以下、図面を参照しながら本実施形態に係わるアンギオCT装置について説明する。アンギオCT装置は、アンギオCTシステムと呼称されてもよい。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
図1は、本実施形態におけるアンギオCT装置1の構成の一例を示す図である。アンギオCT装置1は、アンギオ装置3と、CTガントリ(gantry)5と、寝台装置7と、コンソール9とを有する。なお、アンギオCT装置1は、不図示の通信インターフェースを介して、例えば、LAN(Local Area Network)などのネットワークに接続されてもよい。また、アンギオCT装置1のネットワークへの接続は、有線接続、及び無線接続を問わない。なお、VPN(Virtual Private Network)等によりセキュリティが確保されるのであれば、接続される回線はLANに限定されず、例えば、インターネット等、公衆の通信回線に接続されてもよい。
寝台装置7は、X線撮影およびCT撮影の対象となる被検体Pを載置し、被検体Pを位置決めするための搬送装置である。コンソール9は、アンギオ装置3およびCTガントリ5を制御するコンピュータである。例えば、アンギオ装置3、CTガントリ5及び寝台装置7は、アンギオCT検査室に設置される、コンソール9は、アンギオCT検査室に隣接する制御室に設置される。アンギオ装置3、CTガントリ5、寝台装置7及びコンソール9は互いに通信可能に有線または無線で接続されている。なお、コンソール9は、必ずしも制御室に設置されなくてもよい。例えば、コンソール9は、アンギオ装置3、CTガントリ5及び寝台装置7とともに同一の検査室に設置されてもよい。検査室の床面には、天板73の長手方向に平行に、レール(以下、床面レールと呼ぶ)が設置される。床面レールは、例えば、天板73の長手方向に沿ったCTガントリ5の移動をガイドする。CTガントリ5は、天板73の長手方向に沿って床面を移動可能である。
(アンギオ装置)
アンギオ装置3は、図1に示すように、バイプレーン構造に対応する複数の支持機構を有する。このとき、アンギオ装置3は、バイプレーン構造を有するX線診断装置の本体に対応する。アンギオ装置3は、第1X線高電圧装置31と、第1X線管33と、第1X線検出器35と、第1アームと、第1ホルダと、第2X線管43と、第2X線検出器45と、第2アームと、第2ホルダとを有する。第1アームは、例えば、Cアーム37である。第1ホルダは、例えば、支持アーム39である。第2アームは、例えば、Ωアーム47である。第2ホルダは、例えば、アームホルダ49である。
第1X線高電圧装置31は、第1X線管33と第2X線管43とに供給する管電流と、第1X線管33と第2X線管43とに印加する管電圧とを発生する。第1X線高電圧装置31は、後述するシステム制御機能941による制御のもとで、入力インターフェース91を介して設定された撮影条件に従って、管電流を第1X線管33と第2X線管43とに供給し、管電圧を第1X線管33と第2X線管43とに印加する。
第1X線管33は、第1X線高電圧装置31から供給された管電流と、第1X線高電圧装置31により印加された管電圧とに基づいて、X線の焦点(以下、第1焦点と呼ぶ)においてX線(以下、第1X線と呼ぶ)を発生する。第1焦点から発生された第1X線は、第1X線管33の前面に設けられた不図示のX線放射窓およびX線絞りを介して、被検体Pに照射される。
第1X線検出器35は、第1X線管33から発生され、被検体Pを透過した第1X線を検出する。例えば、第1X線検出器35は、フラットパネルディテクタ(Flat Panel Detecter:以下、第1FPDと呼ぶ)を有する。第1FPDは、複数の半導体検出素子を有する。半導体検出素子には、直接変換形と間接変換形とがある。直接変換形とは、入射X線を直接的に電気信号に変換する形式である。間接変換形とは、入射X線を蛍光体で光に変換し、その光を電気信号に変換する形式である。
第1X線の入射に伴って複数の半導体検出素子で発生された電気信号は、図示していないアナログディジタル変換器(Analog to Digital converter:以下、A/D変換器と呼ぶ)に出力される。A/D変換器は、電気信号をディジタルデータに変換する。A/D変換器は、ディジタルデータを、処理回路94に出力する。なお、第1X線検出器35として、イメージインテンシファイア(Imageintensifier)が用いられてもよい。
図2は、Cアーム37および支持アーム39の一例を示す斜視図である。図2に示すように、支持アーム39は、Cアーム37を水平面内の複数の回転軸(zC2、zC3)周りに回転自在に支持する。支持アーム39は、鉛直方向の複数の回転軸(zC4、zC5)を有する。第4回転軸zC4は、第5回転軸zC5とは異なる。第4回転軸zC4及び第5回転軸zC5のそれぞれは、第1アイソセンタ軸zC1の中心(以下、第1アイソセンタIS1と呼ぶ)に対して離れている。第4回転軸zC4は、第2鉛直軸に相当する。第5回転軸zC5は、第1鉛直軸に相当する。第1アイソセンタIS1は、第1X線管および第1X線検出器に関するアイソセンタである。
Cアーム37は、C型の形状(以下、C形状と呼ぶ)を有する。Cアーム37は、主として被検体Pの正面側に配置されるアームである。Cアーム37は、例えば、C形状の2つの端部において、第1X線管33と第1X線検出器35とを互いに対向させて、すなわち互いに向き合うように支持する。また、Cアーム37は、第1焦点と第1X線検出器35の中心とを結ぶ第1アイソセンタ軸zC1を第1回転軸として、第1X線管33と第1X線検出器35とを同期して回転自在に支持する。Cアーム37は、不図示のモータを有する。Cアーム37に搭載されたモータは、システム制御機能941による制御のもとで、Cアーム37の回転動作に伴って、第1回転軸zC1周りに、第1X線管33と第1X線検出器35とを同期して回転させる。Cアーム37は、第1焦点と第1X線検出器35との距離(線源受像面間距離(Source Image Distance:以下、第1SIDと呼ぶ))を変更可能に、第1X線管33と第1X線検出器35とを支持する。
支持アーム39は、Cアーム37を支持するホルダである。支持アーム39は、第1X線管33および第1X線検出器35に関する第1回転軸zC1を天板73上の被検体Pから待避可能なように検査室の天井CEから吊り下げられている。例えば、支持アーム39は、鉛直方向を回転軸として支持アーム39を回転自在に支持する基台(以下、第1基台371と呼ぶ)を有する。支持アーム39は、第1基台371等を介して、天井CEから吊り下げられる。具体的には、支持アーム39は、スライドホルダ391と、吊り下げアーム393と、天井旋回アーム395とを有する。
スライドホルダ391は、Cアーム37を含む面に直交し第1アイソセンタIS1を含む非水平面と第1アイソセンタIS1を含む水平面との交線を水平面内の第2回転軸zC2として、Cアーム37のC形状に沿ってCアーム37をスライド自在に支持する。スライドホルダ391は、不図示のモータを有する。スライドホルダ391に搭載されたモータは、入力インターフェース91を介した操作者の指示に従って、システム制御機能941による制御のもとで、第2回転軸zC2を中心として、Cアーム37をC形状に沿ってスライドさせる。
