JP7397578B2 - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエステル樹脂と無機粒子アンチブロッキング剤を含むポリエステル樹脂組成物、及び、それを用いた成形体に関する。
本発明はまた、ポリエステル樹脂と無機粒子アンチブロッキング剤を含むポリエステル樹脂組成物の透明性を向上させる(ヘイズを低減させる)方法に関する。
本発明はまた、ポリエステル樹脂組成物から成形体を製造する方法に関する。
ポリエステル樹脂フィルムは、透明性、耐熱性、耐衝撃性等の各種特性に優れており、包装材料等の用途に広く使用されている。しかし、フィルムが相互に付着(ブロッキング)する傾向があり、従来から、フィルムに滑り性を付与するために、フィルム中にアンチブロッキング剤を配合することが広く行われている。
アンチブロッキング剤としてはシリカ、ゼオライト等の無機粒子アンチブロッキング剤が知られている。
例えば特許文献1では、湿式法非晶質シリカから形成されていながら、樹脂への分散性、配合樹脂の透明性、湿度不感受性及びアンチブロッキング性能の組合せに優れた樹脂フィルム用アンチブロッキング剤を提供することを目的とする発明が開示されている。そして特許文献1では、湿式法非晶質シリカから成るアンチブロッキング剤であって、(1)レーザ回折法で測定した体積基準の中位径が0.2乃至1.0μmの範囲にあり、(2)水性分散液で測定したゼータ電位が-40乃至-60ミリボルトの範囲にあり、(3)BET法で測定した比表面積が80m/g以下であり、且つ(4)25℃、75%RH及び24時間における平衡水分率が10%以下である非晶質シリカから成ることを特徴とするアンチブロッキング剤が開示されている。特許文献1では、実施例、比較例で用いた非晶質シリカが、1.44~1.48の屈折率を有することが記載されている。
一方、特許文献2では、ブロッキングを抑制する目的ではないが、放熱性を付与することを目的として、ポリエステル樹脂と無機粒子を含有する層を含む積層フィルムにおいて、屈折率が1.65~2.40の無機粒子を用いることが開示されている。
特開2001-131337号公報 特開2013-208747号公報
従来から、ポリエステル樹脂組成物にアンチブロッキング剤として無機粒子を配合することは知られている。
本発明者らは新たに、無機粒子アンチブロッキング剤としてある範囲の屈折率のものを用いると、それを配合したポリエステル樹脂組成物のヘイズが上昇し透明性が悪化するという課題を見出した。
そこで本発明は、成形時において、透明性を損なうことなく、耐ブロッキング性が優れた、ポリエステル樹脂と無機粒子アンチブロッキング剤を含むポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは驚くべきことに、屈折率が1.530~1.590の範囲にある無機粒子アンチブロッキング剤を配合したポリエステル樹脂組成物は透明性と耐ブロッキング性が高いことを見出し、以下の発明を完成するに至った。
(1)ポリエステル樹脂、及び、全量に対し0.01~30重量%の無機粒子アンチブロッキング剤を含み、
前記無機粒子アンチブロッキング剤の屈折率が1.530~1.590であることを特徴とする、ポリエステル樹脂組成物。
(2)前記無機粒子アンチブロッキング剤が層状ケイ酸塩である、(1)に記載のポリエステル樹脂組成物。
(3)前記無機粒子アンチブロッキング剤が、屈折率1.560~1.580のカオリン又はタルクである、(2)に記載のポリエステル樹脂組成物。
(4)前記無機粒子アンチブロッキング剤が、AlとSiOとの比が4:6~5:5のカオリンである、(2)又は(3)に記載のポリエステル樹脂組成物。
(5)全量に対し有機系離型剤の含有量が10重量%以下である、(1)~(4)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
(6)前記有機系離型剤が極性官能基を有する、(5)に記載のポリエステル樹脂組成物。
(7)(1)~(6)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を用いて成形された成形体。
(8)ポリエステル樹脂、及び、無機粒子アンチブロッキング剤を含むポリエステル樹脂組成物の、JIS K7136に準拠して測定される厚さ200μmのフィルムを形成したときのヘイズを3.0以下に低減する方法であって、
前記無機粒子アンチブロッキング剤として、前記ポリエステル樹脂組成物の全量に対し0.01~30重量%となる量の、屈折率が1.530~1.590の無機粒子アンチブロッキング剤を前記ポリエステル樹脂と混合することを含む方法。
(9)ポリエステル樹脂、及び、全量に対し1~30重量%の無機粒子アンチブロッキング剤を含み、前記無機粒子アンチブロッキング剤の屈折率が1.530~1.590である、第1のポリエステル樹脂組成物を、更なるポリエステル樹脂と混合して、全量に対し0.01~2重量%の前記無機粒子アンチブロッキング剤を含む第2のポリエステル樹脂組成物を調製すること、及び、
