JP7401955B2 - ステント - Google Patents

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Description

本発明は、ステントに関する。
ワイヤにより構成されている斜格子状の網目構造の筒状体を有するステントとしては、例えば、特許文献1に記載のものがある。特許文献1のステントは、その全体が、ワイヤを平織りして編むことによって構成されている。
特開2003-079742号公報
本発明は、新規な構造のステントを提供するものである。
本発明は、ワイヤにより構成されている格子状の網目構造の筒状体を有するステントであって、
前記筒状体は、当該筒状体の軸方向における第1区間を構成する第1筒状部と、前記軸方向における第2区間を構成する第2筒状部と、を含み、
前記第1筒状部における前記網目構造である第1網目構造は、ワイヤどうしが係合しているフック部を有し、
前記第2筒状部における前記網目構造である第2網目構造は、周方向に並ぶすべての目の4隅にフック部を有しない構造となっており、前記軸方向における少なくとも1段以上の範囲に亘って配置されており、
前記第1網目構造は、ワイヤにより構成されている斜格子状のものであり、
前記第1網目構造を構成するワイヤは、第1部分と第2部分とを含み、
前記第1網目構造は、前記第1筒状部の軸方向において互いにずれた位置に配置されている複数の段を含み、
前記第1部分は、それぞれ前記第1網目構造の各段において前記軸方向にジグザグに振れつつ前記第1筒状部の周方向に1周回分よりも長い範囲に亘って延在している複数の第1ジグザグ延在部を含み、
各第1ジグザグ延在部は、第1傾斜方向に延在する第1延在部と、前記第1傾斜方向とは逆向きの第2傾斜方向に延在する第2延在部と、が交互に繰り返し連なった形状であり、前記周方向に延在した先で前記第1網目構造における隣の段の第1ジグザグ延在部に連なっており、
各第1ジグザグ延在部は、ジグザグに振れた先で前記第1網目構造における隣の段の第1ジグザグ延在部と互いに係合して前記フック部を形成しており、
各第1ジグザグ延在部の一端の前記第2延在部は、当該第1ジグザグ延在部の他端の前記第2延在部の周囲に巻き付けられており、
前記第2部分は、各第1ジグザグ延在部の前記第2延在部の周囲に巻き付けられているステントを提供するものである。
本発明によれば、新規な構造のステントを提供することが可能である。
実施形態に係るステントを撮像した画像を示す図である。 実施形態に係るステントの模式的な平面図である。 実施形態に係るステントの第2筒状部の模式的な展開図である。 実施形態に係るステントの第2筒状部の模式的な展開図であり、目が押し広げられた状態を示す。 図5(a)は図1及び図2におけるA-A線に沿った構造を示す模式的な横断面図、図5(b)は図1及び図2におけるB-B線に沿った構造を示す模式的な横断面図、図5(c)は図1及び図2におけるC-C線に沿った構造を示す模式的な横断面図である。 図6(a)及び図6(b)は実施形態に係るステントの使用例を示す模式図であり、このうち図6(a)はステントが生体内に留置された状態を示し、図6(b)はその状態でのステントの拡大図である。 実施形態に係るステントの第1網目構造の第1構造における第1部分を示す模式的な展開図である。 実施形態に係るステントの第1網目構造の第1構造における第2部分を示す模式的な展開図である。 実施形態に係るステントの第1網目構造の第1構造を示す模式的な展開図である。 実施形態に係るステントの第1網目構造の第2構造における第3部分を示す模式的な展開図である。 実施形態に係るステントの第1網目構造の第2構造における第4部分を示す模式的な展開図である。 実施形態に係るステントの第1網目構造の第2構造を示す模式的な展開図である。 実施形態に係るステントの第1網目構造の第1構造と第2構造との編組構造を示す模式的な展開図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
図1からず4のいずれかに示すように、本実施形態に係るステント100は、ワイヤにより構成されている格子状の網目構造の筒状体10を有するステント100であって、筒状体10は、当該筒状体10の軸方向における第1区間R1を構成する第1筒状部71と、軸方向における第2区間R2を構成する第2筒状部72とを含み、第1筒状部71における網目構造である第1網目構造71aは、ワイヤどうしが係合しているフック部75(図2)を有し、第2筒状部72における網目構造である第2網目構造72aは、周方向に並ぶすべての目83の4隅にフック部75を有しない構造となっており、軸方向における少なくとも1段以上の範囲に亘って配置されている。1段以上とは、網目(目83)の段数である。
本実施形態によれば、このような新規な構造のステント100を提供することができる。
より詳細には、図3に示すように、第2筒状部72の第2網目構造72aは、周方向に並ぶすべての目83の4隅にフック部75を有しない構造となっているため、図4に示すように、目83が容易に拡大することができる。このため、例えば、図6(b)に示すように、ステント100から他のステント(第2ステント200)を突き出させて、これら2つのステント(ステント100及び第2ステント200)の集合体をY字状の形態にして、図6(a)に示すように生体内に留置することなどが可能である。例えば、図6(a)に示すように、2つのステントの集合体は、胆管110の分岐部(肝門部の両葉)に配置することができる。つまり、ステント100及び第2ステント200は、いわゆるPartial Stent In Stentと呼ばれる手技に用いることができる。第2網目構造72aは、周方向に並ぶすべての目83の4隅にフック部75を有しない構造となっているため、周方向におけるいずれの位置からでも、第2筒状部72から第2ステント200を突き出させることができる。なお、目83は伸縮可能であり、通常時は目が細かい構造とすることができるため、第2筒状部72の内部に腫瘍等が入り込むことを抑制することができる。
また、第1筒状部71の第1網目構造71aは、ワイヤどうしが係合しているフック部75(後述するフック部37、47、48)を有するため、良好な保形性を有する。よって、例えば、ステント100を生体内の所望の部位へ搬送する際において、ステント100をデリバリー装置(不図示)内に装填したときに、軸方向におけるステント100の伸長を抑制することができる。よって、デリバリー装置から取り出して生体内に留置した後におけるステント100の形状(長さ)を所望の長さにコントロールしやすくなる。すなわち、本実施形態に係るステント100は、ハンドリング性が良好である。なお、後述するように、第1網目構造71aは、十分な柔軟性も兼ね備えており、保形性と柔軟性とを両立させることが可能な構造となっている。
以下、より詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、筒状体10は、軸方向における第3区間R3を構成する第3筒状部73を更に含んでいる。第1筒状部71、第2筒状部72、及び、第3筒状部73が、軸方向においてこの順に並んで配置されている。第3筒状部73における網目構造である第3網目構造73aは、ワイヤどうしが係合しているフック部75を有する。
すなわち、筒状体10の軸方向における中央部が第2筒状部72であり、両端部が第1筒状部71及び第3筒状部73である。
図5(a)、図5(b)及び図5(c)に示すように、第1筒状部71、第2筒状部72及び第3筒状部73は、例えば、それぞれ円筒状に形成されている。また、第1筒状部71、第2筒状部72及び第3筒状部73は、互いに同軸、同径、且つ互いに延長上に配置されている。
図3に示すように、第2網目構造72aは、ワイヤ80を双方向の螺線状に巻回することによって構成されている。すなわち、第2網目構造72aは、いわゆるメッシュ状の形態に形成されている。
