その一部あるいは全部がタンク周りの盛土材22に使用される。これについても、仮置き場まで掘削土を運搬して一旦仮置きし、掘削土を仮置き場で管理して地下タンク100の底版11、側壁12の構築が完了した時点でタンク周りに掘削土を搬入し、側壁12を山留として盛土作業を行うことが必要になる。
さらに、この掘削土の仮置きには広大な仮置き場を要する。例えば上記の掘削土のうち約7.5万m3を盛土材22に用いるとしても、盛土材22の仮置き場としてはおよそ1.5万m2の広さと6m程度の高さが必要である。敷地内に広い空地があれば仮置き場の確保に特に問題はないが、敷地の狭い工場や、長年運用されている工場などでは敷地内に仮置き場の確保が難しく、構外に仮置き場を借地することが必要になり施工現場までの距離が遠くなるケースも多い。また、掘削土の仮置き期間は約2年と長期に渡り、降雨による掘削土の法面崩壊防止、草木の繁殖防止のためのシート養生など、長期に渡る掘削土の維持・管理が必要となる。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、埋戻土や盛土材の処理が簡単であり、施工も迅速にできる地下タンク構造の構築方法等を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための第1の発明は、地下タンク構造の構築方法であって、断面を略L字状または略U字状としたプレキャストブロックと場所打ちコンクリートを用いた内外のガイドウォールを地盤に構築する工程と、内外の前記ガイドウォールの間の地盤を掘削して掘削箇所に地中連続壁を構築する工程と、前記地中連続壁の内側の地盤を掘削して掘削箇所に地下タンクを構築する工程と、を有することを特徴とする地下タンク構造の構築方法である。
本発明では、GWの構築時にプレキャストブロックを用いることから、場所打ちコンクリートのみでGWを形成する場合に比べてGWの構築が小スペースかつ迅速にできるようになる。そのため、GWの構築時の地盤の掘削量を低減でき、また掘削土をGWの近傍に短期間だけ仮置きしてプレキャストブロックの設置後に埋戻すことが可能となり、掘削土(埋戻土)の運搬や管理の負担は小さい。またプレキャストブロックの断面は略L字状または略U字状なので、軽量であり長尺のものとすることもできる。
さらに、予め製作されたプレキャストブロックを現場に搬入して掘削を開始し、掘削した箇所からプレキャストブロックを順次設置することが可能であり、その後の工程も前工程を終えた箇所から順次連続して行える。そのためGW構築の工期が大きく短縮され、地中連続壁工事も早期に着手することができる。加えて、GWのプレキャストブロックには精度があまり要求されないので、地下タンクの建設ヤードで製作することも十分に可能であり、その場合には運搬費がほとんど掛からず、低コストとできる。
前記地中連続壁の内側を掘削した際の掘削土を、前記地中連続壁の頭部および前記頭部の外側の地盤の上に敷均して盛土材とし、前記地中連続壁の頭部は、外側の前記ガイドウォールによるフランジ部分を含むことが望ましい。
これにより、地中連続壁の頭部をフランジ状に好適に構築でき、広範囲の盛土材の重量を地下タンクの浮力に対する抵抗力として組み入れることができる。
前記地中連続壁の内側の地盤を掘削する前に、前記地中連続壁の頭部の上に壁体を構築し、前記掘削土は前記壁体の外側に敷均されることが望ましい。
このように、盛土時の山留となる壁体を予め構築しておくことにより、地下タンクの構築時に地盤を掘削する際に、掘削土を直接タンク周りの盛土材として用いることができ、盛土材の仮置き場が不要になる。結果、仮置き場と施工現場の間の盛土材の運搬や、仮置き場における盛土材の管理が不要になり、狭い敷地などにおいても地下タンクの構築が容易になる。さらに、この壁体は止水の役割を果たし、地下タンクの側壁と地中連続壁の頭部の間に特別の遮水構造、排水設備を設けなくとも、この部分に地下水が浸入することがない。そのため、地下水の凍結膨張により地下タンクの側壁や地中連続壁の頭部等が損傷することも無い。
また前記壁体を外型枠として用いてコンクリートを打設し、前記地下タンクの側壁を構築することが望ましい。
上記の壁体は地下タンクの側壁のコンクリート打設時の外型枠として用いることができ、側壁のコンクリート打設時に新たな型枠を準備する必要が無い。
