以下、本発明のゲームシステムの一形態を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバ2を含んでいる。サーバ2は、適宜に構成されてよく、例えば一台のサーバユニット(サーバ装置)によって構成されてもよいが、一例としていずれもサーバユニット群によって構成される。具体的には、サーバ2は複数のサーバユニット2A、2B…(以下、参照符号2で代表することがある。)が組み合わされた論理的なサーバシステムとして構成される。サーバユニット2はネットワークNT上の特定位置に集合的に設置されてもよいし、クラウドコンピューティングを利用してネットワークNT上で分散して設置されることにより、いわゆるクラウド型のサーバシステムを構成するように設けられてもよい。サーバ2には、ネットワークNTを介してゲーム機3、及びユーザ端末装置4が適宜に接続される。
ゲーム機3は、ユーザにゲームを提供するゲーム装置である。ゲーム機3は、ゲームを提供する各種のゲーム装置(コンピュータ装置)を含んでいてよく、例えばユーザ端末装置4がゲームを提供する場合、このようなユーザ端末装置4を含んでいてもよいが、図1の例では、ゲーム機3A、及びゲーム機3Bが示されている。ゲーム機3A、及びゲーム機3Bは、いずれもゲーム装置の一例である。ゲーム機3A、3Bはアミューズメント店舗等の施設に設置され、所定の対価の徴収(消費)と引き換えにユーザ(以下、ゲームをプレイするユーザをプレイヤと呼ぶ場合がある)にゲームをプレイさせる業務用のゲーム機(装置)として構成されている。この種のゲーム機はアーケードゲーム機と呼ばれることもある。なお、ゲーム機3は、複数種類のゲーム装置を含む形態に限定されず、例えばいずれか一種類のゲーム装置のみで構成されてもよい。
ゲーム機3は、音楽ゲームを提供する。音楽ゲームは、タイミングゲームの一種である。タイミングゲームは、適切なプレイ行為の実行時期を評価するタイプのゲームである。音楽ゲームの場合、その適切なプレイ行為を実行すべき実行時期が楽曲とともに提供される。また、音楽ゲームでは、楽曲のリズムと一致する時期が実行時期として利用される。つまり、音楽ゲームは、適切なプレイ行為を実行すべき時期を楽曲のリズムに合わせてユーザに案内し、実際のプレイ行為が実行された時期を評価するタイプのゲームである。音楽ゲームにはプレイ用に複数の楽曲が用意され、そこから選択された楽曲が実際のプレイに使用される。
ユーザ端末装置4は、いずれもネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される(個別に使用される)コンピュータ装置の一例である。例えば、このようなユーザ端末装置4として、携帯電話(スマートフォンを含む)のようなモバイル端末装置4A、携帯型タブレット端末装置4B、或いは据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(以下、PC)4Cが利用される。ユーザ端末装置4は、ソフトウェア(アプリケーション)の実行に伴い各種のサービスを提供するが、このようなサービスには楽曲データに基づいて楽曲を再生するための楽曲再生サービスが含まれる。つまり、ユーザ端末装置4は、所定のアプリケーションの実行に伴い、各種楽曲を再生するための楽曲再生端末として機能する。同様に、ユーザ端末装置4は、ゲーム用のアプリケーションの実行に伴い、ゲーム機3として機能する場合もある。これらのようなアプリケーションは適宜にユーザ端末装置4に提供されてよく、例えば、ネットワークNTを介してサーバ2から提供されてもよいし、記憶媒体等を介して提供されてもよい。なお、その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。
ネットワークNTは、ゲーム機3、及びユーザ端末装置4を、サーバ2に対して通信可能に接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、サーバ2、ゲーム機3、及びユーザ端末装置4のそれぞれをインターネットに接続するLAN、或いはアクセスポイントAPといった各種の接続設備又は機器等とを含んでいる。
サーバ2は、ユーザ端末装置4又はそのユーザに対して各種のWebサービスを提供する。Webサービスはユーザ端末装置4のための各種のサービスを適宜に含んでいてよいが、一例として楽曲配信サービス、及び譜面準備サービスを含んでいる。楽曲配信サービスは、楽曲再生端末としてのユーザ端末装置4に楽曲(楽曲データ)を配信し、楽曲を聴かせるためのサービスである。楽曲配信サービスには、多数の楽曲が用意される。一方、譜面準備サービスは、楽曲配信サービスの各楽曲に対応する譜面データを準備するためのサービスである。譜面データは、音楽ゲームにおいて実行されるべき適切なプレイ行為、及びそれが実行されるべき各実行時期を楽曲毎に定義するデータである。譜面データは適宜に用意されてよいが、一例として譜面準備サービスを通じてユーザ端末装置4のユーザによって用意される場合がある。譜面準備サービスの詳細は後述する。
なお、Webサービスは、例えばその他にもゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービス、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを適宜に含んでいてよい。
また、サーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスはゲーム機3のための各種のサービスを適宜に含みえるが、一例として音楽ゲームサービスを含んでいる。音楽ゲームサービスは、楽曲配信サービスを利用した音楽ゲームをゲーム機3のユーザにプレイさせるためのサービスである。音楽ゲームサービスの詳細は後述する。
なお、ゲーム機用サービスは、例えばその他にもネットワークNTを介してゲーム機3用のプログラム或いはデータを配信したり、更新したりする配信サービス、ユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービス、ネットワークNTを介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービス、或いはユーザから料金を徴収する課金サービス等を適宜に含んでいてよい。
次に、図2を参照して、音楽ゲームサービスを提供するためにゲームシステム1に構築される各システムの一例について概要を説明する。ゲームシステム1は、一つのシステムによって構築されてもよいし、複数のシステムを含んでいてもよいが、一例としてゲーム配信システム10、及び楽曲配信システム20の二つを含むように構築される。以下では、ゲーム機3を代表してゲーム機3Bが、ユーザ端末装置4を代表してモバイル端末装置4A、或いはブック型のPC4Cが、それぞれ利用される場合を説明する。
ゲーム配信システム10、及び楽曲配信システム20は、上述のWebサービス、及びゲーム機用サービスを適宜に分担してよいが、一例として上述のWebサービス、及びゲーム機用サービスのうち楽曲配信システム20が楽曲配信サービスを、ゲーム配信システム10が音楽ゲームに関連する各種サービスを、それぞれ担当する。例えば、ゲーム配信システム10が担当するサービスには、音楽ゲームサービス、及び譜面準備サービスが含まれる。譜面準備サービスは、ゲーム機3、或いはユーザ端末装置4といった各種の装置に対して適宜に提供されてよいが、図2の例ではブック型のPC4Cに提供されている。この場合、ゲーム配信システム10はゲーム機3Bに音楽ゲームサービスを、ブック型のPC4Cに譜面準備サービスを、それぞれ提供する。ただし、音楽ゲームサービスは、楽曲配信サービス、及び音楽ゲームの両方に関連するため、ゲーム配信システム10、及び楽曲配信システム20の両方が適宜の一部を分担するように実行する。
また、ゲーム配信システム10、及び楽曲配信システム20は、同じ運営者によって構築、及び運営されてもよいが、一例として別々の運営者により構築され、運営される。このため、音楽ゲームサービス、及び楽曲配信サービスは一方が他方の一部として機能してもよいが、一例として互いに独立したサービスとして提供される。つまり、ゲーム配信システム10、及び楽曲配信システム20は別々の運営者により運営され、楽曲配信サービスは独立したサービスとしてゲーム機3Bが提供する音楽ゲームとは別に提供される。
楽曲配信システム20は、各ユーザのリクエストに応じて無制限の各モバイル端末装置4A(あるいはそのユーザ)に楽曲配信サービスを提供してもよいが、一例として会員登録を済ませたユーザ(以下、会員と呼ぶ場合がある)に限定して楽曲配信サービスを提供する。このため、楽曲配信サービスは、会員登録のための各種サービスも含んでいる。
楽曲配信システム20は、会員登録において各会員の管理に必要な会員情報として各種の情報の登録(設定)を会員に要求してよいが、このような会員情報には、例えば会員ID、及びパスワードが含まれる。会員IDは、各会員を識別するために会員毎にユニークなIDである。パスワードは各会員を認証するための情報である。会員ID、及びパスワードは適宜に設定されてよく、いずれも楽曲配信システム20によって発行されてもよいが、一例として会員IDが楽曲配信システム20によって発行され、パスワードが各ユーザによって設定される。そして、楽曲配信サービスは、会員登録の後、これらの会員ID、及びパスワードを利用した会員認証を経て各会員(あるいは各会員が利用するユーザ端末装置4)に提供される。
楽曲配信サービスは各種の機能を適宜に有していてよいが、一例として楽曲配信サービスに用意された多数の楽曲のうち、一部の楽曲をピックアップしてリスト化するリスト機能を有している。また、リスト機能では各種のリストが適宜に生成されてよいが、一例としてプレイリスト、及び趣向リストの少なくともいずれか一方が生成される。プレイリストは、配信対象の楽曲群から各会員が自己の好きな楽曲等をピックアップして生成するリストである。趣向リストは、各会員の利用実績(配信実績)に応じて各会員の趣向に基づいて楽曲配信サービスがピックアップして生成するリストである。楽曲配信サービスでは、これらのリストが各会員によって活用される。
ゲーム配信システム10、及び楽曲配信システム20は、いずれも各サーバユニット2を適宜に利用して実現される。具体的には、楽曲配信システム20は、例えば楽曲配信用のサーバユニット2B、及び楽曲配信用のデータベースDB2を含んでいる。楽曲配信用のデータベースDB2は、楽曲配信サービスに関する各種のデータを記録するためのサーバユニット2である。このようなデータには、複数の楽曲をそれぞれ再生するための複数の楽曲データが含まれる。楽曲配信用のサーバユニット2Bは、楽曲配信用のデータベースDB2を利用しつつ、楽曲配信サービスをモバイル端末装置4Aに提供するための各種の処理を実行するサーバユニット2である。このような処理には、例えば会員登録を実現したり、会員認証を実行したり、楽曲(楽曲データ)を配信したりする処理が含まれる。
ゲーム配信システム10は、例えばゲーム配信用のサーバユニット2A、及びゲーム配信データベースDB1を含んでいる。ゲーム配信データベースDB1は、音楽ゲームに関する各種のデータを記録するためのサーバユニット2である。ゲーム配信用のサーバユニット2Aは、ゲーム配信データベースDB1を利用しつつ、音楽ゲームに関する各種サービスをゲーム機3B等に提供するための各種の処理を実行するサーバユニット2である。ゲーム配信システム10は、このようなゲーム配信用のサーバユニット2A及びゲーム配信データベースDB1を利用しつつ、例えば音楽ゲームサービス、及び譜面準備サービスを提供する。