第2網目構造72aは、それぞれ第1傾斜方向にワイヤ80(の一部分ずつ)が螺線状に延在する複数列の第1螺旋部81と、第1傾斜方向とは逆向きの第2傾斜方向にワイヤ80(の一部分ずつ)が螺線状に延在する複数列の第2螺線部82と、を含む。
第2網目構造72aは、少なくともワイヤ80が螺線状に1周回する範囲に亘り、すべての目83の4隅にフック部75を有しない構造となっていることが好ましい。
一例として、第2網目構造72aは、少なくともワイヤ80が螺線状に2周回する範囲に亘り、すべての目83の4隅にフック部75を有しない構造となっている。
第2網目構造72aは、ワイヤ80が平織りされた構造であることが好ましい。
第2網目構造72aは、例えば、その全体を1本のワイヤ80によって構成することができる。
例えば、ワイヤ80を第1傾斜方向に巻回することと、ワイヤ80の向きを反転させてワイヤ80を第2傾斜方向に巻回することと、を複数回繰り返すことによって、第2網目構造72aが構成されている。
なお、第2筒状部72と第1筒状部71との境界部においてワイヤ80の向きを反転させる際に、ワイヤ80を第1網目構造71aに対して係合させてフック部77(図2)を形成することによって、第2筒状部72と第1筒状部71とが相互に連結されている。第2筒状部72と第1筒状部71とを連結するフック部77は、筒状体10の周方向における複数箇所に配置されている。
各フック部77においては、ワイヤ80と、第1網目構造71aを構成するワイヤと、とがそれぞれループ形状となっている。ワイヤ80と、第1網目構造71aを構成するワイヤとが、互いのループをくぐり、且つ、それぞれ延在する向きが反転していることによって、フック部77が形成されている。
同様に、第2筒状部72と第3筒状部73との境界部においてワイヤ80の向きを反転させる際に、ワイヤ80を第3網目構造73aに対して係合させてフック部77(図2)を形成することによって、第2筒状部72と第3筒状部73とが相互に連結されている。第2筒状部72と第3筒状部73とを連結するフック部77も、筒状体10の周方向における複数箇所に配置されている。
ワイヤ80の材料は、特に限定されず、金属材料であってもよいし、樹脂材料であってもよい。
ワイヤ80の線径(外径)は、特に限定されないが、例えば、0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましい。
ステント100は、X線不透過性の複数のマーカーを備えている。各マーカーは、例えば、金などの細線をコイル状に巻回することにより構成されており、筒状体10を構成するワイヤに外挿されている。
図1及び図2に示すように、本実施形態の場合、複数のマーカーには、第1筒状部71に設けられている第1マーカー91、92と、第2筒状部72に設けられている第2マーカー93と、が含まれている。そして、第1マーカー91、92と第2マーカー93との形状が互いに異なっている。
このため、生体内において、各マーカーの形状を識別することによって、第1筒状部71と第2筒状部72との位置をそれぞれ認識することができる。
本実施形態の場合、ステント100は、軸方向において第1筒状部71の両端部にそれぞれ配置されている複数の第1マーカー91、92を有する。
より詳細には、例えば、第1筒状部71における第2筒状部72から遠い側の端部には、周方向における2箇所にそれぞれ第1マーカー91が設けられている。第1筒状部71における第2筒状部72に近い側の端部には、周方向における2箇所にそれぞれ第1マーカー92が設けられている。また、例えば、第1マーカー91と第1マーカー92とは、互いに異なる形状に形成されている。
同様に、第3筒状部73における第2筒状部72から遠い側の端部には、周方向における2箇所にそれぞれ第1マーカー91が設けられており、第3筒状部73における第2筒状部72に近い側の端部には、周方向における2箇所にそれぞれ第1マーカー92が設けられている。
一例として、第1マーカー91は直線状の形状であり、第1マーカー92はV字状の形状である。
第2マーカー93は、例えば、第2筒状部72の第2網目構造72aを構成するワイヤ80に巻回されたコイルであり、当該ワイヤ80に沿って螺線状に延在している。
また、第2マーカー93は、軸方向において第2筒状部72の全域に亘って配置されている。このため、生体内において、第2筒状部72の範囲を確認しながら、第2ステント200をステント100から突き出させることができる。
次に、第1筒状部71の第1網目構造71aの一例について、図7から図13を用いて詳細に説明する。
第1網目構造71aは、例えば、以下に説明するように、斜格子状の特定網目構造76(図13)を含んでいる。
図7は、特定網目構造76の第1構造11において第1ワイヤ31の第1部分32により構成されている構造を、平坦に展開したときの形状を示している。実際は、図7に示す構造は、図7における上下方向を軸方向とする筒状に形成されている。つまり、図7において、左右方向は、当該筒状の構造の周方向であり、図7に示す構造の右端は左端に連なっている。
同様に、図8は、特定網目構造76の第1構造11において第1ワイヤ31の第2部分33により構成されている構造を、平坦に展開したときの形状を示している。実際は、図8に示す構造は、図8における上下方向を軸方向とする筒状に形成されている。図8における左右方向は、当該筒状の構造の周方向であり、図8に示す構造の右端は左端に連なっている。なお、図8において、第1部分32(図7に示す構造)については、二点鎖線で示している。
同様に、図9は、特定網目構造76の第1構造11を平坦に展開したときの形状を示している。実際は、図9に示す構造は、図9における上下方向を軸方向とする筒状に形成されている。図9における左右方向は、第1構造11の周方向であり、図9に示す構造の右端は左端に連なっている。
同様に、図10は、特定網目構造76の第2構造12(図12)において第2ワイヤ41の第3部分42により構成されている構造を、平坦に展開したときの形状を示している。実際は、図10に示す構造は、図10における上下方向を軸方向とする筒状に形成されている。図10における左右方向は、当該筒状の構造の周方向であり、図10に示す構造の右端は左端に連なっている。
同様に、図11は、特定網目構造76の第2構造12において第2ワイヤ41の第4部分43により構成されている構造を、平坦に展開したときの形状を示している。実際は、図11に示す構造は、図11における上下方向を軸方向とする筒状に形成されている。図11における左右方向は、当該筒状の構造の周方向であり、図11に示す構造の右端は左端に連なっている。なお、図11においては、第3部分42(図10に示す構造)については、二点鎖線で示している。
同様に、図12は、特定網目構造76の第2構造12を平坦に展開したときの形状を示している。実際は、図12に示す構造は、図12における上下方向を軸方向とする筒状に形成されている。図12における左右方向は、第2構造12の周方向であり、図12に示す構造の右端は左端に連なっている。
同様に、図13は、特定網目構造76を平坦に展開したときの形状を示している。実際は、特定網目構造76は、図13における上下方向を軸方向とする筒状に形成されている。図13における左右方向は、特定網目構造76の周方向であり、図13に示す構造の右端は左端に連なっている。
なお、筒状体10、特定網目構造76、第1構造11及び第2構造12の軸方向は、互いに一致しており、以下の説明では、これら軸方向を区別せず単に軸方向と称する場合がある。
同様に、筒状体10、特定網目構造76、第1構造11及び第2構造12の周方向は、互いに一致しており、以下の説明では、これら周方向を区別せず単に周方向と称する場合がある。
