JP7401373B2 - 制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、位置決め対象を位置指令で指令された位置(指令位置)まで移動させる油圧アクチュエータへの作動油の供給を制御する制御装置に関する。
油圧シリンダに作動油を供給して、ピストンの位置の微小な変位の精度を向上させることが可能な油圧駆動装置が、下記の特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された油圧駆動位置制御システムでは、ピストン位置が指令位置に到達するまで、油圧シリンダに間欠的に作動油を複数回供給してピストンの移動と停止とを繰り返し、ピストン位置を指令位置に合わせる。
特開2018-173131号公報
本願の発明者が行った評価実験によると、指令位置までの偏差が大きく、指令位置に到達するまでの作動油の供給回数が多くなると、位置制御系が不安定になり発振現象が生じやすくなることが判明した。
本発明の目的は、油圧駆動位置制御システムにおいて発振現象を抑制し、安定した位置制御を行うことが可能な制御装置を提供することである。
本発明の一観点によると、
位置決め対象を移動させる推力を発生する油圧アクチュエータに作動油を供給する作動油供給系を制御して前記油圧アクチュエータを駆動する制御装置であって、
制御周期ごとに、前記位置決め対象の指令位置と、前記位置決め対象の現在位置との差である位置偏差に応じて作動油の供給量を決定し、前記作動油供給系から前記油圧アクチュエータに作動油を供給させ、
直前の制御周期において、前記位置偏差に対する前記位置決め対象の変位量の比が基準値を超えたら、前記位置偏差に応じて決定される作動油の供給量より少ない供給量の作動油を前記油圧アクチュエータに供給させる制御装置が提供される。
直前の制御周期において、位置偏差と、その応答である位置決め対象の変位量の比が基準値を超えたら、位置偏差に応じて決定される作動油の供給量より少ない供給量の作動油を油圧アクチュエータに供給することにより、位置決め対象の変位量が過大になってしまうことが抑制される。これにより、発振現象を抑制し、安定した位置制御を行うことが可能になる。
図1は、実施例による油圧駆動位置制御システムの概略図である。 図2は、実施例による油圧駆動位置制御システムの位置決め対象と、それを支持する支持部材との摺動面の断面図である。 図3Aは、本実施例による油圧駆動装置の制御系のブロック線図であり、図3Bは、指令位置の時間変化の一例を示すグラフである。 図4は、位置偏差とその応答の変位量との比R(j)の値から第2パルス幅を求めるための位置偏差と変位量との比R(j)と、第2パルス幅との関係を示すグラフである。 図5は、研削盤テーブルの摩擦抵抗特性の一例を示すグラフである。 図6は、位置決め対象の指令位置、位置決め対象の位置の時間変化を示すグラフである。
図1~図6を参照して、実施例による油圧駆動位置制御システムについて説明する。
図1は、実施例による油圧駆動装置の概略図である。両ロッド型の油圧シリンダ11が、シリンダボディ11S、ピストン11P、第1ロッド11A、及び第2ロッド11Bを含む。第1ロッド11A、第2ロッド11B、及びピストン11Pが固定されており、シリンダボディ11Sが固定部に対して移動する。シリンダボディ11Sに位置決め対象10が取り付けられている。位置決め対象10は、例えば研削装置の移動テーブルである。
図2は、位置決め対象10、及びそれを支持する支持部材18の断面図である。位置決め対象10の下面に油圧シリンダ11が取り付けられている。支持部材18が位置決め対象10を、シリンダボディ11Sの移動方向に移動可能に支持している。
位置決め対象10の下面に、断面が逆三角形の凸状のガイド摺動面(凸)10Aが2列設けられている。位置決め対象10は、支持部材18に設けられた凹状のV断面のガイド摺動面(凹)18Aにより支持され、油圧シリンダ11の軸方向の移動が可能にされている。勘合するガイド摺動面(凸)10Aとガイド摺動面(凹)18Aとの間に潤滑油の油膜が形成されている。
図1に示したシリンダボディ11S内に、ピストン11Pによって隔離された第1ロッド11A側の第1油室13Aと、第2ロッド11B側の第2油室13Bとが設けられている。第1ロッド11A及び第2ロッド11Bの端部に、それぞれ第1ポート14A及び第2ポート14Bが設けられている。第1ポート14Aは、第1ロッド11A内に設けられた第1油路12Aを介して第1油室13Aに繋がっている。第2ポート14Bは、第2ロッド11B内に設けられた第2油路12Bを介して第2油室13Bに繋がっている。
