以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置の制御方法の実施形態について説明する。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
<第1実施形態>
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、一以上の第2店舗端末装置70、及びサービスサーバ200のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとする。
図2および図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号、利用者IDなど)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
[決済サーバ]
図4は、第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、連携処理部150と、記憶部170とを備える。通信部110および記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。情報管理部140は「取得部」の一例である。連携処理部150、連携処理部150とコンテンツ提供部120とを合わせた機能構成、或いは連携処理部150とコンテンツ提供部120と決済処理部130とを合わせた機能構成は「処理部」の一例である。決済サーバ100の機能の一部または全部は、他の装置や決済アプリ20が有していてもよい。決済サーバ100と、他の装置または決済アプリ20とが連携して、各種処理を実行してもよい。
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176などの情報が格納される。
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。コンテンツ提供部120は、コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
図5は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報、連携情報、オートチャージの申込の状況、オートチャージの設定の状況などの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。
決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。
連携情報とは、電子決済サービスとアカウント連携している他のサービスの情報である。連携とは、他のサービスの利用の支払いに対して電子決済サービスを利用して支払いを行うことや、他のサービスに電子決済サービスにおける利用者の情報を提供するなどである。例えば、決済サーバ100は、連携している他のサービスから電子決済の依頼があった場合、電子決済サービスを利用した電子決済を行う。例えば、決済サーバ100は、利用者に確認することなく電子決済を行う。例えば、チャージ残高から決済に係る金額が引き落としされたり、後払いによる決済が行われたりする。チャージ残高が決済額に対して不足する場合、決済サーバ100は、オートチャージを行って決済を行うことがある。
オートチャージの申込の状況は、利用者がオートチャージの利用について申し込みを行っているか否かを示す情報である。申し込みを行っているユーザは、決済アプリ20を操作して、オートチャージの設定をオンにすることでオートチャージが利用可能である。
オートチャージの設定の状況は、オートチャージがオン状態になっているか、オフ状態になっているかを示す情報である。オートチャージの設定の状況は、上述したように利用者の決済アプリ20に対する操作に基づいて、決済サーバ100が書き換える。
図6は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗名が対応付けられた第3テーブル176Cとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
情報管理部140は、利用者端末装置10や第2店舗端末装置70から各種情報を取得する。情報管理部140は、取得した情報に基づいて、利用者情報172および加盟店/店舗情報176を管理する。情報管理部140は、利用者情報172および加盟店/店舗情報176について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。
[電子決済]
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部130は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
決済処理部130は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ20に返信される。
[サービスサーバのサービスの提供に関する処理]
以下に説明するように、サービスサーバ200が提供するサービス(以下、「対象サービス」)の提供に利用者が申し込んだ場合、サービスサーバ200は、対象サービスと電子決済サービスとの連携が行われたことを条件に利用者にサービスを提供する。
上記のサービスは、例えば、サブスクリプションサービスなどの継続課金が行われることで提供されるサービスである。継続課金とは、例えば、解約などサービスの停止を行わない限り、課金が継続される課金方式である。サブスクリプションサービスとは、例えば、予め設定された金額を支払うことで、一定期間、サービスを利用することができる権限を利用者に付与するサービスである。
図7は、サービスサーバ200、利用者端末装置10、および決済サーバ100により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。例えば、利用者が利用者端末装置10を操作して対象サービスのコンテンツにアクセスして、当該コンテンツにおいて対象サービスの利用に申し込もうとしたものとする。この場合、サービスサーバ200は、サービスを利用するための料金の支払い方法を設定するための画面を利用者端末装置10の表示部に表示させる(S50)。