ステント100は、特定網目構造76を構成するワイヤとして、第1ワイヤ31(図7~図9)と第2ワイヤ41(図10~図12)とを含む。第1ワイヤ31は、第1部分32(図7)と第2部分33(図8、図9)とを含む。
特定網目構造76は、互いに同軸で重なり合って配置されている筒状の第1構造11(図9)と第2構造12(図12)とを含む。
図9に示すように、第1構造11は、第1ワイヤ31により構成されている斜格子状のものであり、第1筒状部71の軸方向において互いにずれた位置に配置されている複数の段13(図7~図9)を含む。
第1部分32は、それぞれ第1構造11の各段13において軸方向にジグザグに振れつつ第1筒状部71の周方向に1周回分よりも長い範囲に亘って延在している複数の第1ジグザグ延在部34(図7)を含む。
図7に示すように、各第1ジグザグ延在部34は、第1傾斜方向(図7において右上がり方向)に延在する第1延在部35と、第1傾斜方向とは逆向きの第2傾斜方向(図7において右下がり方向)に延在する第2延在部36と、が交互に繰り返し連なった形状であり、周方向に延在した先で第1構造11における隣の段の第1ジグザグ延在部34に連なっている。
各第1ジグザグ延在部34は、ジグザグに振れた先で第1構造11における隣の段13の第1ジグザグ延在部34と互いに係合してフック部37を形成している。
各第1ジグザグ延在部34の一端の第2延在部36(図7に示す第2延在部36a)は、当該第1ジグザグ延在部34の他端の第2延在部36の周囲に巻き付けられている。つまり、第2延在部36どうしが撚線(撚線部39)を構成している。
図8及び図9に示すように、第2部分33は、各第1ジグザグ延在部34の第2延在部36のうち互いに延長上に配置されている第2延在部36の周囲に順次巻き付けられている。つまり、第2延在部36と第2部分33とによっても撚線(撚線部39)が構成されている。
第2ワイヤ41は、第3部分42(図10)と第4部分43(図11、図12)とを含む。
図12に示すように、第2構造12は、第2ワイヤ41により構成されている斜格子状のものであり、第1筒状部71の軸方向において互いにずれた位置に配置されている複数の段14(図10~図12)を含む。
図10に示すように、第3部分42は、それぞれ第2構造12の各段14において軸方向にジグザグに振れつつ第1筒状部71の周方向に1周回未満の範囲で延在している複数の第2ジグザグ延在部44を含む。
各第2ジグザグ延在部44は、ジグザグに振れた先で第2構造12における隣の段14の第2ジグザグ延在部44と互いに係合してフック部47を形成しており、周方向に延在した先で第2構造12における隣の段14の第2ジグザグ延在部44に連なっている。
図11に示すように、第4部分43は、複数の第2ジグザグ延在部44の集合体(図10参照)と相補的に第2構造12(図12)を構成するように、軸方向にジグザグに振れつつ第2構造12における隣の段14に順次に連なりながら筒状体10の周方向に複数周回延在しており、且つ、ジグザグに振れた先で第2構造12における対応する段14の第2ジグザグ延在部44と互いに係合してフック部48を形成している。
本実施形態によれば、第1網目構造71aの特定網目構造76は、第1構造11と第2構造12とを含んでいる。
第1構造11は、各段13の第1ジグザグ延在部34どうしが、ジグザグに振れた先のフック部37において係合し合った構造であるため、良好な保形性を有する。ここで、良好な保形性を有するステント100は、ステント100が径方向に圧縮された際に、径方向に拡張(復元)しようとする拡張力(radial force)を十分に有する。各段13の第1ジグザグ延在部34は、ジグザグに振れつつ第1筒状部71の周方向に1周回分延在しているため、第1構造11の実質的に全域に亘ってまんべんなく十分な保形性を実現することができる。しかも、各第1ジグザグ延在部34の一端の第2延在部36は、自らの他端の第2延在部36に巻き付けられているので、第1構造11は更に良好な保形性を有する。加えて、第1構造11を構成する第1ワイヤ31の第2部分33は、各第1ジグザグ延在部34の第2延在部36のうち互いに延長上に配置されている第2延在部36の周囲に順次巻き付けられているので、第1構造11は一層良好な保形性を有する。
第2構造12は、各段14の第2ジグザグ延在部44どうしが、ジグザグに振れた先のフック部47において係合し合った構造であるため、良好な保形性を有する。しかも、第2構造12を構成する第2ワイヤ41の第4部分43は、ジグザグに振れた先のフック部48において各第2ジグザグ延在部44と係合しているため、第2構造12は更に良好な保形性を有する。加えて、第4部分43は、複数の第2ジグザグ延在部44の集合体と相補的に斜格子状の第2構造12を構成しているため、第2構造12の全域に亘ってまんべんなく十分な保形性を実現することができる。
このように、本実施形態によれば、第1筒状部71の良好な保形性を実現することができる。
よって、ステント100をデリバリー装置(不図示)内に装填したときに、軸方向におけるステント100の伸長をより確実に抑制することができる。
なお、本実施形態の場合、第1構造11の第1延在部35については、一部の第1延在部35を除いて撚線となっていないので、ステント100は十分な柔軟性を有する。ここで、ステント100が柔軟性を有するとは、軸力(axial force)が適度に小さいことである。
以下、特定網目構造76について、より詳細に説明する。
本実施形態の場合、第1ワイヤ31は1本のワイヤである。第1部分32は第1ワイヤ31の長手方向における一部分であり、第2部分33は第1ワイヤ31の長手方向における残りの部分である。
同様に、第2ワイヤ41は1本のワイヤであり、第3部分42は第2ワイヤ41の長手方向における一部分であり、第4部分43は第2ワイヤ41の長手方向における残りの部分である。
第1ワイヤ31及び第2ワイヤ41の材料は、特に限定されず、金属材料であってもよいし、樹脂材料であってもよい。
第1ワイヤ31及び第2ワイヤ41の線径(外径)は、特に限定されないが、例えば、0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましい。
上述のように、特定網目構造76は、それぞれ筒状の第1構造11(図9)と第2構造12(図12)とを含む。このうち第1構造11は、第1ワイヤ31により構成されており、第2構造12は、第2ワイヤ41により構成されている。
第1構造11と第2構造12とは、互いに同軸で重なり合って配置されている。本実施形態の場合、第1構造11と第2構造12とは、互いに編組されている。このため、軸方向において第1構造11と第2構造12との位置ずれを抑制できるとともに、径方向において第1構造11と第2構造12との分離を抑制できる。
本実施形態の場合、第1構造11と第2構造12とが互いに編組されているため、第1構造11及び第2構造12は、一方が外周側に配置され、他方が内周側に配置されているという位置関係には無い。ただし、本発明は、この例に限らず、特定網目構造76は、第1構造11と第2構造12との一方が外周側に配置され、他方が内周側に配置されている二重筒構造(或いは、第1構造11及び第2構造12以外の他の層を含む三重以上の構造)であってもよい。
以下、図7から図9を用いて、第1構造11について詳細に説明する。
先ず、図7を用いて、第1構造11のうち、第1ワイヤ31の第1部分32により構成されている部分の構造について詳細に説明する。
図7に示すように、第1構造11を構成する第1ワイヤ31の第1部分32は、複数の第1ジグザグ延在部34を含む。
第1構造11の各段13につき、1つずつの第1ジグザグ延在部34が配置されている。
個々の第1ジグザグ延在部34は、第1傾斜方向(図7において右上がり方向)に延在する第1延在部35と、第1傾斜方向とは逆向きの第2傾斜方向(図7において右下がり方向)に延在する第2延在部36と、が交互に繰り返し連なった形状である。
