JP7392583B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

この明細書における開示は、電力変換装置に関する。
特許文献1には、電源電力線が結合される、入力端子台のPバスバおよびNバスバを備えた電力変換装置が記載されている。
特開2016-77044号公報
特許文献1の電力変換装置は、入力端子台に設置された一対のバスバ間の絶縁距離を確保する点において、改良の余地がある。さらに電力変換装置には、小型化が求められている。
この明細書における開示の目的は、PバスバおよびNバスバに関して絶縁距離の確保と省スペース化とが図れる電力変換装置を提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
開示された電力変換装置の一つは、電源(300)から入力される電力の電力変換を行い、電流を電気負荷(310)に供給する電力変換部(2)と、電源の正極端子と電力変換部の正極端子とに対して通電可能に接続されているPバスバ(151)と、電源の負極端子と電力変換部の負極端子とに対して通電可能に接続されているNバスバ(152)と、電力変換部を収容するケース(11)と、を備え、
Pバスバは、電源の正極端子に電気的に接続される電源線部材が結合する結合面を含む電源線結合部(151a)を有し、Nバスバは、電源の負極端子に電気的に接続される電源線部材が結合する結合面を含む電源線結合部(152a)を有し、
Pバスバの電源線結合部とNバスバの電源線結合部は、両方の結合面が同一の平面上に位置しないように設けられており、
PバスバとNバスバとを絶縁している絶縁部を形成する入力端子台(12)を備え、
入力端子台は、Pバスバの電源線結合部が露出した状態でPバスバを封止する第1絶縁封止部(121)と、第1絶縁封止部に隣接し、Nバスバの電源線結合部が露出した状態でNバスバを封止する第2絶縁封止部(122)と、を備えており、
Pバスバの電源線結合部における結合面は、Nバスバの電源線結合部における結合面よりも、ケースに対して突出した位置に設けられており、
Pバスバは、電源線結合部を除くNバスバの部分を封止する第2絶縁封止部が側方に存在しない部分を有している。
この装置によれば、両方の電源線結合部の結合面が同一の平面上に位置しない構成により、二つの結合面に関して結合面に垂直な方向に位置をずらして設置できる。これにより結合面に沿う方向について、二つの電源線結合部の距離を小さくできるので省スペース化が図れる。さらに結合面に垂直な方向について二つの電源線結合部の距離を確保できるので、二つの電源線結合部の空間距離を確保でき、絶縁距離を確保できる。以上によれば、絶縁距離の確保と省スペース化とが図れるPバスバおよびNバスバを備えた電力変換装置を提供できる。なお、電源の正極端子、電源の負極端子に電気的に接続される各電源線部材は、導電性を有する各種部材を含んでいる。
第1実施形態の電力変換装置に係る回路図である。 第1実施形態の電力変換装置の外観を示す斜視図である。 電力変換装置の入力端子台を示す斜視図である。 一対のバスバにおける電源線結合部を示す平面図である。 一対のバスバにおける電源線結合部の位置を示す図である。 比較例としての一対のバスバにおける電源線結合部の位置を示す図である。 第2実施形態の電力変換装置の外観を示す斜視図である。 電力変換装置の入力端子台を示す斜視図である。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
電力変換装置の一例を開示する第1実施形態について図1~図6を参照しながら説明する。電力変換装置は、電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載された車載用電力変換装置に適用することができる。車両には、乗用車、バス、建設作業車、農業機械車両等が含まれる。明細書に明示の目的を達成可能な電力変換装置は、例えば、インバータ装置、コンバータ装置等に適用することができる。このコンバータ装置は、交流入力直流出力の電源装置、直流入力直流出力の電源装置、交流入力交流出力の電源装置を含む。この実施形態では、電力変換装置の一例としてインバータ装置に適用した装置を以下に説明する。
図1に示すように、車両の駆動システム10は、車両に搭載され、直流電源300、モータジェネレータ310および電力変換装置1を備えている。電力変換装置1は、インバータ回路200、制御回路、平滑コンデンサ3を少なくとも備えている。