図8は、表示部に表示されるインターフェース画面IM1の一例を示す図である。インターフェース画面IM1は、利用者がサービスの利用に対する決済の支払い方法を指定するための画面である。例えば、クレジットカード支払いを指定する領域AR1、電子決済サービス支払いを指定する領域AR2、他の電子決済サービスを指定する領域AR3、および選択した支払い方法を決定するためのボタンB1を含む。利用者は、所望の支払い方法に応じた領域AR1を操作して、ボタンB1を操作することで、支払い方法を設定することができる。
インターフェース画面IM1において、利用者が電子決済サービスを選択した場合(S52)、利用者端末装置10の決済アプリ20と決済サーバ100とが連携処理(詳細は後述する)を実行する(S54)。例えば、支払い方法に電子決済サービスが選択された場合、選択された操作に応じて電子決済サービスの利用者を識別するための識別情報(利用者IDやアカウントID、電話番号など)を入力するための画面が表示部に表示される。この画面の表示は、サービスサーバ200、利用者端末装置10、または決済サーバ100のいずれかが行う。例えば、サービスサーバ200、利用者端末装置10、および決済サーバ100が連携して、決済サーバ100が、利用者端末装置10の表示部に電子決済サービスの利用者を識別するための識別情報を入力するための画面を表示させる。利用者が、識別情報を入力すると、入力された情報が決済アプリ20を介してまたは直接決済サーバ100に提供され、所定の処理を経て連携処理が開始される。
連携処理が完了した場合、決済サーバ100は、連携完了の通知をサービスサーバ200に送信する(S56)。次に、サービスサーバ200は、連携完了の通知を取得した場合、電子決済サービスを利用した電子決済を行い(S58)、利用者端末装置10を介して対象サービスを利用者に提供する(S60)。
なお、上記の処理において、連携処理の一部または全部は利用者端末装置10の決済アプリ20が実行し、決済アプリ20が連携完了の通知をサービスサーバ200に送信してもよい。後述する図9のフローチャートの処理の一部または全部についても、決済サーバ100に代わり、決済アプリ20が実行してもよい。この場合、処理に必要な情報は、例えば、決済サーバ100により提供され利用者端末装置10の記憶部に記憶されている。また、サービスサーバ200は、連携完了の通知を取得した後に対象サービスを利用者端末装置10に提供して、その後、電子決済を行うことを決済サーバ100に指示してもよい。
[決済サーバによる処理]
決済サーバ100は、利用者が他のサービス(対象サービス)の提供を受けるために電子決済サービスとの連携を行うことを指示する操作を行ったことに応じて送信された利用者の識別情報を取得する。決済サーバ100は、利用者の識別情報と、電子決済サービスにおける利用者のオートチャージの利用に関する情報とが対応付けられた利用者情報172(参照情報)を参照し、利用者のオートチャージに関する情報が基準を満たす場合、電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理を実行し、利用者のオートチャージに関する情報が基準を満たさない場合、電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理とは異なる処理(例えば後述するS114、S116、またはS118の処理)を実行する。
基準を満たすとは、例えば、(1)オートチャージを利用するための申し込みがされ、且つ利用の設定がされていることである。基準を満たすとは、例えば、(2)オートチャージを利用するための申し込みがされていることであってもよい。以下の説明では、基準を満たすとは、上記(1)であり、オートチャージが利用可能な状態(有効)であるものとして説明する。
電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理とは、例えば、電子決済サービスと他のサービスとが連携して電子決済サービスを利用した電子決済を行う処理である。例えば、利用者の操作に依らずに、他のサービスの料金を電子決済サービスの電子決済を行うことで決済することを可能とする処理である。例えば、利用者の操作に依らずに、他のサービスの指示に基づいて電子決済サービスの電子決済を行うことである。
図9は、決済サーバ100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。本処理の順序の一部または全部は変更されてもよいし、一部の処理は省略されてもよい。例えば、S102、S104、またはS106の処理は省略されてもよい。
まず、決済サーバ100の連携処理部150が、連携が開始されたか否かを判定する(S100)。連携処理部150は、連携の開始のトリガーとなる情報を取得したか否かに基づいて、上記の判定を行う。連携の開始のトリガーとなる情報は、サービスサーバ200が送信する情報であってもよいし、決済アプリ20が送信する情報であってもよい。例えば、連携の開始のトリガーの情報と共に利用者を特定するための識別情報が決済サーバ100に送信される。
連携が開始された場合、連携処理部150は、決済アプリ20のバージョンが予め定められたバージョンであるか否かを判定する(S102)。決済アプリ20のバージョンが予め定められたバージョンでない場合、本フローチャートのルーチンの処理が終了する。決済アプリ20のバージョンが予め定められたバージョンでない場合、決済処理部130は、コンテンツ提供部120に予め定められたバージョンの決済アプリ20をインストールさせるための画面を利用者端末装置10の表示部に表示させてもよい。この画面を操作して利用者は予め定められたバージョンの決済アプリ20を利用者端末装置10にインストールすることができる。
決済アプリ20のバージョンが予め定められたバージョンである場合、連携処理部150は、利用者情報172を参照して、利用者のオートチャージの申し込みが完了しているか否かを判定する(S104)。オートチャージの申し込みが完了している場合、連携処理部150は、利用者情報172を参照して、オートチャージの利用の設定がされているか否かを判定する(S106)。
