以下、本発明の静電気保護回路、半導体装置、電子機器および移動体の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施形態は、特許請求の範囲に記載された内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが必須構成要件であるとは限らない。また、以下に説明する各実施形態において、本発明に係る静電気保護回路は、単に「実施形態に係る静電気保護回路」としている。
1.第1実施形態
まず、第1実施形態に係る静電気保護回路および半導体装置について説明する。
1.1.半導体装置の概略
図1は、第1実施形態に係る静電気保護回路を含む半導体装置の内部ブロック構成を示す回路図である。
図1に示す半導体装置10は、電源配線11と、GND配線12と、出力配線13と、出力端子静電気保護回路2と、電源端子静電気保護回路15と、内部回路16と、を備えている。
電源配線11は、一端に電源端子111が接続され、例えば正の電位である電源電位VDDを供給する電源ラインである。GND配線12は、一端にGND端子121が接続され、例えばGND電位VSSを供給するGNDラインである。出力配線13は、一端に出力端子131が接続され、内部回路16の出力信号を出力する。
出力端子静電気保護回路2は、例えば出力端子131とGND端子121との間に静電サージが印加されたとき、内部回路16に誘起される電圧の上昇を抑え、内部回路16を保護する機能を有する。図1に示す出力端子静電気保護回路2には、第1実施形態に係る静電気保護回路が適用されている。出力端子静電気保護回路2は、ノードN1を介して出力配線13と接続され、ノードN2を介してGND配線12と接続されている。なお、出力端子静電気保護回路2については後述する。
電源端子静電気保護回路15は、クランプ素子(PC)であり、例えば電源端子111とGND端子121との間に静電サージが印加されたとき、内部回路16に誘起される電圧の上昇を抑え、内部回路16を保護する機能を有する。図1に示す電源端子静電気保護回路15は、内部回路16と並列、すなわち、電源配線11とGND配線12との間に設けられている。電源端子静電気保護回路15の構成は、特に限定されない。例えば、電源端子静電気保護回路15は、ダイオード、および、ゲートがドレインもしくはソースに接続されているPMOSトランジスターまたはNMOSトランジスター、のうちの少なくとも1つを含む。なお、この電源端子静電気保護回路15には、第1実施形態に係る静電気保護回路が採用されていない。以降に記述する各実施形態においても、電源端子静電気保護回路15には、各実施形態に係る静電気保護回路が採用されていない。
内部回路16は、PMOSトランジスター161と、NMOSトランジスター162と、を含んでいる。PMOSは、P-channel Metal Oxide Semiconductorのことであり、NMOSは、N-channel Metal Oxide Semiconductorのことである。PMOSトランジスター161は、電源配線11と出力配線13との間に設けられている。NMOSトランジスター162は、出力配線13とGND配線12との間に設けられている。内部回路16は、出力端子131の電位が電源電位VDDより高くなっても電流が流れず、出力端子131の電位がGND電位VSSより高くなっても電流が流れない、というトレラント機能を有している。なお、内部回路16は、出力端子静電気保護回路2や電源端子静電気保護回路15による保護対象の回路であればよく、その回路構成は図示したものに限定されない。
1.1.1.半導体装置の作動
次に、半導体装置10の作動について説明する。ここでは、まず、従来の静電気保護回路が適用された半導体装置が有する課題について説明する。
図2は、従来の静電気保護回路が適用された半導体装置(従来例)の内部ブロック構成図に、静電サージが印加されたときの電荷の移動経路を追記した図である。図2では、電源端子111が接地され、出力端子131がマイナス電位になるような静電サージが印加された場合の、電荷の移動経路A1を示している。
図2に示す従来の半導体装置90は、第1実施形態に係る静電気保護回路が用いられていない。すなわち、図2に示す従来の半導体装置90は、出力端子静電気保護回路94の半導体構造が出力端子静電気保護回路2と異なる以外、図1に示す半導体装置10と同様である。
図2に示す半導体装置90では、一例として、電源電位VDDの範囲を+5V~+40Vとし、GND電位VSSを0Vとし、出力端子131の電位Voの範囲を-10V~+50Vとする。なお、出力端子131の電位Voの範囲は、例えば、出力信号のオーバーシュートやアンダーシュート、および、正の静電サージや負の静電サージで発生する信号波形の電位等を考慮して適宜設定される。
従来の出力端子静電気保護回路94は、例えば、正の保持電圧Vhpが+55Vであり、負の保持電圧Vhmが-55Vであるものとする。つまり、従来の静電気保護回路が適用された出力端子静電気保護回路94では、2つのダイオードの構造が同じであるため、正の保持電圧と負の保持電圧とが等しくなっている。通常、出力端子静電気保護回路94の正の保持電圧は、例えば、出力端子131の電位Voの範囲より高い値に設定される。そうすると、出力端子静電気保護回路94の負の保持電圧は、正の保持電圧と同じになる。
さらに、電源端子静電気保護回路15は、例えば、正の保持電圧Vhpが+45Vであり、負の保持電圧Vhmが-0.6Vであるものとする。なお、電源端子静電気保護回路15の正の保持電圧は、例えば、電源電位VDDの範囲より高く、かつ、後述するPMOSトランジスター161のソース・ドレイン間破壊電圧およびNMOSトランジスター162のソース・ドレイン間破壊電圧の双方より低い値に設定される。
また、内部回路16のPMOSトランジスター161のソース・ドレイン間破壊電圧Vt2を70Vとし、NMOSトランジスター162のソース・ドレイン間破壊電圧Vt2を70Vとする。
このような仕様の半導体装置90において、前述した静電サージが印加された場合、図2に示した電荷の移動経路A1でサージ電流が流れる可能性がある。電荷の移動経路A1は、電源端子静電気保護回路15と出力端子静電気保護回路94の双方を通過する経路である。ここで、電源端子静電気保護回路15の正の保持電圧Vhpは、前述したように+45Vであり、出力端子静電気保護回路94の負の保持電圧Vhmは、前述したように-55Vである。したがって、この経路では、電源端子111と出力端子131との電位差が100Vになって、はじめてサージ電流が流れることになる。つまり、電位差が100Vにならないと、静電サージを放電することができない。