図1に示すように、インバータ回路200は、複数の半導体モジュール2を備えて電力変換部を構成する。電力変換部は、電源から入力される電力の電力変換を行い、電流を電気負荷に供給する。平滑コンデンサ3は、半導体モジュール2に並列に接続されている。電力変換部は、半導体モジュール2が備える半導体素子20をオンオフさせることにより、直流電源300から供給される直流電力を交流電力に変換する。直流電源300は、例えば複数の二次電池である。二次電池には、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、および有機ラジカル電池などを採用することができる。
モータジェネレータ310は、三相交流方式の回転電機、つまり三相交流モータを含む。モータジェネレータ310は、車両の走行駆動源である電動機として機能する。モータジェネレータ310は回生時に発電機として機能する。電力変換装置1は、直流電源300とモータジェネレータ310との間において電力変換を行う。
電力変換装置1は、制御回路によるスイッチング制御にしたがって、直流電圧を三相交流電圧に変換してモータジェネレータ310へ出力する。これにより、車両は、電力変換部によって直流電力から電力変換された交流電力を用いてモータジェネレータ310を駆動して走行する。電力変換装置1は、モータジェネレータ310の発電によって生成された交流電力を直流電力に変換し、回路における電気負荷側の電力ラインに出力する。電力変換装置1は、直流電源300とモータジェネレータ310との間で双方向の電力変換を行う。
モータジェネレータ310は、電気自動車の車軸に連結されている。モータジェネレータ310の回転エネルギは、車軸を介して電気自動車の走行輪に伝達される。走行輪の回転エネルギは、車軸を介してモータジェネレータ310に伝達される。モータジェネレータ310は電力変換装置1から供給される交流電力によって力行する。これにより推進力が走行輪に付与される。モータジェネレータ310は走行輪から伝達される回転エネルギによって回生する。この回生で発生した交流電力は、電力変換装置1によって直流電力に変換される。この直流電力が直流電源300に供給される。この直流電力は、車両に搭載された各種の電気負荷にも供給される。
インバータ回路200には、電力変換部に対して、入力側に平滑コンデンサ3が接続され、出力側に電気負荷の一例であるモータジェネレータ310が接続されている。平滑コンデンサ3は、主として、直流電源300から供給される直流電圧を平滑化する。平滑コンデンサ3は、高電位側の電力ラインと低電位側の電力ラインとの間に接続されている。高電位側の電力ラインは直流電源300の正極側に接続されている。低電位側の電力ラインは直流電源300の負極側に接続されている。平滑コンデンサ3の正極は、直流電源300と半導体モジュール2との間において高電位側の電力ラインに接続されている。平滑コンデンサ3の負極は、直流電源300と半導体モジュール2との間において低電位側の電力ラインに接続されている。
高電位側の電力ラインにはPバスバ151が設けられている。低電位側の電力ラインにはNバスバ152が設けられている。Pバスバ151とNバスバ152は、電力変換部に対して入力側の電力ラインに設けられている。Pバスバ151は、直流電源300の正極端子と電力変換部の正極端子とを結ぶ電流経路において、通電可能に接続された導電性部材である。Nバスバ152は、直流電源300の負極端子と電力変換部の負極端子とを結ぶ電流経路において、通電可能に接続された導電性部材である。
Pバスバ151は、電源線部材301が結合されている電源線結合部151aを備えている。電源線部材301は、Pバスバ151と直流電源300の正極端子とを通電可能に接続する部材である。電源線結合部151aは、電源線部材301に設けられた接続端子301aが結合される結合面を形成する。この結合面と接続端子301aとの結合構成により、Pバスバ151と電源線部材301は通電可能に接続されている。
Nバスバ152は、電源線部材302が結合されている電源線結合部152aを備えている。電源線部材302は、Nバスバ152と直流電源300の負極端子とを通電可能に接続する部材である。電源線結合部152aは、電源線部材302の接続端子302aが結合される結合面を形成する。この結合面と接続端子302aとの結合構成により、Nバスバ152と電源線部材302は通電可能に接続されている。
電源線部材301、電源線部材302は、直流電源300から電力変換部に供給される電力の供給経路を形成する。この電源線部材は、電流が流通可能な様々な部材であり、導電性を有する材質によって形成された部材、金属製部品、導線等を含む。