図7の例では、最上段の第1ジグザグ延在部34は、2つの第1延在部35と2つの第2延在部36とを含んで構成されている。
上から2段目以降の第1ジグザグ延在部34は、5つの第1延在部35と6つの第2延在部36とを含んで構成されている。本実施形態の場合、2段目以降の第1ジグザグ延在部34において、5つの第1延在部35と5つの第2延在部36を含む部分が、第1構造11の1周回分に相当している。つまり、上から2段目以降の第1ジグザグ延在部34は、第1構造11の1周回分に亘って延在する部分に加えて、1つの第2延在部36を有する。つまり、2段目以降の各段13の第1ジグザグ延在部34は、1周回分よりも長い範囲に亘って延在している。
なお、各段13の第1ジグザグ延在部34における第1延在部35及び第2延在部36の数は、第1筒状部71の直径や特定網目構造76の所望の目の細かさなどに応じて変更することができる。
隣り合う段13の第1ジグザグ延在部34は、軸方向において互いに反転した形状となっている。つまり、図7において、上から数えて奇数段目の第1ジグザグ延在部34は、左から順に、第1延在部35と第2延在部36とを交互に備えているのに対し、上から数えて偶数段目の第1ジグザグ延在部34は、左から順に、第2延在部36と第1延在部35とを交互に備えている。
図7において、第1部分32は、一端32aを始端として、順次に段13を変えつつ複数周回延在している。
最上段の第1ジグザグ延在部34は、左端の第1延在部35を基端として、周方向に延在している。最上段の第1ジグザグ延在部34における右端の(つまり終端の)第2延在部36は、上から2段目の第1ジグザグ延在部34における左から3つ目の第2延在部36に連なっている。
上から2段目の第1ジグザグ延在部34は、左から3つ目の第2延在部36を基端として、周方向に延在している。上から2段目の第1ジグザグ延在部34の終端の第2延在部36は、当該第1ジグザグ延在部34における基端の第2延在部36の周囲に巻き付けられている。上から2段目の第1ジグザグ延在部34の終端の第2延在部36は、上から3段目の第1ジグザグ延在部34における左から3つ目の第2延在部36に連なっている。
上から3段目の第1ジグザグ延在部34は、左から3つ目の第2延在部36を基端として、周方向に延在している。上から3段目の第1ジグザグ延在部34の終端の第2延在部36は、当該第1ジグザグ延在部34における基端の第2延在部36の周囲に巻き付けられている。上から3段目の第1ジグザグ延在部34の終端の第2延在部36は、上から4段目の第1ジグザグ延在部34における左から4つ目の第2延在部36に連なっている。
上から4段目の第1ジグザグ延在部34は、左から4つ目の第2延在部36を基端として、周方向に延在している。上から4段目の第1ジグザグ延在部34の終端の第2延在部36は、当該第1ジグザグ延在部34における基端の第2延在部36の周囲に巻き付けられている。上から4段目の第1ジグザグ延在部34の終端の第2延在部36は、上から5段目の第1ジグザグ延在部34における左から4つ目の第2延在部36に連なっている。
上から5段目の第1ジグザグ延在部34は、左から4つ目の第2延在部36を基端として、周方向に延在している。上から5段目の第1ジグザグ延在部34の終端の第2延在部36は、当該第1ジグザグ延在部34における基端の第2延在部36の周囲に巻き付けられている。上から5段目の第1ジグザグ延在部34の終端の第2延在部36は、上から6段目の第1ジグザグ延在部34における左から5つ目の第2延在部36に連なっている。
以下同様に、各段13の第1ジグザグ延在部34が順次に連なっており、各段13の第1ジグザグ延在部34における一端の第2延在部36aが、当該第1ジグザグ延在部34における他端の第2延在部36の周囲に巻き付けられている。
ここで、第1延在部35と第2延在部36との境界の角部が図7における上方に向けて凸の形状となっている部分を山部と称し、第1延在部35と第2延在部36との境界の角部が図7における下方に向けて凸の形状となっている部分を谷部と称する。
最上段の第1ジグザグ延在部34は、2山分の構造であり、2段目以降の第1ジグザグ延在部34は、5山分の構造となっている。
上述のように、各第1ジグザグ延在部34は、ジグザグに振れた先で隣の段の第1ジグザグ延在部34と互いに係合してフック部37を形成している。
各フック部37においては、一方の第1ジグザグ延在部34の谷部と他方の第1ジグザグ延在部34の山部とがそれぞれループ形状となっている。一方の第1ジグザグ延在部34の谷部と他方の第1ジグザグ延在部34の山部とが、互いのループをくぐり、且つ、延在する向きが反転していることによって、フック部37が形成されている。
各段13の第1ジグザグ延在部34の各谷部は、1段下の第1ジグザグ延在部34の各山部と係合してフック部37を形成している。
ここで、第1ワイヤ31の一部分が第1ワイヤ31の他の一部分の周囲に巻き付けられていることにより構成されている部分を、撚線部39と称する。
第1ジグザグ延在部34の一端の第2延在部36aが当該第1ジグザグ延在部34の第2延在部36の周囲に巻き付けられることにより構成されている部分などが、撚線部39である。
上述のように、上から2段目以降の第1ジグザグ延在部34は1周回分+1つの第2延在部36分の範囲に亘って延在している。そして、第1ジグザグ延在部34の一端の第2延在部36aが当該第1ジグザグ延在部34の第2延在部36の周囲に巻き付けられることにより撚線部39が構成されている。このため、図7に示すように、第1部分32により構成されている各段の撚線部39は、互いに延長上に位置する配置となって斜めに連なっている。つまり、各段の撚線部39は、螺線状に連なっている。
例えば、図7に示すように、第1部分32の他端32bは、例えば、最下段の第1ジグザグ延在部34の第2延在部36どうしの撚線部39を形成し、折り返し点32cにて第1部分32が折り返された後、更に1つ分の第1延在部35だけ延長した先に存在する。
なお、第1部分32の他端32bを含む第1延在部35は、最下段の第1ジグザグ延在部34において、当該第1延在部35と対応する第1延在部35の周囲に巻き付けられて、撚線部39を構成している。
第1部分32の他端32bは、例えば、フック部37に対して結びつけられている。
次に、図8を用いて、特定網目構造76の第1構造11のうち、第1ワイヤ31の第2部分33により構成されている部分の構造について説明する。
図8において、第2部分33は、一端33aを始端としている。なお、第2部分33の一端33aは、第1部分32の一端32aと同一箇所である。つまり、第1ワイヤ31において、一端32a(一端33a)を境界とする一方の部分が、第1部分32(図8における二点鎖線部分)であり、他方の部分が、第2部分33(図8における実線部分)である。
第2部分33は、先ず、一端33aから左方向に向けて3山分のジグザグ延在部33cを形成している。ジグザグ延在部33cの各谷部は、上から2段目の第1ジグザグ延在部34の各山部と係合してフック部37を形成している。
ジグザグ延在部33cの終端33dを始端として、左方向に1山分だけ第1ジグザグ延在部34の周囲に第2部分33を巻き付けることにより撚線部39が形成されている。
この撚線部39の終端において、フック部37に対して第2部分33が巻き付けられることによって、巻付部38(図8に示す巻付部38a)が形成されている。
この巻付部38aを境界として、第2部分33の延在方向は、左下がりの方向から、右下がりの方向に切り替わっている。
巻付部38aの先において、第2部分33は、各第1ジグザグ延在部34の第2延在部36のうち互いに延長上に配置されている第2延在部36の周囲に順次巻き付けられている。
第2部分33において、巻付部38aの先の部分は、各第2延在部36の周囲に巻き付けられて撚線部39を形成しつつ、巻付部38aから右下がりに延在し、図8における右端に示す中間点33eに至る。この中間点33eは、図8における左端にも示されている。