作動油供給系20が、油圧シリンダ11への作動油の供給、及び油圧シリンダ11からの作動油の回収を行う。作動油供給系20は、油圧ポンプ21及び電動モータ22を含む。油圧ポンプ21は双方向油圧ポンプであり、電動モータ22によって正転、逆転の両方向に駆動される。
油圧ポンプ21と第1ポート14Aとの間の油路にリリーフ弁23Aが接続されている。同様に、油圧ポンプ21と第2ポート14Bとの間の油路に、リリーフ弁23Bが接続されている。リリーフ弁23A、23Bは、油路内の圧力が所定圧以上になったら油路内の作動油を作動油タンク30に逃がす。
一方向油圧ポンプであるチャージポンプ26が電動モータ27によって駆動される。第1ポート14Aと油圧ポンプ21との間の油路内の圧力、及び第2ポート14Bと油圧ポンプ21との間の油路内の圧力が所定のチャージ圧より低くなると、シャトル弁24を介してチャージポンプ26から作動油が油路に導入される。チャージポンプ26の吐出側の油路内の圧力が所定の圧力以上になると、リリーフ弁28が油路内の作動油を作動油タンク30に逃がす。
圧力センサ15A、15Bが、それぞれ第1ポート14A及び第2ポート14Bに繋がる油路内の圧力を測定する。圧力の測定値が制御装置50に入力される。圧力センサ15A、15Bの測定値のそれぞれとピストン11Pの受圧面積との積の差が、油圧シリンダ11が発生する推力に相当する。すなわち、2つの圧力センサ15A、15Bは、油圧シリンダ11が発生する推力に関わる物理量を測定する推力センサとして機能する。位置センサ16が、シリンダボディ11Sの位置、すなわち位置決め対象10の位置を測定する。位置の測定値が制御装置50に入力される。
制御装置50は、圧力センサ15A、15B、及び位置センサ16から入力された圧力及び位置の測定値に基づいて、作動油供給系20を制御して、位置決め対象10を指令位置まで移動させる。
次に、油圧シリンダ11が位置決め対象10に与える推力を制御する方法について説明する。
位置決め対象10を移動させる推力Fは、ピストン11Pの受圧面積Aと、第1油室13Aと第2油室13Bとの差圧Pを用いて以下の式で表される。
Figure 0007401373000001
第1油室13Aと第2油室13Bとの差圧Pは、作動油の圧縮性の定義から、作動油の体積弾性係数Kv、油圧ポンプ21から油圧シリンダ11に吐出された作動油の体積ΔV、油圧シリンダ11、及び油圧シリンダ11に繋がる作動油の管路の容積Vを用いて、以下の式で表される。
Figure 0007401373000002
油圧ポンプ21から油圧シリンダ11に吐出された作動油の体積ΔVは、油圧ポンプ21の1回転当たりの押しのけ容積Dp、油圧ポンプ21の入力軸の回転角の変位量Δθ[rad]を用いて、以下の式で表される。
Figure 0007401373000003
油圧ポンプ21の入力軸の回転角の変位量Δθは、入力軸の角速度ωと電動モータ22の駆動時間Δtを用いて、以下の式で表される。角速度ωは、予め設定された固定値である。
Figure 0007401373000004
式(1)~式(4)から、油圧シリンダ11の差圧Pは以下の式(5)、発生する推力Fは、以下の式(6)で表される。
Figure 0007401373000005
Figure 0007401373000006
式(6)は、電動モータ22及び油圧ポンプ21の駆動時間Δtを制御することにより、推力Fを変化させることができることを示している。本実施例では、予め規定されている制御周期ごとに、1つの制御周期の長さより短いパルス時間幅(以下、「パルス幅」という。)だけ油圧ポンプ21を動作させ、残りの時間は油圧ポンプ21を停止させることにより、位置決め対象10を移動させる。すなわち、制御周期ごとに油圧シリンダ11に間欠的に作動油を供給して位置決め対象10を微小送りしながら、複数回の制御周期を実行することにより、位置決め対象10を指令位置まで移動させる。本明細書において、このような制御を「吐出容量制御」と呼ぶ。
吐出容量制御は、位置決め対象10の指令位置から現在位置までの位置偏差が微小であり、位置決め対象10の移動速度が微小な領域で採用される。例えば、スティックスリップ現象が発生するような微小な速度領域で採用される。