電力変換装置1は、直流電源300の正極に接続されたPバスバ151と直流電源300の負極に接続されたNバスバ152との間で並列に接続された3相のレグを備える。各相のレグは、Pバスバ151とNバスバ152との間で直列接続された複数の半導体素子20を備える。インバータ回路200は、直列に接続された2つのアームを含む上下アーム回路を3個備えているともいえる。3個の上下アーム回路は、例えば、平滑コンデンサ3側からU相、V相、W相とする。各上下アーム回路の高電位側のアームは、上アームともいえる。低電位側のアームは、下アームともいえる。
各アームは、スイッチング素子であるIGBTとダイオードとを有している。IGBTは、トランジスタの一種である絶縁ゲートバイポーラトランジスタである。IGBTおよびダイオードは、半導体基板に設けられている。IGBTおよびダイオードが設けられた半導体チップは、半導体素子20に相当する。上アームにおいて、コレクタは高電位側の電力ラインに接続されている。下アームにおいて、エミッタは低電位側の電力ラインに接続されている。上アーム側のエミッタと、下アーム側のコレクタは、互いに接続されている。ダイオードのアノードは対応するIGBTのエミッタに接続され、カソードは対応するIGBTのコレクタに接続されている。
制御回路は、IGBTを動作させるための駆動指令を生成し、駆動回路に出力する。制御回路は、例えば上位のECUから入力されるトルク要求、各種センサによって検出された信号に基づいて、駆動指令を生成する。各種センサには、電流センサ4、回転角センサ、電圧センサがある。制御回路は、例えば、駆動指令としてPWM信号を出力する。制御回路は、マイクロコンピュータを備えている。
電流センサ4は、電源と電気負荷とを接続する電流経路における電流を計測する。電流センサ4は、アームの出力電流に対応する電気信号を制御回路に出力する。この電気信号はフィードバック信号である。フィードバック信号は、出力電流に相当する信号である。回転角センサは、モータジェネレータ310の回転子の回転角を検出し制御回路に出力する。電圧センサは、平滑コンデンサ3の両端電圧を検出し制御回路に出力する。
駆動回路は、制御回路の駆動指令に基づいて、対応するアームのIGBTのゲートに駆動電圧を供給するドライバである。駆動回路は、駆動電圧の印加により、対応するIGBTを駆動、すなわちオン駆動、オフ駆動させる。この実施形態の電力変換装置1は、一つのアームに対して一つの駆動回路を備えている。
電力変換装置1は、入力側バスバと出力側バスバ141を備えている。このようなバスバは、電力経路の一つをなし発熱するため、周囲の部品に対して放熱する。入力側バスバは、直流電源300から電力が給電される導電性部材である。入力側バスバは、例えばPバスバ151とNバスバ152である。
出力側バスバ141は、例えばアームの出力電流がモータジェネレータ310へ流れる電力経路に設けられたバスバを含む。電流センサ4は、出力側バスバ141を流れる出力電流を検出する。出力側バスバ141は、U相における上アームと下アームとの接続部とモータジェネレータ310の巻線とを連絡する電力経路に設けられている。出力側バスバ141は、V相における上アームと下アームとの接続部とモータジェネレータ310の巻線とを連絡する電力経路に設けられている。出力側バスバ141は、W相における上アームと下アームとの接続部とモータジェネレータ310の巻線とを連絡する電力経路に設けられている。出力側バスバ141は、U相バスバ、V相バスバ、W相バスバを含んでいる。
U相バスバ、V相バスバ、W相バスバは、電力変換部に対して出力側の電力ラインに設けられている。U相バスバ、V相バスバおよびW相バスバの各端部には、電力変換部に対して出力側の電力ラインに設けられた接続端子が設けられている。この接続端子には、モータジェネレータ310の各相の巻線に電力を供給する電力供給線の端部に設けられた入力端子が、接続されている。
電力変換装置1はケース11を備える。ケース11は、ケース11は一つの容器を形成する。ケース11は、コンデンサユニット、パワーモジュールユニット、電流センサユニット等を収容している。電流センサユニットは電流センサ4を内蔵している。コンデンサユニットは、少なくとも平滑コンデンサ3を含んでいる。コンデンサユニットは、他の電気部品と接続される端子を露出させた状態で樹脂封止された平滑コンデンサ3を内蔵している。電力変換装置1は、内部を流れる冷却用流体の吸熱作用により、半導体モジュール2を冷却する冷却器を備えている。パワーモジュールユニットは、一体に形成された複数の半導体モジュール2と冷却器とを備えている。
図2に示すように、ケース11には、Pバスバ151とNバスバ152とが設けられた入力端子台12がねじ等の固定具によって一体に設けられている。図面におけるX方向、Y方向は、電力変換装置1の横方向、縦方向である。図面におけるZ方向は、電力変換装置1の高さ方向である。
