JP7400825B2 - 5-フルオロウラシルおよび5-フルオロジヒドロウラシルの分析方法 - Google Patents

5-フルオロウラシルおよび5-フルオロジヒドロウラシルの分析方法 Download PDF

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Description

本発明は、5-フルオロウラシルおよび5-フルオロジヒドロウラシルの分析方法に関する。より詳細には本発明は人の血液中のウラシルおよびジヒドロウラシルの分析方法に関する。
消化器系癌、中咽頭癌、乳がん等の悪性腫瘍に対する抗がん剤として5-フルオロウラシル(以下ウラシルと略す場合がある)を患者に投与することが一般的に知られている。しかしながら、ウラシルは静脈に投与されると、ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ酵素(dihydropyrimidine dehydrogenase enzyme、以下DPDと略する場合がある)の作用により、肝臓で即座に代謝されることが知られている。
上記代謝作用により、体内で有効に作用するウラシルの量は投与量のおおよそ10%程度である。このように有効に働く量が少ないため、ウラシルは通常の他の薬剤に比較して、非常に多量に投与する必要がある。
一方、DPDの活性および量は個人によって大きく異なっており、DPD活性の低い患者にウラシルを投与すると、通常より多くのウラシルが有効に働き、その結果、重篤な副作用が発生することがある。したがって各人のDPD活性を正確にモニタリングすることが求められている。
DPD活性の評価方法として、血漿中のウラシルと5-フルオロジヒドロウラシル(以下、ジヒドロウラシルと略する場合がある)の存在比を利用する方法がある。また、近年個々の患者に適した投与設計を行い,適正な薬物療法を行うためのモニタリング(TDM)の重要性も指摘されており、抗がん剤として5-フルオロウラシルを被験者に投与後、当該被験者の5-フルオロウラシルの血中濃度を測定し、適切な量の投与が実施されているか等を確認する上でも、ウラシル単体での定量も行われている。血漿中のウラシルとジヒドロウラシルの各存在量は液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)により測定されるが、採取した血液から直接LCMSで測定することはできず、血液から液液抽出(例えば非特許文献1)または固相抽出(例えば非特許文献2)によりウラシルとジヒドロウラシルを抽出した後、ウラシルとジヒドロウラシルを定量していた。
Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis Volume 142, 5 August 2017, Pages 125-135 Journal of Chromatographic Science, Volume 50, Issue 10, November/December 2012, Pages 877–884
しかしながら、上記方法は、分析者の処理が煩雑であり、抽出工程に一定の時間を要するため、より迅速で簡便なウラシルおよび/またはジヒドロウラシルの分析方法が求められていた。
本発明は、血液中のウラシルとジヒドロウラシルの存在比を測定する簡便な方法を提供することを目的とする。 またさらに本発明は簡便性に加えて迅速なウラシルとジヒドロウラシルの存在比を測定する方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、
被験者から採取した血液を収納した検体容器および試薬が収納された試薬容器から、それぞれ一定量の流体を吸引して反応容器に分注する分注工程、
前記分注工程で分注された前記血液と前記試薬を前記反応容器内で混合する混合工程、
前記混合工程で得られた混合物を撹拌する撹拌工程、
前記撹拌工程で生成した沈殿物をろ過してろ液を採取するろ過工程、
前記工程により得られたろ液を液体クロマトグラフィーにより成分ごとに分離する分離工程、
前記分離工程により分離された各成分を質量分析装置により分析し、得られた質量分析データに基づき、前記血液中の5-フルオロウラシルおよび5-フルオロジヒドロウラシルの少なくとも一方について定性および定量する分析工程を含み、
前記各工程を自動的に行うとともに、前記分注工程、前記混合工程、前記撹拌工程、前記ろ過工程のうち、の少なくとも一つの工程で得られた液を希釈する希釈工程を含む、分析方法。
本発明によれば、血液から事前にウラシルまたはジヒドロウラシルを抽出する必要がなく、簡便に血液中のウラシルとジヒドロウラシルの存在比を測定することができる。さらに本発明によれば、簡便性に加えて、迅速にウラシルとジヒドロウラシルの存在比を測定することができる。
前処理装置の実施態様1を示す平面図である。 反応容器の一例を示す断面図である。 回収容器の一例を示す断面図である。 反応容器に回収容器を装着した状態の一例を示す断面図である。 撹拌部の構造を示す断面構成図である。 撹拌部の動作状態示す断面構成図である。 ろ過ポートの構造を示す断面構成図である。 ろ過ポートに反応容器と回収容器を装着した状態を示す断面構成図である。 負圧付加機構の構成を示す概略流路構成図である。 前処理装置の実施態様2を示す平面図である。 図1に示した前処理装置を用いて得られたろ液を希釈率5倍に希釈し、液体クロマトグラフィーにより成分ごとに分離し、分離されたウラシルを質量分析した結果を示すグラフである。 図1に示した前処理装置を用いて得られたろ液を希釈率15倍に希釈し、液体クロマトグラフィーにより成分ごとに分離し、分離されたウラシルを質量分析した結果を示すグラフである。 図1に示した前処理装置を用いて得られたろ液を希釈率40倍に希釈し、液体クロマトグラフィーにより成分ごとに分離し、分離されたウラシルを質量分析した結果を示すグラフである。 図1に示した前処理装置を用いて得られたろ液を希釈率50倍に希釈し、液体クロマトグラフィーにより成分ごとに分離し、分離されたウラシルを質量分析した結果を示すグラフである。 図1に示した前処理装置を用いて得られたろ液を希釈率5倍に希釈し、液体クロマトグラフィーにより成分ごとに分離し、分離されたジヒドロウラシルを質量分析した結果を示すグラフである。 図1に示した前処理装置を用いて得られたろ液を希釈率15倍に希釈し、液体クロマトグラフィーにより成分ごとに分離し、分離されたジヒドロウラシルを質量分析した結果を示すグラフである。 図1に示した前処理装置を用いて得られたろ液を希釈率40倍に希釈し、液体クロマトグラフィーにより成分ごとに分離し、分離されたジヒドロウラシルを質量分析した結果を示すグラフである。 図1に示した前処理装置を用いて得られたろ液を希釈率50倍に希釈し、液体クロマトグラフィーにより成分ごとに分離し、分離されたジヒドロウラシルを質量分析した結果を示すグラフである。 図1に示した前処理装置を用いて得られたろ液を希釈せず、液体クロマトグラフィーにより成分ごとに分離し、分離されたウラシルを質量分析した結果を示すグラフである。 図1に示した前処理装置を用いて得られたろ液を希釈せず、液体クロマトグラフィーにより成分ごとに分離し、分離されたジヒドロウラシルを質量分析した結果を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
