JP7393171B2 - 整流装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両の走行時に車体周辺の整流を行う整流装置に関するものである。
自動車等の車両の走行時に、車体の周辺には自車両の走行に起因して、自車両に対して相対的に発生する気流(いわゆる走行風)が形成される。
このような走行風が車体周辺の一部で渦流を伴う乱流を形成すると、空気抵抗、空力騒音(風切音)が悪化する原因となる。また、空力的な要因により、例えば直進性などの操縦安定性が悪化する場合もある。
車両周囲の整流に関する従来技術として、例えば特許文献1には、車体のリアウインドウ近傍に発生する空気の流れの剥離現象に起因する空気抵抗を低減するため、ルーフ後端部領域に複数の凸状バンプ(ボーテックスジェネレータ)を配列することが記載されている。
特許文献2には、誘電体を介して配置された複数の電極に高電圧を印加した際に発生するプラズマを利用して気流を発生させるプラズマアクチュエータを車両に取り付けて構成した整流装置が記載されている。
特開2004-345562号公報 国際公開WO2011/024736A1
特許文献1に記載された技術のような突起等からなるボーテックスジェネレータは、その下流側に形成される渦の制御には有効であるものの、それ自体が抵抗を発生する原因となっている。また、限られた気流の条件下でなければ良好な効果を得ることが難しい。
これに対し、特許文献2に記載されたようなプラズマアクチュエータ等の気流発生手段を用いて、積極的に気流を発生させれば、より広い領域で効果的に車体周囲の整流を図ることができると考えられる。
例えば、車体の側面部と後面部との境界部などのように、車体表面の方向が急激に変化する箇所において、車体側面に沿って流れてきた走行風が剥離し、車両後方側に渦流を伴う乱流を形成すると、空気抵抗、空力騒音、操縦安定性などが悪化する原因となる。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、車体表面の方向が変化する箇所の後方側における渦流を抑制した整流装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、車両の前後方向にほぼ沿って配置された第1の面部と、車両外側に向け凸となる稜線を介して前記第1の面部の車両後方側の端部に接続された第2の面部とを有する車両に設けられる整流装置であって、前記第2の面部に設けられ、前記第2の面部から遠ざかる方向の速度ベクトルを有する気流を発生するとともに、前記第2の面部の法線方向から見たときに、前記稜線の近傍に周方向に分散して配置された複数の気流発生部と、前記複数の気流発生部を、前記周方向に沿って順次駆動及び停止する制御部とを備え、前記気流発生部は、誘電体を挟んで配置された少なくとも一対の電極及び前記電極に交流電圧を印加する電源を有するプラズマアクチュエータであることを特徴とする整流装置である。
これによれば、周方向に分散して配置された複数の気流発生部を順次駆動及び停止させることにより、第2の面部から車両後方側に旋回しながら進行する旋回流を形成することができる。
このような旋回流の回転方向を、第1の面部に沿って流れた走行風が稜線近傍で剥離して形成される渦流の回転を抑制する方向とすることにより、渦流を抑制して車両の空気抵抗、空力騒音、空力要因による操縦安定性の悪化を抑制することができる。
また、可動部分を持たないシンプルな構成により応答性良く気流を発生させることが可能であり、上述した効果を確実に得ることができる。
請求項2に係る発明は、前記制御部は、車両の走行時に前記稜線付近で発生する渦流を前記第2の面部の法線方向から見たときの回転方向と同じ回転方向となるように、周方向に分散して配置された前記気流発生部を順次駆動及び停止することを特徴とする請求項1に記載の整流装置である。
これによれば、過流の回転を抑制して上述した効果を確実に得ることができる。
請求項3に係る発明は、前記渦流の回転方向を検出する回転方向検出部を備え、前記制御部は、前記回転方向検出部が検出する前記回転方向に応じて前記気流発生部の駆動順序を決定することを特徴とする請求項2に記載の整流装置である。