前記第2のポリエステル樹脂組成物を成形すること
を含む、成形体の製造方法。
(10)前記第2のポリエステル樹脂組成物の調製において、帯電防止剤を更に混合することを含む、(9)に記載の方法。
本発明のポリエステル樹脂組成物を用いて形成された成形体は透明性と耐ブロッキング性を高いレベルで両立することが可能である。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
1.材料
1.1.ポリエステル樹脂
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸とジオールの重縮合により得られる高分子化合物を主成分とする樹脂である。ポリエステルを構成するモノマーである、ジカルボン酸とジオールの具体例として以下のモノマーが例示できる。
ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3-ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2-メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカジカルボン酸等が挙げられる。
ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサジオール、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられる。
ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分とジオール成分はそれぞれ1種又は2種以上を用いてもよい。また、トリメリット酸などのその他の酸成分やトリメチロールプロパンなどのその他の水酸基成分を適宜含油していてもよい。ジカルボン酸としてイソフタル酸、及び/又は、ジオールとして1,4-シクロヘキサンジメタノールを用い、結晶性を有する範囲に共重合したポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂も使用できる。
ポリエステル樹脂の具体例は特に限定されないがポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタテート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート及びポリブチレンナフタレートや、これらのポリエステル樹脂に、ジカルボン酸としてイソフタル酸、及び/又は、ジオールとして1,4-シクロヘキサンジメタノールを用い、結晶性を有する範囲に共重合したポリエステル樹脂が挙げられる。
1.2.無機粒子アンチブロッキング剤
無機粒子アンチブロッキング剤は、ポリエステル樹脂組成物成形体の表面に微細な凹凸を形成して、ポリエステル樹脂組成物成形体のブロッキングを阻止する無機粒子である。
無機粒子アンチブロッキング剤としては、屈折率が所定の範囲にある無機粒子を用いることができ、その種類は特に限定されないが、例えば、下記の層状ケイ酸塩、シリカ、ゼオライト等が挙げられ、層状ケイ酸塩が特に好ましい。
層状ケイ酸塩とは、珪素イオンを囲む酸素原子の4面体シートとアルミニウムイオンを取り囲む酸素原子と水酸基の八面体シートの二層構造があり、この両シートが組み合って4面体シートと8面体シートが1:1で並ぶものを1:1型構造,八面体を間に挟み,2:1の数の割合で並ぶものを2:1型構造という。1:1型構造の鉱物としては蛇紋石-カオリン族があり代表的な種としてリーザダイト、バーチェリン、アメサイト、クリソタイル、カオリナイト、ディッカイト、ハロサイトがある。2:1型構造の鉱物としてはタルクーパイロフィライト族として、タルク、パイロフィライト、スメクタイト族として、サポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、パイデライト、バーミキュライト族として、3八面体型バーミキュライト、2八面体型バーミキュライト、雲母族として、金雲母、黒雲母、レピドライト、イライト、白雲母、パラゴナイト、脆雲母族として、クリントナイト、マーガライト、緑泥石族として、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、ドンバサイト、クッケアイト、スドーアイト等の層状ケイ酸塩がある。層状ケイ酸塩としては特にカオリン又はタルクが好ましい。
無機粒子アンチブロッキング剤の粒子径は特に限定されないが、ブロッキング防止の観点から、体積平均粒子径が1μm~20μmであることが好ましく、2μm~10μmがより好ましい。無機粒子アンチブロッキング剤の体積平均粒子径は、無機粒子アンチブロッキング剤を水中に分散させた試料からレーザ法を用いて測定することができる。