前記地中連続壁の頭部は、前記地中連続壁を構築した後、前記地中連続壁の上部と連続するコンクリート部を構築し、前記コンクリート部と外側の前記ガイドウォールを一体化して形成され、外側の前記ガイドウォールに用いるプレキャストブロックには鉄筋接続部が予め埋設されており、前記コンクリート部を構築する前に、前記コンクリート部に埋設する鉄筋を前記鉄筋接続部に接続して外側の前記ガイドウォールに取付けることが望ましい。
地中連続壁の頭部は、地中連続壁に連続するコンクリート部と外側のガイドウォールを用いて形成できる。この時当該ガイドウォールに用いるプレキャストブロックに予めカプラーなどの鉄筋接続部を仕込んでおくことで現場での取付けが不要となり、鉄筋接続部を用いてコンクリート部等の配筋を容易に行うことができる。
外側の前記ガイドウォールは、前記プレキャストブロックと場所打ちコンクリートにより略矩形状に構成されることが望ましい。
これにより、地中連続壁の頭部の強度を確保し、盛土材の重量を地下タンクの浮力に対する抵抗力として好適に伝達することができる。
第2の発明は、地中連続壁と、前記地中連続壁の内側に設けられた地下タンクと、前記地中連続壁の頭部および前記頭部の外側の地盤の上に配置された盛土材と、を有し、前記地中連続壁の頭部は、断面を略L字状または略U字状としたプレキャストブロックとコンクリートが用いられたフランジ部分を外側に有することを特徴とする地下タンク構造である。
第2の発明の地下タンク構造では、前記地中連続壁の頭部の上に壁体が設けられ、前記壁体の外側に前記盛土材が配置されることが望ましい。
また、前記地中連続壁の頭部は、前記地中連続壁の上部と連続するコンクリート部と、前記プレキャストブロックとコンクリートによって形成されたフランジ部分とが一体化して形成され、前記プレキャストブロックに鉄筋接続部が埋設されており、前記コンクリート部に、前記鉄筋接続部に接続された鉄筋が埋設されていることが望ましい。
さらに、前記フランジ部分は、前記プレキャストブロックとコンクリートにより略矩形状に構成されることが望ましい。
本発明により、埋戻土や盛土材の処理が簡単であり、施工も迅速にできる地下タンク構造の構築方法等を提供することができる。
地下タンク構造1を示す図 地下タンク構造1の構築方法を示す図 ブロック331の設置について示す図 地下タンク構造1の構築方法を示す図 地下タンク構造1の構築方法を示す図 地下タンク構造1の構築方法を示す図 側壁12の構築について示す図 プレキャストブロック336、337、338を示す図 地下タンク100を示す図 GW32a、32b等の構築手順を示す図
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(1.地下タンク構造1)
図1は本発明の実施形態に係る地下タンク構造1の概略を示す図である。本実施形態の地下タンク構造1は、前記と同様、鉄筋コンクリート製の略円筒状の地中連続壁30を山留として内部の施工地盤21を掘削し、床付地盤23上に地下タンク10の構築を行ったものである。施工地盤21の掘削により生じる掘削土は、地中連続壁30の頭部33および頭部33の外側の施工地盤21の上に盛土材22として配置される。
地下タンク10は、LNGやLPG等の低温液化ガスを貯留するものであり、前記した地下タンク100と同様、鉄筋コンクリート製の底版11と側壁12、および鋼製屋根13から構成される。側壁12は底版11上に略円筒状に形成される。その他の前記した地下タンク100と同様の点については説明を省略する。
地中連続壁30も前記と同様であるが、本実施形態では、地中連続壁30の頭部33において、地中連続壁30より外側に突出するフランジ部分が、コンクリートによるプレキャストブロックを用いて形成される。なお、外側とは地下タンク10側に向かう方向と逆の方向をいうものとし、図1では右側に対応する。内側とは地下タンク10側に向かう方向をいうものとする。
また本実施形態では、地中連続壁30の頭部33の上に略円筒状の壁体34が設けられ、この壁体34を山留としてその外側に盛土材22が設けられる。
(2.地下タンク構造1の構築方法)
次に、本実施形態に係る地下タンク構造1の構築方法について説明する。本実施形態でも、地中連続壁30を構築する際、まず内外一対のGWを施工地盤21に構築する。ただし、本実施形態ではこれらのGWにプレキャストブロックおよび場所打ちコンクリートが用いられる。