これによれば、過流の回転方向を検出することにより、適切に気流発生部の制御を行って上述した効果を確実に得ることができる。
請求項4に係る発明は、前記回転方向検出部は、前記第1の面部と前記第2の面部との少なくとも一方に分布して配置された複数の圧力センサを有することを特徴とする請求項3に記載の整流装置である。
これによれば、車体表面の圧力分布に応じて渦流の回転方向を検出することにより、上述した効果を適切に得ることができる。
請求項5に係る発明は、前記気流発生部は、前記気流の進行方向を変化させる機能を有し、前記第2の面部の法線方向に対する前記気流の進行方向は、前記気流発生部の駆動開始時においては当該気流発生部の直前に駆動される前記気流発生部側に傾斜し、当該気流発生部の駆動終了時においては当該気流発生部の直後に駆動される前記気流発生部側に傾斜することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の整流装置である。
これによれば、気流発生部の切替を行う際に、先に駆動される気流発生部が発生する気流と後に駆動される気流発生部が発生する気流とを滑らかに合流させて安定した旋回流を形成することができる。
請求項6に係る発明は、前記第2の面部の法線方向に対する前記気流の進行方向は、前記気流発生部のうち駆動順位が後である側に傾斜することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の整流装置である。
これによれば、気流の流速のうち気流発生部が配置された周方向に沿った成分が旋回流を強化するよう作用することから、旋回流を強化して渦流の抑制効果を高めることができる。
請求項に係る発明は、複数の前記気流発生部を、前記プラズマアクチュエータの前記電極の延在方向が放射状となるように配列したことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の整流装置である。
これによれば、効果的に旋回流を形成し、上述した効果を適切に得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、車体のコーナ部で形成される渦状の気流を抑制する整流装置を提供することができる。
本発明を適用した整流装置の第1実施形態を有する車両の車体後部を車幅方向左側から見た状態を示す図である。 図1のII-II部矢視図である。 図2のIII部拡大図である。 第1実施形態の整流装置に設けられる3極式のプラズマアクチュエータの模式的断面図である。 第1実施形態の整流装置におけるプラズマアクチュエータの制御システムの構成を示すブロック図である。 第1実施形態の整流装置におけるプラズマアクチュエータの切替時の動作を示す図である。 本発明を適用した整流装置の第2実施形態におけるプラズマアクチュエータの切替時の動作を示す図である。 本発明を適用した整流装置の第3実施形態におけるプラズマアクチュエータの配置を示す図である。
<第1実施形態>
以下、本発明を適用した整流装置の第1実施形態について説明する。
第1実施形態の整流装置は、例えば乗用車等の自動車の車体後部に設けられ、リアバンパ両端部のコーナ部で形成される渦状の気流を抑制し、車両の空気抵抗、空力騒音、空力要因による操縦安定性の低下などを抑制するものである。
図1は、本発明を適用した整流装置の第1実施形態を有する車両の車体後部を車幅方向左側から見た状態を示す図である。
図2は、図1のII-II部矢視図(車両後面部)である。
第1実施形態の車両は、例えば、キャビン後部に開閉式のテールゲートを有するとともに、車室前部に図示しないエンジンコンパートメントを有する、いわゆる2ボックス車形を有する乗用車である。
車両1は、乗員等が収容される空間部が設けられたキャビン(車室)10を有する。
キャビン10は、ルーフ11、Cピラー12、Dピラー13、リアフェンダ14、リアドア15、リアドアガラス16、リアクォータガラス17、ホイルハウス18等を有する。
ルーフ11は、キャビン10の上面部を構成するパネル状の部材である。
ルーフ11は、水平面にほぼ沿って配置されている。
ルーフ11の左右両端部には、上方に突出しかつ車両前後方向に伸びたルーフレール11aが設けられている。