ウラシルを投与する患者や将来投与する可能性のある患者等、DPD活性を調べる必要のある対象者(以下、被験者という)からまず血液を採取し、検体容器に収納する。採取の方法は特に制限はなく、注射器等により後述するLCMS分析に必要な量を採取すればよい。
上述にて採取した血液を検体容器に収納するが、採取した血液は全量を検体容器に収納してもよい。複数の検体容器に収納する血液の量は例えば、5から50μlである。
また血液はそのまま検体容器に収納してもよいが、分析精度の向上の観点から、例えば遠心分離等で血液から分離した血清を検体容器に収納してもよい。または血液に抗凝固剤等を添加した後、遠心分離等により血液から分離した血漿を検体容器に収納してもよい。
一方、試薬が収納された試薬容器を別途、用意する。試薬は血液からタンパク質を除去(除タンパク)する試薬であり、効果的にタンパク質が除かれるという観点から、アセトニトリルとギ酸の混合物が好ましい。アセトニトリルとギ酸の混合比はタンパク質の除去効率の観点から、アセトニトリルとギ酸の重量の合計量を100%とした時、ギ酸の量は0.2%から5%、より好ましくは0.5%から2%である。
上述の検体容器および試薬容器のそれぞれから、一定量の血液または試薬である流体を反応容器に分注する(分注工程)。分注する方法は、例えば流体をシリンジ等で吸引する方法が例示できる。分注する量は上述の各検体容器および試薬容器に収納されている量の範囲で決められる
反応容器は、検体や試薬のコンタミネーションを回避するとともに、分析精度および操作の簡便性の観点から、ディスポ―サブルであることが好ましく、そのため、少なくとも分析を行う回数分の反応容器を用意しておくことが好ましい。また、反応容器については、ディスポーザブルではなく、繰り返し利用してもよく、繰り返し利用する場合は、例えば、分析完了毎に、血液および試薬と反応しないような有機溶媒で洗浄してもよい。
上記分注工程により分注された血液および試薬を反応容器内で混合する(混合工程)。分注された血液および試薬をそれぞれ反応容器内へ注入し、両者を混合し混合物が得られる。
次に上記混合工程で得られた混合物を撹拌する(撹拌工程)。撹拌工程における撹拌の方法は、例えば撹拌機構を備えた反応容器を用いる方法がある。撹拌機構としては外部からモータ、電磁石等により内部の撹拌子または撹拌翼を回転させる機構、反応容器を旋回、振動または揺動させる機構が例示できる。また複数の機構を組み合わせてもよい。
上記撹拌工程では沈殿物が生成するので、生成した沈殿物をろ過によりろ液を採取する(ろ過工程)。生成する沈殿物は通常、たんぱく質であり、目的とするウラシルおよびジヒドロウラシルはろ液中に存在する。
ろ過の方法は、例えば上述した反応容器から沈殿物を含んだ液体を分離膜を備えた容器に注ぎ、分離膜で沈殿物を分離し、ろ液を採取する方法が例示できる。操作の簡便性の観点から、分離膜等のろ過機構を備えた反応容器を用いるのが好ましい。ろ過は大気圧下で行ってもよいが、分析方法の迅速化の観点から、例えば反応容器の外部を負圧し、ろ液を吸引しながらろ過する方法が好ましい。用いる分離膜の例は石英繊維分離膜、ガラス繊維分離膜、樹脂製分離膜がある。
樹脂製分離膜に用いられる樹脂は例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、アクリル共重合体、混合セルロース、ニトロセルロース、ポリエーテルスルホン等がある。また分離膜としてイオン交換膜、グラスファイバー膜などを用いることができる。これらの中でも化学的安定性の観点から、ポリテトラフルオロエチレンが特に好ましい。
ろ過工程で使用する分離膜については、上記沈殿物の分離性、安定性、さらに反応性を高める上で、所定の溶液により当該分離膜を濡らすコンディショニング処理を行うことが好ましい。溶液の例としては、アルコールが好ましく、例えば、イソプロパノールやメタノールなどを用いることができる。
沈殿物と分離されたろ液は別の容器等に回収する方が後述する希釈工程の簡便性の観点から好ましい。例えば分離膜等のろ過機構を備えた反応容器を用いる場合、分離膜よりも下部に液の排出口を設け、排出口にろ液を受ける容器を装着してろ過することで、ろ液を回収することができる。
上記分注工程からろ過工程のいずれかの工程で得られた液を希釈する(希釈工程)。希釈に用いる液(以下、希釈液と称する場合がある)は、各工程で得られた液と反応しない液であれば特に制限はないが、通常、水が用いられる。希釈工程では、均一に希釈する観点から、希釈液を当該液に加えたあと、容器を揺動等により撹拌することが好ましい。全工程に要する時間と均一に希釈できるという観点から、撹拌の時間は例えば50秒から200秒程度である。
従来の固相抽出や液液抽出とは異なり、上記のようなアセトニトリルやギ酸等の有機溶媒を利用したろ過工程により得られたろ液については、血液中の有機溶媒と反応して沈殿するたんぱく質は除去されている。しかしながら分注工程からろ過工程の各工程で得られる液には分析対象となるウラシル、ジヒドロウラシル以外の夾雑物 が多く含まれている。したがって、後述するLCMSにろ過工程後のろ液を直接供したとしても、ウラシルやジヒドロウラシルをイオン化する際、ろ液中に存在する夾雑物により、そのシグナル強度に対して、イオンサプレッションやエンハンスが引き起され、実際のシグナル強度とは異なる結果が得られることになる(マトリックス効果)。