吊り下げアーム393は、第1基台371に取り付けられている。吊り下げアーム393は、スライドホルダ391とCアーム37との接続位置373を含む上記水平面とCアーム37を含む上記面との交線を水平面内の第3回転軸zC3として、スライドホルダ391を回転自在に支持する。吊り下げアーム393は、不図示のモータを有する。吊り下げアーム393に搭載されたモータは、入力インターフェース91を介した操作者の指示に従って、システム制御機能941による制御のもとで、第3回転軸zC3周りに、スライドホルダ391を回転させる。第3回転軸zC3周りのスライドホルダ391の回転に伴って、Cアーム37は、第3回転軸zC3周りに回転する。
天井旋回アーム395は、鉛直方向を第4回転軸zC4として吊り下げアーム393を回転自在に支持する。具体的には、天井旋回アーム395は、不図示のモータを有する。天井旋回アーム395に搭載されたモータは、入力インターフェース91を介した操作者の指示に従って、システム制御機能941による制御のもとで、第4回転軸zC4周りに、吊り下げアーム393を回転させる。吊り下げアーム393が第4回転軸zC4周りに回転することにより、吊り下げアーム393、スライドホルダ391及びCアーム37が一緒に、天井旋回アーム395に対して第4回転軸zC4周りに回転する。なお、Cアーム37および支持アーム39の構成例は、図2に限定されない。
第1基台371は、鉛直方向を第5回転軸zC5として支持アーム39を回転自在に支持する。第1基台371は、支持アーム39が第5回転軸zC5を回転軸として回転自在となるように天井に対して設置される。第1基台371は、不図示のモータを有する。第1基台371に搭載されたモータは、入力インターフェース91を介した操作者の指示に従って、システム制御機能941による制御のもとで、第5回転軸zC5周りに、天井旋回アーム395を回転させる。天井旋回アーム395が第5回転軸zC5周りに回転することにより、天井旋回アーム395、吊り下げアーム393、スライドホルダ391及びCアーム37が一緒に、第1基台371に対して第5回転軸zC5周りに回転する。スライドホルダ391、吊り下げアーム393及び天井旋回アーム395は、第3アームに相当する。第5回転軸zC5は、第1鉛直軸に相当する。
第2X線管43は、第1X線高電圧装置31から供給された管電流と、第1X線高電圧装置31により印加された管電圧とに基づいて、X線の焦点(以下、第2焦点と呼ぶ)においてX線(以下、第2X線と呼ぶ)を発生する。第2焦点から発生された第2X線は、第2X線管43の前面に設けられた不図示のX線放射窓およびX線絞りを介して、被検体Pに照射される。
第2X線検出器45は、第2X線管43から発生され、被検体Pを透過したX線を検出する。例えば、第2X線検出器45は、第2FPDを有する。第2X線の入射に伴って複数の半導体検出素子で発生された電気信号は、図示していないA/D変換器に出力される。A/D変換器は、電気信号をディジタルデータに変換する。A/D変換器は、ディジタルデータを、処理回路94に出力する。なお、第1X線検出器35と第2X線検出器45とのうち少なくとも一方において、FPDの代わりにイメージインテンシファイアが用いられてもよい。
図3は、Ωアーム47およびアームホルダ49の一例を示す斜視図である。図3に示すように、アームホルダ49は、Ωアーム47を水平面内の回転軸(zΩ2)周りに回転自在に支持する。
Ωアーム47は、Ω型の形状(以下、Ω形状と呼ぶ)を有する。Ωアーム47は、主として被検体Pの側面側に配置されるアームである。Ωアーム47は、例えば、Ω形状の2つの端部において、第2X線管43と第2X線検出器45とを互いに対向させて、すなわち互いに向き合うように支持する。また、Ωアーム47は、第2焦点と第2X線検出器45の中心とを結ぶ第2アイソセンタ軸zΩ1を回転軸として、第2X線管43と第2X線検出器45とを同期して回転自在に支持する。Ωアーム47は、不図示のモータを有する。Ωアーム47に搭載されたモータは、システム制御機能941による制御のもとで、Ωアーム47の回転動作に伴って、第2X線管43と第2X線検出器45とを同期して、第2アイソセンタ軸zΩ1を回転軸として回転させる。Ωアーム47は、第2焦点と第2X線検出器45との距離(以下、第2SIDと呼ぶ)を変更可能に、第2X線管43と第2X線検出器45とを支持する。
アームホルダ49は、Ωアーム47を水平面内の回転軸周りに回転自在に支持する。アームホルダ49は、第2X線管43および第2X線検出器45に関する第2アイソセンタ軸zΩ1を天板73上の被検体Pから待避可能なように天井CEから吊り下げられている。例えば、アームホルダ49は、鉛直方向を回転軸としてアームホルダ49を回転自在に支持する基台(以下、第2基台471と呼ぶ)を有する。アームホルダ49は、第2基台471等を介して、天井CEから吊り下げられる。
アームホルダ49は、Ωアーム47を含む面に直交し第2アイソセンタ軸zΩ1の中心(以下、第2アイソセンタIS2と呼ぶ)を含む非水平面と第2アイソセンタIS2を含む水平面との交線を水平面内の回転軸zΩ2として、Ωアーム47のΩ形状に沿ってΩアーム47をスライド自在に支持する。アームホルダ49は、不図示のモータを有する。アームホルダ49に搭載されたモータは、入力インターフェース91を介した操作者の指示に従って、システム制御機能941による制御のもとで、回転軸zΩ2を中心として、Ωアーム47をΩ形状に沿ってスライドさせる。
第2基台471は、鉛直方向を回転軸zΩ3としてアームホルダ49を回転自在に支持する。第2基台471は、Ωアーム47が回転軸zΩ3を回転軸として回転自在となるようにレール473に対して設置される。第2基台471は、不図示のモータを有する。第2基台471に搭載されたモータは、入力インターフェース91を介した操作者の指示に従って、システム制御機能941による制御のもとで、回転軸zΩ3周りに、アームホルダ49を回転させる。第2基台471は、天井CEに設置されたレール473に配置される。第2基台471に搭載されたモータは、入力インターフェース91を介した操作者の指示に従って、システム制御機能941による制御のもとで、レール473に沿って、第2基台471を移動させる。例えば、レール473がZ軸に平行に天井CEに配置されている場合、第2基台471は、第2基台471に搭載されたモータの駆動に伴って、Z軸に平行な方向TLに自在に並進移動する。なお、天井CEに配置されるレール473の延伸方向は、図3に示すような天板73の長手方向であるZ軸に平行であることに限定されず、例えば、天板73の長手方向に垂直な方向、すなわち天板73の短軸方向などであってもよい。また、第2基台471は、レール473の軌間において、アームホルダ49を移動自在に支持する。
(CTガントリ)
CTガントリ5は、被検体PをX線CT撮影するための構成を有するスキャン装置である。CTガントリ5には、第3世代CT、第4世代CT等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも実施可能である。ここで、第3世代CTは、第3X線管51と第3X線検出器52とが一体として被検体Pの周囲を回転するRotate/Rotate-Typeである。第4世代CTは、リング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、第3X線管51のみが被検体Pの周囲を回転するStationary/Rotate-Typeである。なお、X線を発生させるハードウェアは、図1に示す第3X線管51に限られない。例えば、第3X線管51に代えて、X線管と検出器との複数のペアが回転フレーム53に搭載されてもよい。