本発明では、屈折率が1.530~1.590の範囲の無機粒子アンチブロッキング剤を配合したポリエステル樹脂組成物では透明性と滑り性を高いレベルで両立することができるのに対して、この範囲外の屈折率を有する範囲の無機粒子アンチブロッキング剤を配合したポリエステル樹脂組成物では滑り性は良好であるが透明性が低いという知見に基づくものである。ポリエステル樹脂組成物の透明性は、JIS K7136に準拠して測定される、厚さ200μmのフィルムを形成したときのヘイズ(曇度)により表すことができる。前記条件でのヘイズが3.0以下となるポリエステル樹脂組成物は透明性が高く、前記条件でのヘイズが2.0以下となるポリエステル樹脂組成物は透明性が特に高い。
ポリエステル樹脂組成物に配合する無機粒子アンチブロッキング剤の屈折率を1.530~1.590とすることにより、前記条件でのヘイズを3.0以下に低減することができる。前記屈折率は、前記条件でのヘイズを更に低減させる観点から、好ましくは1.560~1.580であり、より好ましくは1.562~1.570である。屈折率はJIS K7142B法(ベッケ線法)に準じて測定することができる。
無機粒子アンチブロッキング剤が層状ケイ酸塩である実施形態、特にカオリンである実施形態においては、AlとSiOとの比が4:6~5:5の範囲であることがより好ましい。この比は、無機粒子アンチブロッキング剤中のAl、SiをJIS K0116(ICP-AES)に従い定量し、AlをAlの重量に、SiをSiOの重量にそれぞれ換算したときの、AlとSiOとの重量比である。AlとSiOとの比が4:6~5:5の範囲であり且つ屈折率が前記範囲である層状ケイ酸塩、特にカオリンを無機粒子アンチブロッキング剤として配合したポリエステル樹脂組成物は透明性が特に高く、且つ、耐ブロッキング性が良好である。
カオリンとしては、含水カオリン(湿式カオリン)と焼成カオリンのどちらも好適に使用することができる。
1.3.有機系離型剤
本発明のポリエステル樹脂組成物は、好ましい実施形態において、有機系離型剤を含み得る。有機系離型剤は、ポリエステル樹脂組成物の成形体同士のブロッキングを防止する作用を奏する。
有機系離型剤は、ポリエステル樹脂組成物においてブロッキングを防止する目的で配合することができるものを適宜用いることができる。使用できる有機系離型剤としては、例えば、一価又は多価アルコールの脂肪酸エステル化合物が挙げられ、具体的には、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンヒドロキシステアレート、グリセリンモノオレート、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、ポリグリセリンラウレート、ポリグリセリンステアレート、ポリグリセリンオレート、ポリグリセリンベヘネート、ソルビタンラウレート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレート、ソルビタンカプリレート、ソルビタントリベヘネート、ステアリルステアレート、ペンタエリスリトールステアレート、オキシ脂肪酸グリセリド等が例示できる。
本発明のポリエステル樹脂組成物が、有機系離型剤と後述する帯電防止剤とを含む実施形態では、有機系離型剤は、帯電防止剤の機能を損なわないように適宜選択することが好ましい。帯電防止剤の機能を損なわない有機系離型剤としては、極性官能基を有する有機系離型剤が好ましい。ここで極性官能基としては、水酸基、カルボニル基、アルデヒド基、カルボキシル基、エーテル基(エーテル結合)、エステル基(エステル結合)、アミノ基及びニトロ基から選択される1以上の基が例示でき、特に水酸基である。本発明者らは、極性官能基を有する有機系離型剤を帯電防止剤とともに配合したポリエステル樹脂組成物は、成形体としたときの表面固有抵抗値が小さく、帯電しにくいのに対して、極性官能基を有さない有機系離型剤を帯電防止剤とともに配合したポリエステル樹脂組成物は、成形体としたときの表面固有抵抗値が大きく、帯電しやすい、すなわち、帯電防止剤の機能が損なわれていることを見出した。
極性官能基を有する有機系離型剤としては、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンヒドロキシステアレート、グリセリンモノオレート、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、一部のジグリセリンラウレート、ジグリセリンステアレート、ジグリセリンオレート、ジグリセリンベヘネート、ソルビタンラウレート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレート、ソルビタンカプリレート、ソルビタントリベヘネート及びオキシ脂肪酸グリセリド等が例示できる。
1.4.帯電防止剤
本発明のポリエステル樹脂組成物は帯電防止剤を含んでいてもよい。
