JP7399030B2 - 線量推定装置、線量推定方法および線量推定プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、線量推定装置、線量推定方法および線量推定プログラムに関する。
原子力発電所などの原子力施設では、事故等により放射性物質からの放射線が放出された場合の対策のために、放射線が照射された範囲や線量を予測する装置がある。
特許文献1には、空間線量を評価する装置として、広範囲の監視区域を格子状に複数個所に分割し評価エリアを設定するエリア設定手段と、格子状に分割した複数個所での測定又は推定した線量を入力する測定手段と、エリア設定手段と測定手段から得られた情報を用いて、格子状に配置された複数箇所の評価点の線量を計算する処理装置と、処理装置の演算結果を出力する出力装置を含む広域空間線量評価装置において、処理装置は、格子状に配置された複数箇所の線量を入力した線源から、格子状に配置された複数箇所の格子状評価点における環境放射線量を、距離と線量の相関を示す近似式を使用して求め、分割された複数の格子状評価点ごとに環境放射線量の和を求め、出力装置は、評価エリアごとの環境放射線量を空間線量マップとして表示する装置が記載されている。
特開2013-113594号公報
特許文献1に記載の装置は、放射性物質が各領域に拡散した場合の線量を位置毎に評価している。ここで、原子力施設では、放射性物質は、所定の領域から漏洩していないが、放射線が漏洩する場合もある。このような場合は、特許文献1に記載の装置では、各位置での線量を推定することができない。また、原子力施設に配置された線量計の検出結果のみでは、原子力設備内の線量の分布を把握できない領域が生じる。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであって、簡単な計算で線源の強度を推定できる線量推定装置、線量推定方法および線量推定プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための本開示は、放射線源から離れた位置に配置された複数の線量計の測定値を取得する測定値取得部と、前記線量計と前記放射線源との相対位置を含む相対情報と、2つのエネルギーについて距離に基づいた減衰曲線と、を記憶する記憶部と、2つ以上の前記線量計の前記測定値と前記相対位置と、2つの前記減衰曲線に基づいて、前記線源強度を推定する処理を実行する演算部と、を含む線量推定装置を提供する。
上述した課題を解決するための本開示は、線量計と前記放射線源との相対位置を含む相対情報と、2つのエネルギーについて距離に基づいた減衰曲線と、取得するステップと、放射線源から離れた位置に配置された複数の線量計の測定値を取得するステップと、2つ以上の前記線量計の前記測定値と前記相対位置と、2つの前記減衰曲線に基づいて、前記線源強度を推定する処理を実行するステップと、を含む線量推定方法を提供する。
上述した課題を解決するための本開示は、線量計と前記放射線源との相対位置を含む相対情報と、2つのエネルギーについて距離に基づいた減衰曲線と、取得するステップと、放射線源から離れた位置に配置された複数の線量計の測定値を取得するステップと、2つ以上の前記線量計の前記測定値と前記相対位置と、2つの前記減衰曲線に基づいて、前記線源強度を推定する処理を実行するステップと、を含む処理を実行させる線量推定プログラムを提供する。
本発明によれば、簡単な計算で線源の強度を推定できる。
図1は、本実施形態に係る線量推定システムの構成を示す概略図である。 図2は、線量推定システムの線量推定装置の構成を示すブロック図である。 図3は、線量推定方法の手順の一例を示すフローチャートである。 図4は、図3の処理で算出した代表エネルギーの線源毎の減衰率と距離との減衰曲線を示すグラフである。 図5は、線量推定方法の手順の一例を示すフローチャートである。 図6は、線量推定方法の手順の一例を示すフローチャートである。 図7は、線量推定方法を説明するための説明図である。 図8は、線量推定方法を説明するための説明図である。 図9は、線量推定方法を説明するための説明図である。