そうすると、この静電サージが印加されたとき、電源端子111と出力端子131との電位差が70Vを超える可能性が生じ、内部回路16のPMOSトランジスター161にも同じ電位差が印加される可能性が生じる。この電位差は、前述したPMOSトランジスター161のソース・ドレイン間破壊電圧Vt2を超えている。したがって、従来の半導体装置90では、PMOSトランジスター161を保護することができないという課題が生じる。
このような課題に鑑み、本実施形態に係る半導体装置10は、出力端子静電気保護回路94に代えて、本実施形態に係る静電気保護回路が適用された出力端子静電気保護回路2を備えている。以下、本実施形態に係る静電気保護回路が適用された半導体装置10について説明する。
図3は、図1に示す内部ブロック構成図に、静電サージが印加されたときの電荷の移動経路を追記した図である。図3でも、電源端子111が接地され、出力端子131がマイナス電位になるような静電サージが印加された場合の、電荷の移動経路A1を示している。
図3に示す半導体装置10は、前述した出力端子静電気保護回路94に代えて、以下の出力端子静電気保護回路2を備えている以外、前述した従来の半導体装置90と同じ仕様を有している。
図3に示す出力端子静電気保護回路2では、正の保持電圧と負の保持電圧とが異なっている。具体的には、正の保持電圧Vhpを+55Vとする一方、負の保持電圧Vhmが-15Vとする。なお、出力端子静電気保護回路2の正の保持電圧は、例えば、出力端子131の電位Voの範囲より高い値に設定される。また、出力端子静電気保護回路2の負の保持電圧は、例えば、出力端子131の電位Voの範囲より低い値に設定される。
このような仕様の半導体装置10において、前述した静電サージが印加された場合、図2に示す電荷の移動経路A1と同様、図3に示す電荷の移動経路A1でサージ電流が流れる可能性がある。電荷の移動経路A1は、電源端子静電気保護回路15と出力端子静電気保護回路2の双方を通過する経路である。ここで、電源端子静電気保護回路15の正の保持電圧Vhpは、前述したように+45Vであり、出力端子静電気保護回路2の負の保持電圧Vhmは、前述したように-15Vである。したがって、この経路では、電源端子111と出力端子131との電位差が60Vになったとき、サージ電流が流れることになる。
そうすると、この静電サージが印加されたとき、電源端子111と出力端子131との電位差が70Vを超えることはないため、PMOSトランジスター161を静電サージから保護することができる。
以上を踏まえ、本実施形態では、後述するように、出力端子静電気保護回路2の正の保持電圧と負の保持電圧とを異ならせている。これにより、図3に示すようなサージ電流が発生する静電サージが印加された場合でも、内部回路16を保護することができる。以下、出力端子静電気保護回路2について詳述する。
1.1.2.出力端子静電気保護回路
図4は、図1に示す出力端子静電気保護回路2の断面構造を示す縦断面図である。
図4に示す出力端子静電気保護回路2は、P型半導体基板203Pと、N--半導体領域204N(第1半導体領域)と、P-不純物領域205P(第1不純物領域)と、P-不純物領域206P(第2不純物領域)と、N-不純物領域207N(共通不純物領域)と、N+コンタクト領域208Nと、P+コンタクト領域209Pと、P+コンタクト領域210Pと、を備えている。そして、P-不純物領域205PとN--半導体領域204Nとで第1ダイオード201が構成されている。また、P-不純物領域206PとN--半導体領域204Nとで第2ダイオード202が構成されている。以下、各部について詳述する。なお、以下の説明では、P型半導体基板203Pの厚さ方向、すなわち、図4の上下方向を「厚さ方向」といい、厚さ方向に直交する方向、例えば図4の左右方向を「面方向」という。本明細書における「厚さ方向」は、P型半導体基板203Pの主面に直交する軸に沿う一方側の方向とその反対方向の双方を含む。同様に、「面方向」は、P型半導体基板203Pの主面に平行な軸に沿う一方側の方向とその反対方向の双方を含む。
P型半導体基板203Pは、P型(第2伝導型)の極性を有する半導体基板である。後述する各領域は、例えば、この半導体基板に不純物を拡散させることによって形成された領域である。
N--半導体領域204Nは、P型半導体基板203Pに隣接して配置され、N型(第1伝導型)の極性を有する領域である。
P-不純物領域205Pは、N--半導体領域204Nと接続され、P型の極性を有する領域である。P-不純物領域206Pは、N--半導体領域204NおよびP型半導体基板203Pと接続され、P型の極性を有する領域である。
N-不純物領域207Nは、N--半導体領域204Nと接続され、N型の極性を有し、かつ、N--半導体領域204NよりもN型のキャリアー濃度が高い領域である。P-不純物領域205PとN-不純物領域207Nとの間、および、P-不純物領域206PとN-不純物領域207Nとの間には、それぞれN--半導体領域204Nが介在している。また、P-不純物領域205P、206Pは、N-不純物領域207Nを介して互いに反対側に位置している。
そして、P-不純物領域205Pが第1アノード、N--半導体領域204NおよびN-不純物領域207Nが共通カソードとなって、前述した第1ダイオード201が構成される。また、P-不純物領域206Pが第2アノード、N--半導体領域204NおよびN-不純物領域207Nが共通カソードとなって、前述した第2ダイオード202が構成される。また、P+コンタクト領域209Pは、第1アノード端子となり、P+コンタクト領域210Pは、第2アノード端子となり、N+コンタクト領域208Nは、共通カソード端子となる。第1ダイオード201および第2ダイオード202は、N-不純物領域207Nを介して互いに逆方向で直列に接続されている。互いに逆方向とは、ダイオードの順方向が互いに反対であることをいう。
ここで、出力端子静電気保護回路2の保持電圧は、第1ダイオード201の耐圧と第2ダイオード202の耐圧とで決まる。図4に示す出力端子静電気保護回路14では、第1ダイオード201の耐圧および第2ダイオード202の耐圧を、個別に設定することができる。このため、正の保持電圧および負の保持電圧を、個別に設定することができる。
具体的には、第1ダイオード201の耐圧は、図4に示す距離L1を長くすることによって上げることができる。距離L1は、P-不純物領域205PとN-不純物領域207Nとの離間距離である。距離L1は、不純物イオンの濃度分布を分析することによって計測することができる。また、別の計測方法としては、P-不純物領域205PおよびN-不純物領域207Nを形成する際の不純物注入用マスクの開口同士の距離に基づいて求めることができる。この場合、不純物注入用マスクの開口同士の距離だけでなく、不純物イオンの拡散距離も考慮して、距離L1を求めるようにしてもよい。