ルーフ11の後端部近傍における車幅方向中央部には、フィン状のアンテナ11bが設けられている。
Cピラー12は、ルーフ11の側部における中間部から下方へ伸びた柱状の部分である。
Dピラー13は、ルーフ11の側部における後端部から下方へ伸びた柱状の部分である。
リアフェンダ14は、Cピラー12よりも後方側でありかつDピラー13よりも前方側の領域の車両側面部に設けられ、車体側面の一部を構成する外装部材である。
Dピラー13及びリアフェンダ14の後端部は、テールゲート20が設けられる開口の周縁部の一部を構成する。
リアドア15は、リアフェンダ14の前方側の領域に設けられ、後席乗員の乗降等に設けられるリアドア開口に設けられた扉状体である。
リアドア15は、Cピラー12の前方に配置された図示しないBピラーに設けられたヒンジ回りに揺動し、リアドア開口を開閉する。
リアドアガラス16は、リアドア15の上部に昇降可能に設けられている。
閉状態におけるリアドアガラス16の上端部は、ルーフ11の側端部に沿って配置され、後端部は、Cピラー12に沿って配置されている。
リアクォータガラス17は、Cピラー12とDピラー13との間に設けられた固定ガラスである。
リアクォータガラス17の上端部は、ルーフ11の側端部に沿って配置され、下端部は、リアフェンダ14の上部に沿って配置されている。
ホイルハウス18は、キャビン10の後方下部に設けられ、後輪RWを収容する空間部である。
ホイルハウス18は、リアフェンダ14及びリアドア15の下部に設けられている。
ホイルハウス18は、車幅方向外側に開口している。
キャビン10の後端部には、テールゲート20、リアバンパ30、リアコンビネーションランプ40等が設けられている。
テールゲート20は、キャビン10の後端部開口に取り付けられた扉状体である。
テールゲート20は、上端部をルーフ11の後端部に配置されたヒンジに取り付けられ、ヒンジの軸回りに揺動して開閉される。
テールゲート20は、リアガラス21、リアスポイラ22等を有する。
リアガラス21は、テールゲート20の上半部に設けられている。
リアスポイラ22は、テールゲート20の上端部近傍に設けられ、リアガラス21の表面に対して車両後方側に突出して形成されている。
リアバンパ30は、キャビン10の後部における下部であって、テールゲート20の下側に設けられる外装部材である。
リアバンパ30は、例えば、ポリプロピレン樹脂などの樹脂系材料によって形成された外装部材である。
リアバンパ30は、側面部31、後面部32、下面部33等を有する。
側面部31は、車体側面の一部を構成する部分(第1の面部)である。
側面部31は、リアフェンダ14の下方であって、ホイルハウス18の後方側に配置されている。
後面部32は、車体後面の一部を構成する部分(第2の面部)である。
後面部32は、左右の側面部31の後端部間に、車幅方向にわたして配置されている。
後面部32は、テールゲート20の下部に設けられている。
側面部31の後端部と、後面部32の側端部との境界部には、局所的に曲率が大きくなる凸曲面として形成された稜線33が形成されている。
リアコンビネーションランプ40は、例えばブレーキランプ、ポジションランプ、リバースランプ、ターンシグナルランプ、リアフォグランプなどの各種灯火装置を、ハウジング内に収容してユニット化したものである。
リアコンビネーションランプ40は、テールゲート20の左右側端部であって、リアフェンダ14の後部の領域に設けられている。
リアコンビネーションランプ40の車幅方向外側の半部は、リアフェンダ14側に取り付けられ、車幅方向外側の半部は、テールゲート20に取り付けられている。
リアバンパ30の後面部32における車幅方向両端部には、以下説明する気流発生部50が設けられている。
気流発生装置50は、車体後部に形成される渦流Tを抑制するための空力デバイスである。
図3は、図2のIII部拡大図である。
気流発生装置50は、例えば、8個のプラズマアクチュエータ(気流発生部)を、長手方向(電極の延在方向・図4の紙面に対する法線方向)が放射状となるように配置したものである。