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に記載した内容により限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜組み合わせることが可能である。
本実施形態に係る線量推定システムについて、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る線量推定システムの構成を示す概略図である。図1に示すように、線量推定システム10は、原子力施設12から放出される放射線の照射状況を推定する。原子力施設12は、原子力発電所等の放射性物質を保有する施設である。線量推定システム10は、原子力施設12で事故等が発生した場合に、各位置で検出した測定値に基づいて、線源の強度を推定し、線源から外部に放出される放射線の線量分布を推定する。 線量計40で計測する放射線は、スカイシャインに起因する線量率(線量)でも、直接線に起因する線量率でもよい。
線量推定システム10は、原子力施設12に設置される。本実施形態の原子力施設12は、原子炉建屋20と、発電棟22と、複数の建屋24、26、28、30と、を含む。原子炉建屋20は、内部に原子炉が配置される。発電棟22は、原子炉で生成された蒸気で回転されるタービンや、タービンと一体で回転し、発電する発電機等が設置される。建屋24、26、28、30は、原子炉建屋20の周囲に配置される。建屋24、26、28、30は、原子力発電の関連設備や、作業員が原子力設備を制御する設備、非常時に避難する設備等が配置される。
線量推定システム10は、線量推定装置32と、複数の線量計(モニタリングポスト)40a、40b、40c、40d、40e、40f、40gと、を有する。以下、線量計40a、40b、40c、40d、40e、40f、40gを区別しない場合、線量計40として説明する。線量計(モニタリングポスト)40は、観測点の放射線量(線量率)を計測する装置である。本実施形態の線量計40は、γ線を計測するγ線量計である。線量計40は、原子力施設12の敷地内に点在している。線量計40の配置間隔は、特に限定されないが、例えば、原子力施設12の敷地に数10mから数100m間隔で配置されている。また、原子力施設12の敷地境界に数100m間隔で配置してもよい。線量計40は、計測した線量の情報(観測線量の情報)を推定装置32に出力する。なお、出力方法は、通信を介して出力しても記録媒体を介して出力してもよい。推定システム10は、線量計40を配置した位置が観測点となる。
本実施形態の線量推定システム10は、建屋28の内部に線量推定装置32が配置される。本実施形態の線量推定装置32は、建屋28に配置したが、別の建屋に配置してもよく、原子力施設12の外に配置してもよい。
図2は、線量推定システムの線量推定装置の構成を示すブロック図である。線量推定装置32は、線量計40で観測した観測点の線量のデータ及び記憶している各種情報等に基づいて、線源の線量及び各位置の放射線の線量を推定する。線量推定装置32は、演算部120と、記憶部122と、入力部124と、出力部126と、通信部128と、媒体読取部130と、を有する。線量推定装置32は、入力部124、通信部128及び媒体読取部130が情報を取得する取得部となる。
演算部120は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)と、記憶手段であるメモリ、例えばRAM(Random Access Memory)とを備え、これらのハードウェア資源を用いてプログラムを実行することによって各種の機能を実現する。具体的には、演算部120は、記憶部122に記憶されているプログラムを読み出してメモリに展開し、メモリに展開されたプログラムに含まれる命令をCPUに実行させる。そして、演算部120は、CPUによる命令の実行結果に応じて、メモリ及び記憶部122に対してデータの読み書きを行ったり、通信部128等の動作を制御したりする。