第2部分33は、引き続き、図8における左端の中間点33eから右下がりに延在しつつ各第2延在部36の周囲に巻き付けられて撚線部39を形成し、図8における最下段における右端のフック部37に至る。
第2部分33は、このフック部37に対して巻き付けられて巻付部38を形成している。この巻付部38を境界として、第2部分33の延在方向は、右下がりの方向から左下がりの方向に切り替わっている。
更に、第2部分33は、最下段の第1ジグザグ延在部34の1つの第1延在部35の周囲に巻き付けられて、当該第1ジグザグ延在部34の谷部に至った後、延在方向が左下がりの方向から左上がりの方向に切り替わっている。
引き続き、第2部分33は、互いに延長上に配置されている第2延在部36の周囲に順次巻き付けられて、図8における左端に示す中間点33fに至る。この中間点33fは、図8における右端にも示されている。
第2部分33は、引き続き、図8における右端の中間点33fから左上がりに延在しつつ各第2延在部36の周囲に巻き付けられて、図8における左端の中間点33gに至る。この中間点33gは、図8における右端にも示されている。
第2部分33は、引き続き、ジグザグ延在部33cの右端における1山分の周囲に巻き付けられている。第2部分33は、ジグザグ延在部33cの1山分の周囲に巻き付けられる過程で、延在方向が左上がりの方向から左下がりの方向に切り替わっている。
第2部分33は、ジグザグ延在部33cの右端における1山分の周囲に巻き付けられた後、フック部37に巻き付けられて巻付部38を形成している。この巻付部38を境界として、第2部分33の延在方向は、左下がりの方向から右下がりの方向に切り替わっている。
引き続き、第2部分33は、互いに延長上に配置されている第2延在部36の周囲に順次巻き付けられて、図8における右端に示す中間点33hに至る。この中間点33hは、図8における左端にも示されている。
第2部分33は、引き続き、図8における左端の中間点33hから右下がりに延在しつつ各第2延在部36の周囲に巻き付けられて、図8における右端の中間点33iに至る。この中間点33iは、図8における左端にも示されている。
引き続き、第2部分33は、互いに延長上に配置されている第2延在部36の周囲に順次巻き付けられて、図8における最下段におけるフック部37に至る。第2部分33は、このフック部37に対して巻き付けられて巻付部38を形成している。この巻付部38を境界として、第2部分33の延在方向は、右下がりの方向から左下がりの方向に切り替わっている。
更に、第2部分33は、最下段の第1ジグザグ延在部34の1つの第1延在部35の周囲に巻き付けられて、当該第1ジグザグ延在部34の谷部に至った後、延在方向が左下がりの方向から左上がりの方向に切り替わっている。
引き続き、第2部分33は、互いに延長上に配置されている第2延在部36の周囲に順次巻き付けられて、図8における左端に示す中間点33jに至る。この中間点33jは、図8における右端にも示されている。
第2部分33は、引き続き、図8における右端の中間点33jから左上がりに延在しつつ各第2延在部36の周囲に巻き付けられて、図8における左端の中間点33kに至る。この中間点33kは、図8における右端にも示されている。
引き続き、第2部分33は、互いに延長上に配置されている第2延在部36に順次巻き付けられた後、ジグザグ延在部33cの左端における1山分の周囲に巻き付けられ、他端33bに至る。他端33bは、例えば、第1部分32に対して結びつけられている。
なお、一端32aは、第1ワイヤ31の一端であり、他端33bは、第1ワイヤ31の他端である。
このように、第2部分33は、第1ジグザグ延在部34どうしが係合しているフック部37に対して巻き付けられている巻付部38を含み、当該巻付部38を境界として、延在方向が切り替わっている。このため、第1部分32に対する第2部分33の位置ずれを抑制しつつ、第2部分33を様々な方向に延在させながら第1部分32に対して巻き付けることができる。
ここで、図9に示すように、特定網目構造76の軸方向における両端部(図9等に示す端部15a、15b)以外の部分において、第2部分33の各部は、互いに並列に延在している。つまり、図9において、特定網目構造76の軸方向における両端部以外の部分では、第2部分33の各部は、第2延在部36の周囲に巻き付けられており、右下がりの方向(第2傾斜方向)に延在している。つまり、図9において、特定網目構造76の軸方向における両端部以外の部分では、第2部分33の各部は、右上がりの方向(第1傾斜方向)に延在している部分を含まないため、第1筒状部71が適度な変形性も有するようにできる。
換言すれば、特定網目構造76の軸方向における両端部以外の部分では、撚線部39は右下がりの方向に延在しており、右上がりの方向に延在する撚線部39を含まないため、第1筒状部71が十分な柔軟性を有するようにできる。
第1構造11は、以上のように構成されている。
以下、図10から図12を用いて、第2構造12について詳細に説明する。
先ず、図10を用いて、第2構造12のうち、第2ワイヤ41の第3部分42により構成されている部分の構造について詳細に説明する。
図10に示すように、第2構造12を構成する第2ワイヤ41の第3部分42は、複数の第2ジグザグ延在部44を含む。
第2構造12の各段14につき、1つずつの第2ジグザグ延在部44が配置されている。
個々の第2ジグザグ延在部44は、第3傾斜方向(図10において右上がり方向)に延在する第1延在部45と、第3傾斜方向とは逆向きの第4傾斜方向(図10において右下がり方向)に延在する第2延在部46と、が交互に繰り返し連なった形状である。
図10の例では、最上段の第2ジグザグ延在部44は、5つの第2延在部46と4つの第1延在部45とを含んで構成されている。最下段の第2ジグザグ延在部44は、5つの第2延在部46と5つの第1延在部45とを含んで構成されている。それ以外の各段14の第2ジグザグ延在部44は、4つの第2延在部46と4つの第1延在部45とを含んで構成されている。
図10の例では、5つの第2延在部46と5つの第1延在部45とで第2構造12の1周回分に相当している。このため、最下段以外の各第2ジグザグ延在部44は、1周回分未満の範囲に亘って延在していることになる。
図10において、第3部分42は、一端42aを始端として、順次に段14を変えつつ複数周回延在している。
最上段の第2ジグザグ延在部44は、一端42aを含む第2延在部46を基端として、周方向に延在している。最上段の第2ジグザグ延在部44における終端の第2延在部46は、図10における左端に示されている。最上段の第2ジグザグ延在部44における終端の第2延在部46は、上から2段目の第2ジグザグ延在部44における左端の第2延在部46に連なっている。
上から2段目の第2ジグザグ延在部44における右端の第2延在部46は、上から3段目の第2ジグザグ延在部44の第2延在部46に連なっている。
同様に、上から3段目の第2ジグザグ延在部44から、下から2段目の第2ジグザグ延在部44についても、各段14において軸方向にジグザグに振れつつ、周方向に延在し、周方向に延在した先で、隣の段の第2ジグザグ延在部44の第2延在部46に連なっている。
ここで、第1延在部45と第2延在部46との境界の角部が図10における上方に向けて凸の形状となっている部分を山部と称し、第1延在部45と第2延在部46との境界の角部が図10における下方に向けて凸の形状となっている部分を谷部と称する。
最上段の第2ジグザグ延在部44は、4.5山分の構造である。上から2段目の第2ジグザグ延在部44から、下から2段目の第2ジグザグ延在部44については、それぞれ3.5山分の構造となっている。最下段の第2ジグザグ延在部44は、5山分の構造となっている。