入力端子台12は、ケース11の外面から突出するような形状である。入力端子台12は、ケース11の天壁よりも上方に突出するように設けられている。入力端子台12は、ケース11の外周縁11aよりも内側に位置するように設けられている。外周縁11aは、ケース11において、天壁に隣接しかつ高さ方向に延び出している複数の側壁によって囲まれた外周部に相当する。あるいは外周縁11aは、ケース11における天壁の外周縁に相当する。
入力端子台12は、Pバスバ151、Nバスバ152、絶縁部等を備える。絶縁部は、Pバスバ151とNバスバ152とを絶縁し、両方のバスバを被覆している。絶縁部は、電流を通しにくい材質で形成されており、例えば樹脂によって形成された部分である。絶縁部は、Pバスバ151において、電源線結合部151aと、電力変換部の正極端子側に結合される電力変換部側結合部とを除く部分を被覆している。Pバスバ151において、電源線結合部151aと電力変換部側結合部は、絶縁部から外部に露出している。絶縁部は、Nバスバ152において、電源線結合部152aと、電力変換部の負極端子側に結合される電力変換部側結合部とを除く部分を被覆している。Nバスバ152において、電源線結合部152aと電力変換部側結合部は、絶縁部から外部に露出している。
絶縁部を含む入力端子台12は、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなる。入力端子台12を製造する際には、まず各バスバにおいて被覆される部分を金型内の空間に収納し、さらに未硬化状態の樹脂を注入する。そして熱を加えて樹脂を硬化させて絶縁部を成形して、入力端子台12を製造する。
図2、図3に示すように、絶縁部は、台座部と第1絶縁封止部121と第2絶縁封止部122とを一体に有している。台座部は、隣接している第1絶縁封止部121と第2絶縁封止部122とを支えるようにケース11に一体に設けられている。第1絶縁封止部121、第2絶縁封止部122は、ケース11から離れるように台座部から突出している柱状部分である。第1絶縁封止部121と第2絶縁封止部122は、図4に示すように、台座部の上方において、並び方向LUDに隣り合って並んでいる。第1絶縁封止部121および電源線結合部151aは、ケース11の外周縁11aよりも内側に位置している。第2絶縁封止部122および電源線結合部152aは、ケース11の外周縁11aよりも内側に位置している。
第1絶縁封止部121は、少なくとも電源線結合部151aが露出した状態でPバスバ151を封止している。電源線結合部151aは、第1絶縁封止部121の天面に沿う姿勢で第1絶縁封止部121から露出している。電源線結合部151aの結合面は、第1絶縁封止部121の天面とは反対側に位置する表面である。これにより、電源線部材301の接続端子301aは、電源線結合部151aの結合面に上方から載置された状態でねじ等の固定具、溶接等の接合手段によって電源線結合部151aに結合できる。Pバスバ151は、第1絶縁封止部121の内部を上下方向に延びるように設けられている。Pバスバ151の電力変換部側結合部は、入力端子台12の下面から突出している。
第2絶縁封止部122は、少なくとも電源線結合部152aが露出した状態でNバスバ152を封止している。電源線結合部152aは、第2絶縁封止部122の天面に沿う姿勢で第2絶縁封止部122から露出している。電源線結合部152aの結合面は、第2絶縁封止部122の天面とは反対側に位置する表面である。これにより、電源線部材302の接続端子302aは、電源線結合部152aの結合面に上方から載置された状態でねじ等の固定具、溶接等の接合手段によって結合できる。Nバスバ152は、第2絶縁封止部122の内部を上下方向に延びるように設けられている。Nバスバ152の電力変換部側結合部は、入力端子台12の下面から突出している。
第1絶縁封止部121と第2絶縁封止部122は、一方の天面が他方の天面よりも高さ位置が高くなるように設けられている。第1実施形態では第1絶縁封止部121は、第2絶縁封止部122よりも天面の高さ位置が高くなるように設けられている。
電源線結合部151aと電源線結合部152aは、両方の結合面が沿うように設けられている。電源線結合部151aと電源線結合部152aは、一方の結合面が他方の結合面よりも高さ位置が高くなるように設けられている。電源線結合部151aの結合面と電源線結合部152aの結合面は、入力端子台12の台座部に対して一方が他方よりも突出した位置に設けられている。これらの結合面は、結合面に垂直な方向について位置が異なる構成であり、位置ずれする方向は高さ方向に限定されるものではない。したがって、電源線結合部151aの結合面と電源線結合部152aの結合面は、同一の平面上に位置しない。第1実施形態では電源線結合部151aは、電源線結合部152aよりも結合面の高さ位置が高くなるように設けられている。
