JP7396082B2 - 予測方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法及び予測システム - Google Patents

予測方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法及び予測システム Download PDF

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Description

本発明は、予測方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法及び予測システムに関する。
非水系電解質二次電池は、携帯電話及びノート型パソコン等の携帯電子機器、及びハイブリット自動車等の電気自動車等の電池として広く使用されている。このような非水系電解質二次電池として、リチウムイオン二次電池がある。リチウムイオン二次電池は、正極、負極、電解液等で構成され、正極活物質負及び極活物質として、リチウムを脱離及び挿入することが可能な材料が用いられている。
リチウムイオン二次電池の正極材料として、層状又はスピネル型のリチウム複合酸化物の使用が提案されている。リチウム複合酸化物としては、例えば、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)や、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)、マンガンを用いたリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)、リチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn0.5)、及びリチウム過剰ニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiMnO-LiNiMnCo)等がある。
リチウム複合酸化物は、ニッケル等を含む金属複合化合物とリチウム化合物とを含む混合してリチウム混合物(混合物)を調整した後、混合物の粉末を匣鉢等の容器に入れて、ローラーハースキルン(RHK)やプッシャー式トンネル炉の横型の焼成炉等で、炉内を所定の温度、時間及び雰囲気に制御して焼成することで得られる。
例えば、特許文献1には、ニッケル化合物粉末とリチウム化合物粉末との混合物をセラミック製の焼成容器に充填した後、混合物が充填された容器をローラーハースキルンやプッシャー炉等の連続焼成炉の中に連続的に送り込んで所定の温度及び所定の時間で焼成処理することが行われている。合成反応が生じて混合物からリチウムニッケル複合酸化物粉末を生成し、正極活物質を製造することが開示されている。
特開2019-96424号公報
しかしながら、混合物を同一条件で焼成しても、設備の劣化、又は使用原料である金属複合化合物及びリチウム化合物を構成する組成等の微少な変化等が原因となって、混合物から生成される正極活物質の物性値や特性値等が時間と共に変化する可能性がある。そのため、正極活物質が所定の物性値又は特性値を有しているか確認する必要がある。
正極活物質が所定の物性値や特性値を有しているか確認するためには、オフラインで正極活物質を分析する必要があり、分析結果が確認できるまでには24時間以上要する場合がある。そのため、正極活物質が所定の物性値や特性値を有していない不良品が発生している場合、不良品を継続して製造することになる。
本発明に係る予測方法の一態様は、正極活物質の製造時において、リチウム化合物及び金属複合化合物を含む混合物の焼成を連続的かつ効率的に行い、品質の安定した正極活物質を製造できる予測方法を提供することを目的とする。
本発明に係る予測方法の一態様は、焼成容器に入れた、リチウム化合物及び金属複合化合物を含む混合物を焼成炉で焼成して得られるリチウムイオン二次電池用正極活物質の物性に関する情報を取得する予測方法であって、
前記混合物に関する情報、前記焼成容器に関する情報及び前記焼成炉の運転条件に関する情報を含む入力情報と、前記焼成炉で焼成して得られた前記リチウムイオン二次電池用正極活物質の物性に関する情報を含む出力情報との対応関係を学習した学習モデルに、前記混合物に関する情報、前記焼成容器に関する情報及び前記焼成炉の運転条件に関する情報を含む予測用入力情報を入力する入力工程と、
前記学習モデルに入力された前記予測用入力情報に基づいて、前記焼成炉で焼成して得られた前記リチウムイオン二次電池用正極活物質の物性に関する情報を含む予測用出力情報を出力する予測工程と、
を含む。
本発明に係る予測方法の一態様は、正極活物質の製造時において、リチウム化合物及び金属複合化合物を含む混合物の焼成を連続的かつ効率的に行い、品質の安定した正極活物質を製造できる。
本発明の実施形態に係る予測システムの機能を示すブロック図である。 学習用データの一例を示す図である。 予測システムのハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る予測方法を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態に係る正極活物質の製造方法を説明するフローチャートである。 調整工程を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本明細書において数値範囲を示すチルダ「~」は、別段の断わりがない限り、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