一方、位置決め対象10の位置偏差や速度が大きい領域、例えばスティックスリップ現象が発生しない速度領域では、吐出流量制御が採用される。吐出流量制御では、位置決め対象10の指令位置から現在位置までの位置偏差に応じて、油圧ポンプ21の回転速度を制御する。
スティックスリップ現象が発生するような微速領域では速度変動が生じやすくなるため、吐出流量制御によって速度を安定して制御することが困難である。このため、位置決め対象10の位置を安定して指令位置に合わせることが困難である。微速領域で、吐出流量制御に代えて吐出容量制御を採用することにより、位置決め対象10の位置を精度よく指令位置に合わせることができる。
次に、図3A及び図3Bを参照して、本実施例による油圧駆動装置による位置決め対象10の吐出容量制御を適用した位置制御について説明する。
図3Aは、本実施例による油圧駆動装置の制御系のブロック線図である。制御装置50が、制御周期ごとにモータドライバ25に操作パルスを与える。モータドライバ25は、操作パルスで指令された情報に基づいて電動モータ22に駆動電力を供給する。油圧ポンプ21は、電動モータ22から与えられた動力によって油圧シリンダ11に作動油を供給する。油圧シリンダ11は、油圧ポンプ21から供給された作動油によって推力を発生し、位置決め対象10(図1)を移動させる。これにより、位置決め対象10の位置Xが変化する。位置センサ16(図1)が、位置決め対象10の位置Xを測定する。
制御装置50は、偏差・パルス幅変換部51、パルス発生部53、記憶部55、及びダンピング補償部56を含む。位置決め対象10の指令位置Xrefが制御装置50に入力される。制御装置50は、指令位置Xrefから位置Xを減じることにより、位置偏差eを算出する。
偏差・パルス幅変換部51は、位置偏差e(j)に応じて、第1操作量として第1パルス幅Tw1を生成する。例えば、第1パルス幅Tw1は位置偏差e(j)に比例する。なお、位置偏差e(j)が所定の値を超えると第1パルス幅Tw1が一定になるようにしてもよい。
記憶部55は、制御周期ごとに位置偏差e及び位置決め対象10の位置Xを記憶する。記憶部55に記憶されている時系列データの順番をjで表す。例えば、制御周期を、指令位置Xrefの変化時点を起点に、1回目の制御周期、2回目の制御周期、・・・と呼び、j番目の制御周期の位置偏差e及び位置Xは、それぞれe(j)、X(j)と表記される。j番目の制御周期を基準として、1制御周期前の過去の位置偏差e及び位置Xは、それぞれe(j-1)、X(j-1)と表記される。制御周期のカウンタは、位置指令により指令される指令位置Xrefの立上がり及び立下りのタイミングでリセットされる。
ダンピング補償部56は、偏差・パルス幅変換部51で生成された第1パルス幅Tw1、記憶部55に記憶されている1制御周期前の過去の位置偏差e(j-1)と位置X(j-1)、及び現在の位置X(j)に基づいて第2パルス幅Tw2を生成する。ダンピング補償部56の詳細な機能については後述する。
制御装置50は、第1パルス幅Tw1から第2パルス幅Tw2を減算して、第3操作量として第3パルス幅Tw3を生成する。第3パルス幅Tw3がパルス発生部53に入力される。パルス発生部53は、予め設定されている固定の回転速度設定値ωと第3パルス幅Tw3とに基づいて、モータドライバ54に第3パルス幅Tw3の時間幅を持つ操作パルスを与える。操作パルスの高さは、回転速度設定値ωに応じて設定される。
モータドライバ54は、入力された操作パルスに基づいて、電動モータ22に駆動指令を出力する。電動モータ22は、回転速度設定値ωに応じた角速度で、第3パルス幅Tw3に応じた時間だけ動作する。
図3Bは、制御装置50に与えられる指令位置Xrefの時間変化の一例を示すグラフである。横軸は時間を表し、縦軸は指令位置Xrefを表す。指令位置Xrefを変化させる周期(以下、ステップ周期という。)をTstpと表記し、指令位置Xrefの変化量(以下、ステップ量という。)をΔXstpと表記する。
次に、図4を参照してダンピング補償部56の機能について説明する。
現在の位置X(j)と1制御周期前の位置X(j-1)から、以下の式(7)を用いて位置決め対象10の変位量ΔX(j)を求める。過去の位置X(j-1)は、記憶部55から読み出される。変位量ΔX(j)は、現在の制御周期より1制御周期前の位置偏差e(j-1)に基づく制御によって位置決め対象10が変位した量である。
Figure 0007401373000007