記憶部122は、磁気記憶装置や半導体記憶装置等の不揮発性を有する記憶装置からなり、各種のプログラムやデータを記憶する。記憶部122に記憶されるプログラムには、線源の線量、放射線量の分布状況を推定する推定プログラム122Aが含まれる。推定プロブラム122Aは、複数のプログラムの組み合わせでも、1つのプログラムでもよい。また、記憶部122は、線量推定装置32の各部の動作を制御するプログラムも含まれる。記憶部122は、データとして、推定データベース122Bと、観測点データ122Cと、を含む。推定データベース122Bは、推定プログラムで処理を実行するための計算モデル、推定プログラムで算出したパラメータを記憶する。観測点データ122Cは、線量計40が設置されている位置の情報や、観測範囲の地形データ、放射線の照射を予測するために必要な情報が含まれている。図2において記憶部122が記憶することとしているプログラム及びデータの一部または全ては、通信部128がネットワークを介して通信可能な他の装置に記憶され、必要に応じて記憶部122にダウンロードされることとしてもよい。また、図2において記憶部122が記憶することとしているプログラム及びデータの一部または全ては、記憶媒体に記憶され、必要に応じて媒体読取部130によって読み取られることとしてもよい。
入力部124は、キーボード、マウス、タッチパネル等、ユーザ、オペレータが操作を入力する機器である。出力部126は、文字や図形等の各種情報を出力する機器である。出力部126は、液晶パネルや有機EL(Organic Electro-Luminescence)パネル、プロジェクタ等の表示装置や、印刷装置等である。通信部128は、所定の通信プロトコルに基づいて、線量計40を含む、他の装置との間での情報の送受信を制御する。媒体読取部130は、光ディスク、光磁気ディスク、メモリカード等の可搬の非一過的(non-transitory)な記憶媒体からプログラムやデータを読み取る。本実施形態では、通信部128が、線量計40から測定結果を取得する線量取得部となる。
次に、線量推定システム10及び線量推定装置32の制御動作、つまり本実施形態の線量推定方法の一例について説明する。以下の処理は、線量推定装置32が記憶部122の推定プログラム122Aを演算部120で処理し、推定データベース122B、観測点データ122Cのデータと、線量計40から取得した線量の情報を処理することで実行できる。
図3は、線量推定方法の手順の一例を示すフローチャートである。図4は、図3の処理で算出した代表エネルギーの線源毎の減衰率と距離との減衰曲線を示すグラフである。図3は、線源の2つの代表エネルギー群について、線源からの距離と減衰率を算出し、各位置と減衰率との減衰曲線を示すテーブルを作成する処理である。
線量推定装置32は、減衰率評価モデルを作成する(ステップS12)。線量推定装置32は、原子炉施設12の設計情報を用いて、減衰率評価モデルを作成する。ここで、設計情報としては、原子炉建屋20の外形形状等の簡単な設計情報である。減衰率評価モデルは、原子力設備12の原子炉建屋20と、線量計40の配置を含むモデルである。減衰率評価モデルは、原子炉建屋20と線量計40との距離の情報を含む。また、減衰率評価モデルは、他の建屋24、26、28.30の情報を含んでもよい。本実施形態では、減衰率評価モデルを作成したが、作成済みのモデルを通信等で外部から取得してもよい。
線量推定装置32は、代表エネルギー群を2つ選定する(ステップS14)。ここで、選定する代表エネルギー群は、任意に設定できる。2つの代表エネルギー群は、原子力施設で想定され、評価が必要な線源強度の範囲に基づいて設定することが好ましい。具体的には、線源強度を推定するために、想定される線源強度の範囲内、かつ、線源強度が一定値以上離れた2つの代表エネルギー群とすることが好ましい。また、実施形態は、放射線としてガンマ線の評価を行う。