そこで、上記の通り、本発明では、LCMSに供する前に各工程で得られた液を水等の希釈液により希釈して夾雑物を一定の濃度以下にすることで、LCMSでウラシルやジヒドロウラシルをイオン化する際に、当該夾雑物によるマトリックス効果を低減し、後述の分離工程および分析工程で高精度の結果を得ることができる。また希釈液は、通常、検体または試薬とは反応しない液であるため、検体と試薬が混合された混合液中の各濃度は変化するが、後述する質量分析を行う工程におけるウラシルやジヒドロウラシルのイオン化には影響しないことが確認されている。この方法により、従来のような液液や固相抽出など、成分を特定した抽出工程を経ることなく、希釈により、LCMS簡便かつ迅速にウラシルやジヒドロウラシルの分析が行える。
本明細書において希釈の倍率(希釈率)とは、希釈前の液の体積1に対して、加えた希釈液の体積の割合を合計した値である。すなわち、例えば希釈前の体積1に対して希釈液を体積にして4加えた場合、希釈率は5、すなわち5倍の希釈となる。希釈前の体積1に対して10分の1の体積の希釈液を加えた場合、希釈率は1.1(1.1倍の希釈)となる。
本発明において、希釈工程で希釈液をごく少量でも添加すればよく、希釈率としては1より大きければよい。希釈率は1.1倍以上が好ましく、2倍以上がより好ましい。希釈率の上限は上記マトリックス効果の低減と分離工程および分析工程での精度の観点から50倍以下が好ましい。
希釈工程をろ過工程の前に実施する場合、希釈率は上述の範囲が好ましいが、より分析精度を高めるという観点から、希釈率は5倍から50倍が好ましく、8倍から13倍がより好ましい。希釈することで後述するLCMSの定量性が向上する。
上記希釈工程の後、希釈されたろ液(以下、希釈ろ液と称する場合がある)を別途用意した回収容器に回収してもよい(回収工程)。回収した希釈ろ液は後述するLCMSに搬送され(搬送工程)、ウラシル、ジヒドロウラシルの分析に供される。なお回収工程を含まない場合であっても、上記希釈工程のあとに搬送工程を設けてもよい。
回収容器は一つでも複数でもよい。希釈ろ液の量により回収容器の数は適宜設定される。
上記希釈工程または回収工程の後、希釈ろ液は液体クロマトグラフィーの分析に供され、希釈ろ液中に含まれている成分ごとに分離される(分離工程)。搬送工程が含まれる場合は、搬送工程の後に分離工程が行われる。カラム、カラム温度、流速等の液体クロマトグラフィーの条件は、希釈ろ液中に含まれている成分が精度よく分離できるように、適宜設定される。
液体クロマトグラフィーで用いる移動相は、ウラシル、ジヒドロウラシルの分離性の観点から、水と酢酸の混合物、およびアセトニトリルと酢酸の混合物のいずれかを用いるのが好ましい。水と酢酸の混合物の場合、水と酢酸の全質量を100%として、酢酸の量は0.05から1.0質量%が好ましく、0.1から0.8質量%がより好ましい。
アセトニトリルと酢酸の混合物の場合、アセトニトリルと酢酸の全質量を100%として、酢酸の量は0.05から1.0質量%が好ましい。移動相としては上記2種を用いるのが好ましい。
上記分離工程で分離されたウラシルまたはジヒドロウラシルは質量分析により得られた質量分析データにより定性および定量分析が行われる(分析工程)。質量分析の測定条件は分析精度の観点から適宜、設定される。
上記分注工程、混合工程、撹拌工程、ろ過工程、希釈工程、分離工程、分析工程の各工程は自動的に行われる。また回収工程、搬送工程を含む場合は両工程を自動で行われるのが好ましい。各工程は上述した操作を達成する各種機能を有した装置を用い自動で行うことで、分析者が個々のすべての操作を行う必要なしに簡便にウラシルおよびジヒドロウラシルを分析することができる。
各工程を自動で行うために、各種機能を予め設定された条件で作動するように制御することが好ましい。制御の方法は、例えばパーソナルコンピュータや専用のコンピュータにより実行されるソフトウェアを用いる方法が挙げられる。各工程を制御するパーソナルコンピュータや専用のコンピュータを有する制御部を用いて上記工程を自動で行うことが好ましい。
上記各工程はその内のいくつかをまとめて一つの装置で行なってもよいが、前記分注工程からろ過工程を一つの装置(以下前処理装置と称する場合がある)で行うことが、分析の簡便性と迅速性の観点から、好ましい。前記分注工程からろ過工程を一つの前処理装置で行う場合、該前処理装置は、
前記前処理装置が
被験者から採取した血液を収容した検体容器を1以上保持する検体ラックと、
1以上の試薬容器を保持するように構成された試薬ラックと、
前記検体容器と前記試薬容器とから一定量の流体を吸引して前記反応容器に分注するように動作可能な分注機構と、
前記反応容器に収容された混合物を撹拌するための撹拌機構と、
前記反応容器内の沈殿物をろ過してろ液を採取するろ過機構と、
前記分注機構を、検体容器から血液を吸引して反応容器に分注し、試薬容器から試薬を吸引して反応容器に分注するように制御する制御部と
を備える前処理装置であることが、分析の簡便性と迅速性の観点から、より好ましい。
本発明の分析方法が上記希釈工程と分離工程の間に回収工程と搬送工程をさらに含む場合、上記前処理装置が、さらに
少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、前記回収容器を保持して搬送する保持機構をさらに備え、
前記制御部は、前記保持機構を、希釈工程後に前記回収容器を第1の位置から第2の位置に搬送するように制御する、
前処理装置であることが好ましい。
上記機構をさらに備えることで、回収工程、搬送工程も一つの前処理装置で行うことができる。このような装置を用いることで、ウラシル、ジヒドロウラシルの分析をさらに迅速に行うことができ、より好ましい。
以下実施形態により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施形態に制限されるものではない。
<実施形態1>
前記処理装置を用いて血液中のウラシル、ジヒドロウラシルを分析する分析方法の一実施形態について図1を用いて説明する。
この実施形態1の前処理装置1は、用意された反応容器50と回収容器54の組からなる前処理キットを有し、上述した分注工程からろ過工程を実行するために、各工程に対応した処理ポートが設置されている。
前処理キットをなす反応容器50および回収容器54は、搬送機構をなす搬送アーム24によって搬送される。搬送アーム24は先端側に反応容器50および回収容器54を保持するための保持部25を有し、保持部25が円弧状の軌道を描くようにその基端部を保持する鉛直軸29を回転中心として水平面内において回転する。反応容器50および回収容器54の搬送先である分注ポート、撹拌ポートおよびろ過ポートは、すべて保持部25が描く円弧状の軌道に沿って設けられている。