次に、図3を参照して、ゲームシステム1のうち、音楽ゲームサービス、及び譜面準備サービスに関わる制御系の要部の構成について説明する。図3は、音楽ゲームサービス、及び譜面準備サービスが提供される場合のゲームシステム1の制御系の要部を示す機能ブロック図である。図3に示すように、ゲーム配信システム10には、制御部11と、記憶部12とが設けけられる。記憶部12は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部12には、制御部11にて参照されるべきプログラム(コンピュータプログラム)PG1、及びシステムデータSD1が記憶される。
システムデータSD1は、音楽ゲームサービス、或いは譜面準備サービスの提供に必要な各種のデータを適宜に含みえるが、図3の例では譜面データQD、楽曲データMD1、及び作成者データCDが示されている。譜面データQDは音楽ゲームにおいて適切なプレイ行為を実行すべき各実行時期が記述されたデータである。譜面データQDは、各実行時期の案内、及び各プレイ行為の評価に使用される。楽曲配信サービスの各楽曲だけでなく、その他の各種の楽曲が音楽ゲーム用にてプレイ可能な場合、システムデータSD1はそれらの各種の楽曲に対応する譜面データQDを含んでいる。
楽曲データMD1は、各楽曲を再生するためのデータである。ゲーム機3Bへの楽曲配信サービスの提供は適宜に実現されてよく、例えばゲーム機3Bと楽曲配信システム20との間で直接的に実現されてもよいが、一例としてゲーム機3Bと楽曲配信システム20との間にゲーム配信システム10が介在し、ゲーム配信システム10を介してゲーム機3Bに楽曲配信サービスが提供される。このため、システムデータSD1は、楽曲配信サービスの各楽曲に対応する楽曲データMD1を含んでいる。作成者データCDは、各譜面データQDの作成者に関連する情報を管理するためのデータである。譜面データQD、及び作成者データCDの詳細は後述する。
制御部11は、一又は複数のサーバユニット2のコンピュータハードウエア資源(例えばCPU)を利用して構成される。制御部11には、制御部11を構成するハードウエア資源とプログラムPG1との組み合わせによって音楽ゲームサービス、及び譜面準備サービスに関連する各種の論理的装置が構成され得るが、図3の例では、このような論理的装置として認証実現部13、譜面管理部14、及び楽曲編集部16が設けられている。
認証実現部13は、楽曲配信システム20が提供する楽曲配信サービスを利用するための会員認証を実現するための処理を行う論理的装置である。会員認証は適宜に実現されてよく、例えばゲーム機3Bと楽曲配信システム20との間で直接的に実現されてもよいが、一例としてゲーム機3Bと楽曲配信システム20との間にゲーム配信システム10が介在し、ゲーム配信システム10を介して会員認証が実現される。このため、認証実現部13は、会員認証のための会員情報をゲーム機3Bから取得したりその会員情報を楽曲配信システム20に提供したりといった会員認証に関連する各種の処理を実行する。あるいは、楽曲配信サービスの会員としてゲーム配信システム10が機能してもよく、その場合、認証実現部13は自己の会員情報に基づいて会員認証を実現する処理を実行する。
また、楽曲サービスの各楽曲のゲーム機3Bへの配信も適宜に実現されよいが、上述のように会員認証にゲーム配信システム10が介在するため、この配信もゲーム配信システム10を介して実現される。このため、認証実現部13は、楽曲配信システム20から楽曲を取得したりゲーム機3Bにその楽曲に対応する楽曲データMD1を送信したりといった楽曲データMD1をゲーム機3Bに提供するための各種の処理も実行する。また、譜面データQDが楽曲データMD1とともにゲーム機3Bに提供される場合もある。このような場合、認証実現部13は、譜面データをゲーム機3Bに提供するための処理も実行する。例えば、認証実現部13は、このような処理のとして、譜面取得処理を実行する。譜面取得処理の手順の詳細は後述する。
譜面管理部14は、譜面データQDを管理するための処理を行う論理的装置である。このような処理には、譜面データQDの管理に関する各種の処理が適宜に含まれるが、例えば譜面データQDはユーザによってブック型のPC4Cを通じて生成されてもよく、その場合、譜面管理部14が実行する処理にはその譜面データQDをブック型のPC4Cから取得したり保存したりする処理が含まれる。また、譜面管理部14が実行する処理には、その譜面データQDの適否を判別したり、各種情報を付加したり、或いは譜面データQDを作成したユーザ(作成者)を評価したりする処理が含まれる。さらに、譜面データQDを作成したユーザには特典が付与されてもよく、その場合、特典を付与するための処理も譜面管理部14によって実行される。具体的には、譜面管理部14は、このような処理の一例として、譜面評価処理、特典付与処理、作成者評価処理、及び譜面公式化処理を実行する。譜面評価処理、機会提供処理、特典付与処理、作成者評価処理、及び譜面公式化処理の手順の詳細は後述する。
楽曲編集部16は、楽曲配信サービスの各楽曲を音楽ゲームのプレイ用に編集するための処理を行う論理的装置である。楽曲配信サービスの各楽曲は音楽ゲームサービスを通じて音楽ゲームにおいてそのまま使用されてもよいが、一例として音楽ゲームのプレイに適合するように編集されて使用される。例えば、楽曲編集部16は、このような編集に必要な各種の処理として、楽曲配信システム20に記録される楽曲データMD2を音楽ゲーム用の楽曲データMD1(以下、プレイ用の楽曲データMD1と呼ぶ場合がある)に編集するための処理を実行する。具体的には、楽曲編集部16は、このような処理の一例として、楽曲編集処理を実行する。楽曲編集処理の手順の詳細は後述する。
楽曲配信システム20には、制御部21と、記憶部22とが設けられる。記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部22には、制御部21にて参照されるべきプログラム(コンピュータプログラム)PG2、及びシステムデータSD2が記憶される。
システムデータSD2は、楽曲配信サービスの提供に必要な各種のデータを適宜に含みえるが、図3の例では楽曲データMD2、及び認証データADが示されている。認証データADは、会員認証に必要な各会員の会員情報を管理するためのデータである。認証データADには、会員認証に必要な各種の情報が記述されてよいが、一例として各会員の会員ID、及びパスワードの情報が記述される。楽曲データMD2は、楽曲配信サービスの各楽曲を再生するためのデータである。音楽ゲームでは、一例として楽曲データMD2ではなく、プレイ用の楽曲データMD1(編集後のデータ)が使用されるため、楽曲データMD2(以下、配信用の楽曲データMD2と呼ぶ場合がある)は楽曲データMD1の元データとして機能する。
制御部21は、一又は複数のサーバユニット2のコンピュータハードウエア資源(例えばCPU)を利用して構成される。制御部21には、制御部21を構成するハードウエア資源とプログラムPG2との組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、図3の例では、このような論理的装置として認証部23、及び楽曲配信部24が設けられている。
認証部23は、楽曲配信サービスを提供するための会員認証を実行するための各種の処理を行う論理的装置である。例えば、このような処理にはゲーム配信システム10の認証実現部13と協働して実行される処理が含まれる。また、楽曲配信部24は、会員に楽曲を配信するための各種の処理を行う論理的装置である。例えば、このような処理には、会員が利用するモバイル端末装置4Aに楽曲(配信用の楽曲データMD2)を配信したり、ゲーム機3Bにおいて配信用の楽曲データMD2に対応するプレイ用の楽曲データMD1が提供されるようにゲーゲーム配信システム10に配信用の楽曲データMD2を配信したりする処理が含まれる。
ゲーム機3Bは、モニタMO、スピーカSP、タッチパネルTP、制御部31、及び記憶部32が設けられる。モニタMO、及びスピーカSPは、制御部31から出力信号に応じて制御される出力装置である。具体的には、モニタMOは、音楽ゲームをプレイするためのゲーム画面を含む各種画像を表示するための周知の表示装置である。スピーカSPは、音楽ゲームにおける楽曲を含む各種音声を再生するための周知の音声出力装置である。一方、タッチパネルTPは、指でタッチ操作した位置に応じた信号を入力する周知の入力装置である。ゲーム機3Bには、プレイ行為を入力するための各種の入力装置が適宜に設けられてよいが、一例としてこのようなタッチパネルがモニタMOの表示面を覆うように設けられる。タッチパネルTPは、タッチ操作の位置に応じた信号を制御部31に出力する。なお、ゲーム機3Bには、これらのモニタMO、スピーカSP、タッチパネルTPの他にも、例えば所定の対価を徴収するための対価徴収装置、或いは各種IDカード等の読み取りに使用されるリーダといった各種の出力装置、及び入力装置が適宜に設けられてよい。
記憶部32は、各種データ等を記録可能に適宜に構成されよいが、一例としてハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部32には、制御部31にて参照されるべきプログラム(コンピュータプログラム)PG3、及びゲームデータGDが適宜に記憶される。ゲームデータGDは、音楽ゲームのプレイに必要なデータである。ゲームデータGDには、例えば上述のプレイ用の楽曲データMD1、及び譜面データQDが含まれる。なお、ゲームデータGDは、例えばその他にも各種画像を表示するための画像データ、各種音声を再生するための音声データ、或いは各ユーザのゲームに関する実績を管理するためのプレイデータといったゲームの提供に必要な各種のデータを含んでいてよい。
制御部31は、ゲーム機3Bのコンピュータハードウエア資源(例えばCPU)を利用して構成される。制御部31には、制御部31を構成するハードウエア資源と記憶部32に記憶されるプログラムPG3との組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、図3の例では、このような論理的装置として機会提供部33、案内実行部35、及び評価部36が設けられている。
機会提供部33は、音楽ゲームで必要な各種の選択機会を提供するための処理を行う論理的装置である。例えば音楽ゲームには、各種の選択機会が適宜に含まれてよいが、例えば複数の楽曲からプレイ用の楽曲を選択するための楽曲選択機会、或いは複数の譜面データQDからプレイ用の譜面データQDを選択するための譜面選択機会といった選択機会が含まれる。また、楽曲選択機会は、楽曲配信サービスによって配信される多数の楽曲がプレイ用の楽曲の選択候補として含まれるように提供される。機会提供部33は、これらの選択機会を提供するための各種の処理を実行する。