すなわち、GWの構築時には、図2(a)に示すように施工地盤21を一定深さまで台形状に掘削して路床を転圧し、掘削部213において、図2(b)に示すようにプレキャストブロック(以下、ブロックということがある)331、332を配置する。
ブロック331は略U字状の断面を有し、外側に配置される。ブロック332は略L字状の断面を有し、内側に配置される。これらのブロック331、332は予め製作し現場に搬入したものを用いる。外側のブロック331において、ブロック332に面する側の縦壁には、鉄筋接続部としてカプラー331aが埋設されている。
掘削部213の底幅は、両ブロック331、332の設置範囲にほぼ対応する。すなわち、ブロック331の外側の端部からブロック332の内側の端部までが掘削部213の底幅であり、図10等の掘削部211に比べて狭いため掘削量が低減される。また、内外のブロック331、332の間にはスペーサとして支保材(幅止め材)40を配置する。
掘削部213は地下タンク10の周方向に沿って全周に渡り形成され、図3(a)、(b)に示すように、施工地盤21の掘削、路床転圧が終わった部分から順次ブロック331を設置できる。本実施形態では、場所打ちコンクリートのみによってGWを形成する場合のような型枠設置および配筋、コンクリートの打設と養生などの手順は不要である。
なお、図3(a)、(b)は図2(b)の線A−Aに沿った鉛直方向の断面を見たものであり、地下タンク10の周方向は図3(a)、(b)の左右方向に対応する。地下タンク10の周方向に隣り合うブロック331は、接合用プレートやボルト等の接合治具50を用いて接合される。以上は内側のブロック332についても同様である。
これらのブロック331、332の設置作業が地下タンク10の周方向に沿って所定距離完了した時点で、図2(c)に示すように、掘削部213を掘削した際の掘削土212によって掘削部213を埋戻す。埋戻しはブロック331の内部を除く部分で行う。前記の支保材40は埋戻し前に撤去されていてもよいし、そのままとしてもよい。そのままとする場合は、後述する工程で内外のGWの間の掘削土212を取り除く際に支保材40を撤去する。この場合には、支保材40として丸太などを使用することが好ましい。
埋戻しは外側のブロック331の頂面程度の高さまで行うが、内側のブロック332に当たる位置では、ブロック332の頂面より若干低い位置まで埋戻す。この位置では、地下タンク10の周方向および径方向の配筋を行い、図2(d)に示すようにコンクリートを地下タンク10の周方向に連続して打設して頂板334を構築する。このときコンクリートによって頂板334からさらに内側に連続する作業床を形成してもよい。なお、地下タンク10の周方向および径方向は、それぞれ図2の紙面法線方向と左右方向に対応する。
外側のブロック331についても、その内部に配筋を行った後、充填コンクリート333(以下、コンクリートという)を地下タンク10の周方向に連続して打設する。配筋時には、地下タンク10の径方向の鉄筋41をカプラー331aに接続して配置するとともに、地下タンク10の周方向の鉄筋(不図示)を複数のブロック331に渡って連続するように配置する。
コンクリート333は地下タンク10の周方向の複数のブロック331に渡って打設し、この時前記と同様コンクリート333によってブロック331から外側に連続する作業床を形成してもよい。コンクリート333は地下タンク10の全周のブロック331に渡って同時に打設することも可能であり、この場合には褄部型枠は不要であるが、地下タンク10の周方向の数区間に分けて打設する場合には区間端部に褄部型枠が必要となる。
以上の各工程は、前工程を終えた箇所から順次実施することができ、中断無く連続して行うことができる。これにより内外のGW33a、33bが地下タンク10の周方向に沿って全周に渡り構築される。外側のGW33aはブロック331と場所打ちコンクリート333によって断面が略矩形状に構成され、内側のGW33bはブロック332と頂板334により断面が略コの字状に構成される。