帯電防止剤としては、例えば、低分子型界面活性剤タイプの帯電防止剤、高分子型タイプの帯電防止剤等が挙げられる。低分子型界面活性剤タイプの帯電防止剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1~3級アミノ基等のカチオン性基を有するカチオン性帯電防止剤、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基等のアニオン性基を有するアニオン性帯電防止剤、アミノ酸帯電防止剤、アミノ硫酸エステル帯電防止剤等の両性帯電防止剤、アミノアルコール帯電防止剤、グリセリン帯電防止剤、ポリエチレングリコール帯電防止剤等のノニオン性帯電防止剤等が挙げられる。高分子型タイプの帯電防止剤としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリエーテルポリオレフィン、エチレンオキシド・エピクロルヒドリン系共重合体などの非イオン性の高分子型帯電防止剤、ポリスチレンスルホン酸などのアニオン性の高分子型帯電防止剤、四級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体、四級アンモニウム塩基含有スチレン重合体、四級アンモニウム塩基含有ポリエチレングリコールメタクリレート系共重合体などのカチオン性の高分子型帯電防止剤などが挙げられる。
2.ポリエステル樹脂組成物
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂、及び、全量に対し0.01~30重量%の無機粒子アンチブロッキング剤を含む。
本発明のポリエステル樹脂組成物の全量に対して、ポリエステル樹脂と無機粒子アンチブロッキング剤との合計量は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは91重量%以上、より好ましくは92重量%以上、より好ましくは93重量%以上である。
本発明のポリエステル樹脂組成物の第1の実施形態は、更なるポリエステル樹脂と混合し成形して、最終的なポリエステル樹脂成形体を形成するために、無機粒子アンチブロッキング剤(及び存在する場合は有機系離型剤)を最終的なポリエステル樹脂成形体よりも高濃度で含有する組成物(すなわちマスターバッチ)である。
本発明のポリエステル樹脂組成物の第2の実施形態は、成形することで最終的なポリエステル樹脂成形体を形成することができる組成物である。
以下の説明では、第1の実施形態に係るポリエステル樹脂組成物を「第1のポリエステル樹脂組成物」或いは「マスターバッチ」と称し、第2の実施形態に係るポリエステル樹脂組成物を「第2のポリエステル樹脂組成物」或いは「最終的なポリエステル樹脂組成物」と称する場合がある。
第2のポリエステル樹脂組成物は、第1のポリエステル樹脂組成物(マスターバッチ)を、更なるポリエステル樹脂と混合して調製することができる。無機粒子アンチブロッキング剤及び必要に応じて有機系離型剤を比較的高濃度で含む第1のポリエステル樹脂組成物(マスターバッチ)を予めペレット等の取り扱いが容易な形状で調製しておき、最終的なポリエステル樹脂成形体を作製する際に、第1のポリエステル樹脂組成物(マスターバッチ)を更なるポリエステル樹脂と混合し希釈して第2のポリエステル樹脂組成物を調製し、次いで、第2のポリエステル樹脂組成物を成形してポリエステル樹脂成形体を製造することが好ましい。この方法は、最終的なポリエステル樹脂成形体を作製する際のハンドリングが容易であり、製造コストを抑えることができるため好ましい。
第1のポリエステル樹脂組成物(マスターバッチ)の好ましい実施形態では、第1のポリエステル樹脂組成物の全量に対し無機粒子アンチブロッキング剤を好ましくは1~30重量%、より好ましくは2~20重量%、更に好ましくは3~15重量%、特に好ましくは5~10重量%の含有量で含む。また、第1のポリエステル樹脂組成物(マスターバッチ)中の有機系離型剤の含有量は、第1のポリエステル樹脂組成物の全量に対し好ましくは10重量%以下、より好ましくは9重量%以下、更に好ましくは8重量%以下、特に好ましくは7重量%以下である。第1のポリエステル樹脂組成物中の有機系離型剤の含有量は0重量%、すなわち、有機系離型剤を含んでいなくてもよい。第1のポリエステル樹脂組成物中の無機粒子アンチブロッキング剤及び存在する場合は有機系離型剤の含有量がこの範囲である場合、後述する好適な組成の第2のポリエステル樹脂組成物を調製する用途に適している。
第1のポリエステル樹脂組成物(マスターバッチ)の好ましい実施形態では、第1のポリエステル樹脂組成物の全量に対し、ポリエステル樹脂と無機粒子アンチブロッキング剤と存在する場合は有機系離型剤との合計量が、好ましくは95重量%以上、より好ましくは96重量%以上、より好ましくは97重量%以上、より好ましくは98重量%以上、より好ましくは99重量%以上である。
第2のポリエステル樹脂組成物の好ましい実施形態では、第2のポリエステル樹脂組成物の全量に対し無機粒子アンチブロッキング剤を好ましくは0.01~2重量%、より好ましくは0.05~1.5重量%、更に好ましくは0.08~1重量%、特に好ましくは0.1~0.5重量%の含有量で含む。無機粒子アンチブロッキング剤の含有量が高い場合、透明性が悪化(ヘイズが上昇)する傾向があり、無機粒子アンチブロッキング剤の含有量が低い場合、耐ブロッキング性が低下する傾向があるが、上記の範囲内であれば透明性と耐ブロッキング性を共に高いレベルで両立することができる。