また、会員認証に関連する処理は適宜に実現されてよいが、一例として楽曲選択機会に付随する処理として機会提供部33によって実行される場合がある。このため、機会提供部33は、ゲーム配信システム10の認証実現部13、及び楽曲配信システム20の認証部23と協働して会員認証に関連する処理を実行する場合がある。さらに、音楽ゲームサービスにおいてプレイ用の楽曲データMD1はゲーム配信システム10から取得されるが、一例としてこの取得は会員認証に付随する処理として機会提供部33によって実行される場合がある。同様に、プレイ用の楽曲データMD1をプレイに利用するための譜面データQDをゲーム配信システム10から取得するための処理も、会員認証に付随する処理として機会提供部33によって実行される場合がある。また、ゲーム配信システム10が楽曲配信サービスの会員として機能する場合、機会提供部33による会員認証に関する処理は省略されてもよいが、その場合でも楽曲選択機会に付随する処理等として、音楽ゲームのプレイに必要な楽曲データMD1等をゲーム配信システム10から取得するための処理が実行される場合がある。このため、機会提供部33は、このような処理を実行する場合がある。例えば、機会提供部33は、このような処理として、ゲーム配信システム10の認証実現部13と協働して上述の機会提供処理、及び譜面取得処理を実行する場合がある。
一方、評価部36は、譜面データQDに基づいて各プレイヤの実際のプレイ行為の時期を評価するための各種の処理を行う論理的装置である。同様に、案内実行部35は、譜面データQDに基づいて各プレイ行為の実行時期を案内するための各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、例えばプレイ用の楽曲データMD1に基づいて楽曲を再生する処理、及びその楽曲のリズムに合わせて各実行時期を案内するための処理が含まれる。つまり、プレイ用の楽曲データMD1とそれに対応する譜面データQDとの組合せにより各実行時期を案内するための処理が含まれる。
次に、図4~図6を参照して、音楽ゲームサービス、及び譜面サービスの詳細について説明する。図4は、音楽ゲームサービス、及び譜面サービスの概要を説明するための説明図である。図4に示すように、音楽ゲームサービスはゲーム機3Bに音楽ゲームを提供させるためのサービスの一つであるが、楽曲配信システム20によって音楽ゲームとは別に提供される楽曲配信サービスの各楽曲を音楽ゲームのプレイにおいて利用させるサービスとして構成される。つまり、音楽ゲームサービスは、楽曲配信サービスにおいて会員に限定して配信される楽曲を、ゲーム機3Bが提供する音楽ゲームのプレイに利用するためのサービスである。
具体的には、ゲーム機3Bが提供する音楽ゲームは、上述のように適切なプレイ行為を実行すべき時期を楽曲のリズムに合わせてユーザに案内し、実際のプレイ行為の時期を評価するタイプのゲームである。ゲーム機3Bは、適切なプレイ行為の実行時期を音声にて案内してもよいが、一例として案内画面50を通じて視覚的に案内する。案内画面50は、各実行時期を楽曲のリズムに合わせて視覚的に案内するためのゲーム画面である。案内画面50は、各実行時期を案内可能なように適宜に構成されてよいが、図4の例では情報領域51、及びプレイ領域52を含んでいる。
情報領域51は、音楽ゲームのプレイに関連する各種情報を表示するための領域である。情報領域51は、案内画面50の適宜の位置に各種の形態で形成されてよいが、図4の例では案内画面50の上側に左端から右端に亘って一定の幅を持つ横方向の帯状に形成されている。また、情報領域51の一定の幅も適宜でよいが、図4の例では案内画面50における情報領域51の下方の範囲に正方形の領域が形成される程度の幅を持つように情報領域51は形成されている。情報領域51には、ゲームのプレイに関連する各種の情報が適宜に表示されてよいが、図4の例ではスコアが表示されている。スコアは、ユーザがプレイ中に獲得した得点(“655”)を示す情報である。
一方、プレイ領域52は、音楽ゲームのプレイに使用される領域である。プレイ領域52は、案内画面50の適宜の位置に各種の形態(形状、大きさ、色、及びこれらの適宜の組み合わせを含む)で形成されてよいが、図4の例では案内画面50における情報領域51を除く全域に形成されている。結果として、プレイ領域52の形状は正方形に形成されている。また、音楽ゲームではゲーム機3Bに設けられる入力装置に応じてプレイ行為として各種の行為が実行されてよいが、一例として上述のタッチパネルTPによって検出されるプレイ領域52へのタッチ操作がプレイ行為として実行される。このため、プレイ領域52には、タッチ操作が実行されるべき操作部53が設けられる。
プレイ領域52には、適宜の数の操作部53が設けられてよいが、図4の例では16個(複数)の操作部53が設けられている。また、各操作部53は、適宜の形態で設けられてよく、例えば各円形、楕円形、或いは各種多角形等の各種の形状に形成されてもよく、大きさや配色に関しても同様であるが、図4の例では無色の正方形として設けられている。同様に、各操作部53は適宜の配置で設けられてよいが、図4の例では互いに直行する二方向に行、及び列を形成するように配置されている。より具体的には、16個の操作部53は、各行及び各列がそれぞれ四つの操作部53によって形成され、合計四×四のマス目状(マトリクス状)に並べられている。
各操作部53は、タッチ操作の他にも適宜に活用されてよいが、図4の例では各操作部53へのタッチ操作の時期を案内するように構成される。このような案内は、適宜に実現されてよく、例えばカウントダウンされる数字や所定の規則に従った配色の変化(例えば赤、黄、青の順の配色の変化)、或いは画像の形態の変化といった時期を知らせる情報、及びこの情報が表示される操作部53を通じて、各実行時期(タッチ操作の時期)及びタッチ操作が実行されるべき操作部53を案内するように構成されてもよい。このように各操作部53は各操作部53へのタッチ操作の時期を適宜に案内してよいが、一例として指示標識54の表示を通じて案内する。
具体的には、各操作部53には適宜の時期に指示標識54が表示される。指示標識54として各種の形態、及び画像が利用されてよいが、図4の例では各操作部53と同様の正方形に形成され、黒塗りに対応する配色で表示されている。また、指示標識54は、形状の変化等を通じて適宜にタッチ操作の時期を案内してよいが、一例として次のように基準標識の位置との一致を通じてタッチ操作の時期を案内する。すなわち、まず各指示標識54は、各操作部53の中心付近に小さく出現する。その後、各指示標識54は、各操作部53と同じ大きさまで徐々に大きくなるように変化することによりサイズの変化を通じてタッチ操作の時期を案内する。
例えば、図4の例において左から二列目の最上段の操作部53には比較的小さく指示標識54が表示されている。一方、左から三列目の上から二段目の操作部53には、それよりも大きく、操作部53のサイズと近い大きさに指示標識54が表示されている。これらの大きさの変化は、時間経過による変化に対応する。このような変化は、各操作部53に奥行きを与えるように形成される仮想三次元空間においてその奥側から各指示標識54が各操作部53に近づくように移動する演出と捉えられてもよい。いずれにしても指示標識54の大きさと操作部53の大きさとの一致(一致とみなせる所定範囲の大きさを含む)によりタッチ操作の時期が案内され、結果的に各操作部53の外周(境界)を規定する枠線53aが基準標識として機能する。ユーザには、そのような一致に合わせてその指示標識54が表示されている操作部53へのタッチ操作が要求される。そして、タッチ操作が実行された操作部53が適切な場合、そのタッチ操作(プレイ行為)は、指示標識54によって案内される実行時期とそのタッチ操作の実行時期との間のずれ時間が小さいほど評価が高くなるように評価される。
案内画面50は指示標識54等を表示するための画像データ等、各種のデータに基づいて実現されるが、そのようなデータには譜面データQDが含まれる。譜面データQDには各種の情報が各実行時期等の情報として記述されてよいが、例えば指示標識54の大きさが枠線53aの大きさと一致すべき時期が各実行時期として記述され、タッチ操作が実行されるべき操作部53(換言すれば各指示標識54を表示すべき操作部53)が適切なプレイ行為として記述される。そして、プレイヤによって実際に適切なタッチ操作が実行された場合には、その実際のタッチ操作の実行時期が譜面データQDの実行時期に基づいて評価される。音楽ゲームにおいて、複数の楽曲或いは複数の難易度が用意される場合には、譜面データQDは楽曲毎或いは難易度毎に用意される。
また、指示標識54の大きさが楽曲のリズムに合わせて変化するように、案内画面50の表示中には楽曲が再生されるが、その楽曲はプレイ用の楽曲データMD1に基づいて再生される。つまり、ゲーム機3Bは、プレイ用の楽曲データMD1と譜面データQDとの組合せにより音楽ゲームを実現する。このため、音楽ゲームの提供には、プレイ用の楽曲データMD1、及び譜面データQDが必要となる。
一方、楽曲配信サービスは、上述のように会員に楽曲を配信するサービスである。このため、楽曲配信サービスには、配信用の楽曲データMD2が用意される。配信用の各楽曲には権利者が存在するため、各楽曲は各楽曲の権利者の許諾を得た後に配信対象として解禁(配信開始)される。図4の例では“A権利者”、“B権利者”、或いは“C権利者”といった権利者が示されているが、これらはA楽曲、B楽曲、或いはC楽曲の権利者にそれぞれ対応する。この場合、これらの権利者の許諾が得られた後にA楽曲~C楽曲が配信開始される。このため、これらの権利者の許諾が得られると、A楽曲~C楽曲にそれぞれ対応する“A楽曲データ”、“B楽曲データ”、及び“C楽曲データ”が楽曲データMD2に配信対象として追加される。
音楽ゲームサービスは、上述の楽曲配信サービスの各楽曲を音楽ゲームのプレイに利用するように構成される。具体的には、ゲーム機3Bが提供する楽曲選択機会は、音楽ゲームサービスを通じてA楽曲~C楽曲といった楽曲配信サービスの各楽曲を選択肢として含むように構成される。一方で、楽曲配信サービスは音楽ゲームとは別のサービスであるから、音楽ゲームのプレイに必要な譜面データQDは用意されない。このため、音楽ゲームサービスでは、楽曲配信サービスにおいて配信用に用意される各楽曲に対応する譜面データQDが、音楽ゲームサービスの運営者、或いは音楽ゲームサービスの利用者(ユーザ)等を通じて別途用意される。つまり、音楽ゲームサービスでは、ユーザによって作成された譜面データQDの音楽ゲームへの活用が許容される。譜面準備サービスは、このような譜面データQDの準備に利用される。
具体的には、譜面準備サービスは、ユーザが作成した譜面データQD(以下、私的譜面データQDと呼ぶ場合がある)を、音楽ゲームのプレイにおいて各楽曲に対応する譜面データQDとして活用するためのサービスである。私的譜面データQDでは、各楽曲において実行されるべき適切なプレイ行為、及びそのプレイ行為が実行されるべき各実行時期が、ユーザによって定義される。譜面準備サービスでは、このような私的譜面データQDがブック型PCのPC4Cを介して取得され、音楽ゲームサービス用の譜面データQD(以下、プレイ用の譜面データQDと呼ぶ場合がある)として追加される。例えば、ユーザによってA楽曲に対応する譜面データQDとして“A譜面データ”が生成された場合、譜面準備サービスを通じて、この“A譜面データ”がブック型PCのPC4Cを介して取得され、音楽ゲームサービス用の譜面データQDに追加される。
また、譜面準備サービスを通じて私的譜面データQDをプレイ用の譜面データQDとして提供可能なユーザは、制限されなくてもよいが、一例として制限される。換言すれば、譜面準備サービスを利用可能なユーザには所定の制限が設定される。このような制限として各種の制限が適宜に利用されてよいが、一例としてユーザを基準とした制限が設定される。具体的には、原則として特定のユーザによって作成された私的譜面データQDのみがプレイ用の譜面データQDとして利用される。このような特定のユーザには、各種のユーザが適宜に該当してよいが、一例として所定の評価条件を満たした評価ユーザが該当する。評価ユーザについては後述する。