次に、変位量ΔX(j)と、1制御周期前の位置偏差e(j-1)から、以下の式(8)により、位置偏差と変位量との比R(j)を計算する。過去の位置偏差e(j-1)は記憶部55から読み出される。
Figure 0007401373000008
位置偏差と変位量との比R(j)は、1制御周期前の制御における位置偏差e(j-1)と、それに基づく応答である実際の変位量X(j)との比である。この数値が1を超えるということは、位置決め対象10が位置偏差以上に変位していることを意味する。このとき、位置決め対象10の位置X(j)が指令位置Xrefを超えて行き過ぎが発生する。位置決め対象10の行き過ぎは、ハンチング等の要因になるため、位置偏差と変位量との比R(j)が1以下になるように制御することが望ましい。
図4は、位置偏差と変位量との比R(j)の値から第2パルス幅Tw2を求めるための比R(j)と第2パルス幅Tw2との関係を示すグラフである。横軸は位置偏差と変位量との比R(j)を表し、縦軸は第2パルス幅Tw2を表す。比R(j)が基準値Rth以下の範囲では、第2パルス幅Tw2はゼロである。比R(j)が基準値Rth以上1以下の範囲では、第2パルス幅Tw2がゼロから飽和値Tw2maxまで線形に増加する。比R(j)が1以上の範囲では、第2パルス幅Tw2は飽和値Tw2maxに固定される。飽和値Tw2maxは、第1パルス幅Tw1より小さい。
ダンピング補償部56は、式(8)により比R(j)を計算し、図4に示した第2パルス幅Tw2と比R(j)との関係に基づいて、第2パルス幅Tw2を決定する。なお、ダンピング補償部56は、第1パルス幅Tw1に対する倍率と比R(j)との関係を記憶しておいてもよい。倍率は1未満である。この場合、ダンピング補償部56は、第1パルス幅Tw1に対する倍率と比R(j)との関係から求められた倍率を第1パルス幅Tw1に乗じることにより、第2パルス幅Tw2を生成する。
第2パルス幅Tw2がゼロより大きな値になると、パルス発生部53に入力される第3パルス幅Tw3が第1パルス幅Tw1より短くなる。これは、直前の制御周期において比R(j)が基準値Rthを超えたら、現時点の位置偏差e(j)に応じて決定される作動油の供給量より少ない供給量の作動油が、油圧シリンダ11に供給されることを意味する。
次に、図5及び図6を参照して本実施例の優れた効果について説明する。
図5は、研削盤テーブルの摩擦抵抗特性の一例を示すグラフである。横軸はテーブルの移動速度を単位「m/分」で表し、右縦軸は摩擦係数を表し、左縦軸は摩擦力(抵抗)を単位「kN」で表す。破線で接続された四角記号が摩擦係数を示す。実線で接続された丸記号が動摩擦力を示す、大きな丸記号が最大静止摩擦力を示す。
位置決め対象10(図1)が静止しているときには、位置決め対象10に最大静止摩擦力を上限値とする静止摩擦力が作用する。位置決め対象10が動き出すと、位置決め対象10に作用する摩擦力が最大静止摩擦力から動摩擦力に遷移し、摩擦力が急激に低下する。速度が約5m/分以上の領域では、速度が上昇するにしたがって動摩擦力が大きくなる。ところが、速度が約5m/分以下の微速領域では、逆に速度が遅くなるにしたがって動摩擦力が大きくなる。微速領域における動摩擦力は、最大静止摩擦力の1/3程度である。
油圧シリンダ11(図1)に間欠的に作動油を供給して位置決め対象10を移動させる場合、位置決め対象10の平均移動速度は微速領域の範囲内になる。このため、位置決め対象10には、最大静止摩擦力を上限とする静止摩擦力または微速領域における動摩擦力が作用する。式(4)の電動モータ22の駆動時間Δtを一定にしても、制御周期ごとの位置決め対象10の変位量は摩擦状態によって大きく変化する。例えば、制御周期ごとの変位量は、摩擦状態によって20倍程度変化することがわかった。
指令位置が変化した後、位置決め対象10が指令位置に達するまでの制御周期の実行回数(ステップ数)が多くなると、微速領域の範囲内で速度が上昇し、速度の上昇に応じて摩擦力が低下する。このため、制御周期1回当たりの変位量が大きくなる。これは、位置ループゲインの増加を意味する。位置ループゲインの増加は、制御系の安定性の低下を招く。特に、指令位置に達するまでのステップ数が多くなり、制御周期ごとの変位量が大きくなる場合に、制御系が不安定になり、発振現象が生じやすくなる。
本実施例では、以下に説明するように、制御系が不安定になることを抑制することができる。