一実施形態に係る予測方法について説明するに当たり、一実施形態に係る予測方法を用いて製造するリチウムイオン二次電池用正極活物質(以下、単に「正極活物質」とも記載する)について説明する。
<リチウムイオン二次電池用正極活物質>
本実施形態に係る正極活物質は、リチウム複合酸化物の粒子を含むことができる。
リチウム複合酸化物は、組成は限定されないが、リチウム金属複合酸化物が挙げられる。リチウム金属複合酸化物として、例えば、リチウムニッケル複合酸化物が挙げられる。リチウムニッケル複合酸化物は、例えば、リチウム(Li)と、ニッケル(Ni)と、コバルト(Co)と、元素M(M)とを物質量の比で、Li:Ni:Co:M=1+a:1-x-y:x:yの割合で含有することができる。ただし、上記式中のa、x、yは、それぞれ-0.05≦a≦0.50、0≦x≦0.35、0≦y≦0.35を満たすことが好ましい。また、元素Mは、Mg、Ca、Al、Si、Fe、Cr、Mn、V、Mo、W、Nb、Ti、Zr、及びTaから選ばれる少なくとも1種の元素とすることができる。
リチウムニッケル複合酸化物は、例えば、一般式Li1+aNi1-x-yCo2+αで表すことができる。なお、上記一般式中のa、x及びyについては既述のため、ここでは説明を省略する。また、αは、例えば0≦α≦0.10であることが好ましい。
正極活物質は、ニッケル複合化合物とリチウム化合物とを混合した原料混合物(リチウム複合酸化物前駆体ともいう)を用いて得ることができる。
ニッケル複合化合物は、目的とするリチウム複合酸化物に対応した組成を有することが好ましい。
例えば、上述の組成比を有するリチウム複合酸化物を得る場合、ニッケル複合化合物は、ニッケル(Ni)と、コバルト(Co)と、元素M(M)とを物質量の比で、Ni:Co:M=1-x-y:x:yの割合で含有することができる。ただし、上記式中のx及びyについては、既述の範囲を充足することが好ましい。また、元素Mは、上述と同様の元素を用いることができる。
リチウム化合物は、例えば、炭酸リチウム、及び水酸化リチウム等から選択された1種類以上を用いることができる。なお、水酸化リチウムは水和水を有する場合があり、水和水を有するまま用いることもできるが、予め焙焼し、水和水を低減しておくことが好ましい。水酸化リチウムは、特に無水化した無水水酸化リチウムを用いることが好ましい。
ニッケル複合化合物とリチウム化合物との混合比は、特に限定されない。ただし、リチウム複合酸化物前駆体を焼成した前後で、リチウムの原子数(Li)と、リチウム複合酸化物中のリチウム以外の金属の原子数(Me)との比(Li/Me)はほとんど変化しない。そのため、リチウム複合酸化物前駆体中のLi/Meが、得られるリチウム複合酸化物におけるLi/Meとほぼ同じになる。よって、リチウム複合酸化物前駆体におけるLi/Meは、得ようとするリチウム複合酸化物におけるLi/Meと同じになるように混合することが好ましい。
例えば、Li/Meが0.95以上1.5以下となるように、リチウム化合物とニッケル複合化合物とは混合することが好ましい。特に、上記リチウム複合酸化物前駆体中のLi/Meが1.0以上1.2以下となるように、リチウム化合物とニッケル複合化合物とを混合することがより好ましい。
正極活物質は、焼成容器に入れた原料混合物を焼成炉で焼成することで得られる。正極活物質の製造方法の詳細については、後述する。
<予測システム>
本実施形態に係る予測方法について説明するに当たり、本実施形態に係る予測方法が適用される、一実施形態に係る予測システムの構成について説明する。
一実施形態に係る予測システムは、焼成容器に入れた原料混合物を焼成炉で焼成して得られる正極活物質の物性に関する情報を予測する。
図1は、本実施形態に係る予測システムの機能を示すブロック図である。図1に示すように、予測システム1は、学習モデル10と、学習用データ作成部20と、学習部30と、入力部40と、予測部50と、表示部60を備える。
学習モデル10は、原料混合物に関する情報、匣鉢等の焼成容器に関する情報及び焼成炉の運転条件に関する情報を含む入力情報と、原料混合物を焼成炉で焼成して得られた正極活物質の物性に関する情報を含む出力情報との対応関係を機械学習により取得して定式化したものである。学習モデル10は、学習用データ作成部20に記憶されている学習用データを利用して学習部30で機械学習が行われることで得られる、入力情報と出力情報との対応関係の学習結果、すなわち入出力関係の学習結果が適用される。学習モデル10は、入力情報を入力データとし、出力情報を出力データとし、入力情報と出力情報との入出力関係をモデル化して算出可能とするためのプログラムである。なお、学習モデル10は、関数などの数式で表してもよい。
学習モデル10は、機械学習の中でも、教師あり学習のアルゴリズムを適用することが好ましい。教師あり学習として、例えば、線形回帰(Linear regression)、ロジスティック回帰(Logistic regression)、ランダムフォレスト(Random Forest)、ブースティング(Boosting)、サポートベクターマシン(Support Vector Machine、SVM)、ニューラルネットワーク(Neural Network)等が挙げられる。ニューラルネットワークは、ニューラルネットワークを3層よりも多層にした深層学習(ディープラーニング)を用いることができる。ニューラルネットワークの種類としては、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network、CNN)、回帰型(再帰型)ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network、RNN)及び一般回帰ニューラルネットワーク(General Regression Neural Network)等を用いることができる。