血液を収容した検体容器6を設置するための検体ラック2が設けられ、その近傍に検体ラック2に設置された検体容器から検体を採取するためのサンプリング部であるサンプリングアーム20が設けられている。検体ラック2には複数の検体容器6を保持するラック4が円環状に設置される。検体ラック2はラック4をその周方向に移動させるように水平面内において回転し、検体ラック2の回転によって所望の検体容器6が所定のサンプリング位置に配置されるようになっている。サンプリング位置とは、サンプリングアーム20の先端のサンプリングノズル20aの軌道に沿った位置であって、サンプリングノズル20aにより検体を採取する位置である。
サンプリングアーム20は、基端部を鉛直軸22が貫通し、軸22を中心とする水平面内での回転動作および軸22に沿った鉛直方向への上下動を行なう。サンプリングノズル20aはサンプリングアーム20の先端側でその先端が鉛直下方向を向くように保持されており、サンプリングアーム20によって水平面内における円弧状の軌道を描く移動と鉛直方向への上下動を行なう。
サンプリングノズル20aの軌道上で、かつ搬送アーム24の保持部25の軌道上の位置に分注ポート32が設けられている。分注ポート32は未使用の反応容器50に対してサンプリングノズル20aが血液を分注するためのポートである。未使用の反応容器50は搬送アーム24によって分注ポートに設置される。
検体ラック2の内側に、試薬容器10を設置するための試薬ラック8が設けられ、試薬ラック8に設置された試薬容器から試薬を採取するための試薬アーム26(試薬添加部)が設けられている。試薬アーム26は基端が搬送アーム24と共通の鉛直軸29によって支持されており、水平面内において回転するとともに上下動を行なうようになっている。試薬アーム26の先端部にその先端が鉛直下方向を向くようにして試薬添加ノズル26aが設けられており、試薬添加ノズル26aは搬送アーム24の保持部25と同一の円弧状の軌道を描く水平面内の移動と上下動を行なう。
試薬ラック8は検体ラック2とは独立して水平面内で回転する。試薬ラック8には複数の試薬容器10が円環状に配置され、試薬ラック8が回転することによって試薬容器10がその回転方向に搬送され、所望の試薬容器10が所定の試薬採取位置に配置されるようになっている。試薬採取位置とは、試薬アーム26の試薬添加ノズル26aの軌道に沿った位置であって、試薬添加ノズル26aにより試薬の採取を行なうための位置である。試薬添加ノズル26aは所定の試薬を吸入した後、分注ポート32に設置された反応容器50に対して吸入した試薬を分注することで、血液への試薬の添加を行なうものである。
検体ラック2や試薬ラック8とは異なる位置に、前処理キット設置部12が設けられている。前処理キット設置部12は、未使用の反応容器50と回収容器54が重ねられた状態の複数組の前処理キットを円環状に設置するようになっている。前処理キット設置部12は水平面内において回転して前処理キットを円周方向に移動させ、任意の一組の前処理キットを搬送アーム24の保持部25の軌道に沿った位置に配置する。搬送アーム24は、保持部25の軌道に沿った位置に配置された未使用の反応容器50または回収容器54を保持することができる。
前処理キットをなす反応容器50および回収容器54について、図2A、図2Bおよび図2Cを用いて説明する。
反応容器50は、図2Aに示されているように、血液や試薬を収容する内部空間50aを有する円筒状の容器である。内部空間50aの底部に分離膜52が設けられている。分離膜52としては、上記で例示した分離膜が設置される。
反応容器50の上面に血液や試薬を注入するための開口50bが設けられ、下面に分離膜52を通液した液を抽出するための抽出口50dが設けられている。外周面の上部に、後述する搬送アーム24の保持部25を係合させるために周方向へ突出した鍔部50cが設けられている。
鍔部50cの下方に、周方向へ突起し、そこから下方へ一定距離だけ延びて外周面の周囲を取り囲むスカート部51が設けられている。後述するが、スカート部51は、ろ過ポート30に回収容器54とともに収容されたときに、ろ過ポート30の縁に密接することによってスカート部51の内側の空間を密閉空間にするためのものである。
回収容器54は、図2Bおよび図2Cに示されているように、反応容器50の下部を収容し、反応容器50の抽出口50dから排出されたろ液を回収する円筒状の容器である。上面に反応容器50の下部を挿入させる開口54bを有し、内部に反応容器50のスカート部51よりも下側の部分を収容する空間54aを有する。外周面の上部に、反応容器50と同様に、搬送アーム24の保持部25を係合させるために周方向へ突出した鍔部54cが設けられている。
回収容器54の上部は、反応容器50に装着されたときにスカート部51の内側に入り込む。反応容器50の外径と回収容器54の内径は、回収容器54の内部空間54aに反応容器50が収容されたときに、反応容器50の外周面と回収容器54の内周面との間に僅かな隙間が生じるように設計されている。前記処理キット設置部12には、反応容器50と回収容器54が、反応容器50の下部が回収容器54に収容された状態(図2Cの状態)で設置される。
図1に示した前処理装置1は、またろ過ポート30、撹拌ポート36aが設けられている。ろ過ポート30は前処理キット設置部12の内側の2ヶ所の位置に設けられている。撹拌ポート36aは、前処理キット設置部12の近傍に設けられた撹拌部36に3つ設けられている。
攪拌部36の構造について図3Aおよび図3Bを用いて説明する。図3Aおよび図3Bは撹拌部36の一つの撹拌ポート36aについて示している。
攪拌部36の撹拌ポート36aは反応容器50を収容する容器である。撹拌ポート36aはその下方に設けられた撹拌機構によって駆動される。
撹拌ポート36aを駆動する撹拌機構について説明する。撹拌ポート36aの下方に回転体76が配置され、回転体76の上面の中心からずれた位置に鉛直向きに配置された駆動軸74が取り付けられている。駆動軸74の上端は撹拌ポート36aの下面に設けられた支持穴72に挿入されている。回転体76はモータ80によって回転させられる回転軸78に支持されており、モータ80の駆動により回転体76が回転し、それに伴って駆動軸74が水平面内で旋回するようになっている。
モータ80に支持フレーム82が取り付けられている。支持フレーム82はモータ80側から鉛直上向きに延びた側壁を有し、その側壁の上端に例えばコイルバネなどの弾性部材83の一端が取り付けられている。弾性部材83の他端は撹拌ポート36aの上部外面に取り付けられており、撹拌ポート36aの上部を弾性的に保持している。弾性部材83は撹拌ポート36aの周囲の均等な複数箇所(例えば4箇所)に設けられている。
