JP7393972B2 - 配線ガイド - Google Patents
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Description
ハンド部分が取り替え可能なロボットアームは、使用するハンド部分によってはアームの外表面側に電線等の配線を配索しなければならない。
このようにアームの外表面側に配線を配索する場合、アームに沿って配線をガイドするための配線ガイドが用いられる。
また、特許文献1に記載のケーブルガイド装置は、スプリング軸の長さ寸法を利用して、配線をアームの外側部から一定間隔離隔された状態にするようにしているが、スプリング軸は、弾性を有して反ることができる程度の長さが必要であるため、反り量と、長さ寸法との調整を行うことが難しく、余分に長い寸法になってしまうおそれがあった。
また、近年、作業者の傍で作業を補助する協働型のロボットアームが多く用いられるようになってきており、アームの外表面と配線との間隔が必要以上に大きいと、ロボットアームの動作時に作業者に配線が引っ掛り易くなってしまう問題があった。
なお、ロボットアームだけでなく、アームのような連節部材が複数連接された連節機構の連節部材の外表面側に配索される配線をガイドする配線ガイドにおいても同様の問題がある。
半球に比してより球体に近い球状の凹部である球状凹部が形成されるとともに、複数の連節部材が連接された連節機構の前記連節部材の外表面への固定部分となる支持固定部と、
前記半割リング部が保持されるリング保持部と、該リング保持部の外面側に突設され、前記支持固定部との連結部分となる連結部とを有し、前記支持固定部に対して相対的に可動可能に連結される可動式ガイド部と、
を有し、
前記連結部は、
半球に比してより球体に近い形状に形成され、前記球状凹部の内部に摺動可能に配置される球状先端部と、
該球状先端部と前記リング保持部の前記外面とを繋ぐ柱状繋ぎ部と、
を有し、
前記支持固定部は、
前記球状凹部の内部に前記球状先端部を配置した状態で、前記柱状繋ぎ部の傾く範囲を規制するように前記柱状繋ぎ部の側方領域を囲う傾き規制壁部を有し、
前記可動式ガイド部は、
前記支持固定部に対して、前記柱状繋ぎ部を所望の傾き状態にさせつつ前記支持固定部の軸方向を中心軸として360度回転可能に連結されることを特徴とする。
また、本発明に係る配線ガイドは、前記可動式ガイド部が、前記柱状繋ぎ部が前記支持固定部に対して直立した状態で回転可能であるばかりでなく、前記柱状繋ぎ部が上下両方向に傾いた状態であっても回転可能になっている。
このため、本発明に係る配線ガイドは、前記可動式ガイド部を前記支持固定部に対して傾いた状態で回転可能にしつつ、前記傾き規制壁部によって前記可動式ガイド部が所望の傾きよりも傾かないように規制することによって、前記配線と前記連節部材との距離を所望の距離に保つことができるようになっている。
従いまして、本発明に係る配線ガイドは、簡易な構成で、連節部材が連接された連節機構の動作時にかかる配線への屈曲による負荷を低減し、かつ、配線と連節部材の外表面との間に所望の間隔を確保しつつ、連接される複数の連節部材に沿って配線をガイドすることができる。
なお、説明の便宜上、図6において図示した矢印によって上下方向を定義している。
本発明の実施例に係る配線ガイド1は、ロボットアーム100のアーム110の外表面110aに配索される配線Wとしての複数の電線W(図9参照)をガイドするものである。
この半割リング部10は、両縁に一対のリブ11が周方向に沿って形成され、一対のリブ11の間にリング外周面12が形成されている。
一対のリブ11は、半割リング部10が後述するリング保持部31に保持された状態で、リング保持部31の両縁側から上下方向に迫り出されることによって、リング保持部内に収容された半割リング部10がリング保持部31から離脱されることを阻止する壁として機能されるようになっている。
なお、2つの分割リング部材10Aの係合状態は、カギ状係合部14の係合基部14aが弾性的に撓むことによって解除することができるようになっている。
支持固定部20は、球状凹部23が形成されるとともに、取り付け先となるアーム110への固定部分である。
この支持固定部20は、球状凹部23を有して可動式ガイド部30の連結部50を連結支持する部分となる連結支持部21と、結束バンドBを用いてアーム110の外表面110aに固定する部分となる固定部25と、を有する。
支持本体部22は、内部に形成された球状凹部23と、球状凹部23の開口部分から支持本体部22の上端開口22aに連通して可動式ガイド部30の後述する柱状繋ぎ部52の可動空間を囲う傾き規制壁部24と、を有する。
この球状凹部23は、可動式ガイド部30の後述する球状先端部51が内部に摺動可能に配置される部分である。
この一対の結束用片部26aは、基端部を起点として下方に向けて弾性的に撓むことができるようになっており、結束バンドBを巻き付けると、ある程度の範囲でアーム110の寸法を許容しつつアーム110の外表面に追従されるようになっている。
可動式ガイド部30は、半割リング部10が保持されるリング保持部31、および、リング保持部31の外面31a側に突設され、支持固定部20との連結部分となる連結部50を備え、支持固定部20に対して相対的に可動されるものである。