オートチャージの利用の設定がされている場合、連携処理部150は、コンテンツ提供部120に、連携画面を利用者端末装置10の表示部に表示させる(S108)。図10は、連携画面IM2の一例を示す図である。連携画面IM2は、「前記電子決済サービスを前記他のサービスに連携させることを許可するか否かを問い合わせる問い合わせ画面」の一例である。
連携画面IM2には、アカウント連携することを示す情報や、対象サービスの支払いに継続的に電子決済サービスが利用されること、対象サービスが決済アプリ20に支払いを依頼すること、対象サービスが電子決済サービスの残高を参照することなどの情報、これらの権限付与(連携)、情報提供(連携)に同意することを示す同意ボタンB2などが含まれる。
連携処理部150は、連携画面における同意ボタンが操作されたか否かを判定する(S110)。上記の同意ボタンB2が操作された場合、連携処理部150は、連携を確定させる(S112)。この場合、連携処理部150は、利用者情報172の連携情報において利用者の識別情報に対して、連携が確定したサービスの情報(「他のサービスとの連携が完了したことを示す情報」)を対応付ける。これにより、本フローチャートの処理が終了する。
S104の処理で、オートチャージの申し込みが完了していない場合、連携処理部150は、コンテンツ提供部120に申込画面を利用者端末装置10の表示部に表示させる(S114)。図11は、申込画面IM3の一例を示す図である。申込画面IM3には、銀行口座を追加するためのボタンB11や、この処理をキャンセルするためのボタンB12などが含まれる。利用者がボタンB11を操作して銀行口座の登録を行うと、オートチャージの申し込みが完了する。この場合、連携処理部150(或いは情報管理部140)が、利用者情報172において利用者のオートチャージの申込の状態を済に変更する。申込画面は「前記申し込みを行うための画面」の一例である。
オートチャージの申し込みが完了すると、連携処理部150は、コンテンツ提供部120に設定画面を利用者端末装置10の表示部に表示させる(S116)。図12は、設定画面IM4の一例を示す図である。申込画面IM4には、オートチャージを有効にするための設定画面IM5に進むためのボタンB13が表示される。ボタンB13が操作されると、設定画面IM5が利用者端末装置10の表示部に表示される。
図13は、設定画面IM5の一例を示す図である。設定画面IM5には、最小チャージ額を設定する領域AR21や、オートチャージの支払いを有効にするためのボタンB21、この処理をキャンセルするためのボタンB22などを含む。例えば、利用者が領域AR21を操作することで最小チャージ額を変更することができる。利用者がボタンB21を操作してオートチャージの設定を行うと、オートチャージの利用が設定される。この場合、連携処理部150が、利用者情報172において利用者のオートチャージの設定を有効に変更する。そして、図9のS108の処理に進む。
S106の処理で、オートチャージの利用が設定されていない場合、連携処理部150は、S116の処理と同様に設定画面(IM4、IM5)を表示部に表示させる(S118)。利用者が設定画面を操作して、所定の操作(口座の指定やオートチャージを有効にする操作など)を行ってオートチャージを有効にした場合、S108以降の処理に進む。すなわち連携処理部150は、利用の設定を行うための画面に対して利用者が利用を設定する操作を行った場合、電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理を実行する。このように本フローチャートの処理が行われる。設定画面は「前記利用の設定を行うための画面」の一例である。
上記のように、連携処理部150は、電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理を実行した後、他のサービスのサービスサーバ200から他のサービスの利用者の利用に対する決済の依頼に応じて、電子決済サービスにおいて管理されている利用者のチャージ残高を利用して電子決済を行う。
連携処理部150は、他のサービスの電子決済においてチャージ残高が不足している場合、利用者に問い合わせことなくオートチャージを行って電子決済を完了させる。この場合、連携処理部150は、例えば、利用者に問い合わせことなく予め設定された金額をオートチャージして電子決済を完了させる。予め設定された金額とは、利用者が設定したオートチャージされる金額である。
予め設定された金額は、上記に代えて、電子決済において不足する金額であってもよいし、不足する金額を超えた所定額であってもよい。また、決済サーバ100は、電子決済において不足する金額が、利用者が設定したオートチャージされる金額を超える場合には、利用者に電子決済において不足する金額をオートチャージすることを問い合わせ、利用者が承諾した場合にオートチャージを行ってもよい。
[オートチャージを設定することの効果]
例えば、オートチャージを設定せずに、対象サービスの利用を提供する場合、チャージ残高の不足により電子決済を完了させることができないことがある。例えば、マンスリーサブスクリプションサービスなどでは、対象サービスの申込時にはチャージ残高を利用して対象サービスの電子決済を行えたが、次の月などではチャージ残高が不足していることがある。利用者は、月々の支払い日を把握していなく支払い日にチャージ残高が不足していることがあるためである。このため、オートチャージを設定しないチャージ残高を利用した支払いは、対象サービスの管理者(電子決済サービスの利用者)および決済アプリ20を利用する利用者にとって利便性が十分に高いとは言えないことがあった。
これに対して本実施形態では、上記のような課金時のエラー率を低減させ、課金時の決済成功率を向上させることができる。例えば、上記のようにオートチャージを設定して連携処理を完了させることにより対象サービスの管理者(電子決済サービスの利用者)および決済アプリ20を利用する利用者にとって利便性を向上させることができる。例えば、チャージ残高が不足していても、オートチャージが行われた後のチャージ残高から支払いが行われるためである。例えばチャージ残高が不足していても、管理者および利用者の手間を掛けずに自動でオートチャージを利用した電子決済が行われるためである。