一方、上述の評価ユーザに関する制限は適宜に解除されてもよい。例えば、新しい楽曲が楽曲配信サービスに追加され、配信が開始される場合、制限があると、プレイ用の譜面データQDの用意に時間がかかってしまう可能性がある。このため、このような不都合が生じる場合には適宜に制限が解除されてよく、一例として新しい楽曲の配信の開始から所定期間ではその新しい楽曲に対応するプレイ用の譜面データQDについては制限が解除される。つまり、新しい楽曲の解禁から所定期間は制限なく、どのユーザからの私的譜面データQDもプレイ用の譜面データQDとして採用される可能性がある。
また、譜面準備サービスは、その他にも譜面データQDの準備に関連する各種のサービスを含んでいてよいが、一例として私的譜面データQDの作成を補助する情報を提供するサービスを含んでいる。具体的には、ユーザからリクエストがあった場合、譜面準備サービスを通じて、ブック型のPC4Cには拍、BPMといった各楽曲の特徴を示す情報が提供される。
上述のように、音楽ゲームサービスでは、譜面準備サービスを通じて音楽ゲームサービス用の譜面データQDが用意される。このため、プレイ用の譜面データQDには、A楽曲に対応する“A譜面データ”、B楽曲に対応する“B譜面データ”といった楽曲配信サービスの各楽曲に対応する譜面データQDが含まれる。そして、音楽ゲームサービスを通じて、このようなプレイ用の譜面データQDが音楽ゲームの提供に必要な譜面データQDとして提供される。
例えば、楽曲選択機会において楽曲配信サービスの配信対象の楽曲のうち、A楽曲がプレイ用の楽曲として選択された場合、楽曲配信サービスが管理するA楽曲用の“A楽曲データ”が音楽ゲームサービスを通じてゲーム機3Bに提供される。“A楽曲データ”に対応する譜面データQDは適宜に用意され得るが、図4の例では“A譜面データ”としてユーザによって作成され、譜面準備サービスを通じてプレイ用の譜面データQDに追加されている。また、A楽曲には適宜の数の譜面データQDが用意されてよく、それらのいずれが譜面選択機会を通じてプレイ用に選択されてもよいが、図4の例では“A譜面データ”がプレイ用に選択されている。この場合、音楽ゲームサービスのために用意された譜面データQDのうち、A楽曲に対応する“A譜面データ”が音楽ゲームサービスを通じてゲーム機3Bに提供される。そして、これらの“A譜面データ”、及び“A楽曲データ”の組合せによりA楽曲に合わせた各実行時期の案内等が実現される。具体的には、“A楽曲データ”に基づいてA楽曲が再生されるとともに、そのA楽曲のリズムに合わせて指示標識54の大きさが変化する案内画面50が表示され、各操作部53への実際のタッチ操作の時期が“A譜面データ”の実行時期に基づいて評価される。この例においてA楽曲~C楽曲が本発明の複数の楽曲として機能する。また、A楽曲、及び“A譜面データ”が、本発明のプレイ用の楽曲、及びプレイ用譜面データとしてそれぞれ機能する。同様に、“A譜面データ”~“B譜面データ”が、本発明の複数の譜面データとしてそれぞれ機能する。さらに、“A譜面データ”が、本発明のユーザ生成型譜面データ、及び複数の譜面データの一つとして機能する。そして、この“A譜面データ”に対応するA楽曲が本発明の一つの楽曲として機能する。また、ブック型のPC4Cを通じて“A譜面データ”を作成するユーザが本発明の端末ユーザとして機能する。
図5は、通常の楽曲と楽曲配信サービスの楽曲との間の音楽ゲームのプレイに使用されるまでの流れの相違を説明するための説明図である。図5の例では、上が(1)通常の楽曲の流れを、下が(2)楽曲配信サービスの楽曲の流れを、それぞれ示している。また、図5の例は、譜面準備サービスを通じて楽曲配信サービスの楽曲に対応するプレイ用の譜面データQDが用意される場合を示している。そして、図5の例では、各楽曲の権利者によって実行される手順が右斜線で、ゲーム配信システム10の運営者によって実行される手順がドット柄で、ゲーム配信システム10のユーザによって実行される手順が白塗りで、楽曲配信システム20の運営者によって実行される手順が左斜線で、それぞれ示されている。
図5の(1)に示すように、音楽ゲームで使用される通常の楽曲(楽曲配信サービスで配信される楽曲以外の楽曲)は、一例としてゲーム配信システム10の運営者によって用意されるが、ゲーム配信システム10の運営者は楽曲毎に権利者と交渉のうえ、使用許諾を受け、各種調整の後に音楽ゲームのプレイにおいてその楽曲を使用できる。具体的には、楽曲毎に権利者とゲーム配信システム10の運営者との間で楽曲個別契約が交わされる。
続いて契約締結後の楽曲に対応する配信用の楽曲データMD2が権利者によって用意され、ゲーム配信システム10(あるいはその運営者)に提供される。ゲーム配信システム10(あるいはその運営者)は、その楽曲データMD2を音楽ゲームのプレイ用に編集する。この編集は、適宜に実現されてよいが、一例としてプレイ用の楽曲に要求される所定の条件を満たすように実行される調整を含んでいる。このような所定の条件は、ゲームの都合等に応じて適宜に構成されてよいが、一例として楽曲尺(長さ)を含んでいる。このため、ゲーム配信システム10による編集は、配信用の楽曲をプレイ用の尺に合わせる楽曲尺の調整を含んでいる。楽曲尺の調整は適宜に実現されてよく、例えばサビ部分等の所定の長さに対応する特定の部分の抽出により実現されてもよいし、各種の部分がつなぎ合わされたリミックスとして実現されてもよい。つまり、運営者は、このような各種の編集を通じて配信用の楽曲データMD2からプレイ用の楽曲データMD1を生成する。
ゲーム配信システム10によって配信用の楽曲データMD2が編集されると、権利者は、編集後の内容、つまりプレイ用の楽曲データMD1を確認する。その内容に問題がない場合、プレイ用の楽曲データMD1に対応する譜面データQDが、ゲーム配信システム10(あるいはその運営者)によって生成される。この譜面データQDの作成には、難易度の設定等の各種の設定が含まれる。そして、その譜面データQD、及びプレイ用の楽曲データMD1に基づいて音楽ゲームが提供され、実際にプレイヤによってプレイされる。通常の楽曲の場合、一例としてこのような流れでプレイに使用されるが、このような流れは契約等の関係上、楽曲毎に実行される。
一方、図5の(2)に示すように、楽曲配信サービスの楽曲が音楽ゲームのプレイで使用される場合、各楽曲の個別契約の代わりに、楽曲配信サービスのために用意される多数の楽曲の使用に関する楽曲包括契約がゲーム配信システム10の運営者と楽曲配信システム20の運営者との間で交わされる。続いて権利者の代わりに、楽曲配信サービスの各楽曲に対応する配信用の楽曲データMD2が楽曲配信システム20の運営者によって用意され、ゲーム配信システム10に提供される。ゲーム配信システム10は、通常の楽曲の場合と同様に、その楽曲データMD2を音楽ゲームのプレイ用に編集してプレイ用の楽曲データMD1を生成する。
続いて各楽曲に対応する私的譜面データQDがユーザによって作成され、譜面準備サービスを通じて取得される。私的譜面データQDは、元の楽曲データMD2に基づいて作成されても、プレイ用の楽曲データMD1(尺等が編集されたデータ)に基づいて作成されてもよく、元の楽曲データMD2に基づいて作成される場合、譜面作成とプレイ用の楽曲データMD1の生成とは順番が前後しても並行的に実行されてもよい。さらに、元の楽曲データMD2に基づいて私的譜面データQDが作成される場合、楽曲の編集に利用される所定の条件は、その作成された私的譜面データQDの内容(例えば私的譜面データQDの尺、或いはその私的譜面データQDが対応する範囲等)を要件に含んでいてもよい。この場合、ゲーム配信システム10はその私的譜面データQDの内容に基づいて楽曲データMD2の編集、つまりプレイ用の楽曲データMD1の生成を実行する。
私的譜面データQDが譜面準備サービスを通じて取得されると、ゲーム配信システム10はその私的譜面データQDの評価を実行する。この評価はゲーム配信システム10の運営者によって用意された譜面データQDに適用されてもよいが、少なくとも私的譜面データQDには適用される。また、この評価は、適宜に実現されてよいが、例えばプレイ用の譜面データQDとしての妥当性評価、及び難易度設定を含んでいる。具体的には、ゲーム配信システム10は、妥当性評価として、私的譜面データQDがプレイ用の譜面データQDに要求される条件に適合するか否か評価する。また、ゲーム配信システム10は、私的譜面データQDがプレイ用の譜面データQDに要求される条件に適合する場合、その私的譜面データQDに適切な難易度を設定する。
妥当性評価、及び難易度設定は適宜に実現されてよいが、一例として所定のアルゴリズムを適用することにより実現される。所定のアルゴリズムは、プレイ用の譜面データQDに要求される条件に応じて適宜に設定されてよいが、例えば妥当性評価に適用されるアルゴリズムには全16の操作部53へのタッチ操作等、人が実行できない操作として設定される操作を要求しているか否かを判断するアルゴリズムが含まれる。
同様に、難易度設定に適用されるアルゴリズムには、例えば複数の操作部53への同時操作を要求する指示標識54の配置(いくつの操作部53に操作を要求する配置か、それらの操作部53は離れているか等)、或いは頻度を評価するアルゴリズム、タッチ操作を要求する操作部53のばらつきを評価するアルゴリズム、指示標識54の密度(一定期間に含まれる指示標識54の数)を評価するアルゴリズム、各指示標識54の速度(大きさが変化する速度。換言すれば表示開始から実行時期に至るまでの時間の短さ。)を評価するアルゴリズム、又は楽曲の長さを評価するアルゴリズム等が含まれる。これらのアルゴリズムは、対象の譜面データQDが対応する楽曲と無関係に構成されてもよいが、例えば楽曲の長さやテンポ等、対応する楽曲データMD2に関する各種の楽曲情報を判別要素に含むように構成される。この例において、これらのアルゴリズムが適用される私的譜面データQDが本発明の一部の譜面データとして機能する。
また、私的譜面データQDに設定される難易度の情報は適宜に利用されてよいが、例えば各譜面データQDをプレイ用に選択するための指標情報として利用される。例えば、楽曲配信サービスにおいて配信開始されたばかりの楽曲の場合、一つの私的譜面データQDしか用意されていない可能性がある。この場合、楽曲選択機会では、難易度の情報がプレイ用の楽曲に選択するか否かの指標として利用される。あるいは、各楽曲に複数の私的譜面データQDが用意される場合には、楽曲選択機会とともに、あるいはその一部として譜面選択機会が付与されるが、難易度の情報はその譜面選択機会において各譜面データQDを選択するか否かの指標として利用される。
私的譜面データQDの評価が終了すると、通常の楽曲の場合と同様に、私的譜面データQD、及びプレイ用の楽曲データMD1に基づいて音楽ゲームが提供され、実際にプレイヤによってプレイされる。楽曲配信サービスの楽曲がプレイに利用される場合、一例としてこのような流れでプレイに使用されるが、この流れでは包括的契約を通じて多数の楽曲が一度に利用可能になる。このため、通常の楽曲の場合と比べて、多数の楽曲がプレイ用に提供開始されるまでの時間が短縮され、かつ譜面データQDの用意等の一部の手順において手間暇が軽減される。