このような分断部33が形成されることによって、リング状本体部32は、周方向両端面が分断面33a、33bとなり、両分断面33a、33bの間隔を拡げることによって、リング状本体部32の内部を拡げることができるようになっている。
このため、リング保持部31は、分断部33の両分断面33a、33bの間隔を拡げることによって内部にリング状の半割リング部10を配置し易いようになっている。
この連続周面形成部36は、係止部34の係止完了状態で、鋭角を構成する2つの面のうち、外面側となる一方の面36a(以下、鋭角外面という。)が下側係止爪部38の分断面33b周辺の内側に重なる側の面をなし、内面側となる他方の面がリング状本体部32の内周面を形成するようになっている。
弾性アーム部37aは、連続周面形成部36の基端部から下側係止爪部38の外側に周り込むように延在して設けられたアーム状の部分である。
この弾性アーム部37aと鋭角外面36aとの間には、下側係止爪部38が入り込むことができる下側係止部挿入空間39(図5参照)が形成されている。
ここで、係止部34を係止解除状態から係止する場合、作業者は、弾性アーム部37aの外面を押圧操作する。
この押圧操作によって、下側係止爪部38が鋭角外面36aに摺接されながら下側係止部挿入空間39の内部に入り込み、その後、上側爪部37bと下側爪部38aとが係止されることによって係止部34の係止が完了される。
なお、この実施例では、柱状繋ぎ部52は、円柱状に形成されている。
また、配線ガイド1は、可動式ガイド部30が、柱状繋ぎ部52が支持固定部20に対して直立した状態で回転可能であるばかりでなく、柱状繋ぎ部52が上下両方向に傾いた状態であっても回転可能になっている。
このように配線ガイド部1は、可動式ガイド部30を支持固定部20に対して傾いた状態で回転可能にしつつ、傾き規制壁部24によって可動式ガイド部30が所望の傾きよりも傾かないように規制することによって、配線Wとアーム110との距離を所望の距離に保つことができるようになっている。
まず、作業者は、アーム110の外表面110aの所望の位置に配線ガイド1を固定する。
この作業では、作業者は、バンド挿通孔部27に結束バンドBを挿通し、アーム110の外表面110aに配置したバンド巻き付け部26を含めてアーム110に結束バンドBを巻き付けることによって、配線ガイド1をアーム110の外表面110aに固定する。
この作業では、リング保持部31は係止部34の係止が解除された状態にしてあり、分断部33から配線Wをリング保持部31内に入れることによって、配線Wを可動式ガイド部30のリング保持部31内に挿通することできる。
この作業では、作業者は、分離した状態の2つの分割リング部材10Aをリング状の半割リング部10として結合する際に、リング内に配線Wを配置するようにしている。
なお、2つの分割リング部材10Aは、各分割リング部材10Aの円周方向両端部に形成された係合部13を介して容易にリング状に結合される。
この作業では、作業者は、半割リング部10を内部に挿通された配線Wに沿ってリング保持部31内に誘導配置する。
なお、リング保持部31は係止部34の係止が解除された状態であり、リング状本体部32の内部を容易に拡げることができる状態になっているので、半割リング部10をリング保持部31内に容易に配置することができる。
ここで、作業者が上側係止爪部35の弾性アーム部37aの外面を内側に向けて押圧すると、下側係止爪部38が鋭角外面36aに摺接されながら下側係止部挿入空間39の内部に入り込込み、その後、上側爪部37bと下側爪部38aとが係止されることによって係止部34の係止が完了される。
ロボットアーム100のアーム110に沿って配線Wを配索すると(図9参照)、アーム110に動作によって配線Wに曲げ荷重による負荷がかかる。
例えば、図8に示すように、配線Wを結束バンドBだけでアーム110の所定位置に固定した場合、配線Wがアーム110の外表面110aに結束されるので、アーム110の動作によっては、配線Wの曲がり具合が大きくなり、配線Wに大きな負荷がかかってしまう(図8(a)参照)。
また、本発明の実施例に係る配線ガイド1は、可動式ガイド部30が、柱状繋ぎ部52が支持固定部20に対して直立した状態で回転可能であるばかりでなく、柱状繋ぎ部52が上下両方向に傾いた状態であっても回転可能になっている。
このため、本発明の実施例に係る配線ガイド1は、可動式ガイド部30を支持固定部20に対して傾いた状態で回転可能にしつつ、傾き規制壁部24によって可動式ガイド部30が所望の傾きよりも傾かないように規制することによって、配線Wとアーム110との距離を所望の距離に保つことができるようになっている。
従いまして、本発明の実施例に係る配線ガイド1は、簡易な構成で、アーム110が連接されたロボットアーム100の動作時にかかる配線Wへの屈曲による負荷を低減し、かつ、配線Wとアーム110の外表面110aとの間に所望の間隔を確保しつつ、連接される複数のアーム110に沿って配線Wをガイドすることができる。
(変形例1)
図10は、変形例1の配線ガイド2の斜視図である。図11は、変形例1の配線ガイド2の分解斜視図である。図12は、(a)が結束バンドBによってアーム110に配線Wを配索した状態でロボットアーム100を可動した場合の、配線Wの屈曲状態を示した図であり、(b)が配線ガイド2によってアーム110に配線Wを配索した状態でロボットアーム100を可動した場合の、配線Wの屈曲状態を示した図である。図13は、配線ガイド2を用いてロボットアーム100に配線Wを配索した状態を示した図である。