これにより、管理者は、安心して利用者に対象サービスを提供することができる。更に利用者は、チャージ残高を気にせずに対象サービスを利用することができる。例えば、利用者は、チャージ残高を気にせずに、サブスクリプションサービスを利用することができる。例えば、動画配信や、漫画の閲覧などの種々のサブスクリプションサービスの電子決済に関する利便性が向上する。
更に、本実施形態では、上述したように、利用者は、他のサービスの申し込みのフローから逸脱することなくシームレスにオートチャージの申し込みや設定を行うことができる。このため、利用者の利便性が向上する。
例えば、オートチャージは決済アプリで設定することができるが、サービスの申し込みにおいて決済アプリとのシームレスな動線によって、ユーザは容易にオートチャージを行うことができる。例えば、アカウント連携のフローにオートチャージの設定の有無を照会するフロー(例えば申込画面や設定画面)を組み込むことで、オートチャージのフローが簡略化され、ユーザは容易にオートチャージの申し込みや設定を行うことができる。これにより、ユーザの利便性の向上と、ユーザのサービスの申し込みの離脱率が低減する。このように、本実施形態では、ユーザがオートチャージを有効にしている場合、サービスへの申込が許可され、ユーザがオートチャージを利用することができる場合(設定がされていない場合)、サービスの申し込みとシームレスな動線でユーザはオートチャージを設定することができ、更に、ユーザがオートチャージに申し込んでない場合も同様にサービスの申し込みとシームレスにオートチャージのために銀行を追加してオートチャージを設定してサービスに申し込むことができる。本実施形態では、アカウント連携時にユーザがシームレスにオートチャージを設定できるようにして、サービスの申し込みのフローからの離脱を抑制してサービスの申し込みの成功率を向上させることに寄与することができる。
なお、上記の例では、本実施形態の処理は、サブスクリプションサービスにおける電子決済に対して適用されるものとして説明したが、これに加えて(代えて)、サブスクリプションサービスとは異なるサービスや商品の購入の決済に適用されてもよい。例えば、電子決済サービスとの連携が行われるサービスにおいて適用されてもよい。また、例えば、利用者が、ウエブ上で商品の購入の申し込みやサービスの利用の申し込みを行った場合に、決済サーバ100は、オートチャージの申し込みや利用の設定などが行われているか否かに基づいて、連携を確定させてもよい。
また、例えば、サブスクリプションサービス(または所定のサービス)の申し込みにおいて、連携処理部150は、利用者情報172を参照して、利用者のオートチャージに関する情報が基準を満たす場合、電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理を実行し、利用者のオートチャージに関する情報が基準を満たさない場合、電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理とは異なる処理を実行してもよい。例えば、サブスクリプションサービスとは異なるサービス(所定のサービスとは異なるサービス)である場合、連携処理部150は、上記のように利用者のオートチャージに関する情報が基準を満たすか否かの判定を行う処理(例えば図9のフローチャートの処理)を行わなくてもよい。
また、ウエブを利用したサービスや商品の購入の申し込みに関わらず、オフラインでのサービスや商品の購入の申し込みにおいて、本実施形態の処理が適用されてもよい。例えば、利用者が店頭でサービスに申し込む際に電子決済サービスとの連携処理が行われる場合に、本実施形態の処理が適用されてもよい。
以上説明した第1実施形態によれば、決済サーバ100が、利用者のオートチャージに関する情報が基準を満たす場合、電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理を実行し、利用者のオートチャージに関する情報が基準を満たさない場合、電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理とは異なる処理を実行することにより、利用者の利便性を向上させることができる。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、オートチャージが設定されていなくても、他の支払方法を利用可能である場合、連携処理が完了する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
決済サーバ100は、利用者が他のサービスの提供を受けるために電子決済サービスとの連携を行うことを指示する操作を行ったことに応じて送信された利用者の識別情報を取得する。決済サーバ100は、利用者の識別情報と、電子決済サービスにおける支払方法の情報とが対応付けられた利用者情報172(参照情報)を参照し、支払方法として2つ以上の支払方法が設定されていることを含む条件を満たす場合、電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理を実行し、支払方法として2つ以上の支払方法が設定されていることを含む条件を満たさない場合、電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理とは異なる処理(例えば後述するS218、S220)を実行する。以下、この処理について説明する。
[インターフェース画面]
利用者が決済アプリ20に対して所定の操作を行うと、2つ以上の支払方法を設定するための画面が表示部に表示される。例えば、チャージ残高以外の支払方法を設定するための画面が表示部に表示される。
図14は、チャージ残高以外の支払方法を設定するための画面IM11の一例を示す図である。画面IM11には、例えば、利用を許可する支払方法を選択するため情報と、複数の支払方法を利用することを設定するためのスライドバーとを含む。例えば、利用者は、利用者が登録している支払方法のリストから利用する支払方法を選択したり、優先度を設定したりすることができる。また、スライドバーを操作することで、優先度に応じた支払方法によって決済が行われることを設定することができる。