この後、地中連続壁30を構築するための掘削工事に入り、図2(d)に示す内外のGW33a、33bの間の掘削土212およびその下方の施工地盤21を掘削し、掘削箇所への鉄筋籠の建込みやコンクリートの打設等を行うことで、図4(a)に示すように地中連続壁30が構築される。地中連続壁30は地下タンク10の周方向に沿って略円筒状に構築され、GW33a、33bの間隔は地中連続壁30の厚さに比べ若干大きい。また図4(a)の例では地中連続壁30からGW33a、33bの間へと上方に鉄筋43を突出させている。
施工地盤21の掘削および地中連続壁30の構築の方法は特に限定されない。例えば地下タンク10の周方向に間隔を空けて短冊状に施工地盤21を掘削し、その掘削箇所にて先に地中連続壁30を構築した後、当該掘削箇所の間の施工地盤21を掘削して地中連続壁30の残りの部分を構築してもよい。
続いて、図4(b)に示すように地中連続壁30の上部と連続するコンクリート部33cを構築する。コンクリート部33cは、内外のGW33a、33bの間に配筋を行った後コンクリートを打設することで構築される。
配筋時には、地下タンク10の径方向の鉄筋であるアンカー筋42を外側のGW33aのブロック331のカプラー331aに接続してGW33aのブロック331に取付け、内外のGW33a、33bの間に配置する。GW33a、33bの間には、地下タンク10の周方向に連続した鉄筋(不図示)も配置される。さらに図の例では、上端部をGW33a、33bよりも上方まで延ばした鉛直方向の鉄筋44も配置される。これらの鉄筋はコンクリート部33cに埋設され、コンクリート部33cと外側のGW33aのブロック331はアンカー筋42によって一体化される。
次に、図5(a)に示すようにコンクリート部33cの上に続けて壁体34を構築する。壁体34は盛土材22(図1参照)の天端高さ付近に対応する位置まで立ち上げる。壁体34は地下タンク10の全周に渡って略円筒状に構築され、厚さは例えば25cm程度である。壁体34は鉄筋コンクリート製であり、型枠設置および配筋、コンクリートの打設等を行うことで構築できる。壁体34の下部には、先程説明した鉄筋44の上端部が埋設される。
この後、コンクリート部33cの内側の掘削土212とGW33bを取り除き、図5(b)に示すように地中連続壁30の内側の地盤を掘削する。図の24は掘削地盤であり、掘削途中の地盤天端を示す。掘削土は仮置きせず、壁体34を山留としてその外側に直接敷均し、転圧することで盛土材22とする。良質土を掘削する時のみ掘削土を盛土材22に用い、不良土は構外に搬出(捨土)することも可能である。
こうして地盤を所定深度まで掘削しながら盛土作業を進めてゆく。所定深度まで掘削を行った状態が図6であり、掘削土は盛土材22として壁体34の頂部まで配置される。
以下、上記所定深度まで掘削された掘削地盤24を床付地盤23とし、その上方に前記した地下タンク10を構築することで、図1に示す地下タンク構造1が構築される。一体化されたコンクリート部33cと外側のGW33aは地中連続壁30の頭部33を構成し、ブロック331を用いたGW33aは頭部33の外側のフランジ部分となる。これにより、頭部33の上方の広範囲の盛土材22の重量を、地中連続壁30とタンク躯体の壁面の摩擦または接続治具等を介して地下タンク10の浮力に抵抗する力として組み入れることができる。
なお、地下タンク10は従来と同様の方法で構築できるので詳細な説明は省略する。図7は地下タンク10の側壁12を構築した段階を示す図であり、側壁12の上部の一部分は、前記の壁体34を外型枠として、内型枠(不図示)との間で配筋およびコンクリートの打設を行うことで構築できる。地中連続壁30とタンク躯体の間で力の伝達を行うための接続治具として、地中連続壁30や側壁12の構築時にせん断キーなどのせん断力伝達機構を形成したり、鉄筋やジベルなどを用いて地中連続壁30と側壁12を連結し一体化するなどしてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、GW33a、33bの構築時にプレキャストブロック331、332を用いることから、場所打ちコンクリートのみでGWを形成する場合に比べてGW33a、33bの構築が小スペースかつ迅速にできるようになる。そのため、GW33a、33bの構築時の施工地盤21の掘削量を例えば2300m3程度と低減できる。また掘削土212はGW33a、33bの近傍に短期間だけ仮置きしてブロック331、332の設置後に埋戻すことが可能となり、掘削土212(埋戻土)の運搬や管理の負担は小さい。またブロック331、332の断面は略L字状または略U字状なので軽量であり、例えば5〜10m程度と長尺のものとすることもできる。