また、第2のポリエステル樹脂組成物中の有機系離型剤の含有量は、第2のポリエステル樹脂組成物の全量に対し好ましくは2重量%以下、より好ましくは1.5重量%以下、更に好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下である。第2のポリエステル樹脂組成物中の有機系離型剤の含有量は0重量%、すなわち、有機系離型剤を含んでいなくてもよい。第2のポリエステル樹脂組成物中の有機系離型剤は、第2のポリエステル樹脂組成物を成形して得られる成形体の耐ブロッキング性の向上に寄与するが、含有量が高い場合、成形体から有機系離型剤がブリードアウトする量が多くなり成形体の表面外観が悪化する傾向がある。第2のポリエステル樹脂組成物中の有機系離型剤の含有量が上記の範囲内であれば成形体からの有機系離型剤のブリードアウト量が少ないため好ましい。
また、第2のポリエステル樹脂組成物は帯電防止剤を更に含んでもよい。第2のポリエステル樹脂組成物中の帯電防止剤の含有量は、第2のポリエステル樹脂組成物の全量に対し好ましくは2重量%以下、より好ましくは1.5重量%以下、更に好ましくは1.2重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。第2のポリエステル樹脂組成物中の帯電防止剤の含有量は0重量%、すなわち、帯電防止剤を含んでいなくてもよい。第2のポリエステル樹脂組成物中の帯電防止剤は、第2のポリエステル樹脂組成物を成形して得られる成形体の帯電防止に寄与するが、含有量が高い場合、成形体の透明性が悪化(ヘイズが上昇)する傾向がある。第2のポリエステル樹脂組成物中の帯電防止剤の含有量が上記の範囲内であれば成形体の透明性は高いレベルで保持されるため好ましい。
第2のポリエステル樹脂組成物中に帯電防止剤を配合する場合、第1のポリエステル樹脂組成物と、帯電防止剤と、更なるポリエステル樹脂とを混合して、第2のポリエステル樹脂組成物を調製すればよい。このとき、帯電防止剤は、別のマスターバッチ中に含まれる形態で混合してもよい。
第2のポリエステル樹脂組成物の好ましい実施形態では、第2のポリエステル樹脂組成物の全量に対し、ポリエステル樹脂と無機粒子アンチブロッキング剤と存在する場合は有機系離型剤と存在する場合は帯電防止剤との合計量が、好ましくは95重量%以上、より好ましくは96重量%以上、より好ましくは97重量%以上、より好ましくは98重量%以上、より好ましくは99重量%以上である。
3.成形体
本発明はまた、本発明のポリエステル樹脂組成物、特に前記第2のポリエステル樹脂組成物、を成形して得られる成形体に関する。
本発明の成形体を成形する方法としては、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、異形押出成形法、発泡成形法、ラム押出成形法、固化押出法、パイプ成形法、チューブ成形法、異種成形体の被覆成形法、インジェクションブロー成形法、ダイレクトブロー成形法、Tダイシートまたはフィルム成形法、延伸成型法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、プレス成形法、回転成形法、真空成形法、圧空成形法、溶融紡糸等が挙げられる。前記成形体は、用途に応じて、例えば、シート状、フィルム状、棒状、チューブ状、塊状、異形状等に成形され得る。
本発明の成形体の形態としては、例えば、容器、冷凍バッグ、ブローボトル、トレー、包装材、テープ、蓋材等が挙げられる。また、被覆材として前記成形体を用いることもできる。
本発明の成形体は、透明性と耐ブロッキング性を高いレベルで両立した成形体である。
4.ポリエステル樹脂組成物のヘイズを低減する方法
本発明はまた、ポリエステル樹脂、及び、無機粒子アンチブロッキング剤を含むポリエステル樹脂組成物の、JIS K7136に準拠して測定される厚さ200μmのフィルムを形成したときのヘイズを3.0以下、好ましくは2.0以下、に低減する方法であって、前記無機粒子アンチブロッキング剤として、前記ポリエステル樹脂組成物の全量に対し0.01~30重量%となる量の、屈折率が1.530~1.590の無機粒子アンチブロッキング剤を前記ポリエステル樹脂と混合することを含む方法に関する。
この方法の好ましい実施形態では、ポリエステル樹脂組成物が、上記の第2のポリエステル樹脂組成物の組成を有するように、ポリエステル樹脂と、無機粒子アンチブロッキング剤と、必要に応じて他の成分とを混合する。
<無機粒子アンチブロッキング剤、有機系離型剤、帯電防止剤>
無機粒子アンチブロッキング剤(A1~B3)、有機系離型剤(D1~D4)、帯電防止剤(E1)として以下の材料を使用した。C1は、無機粒子アンチブロッキング剤及び有機系離型剤を配合しないことを示す。理研ビタミン製 リケマスターTS-940R(E1)は、樹脂中に帯電防止剤を含有するマスターバッチである(以下「帯電防止剤マスターバッチ」と称する)。