両方の結合面が同一の面上にない構成により、電源線結合部151aと電源線結合部152aの空間距離SDは、図5に示す破線矢印のように設定できる。また、電源線結合部151aと電源線結合部152aの沿面距離CDは、図5に示す実線矢印のように設定できる。
図6は、比較例としてのPバスバとNバスバについて、電源線結合部161aと電源線結合部162aの空間距離SDを示している。図6のように電源線結合部161aと電源線結合部162aについては、電力変換装置1とは異なり、両方の結合面の高さ位置が同じで同一面上に位置している。この比較例の空間距離SDを図5の空間距離SDと同程度にするためには、電源線結合部161aと電源線結合部162aを水平方向に大きく離間させる必要がある。このため、比較例の電源線結合部161aと電源線結合部162aは、並び方向LUDの長さ(LUDD)が大きくなり、搭載スペースが並び方向LUDに大きくなってしまう。
これに対して電源線結合部151aと電源線結合部152aは、並び方向LUDの長さ(LUDD)を比較例に対して小さくしても、空間距離SDや沿面距離CDを確保できる。このため、電源線結合部151aと電源線結合部152aは、搭載スペースを並び方向LUDに抑えることができ、小型化が図れる。
第1実施形態の電力変換装置1がもたらす作用効果について説明する。電力変換装置1は、半導体モジュール2と、Pバスバ151と、Nバスバ152とを備える。Pバスバ151は、電源線部材が結合する結合面を含む電源線結合部151aを有する。Nバスバ152は、電源線部材が結合する結合面を含む電源線結合部152aを有する。Pバスバの電源線結合部151aとNバスバの電源線結合部152aは、両方の結合面が同一の平面上に位置しないように設けられている。
電力変換装置1は、両方の電源線結合部の結合面が同一の平面上に位置しない構成を有して、二つの結合面に関して結合面に垂直な方向に位置をずらして設置できる。これにより結合面に沿う方向について、二つの電源線結合部の距離を小さくでき、かつ結合面に垂直な方向について二つの電源線結合部の距離を確保できる。このため、二つの電源線結合部について、絶縁距離を確保できるとともに省スペース化が図れる。したがって、絶縁距離の確保と省スペース化とが図れる電力変換装置1を提供できる。
電力変換装置1は、Pバスバ151とNバスバ152とを絶縁している絶縁部を形成する入力端子台12を備える。この構成によれば、入力端子台12に設置された二つの電源線結合部について絶縁距離を確保でき、かつ入力端子台12の省スペース化を図ることができる。
入力端子台12は、電源線結合部151aが露出した状態でPバスバ151を封止する第1絶縁封止部121と、電源線結合部152aが露出した状態でNバスバ152を封止する第2絶縁封止部122と、を備える。第1絶縁封止部121と第2絶縁封止部122は、ケース11の外周縁11aよりも内側に位置して並んでいる。
この構成によれば、バスバ間の絶縁距離確保と小型化とが図れる入力端子台12を、ケース11の外周縁11aからはみ出さないように設置できる。これにより、体格を抑えた電力変換装置1を提供できる。
入力端子台12は、電源線結合部151aが露出した状態でPバスバ151を封止する第1絶縁封止部121と、第1絶縁封止部に隣接し、電源線結合部152aが露出した状態でNバスバ152を封止する第2絶縁封止部122とを備える。電源線結合部151aにおける結合面は、電源線結合部152aにおける結合面よりも、ケース11に対して突出した位置に設けられている。
この構成によれば、高電流が流れるPバスバ151において、側方に第2絶縁封止部122が存在しない部分を設けることができる。この部分の存在により、第2絶縁封止部122によって放熱が妨げられるPバスバ151の体積を抑えることができる。したがって、Pバスバ151の放熱を促進できる電力変換装置1を提供できる。
電力変換装置1において電源線結合部151aと電源線結合部152aは、一方の結合面が他方の結合面に対して高さ位置が低くなるように設けられている。この構成によれば、二つの電源線結合部について絶縁距離の確保と省スペース化とが図れ、さらに高さ方向の体格を抑制した電力変換装置1を提供できる。
(第2実施形態)