図6は、位置決め対象10の指令位置Xref、位置決め対象10の位置X、位置偏差と変位量との比R、モータドライバ25(図3A)に与える操作パルスの時間変化を示すグラフである。横軸は時間を表し、上段のグラフの縦軸は位置Xを表し、中段のグラフの縦軸は位置偏差と変位量との比Rを表し、下段のグラフの縦軸は回転速度設定値ω(図3A)を表す。図6の上段のグラフの細い実線が指令位置Xrefを示し、太い実線が位置決め対象10の位置Xを示す。時刻t1で指令位置Xrefがステップ量ΔXstpだけ変化している。
指令位置Xrefがステップ量ΔXstpだけ変化した時刻t1のタイミングで位置偏差eが発生し、1回目の制御周期の処理が実行される。その後、時刻t2、t3においてそれぞれ2回目及び3回目の制御周期の処理が実行される。1つの制御周期の開始から次の制御周期の開始までの時間間隔はTcである。位置決め対象10の位置が指令位置Xrefに収束するまで複数回の制御周期が実行される。図6では3回分の制御周期を示している。
時系列データの間の関係の一般化を図るため、現在の時刻をt2として、時刻t2から開始される制御周期が、指令位置Xrefの変化時点を起点としてj番目の制御周期であるとする。現在時刻t2における位置決め対象10の位置及び位置偏差は、それぞれX(j)、e(j)と表される。1つ前の制御周期の開始時刻t1における位置決め対象10の位置及び位置偏差は、それぞれX(j-1)、e(j-1)と表される。1つ後の制御周期の開始時刻t3における位置決め対象10の位置及び位置偏差は、それぞれX(j+1)、e(j+1)と表される。
時刻t1における位置偏差e(j-1)に基づいて発生した操作パルスがモータドライバ25(図3A)に与えられることにより、位置決め対象10が1つ前の制御周期の開始時刻t1における位置X(j-1)から、現在の位置X(j)に変位する。その変位量ΔX(j)は、X(j)-X(j-1)である。同様に、位置偏差e(j)に基づいて発生した操作パルスがモータドライバ25(図3A)に与えられることにより、位置決め対象10が位置X(j)から位置X(j+1)に変位する。その変位量ΔX(j+1)は、X(j+1)-X(j)である。
また、式(8)より、時刻t1の時点における比R(j-1)は、ΔX(j-1)/e(j-2)である。ここで、ΔX(j-1)=X(j-1)-X(j-2)である。図5では、時刻t2の制御周期より2つ前の制御周期は存在しないため、比R(j-1)はゼロである。したがって、図4から第2パルス幅Tw2がゼロになる。第2パルス幅Tw2がゼロであるため、第3パルス幅Tw3(図3A)は第1パルス幅Tw1と等しくなり、位置偏差e(j-1)のみに基づいて生成された操作パルスがモータドライバ25(図3A)に与えられる。
時刻t2で開始される2回目の制御周期では、直前の1回目の制御周期における位置決め対象10の変位量ΔX(j)及び位置偏差e(j-1)に基づいて、位置偏差と変位量との比R(j)が式(8)を用いて計算される。すなわち、R(j)=ΔX(j)/e(j-1)となる。ここで、ΔX(j)=X(j)-X(j-1)である。このとき、比R(j-1)は基準値Rthを超えていない。このため、図4から第2パルス幅Tw2はゼロである。したがって、2回目の制御周期においても、モータドライバ25に与えられる操作パルスのパルス幅は、第1パルス幅Tw1に等しい。
時刻t3で開始される3回目の制御周期では、直前の2回目の制御周期における位置決め対象10の変位量ΔX(j+1)及び位置偏差e(j)に基づいて、位置偏差と変位量との比R(j+1)が式(8)を用いて計算される。すなわち、R(j+1)=ΔX(j+1)/e(j)となる。ここで、ΔX(j+1)=X(j+1)-X(j)である。このとき、位置偏差と変位量との比R(j+1)は基準値Rthを超えている。このため、図4から、正の値を持つ第2パルス幅Tw2が生成される。第3パルス幅Tw3(図3A)は、Tw3=Tw1-Tw2となり、位置偏差e(j+1)のみに基づいて決定された第1パルス幅Tw1より短くなる。
時刻t3において、位置決め対象10に作用する摩擦力が、図5に示した微速領域における小さな動摩擦力に相当する場合、位置偏差e(j)に応じて決定した第1パルス幅Tw1に相当する供給量の作動油を供給すると、図6において破線で示すように変位量が大きくなり過ぎ、位置決め対象10の位置が指令位置Xrefを越えてしまう。位置Xが指令位置Xrefを超えてしまうと、ハンチングが生じやすくなる。