画面IM11では、チャージ残高と、後払いとが利用される支払方法として設定され、チャージ残高の次に後払いが利用されることが設定されている。画面IM11で設定された情報は、連携処理部150によって第2実施形態の利用者情報172Aに反映される。この場合、チャージ残高による決済ができなかった場合(例えばオートチャージが有効となっていなかったり、残高が不足していたりする場合)は、自動で次に優先順位が高い支払方法である後払いによる決済が行われる。
[利用者情報]
図15は、利用者情報172Aの内容の一例を示す図である。利用者情報172Aには、第1実施形態の利用者情報172に含まれる情報に加え、利用者の識別情報に対して複数の支払方法の利用の可否を示す情報、および優先順位ごとの支払方法の情報が対応付けられている。例えば、チャージ残高が優先的に利用され、次に後払いが利用されることが利用者情報172Aにおいて規定されている。
[フローチャート]
図16は、決済サーバ100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、決済サーバ100の連携処理部150が、連携が開始されたか否かを判定する(S200)。連携が開始された場合、連携処理部150は、利用者情報172を参照して、利用者のオートチャージが有効であるか否かを判定する(S202)。
オートチャージが有効である場合、連携処理部150は、コンテンツ提供部120に、連携画面を利用者端末装置10の表示部に表示させる(S204)。連携処理部150は、連携画面における同意ボタンが操作されたか否かを判定する(S206)。連携画面における同意ボタンが操作された場合、連携処理部150は、連携を確定させる(S208)。このように、連携処理部150は、チャージ残高へのオートチャージが有効である場合、他の支払方法が利用可能であるか否かに関わらず、電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理を実行する。これにより、本フローチャートの処理が終了する。なお、S202の処理の前に、決済アプリ20のバージョンが予め定められたバージョンであるか否かが判定されてもよい(図9のS102参照)。
オートチャージが有効でない場合、連携処理部150は、利用者情報172Aを参照して、他の支払方法を利用することが設定されているか否かを判定する(S210)。他の支払方法は、例えば、チャージ残高とは異なる一以上の支払い方法である。他の支払い方法は、例えば、後払いやクレジットカード支払いなど任意の支払い方法であってもよいし、予め設定された支払い方法であってもよい。予め設定された支払い方法は、例えば、後払いであってもよいし、クレジットカード支払いであってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。他の支払方法が設定されている場合、連携処理部150は、加盟店/店舗情報176#を参照して、対象サービス(対象サービスを提供している加盟店)が他の支払方法を許可しているか否かを判定する(S212)。
図17は、加盟店/店舗情報176#の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176#には、加盟店を特定するための情報(例えば加盟店ID)に対して、利用可能な支払方法を示す情報が対応付けられている。連携処理部150は、例えば加盟店/店舗情報176#において加盟店IDに対してチャージ残高以外の他の支払方法が対応付けられているか否かを判定する。
他の支払方法を許可している場合、S204の処理に進む。具体的には、他のサービスを提供している提供者または他のサービスを管理している管理者が他の支払い方法(または「2つ以上の支払い方法」)が設定されていることで他のサービスを提供することを許可している場合、連携処理部150は、電子決済サービスを他のサービスに連携させることを許可するか否かを問い合わせる問い合わせ連携画面(問い合わせ画面)を利用者端末装置10の表示部に表示させる。上記の「他の支払い方法」は、例えばチャージ残高とは異なる所定の支払方法である。
そして、連携処理部150は、連携画面に対して利用者が連携を許可する操作を行った場合、利用者情報172の連携情報において利用者の識別情報に対して他のサービスとの連携が完了したことを示す情報を対応付ける。
他の支払方法を許可していない場合、連携処理部150は、コンテンツ提供部120に、申込画面と設定画面との一方または双方を利用者端末装置10の表示部に表示させる(S214、S216)。連携処理部150は、例えば、利用者がオートチャージを申し込んでない場合は、申込画面を表示させ、申し込んでいる場合、設定画面を表示させる。このように、連携処理部150は、チャージ残高へのオートチャージが利用可能でなく、他の支払方法が利用可能であるが、他のサービスの管理者が他の支払方法を許容していない場合、オートチャージを利用者に設定させるための画面を利用者端末装置10の表示部に表示させる。
S210において他の支払方法が設定されていないと判定された場合、連携処理部150は、コンテンツ提供部120に、他の支払方法を設定するための画面を利用者端末装置10の表示部に表示させる(S218)。この画面は、例えば、前述した図14の画面である。他の支払方法を設定するための画面は、「2つ以上の支払方法を設定するための画面」の一例である。
連携処理部150は、利用者端末装置10の表示部に表示された画面において他の支払方法を設定する操作を行ったか否かを判定する(S220)。利用者が表示部に表示された画面において他の支払方法を設定する操作を行った場合、S212の処理に進む。利用者が表示部に表示された画面において他の支払方法を設定する操作を行わなかった場合、S214の処理に進む。
上記の処理において、S208において電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理を実行した後、決済サーバ100は、他のサービスのサービスサーバ200から他のサービスの利用者の利用に対する決済の依頼に応じて、電子決済サービスにおいて管理されている利用者のチャージ残高を利用して決済を行う。決済サーバ100は、他のサービスの電子決済においてチャージ残高が不足している場合、利用者に問い合わせことなく他の支払方法を利用して電子決済を完了させる。このように、利用者が予め設定し、且つ他のサービスの管理者が許容している支払方法が設定されている場合、オートチャージが設定されていなくても、利用者は、サービスを利用することができる。