入力情報は、原料混合物に関する情報、焼成容器に関する情報、焼成炉の運転条件に関する情報等を含むことができ、これらの情報以外に適宜必要な情報を含んでもよい。
原料混合物に関する情報としては、例えば、原料混合物を構成するリチウム化合物の情報、金属複合化合物の情報、リチウム化合物と金属複合化合物との混合情報等が挙げられる。
リチウム化合物の情報としては、例えば、リチウム化合物の製造元、リチウム化合物の粒度分布、リチウム化合物の水分率等が挙げられる。
金属複合化合物の情報としては、例えば、金属複合化合物の製造元、金属複合化合物の粒径、金属複合化合物の主成分品位、金属複合化合物の不純物濃度、金属複合化合物の製造温度等が挙げられる。
混合情報としては、ニッケル複合化合物とリチウム化合物との混合比、混合方法等が挙げられる。
焼成容器に関する情報としては、例えば、焼成容器の情報、焼成炉の情報及び焼成炉の運転条件等が挙げられる。
焼成容器の情報としては、例えば、焼成容器の製造元、焼成容器の大きさ及び容量、焼成容器の使用回数等が挙げられる。
焼成炉の情報としては、例えば、焼成炉の製造元、焼成炉の大きさ及び容量、焼成炉の使用回数等が挙げられる。
焼成炉の運転条件としては、例えば、焼成容器内の混合物の量、焼成炉の温度パターン、焼成時間(搬送速度)、焼成炉内の酸素分圧、焼成炉内の水蒸気分圧、ダンパー開閉度等が挙げられる。
出力情報は、焼成炉で焼成して得られる正極活物質の物性に関する情報を含むことができ、適宜必要な情報を含んでもよい。
正極活物質の物性に関する情報は、正極活物質の組成が予定通りの組成となっているか等、正極活物質の品質状況を含む。品質状況としては、例えば、比表面積、リチウムの溶出量、水分率、硬度等が挙げられる。
学習用データ作成部20は、学習モデル10の学習用データを作成する。学習用データは、入力情報と出力情報とを含む。
図2は、学習用データの一例を示す図である。図2に示すように、学習用データは、入力情報として、混合物に関する情報、焼成容器に関する情報及び焼成炉の運転条件に関する情報を含み、出力情報として、焼成炉で焼成して得られるリチウムイオン二次電池用正極活物質の物性に関する情報を含む。
学習用データ作成部20は、学習用データに、予測用に用いられる入力情報(予測用入力情報)と、予測用入力情報から予測された出力情報(予測用出力情報)又は予測用入力情報から得られた実際の出力情報を、入力情報及び出力情報として入力して、学習用データを更新することができる。
学習部30は、学習用データ作成部20により作成された学習用データを用いて、入力情報と出力情報との対応関係を表す学習モデル10を機械学習によって学習する。学習部30は、例えば、学習モデル10の入出力関係が学習用データの入出力関係に近づくように、学習モデル10を学習することが好ましい。機械学習の詳細は、学習モデル10と同様であるため、説明は省略する。
入力部40は、予測用入力情報が入力される。
予測用入力情報は、上述の入力情報と同様の情報を含むことができる。予測用入力情報としては、学習モデル10に入力された、混合物に関する情報、焼成容器に関する情報及び焼成炉の運転条件に関する情報等を含む入力情報と同様の情報を含むことができるため、情報の詳細について省略する。
予測部50は、学習モデル10に入力された予測用入力情報に基づいて、予測用出力情報を出力する。
予測用出力情報は、上述の出力情報と同様の情報を含むことができる。予測用出力情報としては、学習モデル10から出力された、正極活物質の物性に関する情報を含む出力情報等を含む出力情報と同様の情報を含むことができるため、情報の詳細について省略する。
表示部60は、予測部50で出力された予測用出力情報を表示する。
<予測システムのハードウェア構成>
次に、予測システムのハードウェア構成の一例について説明する。図3は、予測システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。図6に示すように、予測システム1は、情報処理装置(コンピュータ)で構成され、物理的には、演算処理部であるCPU(Central Processing Unit:プロセッサ)101、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)102及びROM(Read Only Memory)103、入力デバイスである入力装置104、出力装置105、通信モジュール106並びにハードディスク等の補助記憶装置107等を含むコンピュータシステムとして構成することができる。これらは、バス108で相互に接続されている。なお、出力装置105及び補助記憶装置107は、外部に設けられていてもよい。
CPU101は、予測システム1の全体の動作を制御し、各種の情報処理を行う。CPU101は、ROM103又は補助記憶装置107に格納された予測プログラムを実行して、測定収録画面と解析画面の表示動作を制御する。
RAM102は、CPU101のワークエリアとして用いられ、主要な制御パラメータや情報を記憶する不揮発RAMを含んでもよい。
ROM103は、基本入出力プログラム等を記憶する。予測プログラムはROM103に保存されてもよい。
入力装置104は、キーボード、マウス、操作ボタン、タッチパネル等である。
出力装置105は、モニタディスプレイ等である。出力装置105では、予測結果等が表示され、入力装置104や通信モジュール106を介した入出力操作に応じて画面が更新される。