線量推定装置32は、2つの代表エネルギー群のそれぞれについて減衰率を算出する(ステップS16)。線量推定装置32は、放射線の照射の計算で用いられる遮蔽計算コードを用いて、2つの線源の代表エネルギー群について、それぞれ、放射線量率の距離に対する減衰率を計算する。線量推定装置32は、2つの代表エネルギーについて距離に対する減衰率を算出することで、図4に示す減衰曲線160、162を算出する。減衰曲線160は、線源強度がαMeVの場合の距離に対する減衰率を示している。減衰曲線162は、線源強度がβMeVの場合の距離に対する減衰率を示している。図4に示すように、線源強度により、距離に対する減衰率が変化する。
次に、線量推定装置32は、各測定位置と線源の距離に基づいて、減衰率を算出する(ステップS18)。具体的には、減衰率評価モデルに含まれる測定位置と線源の距離での、減衰率を算出する。例えば、図4では、線源との距離が距離Da、Dbとなる測定位置がある場合、距離Da、Dbのそれぞれで減衰曲線160、162の減衰率を算出する。
線量推定装置32は、算出した測定位置毎の減衰率を記憶部に記憶する(ステップS20)。線量推定装置32は、2つの代表エネルギー群について、測定位置と減衰率との減衰曲線を整理したデータのテーブルを作成し、記憶部122の推定データベース122Bに記憶させる。
線量推定装置32は、以上の処理を行うことで、測定位置毎に、2つの代表エネルギー群の減衰率の情報を取得できる。
次に、図4で取得した減衰曲線を用いて、測定位置で検出した線量値から、線源強度を推定する処理について説明する。図5は、線量推定方法の手順の一例を示すフローチャートである。図5は、2つの線量計の測定値と推定テーブルの情報に基づいて、線源強度を推定する処理である。線源強度の推定結果を算出することで、各位置(線源からの距離)での線量を推定することができる。
線量推定装置32は、記憶部からテーブル値を読み出す(ステップS32)。つまり、図4のフローチャートの処理で取得した、測定位置毎に、2つの代表エネルギー群の減衰率の情報を取得する。
線量推定装置32は、測定位置から2点を特定する(ステップS34)。本実施形態の線量推定装置32は、全ての測定位置から2つの測定位置を選択した組み合わせについて、同様の処理を実行する。
線量推定装置32は、2点の計測値及び距離と、テーブルの値に基づいて、線源強度を推定する(ステップS36)。具体的には、2つの位置の線量率の測定値と、位置の減衰率に基づいて、線源の強度を逆推定する。ここで、線源の強度の推定用の算出値(1つ目、2つ目の代表エネルギーに対する算出値)x1、x2とし、第1の位置の測定値をD1、第2の位置の測定値をD2とし、1つ目の代表エネルギーの第1の位置の減衰率をa1、1つ目の代表エネルギーの第2の位置の減衰率をa2、2つ目の代表エネルギーの第1の位置の減衰率をb1、2つ目の代表エネルギーの第2の位置の減衰率をb2とすると、それぞれの減衰曲線は、下記行列式となる。
Figure 0007399030000001
例えば、a1=1.1、a2=0.68、b1=1.3、b2=0.93で、測定値D1が24、測定値D2が14の場合、下記式の通り、x1は、2.57E+1、x2は、-2.23E+0となる。x1、x2は、それぞれの代表エネルギーの値に対する線源強度となる。ここで、本システムでは線源強度を推定することは目的としていないため、計算の結果、線源強度が負の値となっても、過度に負の値でない限り、実用上は問題ない。
Figure 0007399030000002
線量推定装置32は、1つ目、2つ目の代表エネルギーの値と、算出したx1、x2とに基づいて、補間を行うことで、2つの測定位置の測定結果と、テーブル値から、任意の位置の線量率が推定できる。
図6は、線量推定方法の手順の一例を示すフローチャートである。図7から図9は、それぞれ、線量推定方法を説明するための説明図である。図6は、図5の処理を含み、複数の測定点の情報に基づいて、線源の強度を推定し、さらに、線源の強度に基づいて原子力施設12の各位置の線量を推定する処理である。
推定値算出の処理、つまり図5に示す測定値と代表エネルギー群の減衰率との減衰曲線に基づいて、線源線量の逆推定の処理を実行する(ステップS42)。線量推定装置32は、推定値の算出を行うことで、図7に示すように、選択した2つの測定値を通る推定値を算出できる。図7は、横軸を距離、縦軸を線量率としたグラフである。図7は、4つの測定点についての推定値を算出した例を示しており、6つの減衰曲線が算出される。