また、S210で他の支払い方法を利用することが設定されているか否かの判定に代えて、支払い方法の優先度が設定されているか否かが判定されてもよい。例えば、第1優先度の支払い方法と、第2優先度の支払い方法が設定されている場合、S212の処理に進む。
なお、上記の例では、オートチャージが有効であるか否かを判定するものとしたが(S202)、この処理は省略されてもよい。S202において、オートチャージの申し込みが完了の有無および利用の設定の有無の判定が行われてもよい(図9のS104、S106参照)。申し込みが完了していない場合は、申込画面および設定画面が利用者端末装置10の表示部に表示されてもよい(図9のS114、S116参照)。オートチャージの申し込みが完了しているが、利用の設定がされていない場合は、設定画面が利用者端末装置10の表示部に表示されてもよい(図9のS118参照)。上記のオートチャージの申し込みが完了の有無および利用の設定の有無の判定は、S210の処理の後や、S220の処理の後など任意のタイミングで実行されてもよい。
また、第2実施形態の処理は、他のサービスがサブスクリプションサービスである場合に実行されてもよい。例えば、サブスクリプションサービス(または所定のサービス)の申し込みにおいて、連携処理部150は、利用者情報172Aを参照して、2つ以上の支払い方法が設定されていることを含む条件を満たすか否かに基づいて、電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理を実行するか否かを判定してもよい。例えば、サブスクリプションサービスとは異なるサービス(所定のサービスとは異なるサービス)である場合、連携処理部150は、上記の判定を行う処理(例えば図16のフローチャートの処理)を行わなくてもよい。
以上説明した第2実施形態によれば、より利用者の利便性が向上する。例えば、オートチャージが有効でなくても、他の支払い方法が設定されていれば、連携が行われるため、他のサービスの利用者の利便性が向上する。また、他のサービスの提供者である利用者も同様にオートチャージが有効でなくても、他の支払い方法が設定されていれば、対価を得られる可能性が高いため、連携処理を完了させて他のサービスを提供することができるため利便性が向上する。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、オートチャージが設定されていなくても、利用者の健全度に基づいて連携処理が完了させる。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
決済サーバ100は、利用者が他のサービスの提供を受けるために電子決済サービスとの連携を行うことを指示する操作を行ったことに応じて送信された前記利用者の識別情報を取得する。決済サーバ100は、利用者の識別情報と、利用者の電子決済サービスにおける資金管理に関する健全度を示す指標とが対応付けられた利用者情報(参照情報)を参照し、利用者の健全度を示す指標に基づいて、電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理を実行するか否かを判定する。
連携処理部150は、指標が基準を満たす場合に電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理を実行し、指標が基準を満たさない場合に電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理とは異なる処理(例えば後述するS316、S318、S322)を実行する。以下、この処理について説明する。
図18は、第3実施形態の利用者情報172Bの内容の一例を示す図である。利用者情報172Bは、第1実施形態の利用者情報172の情報に加え、利用者を特定するための情報に対して健全指標が対応付けられている。健全指標は、利用者の資金管理に関する健全性を示す指標である。健全指標が高いほど、電子決済サービスにおける電子決済の成功率が高いと推定される。成功率は、例えば電子決済におけるチャージ残高などの決済方法から引き落としがされた場合の成功率である。健全指標は、後述する利用者情報172Cから導出された指標である。
図19は、利用者情報172Cの内容の一例を示す図である。利用者情報172Cは、利用者を特定するための情報に対して健全指標を導出するための着目指標が対応付けられている。着目指標は、例えば、所定の期間ごと(月々)の引き落としの成功率や、決済成功率、保留中の支払予定額、所定期間における平均残高などである。決済サーバ100は、複数の着目指標のうち一以上の着目指標を用いて健全指標を導出する。例えば、決済サーバ100は、統計処理を実行して、健全指標を導出する。
所定の期間ごとの引き落としの成功率は、例えば、電子決済サービスを利用した当該引き落としが成功した度合を示す指標である。例えば、毎月または所定の期間ごとに、予め設定された日に予め設定された利用額や、設定期間における決済額などがチャージ残高から引き落とされる設定がされていることがある。引き落としの成功率は、この場合の成功率(または成功度合)である。例えば、成功率が高いほど、健全指標は高い傾向となる。
決済成功率は、例えば、電子決済サービスを利用した電子決済が成功した度合を示す指標である。例えば、パターン1、パターン2、またはウエブ上で電子決済サービスを利用したときの電子決済が成功した度合を示す指標である。この指標は、能動的に行った電子決済サービスを利用した電子決済における決済の成功度合に基づいて導出された指標である。例えば、成功率が高いほど、健全指標は高い傾向となる。
保留中の支払予定額は、例えば、電子決済サービスにおいて、将来、ユーザが支払う義務を負っている支払予定額である。例えば、電子決済サービスにおける将来の引き落とし額や、後払いに係る将来の支払い額である。例えば、保留中の支払予定額が低いほど、健全指標は高い傾向となる。
所定期間における平均残高は、例えば、所定の期間における電子決済サービスのチャージ残高の平均額である。平均残高は、チャージ残高に加え、後払いなど電子決済サービスにおいて利用可能な他の支払方法の額が含まれていてもよい。例えば、残高が大きいほど、健全指標は高い傾向となる。