気流発生装置50は、第1プラズマアクチュエータPA1、第2プラズマアクチュエータPA2、第3プラズマアクチュエータPA3、第4プラズマアクチュエータPA4、第5プラズマアクチュエータPA5、第6プラズマアクチュエータPA6、第7プラズマアクチュエータPA7、第8プラズマアクチュエータPA8を、上部に設けられる第1プラズマアクチュエータPA1から、周方向に沿って反時計回り方向に等間隔で順次配列して構成されている。
以下、第1乃至第8プラズマアクチュエータPA1乃至PA8として利用される3極式のプラズマアクチュエータの構成について詳細に説明する。
図4は、第1実施形態の整流装置に設けられる3極式のプラズマアクチュエータの模式的断面図である。
3極式のプラズマアクチュエータ100は、誘電体110、上部電極120(120AA、120B)、下部電極130、絶縁体140等を有して構成されている。
誘電体110は、例えばポリテトラフルオロエチレンなどのフッ化炭素樹脂などからなるシート状の部材である。
上部電極120、下部電極130は、例えば銅などの金属薄膜からなる導電テープにより構成されている。
上部電極120は、誘電体110の表面側(車体等に取り付けた際、外部に露出する側)に貼付されている。
下部電極130は、誘電体110の裏面側に貼付されている。
上部電極120と下部電極130とは、誘電体110の面方向にオフセットして配置されている。
図4に示す3極式のプラズマアクチュエータ100Aは、下部電極130を挟んだ両側に一対の上部電極120(120A,120B)を対称的に配置し、個々の上部電極120A、120Bに独立した電源PSを設けている。
絶縁体140は、プラズマアクチュエータ100の基部となるシート状の部材であって、誘電体110の裏面側に、下部電極130を覆って設けられている。
プラズマアクチュエータ100の上部電極120と下部電極130に、電源PSによって所定の波形を有する交流電圧を印加すると、電極間にプラズマ放電Pが発生する。
印加電圧は絶縁破壊が生じてプラズマ放電Pが発生する程度の高圧とする必要があり、例えば、1乃至10kV程度とすることができる。
また、印加電圧の周波数は、例えば、1乃至10kHz程度とすることができる。
このとき、プラズマアクチュエータ100の表面側の空気がプラズマ放電Pに誘引され、壁面噴流状の気流Fが発生する。
また、プラズマアクチュエータ100は、印加される交流電圧の波形を制御することにより、気流Fの方向を逆転することも可能となっている。
このような3極式のプラズマアクチュエータ100Aは、例えば、上部電極120Aと下部電極130、上部電極120Bと下部電極130との間にそれぞれ形成されるプラズマPを用いて、相互に対向する気流Fを発生させることができる。
この場合、対向する気流Fは衝突して合流しつつ偏向し、プラズマアクチュエータ100Aの主平面から離間する方向(典型的には法線方向等)に沿って流れる気流を形成(合成)することができる。
また、3極式のプラズマアクチュエータ100Aは、一方の上部電極120(120A又は120B)のみに通電することによって、上述した2極式のプラズマアクチュエータ100と同様に、その表面に沿って進行する気流を形成することができる。
さらに、上部電極120A、120Bに印加される電圧等を制御することにより、合流した後の気流の進行方向を制御することもできる。
第1実施形態の整流装置は、上述した第1プラズマアクチュエータPA1乃至第8プラズマアクチュエータPA8に駆動電力を供給して気流を発生させ、走行風の整流を行うため、以下説明する制御システムを備えている。
図5は、第1実施形態の整流装置におけるプラズマアクチュエータの制御システムの構成を示すブロック図である。
制御システム200は、電源ユニット210、整流制御ユニット220等を有して構成されている。
電源ユニット210は、第1プラズマアクチュエータPA1乃至第8プラズマアクチュエータPA8の各電極間に独立して電力を供給する電源PSをユニット化したものである。
整流制御ユニット220は、リアバンパ30の側面部31周辺の走行風の気流の状態に応じて電源ユニット210に指令を与え、第1プラズマアクチュエータPA1乃至第8プラズマアクチュエータPA8の作動、停止、及び、作動させる場合の気流Fの方向、強度などを制御するものである。