通信モジュール106は、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスであり、外部のデータ収録サーバ等からの情報を取り込み、他の電子機器に解析情報を出力する通信インタフェースとして機能する。
補助記憶装置107は、SSD(Solid State Drive)、及びHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置であり、例えば、予測プログラムや予測システム1の動作に必要な各種のデータ、ファイル等を格納する。
図1に示す予測システム1の各機能は、CPU101、RAM102等の主記憶装置又は補助記憶装置107に所定のコンピュータソフトウェア(予測プログラムを含む)を読み込ませ、RAM102、ROM103又は補助記憶装置107に格納された予測プログラム等をCPU101により実行する。入力装置104、出力装置105及び通信モジュール106を動作させると共に、RAM102、ROM103及び補助記憶装置107等におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで、予測システム1の各機能は、実現される。すなわち、本実施形態の予測プログラムをコンピュータ上で実行させることで、予測システム1は、図1の、学習モデル10と、学習用データ作成部20と、学習部30と、入力部40と、予測部50と、表示部60として機能する。
本実施形態の予測プログラムは、例えばコンピュータが備える記憶装置内に格納される。なお、予測プログラムは、その一部又は全部が、通信回線等の伝送媒体を介して伝送され、コンピュータが備える通信モジュール106等により受信されて記録(インストールを含む)される構成としてもよい。また、予測プログラムは、その一部又は全部が、CD-ROM、DVD-ROM、フラッシュメモリなどの持ち運び可能な記憶媒体に格納された状態から、コンピュータ内に記録(インストールを含む)される構成としてもよい。
予測システム1は、学習モデル10と、予測部50とを備える。学習モデル10は、学習部30おいて学習用データ作成部20により作成された学習用データを用いて、入力情報と出力情報との対応関係を機械学習することによって生成した学習モデルである。予測システム1は、学習モデル10に予測用入力情報を入力することで、予測用入力情報から出力情報を推論して予測用出力情報を出力することができる。そのため、予測システム1は、得られた予測用出力情報の結果に基づいて、焼成炉の運転条件等の入力条件を最適な出力情報が得られるように適宜設計することができる。よって、予測システム1は、リチウム化合物及び金属複合化合物を含む原料混合物から正極活物質を製造する際、原料混合物の焼成を連続的かつ効率的に行い、品質の安定した正極活物質を製造することができる。
予測システム1は、学習用データ作成部20と学習部30とを備える。予測システム1は、学習部30で、学習用データ作成部20により作成された学習用データを用いて、入力情報と出力情報との対応関係を表す学習モデルを学習できる。これにより、予測システム1は、学習部30で学習した学習モデルを学習モデル10として適用できる。よって、予測システム1は、学習モデル10によって、予測用入力情報から予測用出力情報をより高精度に出力できるので、原料混合物の焼成をより効率的に行うことができる。
予測システム1は、学習用データ作成部20の学習用データに入力された予測用入力情報及び予測用出力情報を入力情報及び出力情報として学習部30で学習させ、学習モデル10を更新することができる。予測システム1は、学習用データに新たに得られた入力情報及び出力情報を学習部30で学習させることで、学習モデル10を更新することができる。そのため、予測システム1は、学習モデル10に最新の入力情報及び出力情報も含めて学習させることができるので、最新のデータも考慮した上で予測用入力情報から予測用出力情報が出力されるので、さらに予測出力情報の精度を高めることができる。これにより、原料混合物をより最適な焼成条件で焼成することができ、得られる正極活物質の品質をさらに安定して一定の品質とすることができる。
なお、本実施形態では、予測システム1は、学習用データ作成部20及び学習部30を備えていなくてもよい。
本実施形態では、学習用データ作成部20は、学習用データに入力された予測用入力情報及び予測用出力情報を入力情報及び出力情報として学習して学習用データを更新しなくてもよい。
<予測方法>
次に、本実施形態に係る予測システムを用いて、一実施形態に係る予測方法について説明する。本実施形態に係る予測方法は、図1に示すような構成を有する予測システム1において、焼成容器に入れた、リチウム化合物及び金属複合化合物を含む混合物を焼成炉で焼成して得られるリチウムイオン二次電池用正極活物質の物性に関する情報を予測する。
図4は、本実施形態に係る予測方法を説明するフローチャートである。図4に示すように、本実施形態に係る予測方法は、学習用データの作成工程(ステップS11)、モデルの学習工程(ステップS12)、予測用入力情報の入力工程(ステップS13)、出力情報の予測工程(ステップS14)、予測出力情報の表示工程(ステップS15)及び学習用データの更新工程(ステップS16)を含む。
予測システム1は、学習用データ作成部20により、学習モデル10の学習用データを作成する(学習用データの作成工程:ステップS11)。学習用データ作成部20は、入力情報と出力情報との対応関係を学習し、図2に示すような学習用データを作成する。
次に、予測システム1は、学習部30により、ステップS11にて作成された学習用データを用いて、学習モデル10を学習する(モデルの学習工程:ステップS12)。