上記の例では、電子決済サービスにおける利用者の各種情報が利用されるものとして説明したが、これに加えて(または代えて)、電子決済サービスにおける利用者の各種情報とは異なる情報が利用されてもよい。異なる情報とは、提携している金融機関における利用者の資産の情報や、負債など利用者の信用度を推定可能な情報である。
[フローチャート]
図20は、決済サーバ100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、本処理の順序の一部または全部は変更されてもよいし、一部の処理は省略されてもよい。例えば、S302や、S304、S306の処理は省略されてもよい。
まず、決済サーバ100の連携処理部150が、連携が開始されたか否かを判定する(S300)。連携が開始された場合、連携処理部150は、決済アプリ20のバージョンが予め定められたバージョンであるか否かを判定する(S302)。決済アプリ20のバージョンが予め定められたバージョンでない場合、本フローチャートのルーチンの処理が終了する。決済アプリ20のバージョンが予め定められたバージョンである場合、連携処理部150は、利用者情報172を参照して、利用者のオートチャージの申し込みが完了しているか否かを判定する(S304)。オートチャージの申し込みが完了している場合、連携処理部150は、利用者情報172を参照して、オートチャージの利用の設定がされているか否かを判定する(S306)。
オートチャージの利用の設定がされている場合、連携処理部150は、コンテンツ提供部120に、連携画面を利用者端末装置10の表示部に表示させる(S308)。連携処理部150は、連携画面における同意ボタンが操作されたか否かを判定する(S310)。上記の同意ボタンB2が操作された場合、連携処理部150は、連携を確定させる(S312)。これにより、本フローチャートの処理が終了する。連携処理部150は、チャージ残高へのオートチャージが利用可能である場合、利用者の健全度を示す指標に関わらず、電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理を実行する。
S304の処理で、オートチャージの申し込みが完了していない場合、連携処理部150は、利用者が健全な利用者であるか否かを判定する(S314)。健全な利用者である場合(健全指標が基準を満たす利用者である場合)、S308の処理に進む。この場合、連携処理部150は、電子決済サービスを他のサービスに連携させることを許可するか否かを問い合わせる問い合わせ連携画面を利用者端末装置10の表示部に表示させる。そして、連携処理部150は、連携画面に対して利用者が連携を許可する操作を行った場合、利用者情報172の連携情報において利用者の識別情報に対して他のサービスとの連携が完了したことを示す情報を対応付ける。
健全な利用者でない場合、連携処理部150は、コンテンツ提供部120に申込画面を利用者端末装置10の表示部に表示させる(S316)。申込画面においてオートチャージの申し込みが完了すると、連携処理部150は、コンテンツ提供部120に設定画面を利用者端末装置10の表示部に表示させる(S318)。設定画面においてオートチャージが設定されるとS308の処理に進む。
S306の処理で、オートチャージの利用が設定されていない場合、連携処理部150は、S316の処理と同様に設定画面を表示部に表示させる(S322)。利用者が設定画面を操作して、オートチャージを有効にした場合、S308の処理に進む。このように本フローチャートの処理が行われる。
上記のように、連携処理部150は、電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理を実行した後、他のサービスのサービスサーバ200から他のサービスの利用者の利用に対する決済の依頼に応じて、電子決済サービスにおいて管理されている利用者のチャージ残高を利用して電子決済を行う。
更に、上記のように、連携処理部150は、チャージ残高へのオートチャージが利用可能でなく、利用者の健全度を示す指標が基準を満たしていない場合、オートチャージを利用者に設定させるための画面を利用者の端末装置の表示部に表示させる(例えばS316、S318、S322参照)。連携処理部150は、オートチャージが設定された場合に、他のサービスとの連携を完了させるための処理を実行する(例えばS308-S312)。
また、第3実施形態の処理は、他のサービスがサブスクリプションサービスである場合に実行されてもよい。例えば、サブスクリプションサービス(または所定のサービス)の申し込みにおいて、連携処理部150は、利用者の健全指標に基づいて、電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理を実行するか否かを判定してもよい。例えば、サブスクリプションサービスとは異なるサービス(所定のサービスとは異なるサービス)である場合、連携処理部150は、上記の判定を行う処理(例えば図20のフローチャートの処理)を行わなくてもよい。
以上説明した第3実施形態によれば、決済サーバ100は、利用者の健全度を示す指標に基づいて、電子決済サービスを他のサービスに連携させる処理を実行するか否かを判定することにより、容易に連携処理を行うことを可能にするため、利用者の利便性を向上させることができる。
<第4実施形態>
以下、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、オートチャージが設定されていなくても、他の支払方法が利用の可否および利用者の健全度に基づいて連携処理の完了が行われる。以下、他の実施形態との相違点を中心に説明する。
[フローチャート]
図21は、決済サーバ100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。図21のフローチャートの処理の一部は省略されてもよいし、処理の順序は変更されてもよい。例えば、後述するS410の処理は、S412の処理とS416の処理との間や、S414の処理の後、S418の処理の後に実行されてもよい。
まず、決済サーバ100の連携処理部150が、連携が開始されたか否かを判定する(S400)。連携が開始された場合、連携処理部150は、利用者情報172を参照して、利用者のオートチャージが有効であるか否かを判定する(S402)。