本実施形態におけるCTガントリ5における複数のX線検出素子の幾何学的配置、すなわち第3X線検出器52の幾何学的配置は、図1に示すように、チャンネル方向に複数のX線検出素子が配列されたX線検出素子列がスライス方向(列方向)に複数配列された構造(以下、2次元構造と呼ぶ)を有するものとする。
図1に示すように、CTガントリ5は、第3X線管51、第3X線検出器52、回転フレーム53、第2X線高電圧装置54、制御装置55、ウェッジ56、コリメータ57、およびDAS(Data Aquisition System)58を有する。DAS58は、データ収集回路とも称される。また、CTガントリ5は、不図示のモータを有する。CTガントリ5に搭載されたモータは、入力インターフェース91を介した操作者の指示に従って駆動する。CTガントリ5に搭載されたモータの駆動により、CTガントリ5は、床面レールに沿って移動する。
第3X線管51は、X線を被検体Pに照射する。具体的には、第3X線管51は、熱電子を発生する陰極と、陰極から放出される熱電子を受けてX線を発生する陽極と、陰極と陽極とを保持する真空管とを含む。第3X線管51は、高圧ケーブルを介して第2X線高電圧装置54に接続されている。陰極と陽極との間には、第2X線高電圧装置54により管電圧が印加される。管電圧の印加により陰極から陽極に向けて熱電子が放出される。陰極から陽極に向けて熱電子が放出されることにより管電流が流れる。第2X線高電圧装置54からの高電圧の印加及びフィラメント電流の供給により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子が放出され、熱電子が陽極に衝突することによりX線が発生される。例えば、第3X線管51には、回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。
第3X線検出器52は、第3X線管51から照射され被検体Pを通過したX線を検出し、検出されたX線の線量に対応した電気信号をDAS58に出力する。第3X線検出器52は、例えば、グリッド、シンチレータアレイ及び光センサアレイを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有する。シンチレータは、入射X線量に応じた光量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射面側に配置され、散乱X線を吸収するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドは、コリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光の光量に応じた電気信号に変換する機能を有する。光センサとしては、例えば、フォトダイオード、光電子増倍管等が用いられる。なお、第3X線検出器52は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であってもよい。
回転フレーム53は、第3X線管51と第3X線検出器52とを回転軸(Z軸)周りに回転可能に支持する円環状のフレームである。具体的には、回転フレーム53は、第3X線管51と第3X線検出器52とを対向支持する。回転フレーム53は、不図示の固定フレームに回転軸周りに回転可能に支持される。制御装置55により、回転フレーム53は、回転軸(Z軸)周りに回転する。これにより、回転フレーム53は、第3X線管51と第3X線検出器52とを回転軸周りに回転させる。回転フレーム53は、制御装置55の駆動機構からの動力を受けて回転軸周りに一定の角速度で回転する。回転フレーム53の開口部59には、画像視野(FOV)が設定される。
なお、本適用例では、非チルト状態での回転フレーム53の回転軸又は寝台装置7の天板73の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し床面に対し水平である軸方向をX軸方向、Z軸方向に直交し床面に対し垂直である軸方向(鉛直方向)をY軸方向と定義する。
第2X線高電圧装置54は、高電圧発生装置及びX線制御装置を有する。高電圧発生装置は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有する。高電圧発生装置は、第3X線管51に印加する高電圧及び第3X線管51に供給するフィラメント電流を発生する。X線制御装置は、第3X線管51が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行う。なお、高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。また、第2X線高電圧装置54は、CTガントリ5内の回転フレーム53に設けられてもよいし、CTガントリ5内の固定フレーム(図示しない)に設けられても構わない。
ウェッジ56は、被検体Pに照射されるX線の線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ56は、第3X線管51から被検体Pへ照射されるX線の線量が予め定められた分布になるようにX線を減衰する。例えば、ウェッジ56としては、ウェッジフィルタ(wedge filter)やボウタイフィルタ(bow-tie filter)等のアルミニウム等の金属板が用いられる。金属板は、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるように予め加工される。
コリメータ57は、ウェッジ56を透過したX線の照射範囲を限定する。コリメータ57は、X線を遮蔽する複数の鉛板をスライド可能に支持する。コリメータ57は、複数の鉛板により形成されるスリットの形態を調節する。なお、コリメータ57は、X線絞りと呼ばれる場合もある。
DAS58は、第3X線検出器52により検出されたX線の線量に応じた電気信号を第3X線検出器52から読み出す。DAS58は、読み出した電気信号を増幅する。DAS58は、ビュー期間に亘り、増幅された電気信号を積分することにより当該ビュー期間に亘るX線の線量に応じたデジタル値を有する検出データを収集する。DAS58は、例えば、検出データを生成可能な回路素子を搭載したASIC等により実現される。検出データは、非接触データ伝送装置等を介してコンソール9に転送される。非接触データ伝送装置は、回転フレーム53に設けられた送信機と、CTガントリ5の非回転部分(例えば、不図示の固定フレーム)に設けられた受信機とを有する。送信機は、発光ダイオード(LED)を有する。受信機は、フォトダイオードを有する。送信機は、発光ダイオードを介して、検出データを受信機に送信する。受信機は、フォトダイオードを介して検出データを受信する。受信機は、受信した検出データを、コンソール9に伝送する。これにより、非接触データ伝送装置は、光通信を介して検出データをコンソール9に伝送する。なお、回転フレーム53からCTガントリ5の非回転部分への検出データの送信方法として、前述の光通信に限らず、非接触型のデータ伝送であれば如何なる方式が採用されても構わない。