第2ダイオード202の耐圧は、図4に示す距離L2を長くすることによって上げることができる。距離L2は、P-不純物領域206PとN-不純物領域207Nとの離間距離である。距離L2も、距離L1と同様の方法で計測することができる。
図5は、図4に示す第1ダイオード201の距離L1と電流-電圧特性との関係を示す図である。図5に示すように、第1ダイオード201では、距離L1を1.0μm、2.0μm、3.0μmと長くしていくと、それに伴って耐圧が高くなり、距離L1を短くすると、耐圧が低くなる。また、図示しないが、第2ダイオード202でも、同様に、距離L2を長くすると、それに伴って耐圧が高くなり、距離L2を短くすると、それに伴って耐圧が低くなる。したがって、距離L1、L2と耐圧との間には相関関係があるため、必要な耐圧と、この相関関係と、に基づいて、距離L1、L2を決めることができる。
図6は、図3に示す電荷の移動経路A1を、図4に示す断面構造に追記した図である。図6に示す電荷の移動経路A1は、前述したように、ノードN2が接地され、ノードN1がマイナス電位になるような静電サージが印加された場合の電荷の移動経路である。この場合、出力端子静電気保護回路2の負の保持電圧は、第1ダイオード201の逆方向電圧と、第2ダイオード202の順方向電圧と、の和で決まる。
図7は、図6とは逆方向に電荷が移動した場合を示す図である。図7に示す電荷の移動経路A2は、ノードN2が接地され、ノードN1がプラス電位になるような静電サージが印加された場合の電荷の移動経路である。この場合、出力端子静電気保護回路2の正の保持電圧は、第1ダイオード201の順方向電圧と、第2ダイオード202の逆方向電圧と、の和で決まる。
ここで、前述した距離L1は、第1ダイオード201の耐圧、すなわち、第1ダイオード201の逆方向電圧に影響を及ぼす。同様に、距離L2も、第2ダイオード202の耐圧、すなわち、第2ダイオード202の逆方向電圧に影響を及ぼす。このため、距離L1と距離L2とを異ならせることによって、出力端子静電気保護回路2の正の保持電圧と負の保持電圧とを異ならせることができる。
以上のように、本実施形態に係る出力端子静電気保護回路2は、保護対象回路である内部回路16と並列に接続され、第1ダイオード201と第2ダイオード202とが互いに逆方向に接続されてなる双方向ダイオードを備える静電気保護回路である。そして、この出力端子静電気保護回路2は、前述したように、N--半導体領域204N(第1半導体領域)と、P-不純物領域205P(第1不純物領域)と、P-不純物領域206P(第2不純物領域)と、N-不純物領域207N(共通不純物領域)と、P+コンタクト領域209P(第1アノード端子)と、P+コンタクト領域210P(第2アノード端子)と、を備えている。また、P-不純物領域205PとN--半導体領域204Nとで第1ダイオード201が構成され、P-不純物領域206PとN--半導体領域204Nとで第2ダイオード202が構成されている。さらに、P-不純物領域205PとN-不純物領域207Nとの距離L1と、P-不純物領域206PとN-不純物領域207Nとの距離L2と、が異なっている。
このような構成によれば、正の保持電圧と負の保持電圧とが異なる出力端子静電気保護回路2を、容易に製造することができる。つまり、距離L1、L2を異ならせることは、P-不純物領域205P、P-不純物領域206P、およびN-不純物領域207Nの各形成位置を適宜選択することによって、比較的簡単に実現することができる。その結果、出力端子静電気保護回路2の製造コストの削減を図ることができる。なお、従来技術では、距離L1、L2に相当する距離を変更することができず、上記の効果が得られない。
また、例えば、負の保持電圧を正の保持電圧よりも小さくした場合、出力端子静電気保護回路2では、負の保持電圧に関係する部位のレイアウト面積を従来よりも小さくすることができる。その結果、正の保持電圧と負の保持電圧とが等しい場合に比べて、出力端子静電気保護回路2の小型化を図ることができる。
そして、本実施形態に係る半導体装置10は、この出力端子静電気保護回路2を備えている。これにより、正の保持電圧と負の保持電圧とが異なるという特長を有する半導体装置10の小型化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、前述した第1伝導型がN型であり、第2伝導型がP型である。これにより、第1伝導型がP型であり、第2伝導型がN型である場合に比べて、特性に優れた出力端子静電気保護回路2を実現することができる。
また、図4に示す出力端子静電気保護回路2は、P型半導体基板203Pを備えている。P型半導体基板203Pは、N--半導体領域204N(第1半導体領域)と接続され、P型(第2伝導型)の極性を有する半導体で構成された基板である。さらに、図4に示す出力端子静電気保護回路2では、P-不純物領域206P(第2不純物領域)とP型半導体基板203Pとが接続されている。
このような構成によれば、P-不純物領域206PをP型半導体基板203Pと同電位にすることができる。また、N--半導体領域204Nのレイアウト面積を小さくしやすいので、出力端子静電気保護回路2の小型化を図りやすい。
なお、図1では、出力端子静電気保護回路2に対して本実施形態に係る静電気保護回路が適用されているが、適用先はこれに限定されず、例えば、電源配線11と出力配線13との間に設けられた静電気保護回路に適用されていてもよい。また、出力配線13は、入力信号が入力される入力配線であってもよいし、信号が入出力される入出力配線であってもよい。
2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係る静電気保護回路について説明する。
図8は、図6に示す静電サージが印加された場合の電流-電圧特性、および、図7に示す静電サージが印加された場合の電流-電圧特性を示す図である。図9は、第2実施形態に係る静電気保護回路が適用された出力端子静電気保護回路を示す回路図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。なお、図8および図9において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