上述した各ユニットは、例えばCPU等の情報処理部、RAMやROM等の記憶部、入出力インターフェイス、及び、これらを接続するバス等を有して構成され、相互に通信可能となっている。
整流制御ユニット220は、気流状態推定部221を有する。
気流状態推定部221は、車両の走行状態等に応じて、リアバンパ30の側面部31周辺の走行風の挙動、及び、渦流Tが形成される場合にはその回転方向を推定するものである。
気流状態推定部221には、圧力センサ222が接続されている。
圧力センサ222は、リアバンパ30の側面部31の表面に上下方向に分散して複数の検出部が配列され、側面部31近傍における空気の圧力を検出するものである。
気流状態推定部221は、圧力センサ222が検出する上下方向の圧力分布の推移(例えば、圧力のピークが上向き、下向きのいずれの方向に移動しているか)に基づいて、過流Tの回転方向を推定する。
整流制御ユニット220は、気流発生装置50が、車体後部に形成される渦流Tと同じ方向に旋回する旋回流を形成するよう、各プラズマアクチュエータPA1乃至PA8を制御する。
具体的には、図2に示すように車両後方側から見たときに、車両の左側において、渦流Tが反時計回り方向に回転している場合には、整流制御ユニット220は、第1プラズマアクチュエータPA1乃至第8プラズマアクチュエータPA8を、図3における反時計回り方向に順次駆動、停止させる。
これにより、第1プラズマアクチュエータPA1乃至第8プラズマアクチュエータPA8は、反時計回り方向に順次車両後方側へ進行する気流Fを形成する。
これらの気流Fは、車両後方側から見たときに反時計回り方向に旋回しつつ、過流Tと干渉しながら車両後方側へ進行する旋回流Sを形成する。
また、車両の右側においては、車両の左側と対称な挙動を示す渦流T、旋回流Sが形成される。
図6は、第1実施形態の整流装置におけるプラズマアクチュエータの切替時の動作を示す図である。
図6は、図3のVI-VI部を示している。
第1実施形態の整流装置においては、上述した旋回流Sを形成するため、第1乃至第8プラズマアクチュエータPA1乃至PA8の切替を行う際に、以下説明する気流方向揺動制御を行っている。
図6(a)乃至図6(d)は、作動するプラズマアクチュエータを、第8プラズマアクチュエータPA8、第1プラズマアクチュエータPA1、第2プラズマアクチュエータPA2の順に切替える際の気流の挙動を時系列で示している。各アクチュエータが発生する気流Fに、それぞれ8,1,2の添字を付して図示する。
図6(a)は、第8プラズマアクチュエータPA8が気流F8を発生している状態を示している。
この状態では、気流F8は、リアバンパ30の後面部32の法線方向(以下単に法線方向と称して説明する)に対して、第1プラズマアクチュエータPA1側に傾斜している。
図6(b)は、第1プラズマアクチュエータPA1が気流F1の発生を開始した状態を示している。
この状態では、気流F1は、法線方向に対して第8プラズマアクチュエータPA8側に傾斜しており、気流F1と気流F8は合流するように配置されている。
図6(c)は、第8プラズマアクチュエータPA8が気流F8の発生を停止した状態を示している。
この状態では、第1プラズマアクチュエータPA1は、気流F1の法線方向に対する傾斜方向を、第8プラズマアクチュエータPA8側から第2プラズマアクチュエータPA2側へ、徐々に揺動させる。
図6(d)では、第1プラズマアクチュエータPA1の気流F1は法線方向に対して第2プラズマアクチュエータPA2側に傾斜し、第2プラズマアクチュエータPA2は気流F2の発生を開始している。
その後、第1プラズマアクチュエータPA1は、気流F1の発生を終了する。
以下、同様にして各プラズマアクチュエータPA1乃至PA8の切替えを順次行う。
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)周方向に分散して配置された複数のプラズマアクチュエータPA1乃至PA8を順次駆動及び停止させることにより、リアバンパ30の後面部32から車両後方側に旋回しながら進行する旋回流Sを形成することができる。