学習部30は、学習用データ作成部20により作成された学習用データを、深層学習(ディープラーニング)等の機械学習を用いて、入力情報と出力情報との対応関係を表す学習モデル10を学習する。学習部30は、学習用データの入力情報の内容に応じて、この入力情報に関連した出力情報と合致した出力となるように、学習モデル10を学習する。学習部30は、上述の通り、線形回帰(Linear regression)、ロジスティック回帰(Logistic regression)、ランダムフォレスト(Random Forest)、ブースティング(Boosting)、サポートベクターマシン(Support Vector Machine、SVM)、及び、ニューラルネットワーク(Neural Network)等のアルゴリズムを教師あり学習モデルとして適用できる。
次に、予測システム1は、入力部40により、用いる予測用入力情報を入力する(予測用入力情報の入力工程:ステップS13)。
入力部40への予測用入力情報の入力は、混合物を焼成炉に投入する前に行ってもよいし、混合物を焼成炉に投入した後に行ってもよい。
次に、予測システム1は、予測部50により、学習モデル10を用いて、対象材料である原料混合物を焼成して生成される正極活物質の出力情報を予測する(出力情報の予測工程:ステップS14)。予測部50は、ステップS13にて入力された予測入力情報をステップS12にて機械学習が済んだ学習モデル10へ入力し、学習モデル10から出力される正極活物質の物性に関する情報等の予測結果である予測用出力情報を取得する。
次に、予測システム1は、表示部60により、予測部50により出力された予測用出力情報を表示する(予測出力情報の表示工程:ステップS15)。
次に、予測システム1は、学習用データ作成部20により、学習用データに予測用入力情報及び予測用出力情報を入力情報及び出力情報として入力して、学習用データを更新する(学習用データの更新工程:ステップS16)。
本実施形態に係る予測方法は、入力工程(ステップS13)と、予測工程(ステップS14)とを含む。入力工程(ステップS13)で、学習モデル10に予測入力情報を入力する。学習モデル10は、学習部30において学習用データ作成部20により作成された学習用データを用いて、入力情報と出力情報との対応関係を機械学習することによって生成した学習モデルである。本実施形態に係る予測方法は、入力工程(ステップS13)で、学習モデル10に予測用入力情報を入力することで、予測工程(ステップS14)で、予測用入力情報から出力情報を推論して予測用出力情報を出力することができる。そのため、本実施形態に係る予測方法によれば、得られた予測用出力情報の結果に基づいて、焼成炉の運転条件等の入力条件を最適な出力情報が得られるように適宜設計することができる。よって、本実施形態に係る予測方法は、リチウム化合物及び金属複合化合物を含む原料混合物から正極活物質を製造する際、原料混合物の焼成を連続的かつ効率的に行い、品質の安定した正極活物質を製造することができる。
本実施形態に係る予測方法は、学習用データの作成工程(ステップS11)と、モデルの学習工程(ステップS12)とを含むことができる。本実施形態に係る予測方法は、モデルの学習工程(ステップS12)において、学習用データの作成工程(ステップS11)で作成された学習用データを用いて、入力情報と出力情報との対応関係を表す学習モデルを学習できる。これにより、本実施形態に係る予測方法は、学習工程(ステップS12)で学習した学習モデルを学習モデル10として適用できる。よって、本実施形態に係る予測方法は、学習モデル10によって、予測用入力情報から予測用出力情報をより高精度に出力できるので、原料混合物の焼成をより効率的に行うことができる。
本実施形態に係る予測方法は、学習用データの更新工程(ステップS16)を含むことができる。本実施形態に係る予測方法は、学習用データの更新工程(ステップS16)で、学習用データ作成部20の学習用データに入力された予測用入力情報及び予測用出力情報を入力情報及び出力情報として学習部30で学習させ、学習モデル10を更新することができる。本実施形態に係る予測方法は、学習用データに新たに得られた入力情報及び出力情報を学習部30で学習させることで、学習モデル10を更新することができる。そのため、本実施形態に係る予測方法は、学習モデル10に最新の入力情報及び出力情報も含めて学習させることができるので、最新のデータも考慮した上で予測用入力情報から予測用出力情報が出力されるので、さらに予測出力情報の精度を高めることができる。これにより、原料混合物をより最適な焼成条件で焼成することができ、得られる正極活物質の品質をさらに安定して一定の品質とすることができる。
本実施形態に係る予測方法は、入力工程(ステップS13)を、原料混合物を焼成炉に投入する前、又は投入後に行うことができるので、原料混合物の投入前又は投入中に、得られる正極活物質の品質を予測できる。これにより、正極活物質の製造前又は製造中に、一定の品質を有する正極活物質を製造することができる。
なお、本実施形態では、予測出力情報の表示工程(ステップS15)は、予測出力情報の表示が不要の場合には、行わなくてもよい。
本実施形態では、学習用データの更新工程(ステップS16)は、学習用データの更新が不要の場合には、行わなくてもよい。
<リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法>