図8に示す電流-電圧特性は、ノードN2が接地され、ノードN1がプラス電位になるような、正極性の静電サージが印加された場合の特性C1と、ノードN2が接地され、ノードN1がマイナス電位になるような、負極性の静電サージが印加された場合の特性C2と、を含んでいる。図8に示す電位601は、半導体装置10の動作最大電位であり、電位602は、半導体装置10の動作最小電位である。また、図8に示す電圧603は、正極性の静電サージが印加された場合の、出力端子静電気保護回路2の正の保持電圧であり、電圧604は、負極性の静電サージが印加された場合の、出力端子静電気保護回路2の負の保持電圧である。
ここで、図7には、説明の便宜のため、P-不純物領域205P、N--半導体領域204NおよびN-不純物領域207N、P-不純物領域206P、で構成される寄生PNPバイポーラートランジスター701を図示している。換言すれば、図7に示す双方向ダイオードは、N+コンタクト領域208N(共通カソード端子)をベースとし、P+コンタクト領域209P(第1アノード端子)をエミッターとし、P+コンタクト領域210P(第2アノード端子)をコレクターとする寄生PNPバイポーラートランジスター701を含んでいる。
図4において、N+コンタクト領域208Nは、電位が浮いている。このため、静電サージ等の異常電圧が印加されていないとき、つまり、通常動作時において、ノードN1のプラス電位とノードN2との間の電位差が、電圧603を一瞬でも超えた場合、図7に示す寄生PNPバイポーラートランジスター701は容易にオン状態になってしまう。そうすると、例えば動作最大電位である電位601が高い場合等には、寄生PNPバイポーラートランジスター701の保持電圧607が、図8に示すように、電位601を下回ることがある。そのタイミングで、さらに、正極性の静電サージが印加された場合、寄生PNPバイポーラートランジスター701がオン状態になっているため、動作最大電位である電位601よりも低い電位である保持電位617において放電が生じる。その結果、内部回路16では、本来のAC特性(動的特性)とは異なる特性となり、誤作動のリスクが生じる。また、通常動作時において、ノードN1のマイナス電位とノードN2との間の電位差が、電圧604を一瞬でも超えた場合にも、上記と同様のリスクが生じる。
そこで、本実施形態に係る静電気保護回路が適用された、図9に示す出力端子静電気保護回路2Aについて、一部を図4を参照しつつ説明する。出力端子静電気保護回路2Aは、図4に示す、P+コンタクト領域209P(第1アノード端子)、P+コンタクト領域210P(第2アノード端子)、および、N+コンタクト領域208N(共通カソード端子)を備えている。また、出力端子静電気保護回路2Aは、図4に示す、N+コンタクト領域208N、P+コンタクト領域209PおよびP+コンタクト領域210Pと接続される、図9に示す第1スイッチ回路SW1および第2スイッチ回路SW2を備えている。つまり、出力端子静電気保護回路2Aでは、これらの第1スイッチ回路SW1および第2スイッチ回路SW2が追加されている。そして、出力端子131の電位Vo(第1電位)がGND電位VSS(第2電位)より大きいとき、第1スイッチ回路SW1は、P+コンタクト領域209P(図9のAnode1)とN+コンタクト領域208N(図9のCathode)とを接続し、第2スイッチ回路SW2は、P+コンタクト領域210P(図9のAnode2)とN+コンタクト領域208N(図9のCathode)とを切断するように動作する。また、出力端子131の電位Vo(第1電位)がGND電位VSS(第2電位)より小さいとき、第1スイッチ回路SW1は、P+コンタクト領域209P(図9のAnode1)とN+コンタクト領域208N(図9のCathode)とを切断し、第2スイッチ回路SW2は、P+コンタクト領域210P(図9のAnode2)とN+コンタクト領域208N(図9のCathode)とを接続するように動作する。
このような出力端子静電気保護回路2Aによれば、例えば、出力端子131の電位VoがGND電位VSSより大きいとき、第1スイッチ回路SW1がオン状態となり、第2スイッチ回路SW2がオフ状態となる。このため、N+コンタクト領域208Nは、ノードN1と同電位となり、P+コンタクト領域209Pと同電位となる。また、出力端子131の電位VoがGND電位VSSより小さいとき、第1スイッチ回路SW1がオフ状態となり、第2スイッチ回路SW2がオン状態となる。このため、N+コンタクト領域208Nは、ノードN2と同電位となり、P+コンタクト領域210Pと同電位となる。
この結果、出力端子静電気保護回路2Aでは、出力端子131の電位VoがGND電位VSSより大きいとき、P+コンタクト領域209PとN+コンタクト領域208Nとの電位差が特に小さくなる。このため、通常動作時において、ノードN1のプラス電位とノードN2との間の電位差が、電圧603を一瞬でも超えた場合であっても、その時間が短時間であれば、寄生PNPバイポーラートランジスター701がオン状態になりにくい。その結果、通常動作時に、動作最大電位である電位601よりも低い電圧で放電が生じる可能性が低くなり、内部回路16における誤作動のリスクを低減することができる。なお、ノードN1のプラス電位とノードN2との間の電位差が電圧603を超える時間が短時間である例としては、出力信号のオーバーシュートや外部から印加される正極性の静電サージ等が挙げられる。
また、出力端子静電気保護回路2Aでは、出力端子131の電位VoがGND電位VSSより小さいとき、P+コンタクト領域210PとN+コンタクト領域208Nとの電位差が特に小さくなる。このため、通常動作時において、ノードN2のマイナス電位とノードN1との間の電位差が、電圧604を一瞬でも超えた場合であっても、その時間が短時間であれば、内部回路16における誤作動のリスクを低減することができる。
つまり、動作最小電位である電位602が低い場合等には、寄生PNPバイポーラートランジスターの保持電圧608が、図8に示すように、電位602を上回ることがある。そのタイミングで、さらに、負極性の静電サージが印加された場合、寄生PNPバイポーラートランジスターがオン状態になっているため、動作最小電位である電位602よりも高い電位である保持電位618において放電が生じる。その結果、内部回路16では、本来のAC特性(動的特性)とは異なる特性となり、誤作動のリスクが生じる。しかしながら、出力端子静電気保護回路2Aでは、このリスクを低減することができる。なお、ノードN2のマイナス電位とノードN1との間の電位差が電圧604を超える時間が短時間である例としては、出力信号のアンダーシュートや外部から印加される負極性の静電サージ等が挙げられる。