Figure 0007397578000001
<マスターバッチの作製方法>
以下の実施例、比較例では、ポリエステル樹脂に高濃度の無機粒子アンチブロッキング剤、有機系離型剤を練り込みペレット化したマスターバッチを予め作製し、このマスターバッチを、成形体作製時にポリエステル樹脂中と混合して希釈して樹脂成形体を作製した。
実施例1、3~12、比較例1~3で使用したマスターバッチは、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)(三菱エンジニアリングプラスチックス社製 NOVADURAN 5010L)85重量部、無機粒子アンチブロッキング剤10重量部、有機系離型剤5重量部を15mmφ2軸押出機(テクノベル社製 KZW15)で押出温度240℃で溶融混練しペレット化することで作製した。
実施例2で使用したマスターバッチは、原料としてPBT(三菱エンジニアリングプラスチックス社製 NOVADURAN 5010L)90量部、無機粒子アンチブロッキング剤10重量部を用いた以外は上記と同様の手順で作製した。
各実施例、比較例で使用した無機粒子アンチブロッキング剤及び有機系離型剤は表2に記載している。
<マスターバッチの使用方法>
実施例1~6、8、比較例1~3の樹脂成形品(フィルム)の作製の際、2重量部のマスターバッチと、98重量部のポリエステル樹脂(PETG)を混合し使用した。
実施例9~12の樹脂成形品(フィルム)の作製の際、2重量部のマスターバッチと、97重量部のポリエステル樹脂(PET)と、1重量部の帯電防止剤マスターバッチ(E1)とを混合し使用した。
<ポリエステル樹脂組成物の成形体の作製>
ポリエステル樹脂(実施例1~6、8、比較例1~3では、マスターバッチと混合したポリエステル樹脂、実施例9~12では、マスターバッチ及び帯電防止剤と混合したポリエステル樹脂)から、40mmφ単軸押出機(GSI Creos社製、商品名「691C-EF049」、押し出し温度:PET290℃、PET-G250℃)により、厚み200μmのフィルムを作製した。
<物性の測定>
(1)無機粒子アンチブロッキング剤の屈折率
無機粒子アンチブロッキング剤をJIS K7142B法(ベッケ線法)に準じ、オリンパス社製「小型測定顕微鏡STM5-311」、アタゴ社製「アッベ屈折計2T」を使用し測定を行った。
(2)無機粒子アンチブロッキング剤のAl:SiO
無機粒子アンチブロッキング剤をアルカリ溶融後、酸溶解し、パーキンエルマー社製「Optima8300」を使用しICP-AESにて無機粒子アンチブロッキング剤中のAl、Si濃度を定量し、AlをAlの重量に、SiをSiOの重量にそれぞれ換算することで無機粒子アンチブロッキング剤中に占める重量の比率を測定した。
Al:SiO比(重量比)は次の式で算出した。
Al/(Al+SiO):SiO/(Al+SiO
(3)無機粒子アンチブロッキング剤の体積平均粒子径
無機粒子アンチブロッキング剤を水中に分散させた試料を用意し、マイクロトラックベル社製MT3300EX IIを用いてレーザ法により体積平均粒子径を測定した。
(4)フィルムの透明性
200μmのフィルムをJIS K7136に準じ、日本電色工業株式会社製の「NDH5000」を用いて曇度(ヘイズ)を測定し評価した。
ヘイズが2.0%以下のフィルムを「◎」、2.0%より高く且つ3.0%以下のフィルムを「○」、3.0%より高いフィルムを「×」と評価した。
(5)耐ブロッキング性
200μmのフィルムを真空成型(加工温度:250℃)によりトレー容器に加工し、重ね合わせたトレー容器の抜けやすさを評価した。「○」抜けやすい、「×」抜けにくい
(6)印刷性
200μmのフィルムを7日間室温23℃湿度50%で状態調整し、JIS K6768に準じ、各濡れ張力の混合液を綿棒で広げ2秒後液膜状態に破れを生じない混合液の表面張力を測定した。
<実施例1~6、8>
実施例1~6、8では、無機粒子アンチブロッキング剤としてA1、A2、A3(含水カオリン)、A4(焼成カオリン)又はA6(ケイ酸マグネシウム=タルク)を用い、有機系離型剤(ただし実施例2では有機系離型剤は用いない)としてD1又はD2を用い、ポリエステル樹脂としてPETG(イーストマンケミカル社製:GN001)を用いた。
実施例1、3~6、8のフィルムは、樹脂組成物全量に対して、0.2重量%の無機粒子アンチブロッキング剤と0.1重量%の有機系離型剤を含む。実施例2のフィルムは、樹脂組成物全量に対して、0.2重量%の無機粒子アンチブロッキング剤を含む。
各実施例のフィルムでの無機粒子アンチブロッキング剤及び有機系離型剤と、無機粒子アンチブロッキング剤及び各実施例のフィルムの物性の評価結果を表2に示す。
<比較例1~3>
比較例1~3では、無機粒子アンチブロッキング剤としてB1、B2(ゼオライト)又はB3(重質炭酸カルシウム)を用い、有機系離型剤として上記のD1を用い、ポリエステル樹脂としてPETG(イーストマンケミカル社製:GN001)を用いた。