本実施形態に係る予測方法を適用した、本実施形態に係る正極活物質の製造方法について説明する。図5は、本実施形態に係る正極活物質の製造方法を説明するフローチャートである。図5に示すように、本実施形態に係る正極活物質の製造方法は、準備工程(ステップS21)と、学習用データの作成工程(ステップS22)と、モデルの学習工程(ステップS23)、予測用入力情報の入力工程(ステップS24)、出力情報の予測工程(ステップS25)、予測出力情報の表示工程(ステップS26)、学習用データの更新工程(ステップS27)と、調整工程(ステップS28)と、焼成工程(ステップS29)とを含むことができる。
(1)準備工程
準備工程では、ニッケル複合化合物とリチウム化合物とを混合して、原料混合物(リチウム複合酸化物前駆体ともいう)を準備する(準備工程:ステップS21)。ニッケル複合化合物、リチウム化合物及びリチウム複合酸化物前駆体は、上述のニッケル複合化合物、リチウム化合物及びリチウム複合酸化物前駆体を用いることができるため、これらの説明は省略する。ニッケル複合化合物とリチウム化合物との混合方法についても、上述で説明しているため、説明は省略する。得られた原料混合物は、匣鉢等の焼成容器に入れて搬送される。
(2)学習用データの作成工程
学習用データの作成工程では、学習用データ作成部20により、学習モデル10の学習用データを作成する(学習用データの作成工程:ステップS22)。学習用データの作成工程(ステップS22)は、上記の図4に示す本実施形態に係る予測方法の学習用データの作成工程(ステップS11)と同様に行うことできるため、詳細は省略する。
(3)モデルの学習工程
モデルの学習工程では、学習部30により、ステップS22にて作成された学習用データを用いて、学習モデル10を学習する(モデルの学習工程:ステップS23)。モデルの学習工程(ステップS23)は、上記の図4に示す本実施形態に係る予測方法の学習用データの作成工程(ステップS12)と同様に行うことできるため、詳細は省略する。
(4)予測用入力情報の入力工程
予測用入力情報の入力工程では、入力部40により、用いる予測用入力情報を入力する(予測用入力情報の入力工程:ステップS24)。予測用入力情報の入力工程(ステップS24)は、上記の図4に示す本実施形態に係る予測方法の予測用入力情報の入力工程(ステップS13)と同様に行うことできるため、詳細は省略する。
(5)出力情報の予測工程
出力情報の予測工程では、予測部50により、学習モデル10を用いて、対象材料である原料混合物を焼成して生成される正極活物質の出力情報を予測する(出力情報の予測工程:ステップS25)。出力情報の予測工程(ステップS25)は、上記の図4に示す本実施形態に係る予測方法の出力情報の予測工程(ステップS14)と同様に行うことできるため、詳細は省略する。
(6)予測出力情報の表示工程
予測出力情報の表示工程では、表示部60により、予測部50により出力された予測用出力情報を表示する(予測出力情報の表示工程:ステップS26)。予測出力情報の表示工程(ステップS26)は、上記の図4に示す本実施形態に係る予測方法の予測出力情報の表示工程(ステップS15)と同様に行うことできるため、詳細は省略する。
(7)学習用データの更新工程
学習用データの更新工程では、学習用データ作成部20により、学習用データに予測用入力情報及び予測用出力情報を入力情報及び出力情報として入力して、学習用データを更新する(学習用データの更新工程:ステップS27)。学習用データの更新工程(ステップS27)は、上記の図4に示す本実施形態に係る予測方法の学習用データの更新工程(ステップS16)と同様に行うことできるため、詳細は省略する。
(8)調整工程
予測工程で予測された出力情報に基づいて、焼成炉の運転条件を調整する(調整工程:ステップS28)。焼成炉の運転条件は、上述の通り、焼成容器内の混合物の量、焼成炉の温度パターン、焼成時間(搬送速度)、炉内酸素分圧、炉内水蒸気分圧、ダンパー開閉度等である。
図6に、調整工程(ステップS28)における調整方法の一例を説明するフローチャートを示す。図6に示すように、予測工程で出力された予測出力情報が、予め設定した規格の範囲内であるか判断する(ステップS281)。
予測出力情報が、予め設定した規格の範囲内である(ステップS281:Yes)場合には、予測出力情報が、連続して5回以上上昇又は下降していないか判断する(焼成工程:ステップS282)。
予測出力情報が、連続して5回以上上昇又は下降していない場合(ステップS282:Yes)場合には、現在の焼成炉の運転条件で問題無いと判断でき、図5に示すように、リチウム複合酸化物前駆体を焼成する(焼成工程:ステップS29)。
一方、予測出力情報が、予め設定した規格の範囲外である(ステップS281:No)場合には、予測入力情報に近い、過去の入力情報及び出力情報を検索し(ステップS283)、焼成炉の運転条件を調整する(ステップS284)。焼成炉の運転条件として、上述の通り、焼成容器内の混合物の量、焼成炉の温度パターン、焼成時間(搬送速度)、炉内酸素分圧、炉内水蒸気分圧、ダンパー開閉度等を調整する。
次に、焼成炉の運転条件以外の条件の変更が必要であるか否か判断する(ステップS285)。焼成炉の運転条件以外の条件としては、例えば、原料混合物を焼成して得た正極活物質(焼成物)の温度を室温近くまで下げる時の冷却条件、正極活物質の塊をほぐす解砕条件、複数の焼成容器内の正極活物質を混合する混合条件等が挙げられる。
焼成炉の運転条件以外の条件の変更が必要である(ステップS285:Yes)場合には、焼成炉の運転条件以外の条件の変更が必要であることを表示部60で表示して警告する(ステップS286)。そして、焼成炉の運転条件以外の条件を適宜変更する(ステップS287)。その後、予測出力情報が、連続して5回以上上昇又は下降していないか判断する(焼成工程:ステップS282)。