本実施形態では、第1スイッチ回路SW1がPMOSトランジスター801(第1電界効果型トランジスター)であり、第2スイッチ回路SW2がPMOSトランジスター802(第2電界効果型トランジスター)である。PMOSトランジスター801のゲートは、ノードN2と接続され、ドレインは、ノードN1と接続され、ソースは、共通カソード端子であるN+コンタクト領域208N(図9のCathode)と接続されている。PMOSトランジスター802のゲートは、ノードN1と接続され、ドレインは、ノードN2と接続され、ソースは、共通カソード端子であるN+コンタクト領域208N(図9のCathode)と接続されている。
PMOSトランジスター801、802では、ゲート・ソース間電圧が大きいほど、オン抵抗が小さくなる。このため、前述したような場合において、第1スイッチ回路SW1および第2スイッチ回路SW2のオン抵抗を小さくすることができ、内部回路16における誤作動のリスクをより確実に低減することができる。
以上のような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
3.第3実施形態
次に、第3実施形態に係る静電気保護回路について説明する。
図10は、図9に示す静電気保護回路において、ノードN1の電位がノードN2の電位より高いときの等価回路を示す図である。図11は、第3実施形態に係る静電気保護回路が適用された出力端子静電気保護回路を示す回路図である。図12は、図11に示す回路図に、静電サージが印加されたときの電荷の移動経路を追記した図である。
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。なお、図10ないし図12において、第2実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。また、図10ないし図12では、説明の便宜のため、第1ダイオード201と第2ダイオード202との接続点をノードN3とする。
ノードN1の電位がノードN2の電位より高いとき、PMOSトランジスター801はオン状態になるため、等価的には、図10に示すように、PMOSトランジスター801のオン抵抗がMOS抵抗901として存在する。そうすると、第2実施形態は、次のような課題を有している。
まず、PMOSトランジスター801には、第2ダイオード202の耐圧と同じゲート耐圧が必要となる。このため、例えば、ノードN1の電位がノードN2の電位より高いとき、PMOSトランジスター801のゲート・ソース間電圧およびゲート・ドレイン間電圧は、ノードN1とノードN2の電位差と等しくなる。よって、PMOSトランジスター801のゲート絶縁膜の膜厚は、この電位差に耐え得る程度の十分な厚さである必要がある。また、ゲート絶縁膜の膜厚を厚くすることは、出力端子静電気保護回路2の製造コストの上昇を招く。
そこで、本実施形態に係る静電気保護回路が適用された、図11に示す出力端子静電気保護回路2Bについて説明する。出力端子静電気保護回路2Bでは、第1スイッチ回路SW1がPNPバイポーラートランジスター1001(第1バイポーラートランジスター)であり、第2スイッチ回路SW2がPNPバイポーラートランジスター1002(第2バイポーラートランジスター)であること以外、出力端子静電気保護回路2Aと同様である。
PNPバイポーラートランジスター1001では、コレクター(Collector)がN+コンタクト領域208N(共通カソード端子)と接続され、エミッター(Emitter)がP+コンタクト領域209P(第1アノード端子)と接続されている。PNPバイポーラートランジスター1002では、コレクター(Collector)がN+コンタクト領域208N(共通カソード端子)と接続され、エミッター(Emitter)がP+コンタクト領域210P(第2アノード端子)と接続されている。そして、PNPバイポーラートランジスター1001のベース(Base)およびPNPバイポーラートランジスター1002のベース(Base)が、互いに接続されている。
このような構成によれば、PNPバイポーラートランジスター1001のベース・エミッター間の耐圧を第1ダイオード201の耐圧と等しくすることが、比較的容易に行える。また、PNPバイポーラートランジスター1002のベース・エミッター間の耐圧を第2ダイオード202の耐圧と等しくすることが、構造上、容易に行える。
次に、出力端子静電気保護回路2Bの作動について説明する。
まず、ノードN1の電位がノードN2の電位より高い場合であって、かつ、ノードN1とノードN2の電位差が第2ダイオード202の耐圧を上回ったときの出力端子静電気保護回路2Bの作動について説明する。この場合、第2ダイオード202がブレークダウンするため、双方向ダイオードには図12に示す電流1101が流れる。また、第2ダイオード202がブレークダウンすると、PNPバイポーラートランジスター1002のベース・エミッター間もブレークダウンするため、図12に示す電流1102が流れる。
電流1102が流れると、PNPバイポーラートランジスター1001のエミッターからベースへ電流が流れ、PNPバイポーラートランジスター1001がオン状態になる。そうすると、PNPバイポーラートランジスター1001のエミッター・コレクター間および第2ダイオード202には、図12に示す電流1103が流れる。その結果、PNPバイポーラートランジスター1001のコレクターは、エミッターと同電位になる。
電流1102が流れると、PNPバイポーラートランジスター1002のベースからエミッターへ電流が流れ、PNPバイポーラートランジスター1002がオフ状態になる。そうすると、PNPバイポーラートランジスター1002のエミッター・コレクター間は、電気的に切断される。
以上の作動の結果、ノードN3(N+コンタクト領域208N)は、P+コンタクト領域209Pと同電位になり、図11に示す出力端子静電気保護回路2Bは、図9に示す出力端子静電気保護回路2Aと同様に作動することになる。したがって、本実施形態では、製造コストを著しく上昇させることなく、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記の説明は、PNPバイポーラートランジスター1001のベース・エミッター間の耐圧が、第1ダイオード201の耐圧と等しく、PNPバイポーラートランジスター1002のベース・エミッター間の耐圧が、第2ダイオード202の耐圧と等しい例についての説明であった。
一方、PNPバイポーラートランジスター1001のベース・エミッター間の耐圧、および、PNPバイポーラートランジスター1002のベース・エミッター間の耐圧を、それぞれ以下のように変更すれば、内部回路16における誤作動のリスクをより確実に低減することができる。
まず、PNPバイポーラートランジスター1001のベース・エミッター間の耐圧を、第1ダイオード201の耐圧より低くする。また、PNPバイポーラートランジスター1002のベース・エミッター間の耐圧を、第2ダイオード202の耐圧より低くする。