第2実施形態について、図7および図8を参照して説明する。第2実施形態の電力変換装置101は、第1実施形態に対して、入力端子台112が相違する。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については第1実施形態と同様であり、以下、第1実施形態と異なる点について説明する。
図7、図8に示すように電力変換装置101は、両方の天面が同一面上にない第1絶縁封止部121と第2絶縁封止部122を備える。第2絶縁封止部122は、第1絶縁封止部121よりも天面の高さ位置が高くなるように設けられている。電源線結合部152aは、電源線結合部151aよりも結合面の高さ位置が高くなるように設けられている。電源線結合部152aの結合面は、電源線結合部151aの結合面よりも、入力端子台112の台座部に対して突出した位置に設けられている。これらの結合面は、結合面に対して垂直な方向について位置が異なる構成であり、位置ずれする方向は高さ方向に限定されるものではない。
第2実施形態の電力変換装置101がもたらす作用、効果について説明する。Nバスバ152の電源線結合部152aにおける結合面は、Pバスバ151の電源線結合部151aにおける結合面よりも、ケース11に対して突出した位置に設けられている。この構成によれば、電源線部材をバスバに結合する工程において、Nバスバの方がPバスバよりも先に電源線部材に接触しやすくなる。これにより、高電流が流れるPバスバ151について、バスバの損傷防止が図れ、Pバスバ151と電源線部材301との間の異物混入の抑止が図れる。このように金属片等の異物介在を抑止できるため、不具合が起きやすい、高電流のPバスバ151について不具合を抑制できる電力変換装置101を提供できる。
(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
明細書に開示の目的を達成可能な電力変換装置1は、電源線結合部151aの結合面と電源線結合部152aの結合面との位置が同一平面にない構成を備えている。これらの結合面は、各バスバにおいて端部でない部位に設けられた構成でもよい。
2…半導体モジュール(電力変換部)、 12,112…入力端子台
151…Pバスバ、 151a…電源線結合部、 152…Nバスバ
152a…電源線結合部、 300…直流電源(電源)
310…モータジェネレータ(電気負荷)

Claims (3)

  1. 電源(300)から入力される電力の電力変換を行い、電流を電気負荷(310)に供給する電力変換部(2)と、
    前記電源の正極端子と前記電力変換部の正極端子とに対して通電可能に接続されているPバスバ(151)と、
    前記電源の負極端子と前記電力変換部の負極端子とに対して通電可能に接続されているNバスバ(152)と、
    前記電力変換部を収容するケース(11)と、
    を備え、
    前記Pバスバは、前記電源の前記正極端子に電気的に接続される電源線部材が結合する結合面を含む電源線結合部(151a)を有し、
    前記Nバスバは、前記電源の前記負極端子に電気的に接続される電源線部材が結合する結合面を含む電源線結合部(152a)を有し、
    前記Pバスバの前記電源線結合部と前記Nバスバの前記電源線結合部は、両方の前記結合面が同一の平面上に位置しないように設けられており、
    前記Pバスバと前記Nバスバとを絶縁している絶縁部を形成する入力端子台(12)を備え、
    前記入力端子台は、前記Pバスバの前記電源線結合部が露出した状態で前記Pバスバを封止する第1絶縁封止部(121)と、前記第1絶縁封止部に隣接し、前記Nバスバの前記電源線結合部が露出した状態で前記Nバスバを封止する第2絶縁封止部(122)と、を備えており、
    前記Pバスバの前記電源線結合部における前記結合面は、前記Nバスバの前記電源線結合部における前記結合面よりも、前記ケースに対して突出した位置に設けられており、
    前記Pバスバは、前記電源線結合部を除く前記Nバスバの部分を封止する前記第2絶縁封止部が側方に存在しない部分を有している電力変換装置。
  2. 前記第1絶縁封止部と前記第2絶縁封止部は、前記ケースの外周縁(11a)よりも内側に位置して並んでいる請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記Pバスバは、前記電力変換部の正極端子側に結合されて、前記入力端子台の下面から突出している電力変換部側結合部を有しており、
    前記Nバスバは、前記電力変換部の負極端子側に結合されて、前記入力端子台の下面から突出している電力変換部側結合部を有している請求項1または請求項2に記載の電力変換装置。
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