また、予測出力情報が、連続して5回以上上昇又は下降している場合(ステップS282:No)場合には、焼成炉の運転条件以外の条件の変更が必要であることを表示部60で表示して警告し(ステップS288)、焼成炉の運転条件以外の条件を変更する(ステップS289)。その後、図5に示すように、リチウム複合酸化物前駆体を焼成する(焼成工程:ステップS29)。
また、焼成炉の運転条件以外の条件の変更が必要でない(ステップS285:No)場合には、予測出力情報が、連続して5回以上上昇又は下降していないか判断する(焼成工程:ステップS282)。
(9)焼成工程
次に、図5に示すように、準備工程(ステップS21)で得た原料混合物であるリチウム複合酸化物前駆体を、調整工程(ステップS28)で調整された焼成炉の運転条件に基づいて、焼成炉で焼成する(焼成工程:ステップS29)。これにより、粒子状のリチウム複合酸化物である正極活物質を得ることができる。リチウム複合酸化物前駆体は、例えば、酸素濃度が18vol%~100vol%である酸素含有雰囲気下、600℃~1050℃の温度で焼成することで正極活物質を得ることができる。
焼成容器内に充填するリチウム複合酸化物前駆体の量は、特に限定されず、焼成容器の大きさ等に応じて適宜調整される。
焼成容器内にリチウム複合酸化物前駆体を充填した際、リチウム複合酸化物前駆体の形状は特に限定されず、焼成工程において均一に加熱できるように、その形状等を選択することができる。
リチウム複合酸化物前駆体を焼成する焼成温度は、特に限定されず、リチウム複合酸化物前駆体の組成に応じて適宜設定可能である。
焼成温度を600℃以上とすることで、ニッケル複合酸化物等の金属複合化合物へのリチウム成分の拡散を十分に進行させることができ、得られるリチウム複合酸化物の特性を特に均一にすることができる。これにより、得られたリチウム複合酸化物を正極活物質として用いた場合に電池特性を特に高めることができる。また、反応を十分に進行させることができるため、余剰のリチウムの残留や、未反応の粒子が残留することを抑制できる。
焼成温度を1050℃以下とすることで、生成するリチウム複合酸化物の粒子間で焼結が進行することを抑制することができる。また、焼成温度を1050℃以下とすることで、異常粒成長の発生を抑制し、得られるリチウム複合酸化物の粒子が粗大化することを抑制することができる。
また、熱処理温度まで昇温する過程で、リチウム化合物の融点付近の温度にて1時間以上5時間以下程度保持することで、より反応を均一に行わせることができ、好ましい。
焼成工程における焼成時間のうち、所定温度、すなわち上述の焼成温度での保持時間は特に限定されないが、2時間以上とすることが好ましく、より好ましくは3時間以上である。焼成温度での保持時間を2時間以上とすることで、リチウム複合酸化物の生成を十分に促進し、未反応物が残留することをより確実に防止することができる。
焼成温度での保持時間の上限値は、特に限定されないが、生産性等を考慮して、24時間以下であることが好ましい。
焼成時の雰囲気は特に限定されないが、酸化性雰囲気とすることが好ましい。酸化性雰囲気としては、酸素含有気体雰囲気を好ましく用いることができ、例えば、酸素濃度が18vol%~100vol%の雰囲気とすることがより好ましい。
これは焼成時の雰囲気中の酸素濃度を18vol%以上とすることで、リチウム複合酸化物の結晶性を特に高めることができるからである。
酸素含有気体雰囲気とする場合、該雰囲気を構成する気体としては、例えば空気(大気)や、酸素、酸素と不活性ガスとの混合気体等を用いることができる。なお、酸素含有気体雰囲気を構成する気体として、例えば、上述のように酸素と不活性ガスとの混合気体を用いる場合、該混合気体中の酸素濃度は上述の範囲を満たすことが好ましい。特に、焼成工程においては、酸素含有気体の気流中で実施することが好ましく、空気、又は酸素気流中で行うことがより好ましい。特に電池特性を考慮すると、酸素気流中で行うことが好ましい。
焼成に用いられる炉は、特に限定されるものではなく、例えば空気又は酸素気流中でリチウム複合酸化物製造用前駆体充填物を焼成できるものを好適に用いることができ、炉内の雰囲気を均一に保つ観点から、ガス発生がない電気炉が好ましく、バッチ式又は連続式の炉をいずれも用いることができる。
このように、本実施形態に係る正極活物質の製造方法は、入力工程(ステップS24)と、予測工程(ステップS25)と、調整工程(ステップS28)と、焼成工程(ステップS29)とを含む。予測工程(ステップS25)で予測用入力情報が入力される学習モデル10は、学習部30において学習用データ作成部20により作成された学習用データを用いて、入力情報と出力情報との対応関係を機械学習することによって生成した学習モデルである。本実施形態に係る正極活物質の製造方法は、入力工程(ステップS24)で、学習モデル10に予測用入力情報を入力することで、予測工程(ステップS25)で、予測用入力情報から出力情報を推論して予測用出力情報を出力することができる。
よって、本実施形態に係る正極活物質の製造方法によれば、得られた予測用出力情報の結果から正極活物質の品質を予測することができるので、焼成炉の運転条件等の入力条件を最適な出力情報が得られるように適宜設計することができる。よって、本実施形態に係る正極活物質の製造方法は、リチウム化合物及び金属複合化合物を含む原料混合物の焼成を連続的かつ効率的に行い、品質の安定した正極活物質を製造することができる。
本実施形態に係る正極活物質の製造方法を用いれば、扱う作業員が異なる場合でも、原料混合物の混合等に応じて焼成炉の運転条件を適切に制御して、品質が安定した正極活物質を容易に製造することができる。したがって、本実施形態に係る正極活物質の製造方法を用いれば、専門技術者の知識や経験が少ない場合でも、原料混合物の焼成不良の発生等を軽減する等、原料混合物を適切に焼成できるので、安定した品質を有する正極活物質を継続して製造することができる。