このように耐圧を設定することにより、例えば、ノードN1の電位がノードN2の電位より高い場合であって、かつ、ノードN1とノードN2の電位差が第2ダイオード202の耐圧を上回ったとき、第2ダイオード202がブレークダウンする電圧に達する前に、PNPバイポーラートランジスター1002のベース・エミッター間がブレークダウンする。これにより、第2実施形態と同様の効果がより確実に得られ、内部回路16における誤作動のリスクをより確実に低減することができる。
また、例えば、ノードN1の電位がノードN2の電位より低い場合であって、かつ、ノードN1とノードN2の電位差が第1ダイオード201の耐圧を上回ったときも、上記と同様の効果を得ることができる。
4.第4実施形態
次に、第4実施形態に係る静電気保護回路について説明する。
図13は、第4実施形態に係る静電気保護回路が適用された出力端子静電気保護回路の断面構造を示す縦断面図である。
以下、第4実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。なお、図13において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
第4実施形態は、P-不純物領域206Pの構成が異なること以外、第1実施形態と同様である。
前述した図4に示すP-不純物領域206Pは、P型半導体基板203Pと接続されているのに対し、図13に示すP-不純物領域206Pは、N--半導体領域204Nを介してP型半導体基板203Pと接続されている。つまり、図13に示す出力端子静電気保護回路2Cは、N--半導体領域204N(第1半導体領域)と接続され、P型(第2伝導型)の極性を有する半導体で構成された基板を備えており、N--半導体領域204Nは、P-不純物領域206P(第2不純物領域)とP型半導体基板203Pとの間に介在している。
このような構成によれば、P-不純物領域206PとP型半導体基板203Pとの間にN--半導体領域204Nが介在しているため、図4に示す構成とは異なり、P-不純物領域206PがP型半導体基板203Pと同電位になるという制約がなくなる。このため、図13に示す出力端子静電気保護回路2Cは、図4に示す出力端子静電気保護回路2とは異なる使用方法で使用され得るものとなる。具体的には、図4に示す出力端子静電気保護回路2は、電源配線11と出力配線13との間に設けることはできないが、そこに、図13に示す出力端子静電気保護回路2Cを設けることは可能である。
また、図13に示す出力端子静電気保護回路2Cは、さらに、P-不純物領域211PおよびP+コンタクト領域212Pを備えている。P-不純物領域211Pは、P型半導体基板203Pと接続されている。P+コンタクト領域212Pは、P-不純物領域211Pと接続されている。
以上のような第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
5.第5実施形態
次に、第5実施形態に係る静電気保護回路について説明する。
図14は、図13に示す出力端子静電気保護回路の断面構造をより広い範囲において示す縦断面図である。図15は、第5実施形態に係る静電気保護回路が適用された出力端子静電気保護回路の断面構造を示す縦断面図である。
以下、第5実施形態について説明するが、以下の説明では、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。なお、図14および図15において、第2実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
図14に示す出力端子静電気保護回路2Cでは、双方向ダイオード(第1ダイオード201および第2ダイオード202)と隣り合う位置にPMOSトランジスター801が設けられている。なお、図14では、PMOSトランジスター802の図示を省略している。双方向ダイオードとPMOSトランジスター801との間には、前述したP-不純物領域211Pが設けられ、PMOSトランジスター801の近傍には、P-不純物領域213PおよびP+コンタクト領域214Pが設けられている。P-不純物領域213Pは、P型半導体基板203Pと接続されている。P+コンタクト領域214Pは、P-不純物領域213Pと接続されている。
より具体的には、図14に示す出力端子静電気保護回路2Cは、N--半導体領域220Nと、P-不純物領域221Pと、P-不純物領域222Pと、N-不純物領域223Nと、N+コンタクト領域224Nと、P+コンタクト領域225Pと、P+コンタクト領域226Pと、ゲート電極227と、を備えている。これらの各部により、PMOSトランジスター801が構成されている。
N--半導体領域220Nは、P型半導体基板203Pに隣接して配置され、N型の極性を有する領域である。
P-不純物領域221Pは、N--半導体領域220Nと接続され、P型の極性を有する領域である。P-不純物領域222Pは、N--半導体領域220Nと接続され、P型の極性を有する領域である。P-不純物領域221PとP-不純物領域222Pとの間には、N--半導体領域220Nが介在している。N-不純物領域223Nは、P-不純物領域222Pと接続されている。
ゲート電極227は、P-不純物領域221PおよびP-不純物領域222Pとそれぞれ接続されている。
このような出力端子静電気保護回路2Cでは、双方向ダイオードを構成するN+コンタクト領域208Nと、PMOSトランジスター801を構成するN+コンタクト領域224Nと、が配線1302を介して電気的に接続されている。
以上のような出力端子静電気保護回路2Cでは、双方向ダイオードを構成するN--半導体領域204Nと、PMOSトランジスター801を構成するN--半導体領域220Nとが、P-不純物領域211Pを介して互いに分離されている。このとき、PMOSトランジスター801とP-不純物領域221Pとの間の耐圧を、出力端子静電気保護回路2Cの正の保持電圧より高くするためには、P-不純物領域211PとP-不純物領域221Pとの距離Aを長くする必要がある。そうすると、出力端子静電気保護回路2Cの小型化が困難になるという課題がある。
そこで、本実施形態に係る静電気保護回路が適用された、図15に示す出力端子静電気保護回路2Dについて説明する。出力端子静電気保護回路2Dは、図14に示す、双方向ダイオードを構成するN--半導体領域204Nと、図14に示す、PMOSトランジスター801を構成するN--半導体領域220Nと、が一体になったN--半導体領域230Nを備えている。