比較例1~3のフィルムは、樹脂組成物全量に対して、0.2重量%の無機粒子アンチブロッキング剤と0.1重量%の有機系離型剤を含む。
各比較例のフィルムでの無機粒子アンチブロッキング剤及び有機系離型剤と、無機粒子アンチブロッキング剤及び各比較例のフィルムの物性の評価結果を表2に示す。
<比較例4>
比較例4ではマスターバッチは用いず、ポリエステル樹脂としてPETG(イーストマンケミカル社製:GN001)を用いて、無機粒子アンチブロッキング剤及び有機系離型剤を配合していない、厚さ200μmのフィルムを作製した。比較例4のフィルムの物性の評価結果を表2に示す。
<比較例5>
比較例5では、比較例4と同様の、無機粒子アンチブロッキング剤及び有機系離型剤を配合していない、厚さ200μmのフィルムを作製し、更に、このフィルムの表面にシリコーンを塗布した。比較例5のフィルムの物性の評価結果を表2に示す。
Figure 0007397578000002
<実施例1~6、8、比較例1~5まとめ>
ポリエステル樹脂中に無機粒子アンチブロッキング剤として屈折率が1.530~1.590の範囲にあるカオリンを配合した実施例1~のフィルム及びタルクを配合した実施例8のフィルムではヘイズが3.0%以下と透明性が良好であったのに対し、屈折率がこの範囲にない無機粒子アンチブロッキング剤を配合した比較例1~3のフィルムではヘイズが高く透明性が低いことが確認された。特に、無機粒子アンチブロッキング剤として屈折率が1.560~1.580の範囲にあり且つAlとSiOとの比が4:6~5:5の範囲にあるカオリンを配合した実施例1~5ではヘイズが2.0%以下であり透明性が特に高いことが確認された。
ポリエステル樹脂中に無機粒子アンチブロッキング剤を含有するが有機系離型剤を含有しない実施例2のフィルムでもブロッキングし難く耐ブロッキング性が良好であったが、有機系離型剤を更に含有する実施例1、3~6、8のフィルムでは耐ブロッキング性が特に良好であった。一方、ポリエステル樹脂中に無機粒子アンチブロッキング剤を含まず、表面にシリコーン塗布もされていない比較例4のフィルムは耐ブロッキング性が低かった。
耐ブロッキング性向上のためにポリエステル樹脂中に無機粒子アンチブロッキング剤を含有する実施例1~6、8のフィルムは濡れ張力が高く印刷性が良好であった。一方、耐ブロッキング性向上のために表面にシリコーンを塗布した比較例5のフィルムは濡れ張力が低く印刷性が悪かった。
<実施例9、10>
実施例9、10では、無機粒子アンチブロッキング剤としてA2(含水カオリン)を用い、有機系離型剤としてD2、D3(ともに、水酸基を有する有機系離型剤)を用い、帯電防止剤としてE1を用い、ポリエステル樹脂としてPET(SHINKONG社製:SHINPET5522W)用いた。
実施例9、10のフィルムは、樹脂組成物全量に対して、0.2重量%の無機粒子アンチブロッキング剤と、0.1重量%の有機系離型剤と、1重量%の帯電防止剤マスターバッチを含む。
実施例9、10のフィルムの表面固有抵抗値を、表面固有抵抗測定装置(三菱ケミカル社製 Hiresta MCP-HT450)にて印加電圧1000V、印加時間10秒の条件で測定した。評価結果を表3に示す。
表面固有抵抗値が1×1013以上のフィルムを「△」、1×1013未満のフィルムを「○」として評価した。
<実施例11、12>
実施例11、12では、無機粒子アンチブロッキング剤としてA2(含水カオリン)を用い、有機系離型剤としてD1、D4(ともに、水酸基を有さない有機系離型剤)を用い、帯電防止剤としてE1を用い、ポリエステル樹脂としてPET(SHINKONG社製:SHINPET5522W)用いた。
実施例11、12のフィルムは、樹脂組成物全量に対して、0.2重量%の無機粒子アンチブロッキング剤と、0.1重量%の有機系離型剤と、1重量%の帯電防止剤マスターバッチを含む。
実施例11、12のフィルムの表面固有抵抗値を、実施例9、10と同様に測定し評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 0007397578000003
<実施例9~12まとめ>
ポリエステル樹脂中に水酸基を有していない有機系離型剤と帯電防止剤を含有する実施例11、12のフィルムでは、表面固有抵抗値が高く、帯電防止剤の機能が十分に発揮できていないことが確認された。
一方、ポリエステル樹脂中に水酸基を有する有機系離型剤と帯電防止剤を含有する実施例9、10のフィルムでは、表面固有抵抗値が低く、帯電防止剤の機能が効果的に発揮されたことが確認された。

Claims (14)

  1. JIS K7136に準拠して測定される厚さ200μmのフィルムを形成したときのヘイズが3.0%以下である、ポリエステル樹脂組成物であって、
    ポリエステル樹脂、有機系離型剤、及び、全量に対し0.01~30重量%の無機粒子アンチブロッキング剤を含み、
    前記ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分が、テレフタル酸であり、