[リチウムイオン二次電池]
以上の通り、本実施形態に係る正極活物質の製造方法は、リチウムイオン二次電池(以下、「二次電池」とも記載する)用の正極活物質の製造に有効に用いることができる。二次電池は、例えば、正極、負極、セパレータ及び非水系電解質を含み、一般のリチウムイオン二次電池と同様の構成要素から構成される。正極は、本実施形態に係る正極活物質の製造方法により製造した正極活物質を正極材料として用いることができる。負極、セパレータ及び非水系電解質は、公知の負極、セパレータ及び非水系電解質を用いることができる。また、非水系電解質としては、非水系電解液及び固体電解質等を用いることができる。
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更などを行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 予測システム
10 学習モデル
20 学習用データ作成部
30 学習部
40 入力部
50 予測部
60 表示部

Claims (8)

  1. 焼成容器に入れた、リチウム化合物及び金属複合化合物を含む混合物を焼成炉で焼成して得られるリチウムイオン二次電池用正極活物質の物性に関する情報を取得する予測方法であって、
    前記混合物に関する情報、前記焼成容器に関する情報及び前記焼成炉の運転条件に関する情報を含む入力情報と、前記焼成炉で焼成して得られた前記リチウムイオン二次電池用正極活物質の物性に関する情報を含む出力情報との対応関係を学習した学習モデルに、前記混合物に関する情報、前記焼成容器に関する情報及び前記焼成炉の運転条件に関する情報を含む予測用入力情報を入力する、入力情報の入力工程と、
    前記学習モデルに入力された前記予測用入力情報に基づいて、前記焼成炉で焼成して得られた前記リチウムイオン二次電池用正極活物質の物性に関する情報を含む予測用出力情報を出力する、出力情報の予測工程と、
    を含む予測方法。
  2. 前記入力情報と前記出力情報とを含む学習用データを作成する学習用データ作成工程と、
    前記学習用データを用いて、前記入力情報と前記出力情報との対応関係を表す前記学習モデルを学習する学習工程と、
    を含む請求項1に記載の予測方法。
  3. 前記学習用データに入力された前記予測用入力情報及び前記予測用出力情報を前記入力情報及び前記出力情報として学習させ、前記学習モデルを更新する更新工程を含む請求項2に記載の予測方法。
  4. 前記入力工程が、前記混合物を前記焼成炉に投入する前、又は投入後に行う、請求項1~3の何れか一項に記載の予測方法。
  5. 焼成容器に入れた、リチウム化合物及び金属複合化合物を含む混合物を焼成炉で焼成して、リチウムイオン二次電池用正極活物質を得るリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法であって、
    前記混合物に関する情報、前記焼成容器に関する情報及び前記焼成炉の運転条件に関する情報を含む入力情報と、前記焼成炉で焼成して得られた前記リチウムイオン二次電池用正極活物質の物性に関する情報を含む出力情報との対応関係を学習した学習モデルに、前記混合物に関する情報、前記焼成容器に関する情報及び前記焼成炉の運転条件に関する情報を含む予測用入力情報を入力する入力工程と、
    前記学習モデルに入力された前記予測用入力情報に基づいて、前記焼成炉で焼成して得られた前記リチウムイオン二次電池用正極活物質の物性に関する情報を含む予測用出力情報を出力する予測工程と、
    前記予測工程で予測された前記予測用出力情報に基づいて、前記焼成炉の前記運転条件を調整する調整工程と、
    前記調整工程で調整された前記焼成炉の前記運転条件に基づいて、前記混合物を前記焼成炉で焼成する焼成工程と、
    を含むリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  6. 焼成容器に入れた、リチウム化合物及び金属複合化合物を含む混合物を焼成炉で焼成して得られるリチウムイオン二次電池用正極活物質の物性に関する情報を取得する予測システムであって、
    前記混合物に関する情報、前記焼成容器に関する情報及び前記焼成炉の運転条件に関する情報を含む入力情報と、前記焼成炉で焼成して得られた前記リチウムイオン二次電池用正極活物質の物性に関する情報を含む出力情報との対応関係を学習した学習モデルと、
    前記学習モデルに入力された、前記混合物に関する情報、前記焼成容器に関する情報及び前記焼成炉の運転条件に関する情報を含む予測用入力情報に基づいて、前記焼成炉で焼成して得られた前記リチウムイオン二次電池用正極活物質の物性に関する情報を含む予測用出力情報を出力する予測部と、
    を備える予測システム。
  7. 前記入力情報と前記出力情報とを含む学習用データを作成する学習用データ作成部と、
    前記学習用データを用いて、前記入力情報と前記出力情報との対応関係を表す前記学習モデルを学習する学習部と、
    を備える請求項6に記載の予測システム。
  8. 前記学習部は、前記学習用データ作成部で前記学習用データに入力された前記予測用入力情報及び前記予測用出力情報を前記入力情報及び前記出力情報として学習し、前記学習モデルを更新する請求項7に記載の予測システム。
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