換言すれば、N--半導体領域230N(第1半導体領域)は、双方向ダイオードを構成するN--半導体領域204Nを延長し、第1スイッチ回路SW1を構成するPMOSトランジスター801とP型半導体基板203Pとの間に介在させてなるものである。
このような構成によれば、図14に設けられた、N--半導体領域204NとN--半導体領域220Nとを分離するP-不純物領域211Pを省略することができる。また、図14に設けられた、N+コンタクト領域208NとN+コンタクト領域224Nとを電気的に接続する配線1302も省略することができる。これにより、距離Aに相当するスペースが不要になるとともに、配線1302に必要なスペースも不要になる。その結果、出力端子静電気保護回路2Dは、出力端子静電気保護回路2Cに比べて小型化を図ることができる。
以上のような第5実施形態においても、第2実施形態と同様の効果が得られる。
6.第6実施形態
次に、第6実施形態に係る静電気保護回路について説明する。
図16は、図11の出力端子静電気保護回路に、第6実施形態に係る静電気保護回路を適用したときの断面構造を示す縦断面図である。
以下、第6実施形態について説明するが、以下の説明では、第3、第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。なお、図16において、第3、第4実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。また、図16では、説明の便宜のため、第1ダイオード201と第2ダイオード202との接続点をノードN3とする。
出力端子静電気保護回路2Eでは、双方向ダイオード(第1ダイオード201および第2ダイオード202)と隣り合う位置にPNPバイポーラートランジスター1001、1002が設けられている。
より具体的には、図16に示す出力端子静電気保護回路2Eは、N--半導体領域240Nと、P-不純物領域241Pと、N-不純物領域242Nと、P-不純物領域243Pと、N-不純物領域244Nと、P-不純物領域245Pと、を備えている。そして、N--半導体領域240Nと、P-不純物領域241Pと、N-不純物領域242Nと、P-不純物領域243Pと、により、PNPバイポーラートランジスター1001が構成されている。また、N--半導体領域240Nと、P-不純物領域243Pと、N-不純物領域244Nと、P-不純物領域245Pと、により、PNPバイポーラートランジスター1002が構成されている。
N--半導体領域240Nは、P型半導体基板203Pに隣接して配置され、N型の極性を有する領域である。
P-不純物領域241P、243P、245Pは、それぞれ、N--半導体領域240Nと接続され、P型の極性を有する領域である。N-不純物領域242N、244Nは、それぞれ、N--半導体領域240Nと接続され、N型の極性を有する領域である。
また、PNPバイポーラートランジスター1001は、P-不純物領域241Pと接続されたP+コンタクト領域246Pと、N-不純物領域242Nと接続されたN+コンタクト領域247Nと、P-不純物領域243Pと接続されたP+コンタクト領域248Pと、を備えている。同様に、PNPバイポーラートランジスター1002は、P-不純物領域243Pと接続されたP+コンタクト領域248Pと、N-不純物領域244Nと接続されたN+コンタクト領域249Nと、P-不純物領域245Pと接続されたP+コンタクト領域250Pと、を備えている。
そして、P+コンタクト領域246PがPNPバイポーラートランジスター1001のエミッター(Emitter)となり、N+コンタクト領域247NがPNPバイポーラートランジスター1001のベース(Base)となり、P+コンタクト領域248PがPNPバイポーラートランジスター1001のコレクター(Collector)となる。同様に、P+コンタクト領域248PがPNPバイポーラートランジスター1002のコレクター(Collector)となり、N+コンタクト領域249NがPNPバイポーラートランジスター1002のベース(Base)となり、P+コンタクト領域250PがPNPバイポーラートランジスター1002のエミッター(Emitter)となる。
したがって、出力端子静電気保護回路2Eでは、P+コンタクト領域248Pが、PNPバイポーラートランジスター1001とPNPバイポーラートランジスター1002の間で共通のコレクターとなっている。このため、P+コンタクト領域248Pと接続されたP-不純物領域243Pについても、PNPバイポーラートランジスター1001とPNPバイポーラートランジスター1002の間で共通化することができる。その結果、出力端子静電気保護回路2Eが占めるレイアウト面積を小さくすることができ、出力端子静電気保護回路2Eの小型化を図ることができる。
また、前述した第3実施形態では、PNPバイポーラートランジスター1001のベース・エミッター間の耐圧を、第1ダイオード201の耐圧と等しくしたり、第1ダイオード201の耐圧より低くしたりすることが求められる。同様に、PNPバイポーラートランジスター1002のベース・エミッター間の耐圧を、第2ダイオード202の耐圧と等しくしたり、第2ダイオード202の耐圧より低くしたりすることが求められる。
そこで、出力端子静電気保護回路2Eでは、P-不純物領域241PとN-不純物領域242Nとの間にN--半導体領域240Nを介在させている。そして、P-不純物領域241PとN-不純物領域242Nとの距離L3を調整することによって、PNPバイポーラートランジスター1001のベース・エミッター間の耐圧が調整されるようになっている。したがって、例えば、PNPバイポーラートランジスター1001のベース・エミッター間の耐圧を、第1ダイオード201の耐圧と等しくするためには、距離L3と、前述した距離L1と、を等しくすればよく、PNPバイポーラートランジスター1001のベース・エミッター間の耐圧を、第1ダイオード201の耐圧より低くするためには、距離L3を、距離L1より短くすればよい。
同様に、出力端子静電気保護回路2Eでは、P-不純物領域245PとN-不純物領域244Nとの間にN--半導体領域240Nを介在させている。そして、P-不純物領域245PとN-不純物領域244Nとの距離L4を調整することによって、PNPバイポーラートランジスター1002のベース・エミッター間の耐圧が調整されるようになっている。したがって、例えば、PNPバイポーラートランジスター1002のベース・エミッター間の耐圧を、第2ダイオード202の耐圧と等しくするためには、距離L4と、前述した距離L2と、を等しくすればよく、PNPバイポーラートランジスター1002のベース・エミッター間の耐圧を、第2ダイオード202の耐圧より低くするためには、距離L4を、距離L2より短くすればよい。