図6を参照して、図5の例の(2)の流れについて更に説明する。図6は、図5の例の(2)の流れを実現するために、ゲームシステム1で実行される手順を説明するための説明図である。図6に示すように、図5の例の(2)の流れを実現するためにゲームシステム1において実行される手順は、F1~F7の手順を含んでいる。
具体的には、楽曲包括契約が終了すると、ゲーム配信システム10への楽曲配信サービスの提供が可能になり、楽曲配信システム20は楽曲配信サービスを通じてゲーム配信システム10に各楽曲の楽曲データMD2を送信する(F1)。この提供は適宜の条件で実行されてよく、周期的に実行されてもゲーム配信システム10からのリクエストに応じて実行されてもよいが、一例としてゲーム配信システム10からのリクエストに応じて実行される。また、ゲーム配信システム10は、このリクエストを適宜の時期に実行してよいが、一例として定時に毎日実行する。
楽曲配信システム20から配信用の楽曲データMD2が送信されると、ゲーム配信システム10はその楽曲データMD2の編集を実行する(F2)。つまり、ゲーム配信システム10は、その楽曲データMD2に所定の編集を実行し、プレイ用の楽曲データMD1を生成する。続いてゲーム配信システム10は、その生成したプレイ用の楽曲データMD1に対応する楽曲の譜面作成を解禁する(F3)。この解禁に伴い、譜面準備サービスの利用が開始され、プレイ用の譜面データQDとして私的譜面データQDを取得することが許容される。
一方、ユーザは、譜面作成の解禁後、ブック型のPC4Cにて私的譜面データQDを作成し、適宜の時期にその私的譜面データQDをゲーム配信システム10に送信する(F4)。つまり、ユーザは私的譜面データQDの作成後に譜面準備サービスを利用して、その私的譜面データQDを音楽ゲームのプレイ用にゲーム配信システム10に提供する。私的譜面データQDの作成は適宜に実現されてよいが、一例として譜面作成用のアプリケーションを通じて実現される。同様に、私的譜面データQDの送信も適宜に実現されてよく、例えば送信用のアプリケーションを通じて実現されてもよく、例えば送信用のWebサイト(ゲーム配信システム10がWebサービスの一つとして提供するサイト)を介して実現されてもよいが、一例として譜面作成用のアプリケーションを通じて実現される。
ブック型のPC4Cを介して私的譜面データQDが送信されると、ゲーム配信システム10はその送信された私的譜面データQDを評価する(F5)。ゲーム配信システム10は、このような評価の一例として、上述のように私的譜面データQDの妥当性評価を実行するとともに、その私的譜面データQDに適切な難易度を設定する。そして、その私的譜面データQDがプレイ用の譜面データQDとして適切な場合、ゲーム配信システム10はその私的譜面データQDがプレイ用の譜面データQDとして機能するように、譜面データQDの一部として保存する。そして、音楽ゲームのプレイにおいてプレイ用にその私的譜面データQDが選択されると、ゲーム機3Bはその私的譜面データQDをゲーム配信システム10にリクエストし(F6)、ゲーム配信システム10はそのリクエストの対象の私的譜面データQDをゲーム機3Bに送信する(F7)。ゲームシステム1では、一例としてこのような手順で図5の例の(2)の流れが実現される。
次に、図7を参照して、評価ユーザについて説明する。評価ユーザは各種の条件に基づいて適宜に設定されてよいが、一例として各ユーザを評価するための評価条件に基づいて評価される。図7は、評価条件の一例を説明するための説明図である。図7の例は、各ユーザが評価条件に基づいてランク(グレード)付けされ、そのランクに応じて評価ユーザか否か判別される場合を示している。また、評価条件は各種の要件を適宜に含んでいてよく、例えば後述の投稿数、及びフォロワー数のいずれか一方のみを要件として含んでいてもよいが、図7の例はそれらの両方を要件として含む場合を示している。この場合、図7に示すように、評価条件は、“投稿数”、及び“フォロワー数”を要件に含んでいる。
“投稿数”は、譜面準備サービスを通じて私的譜面データQDをプレイ用の譜面データQDとして投稿(送信)した投稿数(提供数)を示す情報である。“フォロワー数”は、各ユーザをフォローするユーザ(フォロワー)の数を示す情報である。例えばWebサービスには他のユーザをフォローするフォロー機能が設けられてよく、そこでのフォロワー数が“フォロワー数”として利用されてもよいが、一例として音楽ゲームに他のユーザの動向をフォローするフォロー機能が設けられる。フォロー機能は、各種の機能を有していてよいが、例えば各ユーザが私的譜面データQDを投稿した場合にその情報をフォロワーに提供する機能を有する。音楽ゲームではプレイ時に各ユーザが特定されなくてもよいが、フォロー機能の利用には各ユーザの特定が必要である。フォロワー機能において各ユーザは適宜に特定されてよいが、一例として各ユーザを識別するためのユーザIDを利用して実現される。そして、このようなフォロー機能を利用したフォロワー数が“フォロワー数”として利用される。
一方、各ユーザのグレード(ランク)として、例えば“初心者”、“かけだし”、及び“D”~“S”のランクが用意される。そして、各ユーザが、いずれのグレードに属するかは“投稿数”、及び“フォロワー数”に応じて決定される。具体的には、例えば、投稿数がゼロ、フォロワー数もゼロの場合、そのユーザのグレードは“初心者”に分類される。同様に、投稿数、及びフォロワー数が、それぞれ10個、100人であれば“かけだし”に分類される。以降も同様に、投稿数、及びフォロワー数が増える毎に“D”、“C”、“C+”、“B”、“B+”、“A”といった具合に徐々にグレードが上昇するように、各ユーザはグレード付けされる。
各グレードは、ゲーム配信システム10の運営者による公認対象か否かの判別に使用される。公認対象のグレードに属するユーザには、各種の特典が適宜に与えられてよいが、一例として私的譜面データQDのプレイ用の譜面データQDとしての使用が許容される(ただし、新しい楽曲の解禁開始から一定期間では制限なく投稿可能である)。つまり、公認対象のグレードに属するユーザが、評価ユーザとして機能する。また、複数のグレードのうちの適宜のグレードに属するユーザが公認対象と判別されてよいが、図7の例では“S”、及び“A+”の上位二つのグレードに属するユーザのみが公認対象(“○”)と判別され、それ以外は非公認(“×”)として公認対象から除外される。一例として、このような評価条件に基づいて各ユーザは各グレードに分類され、そのグレードに応じて公認、非公認が、つまり評価ユーザに該当するか否か判別される。この例において“初心者”等の複数のグレードに属する複数のユーザが本発明の複数の端末ユーザとして機能する。また、それらの複数の端末ユーザによって投稿される複数の私的譜面データQDが本発明の複数のユーザ生成型譜面データとして機能する。そして、複数のグレードのうち“S”、及び“A+”に属する公認対象のユーザ(評価ユーザ)が本発明の一部の端末ユーザとして機能する。
次に、作成者データCD、及び譜面データQDの詳細について説明する。図8は、作成者データCDの構成の一例を示す図である。図8の例は、譜面データQDの作成者に関連する情報として評価条件に関連する情報が作成者データCDにて管理される場合を示している。この場合、図8に示すように、作成者データCDは、作成者毎に評価条件に関連する情報を管理するための作成者レコードCDRを含んでいる。また、作成者レコードCDRは、このような管理を実現するために、“作成者”、“グレード”、“投稿数”、“フォロワー数”、及び“公認対象”の情報を含んでいる。作成者レコードCDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
“作成者”は、各譜面データQDの作成者を示す情報である。例えばゲーム配信システム10の運営者が作成者の場合はその運営者が作成者として“作成者”に記述されてよく、各種の者が作成者として管理されてよいが、例えば私的譜面データQDの場合、ユーザを示す情報が“作成者”に記述される。“作成者”には作成者を特定可能な適宜の情報が記述されてよいが、例えば作成者がユーザの場合、ユーザ毎にユニークなユーザIDの情報が記述される。“グレード”は、各作成者が属するグレードを示す情報である。“投稿数”は各作成者が投稿した私的譜面データQDの数(投稿数)を示す情報である。“フォロワー数”は、各作成者をフォローするユーザの数(フォロワー数)を示す情報である。“公認対象”は、各ユーザが公認対象に該当するか否かを示す情報である。なお、作成者データCDは、これらの情報に限定されず、評価の都合等に応じて各種の情報を適宜に含んでいてよい。あるいは、上述の情報の一部等が適宜に省略されてもよい。例えば、各作成者に特典が付与される場合、作成者データCDはそのような特典を管理するための情報を含んでいてもよい。
図9は、譜面データQDの構成の一例を示す図である。図9に示すように、譜面データQDは、譜面データQD毎にその特徴を管理するための譜面レコードQDRを含んでいる。また、譜面レコードQDRは、このような管理を実現するために、“譜面ID”、“作成者”、“楽曲ID”、“実行時期”、“プレイ行為”、“評価結果”、及び“使用状況”の情報を含んでいる。譜面レコードQDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
“譜面ID”は、各譜面データQDを識別するために譜面データQD毎にユニークな譜面IDを示す情報である。“作成者”は、図8の例と同様に作成者を示す情報である。“楽曲ID”は、各楽曲を識別するために楽曲毎にユニークな楽曲IDを示す情報である。“実行時期”は、適切なプレイ行為を実行すべき実行時期を示す情報である。“プレイ行為”は、各実行時期において実行されるべき適切なプレイ行為を示す情報である。例えば、各操作部53を示す情報が“プレイ行為”に適切なプレイ行為を示す情報として記述される。
“評価結果”は、各譜面データQDの評価結果を示す情報である。“評価結果”には、妥当性評価、及び難易度設定といった所定のアルゴリズムに基づく評価結果の情報が記述される。例えば、“評価結果”は、妥当性評価の結果として、適合、或いは不適合といったプレイ用の譜面データQDに適合するか否かを示す情報を含んでいる。同様に、“評価結果”は難易度設定の結果として指標情報を含んでいる。指標情報として各種の情報が適宜に利用されてよいが、例えば難易度の低い順に“EASY”、“NORMAL”、“HARD”といった難易度を示す情報が利用される。
“使用状況”は、各譜面データQDの使用状況を示す情報である。使用状況は各譜面データQDの使用に関する各種の情報を含み得るが、一例として各譜面データQDの使用回数、使用時間といった使用実績の情報を含んでいる。このような使用実績の情報は適宜に活用されてよいが、例えば私的譜面データQDの特典の付与に使用される。なお、譜面データQDは、これらの情報に限定されず、プレイ行為の案内、或いは評価の都合等に応じて各種の情報を適宜に含んでいてよい。あるいは、上述の情報の一部等が適宜に省略されてもよい。
次に、譜面評価処理、機会提供処理、譜面取得処理、特典付与処理、作成者評価処理、楽曲編集処理、及び譜面公式化処理について説明する。譜面評価処理は、譜面データQDを評価するための処理である。譜面評価処理は、ゲーム配信システム10の運営者等、ユーザ以外によって用意された譜面データQDに適用されてもよいが、図10の例は私的譜面データQDに適用される場合を示している。この場合、譜面管理部14は、ブック型のPC4Cを介して私的譜面データQDが送信される毎に図10の譜面評価処理を開始し、まずそのブック型のPC4Cを介して送信された私的譜面データQDを取得する(ステップS101)。