制御装置55は、コンソール9における処理回路94におけるシステム制御機能941に従いX線CT撮影を実行するために第2X線高電圧装置54やDAS58を制御する。制御装置55は、CPUあるいはMPU等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。処理回路は、ハードウェア資源として、CPU等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。また、制御装置55は、ASICやFPGAなどにより実現されてもよい。また、制御装置55は、他の複合プログラマブル論理デバイス又は単純プログラマブル論理デバイス等により実現されてもよい。制御装置55は、コンソール9から、もしくはCTガントリ5に取り付けられた入力インターフェース91からの入力信号を受けて、CTガントリ5及び寝台装置7の動作制御を行う機能を有する。
例えば、制御装置55は、入力信号を受けて回転フレーム53を回転させる制御や、CTガントリ5をチルトさせる制御、床面レールに沿ってCTガントリ5を移動させる制御、および寝台装置7及び天板73を動作させる制御を行う。なお、CTガントリ5をチルトさせる制御は、CTガントリ5に取り付けられた入力インターフェース91によって入力される傾斜角度(チルト角度)情報により、制御装置55がX軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム53を回転させることによって実現される。なお、制御装置55はCTガントリ5に設けられてもよいし、コンソール9に設けられても構わない。
(寝台装置)
寝台装置7は、第3基台71、支持フレーム72、天板73及び寝台駆動装置74を備える。第3基台71は、アンギオCT検査室の床面に設置される。第3基台71は、支持フレーム72を、床面に対して垂直方向(Y軸方向)に移動可能に支持する筐体である。支持フレーム72は、第3基台71の上部に設けられるフレームである。支持フレーム72は、天板73を中心軸Zに沿ってスライド可能に支持する。また、支持フレーム72は、天板73を、天板73の短軸方向(X方向)左右方向へ移動させる。また、支持フレーム72は、入力インターフェース91を介した操作者の指示に従って、天板73をチルトさせる。天板73は、被検体Pが載置される柔軟性を有する板である。
寝台駆動装置74は、寝台装置7の筐体内に収容される。寝台駆動装置74は、被検体Pが載置された支持フレーム72と天板73とを移動させるための動力を発生するモータ又はアクチュエータである。寝台駆動装置74は、コンソール9等による制御に従い作動する。
(コンソール)
コンソール9は、入力インターフェース(入力部)91、ディスプレイ(表示部)92、メモリ(記憶部)93、および処理回路(処理部)94を有する。入力インターフェース91、ディスプレイ92、メモリ93、および処理回路94間のデータ通信は、例えば、有線のバス(bus)または無線を介して行われる。
入力インターフェース91は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路94に出力する。入力インターフェース91は、入力機器からの出力信号をバスを介して処理回路94に供給する。具体的には、入力インターフェース91は、被検体Pに対するX線撮影の実施およびCTスキャンの実施に先立って、操作者の指示に従って各種撮影条件などを入力する。
入力インターフェース91としては、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッドおよびタッチパネルディスプレイ等が適宜、使用可能となっている。なお、入力インターフェース91は、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッドおよびタッチパネルディスプレイ等の物理的な操作部品を備えるものに限られない。例えば、アンギオCT装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路94へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース91の例に含まれる。また、入力インターフェース91は、本アンギオCT装置1と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
ディスプレイ92は、処理回路94におけるシステム制御機能941による制御を受けて、種々の情報を表示する。ディスプレイ92は、例えば撮影条件等の入力に関するグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:以下、GUIと呼ぶ)を表示する。なお、ディスプレイ92に表示される入力画面は、GUIに限定されない。ディスプレイ92は、処理回路94における再構成機能943により生成されたCT画像、画像生成機能944により生成されたX線画像などの医用画像を表示する。ディスプレイ92としては、種々の任意のディスプレイが、適宜、使用可能となっている。例えばディスプレイ92として、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ又はプラズマディスプレイが使用可能である。また、ディスプレイ92は、デスクトップ型でもよいし、本アンギオCT装置1と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
メモリ93は、種々の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。また、メモリ93は、HDDやSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体であってもよい。なお、メモリ93は、フラッシュメモリ、RAM等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。また、メモリ93の保存領域は、アンギオCT装置1内にあってもよいし、ネットワークで接続された外部記憶装置内にあってもよい。
メモリ93は、入力インターフェース91を介して入力された各種条件、情報、処理回路94において実行される複数の機能各々に対応するプログラム、再構成機能943により生成されたCT画像、および画像生成機能944により生成されたX線画像などの医用画像を記憶する。メモリ93は、DAS58から出力された検出データをビュー角および検出素子番号と対応付けて、収集データとして記憶する。