オートチャージが有効である場合、連携処理部150は、コンテンツ提供部120に、連携画面を利用者端末装置10の表示部に表示させる(S404)。連携処理部150は、連携画面における同意ボタンが操作されたか否かを判定する(S406)。連携画面における同意ボタンが操作された場合、連携処理部150は、連携を確定させる(S408)。これにより、本フローチャートの処理が終了する。なお、S402の処理の前に、決済アプリ20のバージョンが予め定められたバージョンであるか否かが判定されてもよい。
オートチャージが有効でない場合、連携処理部150は、利用者が健全な利用者であるか否かを判定する(S410)。健全な利用者である場合、S404の処理に進む。健全な利用者でない場合、連携処理部150は、利用者情報172Aを参照して、他の支払方法を利用することが設定されているか否かを判定する(S412)。他の支払方法(またはチャージ残高とは異なる所定の支払方法)が設定されている場合、連携処理部150は、加盟店/店舗情報176#を参照して、対象サービス(対象サービスを提供している加盟店)が他の支払方法を許可しているか否かを判定する(S414)。
他の支払方法を許可している場合、S404の処理に進む。他の支払方法を許可していない場合、連携処理部150は、コンテンツ提供部120に、申込画面と設定画面との一方または双方を利用者端末装置10の表示部に表示させる(S420、S422)。連携処理部150は、例えば、利用者がオートチャージを申し込んでない場合は、申込画面を表示させ、申し込んでいる場合、設定画面を表示させる。
S412において他の支払方法が設定されていないと判定された場合、連携処理部150は、コンテンツ提供部120に、他の支払方法を設定するための画面を利用者端末装置10の表示部に表示させる(S416)。この画面は、例えば、前述した図14の画面である。
利用者が表示部に表示された画面において他の支払方法を設定する操作を行った場合、S414の処理に進む。利用者が表示部に表示された画面において他の支払方法を設定する操作を行わなかった場合、S420の処理に進む。
以上説明した第4実施形態によれば、決済サーバ100は、上述した各実施形態と同様に、利用者の利便性を向上させることができる。
<第5実施形態>
以下、第5実施形態について説明する。第5実施形態では、加盟店または店舗が、利用者にサービスを提供する条件(例えばオートチャージや、他の支払方法、健全度など)を任意に設定することができる。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図22は、条件を設定する画面の一例を示す図である。画面IM21は、例えば、オートチャージをサービスの申し込みの条件に設定する操作領域AR31、後払い(または所定の支払い方法)をサービスの申し込みの条件に設定する操作領域AR32、健全なユーザをサービスの申し込みの条件に設定する操作領域AR33、および操作された操作領域を条件に決定するための決定ボタンB31を含む。この画面IM21は、例えば、加盟店向けインターフェース72が第2店舗端末装置70の表示部に表示させる画面である。操作領域が加盟店または店舗の管理者により操作され、且つ決定ボタンB31が操作された場合、操作に応じた条件が設定される。管理者は、複数の条件を設定することができる。操作領域AR31と、操作領域AR32と、操作領域AR33とのうち、いずれかの操作領域は省略されてもよい。例えば、オートチャージのみが申し込みの条件として選択可能でもよい。
図23は、条件を設定する画面の他の一例を示す図である。画面IM22には、例えば、健全なユーザをサービスの申し込みの条件に設定した場合に、表示される加盟店または店舗が許容する健全度を設定するための画面である。この画面IM22は、例えば、加盟店向けインターフェース72が第2店舗端末装置70の表示部に表示させる画面である。
画面IM22は、例えば、健全度Aの利用者をサービスの申し込みにおいて許容することを設定する操作領域AR41、健全度Bの利用者をサービスの申し込みにおいて許容することを設定する操作領域AR42、健全度Cの利用者をサービスの申し込みにおいて許容することを設定する操作領域AR43、および操作された操作領域を許容する健全度に決定するための決定ボタンB41を含む。操作領域が加盟店または店舗の管理者により操作され、且つ決定ボタンB41が操作された場合、操作に応じた健全度が判定の条件として設定される。例えば、画面IM22に示すように、健全度Aおよび健全度Bが設定された場合、健全度Aおよび健全度Bの利用者はサービスの申し込みが許容される。
連携処理部150は、上記の画面IM21および画面IM22に対する操作に応じた情報を、加盟店/店舗情報176の対応する加盟店または店舗を識別するための情報に対応付ける。図24は、第4実施形態の加盟店/店舗情報176の第1テーブル176A#の内容の一例を示す図である。第1テーブル176A#は、例えば、店舗URL、加盟店ID、および店舗IDに対して、画面IM21で設定された許容する支払い方法および画面IM22で設定された許容する健全度が対応付けられた情報である。
連携処理部150は、上記の第1テーブル176A#を参照して、利用者がサービスの申し込みの条件を満たす利用者であるか否かを判定する。例えば、連携処理部150は、申し込みの条件を対象の加盟店または店舗が設定していない場合は、利用者がオートチャージや後払い、健全なユーザであるか否かに関わらず、連携処理を完了させ、申し込みの条件を対象の加盟店または店舗が設定している場合は、条件を考慮して連携処理の完了の可否を判断する。
以上説明した第5実施形態によれば、加盟店または店舗が、利用者にサービスを提供する条件を任意に設定することができるため、加盟店または店舗の意図に応じた利用者にサービスを提供することができる。これにより、加盟店または店舗にとっての利便性が向上する。
以上説明した各実施形態によれば、決済サーバ100は、他のサービスとの連携を適切に行うことができるため、利用者の利便性を向上させることができる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。