撹拌ポート36aに血液と試薬を収容した反応容器50を収容してモータ80を駆動すると、図3Bに示されているように、駆動軸74が水平面内で旋回することにより、支持穴72の下端部がそれに伴なって旋回する。これにより、撹拌ポート36aに収容された反応容器50内が攪拌され、血液と試薬が混合される。血液と試薬が混合されたのち、撹拌ポートからろ過ポートに搬送される。
ろ過ポート30には圧力付加部としての負圧付加機構55(図4Aおよび図4B参照。)が接続されており、ろ過ポート30に設置された前処理キットに対して負圧を付加するように構成されている。
ろ過ポート30について図4Aおよび図4Bを用いて説明する。
ろ過ポート30は、回収容器54に反応容器50の下部が収容された状態の反応容器50および回収容器54を収容する凹部によって構成されている。ろ過ポート30の縁に弾力性を有するリング状の封止部材60が設けられている。封止部材60の材質は、例えばシリコーンゴムやEPDM(エチレン-プロピレン-ジエンゴム)などの弾性材料である。図4Bに示されているように、ろ過ポート30に回収容器54に反応容器50の下部が収容された状態の反応容器50および回収容器54が収容されたときに、反応容器50のスカート部51の下端が封止部材60に当接し、スカート部51の内側側面とろ過ポート30の内側側面によって囲まれた空間が密閉される。
ろ過ポート30の内側側面は流路56を介して負圧付加機構55と接続されている。負圧付加機構55の具体的な構成については後述するが、負圧付加機構55は真空ポンプによってろ過ポート30側に負圧を付加するものである。
ろ過ポート30に反応容器50および回収容器54が収容された状態で負圧付加機構55によってそのろ過ポート30に負圧を付加することで、スカート部51の内側側面とろ過ポート30の内側側面によって囲まれた空間が減圧状態となる。この減圧状態の空間には回収容器54の内部空間54aが通じている。反応容器50の上面は大気開放されているため、反応容器50の内部空間50aと回収容器54の内部空間54aとの間に分離膜52を介して圧力差が生じ、反応容器50の内部空間50aに収容されている試料溶液のうち分離膜52を通過してろ液が回収容器54の内部空間54a側へ排出されることでろ液が採取される。
負圧付加機構55の一例を図5に示す。
2つのろ過ポート30は共通の真空タンク66に接続されている。各ろ過ポート30と真空タンク66の間を接続するそれぞれの流路57は、圧力センサ62および3方バルブ64を備えている。圧力センサ62によりろ過ポート30の圧力が検知される。3方バルブ64は、ろ過ポート30と真空タンク62の間を接続した状態、流路57のうちろ過ポート30側を大気開放した状態(図の状態)、または流路57のうちろ過ポート30側の端部を密閉した状態のいずれかの状態にすることができる。
真空タンク66には、圧力センサ68が接続されているとともに、3方バルブ70を介して真空ポンプ58が接続されており、必要に応じて真空タンク66に真空ポンプ58を接続し、真空タンク66内の圧力を調節することができる。
いずれかのろ過ポート30においてろ液の採取処理を実行する際は、そのろ過ポート30と真空タンク66の間を接続し、そのろ過ポート30の圧力を検知する圧力センサ62の値が所定値になるように調節した後、流路57のうちろ過ポート30側の端部を密閉した状態にする。これにより、ろ過ポート30内が密閉系となり、ろ過ポート30内の減圧状態が維持され、ろ液の抽出が行なわれる。
図1に戻って、この前処理装置1は回収容器54に採取されたろ液を次の希釈工程に送るため、回収容器排出部42を、筐体側縁部に備えている。回収容器排出部42はラックピニオン機構を有する駆動機構により水平面内で一方向(図1の矢印の方向)へ移動する移動部44を備えている。移動部44の上面に、ろ液を収容する回収容器54を設置するための排出ポート43が設けられている。
前処理装置1に設けられている検体ラック2、試薬ラック8、前処理キット設置部12、サンプリングアーム20、搬送アーム24、試薬アーム26、攪拌部36、回収容器排出部42、および負圧付加機構55の動作は、制御部により制御される。制御部は、前処理装置1内に設けられたコンピュータおよびそのコンピュータによって実行されるソフトウェアによって実現される。制御部には、例えばパーソナルコンピュータ(PC)や専用のコンピュータによって実現される演算処理装置が接続されており、分析者は演算処理装置を介してこの前処理装置1を管理する。
制御部は、前処理手段、処理状況管理手段およびランダムアクセス手段を備えている。これらの各手段は、制御部をなすコンピュータがソフトウェアを実行することによって得られる機能である。上述のように、検体ラック2には複数の試料容器が設置されており、それらの試料容器に収容されている試料が反応容器50に順次分注され、その試料に対して実行されるべき前処理項目に対応したポートに搬送される。
ランダムアクセス手段は、各試料に対して次に行なうべき処理項目を確認し、その処理項目に対応したポートの空き状況を確認し、空きがあればその試料を収容した反応容器50または回収容器54をそのポートへ搬送するように構成されている。また、その処理項目に対応するポートに空きがない場合には、そのポートが空き次第、対象の反応容器50または回収容器54をそのポートへ搬送する。ランダムアクセス手段は、各ポートにおける処理の状況を確認し、そのポートでの処理が終了した反応容器50を次の処理を行なうためのポートに搬送するように搬送アーム24を制御するように構成されている。
処理状況管理手段は、各ポートの空き状況や各ポートでの処理状況を管理するように構成されている。各ポートの空き状況は、どのポートに反応容器50または回収容器54を設置したかを記憶しておくことにより管理することができる。また、各ポートに反応容器50または回収容器54が設置されているか否かを検知するセンサを設け、そのセンサからの信号に基づいて各ポートの空き状況を管理してもよい。各ポートにおける処理状況は、そのポートに反応容器50または回収容器54が設置されてからそのポートで実行される処理に要する時間が経過したか否かにより管理することができる。
各ポートに反応容器50または回収容器54が設置されたときに、そのポートにおける所定の処理を実行するように構成されている。
ここで、ろ過ポート30は2つ、撹拌ポート36aは3つ設けられているが、これらの同じ処理を実行するために設けられたポート間には優先順位が設定されており、ランダムアクセス手段は優先順位の高いポートから順に使用するように構成されている。例えば、試料のろ過を実行する際に2つのろ過ポート30のいずれも空いている場合には、優先順位の高いろ過ポート30に回収容器54を設置し、その回収容器54上に反応容器50を設置する。