このような旋回流Sの回転方向を、側面部31に沿って流れた走行風が稜線33近傍で剥離して形成される渦流Tの回転を抑制する方向とすることにより、渦流Tを抑制して車両1の空気抵抗、空力騒音、空力要因による操縦安定性の悪化を抑制することができる。
(2)車両後方から見たときの渦流Tと旋回流Sの回転方向を同じとすることにより、過流Tの回転を抑制して上述した効果を確実に得ることができる。
(3)圧力センサ222によって車体側面部の圧力分布を検出し、渦流Tの回転方向を推定することにより、適切にプラズマアクチュエータPA1乃至PA8の制御を行って上述した効果を確実に得ることができる。
(4)プラズマアクチュエータPA1乃至PA8の切替を行う際に、先に駆動されるプラズマアクチュエータが発生する気流Fと後に駆動されるプラズマアクチュエータが発生する気流Fとを滑らかに合流させて安定した旋回流Sを形成することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明を適用した整流装置の第2実施形態について説明する。
以下説明する各実施形態において、従前の実施形態と同様の箇所には同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図7は、第2実施形態の整流装置におけるプラズマアクチュエータの切替時の動作を示す図である。
第2実施形態においては、第1実施形態において図6に示したようなプラズマアクチュエータ切替時の気流Fの揺動を行わず、各プラズマアクチュエータが発生する気流の方向は実質的に固定されている。
各プラズマアクチュエータが発生する気流の主流方向は、リアバンパ30の後面部32の法線方向に対して、駆動順位が次位のプラズマアクチュエータ側に傾斜して設定されている。
以上説明した第2実施形態によれば、上述した第1実施形態の効果と同様の効果((4)項記載のものを除く)に加えて、気流Fの流速のうち第1乃至第8プラズマアクチュエータPA1乃至PA8が配置された周方向に沿った成分が旋回流を強化するよう作用することから、旋回流を強化して渦流Tの抑制効果を高めることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明を適用した整流装置の第3実施形態について説明する。
図8は、第3実施形態における気流制御装置のプラズマアクチュエータの配置を示す図である。
図8は、第1実施形態における図3に対応する箇所を示している。
第3実施形態においては、第1実施形態と同様の第1プラズマアクチュエータPA1、第2プラズマアクチュエータPA2、第3プラズマアクチュエータPA3、第4プラズマアクチュエータPA4、第5プラズマアクチュエータPA5のみを、車幅方向外側に凸となる半円状の円弧に沿って放射状に配列している。
以上説明した第3実施形態によれば、比較的少数のプラズマアクチュエータを有する簡素な構成により、比較的容易に本発明を適用することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)整流装置及び車両の構成は、上述した各実施形態に限定されることなく、適宜変更することができる。
例えば、車両の車形や、整流装置の設置個所は、適宜変更することができる。
第1実施形態の車両においては、整流装置は、例えばリアバンパの後面部に設けられているが、これに限らず、例えばテールゲート、車両後方側に巻き込んだ形状を有するリアフェンダの後面部や、3ボックス車形におけるトランクリッド後面部などに設けてもよい。
(2)各実施形態におけるプラズマアクチュエータの数量、配置などは一例であって、適宜変形することができる。
例えば、各実施形態ではプラズマアクチュエータを、電極の長手方向が放射状となるように配置しているが、これとは異なった態様で周方向に配列してもよい。
(3)各実施形態においては、渦流の回転方向を、圧力センサにより検出しているが、これに限らず、他の手法により検出してもよい。
例えば、ドップラレーダ等により車両周囲の気流の速度、方向を検出し、これに応じて渦流の回転方向を検出してもよい。また、風洞実験や数値解析などにより、渦流の回転方向が既知である場合には、その回転方向に基づいて整流制御を行ってもよい。