本実施例では、時刻t3で開始される制御周期において、第1パルス幅Tw1より短い第3パルス幅Tw3に応じた供給量の作動油が油圧シリンダ11に供給される。このため、位置決め対象10の変位量ΔX(j+1)が破線で示した変位量より小さくなる。このため、位置Xが指令位置Xrefを越えにくくなり、その結果、ハンチングも生じにくくなる。したがって、安定した位置応答が得られる。
次に、上記実施例の変形例について説明する。
上記実施例では、油圧シリンダ11(図1)のピストン11P、第1ロッド11A、及び第2ロッド11Bを固定し、シリンダボディ11Sを移動させているが、逆にシリンダボディ11Sを固定して、ピストン11P、第1ロッド11A、及び第2ロッド11Bを位置決め対象10とともに移動させてもよい。また、上記実施例では、油圧シリンダ11として両ロッド油圧シリンダを用いているが、その他の油圧シリンダ、例えば複動型単ロッド油圧シリンダ、単動型単ロッド油圧シリンダ等を用いてもよい。
上記実施例では、位置決め対象10を直線に沿って移動させる油圧シリンダ11を用いているが、油圧シリンダ11に代えて、その他の油圧アクチュエータを用いてもよい。例えば、油圧アクチュエータとして油圧モータを用いてもよい。この場合には、油圧モータの回転方向の位置制御を行う油圧駆動装置に、上記実施例の制御装置50を適用するとよい。
上記実施例では、制御装置50が操作パルスにより、式(4)の角速度ωと駆動時間Δtとをモータドライバ25に与えている。その変形例として、制御装置50がモータドライバ25に、式(4)の回転角の変位量Δθを指定する情報を与えるようにしてもよい。このとき、モータドライバ25は、与えられた回転角の変位量Δθだけ電動モータ22を回転させる。
上述の実施例及び変形例は例示であり、異なる実施例及び変形例で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。複数の実施例及び変形例の同様の構成による同様の作用効果については実施例及び変形例ごとには逐次言及しない。さらに、本発明は上述の実施例及び変形例に制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
10 位置決め対象
11 油圧シリンダ
11A 第1ロッド
11B 第2ロッド
11P ピストン
11S シリンダボディ
12A 第1油路
12B 第2油路
13A 第1油室
13B 第2油室
14A 第1ポート
14B 第2ポート
15A、15B 圧力センサ
16 位置センサ
20 作動油供給系
21 油圧ポンプ
22 電動モータ
23A、23B リリーフ弁
24 シャトル弁
26 チャージポンプ
27 電動モータ
28 リリーフ弁
30 作動油タンク
50 制御装置
51 偏差・パルス幅変換部
53 パルス発生部
54 ドライバ
55 記憶部
56 ダンピング補償部

Claims (3)

  1. 位置決め対象を移動させる推力を発生する油圧アクチュエータに作動油を供給する作動油供給系を制御して前記油圧アクチュエータを駆動する制御装置であって、
    制御周期ごとに、前記位置決め対象の指令位置と、前記位置決め対象の現在位置との差である位置偏差に応じて作動油の供給量を決定し、前記作動油供給系から前記油圧アクチュエータに作動油を供給させ、
    直前の制御周期において、前記位置偏差に対する前記位置決め対象の変位量の比が基準値を超えたら、前記位置偏差に応じて決定される作動油の供給量より少ない供給量の作動油を前記油圧アクチュエータに供給させる制御装置。
  2. 直前の制御周期において、前記位置偏差に対する前記位置決め対象の変位量の比が前記基準値を超えたら、前記位置偏差に対する前記位置決め対象の変位量の比が大きいほど、前記位置偏差に応じて決定される作動油の供給量から減じる量を多くする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記作動油供給系は、前記油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧ポンプと、前記油圧ポンプを駆動する電動モータとを含み、制御周期ごとに、前記電動モータを動作させる時間を変化させることにより、作動油の供給量を変化させる請求項1または2に記載の制御装置。
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