続いて譜面管理部14は、ステップS101で取得した私的譜面データQDを評価する(ステップS102)。例えば、譜面管理部14は、このような評価として妥当性評価、及び難易度設定を実行する。具体的には、譜面管理部14は、まず私的譜面データQDに妥当性評価のためのアルゴリズムを適用し、プレイ用の譜面データQDに適合するか否か評価する。また、私的譜面データQDの投稿を評価ユーザに制限する制限が設定される場合、この妥当性評価には作成者が評価ユーザに該当するか否かの評価が含まれる。つまり、譜面管理部14は、私的譜面データQDをその作成者に基づいてプレイ用の譜面データQD(換言すれば譜面選択機会で選択対象として提示される譜面データQD)として適切か否か判別する。より具体的には、譜面管理部14は、評価対象の私的譜面データQDに対応する楽曲の配信開始から所定期間内に現在が該当するか否か判別し、所定期間内に該当しない場合には作成者に基づく制限が設定されるように、評価ユーザ以外を作成者とする私的譜面データを不適切(不適合)と評価する。一方、譜面管理部14は、現在が所定期間に該当する場合には作成者に基づく制限が発生しない(解除される)ように、作成者に基づく適切性の判別を省略する。換言すれば、譜面管理部14はいずれの作成者による私的譜面データQDも適切(適合)と判別する。
同様に、譜面管理部14は、ステップS102の評価において、私的譜面データQDに難易度設定のためのアルゴリズムを適用することにより、“EASY”、“NORMAL”、“HARD”といった難易度をその私的譜面データQDの指標情報として判別する。そして、譜面管理部14は、これらの妥当性評価の結果、及び難易度の情報を譜面データQDの評価結果として取得する。
次に譜面管理部14は、ステップS102で取得した評価結果を保存する(ステップS103)。この保存は適宜に実現されてよいが、一例として譜面データQDを介して実現される。具体的には、譜面管理部14は、今回の評価結果が譜面データQDの“評価結果”に反映されるように、譜面データQDを更新することにより、この保存を実現する。この評価結果(保存内容)は各種の処理で適宜に利用されてよいが、一例として譜面選択機会における選択候補に私的譜面データQDを含めるべきか否か判断に使用される。例えば、ステップS102の評価において妥当性評価が不適合と判断された私的譜面データQDは譜面選択機会で選択候補に含まれないようにその情報のゲーム機3Bへの提供が省略される。同様に、評価結果の保存には作成者データCDの“投稿数”の更新が含まれてよい。そして、評価結果の保存の後に譜面管理部14は今回の譜面評価処理を終了する。
図10の手順により、私的譜面データQDの評価が実現される。具体的には、私的譜面データQDの妥当性が評価されるとともに、その難易度が指標情報として判別される。そして、それらの評価結果が各種の他の処理にて活用されるように譜面データQDに保存される。結果として、例えば図5の例の(2)における譜面評価の手順、或いは図6の例のF5の手順が実現される。さらに、作成者に基づく私的譜面データQDの用途(譜面選択機会で選択候補として提示されるか否か)の制限、及びその制限の解除が実現される。
機会提供処理は、楽曲選択機会を提供するための処理である。譜面選択機会は、楽曲提供機会とは別に提供されてもよいが、図11の例はプレイ用の譜面データQDを選択するための譜面選択機会が楽曲選択機会の一部として提供される場合を示している。なお、図11、及び図12の例では、ゲーム機3Bの機会提供部33によって主として実行される処理がゲーム機3Bとして、ゲーム配信システム10の認証実現部13によって主として実行される処理がゲーム配信システムとして、それぞれ示されている。
ゲーム機3Bは、ユーザによって楽曲選択機会がリクエストされると、図11の機会提供処理を開始し、まずそのリクエストをゲーム配信システム10に送信する(ステップS201)。同様に、ゲーム配信システム10はゲーム機3Bからリクエストが送信されると、図11の機会提供処理を開始し、まずそのリクエストを取得する(ステップS301)。続いてゲーム配信システム10は、そのリクエストに基づいて楽曲選択機会に必要なリストを送信する(ステップS302)。楽曲選択機会に必要なリストには、例えば選択可能な楽曲のリスト、及び譜面データQDのリストが含まれる。また、楽曲選択機会において譜面選択機会が提供される場合、各譜面データQDに付される指標情報(難易度の情報)も含まれる。このため、ゲーム配信システム10は、一例としてこれらの情報を含むようにリストをゲーム機3Bに送信する。
一方、ゲーム配信システム10からリストが送信されると、そのリストに基づいて楽曲選択機会を提供する。楽曲選択機会では、各譜面データQDに選択のための指標として機能する難易度の情報が関連付けられるように提示される。例えば、楽曲選択機会(譜面選択機会)において私的譜面データQDが選択候補として提示される場合、その私的譜面データQDには指標情報として“EASY”等の難易度の情報が関連付けられて提示される。さらに、楽曲選択機会は適宜に構成されてよく、例えばそこに含まれる譜面選択機会において各譜面データQDがランキング形式に表示されてもよい。また、このようなランキングは各種の情報に基づいて設定されてよく、例えば各譜面データQDの使用回数、使用時間といった使用実績に基づいてランキングが設定されてもよい。つまり、楽曲選択機会は、各譜面データQDを使用実績に基づくランキング形式で提示するように譜面選択機会を提供してよい。そして、その提供の後にゲーム機3Bは今回の機会提供処理を終了する。これにより、ゲーム機3Bにおいて楽曲選択機会及び譜面選択機会が提供され、譜面選択機会では各譜面データQDに選択のための指標として“EASY”等の難易度の情報が関連付けられるように提示される。
譜面取得処理は、音楽ゲームのプレイに必要な楽曲データMD、及び譜面データQDを取得するための処理である。ゲーム配信システム10と楽曲配信システム20との間では適宜に会員認証が実行されてよく、例えば音楽ゲームのプレイ毎に会員認証を実行し、楽曲配信システム20から楽曲データMD2を取得してもよいが、一例として事前に会員認証が実行され、全楽曲分の楽曲データMD2が取得される。図12の例は、事前に取得された配信用の楽曲データMD2がプレイ用の楽曲データMD1に編集され、プレイのために用意される場合の譜面取得処理を示している。
ゲーム機3Bは、楽曲選択機会において選択が実行されると、図12の譜面取得処理を開始し、まず楽曲選択機会における選択結果を取得する(ステップS211)。この選択結果には、プレイ用の楽曲、及びその楽曲で使用される譜面データQDの両方に関する選択結果が含まれる。次にゲーム機3Bは、楽曲データMD1、及び譜面データQDを要求するリクエストをゲーム配信システム10に送信する(ステップS212)。このリクエストには、楽曲選択機会における選択結果、つまり楽曲選択機会で選択されたプレイ用の楽曲、及びその楽曲で使用される譜面データQDの情報が含まれる。
ゲーム機3Bからリクエストが送信されると、ゲーム配信システム10は、図12の譜面取得処理を開始し、まずそのリクエストを取得する(ステップS311)。続いてゲーム配信システム10は、そのリクエストに含まれる選択結果の情報に基づいてリクエストの対象の楽曲データMD1、及び譜面データQDを特定する(ステップS312)。次にゲーム配信システム10は、その特定した楽曲データMD1、及び譜面データQDをゲーム機3Bに送信する(ステップS313)。そして、その送信の後にゲーム配信システム10は今回の譜面取得処理を終了する。
一方、ゲーム機3Bは、ゲーム配信システム10からデータが送信されると、そのデータ、つまり楽曲データMD1、及び譜面データQDを取得する(ステップS213)。続いてゲーム機3Bは、その取得した楽曲データMD1と譜面データQDとの組合せにより実現されるプレイの開始を待機するための待機画面(不図示)をモニタMOに表示する(ステップS214)。待機画面は、プレイ開始(各実行時期の案内開始)を待機するためのゲーム画面である。待機画面は適宜に実現されてよく、例えば単に開始までのカウントダウンが実施される画面でも、開始のためのタッチ操作を要求する画面でもよい。待機画面においてカウントダウン期間が経過した場合、或いは開始のためのタッチ操作が実行された場合に開始条件が満たされ、音楽ゲームのプレイが開始される。ゲーム機3Bは、このような待機画面を表示した後に今回の譜面取得処理を終了する。これにより、楽曲選択機会における選択結果に対応する楽曲データMD1及び譜面データQDがゲーム配信システム10から取得される。
特典付与処理は、私的譜面データQDの作成者に特典を付与するための処理である。作成者には各種の条件に応じて適宜に特典が付与されてよいが、図13の例は私的譜面データQDのプレイ用の譜面データQDとしての使用状況に応じて特典が付与される場合の特典付与処理を示している。この場合、譜面管理部14は、所定の周期毎に図13の特典付与処理を開始し、まず各私的譜面データQDの使用状況を判別する(ステップS401)。具体的には、譜面管理部14は、譜面データQDの“作成者”、及び“使用状況”の情報を参照し、各ユーザが作成した私的譜面データQDの使用状況を判別する。
続いて譜面管理部14は、ステップS401で取得した使用状況に基づいて特典付与条件が満たされるか否か判別する(ステップS402)。特典条件は適宜に満たされてよいが、一例として使用回数が所定回数以上の場合、或いは使用時間が所定時間以上の場合に満たされる。特典条件が満たされない場合、譜面管理部14は以降の処理をスキップして、今回の特典付与処理を終了する。
一方、特典条件が満たされる場合、譜面管理部14は、特典条件を満たす各作成者を特定し、その各作成者に特典を付与する(ステップS403)。特典として各種の要素が適宜に利用されてよく、例えばアイテム、ゲーム内の通貨、或いは賞金等が利用されてよい。また、特典として賞金が付与される場合、その賞金は適宜に設定されてよく、例えば賞金額が売上げや使用回数等に依存するように設定されてもよい。この場合、送金費用等の諸経費を上回る賞金だけが作成者に付与されるように賞金(特典)の付与に制限が設けられてもよい。そして、特典の付与の後に譜面管理部14は今回の特典付与処理を終了する。これにより、私的譜面データQDの使用状況に応じてその作成者に特典が付与される。
作成者評価処理は、私的譜面データQDの作成者を評価するための処理である。作成者は適宜に評価されてよいが、図14の例は評価条件に基づいて評価される場合の作成者評価処理を示している。この場合、譜面管理部14は、所定の周期毎に図14の作成者評価処理を開始し、まず各作成者を評価するための評価条件を判別する(ステップS501)。評価条件は、一例として投稿数、及びフォロワー数を要件に含んでいる。このため、譜面管理部14は、作成者データCDの“投稿数”、及び“フォロワー数”を参照して、これらの投稿数、及びフォロワー数を評価条件として作成者毎に判別する。これらの投稿数、及びフォロワー数は適宜に更新されてよいが、一例として投稿数は図10の例の譜面評価処理により更新され、フォロワー数はフォロー機能を通じてフォロー登録が実行される毎に更新される。