実施形態1の試料についての動作の一例について説明する。まず、分注ポート32が空いているか否かを確認し、分注ポート32が空いていれば、搬送アーム24がその血液を収容するための未使用の反応容器50を前処理キット設置部12から取り出して分注ポート32に設置する。前処理キット設置部12には反応容器50と回収容器54とは重ねられた状態(図2Cの状態。)で設置されているが、搬送アーム24は上側の反応容器50のみを保持部25で保持して分注ポート32へ搬送する。
サンプリングノズル20aによって血液をその反応容器50に分注する。血液を反応容器50に分注したサンプリングノズル20aはその後洗浄ポート45において洗浄を行ない、次の血液の分注に備える。反応容器50に分注された血液に対して試薬分注ノズル26aによって試薬容器10から試薬を採取し、分注ポート32の反応容器50に分注する。なお、反応容器50への試薬の分注を血液の分注の前に実行してもよい。また、試薬を分注するための試薬分注用ポートを分注ポート32とは別の位置に設けておき、搬送アーム24によってその試薬分注用ポートに反応容器50を設置し、その位置において試薬の分注を行なってもよい。
反応容器50に血液と試薬を分注した後、撹拌ポート36aの空き状況を確認する。撹拌ポート36aに空きがあれば、搬送アーム24によって分注ポート32の反応容器50を空いている撹拌ポート36aに設置して撹拌を行なう。この攪拌工程は予め設定された一定時間行なわれ、これによって反応容器50内の血液と試薬が混合される。この撹拌工程中に、ろ過ポート30の空き状況を確認し、ろ過ポート30に空きがある場合は搬送アーム24によって回収容器54をろ過ポート30に設置する。ろ過ポート30に設置する回収容器54は、撹拌ポート36aにおいて撹拌中の反応容器50と対をなす回収容器54であり、前処理キット設置部12において撹拌中の反応容器50と重ねられて設置されていた回収容器54である。なお、この攪拌処理中に、搬送アーム24は別の血液の反応容器50や回収容器54の搬送を行なうこともできる。
攪拌部36における攪拌工程が終了すると、搬送アーム24は、反応容器50をろ過ポート30の回収容器54上に設置し、図4Bに示された状態にする。反応容器50および回収容器54を収容した濾過ポート30に対し、負圧付加機構55によって所定の負圧を付加する。ろ過ポート30に負圧が付加された状態で一定時間維持されることにより、反応容器50中の沈殿物がろ過され回収容器54にろ液が採取される。このろ過処理中にも、搬送アーム24は他の反応容器50や回収容器54の搬送を行なうことができる。
上述のようにしてろ液を保持する回収容器54は前記回収容器排出部から排出される。排出されたろ液を含む回収容器に希釈液を添加し、必要に応じて希釈ろ液を撹拌して、液体クロマトグラフィーで成分ごとに分離する分離工程、分離された各成分を質量分析により分析する分析工程をへて、ウラシルとジヒドロウラシルの少なくとも一方が分析される。
液体クロマトグラフィーの分析条件の一例としては、以下の条件が挙げられる。
装置:NEXERA(登録商標) X2 またはXR (株式会社 島津製作所製)
カラム:Hypercarb、3μm、150*2、1mm
温度:25℃
移動相 A:水+0.5%酢酸
移動相 B:アセトニトリル+0.5%酢酸
流速:250μL/分
質量分析の分析条件の一例としては、以下の条件が挙げられる。
装置:LCMS-8060 ESIキャピラリー付き
温度:380℃(interface)、 500℃(heat block)、 300℃(DL)
ガス流速:3L/(噴霧ガス)、14L/分(ヒートガス)、3L/分(乾燥ガス)
移動相 B:アセトニトリル+0.5%酢酸
流速:250μL/分
<実施形態2>
実施形態2について図6を参照して説明する。なお以下の説明では前述した実施形態1との相違点を中心に説明する。その他の点については実施形態1と同様である。
本実施形態2では上述した前処理装置1が、さらに少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、前記回収容器を保持して搬送する保持機構をさらに備え、
前記制御部は、前記保持機構を、希釈工程後に前記回収容器を第1の位置から第2の位置に搬送するように制御する機能を有する。
本実施形態では、前記前処理装置1がさらに希釈ポート60を有し、前処理装置1のろ過ポート30(第1の位置)から希釈ポート60(第2の位置)との間で移動可能であり、ろ過ポートで採取したろ液を収納している回収容器を保持する保持機能を備えている。
第1の位置から第2の位置までの搬送は、上述した実施形態1で使用した搬送アームを用いてもよいし、新たに搬送アームを設けてもよい。該搬送アームには回収容器を保持する保持機能が備えられており、ろ過ポートから希釈ポートまで回収容器を搬送する。
別途設けられた希釈液タンク(図示せず)から別途設けた希釈アーム(図示せず)にて、希釈液を上記と同様の制御方法で分注し、希釈ポートに搬送された回収容器に添加し、ろ液が所望の量まで希釈される。希釈液タンクは前記前処理装置1内に別途、設けてもよいし、前処理装置の外側に取付けてもよい。
上記実施形態1と同様にして、ろ過工程まで完了した後、希釈ポートが空いていれば、ろ過ポートにある回収容器は上記搬送アームにより希釈ポートに搬送される。搬送された回収容器に予め設定された量の希釈液が加えられたのち、回収容器は上述した回収容器排出部に搬送され、前処理装置より排出される。
排出された回収容器は先述のとおり分離工程、分析工程に供される。
なお、希釈ポートでは上述した撹拌機構と同様の構造の撹拌機構を備えたものとしてもよい。
前処理装置より排出された回収容器に保持されている希釈ろ液は上述と同様に分離工程、分析工程に供される。
以下実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらによって限定されない。

実施例1
上述した実施態様1で示した前処理装置1(図1)を用いて、ウラシルとジヒドロウラシルを含む検体に試薬を分注し、検体と試薬を混合、撹拌し、得られた沈殿物をろ過した。ろ液を含む回収容器を回収し、希釈液の添加により稀釈した後、分離工程に供した。ろ液の希釈率は5倍、10倍、40倍、50倍とした。各稀釈率の液を液体クロマトグラフィーにより成分ごとに分離し、分離された各成分を質量分析装置により分析した。