さらに、予め製作されたブロック331、332を現場に搬入して掘削を開始し、掘削した箇所からブロック331、332を順次設置することが可能であり、その後の作業も前工程を終えた箇所から順次連続して行える。そのためGW構築の工期が大きく短縮され、地中連続壁工事も早期に着手することができる。加えて、GW33a、33bのブロック331、332には精度があまり要求されないので、地下タンク10の建設ヤードで製作することも十分に可能であり、その場合には運搬費がほとんど掛からず、低コストとできる。
また本実施形態では、ブロック331を含んだGW33aによって地下タンク10の頭部33をフランジ状に好適に構築でき、広範囲の盛土材22の重量を地下タンク10の浮力に対する抵抗力として組み入れることができる。
また、盛土時の山留となる壁体34を予め構築しておくことにより、地下タンク10の構築時に施工地盤21を掘削する際に、掘削土を直接タンク周りの盛土材22として用いることができ、盛土材22の仮置き場が不要になる。結果、仮置き場と施工現場の間の盛土材22の運搬や、仮置き場における盛土材22の管理が不要になり、狭い敷地などにおいても地下タンク10の構築が容易になる。さらに、この壁体34は止水の役割を果たし、地下タンク10の側壁12と地中連続壁30の頭部33の間に特別の遮水構造、排水設備を設けなくともこの部分に地下水が浸入することがない。そのため、地下水の凍結膨張により地下タンク10の側壁12や地中連続壁30の頭部33等が損傷することも無い。
また壁体34は地下タンク10の側壁12のコンクリート打設時の外型枠として用いることができ、側壁12のコンクリート打設時に新たな型枠を準備する必要が無い。
地中連続壁30の頭部33は、地中連続壁30に連続するコンクリート部33cと外側のGW33aを用いて形成できる。GW33aに用いるブロック331に予めカプラー331aを仕込んでおくことで、現場でのカプラー331aの取付けが不要となり、カプラー331aを用いてコンクリート部33c等の配筋を容易に行うことができる。なお、アンカー筋42などを予めブロック331に取付けておくことも可能である。またカプラー331a以外の鉄筋接続具を用いることも可能である。
さらに、地中連続壁30の頭部33のフランジ部分である外側のGW33aは、ブロック331と場所打ちコンクリート333により略矩形状に構成される。GW33aの断面のサイズを例えば幅が2〜4m程度、高さが1.5〜2.0m程度とし、盛土材22の重量を地下タンク10の浮力に対する抵抗力として好適に伝達するための地中連続壁30の頭部33の強度を確保できる。
しかしながら、本発明はこれに限らない。例えばブロック331、332の断面形状は略U字状あるいは略L字状となっていれば特に限定されず、例えば略U字状のブロック331の両縦壁の高さが異なっていてもよい。また場合によってはブロック331、332がそれぞれ略L字状、略U字状となっていてもよい。
さらに、外側のGW33aにおいて、図8(a)に示すような2つの略L字状のプレキャストブロック336、336を組み合わせて略U字状とし、前記のブロック331と同様に用いることもできる。同様に、図8(b)に示すような底板部分のプレキャストブロック337および縦壁部分の2つのプレキャストブロック338、338を組み合わせ略U字状として用いることもできる。内側のGW33bに用いるプレキャストブロックについても同様であり、複数のブロックを組み合わせて略U字状または略L字状としてGW33a、33bに用いることが可能である。これらのブロックは、前記の接合治具50と同様の接合治具を用いて接合し、組み合わせることができる。またブロックの必要箇所には前記のカプラー331aと同様のカプラーが埋設される。
また、本実施形態では壁体34を盛土材22の天端高さまで一度に構築したが、盛土作業の進捗に合わせて数区間に分割して構築しても良い。また、壁体34は場所打ちコンクリートでなくプレキャストブロックを用いて構築してもよい。その他、壁体34は、補強土壁工法(テールアルメ工法)のようにコンクリート板に固定された帯材を盛土材22内に埋設するものでも良い。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1;地下タンク構造