このように、特定網目構造76の両端部(端部15a、15b)の第1ジグザグ延在部34におけるジグザグの振れ数よりも、特定網目構造76の両端部以外の部分の第1ジグザグ延在部34におけるジグザグの振れ数が少ない。
また、特定網目構造76の両端部以外の部分において、各第1ジグザグ延在部34におけるジグザグの振れ数が互いに等しい。
上述のように、各第2ジグザグ延在部44は、ジグザグに振れた先で隣の段の第2ジグザグ延在部44と互いに係合してフック部47を形成している。
各フック部47においては、一方の第2ジグザグ延在部44の谷部と他方の第2ジグザグ延在部44の山部とがそれぞれループ形状となっている。一方の第2ジグザグ延在部44の谷部と他方の第2ジグザグ延在部44の山部とが、互いのループをくぐり、且つ、延在する向きが反転していることによって、フック部47が形成されている。
各段14の第2ジグザグ延在部44の各谷部のうち、1段下の第2ジグザグ延在部44の各山部と対応する位置にある谷部については、それぞれ対応する山部と係合してフック部47を形成している。
第3部分42の他端42bは、例えば、最下段の第2ジグザグ延在部44における右端の第1延在部45の延長上に位置しており、下から2段目の第2ジグザグ延在部44と下から3段目の第2ジグザグ延在部44とのフック部47に対して結びつけられている。
図10に示すように、第2構造12のうち、第2ワイヤ41の第3部分42により構成されている部分は、部分的にブランクが存在する斜格子状に形成されている。
次に、図11を用いて、特定網目構造76の第2構造12のうち、第2ワイヤ41の第4部分43により構成されている部分の構造について説明する。
図11において、第4部分43は、一端43aを始端としている。なお、第4部分43の一端43aは、第3部分42の一端42aと同一箇所である。つまり、第2ワイヤ41において、一端42a(一端33a)を境界とする一方の部分が、第3部分42(図11における二点鎖線部分)であり、他方の部分が、第4部分43(図11における実線部分)である。
上述のように、第4部分43は、複数の第2ジグザグ延在部44の集合体(図11における二点鎖線部分)と相補的に、斜格子状の第2構造12(図12)を構成するように、延在している。すなわち、第4部分43は、軸方向にジグザグに振れつつ、第2構造12における隣の段14に順次に連なりながら、周方向に複数周回延在している。そして、第4部分43は、ジグザグに振れた先で第2ジグザグ延在部44と互いに係合してフック部48を形成している。
各フック部48においては、第4部分43の山部又は谷部と、第2ジグザグ延在部44の山部又は谷部とが、それぞれループ形状となっており、互いのループをくぐり、且つ、延在する向きが反転している。
より詳細には、第4部分43のジグザグ形状は、2段分斜めに延在する第1延在部49と、第1延在部49が延在した先から第1延在部49とは逆の斜め向きに折り返されて1段分斜めに延在する第2延在部50と、が交互に繰り返し連なった形状である。
図11において、第1延在部49は左下がりの方向に延在しており、第2延在部50は左上がりの方向に延在している。
なお、第2構造12の各段14の第2ジグザグ延在部44における第1延在部45及び第2延在部46の数は、第1筒状部71の直径や特定網目構造76の所望の目の細かさなどに応じて変更することができる。
一方、第2構造12の第4部分43のジグザグ形状は、例えば、ステント100の直径などにかかわらず一定形状(2段分斜めに延在する第1延在部49と、第1延在部49が延在した先から第1延在部49とは逆の斜め向きに折り返されて1段分斜めに延在する第2延在部50と、が交互に繰り返し連なった形状)とすることができる。
第4部分43の他端43bは、フック部47に対して結びつけられている。
一端42aは、第2ワイヤ41の一端であり、他端43bは、第2ワイヤ41の他端である。
第2構造12は、以上のように構成されている。
ここで、本実施形態の場合、上述のように、第1構造11と第2構造12とが互いに編組されている。
より詳細には、図13に示すように、第2ジグザグ延在部44が、ジグザグに振れる度に、第1ワイヤ31の外面側と内面側とを交互に通過していることによって、第1構造11と第2構造12とが互いに編組されている。
なお、図13において、第1ワイヤ31により構成されている第1構造11(図9)は、簡略化して示されており、第1構造11における各フック部は不図示としているとともに、撚線部39の形成範囲は網掛けで示されている。
図13に示すように、第1構造11における網目の寸法と、第2構造12における網目の寸法は、互いに等しいことが好ましい。
また、第1構造11における網目と、第2構造12における網目とは、周方向において互いにずれて配置されていることが好ましく、周方向における網目の寸法の1/2ずつずれていることが更に好ましい。
ステント100を構成する特定網目構造76を作製する手順は、特に限定されないが、例えば、第1構造11を先に作製した後、第2構造12を作製することによって、特定網目構造76が得られる。
第1構造11は、第1ワイヤ31の一端(一端32a)側から順に編むことによって作製してもよいし、第1ワイヤ31の他端(他端33b)側から順に編むことによって作製してもよい。
同様に、第2構造12は、第2ワイヤ41の一端(一端42a)側から順に編むことによって作製してもよいし、第2ワイヤ41の他端(他端43b)側から順に編むことによって作製してもよい。
より詳細には、第1筒状部71の第1網目構造71aは、上述した特定網目構造76が2重に配置された構造となっている。
なお、本発明は、この例に限らず、第1筒状部71は、特定網目構造76が3重以上に配置された構造となっていてもよい。
図11に示すように、複数の特定網目構造76どうしは、連結ワイヤ61によって相互に連結されている。連結ワイヤ61の材料は、特に限定されず、金属材料であってもよいし、樹脂材料であってもよい。
連結ワイヤ61は、複数の特定網目構造76の網目どうしを縫い付けるようにして、複数の特定網目構造76の網目に挿通されている。例えば、連結ワイヤ61は、第1筒状部71の軸方向における一端側と他端側において、それぞれ周回状に配置されている。
このように、第1筒状部71は、互いに同軸で多重に配置されている複数の特定網目構造76と、複数の特定網目構造76どうしを相互に連結している連結ワイヤ61と、を備える。
このため、軸方向において複数の特定網目構造76どうしの位置ずれを抑制できるとともに、径方向において複数の複数の特定網目構造76どうしの分離を抑制できる。
本実施形態の場合、複数の特定網目構造76における撚線部39の延在方向は、互いに同一の斜め方向であってもよいし、互いに交差する(互いに逆向きの)斜め方向であってもよい。
また、例えば、第3筒状部73の第3網目構造73aは、第1網目構造71aと同様に構成されている。このため、第3筒状部73についても、第1筒状部71と同様に、保形性と柔軟性とを両立させることができる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
例えば、上記の実施形態では、第1筒状部71の第1網目構造71aと第3筒状部73の第3網目構造73aとが同様の構成である例を説明したが、第1網目構造71aと第3網目構造73aとは互いに異なる構造であってもよい。
また、上記の実施形態では、第1網目構造71a及び第3網目構造73aが2重構造の特定網目構造76を含む例を説明したが、第1網目構造71a及び第3網目構造73aにおける特定網目構造76は一重であってもよい。
また、上記の実施形態では、第1網目構造71a及び第3網目構造73aが特定網目構造76を含む例を説明したが、第1網目構造71a及び第3網目構造73aは、その他の構造であってもよい。例えば、第1網目構造71a及び第3網目構造73aは、第1構造11を含んでいるが第2構造12を含まない構造であってもよいし、第2構造12を含んでいるが第1構造11を含まない構造であってもよい。