液体クロマトグラフィーおよび質量分析の条件は以下のとおりであった。
液体クロマトグラフィーの分析条件
装置:NEXERA(登録商標) X2 (株式会社 島津製作所製)
カラム:Hypercarb、3μm、150*2、1mm
温度:25℃
移動相 A:水+0.5%酢酸
移動相 B:アセトニトリル+0.5%酢酸
流速:250μL/分
質量分析の分析条件
装置:LCMS-8060 ESIキャピラリー付き
温度:380℃(interface)、 500℃(heat block)、 300℃(DL)
ガス流速:3L/(噴霧ガス)、14L/分(ヒートガス)、3L/分(乾燥ガス)
移動相 B:アセトニトリル+0.5%酢酸
流速:250μL/分
また質量分析において、同定用の確認イオンと定量用のターゲットイオンの条件は以下のとおりであった。
(ウラシルの分析)
確認イオン
1段目のMSでm/z 112.95(プリカーサイオンとして選択)を通し、CIDセル(コリジョンセル)で壊して96,050m/z をつくり、2段目のMSでm/z :96,050(プロダクトイオン)を通過したもの
ターゲットイオン
1段目のMSでm/z 112.95(プリカーサイオンとして選択)を通し、CIDセルで壊してm/z 70.1をつくり、2段目のMSでm/z 70.1(プロダクトイオン)を通過したもの
(ジヒドロウラシルの分析)
確認イオン
1段目のMSでm/z 115.050(プリカーサイオンとして選択)を通し、CIDセルで壊してm/z 30.00をつくり、2段目のMSでm/z 30.00(プロダクトイオン)を通過したもの
ターゲットイオン
1段目のMSでm/z 115.050(プリカーサイオンとして選択)を通し、CIDセルで壊して55,1m/z をつくり、2段目のMSでm/z :55,1(プロダクトイオン)を通過したもの
希釈率5倍、10倍、40倍、50倍のウラシルの質量分析結果を図7から図10に、ジヒドロウラシルの質量分析結果を図11から14にそれぞれ示した。また比較のために上記実施例と同様にして、得られたろ液を稀釈せずに液体クロマトグラフィーにより分離し、分離されたウラシルおよびジヒドロウラシルの質量分析を図15および16にそれぞれ示した。
図7から10と図15との比較から、ろ液の希釈により、夾雑物によるマトリックス効果が低減され、分離工程および分析工程で高精度の結果が得られた。この結果は図11から14と図16との比較でも同様であった。
また前処理装置1を用いることで、簡便かつ迅速にウラシルとジヒドロウラシルの存在比を測定することができた。
実施例2
上述した実施態様2の前処理装置100(図)を用いて、ウラシルとジヒドロウラシルを含む検体に試薬分注し、検体と試薬を混合、撹拌し、得られた沈殿物をろ過し、希釈ポートにて希釈液にて希釈する。希釈液を液体クロマトグラフィーにより成分ごとに分離し、分離された各成分を質量分析装置により分析することで上記実施例1と同様の結果が得られる。
[態様]
上述の実施態様は以下の態様の好ましい具体例であることが当業者により理解される。
[1]
被験者から採取した血液を収納した検体容器および試薬が収納された試薬容器から、それぞれ一定量の流体を吸引して反応容器に分注する分注工程、
前記分注工程で分注された前記血液と前記試薬を前記反応容器内で混合する混合工程、
前記混合工程で得られた混合物を撹拌する撹拌工程、
前記撹拌工程で生成した沈殿物をろ過してろ液を採取するろ過工程、
前記工程により得られたろ液を液体クロマトグラフィーにより成分ごとに分離する分離工程、
前記分離工程により分離された各成分を質量分析装置により分析し、得られた質量分析データに基づき、前記血液中の5-フルオロウラシルおよび5-フルオロジヒドロウラシルの少なくとも一方をについて定性および定量する分析工程を含み、
前記各工程を自動的に行うとともに、前記分注工程、前記混合工程、前記撹拌工程、前記ろ過工程のうち、の少なくとも一つの工程で得られた液を希釈する希釈工程を含む、分析方法。
上記方法によりウラシル、ジヒドロウラシルを簡便に分析することができる。
[2]
前記定性工程の後、前記質量分析データに基づいて、存在が確認された前記血液中の5-フルオロウラシルおよび5-フルオロジヒドロウラシルの少なくとも一方の濃度を定量する定量工程をさらに含む、前記[1]に記載の分析方法。
[3]
前記血液が、血漿または血清である前記[1]に記載の分析方法。
[4]
前記試薬は、アセトニトリルとギ酸の混合物である前記[1]から[3]に記載の分析方法。
[5]
前記希釈工程は、前記ろ過工程により採取したろ液を希釈し、
前記分離工程は、前記ろ過工程により希釈された希釈ろ液をクロマトグラフィ-により成分ごとに分離する前記[1]から[4]のいずれかに記載の分析方法。
[6]
前記希釈工程で、ろ液を希釈率50倍未満に希釈する前記[5]に記載の分析方法。
[7]
前希釈工程で、ろ液を希釈率5倍から40倍に希釈する前記[6]に記載の分析方法。
[8]
前記希釈工程で、水でろ液を希釈する前記[1]から[7]のいずれかに記載の分析方法。
上記[2]から[8]の方法によりウラシル、ジヒドロウラシルを簡便に分析することができることに加えて、分析精度も高くすることができる。
[9]
前記ろ過工程で樹脂製の分離膜を用いる前記[1]から[]のいずれかに記載の分析方法。
[10]
前記樹脂製の分離膜がポリテトラフルオロエチレンからなる分離膜である前記[9]に記載の分析方法。
[11]
前記分離工程の移動相は、水と酢酸の混合物とアセトニトリルと酢酸の混合物の少なくともいずれかである前記[1]から[10]のいずれかに記載の分析方法。
上記[9]から[11]の方法により分離工程の精度を上げることができ、ウラシル、ジヒドロウラシルの分析精度をさらに高くすることができる。
[12]
前記希釈工程の後、前記分離工程の前にさらに希釈されたろ液を回収容器に回収する回収工程をさらに含む前記[1]に記載の分析方法。
[13]
前記回収工程の後、前記分離工程の前に前記回収容器を前記液体クロマトグラフィーに搬送する搬送工程をさらに含む前記[12]に記載の分析方法。
[14]
少なくとも前記分注工程からろ過工程を一つの前処理装置で行う前記[1]、[11]および[13]に記載の分析方法。
上記[12]から[14]の方法により、ウラシル、ジヒドロウラシルの分析をより簡便に行うことができる。
[15]
前記分注工程から前記搬送工程までを一つの前処理装置で行う前記[13]に記載の分析方法。
[16]
前記前処理装置が