次に、線量推定装置32は、推定した線量強度とテーブルの値に基づいて、選定していない位置の線量率を算出する(ステップS44)。具体的には、算出した減衰曲線に基づいて、選択していない測定位置での減衰率を算出し、減衰率と線源強度に基づいて、選択していない測定位置で線量の推定値を算出する。算出した線量の推定値と、測定位置の線量計40で測定値との差を誤差とする。なお、本実施形態では、選択されていない測定位置が2つ生じるので、2点のそれぞれで誤差を検出し(ステップS46)、算出値の平均を減衰曲線(逆推定の結果)に対する誤差とする。
線量推定装置32は、全ての組み合わせの算出が完了したかを判定する(ステップS48)。線量推定装置32は、全ての組み合わせの算出が完了していない(ステップS48でNo)と判定した場合、つまり算出していない測定位置の組み合わせがある場合、ステップS42に戻り、算出していない測定位置の組み合わせに基づいて位置の線量率を算出して、誤差を算出する。算出した誤差が、逆推定の評価の指標となる。
線量推定装置32は、全ての組み合わせの算出が完了した(ステップS48でYes)と判定した場合、算出した誤差が大きい順に整理を行う(ステップS50)。線量推定装置32は、図8に示すように、逆推定に使用した評価点番号(測定位置の識別情報)毎に、逆推定精度(誤差)を整理し、逆推定精度が大きい順に減衰曲線を並べる。
線量推定装置32は、図8に示すように誤差が大きい順に推定値算出処理の結果を整理した後、上位2パターンに同じ測定位置があるかを判定する(ステップS52)。つまり、誤差が一番大きい測定位置の組み合わせと、誤差が二番目に大きい測定位置の組み合わせに、同じ測定位置が含まれるかを判定する。
線量推定装置32は、上位2パターンに同じ測定位置がある(ステップS52でYes)と判定した場合、該当する測定位置のデータを排除し(ステップS54)、ステップS42に戻り、測地位置を1つ排除した状態で同様の処理を行う。図8に示す例の場合、測定位置の評価点番号が「3」となる位置が上位2つのパターンに含まれるため、評価点番号が「3」となる位置の測定値を評価から除外する。なお、ステップS42の処理は、前回の算出結果を用いることができる。また、本実施形態では、該当する測定位置のデータを排除した後、再度誤差の評価を行う処理としたがこれに限定されない。例えば、排除する測定位置を1つのみとする場合、ステップS54の処理の後、ステップS56の処理に進んでもよい。このような処理を行うことで、例えば、放射性物質が放出され他の測定値と比較して高い線量率が測定される等の測定値に特異点があった場合に、特異点を測定している測定値を抽出し、プラントの異常状態を即時に認知できる。
線量推定装置32は、上位2パターンに同じ測定位置がない(ステップS52でNo)と判定した場合、算出したパターンに基づいて、平均の線量推定値を算出する(ステップS56)。つまり、算出した複数のパターンの結果を用いて、線源強度を推定し、線源強度に基づいて、線源からの距離と減衰率(線量率)との減衰曲線を算出する。
線量推定装置32は、平均の線量推定値を算出したら、距離ごろの線量の分布に基づいて、施設内の線量の分布を算出し(ステップS58)、分布に基づいて、線路の分布のマップを作成し、排除したデータも表示させる(ステップS60)。線量推定装置32は、ステップS56で算出した距離毎の線量率の分布に基づいて、線源、本実施形態では原子炉建屋からの距離に応じて、線量率が変化することを示す線量マップを作成する。線量マップは、カラーコンターとしてもよいし、線量率を等高線で示してもよい。また、線量推定装置32は、ステップS54で排除した測定位置がある場合、排除した測定位置を異常値測定点として線量マップに示す。