処理回路94は、入力インターフェース91から出力される入力操作の電気信号に応じて本アンギオCT装置1全体の動作を制御する。処理回路94は、ハードウェア資源として、CPUあるいはMPU、GPU等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。処理回路94は、メモリに展開されたプログラムを実行するプロセッサにより、システム制御機能941、前処理機能942、再構成機能943、画像生成機能944等を実行する。なお、上記複数の機能は単一の処理回路で実現される場合に限らない。複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより上記複数の機能を実現するものとしても構わない。システム制御機能941、前処理機能942、再構成機能943、画像生成機能944各々を実現する処理回路94は、システム制御部、前処理部、再構成部、および画像処理部の一例である。
処理回路94は、システム制御機能941により、Cアーム37およびΩアーム47を用いてX線撮影を行うために、アンギオ装置3を制御する。処理回路94は、X線CTスキャンを行うために、CTガントリ5を制御する。例えば、X線撮影の実行後にX線CTスキャンを行う場合およびX線CTスキャンの実行後にX線撮影を行う場合などにおいて、処理回路94は、アンギオ装置3における複数の構成要素各々と、CTガントリ5と、寝台装置7と、被検体Pとが互いに接触しないように、Cアーム37と、支持アーム39と、第1基台371と、Ωアーム47と、アームホルダ49と、第2基台471と、CTガントリ5とを制御する。
処理回路94は、前処理機能942により、第1X線検出器35および第2X線検出器45から出力されたディジタルデータに対して、第1前処理を実行する。第1前処理とは、例えば、第1X線検出器35および第2X線検出器45におけるチャンネル間の感度不均一の補正、および金属等のX線強吸収体による極端な信号の低下またはデータの脱落に関する補正等である。処理回路94は、DAS58から出力された検出データに対して第2前処理を実行する。第2前処理とは、例えば、対数変換処理やオフセット補正処理、チャンネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等である。処理回路94は、DAS58から出力された検出データに対する第2前処理の実行により、投影データを生成する。なお、第2前処理前のデータ(検出データ)および第2前処理後のデータを総称して投影データと称する場合もある。
処理回路94は、再構成機能943により、前処理機能942にて生成された投影データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってCT画像データを生成する。CT画像データを再構成するには被検体Pの周囲一周、360°分の投影データが、またハーフスキャン法でも180°+ファン角度分の投影データが必要とされる。いずれの再構成方式に対しても本実施形態へ適用可能である。以下、説明を簡単にするため、被検体Pの周囲一周、360°分の投影データを用いて再構成する再構成(フルスキャン再構成)方式を用いるものとする。
処理回路94は、画像生成機能944により、第1前処理が実行されたディジタルデータに基づいて、第1X線検出器35の位置および第2X線検出器45の位置にそれぞれ対応する2つのX線画像を発生する。処理回路94は、発生された2つのX線画像を、ディスプレイ92およびメモリ93に出力する。処理回路94は、入力インターフェース91を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、再構成機能943によって生成されたCT画像データを公知の方法により、任意断面の断層像データや3次元画像データに変換する。なお、3次元画像データの生成は再構成機能943が直接行なってもかまわない。
処理回路94は、画像生成機能944により、再構成機能943により生成されたCT画像のデータを、任意断面の断面画像データや任意視点方向のレンダリング画像データに変換する。変換は、入力インターフェース91を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて行われる。例えば、処理回路94は、CT画像のデータにボリュームレンダリングや、サーフェスボリュームレンダリング、画像値投影処理、MPR処理、CPR処理等の3次元画像処理を施して、任意視点方向のレンダリング画像データを生成する。また、処理回路94は、断面画像またはレンダリング画像に、2つのX線画像各々を重畳させた重畳画像を生成してもよい。
なお、コンソール9は、単一のコンソールにて複数の機能を実行するものとして説明したが、複数の機能を別々のコンソールが実行することにしても構わない。例えば、システム制御機能941、前処理機能942、再構成機能943、画像生成機能944等の処理回路94の機能は、分散して別々のコンソールに搭載されても構わない。
また、処理回路94における前処理機能942、再構成機能943、画像生成機能944等の後処理は、コンソール9又は外部のワークステーションのどちらで実施することにしても構わない。また、後処理は、コンソール9とワークステーションとの両方で同時に処理することにしても構わない。
以上が本実施形態におけるアンギオCT装置1の全体構成についての説明である。以下、X線撮影の実行後にX線CTスキャンを行う場合において、Cアーム37とΩアーム47とCTガントリ5との動作手順(以下、撮影切り替え動作と呼ぶ)について、図4を用いて説明する。
(撮影切り替え動作)
図4は、撮影切り替え動作に関して、CアームとΩアームとCTガントリとの動作例の一例を示すフローチャートである。
(ステップSa1)
第1パーク位置および第2パーク位置にそれぞれ配置されたCアーム37とΩアーム47とが、撮影位置へ移動される。第1パーク位置は、Cアーム37がΩアーム47とCTガントリ5の移動範囲と寝台装置7とに干渉(接触)せず、かつX線撮影およびCTスキャンに無関係な位置であって、例えばCTスキャン時においてCアーム37を待避させるための位置である。第2パーク位置とは、Ωアーム47がCアーム37とCTガントリ5の移動範囲と寝台装置7とに干渉(接触)せず、かつX線撮影およびCTスキャンに無関係な位置であって、例えばCTスキャン時においてΩアーム47を待避させるための位置である。
具体的には、被検体Pに対するX線撮影の実行前において、入力インターフェース91を介した操作者の指示により、撮影位置が入力される。Cアーム37とΩアーム47とを撮影位置に移動させる指示(以下、アーム移動指示と呼ぶ)が、入力インターフェース91を介して入力される。アーム移動指示の入力に応答して、処理回路94は、システム制御機能941により各種モータを制御し、第1パーク位置および第2パーク位置にそれぞれ配置されたCアーム37とΩアーム47とを、撮影位置へ移動させる。
(ステップSa2)
処理回路94は、システム制御機能941により、Cアーム37およびΩアーム47を用いて、被検体Pを撮影する。具体的には、撮影開始指示が入力インターフェース91を介して入力される。撮影開始指示の入力に応答して、処理回路94は、撮影位置において、Cアーム37およびΩアーム47を用いて、被検体Pに対してX線撮影を実行する。
(ステップSa3)
X線撮影の終了後、Cアーム37およびΩアーム47は、撮影位置から第1パーク位置および第2パーク位置へそれぞれ移動される。具体的には、X線撮影の終了後、Cアーム37およびΩアーム47を撮影位置から待避させる待避指示(以下、アーム待避指示と呼ぶ)が、入力インターフェース91を介して入力される。アーム待避指示の入力に応答して、処理回路94は、システム制御機能941により各種モータを制御し、Cアーム37およびΩアーム47を第1パーク位置および第2パーク位置へそれぞれ移動させる。