また、上記の実施形態では、ステント100が第1筒状部71と第2筒状部72の他に第3筒状部73を備える例を説明したが、ステント100は第3筒状部73を備えていなくてもよい。
また、上記の実施形態では、図8に示すように、ジグザグ延在部33cが第2部分33の一部分であるという説明を行ったが、ジグザグ延在部33cは、第1部分32(図7)における最上段の第1ジグザグ延在部34の一部分であってもよい。つまり、最上段の第1ジグザグ延在部34は、5つの第1延在部35と5つの第2延在部36とを含んで構成されていてもよい。
この場合、例えば、第1部分32の一端(第1ワイヤ31の一端)は、図8に示す一端33aとすることができる。
また、上記の実施形態においては、第1構造11を構成する第1ワイヤ31と第2構造12を構成する第2ワイヤ41とが別個のワイヤである例を説明したが、第1ワイヤ31と第2ワイヤ41は、1本のワイヤの1部分ずつでもよい。
また、上記の第1実施形態では、第1部分32と第2部分33とが1本の第1ワイヤ31の一部分ずつである例を説明したが、第1部分32と第2部分33とは、別個のワイヤであってもよい。また、上記の第1実施形態では、第3部分42と第4部分43とが1本の第2ワイヤ41の一部分ずつである例を説明したが、第3部分42と第4部分43とは、別個のワイヤであってもよい。
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)ワイヤにより構成されている格子状の網目構造の筒状体を有するステントであって、
前記筒状体は、当該筒状体の軸方向における第1区間を構成する第1筒状部と、前記軸方向における第2区間を構成する第2筒状部と、を含み、
前記第1筒状部における前記網目構造である第1網目構造は、ワイヤどうしが係合しているフック部を有し、
前記第2筒状部における前記網目構造である第2網目構造は、周方向に並ぶすべての目の4隅にフック部を有しない構造となっており、前記軸方向における少なくとも1段以上の範囲に亘って配置されているステント。
(2)前記第2網目構造は、それぞれ第1傾斜方向にワイヤが螺線状に延在する複数列の第1螺旋部と、前記第1傾斜方向とは逆向きの第2傾斜方向にワイヤが螺線状に延在する複数列の第2螺線部と、を含む(1)に記載のステント。
(3)前記第2網目構造は、少なくともワイヤが螺線状に1周回する範囲に亘り、すべての目の4隅にフック部を有しない構造となっている(2)に記載のステント。
(4)前記第2網目構造は、ワイヤが平織りされた構造である(2)又は(3)に記載のステント。
(5)X線不透過性の複数のマーカーを備え、
前記複数のマーカーには、
前記第1筒状部に設けられている第1マーカーと、前記第2筒状部に設けられている第2マーカーと、が含まれ、
前記第1マーカーと前記第2マーカーとの形状が互いに異なる(1)から(4)のいずれか一項に記載のステント。
(6)前記軸方向において前記第1筒状部の両端部にそれぞれ配置されている複数の前記第1マーカーを有する(5)に記載のステント。
(7)前記第2マーカーは、前記第2網目構造を構成するワイヤに巻回されたコイルであり、当該ワイヤに沿って螺線状に延在している(5)又は(6)に記載のステント。
(8)前記第2マーカーは、前記軸方向において前記第2筒状部の全域に亘って配置されている(5)から(7)のいずれか一項に記載のステント。
(9)前記筒状体は、前記軸方向における第3区間を構成する第3筒状部を更に含み、
前記第1筒状部、前記第2筒状部、及び、前記第3筒状部が、前記軸方向においてこの順に並んで配置されており、
前記第3筒状部における前記網目構造である第3網目構造は、ワイヤどうしが係合しているフック部を有する(1)から(8)のいずれか一項に記載のステント。
(10)前記第1網目構造は、斜格子状の特定網目構造を含み、
前記特定網目構造を構成するワイヤとして、第1ワイヤと第2ワイヤとを含み、
前記第1ワイヤは、第1部分と第2部分とを含み、
前記特定網目構造は、互いに同軸で重なり合って配置されている筒状の第1構造と第2構造とを含み、
前記第1構造は、前記第1ワイヤにより構成されている斜格子状のものであり、前記第1筒状部の軸方向において互いにずれた位置に配置されている複数の段を含み、
前記第1部分は、それぞれ前記第1構造の各段において前記軸方向にジグザグに振れつつ前記第1筒状部の周方向に1周回分よりも長い範囲に亘って延在している複数の第1ジグザグ延在部を含み、
各第1ジグザグ延在部は、第1傾斜方向に延在する第1延在部と、前記第1傾斜方向とは逆向きの第2傾斜方向に延在する第2延在部と、が交互に繰り返し連なった形状であり、前記周方向に延在した先で前記第1構造における隣の段の第1ジグザグ延在部に連なっており、
各第1ジグザグ延在部は、ジグザグに振れた先で前記第1構造における隣の段の第1ジグザグ延在部と互いに係合して前記フック部を形成しており、
各第1ジグザグ延在部の一端の前記第2延在部は、当該第1ジグザグ延在部の他端の前記第2延在部の周囲に巻き付けられており、
前記第2部分は、各第1ジグザグ延在部の前記第2延在部のうち互いに延長上に配置されている前記第2延在部の周囲に順次巻き付けられており、
前記第2ワイヤは、第3部分と第4部分とを含み、
前記第2構造は、前記第2ワイヤにより構成されている斜格子状のものであり、前記第1筒状部の軸方向において互いにずれた位置に配置されている複数の段を含み、
前記第3部分は、それぞれ前記第2構造の各段において前記軸方向にジグザグに振れつつ前記第1筒状部の周方向に1周回未満の範囲で延在している複数の第2ジグザグ延在部を含み、
各第2ジグザグ延在部は、ジグザグに振れた先で前記第2構造における隣の段の第2ジグザグ延在部と互いに係合して前記フック部を形成しており、前記周方向に延在した先で前記第2構造における隣の段の第2ジグザグ延在部に連なっており、
前記第4部分は、前記複数の第2ジグザグ延在部の集合体と相補的に前記第2構造を構成するように、前記軸方向にジグザグに振れつつ前記第2構造における隣の段に順次に連なりながら前記第1筒状部の周方向に複数周回延在しており、且つ、ジグザグに振れた先で前記第2構造における対応する段の前記第2ジグザグ延在部と係合して前記フック部を形成している(1)から(9)のいずれか一項に記載のステント。
(11)前記第1構造と前記第2構造とが互いに編組されている(10)に記載のステント。
(12)前記第2ジグザグ延在部が、ジグザグに振れる度に、前記第1ワイヤの外面側と内面側とを交互に通過していることによって、前記第1構造と前記第2構造とが互いに編組されている(11)に記載のステント。
(13)前記第1筒状部は、
互いに同軸で多重に配置されている複数の前記特定網目構造と、
複数の前記特定網目構造どうしを相互に連結している連結ワイヤと、
を備える(10)から(12)のいずれか一項に記載のステント。
10 筒状体
11 第1構造
12 第2構造
13 第1構造の段
14 第2構造の段
15a、15b 端部
31 第1ワイヤ
32 第1部分
32a 一端
32b 他端
32c 折り返し点
33 第2部分
33a 一端
33b 他端
33c ジグザグ延在部
33d 終端
33e、33f、33g、33h、33i、33j、33k 中間点
34 第1ジグザグ延在部
35 第1延在部
36 第2延在部
36a 一端の第2延在部
37 フック部
38、38a 巻付部
39 撚線部
41 第2ワイヤ
42 第3部分
42a 一端
42b 他端
43 第4部分
43a 一端
43b 他端
44 第2ジグザグ延在部
45 第1延在部
46 第2延在部
47、48 フック部
49 第1延在部
50 第2延在部
61 連結ワイヤ
71 第1筒状部
71a 第1網目構造
72 第2筒状部
72a 第2網目構造
73 第3筒状部