図9は、表示させるマップの一例である。図9に示すマップ200は、原子炉建屋220と、発電棟222と、建屋、224、226の周辺部の線量を示している。線量の分布を色別に示している(図9では、ハッチングで模式的に示している)。また、マップ200は、排除した測定位置250を、他の測定位置とは異なる表示とし、領域212も表示させる。領域212は、線源と測定位置との間を含む領域であり、測定位置250の測定に影響が生じている可能性がある範囲として表示する。
なお、本実施形態では、複数の測定位置の測定値と距離との減衰曲線を用いて、平均処理と、特異点の除外処理を行ったが、これに限定されない。線量推定装置は、2つの測定位置の結果のみを用いて、線源の強度を推定してもよい。
以上のように、線量推定装置32は、2つのエネルギー(代表エネルギー群)について距離に基づいた減衰曲線、つまり距離の減衰率の関係を示す減衰曲線を用いて、線量計と放射線源との相対位置を含む相対情報である距離情報と測定結果を処理することで、線源の線量(線源強度)を推定することができる。これにより、物理現象として整理された放射線の減衰の傾向である減衰曲線を、2つの代表エネルギー群について準備し、準備した減衰曲線と2つの位置での測定結果を用いるのみで、線量率推定用の線源強度を逆推定し、簡単に任意の位置の線量率を推定できる。
また、推定した線源強度に基づいて、その線源強度に対応する減衰曲線も算出することができ、算出した減衰曲線に基づいて、線源からの距離毎の線量を算出することで切る。これにより、簡単な計算で、原子力施設12内の線量の分布(線量率分布)を推定することができる。
線量推定装置32は、本実施形態のように、2つの線量計の測定値と相対位置を、2つの減衰曲線で補間した減衰曲線を算出し、算出した減衰曲線から前記線源強度を推定する。これにより、線量推定装置32は、2つの測定位置の測定線量の内挿処理ではなく、減衰曲線に基づいて、線源強度を逆推定してから線量率を推定することで、2つの測定位置の間の線量率を高精度に内挿できることに加え、2つの測定位置の外側の線量率を高精度に外挿することができる。また、線量推定装置32は、線源からの距離に基づいて、各位置の線量を推定できるため、計算を簡単にすることができる。また、線量推定装置32は、物理現象に基づいて設定した減衰曲線と、測定位置の測定値で、測定値に基づいた線源強度、減衰曲線を推定することができる。これにより、物理現象として変曲点を持つ場合や、線量率が一様に変化しない場合でも線量率を高精度に推定できる。また、線量推定装置32は、線源周辺の遮蔽体形状が不明な場合でも線量率を推定できる。
また、線量推定装置32は、複数の線量計から2つの線量計の測定値と前記相対位置を抽出し、2つの減衰曲線に基づいて、線源強度の推定を繰り返して、2つの前記線量計のそれぞれの組み合わせの前記線源強度を算出し、算出結果の平均値から、線源強度を推定することで、3つ以上の線量計の結果に基づいて、線源強度を推定することができる。また、2点間の測定線量の内挿処理を行わないため、複数測定点がある場合でも、複数の線量推定値を取得することができる。これにより、3つ以上の測定結果を用いて推定できるため、推定の精度をより高くすることができる。なお、平均処理の方法は特に限定されない。
線量推定装置32は、線量の分布をマップで表示させることで、線量の分布をわかりやすく表示することができる。また、線源との距離に基づいて、線量を算出でき、上述したように外挿補間ができるため、その位置に線量計がなくても、マップ上の各位置に線量を示すことができる。
また、線量推定装置32は、2つの線量計のそれぞれの組み合わせの線源強度について、線量強度の算出で選択していない線量計の線量強度との誤差を算出し、誤差が大きい2つの算出結果に同じ線量計の測定値がある場合、当該線量計の測定値を排除することが好ましい。これにより、測定結果の相関関係を評価することができ、線量計の異常状態を検知することができる。また、異常状態を検出し、排除した測定位置の情報を出力することで、方位や測定位置の周囲の異常の可能性を通知することができる。また、異常状態の可能性を即時に認識できることで、原子力発電所事故時のアクシデントマネジメント力を向上させることができる。