続いて譜面管理部14は、ステップS501で判別した評価条件に基づいて各作成者を評価する(ステップS502)。この評価は適宜に実現されてよいが、一例としてグレードの判別、及び公認対象か否かの判別を含んでいる。具体的には、譜面管理部14は、まず各作成者をグレード付けする。このグレード付けは、一例として図7の例の基準に基づいて投稿数、及びフォロワー数の組合せにより実現される。次に譜面管理部14は、そのグレード付けの結果に基づいて各作成者が公認対象か否か判別する。この判別は、一例として図7の例の基準に基づいて“S”若しくは“A+”に属するか否かに応じて実現される。つまり、譜面管理部14は“S”若しくは“A+”のグレードに属する作成者を公認対象と、それ以外を非公認と、それぞれ判別する。さらに、譜面管理部14その判別結果が評価結果として反映されるように作成者データCDを更新し、評価を終える。そして、この更新の後、つまり評価の後に譜面管理部14は今回の作成者評価処理を終了する。これにより、私的譜面データQDの作成者が評価条件に基づいて評価される。
楽曲編集処理は、配信用の楽曲データMD2を音楽ゲームのプレイ用の楽曲データMD1に編集するための処理である。楽曲編集部16は、例えば新しい楽曲が楽曲配信サービスに追加された場合等の編集開始条件が満たされる毎に図15の楽曲編集処理を開始し、まず編集対象のデータとして楽曲配信サービスで配信される配信用の楽曲データMD2を取得する(ステップS601)。
続いて楽曲編集部16は、ステップS601で取得した配信用の楽曲データMD2を編集する(ステップS602)。この編集は適宜に実現されてよく、例えば上述のようにプレイ用の尺に対応する長さとなるように実行される。また、この編集には、私的譜面データQDの内容が反映されてよく、例えば私的譜面データQDとして用意されている範囲がプレイ用の楽曲データMD1となるように実行されてもよい。
次に楽曲編集部16は、ステップS602の編集結果に基づいて編集後のデータとしてプレイ用の楽曲データMD1を生成する(ステップS603)。そして、この生成の後に楽曲編集部16は今回の楽曲編集処理を終了する。これにより、楽曲配信サービス用の楽曲データMD2が音楽ゲームのプレイに適したプレイ用の楽曲データMD1に編集される。より具体的には、図5の例の(2)における楽曲データ自動編集、或いは図6の例のF2の手順が実現される。
譜面公式化処理は、私的譜面データQDの一部を公式譜面データQDとして認定するための処理である。公式譜面データQDと非公式の譜面データQDとは適宜に区別されてよいが、例えばブック型のPC4Cがゲーム機3として機能し、ブック型のPC4C(ユーザ端末装置4)及びゲーム機3B(アーケードゲーム機)の両方が音楽ゲームの提供に使用される場合において、ゲーム機3Bのプレイにて使用可能か否かにより区別される。つまり、ブック型のPC4Cとゲーム機3Bとの間で使用可能な譜面データQDは一致していてもよいが、一例として相違し、公式譜面データQDであるか否かがその相違に反映される。また、私的譜面データQDを公式譜面データQDとして認定するか否かは適宜に判別されてよいが、一例として候補条件に基づいて判別される。候補条件は各種の要件を含んでいてよく、例えば作成者(図7の例の公認対象に該当するユーザ等)を要件に含んでいてもよいが、一例として各私的譜面データQDの使用状況を要件に含んでいる。具体的には、候補条件は、一例としてブック型のPC4Cが提供する音楽ゲームにおいて所定回数以上使用された場合に満たされる。図16の例は、このような場合の譜面公式化処理を示している。この例において、音楽ゲームを提供するブック型のPC4Cが本発明のゲーム用ユーザ端末装置として機能する。
譜面管理部14は、所定の周期で繰り返し図16の譜面公式化処理を開始し、まず譜面データQDの“使用状況”を参照し、各私的譜面データQDの使用状況を判別する(ステップS701)。続いて譜面管理部14は、その使用状況に基づいて候補条件が満たされるか否か判別する。上述のように候補条件はブック型のPC4Cが提供する音楽ゲームにおいて所定回数以上使用された場合に満たされる。このため、譜面管理部14は、ブック型のPC4Cが提供する音楽ゲームにおいて所定回数以上使用された私的譜面データQDが存在するか否か候補条件として判別する(ステップS702)。候補条件が満たされない場合、つまりブック型のPC4Cが提供する音楽ゲームにおいて所定回数以上使用された私的譜面データQDが存在しない場合、譜面管理部14は以降の処理をスキップして今回の譜面公式化処理を終了する。
一方、候補条件が満たされる場合、つまりブック型のPC4Cが提供する音楽ゲームにおいて所定回数以上使用された私的譜面データQDが存在する場合、譜面管理部14はその候補条件を満たす私的譜面データQDを公式譜面化する(ステップS703)。つまり、譜面管理部14は、その私的譜面データQDを公式譜面データQDとして認定する。この認定結果は適宜に管理されてよいが、例えば譜面データQDの“使用状況”の情報の一部として管理される。そして、この認定の後に譜面管理部14は今回の譜面公式化処理を終了する。
図16の手順により、私的譜面データQDが候補条件を満たすか否か判別され、候補条件を満たす場合には公式譜面データQDとして認定される。そして、公式譜面データQDか否かに応じて、ブック型のPC4Cが提供する音楽ゲームとゲーム機3Bの音楽ゲームとの間で異なる扱いが実現される。具体的には、プレイ用の譜面データQDに適合する私的譜面データQDはまずブック型のPC4Cが提供する音楽ゲームの譜面選択機会において選択候補として提示され、プレイに使用される。そして、ブック型のPC4Cが提供する音楽ゲームにおける使用状況が候補条件を満たした場合にゲーム機3Bの音楽ゲームにおける譜面選択機会でも選択候補として提示され、プレイに使用される。つまり、ブック型のPC4Cでの使用状況が候補条件を満たされるまでゲーム機3Bの譜面選択機会では選択候補として提示されず、プレイでも使用されない。結果として、候補条件に基づいてブック型のPC4Cの音楽ゲームにおいて一定の評価を受けた私的譜面データQDのみがゲーム機3Bのプレイにて使用される。
以上に説明したように、上述の形態によれば、所定のアルゴリズムに基づいてプレイ用の譜面データQDのうち、少なくとも私的譜面データQDの難易度(指標情報)が判別され、その難易度の情報が譜面選択機会においてその私的譜面データQDと関連付けられるように提供される。これにより、私的譜面データQDに難易度を設定するための手間暇を軽減することができ、ひいてはこの私的譜面データQDをプレイに使用可能にするまでに必要な手間暇を軽減することができる。また、音楽ゲーム用の楽曲として楽曲配信サービスの楽曲が利用される場合、楽曲毎の個別契約が不要となるため、楽曲の用意に必要な手間暇の軽減も図ることができる。さらに、所定のアルゴリズムがユーザによって作成された私的譜面データQDに適用される場合、譜面データQDの作成等、その用意に必要な手間暇の軽減も図ることができる。結果として、この私的譜面データQDに対応する楽曲がゲームのプレイで使用されるまでの期間の短縮も図ることができる。音楽ゲームでは楽曲が興趣性に与える影響も大きい。このため、新しい楽曲の導入にかかる期間を短縮することにより、ゲームの興趣性の向上を図ることができる。
また、私的譜面データQDに難易度を設定するためのアルゴリズムに楽曲の特性(楽曲情報)が考慮される場合、その楽曲の特性がその楽曲に対応する私的譜面データQDに反映される。譜面データQDは楽曲と組合せされて使用されるため、難易度の設定には楽曲の特性が反映される方が好ましい。結果として、楽曲の特性をアルゴリズムに利用することにより、楽曲の特性が反映されない場合に比べて比較的適切な難易度の情報を得ることができる。
さらに、ブック型のPC4C(ユーザ端末装置4)及びゲーム機3B(アーケードゲーム機)の両方が音楽ゲームの提供に使用され、公式譜面データQDか否かで両者の間の使用開始時期が相違する場合、一定の評価を受けた私的譜面データQDのみがゲーム機3Bのプレイにて使用される。これにより、ゲーム機3Bで使用される譜面データQDの質を確保することができる。また、ブック型のPC4Cでのプレイからゲーム機3Bでのプレイにユーザの誘導を図ることもできる。
以上の形態において、ゲーム配信システム10の譜面管理部14が図10の手順を実行することにより本発明の指標判別手段、データ取得手段、及び適否判別手段として機能する。具体的には、譜面管理部14が、図10のステップS101を実行することによりデータ取得手段として、図10のステップS102を実行することにより指標判別手段及び適否判別手段として、それぞれ機能する。また、ゲーム配信システム10の譜面管理部14が図11のステップS302の実行に伴いゲーム機3Bを介して間接的に楽曲選択機会(譜面選択機会)を提供することにより本発明の指標提供手段として機能する。同様に、ゲーム配信システム10の譜面管理部14が図13のステップS403を実行することにより本発明の特典付与手段として機能する。さらに、ゲーム配信システム10の譜面管理部14が図14のステップS502を実行することにより本発明のユーザ評価手段として機能する。一方、ゲーム配信システム10の楽曲編集部16が図15のステップS602を実行することにより本発明の楽曲編集手段として機能する。また、ゲーム配信システム10の譜面管理部14が図16のステップS702を実行することにより本発明の候補判別手段として機能する。
本発明は上述した各形態に限定されることなく、各種の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、指標情報として難易度の情報が利用されている。しかし、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、作成者、若者向け等の年齢、あるいは男性向け等の性別といった各種の情報が指標情報として利用されてよい。
また、上述の形態では、評価条件に基づいて公認対象のグレードに属すると評価されたユーザが評価ユーザとして機能し、評価ユーザの場合、新しい楽曲の解禁開始から一定期間経過後においてもプレイ用の譜面データQDとしての使用が許容される。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、音楽ゲームがプレイ状況に応じてプレイ用に選択可能な楽曲を徐々に拡大する(解禁する)ように構成される場合、各楽曲においてプレイ用の譜面データQDとして許可される私的譜面データQDは各楽曲を解禁したユーザの私的譜面データQDに限定されてもよい。つまり、各楽曲を解禁したユーザが各楽曲における評価ユーザとして機能してよい。具体的には、例えば、音楽ゲームはA楽曲、及びB楽曲をプレイしたユーザにのみC楽曲のプレイを解禁してもよく、この場合、その両楽曲をプレイしたユーザがC楽曲における評価ユーザとして機能してよい。あるいは、音楽ゲームが適宜の進行を含む場合、その進行度合いに応じて各楽曲のプレイが解禁されてよく、各楽曲のプレイが解禁されたユーザが各楽曲における評価ユーザとして機能してもよい。つまり、評価ユーザとして機能するユーザは、評価条件に基づくユーザに限定されず、私的譜面データQDを作成する複数のユーザの適宜の一部のユーザであってよい。