(4)各実施形態において、車体表面から遠ざかる方向の気流Fは、例えば3極式のプラズマアクチュエータを用いて発生させているが、他の構成により発生させてもよい。例えば、2極式のプラズマアクチュエータにより発生する気流を、例えばフラップ状の部材などにより偏向させてもよい。
1 車両 10 キャビン
11 ルーフ 11a ルーフレール
11b アンテナ 12 Cピラー
13 Dピラー 14 リアフェンダ
15 リアドア 16 リアドアガラス
17 リアクォータガラス 18 ホイルハウス
RW 後輪
20 テールゲート 21 リアガラス
22 リアスポイラ 30 リアバンパ
31 側面部 32 後面部
33 稜線
40 リアコンビネーションランプ 50 気流発生装置
100 プラズマアクチュエータ(3極式)
110 誘電体 120(120A,120B) 上部電極
130 下部電極 140 絶縁体
PS 電源
F 気流 T 渦流
PA1 第1プラズマアクチュエータ PA2 第2プラズマアクチュエータ
PA3 第3プラズマアクチュエータ PA4 第4プラズマアクチュエータ
PA5 第5プラズマアクチュエータ PA6 第6プラズマアクチュエータ
PA7 第7プラズマアクチュエータ PA8 第8プラズマアクチュエータ
200 制御システム 210 電源ユニット
220 整流制御ユニット 221 気流状態推定部
222 圧力センサ

Claims (7)

  1. 車両の前後方向にほぼ沿って配置された第1の面部と、
    車両外側に向け凸となる稜線を介して前記第1の面部の車両後方側の端部に接続された第2の面部と
    を有する車両に設けられる整流装置であって、
    前記第2の面部に設けられ、前記第2の面部から遠ざかる方向の速度ベクトルを有する気流を発生するとともに、前記第2の面部の法線方向から見たときに、前記稜線の近傍に周方向に分散して配置された複数の気流発生部と、
    前記複数の気流発生部を、前記周方向に沿って順次駆動及び停止する制御部と
    を備え
    前記気流発生部は、誘電体を挟んで配置された少なくとも一対の電極及び前記電極に交流電圧を印加する電源を有するプラズマアクチュエータであること
    を特徴とする整流装置。
  2. 前記制御部は、車両の走行時に前記稜線付近で発生する渦流を前記第2の面部の法線方向から見たときの回転方向と同じ回転方向となるように、周方向に分散して配置された前記気流発生部を順次駆動及び停止すること
    を特徴とする請求項1に記載の整流装置。
  3. 前記渦流の回転方向を検出する回転方向検出部を備え、
    前記制御部は、前記回転方向検出部が検出する前記回転方向に応じて前記気流発生部の駆動順序を決定すること
    を特徴とする請求項2に記載の整流装置。
  4. 前記回転方向検出部は、前記第1の面部と前記第2の面部との少なくとも一方に分布して配置された複数の圧力センサを有すること
    を特徴とする請求項3に記載の整流装置。
  5. 前記気流発生部は、前記気流の進行方向を変化させる機能を有し、
    前記第2の面部の法線方向に対する前記気流の進行方向は、前記気流発生部の駆動開始時においては当該気流発生部の直前に駆動される前記気流発生部側に傾斜し、当該気流発生部の駆動終了時においては当該気流発生部の直後に駆動される前記気流発生部側に傾斜すること
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の整流装置。
  6. 前記第2の面部の法線方向に対する前記気流の進行方向は、前記気流発生部のうち駆動順位が後である側に傾斜すること
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の整流装置。
  7. 複数の前記気流発生部を、前記プラズマアクチュエータの前記電極の延在方向が放射状となるように配列したこと
    を特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の整流装置。
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