    前記有機系離型剤が、一価又は多価アルコールの脂肪酸エステル化合物であり、
    前記無機粒子アンチブロッキング剤が、屈折率1.530~1.590のカオリンであり、
    前記無機粒子アンチブロッキング剤の体積平均粒子径が、1μm~20μmであることを特徴とする、ポリエステル樹脂組成物。
  2. 前記ポリエステル樹脂組成物の全量に対する前記無機粒子アンチブロッキング剤の量が、0.01~2重量%である、請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 更なるポリエステル樹脂と混合して、JIS K7136に準拠して測定される厚さ200μmのフィルムを形成したときのヘイズが3.0%以下である樹脂組成物を製造するためのポリエステル樹脂組成物であって、
    ポリエステル樹脂、有機系離型剤、及び、全量に対し0.01~30重量%の無機粒子アンチブロッキング剤を含み、
    前記ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分が、テレフタル酸であり、
    前記有機系離型剤が、一価又は多価アルコールの脂肪酸エステル化合物であり、
    前記無機粒子アンチブロッキング剤が、屈折率1.530~1.590のカオリンであり、
    前記無機粒子アンチブロッキング剤の体積平均粒子径が、1μm~20μmであることを特徴とする、ポリエステル樹脂組成物。
  4. 前記樹脂組成物の全量に対する前記無機粒子アンチブロッキング剤の量が、0.01~2重量%である、請求項3に記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. 前記ポリエステル樹脂が、PBT、PET又はPETGである、請求項1~4のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  6. 前記カオリンのAlとSiOとの比が4:6~5:5である、請求項1~5のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  7. 全量に対し有機系離型剤の含有量が0重量%超10重量%以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  8. 前記有機系離型剤が水酸基を有する、請求項7に記載のポリエステル樹脂組成物。
  9. さらに帯電防止剤を含む、請求項8に記載のポリエステル樹脂組成物。
  10. 前記水酸基を有する前記有機系離型剤が、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンヒドロキシステアレート、グリセリンモノオレート、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリンラウレート、ジグリセリンステアレート、ジグリセリンオレート、ジグリセリンベヘネート、ソルビタンラウレート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレート、ソルビタンカプリレート、ソルビタントリベヘネート及びオキシ脂肪酸グリセリドから選択される少なくとも1種である、請求項8又は9に記載のポリエステル樹脂組成物。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物を用いて成形された成形体。
  12. ポリエステル樹脂、有機系離型剤、及び、無機粒子アンチブロッキング剤を含むポリエステル樹脂組成物の、JIS K7136に準拠して測定される厚さ200μmのフィルムを形成したときのヘイズを3.0%以下に低減する方法であって、
    前記無機粒子アンチブロッキング剤として、前記ポリエステル樹脂組成物の全量に対し0.01~30重量%となる量の、屈折率が1.530~1.590の無機粒子アンチブロッキング剤を前記ポリエステル樹脂と混合することを含み、
    前記ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分が、テレフタル酸であり、
    前記有機系離型剤が、一価又は多価アルコールの脂肪酸エステル化合物であり、
    前記無機粒子アンチブロッキング剤が、カオリンであり、
    前記無機粒子アンチブロッキング剤の体積平均粒子径が、1μm~20μmである、方法。
  13. 請求項3又は4に記載のポリエステル樹脂組成物を、更なるポリエステル樹脂と混合して、全量に対し0.01~2重量%の前記無機粒子アンチブロッキング剤を含む第2のポリエステル樹脂組成物を調製すること、及び、
    前記第2のポリエステル樹脂組成物を成形すること
    を含む、成形体の製造方法。
  14. 前記第2のポリエステル樹脂組成物の調製において、帯電防止剤を更に混合することを含む、請求項13に記載の方法。
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