また、上述の形態では、ゲーム配信システム10が図10の手順等を実行することにより本発明ゲームシステムとして機能している。一方で、ゲーム配信システム10の役割(各種処理等)の全部或いは一部をゲーム機3、或いはユーザ端末装置4等の他のシステム(あるいは装置)が適宜に実行してもよい。つまり、本発明のゲームシステムは、各種の他のシステムを適宜に含んでいてもよい。また、ゲーム配信システム10が楽曲配信システム20の役割の全部或いは一部を適宜に実行してもよい。つまり、楽曲配信システム20は省略されてもよい。結果として、ゲーム配信システム10(あるいはそこに含まれるゲーム配信システム用のサーバユニット2A)のみが本発明のゲームシステムとして機能してもよいし、ゲーム機3、或いはユーザ端末装置4等の適宜の他のシステムのみが本発明のゲームシステムとして機能してもよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明のゲームシステムは、ユーザの各プレイ行為を入力するための入力装置(TP)と、各プレイ行為が実行されるべき実行時期が記述された譜面データ(QD)に基づいて前記実行時期を案内するための出力装置(MO)と、に接続され、プレイ用の楽曲を再生するための楽曲データ(MD1)と、当該プレイ用の楽曲に関連付けられる前記譜面データとしてのプレイ用譜面データとの組合せにより前記プレイ用の楽曲のリズムに合わせて各実行時期を案内するとともに、前記ユーザによって実際にプレイ行為が実行された場合に当該プレイ行為の時期を前記プレイ用譜面データの前記実行時期に基づいて評価するゲームを提供するゲームシステム(10)であって、前記プレイ用譜面データを選択するための譜面選択機会において前記プレイ用譜面データの候補として機能する複数の譜面データのうち、少なくとも一部の譜面データに所定のアルゴリズムを適用することにより当該一部の譜面データを選択するための指標となる指標情報を判別する指標判別手段(14)と、前記譜面選択機会において前記一部の譜面データと関連付けられるように前記指標情報を前記ユーザに提供する指標提供手段(14)と、を備えるものである。
本発明によれば、所定のアルゴリズムに基づいて一部の譜面データの指標情報が判別され、その指標情報が譜面選択機会においてその一部の譜面データと関連付けられるように提供される。これにより、一部の譜面データに指標情報を設定するための手間暇を軽減することができ、ひいてはこの一部の譜面データをプレイに使用可能にするまでに必要な手間暇を軽減することができる。結果として、この一部の譜面データに対応する楽曲がゲームのプレイで使用されるまでの期間の短縮も図ることができる。楽曲がプレイに使用されるゲームでは楽曲が興趣性に与える影響も大きい。このため、新しい楽曲の導入にかかる期間を短縮することにより、ゲームの興趣性の向上を図ることができる。
プレイ用の楽曲には一つの譜面データのみが関連付けられていても、複数の譜面データが関連付けられていてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記複数の譜面データは、前記プレイ用譜面データの候補としていずれも前記プレイ用の楽曲に関連付けられていてもよい。
所定のアルゴリズムは、要求される指標情報に応じて適宜に構成されてよい。例えば、所定のアルゴリズムは、適用対象の譜面データが関連付けられる楽曲の特性を考慮するように構成されても、その楽曲の特性とは無関係に構成されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記指標判別手段は、前記所定のアルゴリズムとして前記楽曲データに関する楽曲情報を判別要素に含むアルゴリズムを利用し、当該アルゴリズムに基づいて前記指標情報を判別してもよい。この場合、楽曲データの楽曲情報がその楽曲データに対応する譜面データの指標情報に反映される。楽曲データと譜面データとはゲームにおいて組み合わされて使用されるため、指標情報には楽曲の特性が反映される方が好ましい。楽曲情報をアルゴリズムに利用することにより、比較的適切な指標情報を得ることができる。
ゲーム用の楽曲は適宜に用意されてよい。例えば、ゲームシステムの運営者が用意してもよいし、その他の者が用意してもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記ゲームは、複数の楽曲を会員に配信するサービスとして当該ゲームとは別に提供される楽曲配信サービスのために構築される楽曲配信システム(20)に前記ゲームシステムがネットワーク(NT)を介して接続される場合に、前記複数の楽曲の少なくとも一部を前記プレイ用の楽曲の候補として利用するように構成されてもよい。この場合、楽曲の用意に必要な手間暇の軽減も図ることができる。
所定のアルゴリズムが適用される対象の譜面データは適宜に用意されてよい。例えば、ゲームシステムの運営者によって用意されてもよいし、ゲームをプレイするユーザによって用意されてもよい。例えば、楽曲配信サービスを利用する態様において、ユーザ端末装置(4)にネットワーク(NT)を介して接続され、当該ユーザ端末装置を利用する端末ユーザによって前記複数の楽曲の一つの楽曲に対応する前記譜面データが生成された場合に、当該譜面データとしてのユーザ生成型譜面データが前記複数の譜面データの一つとして機能するように、前記ユーザ端末装置から前記ユーザ生成型譜面データを取得するデータ取得手段(14)を備え、前記指標判別手段は、前記一部の譜面データとして前記ユーザ生成型譜面データが機能するように、当該ユーザ生成型譜面データに前記所定のアルゴリズムを適用することにより前記指標情報を判別し、前記指標提供手段は、前記譜面選択機会において前記一部の譜面データとして前記ユーザ生成型譜面データと関連付けられるように前記指標情報を提供してもよい。この場合、譜面データの用意に必要な手間暇の軽減も図ることができる。
ユーザによる譜面データの生成が許容される場合において、そのユーザによって生成された譜面データは他の譜面データと全く同じに扱われてもよいし、適宜に区別されてもよい。例えば、ユーザによって生成された譜面データの使用は、一部のユーザ、或いは一部の装置に制限されてもよい。例えば、ユーザによる譜面データの生成が許容される態様として、前記ゲームをプレイ可能なユーザ端末装置としてのゲーム用ユーザ端末装置(4C)、及び複数のユーザによって前記ゲームがプレイされるように所定の施設に設置される商業用のゲーム装置(3B)にネットワーク(NT)を介して接続され、前記ゲーム用ユーザ端末装置の前記譜面選択機会において前記プレイ用譜面データの候補として利用される前記ユーザ生成型譜面データが候補条件を満たす場合に前記商業用のゲーム装置の前記譜面選択機会においても前記プレイ用譜面データの候補として利用される一方で、前記候補条件が満たされない場合には前記商業用のゲーム装置の前記譜面選択機会において前記プレイ用譜面データの候補として利用されないように、前記ユーザ生成型譜面データが前記候補条件を満たすか否か判別する候補判別手段を備える態様が採用されてもよい。
譜面データを生成したユーザには特典(報酬)が与えられてもよいし、与えられなくてもよい。例えば、ユーザによる譜面データの生成が許容される態様として、前記ユーザ生成型譜面データの前記プレイ用譜面データとしての使用状況に応じて前記端末ユーザに特典を付与する特典付与手段(14)を備える態様が採用されてもよい。
複数のユーザによって複数の譜面データが生成される場合、それらのユーザは一律に扱われてもよいし、適宜に扱いが相違していてもよい。各ユーザ間において扱いが相違する場合、その相違は各種の評価結果に応じて判断されてよい。例えば、過去に作成された譜面データに基づいて評価されてもよいし、それとは無関係に評価されてもよい。例えば、ユーザによる譜面データの生成が許容される態様として、前記端末ユーザ、及び前記ユーザ生成型譜面データとして、複数の端末ユーザ、及び複数のユーザ生成型譜面データが利用され、前記複数の端末ユーザによって前記複数のユーザ生成型譜面データが生成される場合に、各ユーザ生成型譜面データの生成を要件に含む評価条件に基づいて各端末ユーザを評価するユーザ評価手段(14)を備える態様が採用されてもよい。
また、各ユーザ間において扱いが相違する場合、その相違は適宜に生じてよい。例えば、そのような相違は各ユーザによって作成された譜面データの扱いに生じてもよいし、それとは別の扱いに生じてもよい。例えば、譜面データを作成した各ユーザを評価条件に基づいて評価する態様として、前記複数の譜面データとして機能する前記ユーザ生成型譜面データを前記複数の端末ユーザのうち一部の端末ユーザのユーザ生成型譜面データに制限する制限が設定される一方で、前記楽曲配信サービスの前記複数の楽曲として新しい楽曲の配信が開始される場合において当該配信の開始から所定期間では当該新しい楽曲に対応する前記複数のユーザ生成型譜面データについて前記制限が解除されるように、前記ユーザ生成型譜面データが前記複数の譜面データとして適切か否か判別する適否判別手段(14)を備える態様が採用されてもよい。
楽曲配信サービスの各楽曲がゲームのプレイに利用される場合において、その楽曲はそのまま使用されてもよいし、適宜に編集されて使用されてもよい。例えば、楽曲配信サービスの各楽曲をゲームのプレイに利用する態様として、前記ゲームが前記プレイ用の楽曲に所定の条件を要求するように構成される場合に、当該所定の条件を満たすように、前記複数の楽曲をそれぞれ再生するための複数の楽曲データを編集する楽曲編集手段(16)を備える態様が採用されてもよい。
編集後の楽曲がゲームのプレイに使用される場合において、その楽曲の編集は適宜に実行されてよく、例えばゲームの要件に基づいて実行されてもよいし、その楽曲に対応するように用意される譜面データの要件に基づいて実行されてもよい。例えば、編集後の楽曲がゲームのプレイに使用される態様において、前記楽曲編集手段は、前記所定の条件が前記ユーザ生成型譜面データの内容を要件として含む場合に、当該所定の条件を満たすように前記一つの楽曲に対応する楽曲データを前記ユーザ生成型譜面データの内容に応じて編集してもよい。
本発明のコンピュータプログラム(PG1)は、前記入力装置、及び前記出力装置に接続されるコンピュータ(11)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
また、本発明の制御方法は、ユーザの各プレイ行為を入力するための入力装置(TP)と、各プレイ行為が実行されるべき実行時期が記述された譜面データ(QD)に基づいて前記実行時期を案内するための出力装置(MO)と、に接続され、プレイ用の楽曲を再生するための楽曲データ(MD1)と、当該プレイ用の楽曲に関連付けられる前記譜面データとしてのプレイ用譜面データとの組合せにより前記プレイ用の楽曲のリズムに合わせて各実行時期を案内するとともに、前記ユーザによって実際にプレイ行為が実行された場合に当該プレイ行為の時期を前記プレイ用譜面データの前記実行時期に基づいて評価するゲームを提供するゲームシステム(10)に組み込まれるコンピュータ(11)に、前記プレイ用譜面データを選択するための譜面選択機会において前記プレイ用譜面データの候補として機能する複数の譜面データのうち、少なくとも一部の譜面データに所定のアルゴリズムを適用することにより当該一部の譜面データを選択するための指標となる指標情報を判別する指標判別手順と、前記譜面選択機会において前記一部の譜面データと関連付けられるように前記指標情報を前記ユーザに提供する指標提供手順と、を実行させる、ものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。