被験者から採取した血液を収容した検体容器を1以上保持する検体ラックと、
1以上の試薬容器を保持するように構成された試薬ラックと、
前記検体容器と前記試薬容器とから一定量の流体を吸引して前記反応容器に分注するように動作可能な分注機構と、
前記反応容器に収容された混合物を撹拌するための撹拌機構と、
前記反応容器内の沈殿物をろ過してろ液を採取するろ過機構と、
前記分注機構を、検体容器から血液を吸引して反応容器に分注し、試薬容器から試薬を吸引して反応容器に分注するように制御する制御部と
を備える前処理装置である前記[13]または[14]に記載の分析方法。
[17]
前記前処理装置が、さらに
少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、前記回収容器を保持して搬送する保持機構をさらに備え、
前記制御部は、前記保持機構を、希釈工程後に前記回収容器を第1の位置から第2の位置に搬送するように制御する、前記[16]に記載の分析方法。
上記[15]から[17]の方法により、ウラシル、ジヒドロウラシルの分析をより簡便にかつ迅速に行うことができる。
1,100 前処理装置
2 検体ラック
4 ラック
6 検体容器
8 試薬ラック
10 試薬容器
12 前処理キット設置部
20 サンプリングアーム
20a サンプリングノズル
22、29 軸
24 搬送アーム
25 保持部
26 試薬アーム
26a 試薬添加ノズル
30 濾過ポート
32 分注ポート
34 廃棄ポート
36 撹拌部
36a 撹拌ポート
42 回収容器排出部
43 排出ポート
44 移動部
45 洗浄ポート
50 反応容器
50a 反応容器の内部空間
50b 反応容器の開口
50c 反応容器の鍔部
50d 排出口
51 スカート部
52 分離膜
54 回収容器
54a 回収容器の内部空間
54b 回収容器の開口
54c 回収容器の鍔部
60 希釈ポート

Claims (15)

  1. 被験者から採取した血液を収納した検体容器および試薬が収納された試薬容器から、それぞれ一定量の流体を吸引して反応容器に分注する分注工程、
    前記分注工程で分注された前記血液と前記試薬を前記反応容器内で混合する混合工程、
    前記混合工程で得られた混合物を撹拌する撹拌工程、
    前記撹拌工程で生成した沈殿物をろ過してろ液を採取するろ過工程、
    前記工程により得られたろ液を液体クロマトグラフィーにより成分ごとに分離する分離工程、
    前記分離工程により分離された各成分を質量分析装置により分析し、得られた質量分析データに基づき、前記血液中の5-フルオロウラシルおよび5-フルオロジヒドロウラシルの少なくとも一方について定性および定量する分析工程を含み、
    前記各工程を自動的に行うとともに、前記分注工程、前記混合工程、前記撹拌工程、前記ろ過工程のうち、の少なくとも一つの工程で得られた液を希釈する希釈工程を含み、
    前記ろ過工程により採取したろ液を50倍未満に希釈し、
    前記分離工程は、前記ろ過工程により希釈された希釈ろ液をクロマトグラフィーにより成分ごとに分離する、
    分析方法。
  2. 前記分析工程は、前記質量分析データに基づいて、前記定性をした後に存在が確認された前記血液中の5-フルオロウラシルおよび/または5-フルオロジヒドロウラシルの濃度を定量することを特徴とする請求項1に記載の分析方法。
  3. 前記血液が、血漿または血清である請求項1に記載の分析方法。
  4. 前記試薬は、アセトニトリルとギ酸の混合物である請求項1~3に記載の分析方法。
  5. 前記ろ過工程により採取したろ液を5倍から40倍に希釈する請求項1に記載の分析方法。
  6. 前記ろ過工程により採取したろ液を水で希釈する請求項1から5のいずれか1項に記載の分析方法。
  7. 前記ろ過工程で樹脂製の分離膜を用いる請求項1から6のいずれか1項に記載の分析方法。
  8. 前記樹脂製の分離膜がポリテトラフルオロエチレンからなる分離膜である請求項7に記載の分析方法。
  9. 前記分離工程の移動相は、水と酢酸の混合物とアセトニトリルと酢酸の混合物の少なくともいずれかである請求項1から8のいずれか1項に記載の分析方法。
  10. 前記ろ過工程の後、前記分離工程の前にさらに希釈されたろ液を回収容器に回収する回収工程をさらに含む請求項1に記載の分析方法。
  11. 前記回収工程の後、前記分離工程の前に前記回収容器を前記液体クロマトグラフィーに搬送する搬送工程をさらに含む請求項10に記載の分析方法。
  12. 少なくとも前記分注工程からろ過工程を一つの前処理装置で行う請求項1または9記載の分析方法。
  13. 前記分注工程から前記搬送工程までを一つの前処理装置で行う請求項11に記載の分析方法。
  14. 前記前処理装置が
    被験者から採取した血液を収容した検体容器を1以上保持する検体ラックと、1以上の試薬容器を保持するように構成された試薬ラックと、
    前記検体容器と前記試薬容器とから一定量の流体を吸引して前記反応容器に分注するように動作可能な分注機構と、
    前記反応容器に収容された混合物を撹拌するための撹拌機構と、
    前記反応容器内の沈殿物をろ過してろ液を採取するろ過機構と、
    前記分注機構を、前記検体容器から血液を吸引して前記反応容器に分注し、前記試薬容器から試薬を吸引して前記反応容器に分注するように制御する制御部と備える前処理装置である請求項12に記載の分析方法。
  15. 前記前処理装置が
    被験者から採取した血液を収容した検体容器を1以上保持する検体ラックと、1以上の試薬容器を保持するように構成された試薬ラックと、
    前記検体容器と前記試薬容器とから一定量の流体を吸引して前記反応容器に分注するように動作可能な分注機構と、
    前記反応容器に収容された混合物を撹拌するための撹拌機構と、
    前記反応容器内の沈殿物をろ過してろ液を採取するろ過機構と、
    前記分注機構を、前記検体容器から血液を吸引して前記反応容器に分注し、前記試薬容器から試薬を吸引して前記反応容器に分注するように制御する制御部と、
    少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、前記回収容器を保持して搬送する保持機構を備え、
    前記制御部は、前記保持機構を、前記希釈工程後に前記回収容器を第1の位置から第2の位置に搬送するように制御する、請求項13に記載の分析方法。
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