(ステップSa4)
第3パーク位置に配置されたCTガントリ5が、第3パーク位置から撮影位置へ移動される。第3パーク位置とは、CTガントリ5がCアーム37とΩアーム47と寝台装置7とに干渉(接触)せず、かつX線撮影およびCTスキャンに無関係な位置であって、例えばX線撮影時においてCTガントリ5を待避させるための位置である。
具体的には、Cアーム37およびΩアーム47が第1パーク位置および第2パーク位置にそれぞれ待避後、CTガントリ5を第3パーク位置から撮影位置へ移動させる指示(以下、ガントリ移動指示と呼ぶ)が、入力インターフェース91を介して入力される。ガントリ移動指示の入力に応答して、処理回路94は、システム制御機能941により各種モータを制御し、パーク位置に配置されたCTガントリ5を撮影位置に移動させる。
(ステップSa5)
被検体Pに対してCTスキャンが実行される。具体的には、入力インターフェース91を介してスキャン開始指示が入力される。スキャン開始指示の入力に応答して、処理回路94は、システム制御機能941により、撮影位置においてCTスキャンを実行する。
(ステップSa6)
CTスキャンの終了後、CTガントリ5は、撮影位置から第3パーク位置へ移動される。具体的には、X線撮影の終了後、CTガントリ5を撮影位置から第3パーク位置へ待避させる指示(以下、ガントリ待避指示と呼ぶ)が、入力インターフェース91を介して入力される。ガントリ待避指示の入力に応答して、処理回路94は、システム制御機能941により各種モータを制御し、CTガントリ5を第3パーク位置へ移動させる。
(ステップSa7)
X線撮影の終了指示が入力インターフェース91を介して入力されると、撮影切り替え動作は終了する(ステップSa7のYes)。X線撮影の終了指示が入力されず(ステップSa7のNo)、かつアーム移動指示が入力されると、ステップSa1の動作処理が実行される。
以上に述べた構成および動作によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態におけるアンギオCT装置1によれば、第1アーム(例えばCアーム37)が第1X線管33と第1X線検出器35とを互いに対向させて支持し、支持アーム39が第1アームを水平面内の複数の回転軸(第2回転軸zC2、第3回転軸zC3)周りに回転自在に支持し、第1X線管33および第1X線検出器35に関する第1アイソセンタ軸zC1を天板73上から待避可能なように天井CEから支持アーム39が吊り下げられ、第2アーム(例えばΩアーム47)が第2X線管43と第2X線検出器45とを互いに対向させて支持し、アームホルダ49が第2アームを水平面内の回転軸(zΩ2)周りに回転自在に支持し、第2X線管43および第2X線検出器45に関する第2アイソセンタ軸zΩ1を天板73上から待避可能なように天井CEからアームホルダ49が吊り下げられ、CTガントリ5が天板73の長手方向に平行であって床面に配置された床面レールを移動可能である。
また、本実施形態におけるアンギオCT装置1によれば、レール473が天井CEに配置され、第1基台がレールに沿って移動可能であって、第2基台471がレール473に沿って移動可能であって、鉛直方向を回転軸(zΩ3)としてアームホルダ49を回転自在に支持する。
また、本実施形態におけるバイプレーンのアンギオCT装置1によれば、第1アーム(例えばCアーム37)が第1アイソセンタ軸zC1を回転軸として第1X線管33と第1X線検出器35とを同期して回転自在に支持し、支持アーム39が、第1アームを含む面に直交し第1アイソセンタ軸zC1の中心IS1を含む非水平面と中心IS1を含む水平面との交線zC2を水平面内の回転軸として、第1アームのC形状に沿って第1アームをスライド自在に支持するスライドホルダ391と、スライドホルダ391と第1アームとの接続位置373を含む水平面と第1アームを含む面との交線zC3を水平面内の回転軸として、第1アームを回転自在に支持する吊り下げアーム393と、鉛直方向を第4回転軸zC4として吊り下げアーム393を回転自在に支持する天井旋回アーム395と、を有し、第1基台371は、鉛直方向を第5回転軸zC5として天井旋回アーム395を回転自在に支持することができる。
本実施形態におけるバイプレーンのアンギオCT装置1に対する比較例として、2つのアームを退避させるかわりに、鉛直軸を回転軸として90°もしくは180°に亘って天板を回転させて、X線撮影とCTスキャンとを切り替えて実行する方法も考えられる。しかしながら、このような比較例としてのアンギオCT装置では、アンギオ装置の使用とCTガントリの使用との切り替えにおいて天板が回転するために、天板の周辺に配置された周辺機器を、天板の回転範囲から予め待避させる必要があり、さらに、設置に要するスペースが大きくなってしまうという問題がある。このため、比較例としてのアンギオCT装置では、操作者にとって使い勝手(操作性)が悪いことがある。また、比較例としてのアンギオCT装置では、天板に被検体が載置された状態で天板が回転するため、被検体に対して危険が伴う可能性がある。
一方、本実施形態におけるバイプレーンのアンギオCT装置1によれば、アンギオ装置3の使用とCTガントリ5の使用との切り替え動作を、天板73を回転させることなく実行することができる。すなわち、撮影切り替え動作において、天板73の周辺に配置された周辺機器を天板73の回転範囲から予め待避させる必要がないため、アンギオCT装置1の操作性を向上させることができる。加えて、本アンギオCT装置1によれば、天板73に被検体Pが載置された状態で天板73を回転させる必要はないため、被検体Pに対する安全性を向上することができる。
(適用例)
以下、本実施形態のアンギオCT装置1に関する複数の適用例について説明する。第1乃至第3適用例は、第1基台371および第2基台471が天井CEに設けられた少なくとも一つのレールに沿って移動可能であるアンギオ装置3のレイアウト例に対応する。このとき、第1基台371は、レールに沿って移動可能であって、鉛直方向を第5回転軸zC5として支持アーム39を回転自在に支持する。加えて、第2基台471は、レールに沿って移動可能であって、鉛直方向を回転軸zΩ3としてアームホルダ49を回転自在に支持する。
第4適用例および第5適用例は、鉛直方向を第5回転軸zC5として、支持アーム39(より詳細には天井旋回アーム395)を回転自在に支持する第1基台371が天板73の中心部分とCTガントリ5との間の位置の直上の天井CEに配置され、第2基台471が天井CEに設けられたレール473に沿って移動可能であるアンギオ装置3のレイアウト例に対応する。以下で説明する第1乃至第5適用例各々における効果は、実施形態における効果と同様なため、説明は省略する。
(第1適用例)
本適用例は、天板73の長手方向に平行に1つのレール473が天井CEに配置されることと、1つのレール473に第1基台371と第2基台471とが搭載されることにある、すなわち、本適用例において、第1基台371と第2基台471とは、ともに共通のレールに配置される。