なお、その他の構成は実施例と同様であり、実施例と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
この半割リング部60は、2つの分割リング部材60Aに分割可能なリング状の部材であり、各分割リング部材60Aの円周方向両端部に形成された係合部13を介して2つ分割リング部材60Aがリング状に結合されるようになっている。
2つのリング爪61は、電線Wの外装部材として用いられるチューブであるフレキシブルコンジットW1の軸方向に交互に連続して形成された凹部と凸部とからなる波目状の外表面の凹部に嵌るように設けられた部分である。
このため、半割リング部60を介してリング保持部31に保持されるフレキシブルコンジットW1がねじれを吸収してリング保持部31に保持される。
このため、変形例1の配線ガイド2は、半割リング部60のリング爪61がフレキシブルコンジットW1の波目状の外表面の凹部に嵌ることによって、フレキシブルコンジットW1の延在方向での半割リング部60の取付け位置が安定的に保持されるとともに、フレキシブルコンジットW1が周方向での回転を可能にした状態で保持されるため、半割リング部60を介してリング保持部31に保持されるフレキシブルコンジットW1のねじれを吸収してリング保持部31に保持することができる。
(変形例2)
図14は、変形例2の配線ガイド3の正面図である。
なお、その他の構成は実施例と同様であり、実施例と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
一対の結束用片部71aは、アーム110の外表面110aに取り付けられる側の面が平面形状のアーム110の外表面110aに対応した平面を形成するように水平方向に向けて突出されている。
10、60 半割リング部
60a 内周面
10A、60A 分割リング部材
11 リブ
12 リング外周面
13 係合部
14 カギ状係合部
14a 係合基部
14b 係合カギ部
15 溝状係合部
15a 第一係合溝部
15b 第二係合溝部
20 支持固定部
21 連結支持部
22 支持本体部
22a 上端開口
23 球状凹部
24 傾き規制壁部
25、70 固定部
26、71 バンド巻き付け部
26a、71a 結束用片部
26b、71b 中間部
27、72 バンド挿通孔部
30 可動式ガイド部
31 リング保持部
31a 外面
32 リング状本体部
32a 内周面
33 分断部
33a、33b 分断面
34 係止部
35 上側係止爪部
36 連続周面形成部
36a 鋭角外面
37 弾性係止爪部
37a 弾性アーム部
37b 上側爪部
38 下側係止爪部
38a 下側爪部
39 下側係止部挿入空間
40 係止解除操作部
50 連結部
51 球状先端部
52 柱状繋ぎ部
61 リング爪
100 ロボットアーム(連節機構)
110 アーム(連節部材)
110a 外表面
W 配線
W1 フレキシブルコンジット
B 結束バンド
Claims (4)
- リング状に結合されることによって内部に配線が挿通配置される半割リング部と、
半球に比してより球体に近い球状の凹部である球状凹部が形成されるとともに、複数の連節部材が連接された連節機構の前記連節部材の外表面への固定部分となる支持固定部と、
前記半割リング部が保持されるリング保持部と、該リング保持部の外面側に突設され、前記支持固定部との連結部分となる連結部とを有し、前記支持固定部に対して相対的に可動可能に連結される可動式ガイド部と、
を有し、
前記連結部は、
半球に比してより球体に近い形状に形成され、前記球状凹部の内部に摺動可能に配置される球状先端部と、
該球状先端部と前記リング保持部の前記外面とを繋ぐ柱状繋ぎ部と、
を有し、
前記支持固定部は、
前記球状凹部の内部に前記球状先端部を配置した状態で、前記柱状繋ぎ部の傾く範囲を規制するように前記柱状繋ぎ部の側方領域を囲う傾き規制壁部を有し、
前記可動式ガイド部は、
前記支持固定部に対して、前記柱状繋ぎ部を所望の傾き状態にさせつつ前記支持固定部の軸方向を中心軸として360度回転可能に連結されることを特徴とする配線ガイド。 - 前記半割リング部は、
内周面に沿って凸状に形成されたリング爪が設けられ、該リング爪が、前記配線の外装部材として用いられるチューブであるフレキシブルコンジットの軸方向に交互に連続して形成された凹部と凸部とからなる波目状の外表面の凹部に嵌る
ことを特徴とする請求項1に記載の配線ガイド。 - 前記支持固定部は、
結束バンドを巻き付けてアームの外表面に固定される部分であるバンド巻き付け部と、前記結束バンドを挿通可能に形成されたバンド挿通孔部と、を設けた固定部を有し、前記結束バンドを用いて前記連節部材の前記外表面に固定される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の配線ガイド。 - 前記連節機構は、
ロボットアームであり、
前記連節部材は、
前記ロボットアームのアームである
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の配線ガイド。
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