10、100;地下タンク
11;底版
12;側壁
13;鋼製屋根
21;施工地盤
22;盛土材
23;床付地盤
24;掘削地盤
30;地中連続壁
32、33;頭部
32a、32b、33a、33b;ガイドウォール(GW)
32c、33c;コンクリート部
34;壁体
40;支保材(幅止め材)
41、43、44;鉄筋
42;アンカー筋
50;接合治具
211、213;掘削部
212;掘削土
321;底板
322;縦壁
323、334;頂板
331、332、336、337、338;プレキャストブロック
331a;カプラー
333;充填コンクリート

Claims (10)

  1. 地下タンク構造の構築方法であって、
    断面を略L字状または略U字状としたプレキャストブロックと場所打ちコンクリートを用いた内外のガイドウォールを地盤に構築する工程と、
    内外の前記ガイドウォールの間の地盤を掘削して掘削箇所に地中連続壁を構築する工程と、
    前記地中連続壁の内側の地盤を掘削して掘削箇所に地下タンクを構築する工程と、
    を有することを特徴とする地下タンク構造の構築方法。
  2. 前記地中連続壁の内側を掘削した際の掘削土を、前記地中連続壁の頭部および前記頭部の外側の地盤の上に敷均して盛土材とし、
    前記地中連続壁の頭部は、外側の前記ガイドウォールによるフランジ部分を含むことを特徴とする請求項1記載の地下タンク構造の構築方法。
  3. 前記地中連続壁の内側の地盤を掘削する前に、前記地中連続壁の頭部の上に壁体を構築し、
    前記掘削土は前記壁体の外側に敷均されることを特徴とする請求項2記載の地下タンク構造の構築方法。
  4. 前記壁体を外型枠として用いてコンクリートを打設し、前記地下タンクの側壁を構築することを特徴とする請求項3記載の地下タンク構造の構築方法。
  5. 前記地中連続壁の頭部は、
    前記地中連続壁を構築した後、前記地中連続壁の上部と連続するコンクリート部を構築し、前記コンクリート部と外側の前記ガイドウォールを一体化して形成され、
    外側の前記ガイドウォールに用いるプレキャストブロックには鉄筋接続部が予め埋設されており、
    前記コンクリート部を構築する前に、前記コンクリート部に埋設する鉄筋を前記鉄筋接続部に接続して外側の前記ガイドウォールに取付けることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の地下タンク構造の構築方法。
  6. 外側の前記ガイドウォールは、前記プレキャストブロックと場所打ちコンクリートにより略矩形状に構成されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の地下タンク構造の構築方法。
  7. 地中連続壁と、
    前記地中連続壁の内側に設けられた地下タンクと、
    前記地中連続壁の頭部および前記頭部の外側の地盤の上に配置された盛土材と、
    を有し、
    前記地中連続壁の頭部は、
    断面を略L字状または略U字状としたプレキャストブロックとコンクリートが用いられたフランジ部分を外側に有することを特徴とする地下タンク構造。
  8. 前記地中連続壁の頭部の上に壁体が設けられ、
    前記壁体の外側に前記盛土材が配置されたことを特徴とする請求項7記載の地下タンク構造。
  9. 前記地中連続壁の頭部は、
    前記地中連続壁の上部と連続するコンクリート部と、前記プレキャストブロックとコンクリートによって形成されたフランジ部分とが一体化して形成され、
    前記プレキャストブロックに鉄筋接続部が埋設されており、
    前記コンクリート部に、前記鉄筋接続部に接続された鉄筋が埋設されていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の地下タンク構造。
  10. 前記フランジ部分は、前記プレキャストブロックとコンクリートにより略矩形状に構成されることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれかに記載の地下タンク構造。
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