図5及び図6は、本適用例において、アンギオ装置3のレイアウトの一例を示している。具体的には、図5及び図6は、アンギオ装置3とCTガントリ5とをY軸方向から見た図である。図5及び図6のそれぞれは、第1アイソセンタIS1を通る鉛直方向の軸回りについて異なる角度から天板73上の被検体を撮影する際の様子を示している。図5及び図6に示すように、第1基台371は、CTガントリ5と第2基台471との間において、1つのレール473に配置される。すなわち、第1基台371と第2基台471とは、図5及び図6に示すように、ともに共通の1つのレール473に配置される。図5において、P1は第1パーク位置を、P2は第2パーク位置を、P3は第3パーク位置を示している。
第1パーク位置P1は、例えば、第3パーク位置P3と第2パーク位置P2との間の位置であって、天板73の端部より離れた位置に設定される。また、第2パーク位置P2は、第1パーク位置P1よりも天板73から離れた位置に設けられる。なお、第1基台371と第2基台471との相対的な位置関係は図5に限定されない。例えば、第2基台471は、CTガントリ5と第1基台371との間において、レール473に配置されてもよい。このとき、図5における第1パーク位置P1と第2パーク位置P2との位置関係は、Z方向に対して入れ替えた位置となる。
図7は、図5に示すアンギオ装置3とCTガントリ5との位置関係を、X軸方向から見た一例を示す図である。図7は、ステップSa2の時点におけるアンギオ装置3とCTガントリ5とを示している。このとき、CTガントリ5は、検査室の床面FLに配置された床面レール61の端部における第3パーク位置P3に位置している。図7に示すように、天板73に載置された被検体Pに対するX線撮影の撮影位置が天板73の端部のうちCTガントリ5側である場合、Cアーム37に搭載された第1X線管33と第1X線検出器35とは、第1基台371と天井旋回アーム395との接続位置に対して、天板73側に向くように配置される。すなわち、第1回転軸zC1と天井旋回アーム395の第5回転軸zC5とが一致するCアーム37の位置を基準位置とすると、図7に示すような撮影位置に対して、Cアームは、基準位置から180°回転されることとなる。このような回転の制御は、処理回路94におけるシステム制御機能941により実行される。
図8は、第1パーク位置P1へ移動途中のCアーム37と支持アーム39とを、Z軸方向から見た一例を示す図である。図5乃至図8を比較すると、図8における天井旋回アーム395は、図5及び図7に対して第5回転軸zC5周りに90°回転している。また、図8における吊り下げアーム393は、天井旋回アーム395の90°回転に連動して、第4回転軸zC4周りに-90°回転している。これらのような回転動作(以下、Cアーム待避回転動作と呼ぶ)は、ステップSa3に示すアーム待避指示の入力に応答して、処理回路94のシステム制御機能941により実行される。なお、Cアーム待避回転動作において、吊り下げアーム393の第4回転軸zC4周りの-90°の回転は、省略されてもよい。
第2パーク位置P2への第2基台471の移動とともに、図8に示すようなCアーム待避回転動作後の第1基台371は、処理回路94における制御の下で、第1パーク位置P1に移動される。なお、第1パーク位置P1への第1基台371の移動は、第2パーク位置P2に第2基台471が到達したことに応答して実行されてもよい。第1パーク位置P1への第1基台371の到達前において、第1基台371が天板73の直上から離れた位置において、吊り下げアーム393は、第4回転軸zC4周りに90°もしくは-90°回転する。このような状態で第1基台371は、第1パーク位置P1へ移動する。
バイプレーンのアンギオCT装置1によるX線撮影を行う際には、Cアーム37の第1アイソセンタIS1の天板73上の被検体に対する位置を所定の位置に維持したまま、Cアーム37を第1アイソセンタ軸zC1を中心として回転させるようにしてX線撮影を行うことがある。例えば、図5に示すように、第3回転軸zC3が回転軸zΩ2と平行な状態(以下、第1の撮影状態と呼ぶ)でCアーム37及びΩアーム47によるX線撮影を行った後、図6に示すように、第3回転軸zC3が回転軸zΩ2と平行でない状態(以下、第2の撮影状態と呼ぶ)でCアーム37及びΩアーム47によるX線撮影を行うことがある。第1撮影状態及び第2撮影状態では、天板73の長手方向(Z方向)について、Cアーム37の第1アイソセンタ軸zC1とΩアーム47の第2アイソセンタ軸zΩ1は、同じ位置に位置する。
第1撮影状態では、第4回転軸zC4は、天板73の幅方向(X方向)において回転軸zΩ2上に位置し、吊り下げアーム393及び天井旋回アーム395は、天板73の長手方向(Z方向)に沿った状態となる。第2撮影状態でのX線撮影を行う場合、第1基台371をレール473に沿って移動させる。第2撮影状態では、第4回転軸zC4は、天板73の幅方向(X方向)において回転軸zΩ2から離れた位置に位置し、吊り下げアーム393及び天井旋回アーム395は、天板73の長手方向(Z方向)に対して交差する状態となる。第2撮影状態における第1基台371の位置は、第1撮影状態における第1基台371の位置に比べて、第1アイソセンタIS1に対して近い位置となる。なお、第1基台371の移動は、処理回路94により実行されてもよく、手動で行われてもよい。
本適用例では、支持アーム39が鉛直方向の複数の回転軸(zC4、zC5)を有る。このため、Cアーム37及びΩアーム47によるX線撮影を行う際において、第1アイソセンタIC1の位置を維持したまま、第1アイソセンタ軸zC1の軸回りにCアーム37を回転させてX線撮影を行うことができる。
また、本適用例では、第1基台371は、第5回転軸zC5を有し、第2基台471は、第1アイソセンタIS1の真上においてΩアーム47を天井に支持する。第4回転軸zC4及び第5回転軸zC5のそれぞれは、第1アイソセンタIS1に対して離れている。このため、第1基台371を、第2基台471に対して、離れた位置に配置することができる。
以上のように、本適用例におけるバイプレーンのアンギオCT装置1によれば、Cアーム37及びΩアーム47によるX線撮影を行う際において、第1アイソセンタIS1の位置を維持したまま、第1アイソセンタ軸zC1の軸回りにCアーム37を回転させてX線撮影を行うことができ、かつ、第1基台371を第2基台471に対して離れた位置に配置することができるため、Cアーム37とΩアーム47との両方を天井から吊り下げることができる。
(第2適用例)
本適用例は、天板73の長手方向に垂直な2つのレールが天井CEに配置され、2つのレールのうち一方のレール(以下、第1レールと呼ぶ)には、第1基台371が搭載され、2つのレールのうち他方のレール(以下、第2レールと呼ぶ)には、第2基台471が搭載されることにある。
図9は、本適用例において、アンギオ装置3のレイアウトの一例を示している。具体的には、図9は、アンギオ装置3とCTガントリ5とをY軸方向から見た図である。図9に示すように、第1レール399は、天板73の長手方向に垂直な方向に沿って、天井CEに配置される。また、第2レール473は、天板73の長手方向に垂直な方向に沿って、天井CEに配置される。図9に示すアンギオ装置3とCTガントリ5との位置関係をX軸方向から見た場合、図7と同様な位置関係となるため、説明は省略する。