以上のように、出力端子静電気保護回路2Eは、N--半導体領域240N(第2半導体領域)と、P-不純物領域241P(第3不純物領域)と、N-不純物領域242N(第4不純物領域)と、P-不純物領域243P(第7不純物領域)と、N-不純物領域244N(第6不純物領域)と、P-不純物領域245P(第5不純物領域)と、を備えている。N--半導体領域240N(第2半導体領域)は、N型(第1伝導型)の極性を有する領域である。P-不純物領域241P(第3不純物領域)は、N--半導体領域240NおよびPNPバイポーラートランジスター1001(第1バイポーラートランジスター)のエミッターに接続され、P型(第2伝導型)の極性を有する不純物領域である。N-不純物領域242N(第4不純物領域)は、N--半導体領域240NおよびPNPバイポーラートランジスター1001のベースに接続され、N型の極性を有する不純物領域である。P-不純物領域245P(第5不純物領域)は、N--半導体領域240NおよびPNPバイポーラートランジスター1002(第2バイポーラートランジスター)のエミッターに接続され、P型の極性を有する不純物領域である。N-不純物領域244N(第6不純物領域)は、N--半導体領域240NおよびPNPバイポーラートランジスター1002のベースに接続され、N型の極性を有する不純物領域である。P-不純物領域243P(第7不純物領域)は、N--半導体領域240N、PNPバイポーラートランジスター1001のコレクターおよびPNPバイポーラートランジスター1002のコレクターに接続され、P型の極性を有する不純物領域である。
このような構成によれば、P-不純物領域243Pを、PNPバイポーラートランジスター1001、1002で共通化することができる。これにより、出力端子静電気保護回路2Eが占めるレイアウト面積を小さくすることができ、出力端子静電気保護回路2Eの小型化を図ることができる。
7.電子機器
次に、実施形態に係る電子機器について説明する。
図17は、実施形態に係る電子機器の構成例を示すブロック図である。
図17に示すように、この電子機器100は、CPU220(中央演算処理装置)と、操作部230と、ROM240(リードオンリー・メモリー)と、RAM250(ランダムアクセス・メモリー)と、通信部260と、表示部270と、音声出力部280と、を備えている。
ここで、CPU220、ROM240、RAM250、通信部260、表示部270および音声出力部280のうちの少なくとも一部は、図示しないが、前記実施形態に係る半導体装置10に内蔵されている。つまり、電子機器100は、各機能を実現する機能部と、前述した静電気保護回路と、を内蔵する半導体装置10を備えている。これにより、半導体装置10では、内蔵されたCPU220等を、静電サージや異常信号等から保護することができる。そして、信頼性が高く、かつ低コストの電子機器100を実現することができる。
なお、図17に示す構成要素の一部は、省略または変更されていてもよく、図17に示す構成要素に他の構成要素が付加されていてもよい。
CPU220は、ROM240等に記憶されているプログラムにしたがって、外部から供給されるデータ等を用いて各種の信号処理や制御処理を行う。例えば、CPU220は、操作部230から供給される操作信号に応じて各種の信号処理を行ったり、外部との間でデータ通信を行うために通信部260を制御したり、表示部270に各種の画像を表示させるための画像信号を生成したり、音声出力部280に各種の音声を出力させるための音声信号を生成したりする。
操作部230は、例えば、操作キーやボタンスイッチ等を含む入力装置であり、ユーザーによる操作に応じた操作信号をCPU220に出力する。ROM240は、CPU220が各種の信号処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶する。RAM250は、CPU220の作業領域として用いられ、ROM240から読み出されたプログラムやデータ、操作部230を用いて入力されたデータ、または、CPU220がプログラムにしたがって実行した演算結果等を一時的に記憶する。
通信部260は、例えば、アナログ回路およびデジタル回路で構成され、CPU220と外部装置との間のデータ通信を行う。表示部270は、例えば、LCD(液晶表示装置)等を含み、CPU220から供給される画像信号に基づいて各種の画像を表示する。
音声出力部280は、例えば、スピーカー等を含み、CPU220から供給される音声信号に基づいて音声を出力する。
このような電子機器100としては、例えば、腕時計や置時計等の時計、タイマー、携帯電話機等の移動端末、デジタルスチルカメラ、デジタルムービー、テレビ、テレビ電話、防犯用テレビモニター、ヘッドマウント・ディスプレイ、パーソナルコンピューター、プリンター、ネットワーク機器、複合機、車載装置、電卓、電子辞書、電子ゲーム機器、ロボット、測定機器、医療機器等が挙げられる。
8.移動体
次に、実施形態に係る移動体について説明する。
図18は、実施形態に係る移動体を適用した自動車を示す斜視図である。
図18に示す自動車150(移動体)は、前記実施形態に係る半導体装置10を備えている。具体的には、半導体装置10は、例えば、カーナビゲーションシステム、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エンジンコントロールユニット、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池制御ユニット、車体姿勢制御システム、自動運転システムのような電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)、駆動用モーター、ジェネレーター、エアコンユニット等の各種自動車部品に内蔵される。そして、信頼性が高く、かつ低コスト化が可能な自動車150を実現することができる。
なお、本実施形態に係る移動体は、図18に示す自動車の他、例えば、二輪車、自転車、航空機、ヘリコプター、ドローン、船舶、潜水艦、鉄道、ロケット、宇宙船等にも適用することができる。
以上、本発明の静電気保護回路、半導体装置、電子機器および移動体を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の静電気保護回路、半導体装置、電子機器および移動体は、前記実施形態の各部の構成を、同様の機能を有する任意の構成に置換したものであってもよく、前記実施形態に任意の構成物が付加されたものであってもよい。また、前記実施形態では、P型半導体基板を用いているが、N型半導体基板を用いるようにしてもよい。