また、上記実施形態の線量推定装置32は、計算が簡単になり、比較も簡単になるため、2つの線量計に基づいて線源強度を推定したが、これに限定されない。線量推定装置32は、3つ以上の線量計と、2つの代表エネルギーの減衰曲線の情報に基づいて線源強度を推定するようにしてもよい。この場合、計算が複雑になるが、計算式で線源強度の推定値を算出できない場合、近似処理を実行して、減衰曲線を決定し線源強度を推定するようにしてもよい。
10 線量推定システム
12 原子力施設
20 原子炉建屋
22 発電棟
24、26、28、30 建屋
32 線量推定装置
40、40a、40b、40c、40d、40e、40f、40g 線量計(モニタリングポスト)
120 演算部
122 記憶部
122A 推定プログラム(線量推定プログラム)
122B 推定データベース
122C 観測点データ
124 入力部
126 出力部
128 通信部
130 媒体読取部

Claims (6)

  1. 放射線源から離れた位置に配置された複数の線量計の測定値を取得する測定値取得部と、
    前記線量計と前記放射線源との相対位置を含む相対情報と、2つのエネルギーについて距離に基づいた減衰曲線と、を記憶する記憶部と、
    2つ以上の前記線量計の前記測定値と前記相対位置と、2つの前記減衰曲線に基づいて、線源強度を推定する処理を実行する演算部と、を含み、
    前記演算部は、複数の前記線量計から2つの前記線量計の前記測定値と前記相対位置を抽出し、2つの前記減衰曲線に基づいて、前記線源強度の推定を繰り返して、2つの前記線量計のそれぞれの組み合わせの前記線源強度を算出し、算出結果の平均値から、前記線源強度を推定する線量推定装置。
  2. 前記演算部は、推定した前記線源強度に基づいて、線量の分布を算出する請求項1に記載の線量推定装置。
  3. 前記演算部は、2つの前記線量計の前記測定値と前記相対位置を、2つの前記減衰曲線で補間した減衰曲線を算出し、算出した減衰曲線から前記線源強度を推定する請求項1または請求項2に記載の線量推定装置。
  4. 前記演算部は、2つの前記線量計のそれぞれの組み合わせの前記線源強度について、線量強度の算出で選択していない前記線量計の線量強度との誤差を算出し、誤差が大きい2つの算出結果に同じ前記線量計の測定値がある場合、当該線量計の測定値を排除する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の線量推定装置。
  5. 線量計と放射線源との相対位置を含む相対情報と、2つのエネルギーについて距離に基づいた減衰曲線と、取得するステップと、
    前記放射線源から離れた位置に配置された複数の線量計の測定値を取得するステップと、
    2つ以上の前記線量計の前記測定値と前記相対位置と、2つの前記減衰曲線に基づいて、線源強度を推定する処理を実行するステップと、を含み、
    前記線源強度を推定するステップは、複数の前記線量計から2つの前記線量計の前記測定値と前記相対位置を抽出し、2つの前記減衰曲線に基づいて、前記線源強度の推定を繰り返して、2つの前記線量計のそれぞれの組み合わせの前記線源強度を算出し、算出結果の平均値から、前記線源強度を推定する線量推定方法。
  6. 線量計と放射線源との相対位置を含む相対情報と、2つのエネルギーについて距離に基づいた減衰曲線と、取得するステップと、
    前記放射線源から離れた位置に配置された複数の線量計の測定値を取得するステップと、
    2つ以上の前記線量計の前記測定値と前記相対位置と、2つの前記減衰曲線に基づいて、線源強度を推定する処理を実行するステップと、を含み、
    前記線源強度を推定するステップは、複数の前記線量計から2つの前記線量計の前記測定値と前記相対位置を抽出し、2つの前記減衰曲線に基づいて、前記線源強度の推定を繰り返して、2つの前記線量計のそれぞれの組み合わせの前記線源強度を算出し、算出結果の平均値から、前記線源強度を推定する処理を実行させる線量推定プログラム。
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