なお、第1基台371と第2基台471との相対的な位置関係は図9に限定されない。例えば、第1基台371は、第2レール473に配置されてもよい。また、第2基台471は、第1レール399に配置されてもよい。このとき、寝台装置7は、第1レール399の軌間の中心線の直下に天板73の端部が位置するように床面FLに配置される。加えて、図9において第1パーク位置P1と第2パーク位置P2との位置関係は、それぞれZ方向に対して入れ替えた位置となる。
図10は、本実施形態の第2適用例において、第1パーク位置P1に移動されたCアーム37と、撮影位置に移動されたCTガントリ5とを、X軸方向から見た一例を示す図である。なお、図10においてΩアーム47とアームホルダ49とは省略されている。ステップSa3において、アーム待避指示の入力に応答して、第1基台371は、第1レール399に沿って第1パーク位置P1まで移動する。加えて、アーム待避指示の入力に応答して、第2基台471は、第2レール473に沿って第2パーク位置P2まで移動する。その後、ステップSa4において、ガントリ移動指示に応答して、CTガントリ5は、床面レール61に沿って撮影位置まで移動する。ステップSa5において、図10に示すような状態で、CTスキャンが実行される。
(第3適用例)
本適用例は、天板73の長手方向に垂直な第1レールと天板73の長手方向に平行な第2レールとが天井CEに配置され、第1レールには第1基台371が搭載され、第2レールには第2基台471が搭載されることにある。
図11は、本適用例において、アンギオ装置3のレイアウトの一例を示す図である。具体的には、図11は、アンギオ装置3とCTガントリ5とをY軸方向から見た図である。図11に示すように、第1レール399は、天板73の長手方向に垂直な方向に沿って、天井CEに配置される。また、第2レール473は、天板73の長手方向に沿って、天井CEに配置される。
本適用例において、Ωアーム47および第2基台471等に関する動作は第1適用例における当該構成要素の動作に該当し、Cアーム37および第1基台371等に関する動作は第2適用例における当該構成要素の動作に該当するため、説明は省略する。加えて、図11に示すアンギオ装置3とCTガントリ5との位置関係をX軸方向から見た場合、図7と同様な位置関係となるため、説明は省略する。また、第1パーク位置P1に移動されたCアーム37と、撮影位置に移動されたCTガントリ5とを、X軸方向から見た場合、図10と同様な位置関係となるため、説明は省略する。
本適用例においても、Cアーム37の第1アイソセンタIS1の天板73上の被検体に対する位置を所定の位置に維持したまま、Cアーム37を第1アイソセンタ軸zC1を中心として回転させるようにしてX線撮影を行うこととができる。例えば、第1撮影状態でのX線撮影の後に第2撮影状態でのX線撮影を行う場合、Cアーム37が回転することにより、第1アイソセンタIS1が第1基台371に近づく方向へ移動するため、第2基台471をレール473に沿って移動させるとともに、天板73を長手方向に沿って移動させる。第2撮影状態における第2基台471及び天板73の位置は、第1撮影状態における第2基台471の位置及び天板73の位置に比べて、第1アイソセンタIS1に対して離れた位置となる。第2基台471及び天板73の移動は、処理回路94により実行されてもよく、手動で行われてもよい。
本適用例におけるバイプレーンのアンギオCT装置1においても、第1適用例と同様に、Cアーム37及びΩアーム47によるX線撮影を行う際において、第1アイソセンタIS1の位置を維持したまま、第1アイソセンタ軸zC1の軸回りにCアーム37を回転させてX線撮影を行うことができ、かつ、第1基台371を第2基台471に対して離れた位置に配置することができるため、Cアーム37とΩアーム47との両方を天井から吊り下げることができる。
(第4適用例)
本適用例は、天板73の長手方向に平行であって天井CEに配置されたレール473を有し、レール473に沿って移動可能な第2基台471が鉛直方向を回転軸zΩ3としてアームホルダ49を回転自在に支持することにある。本適用例における第1基台371は、図5に示す第1適用例において、天井CEに固定された状態に対応する。
図12は、本適用例において、アンギオ装置3のレイアウトの一例を示す図である。具体的には、図12は、アンギオ装置3とCTガントリ5とをY軸方向から見た図である。図12に示すように、第1基台371は、天板73の中心部分からCTガントリ5側へオフセットさせた位置の直上の天井CEに固定される。第2パーク位置P2への第2基台471の移動については、第1適用例における動作と同様なため、説明は省略する。
図13は、本適用例において、第1パーク位置に移動されたCアーム37と、撮影位置に移動途中のCTガントリ5とを、X軸方向から見た一例を示す図である。図14は、本適用例において、第1パーク位置に移動されたCアーム37と、撮影位置に移動されたCTガントリ5とを、Z軸方向から見た一例を示す図である。
図13および図14に示すように、Cアームに関する第1パーク位置は、図12に示す天井旋回アーム395を、第5回転軸zC5周りに90°回転させた状態に相当する。ステップSa3において、アーム待避指示の入力に応答して、処理回路94は、システム制御機能941により、天井旋回アーム395を90°回転させるように、第1基台371に搭載されたモータを制御する。なお、本適用例における第1パーク位置は、図8に示すようなCアーム37の状態であってもよい。このとき、アーム待避指示の入力に応答して、アーム待避動作が実行される。
本適用例におけるバイプレーンのアンギオCT装置1においても、第1適用例世帯第3適用例と同様に、Cアーム37及びΩアーム47によるX線撮影を行う際において、第1アイソセンタIS1の位置を維持したまま、第1アイソセンタ軸zC1の軸回りにCアーム37を回転させてX線撮影を行うことができ、かつ、第1基台371を第2基台471に対して離れた位置に配置することができるため、Cアーム37とΩアーム47との両方を天井から吊り下げることができる。
(第5適用例)
本適用例は、天板73の長手方向に垂直であって天井CEに配置されたレール473を有し、レール473に沿って移動可能な第2基台471が鉛直方向を回転軸zΩ3としてアームホルダ49を回転自在に支持することにある。本適用例における第1基台371は、図9に示す第2適用例において、天井CEに固定された状態に対応する。
図15は、本適用例において、アンギオ装置3のレイアウトの一例を示す図である。具体的には、図15は、アンギオ装置3とCTガントリ5とをY軸方向から見た図である。図15に示すように、第1基台371は、第4適用例と同様に、天板73の中心部分からCTガントリ5側へオフセットさせた位置の直上の天井CEに固定される。本適用例における第1パーク位置および第1パーク位置への支持アーム39等の動作は、第4適用例と同様なため、説明は省略する。加えて、第2パーク位置P2への第2基台471の移動については、第2適用例における動作と同様なため、説明は省略する。
以上で説明した実施形態、適用例等によれば、バイプレーンのアンギオCT装置1を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。