73a 第3網目構造
75 フック部
76 特定網目構造
77 フック部
80 ワイヤ
81 第1螺線部
82 第2螺線部
83 目
91、92 第1マーカー
93 第2マーカー
100 ステント
110 胆管
200 第2ステント

Claims (13)

  1. ワイヤにより構成されている格子状の網目構造の筒状体を有するステントであって、
    前記筒状体は、当該筒状体の軸方向における第1区間を構成する第1筒状部と、前記軸方向における第2区間を構成する第2筒状部と、を含み、
    前記第1筒状部における前記網目構造である第1網目構造は、ワイヤどうしが係合しているフック部を有し、
    前記第2筒状部における前記網目構造である第2網目構造は、周方向に並ぶすべての目の4隅にフック部を有しない構造となっており、前記軸方向における少なくとも1段以上の範囲に亘って配置されており、
    前記第1網目構造は、ワイヤにより構成されている斜格子状のものであり、
    前記第1網目構造を構成するワイヤは、第1部分と第2部分とを含み、
    前記第1網目構造は、前記第1筒状部の軸方向において互いにずれた位置に配置されている複数の段を含み、
    前記第1部分は、それぞれ前記第1網目構造の各段において前記軸方向にジグザグに振れつつ前記第1筒状部の周方向に1周回分よりも長い範囲に亘って延在している複数の第1ジグザグ延在部を含み、
    各第1ジグザグ延在部は、第1傾斜方向に延在する第1延在部と、前記第1傾斜方向とは逆向きの第2傾斜方向に延在する第2延在部と、が交互に繰り返し連なった形状であり、前記周方向に延在した先で前記第1網目構造における隣の段の第1ジグザグ延在部に連なっており、
    各第1ジグザグ延在部は、ジグザグに振れた先で前記第1網目構造における隣の段の第1ジグザグ延在部と互いに係合して前記フック部を形成しており、
    各第1ジグザグ延在部の一端の前記第2延在部は、当該第1ジグザグ延在部の他端の前記第2延在部の周囲に巻き付けられており、
    前記第2部分は、各第1ジグザグ延在部の前記第2延在部の周囲に巻き付けられているステント。
  2. ワイヤにより構成されている格子状の網目構造の筒状体を有するステントであって、
    前記筒状体は、当該筒状体の軸方向における第1区間を構成する第1筒状部と、前記軸方向における第2区間を構成する第2筒状部と、を含み、
    前記第1筒状部における前記網目構造である第1網目構造は、ワイヤどうしが係合しているフック部を有し、
    前記第2筒状部における前記網目構造である第2網目構造は、周方向に並ぶすべての目の4隅にフック部を有しない構造となっており、前記軸方向における少なくとも1段以上の範囲に亘って配置されており、
    前記第1網目構造は、斜格子状の特定網目構造を含み、
    前記特定網目構造を構成するワイヤとして、第1ワイヤと第2ワイヤとを含み、
    前記第1ワイヤは、第1部分と第2部分とを含み、
    前記特定網目構造は、互いに同軸で重なり合って配置されている筒状の第1構造と第2構造とを含み、
    前記第1構造は、前記第1ワイヤにより構成されている斜格子状のものであり、前記第1筒状部の軸方向において互いにずれた位置に配置されている複数の段を含み、
    前記第1部分は、それぞれ前記第1構造の各段において前記軸方向にジグザグに振れつつ前記第1筒状部の周方向に1周回分よりも長い範囲に亘って延在している複数の第1ジグザグ延在部を含み、
    各第1ジグザグ延在部は、第1傾斜方向に延在する第1延在部と、前記第1傾斜方向とは逆向きの第2傾斜方向に延在する第2延在部と、が交互に繰り返し連なった形状であり、前記周方向に延在した先で前記第1構造における隣の段の第1ジグザグ延在部に連なっており、
    各第1ジグザグ延在部は、ジグザグに振れた先で前記第1構造における隣の段の第1ジグザグ延在部と互いに係合して前記フック部を形成しており、
    各第1ジグザグ延在部の一端の前記第2延在部は、当該第1ジグザグ延在部の他端の前記第2延在部の周囲に巻き付けられており、
    前記第2部分は、各第1ジグザグ延在部の前記第2延在部のうち互いに延長上に配置されている前記第2延在部の周囲に順次巻き付けられており、
    前記第2ワイヤは、第3部分と第4部分とを含み、
    前記第2構造は、前記第2ワイヤにより構成されている斜格子状のものであり、前記第1筒状部の軸方向において互いにずれた位置に配置されている複数の段を含み、
    前記第3部分は、それぞれ前記第2構造の各段において前記軸方向にジグザグに振れつつ前記第1筒状部の周方向に1周回未満の範囲で延在している複数の第2ジグザグ延在部を含み、
    各第2ジグザグ延在部は、ジグザグに振れた先で前記第2構造における隣の段の第2ジグザグ延在部と互いに係合して前記フック部を形成しており、前記周方向に延在した先で前記第2構造における隣の段の第2ジグザグ延在部に連なっており、
    前記第4部分は、前記複数の第2ジグザグ延在部の集合体と相補的に前記第2構造を構成するように、前記軸方向にジグザグに振れつつ前記第2構造における隣の段に順次に連なりながら前記第1筒状部の周方向に複数周回延在しており、且つ、ジグザグに振れた先で前記第2構造における対応する段の前記第2ジグザグ延在部と係合して前記フック部を形成しているステント。
  3. 前記第1構造と前記第2構造とが互いに編組されている請求項に記載のステント。
  4. 前記第2ジグザグ延在部が、ジグザグに振れる度に、前記第1ワイヤの外面側と内面側とを交互に通過していることによって、前記第1構造と前記第2構造とが互いに編組されている請求項に記載のステント。
  5. 前記第1筒状部は、
    互いに同軸で多重に配置されている複数の前記特定網目構造と、
    複数の前記特定網目構造どうしを相互に連結している連結ワイヤと、
    を備える請求項からのいずれか一項に記載のステント。
  6. 前記第2網目構造は、それぞれ第1傾斜方向にワイヤが螺線状に延在する複数列の第1螺旋部と、前記第1傾斜方向とは逆向きの第2傾斜方向にワイヤが螺線状に延在する複数列の第2螺線部と、を含む請求項1から5のいずれか一項に記載のステント。
  7. 前記第2網目構造は、少なくともワイヤが螺線状に1周回する範囲に亘り、すべての目の4隅にフック部を有しない構造となっている請求項に記載のステント。
  8. 前記第2網目構造は、ワイヤが平織りされた構造である請求項又はに記載のステント。
  9. X線不透過性の複数のマーカーを備え、
    前記複数のマーカーには、
    前記第1筒状部に設けられている第1マーカーと、前記第2筒状部に設けられている第2マーカーと、が含まれ、
    前記第1マーカーと前記第2マーカーとの形状が互いに異なる請求項1からのいずれか一項に記載のステント。
  10. 前記軸方向において前記第1筒状部の両端部にそれぞれ配置されている複数の前記第1マーカーを有する請求項に記載のステント。
  11. 前記第2マーカーは、前記第2網目構造を構成するワイヤに巻回されたコイルであり、当該ワイヤに沿って螺線状に延在している請求項又は10に記載のステント。
  12. 前記第2マーカーは、前記軸方向において前記第2筒状部の全域に亘って配置されている請求項から11のいずれか一項に記載のステント。
  13. 前記筒状体は、前記軸方向における第3区間を構成する第3筒状部を更に含み、
    前記第1筒状部、前記第2筒状部、及び、前記第3筒状部が、前記軸方向においてこの順に並んで配置されており、
    前記第3筒状部における前記網目構造である第3網目構造は、ワイヤどうしが係合しているフック部を有する請求項1から12のいずれか一項に記載のステント。
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