JP7392410B2 - 地絡保護方法 - Google Patents

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Description

この発明は、配電線における地絡保護方法に関し、特に2回線での運用時における地絡保護リレーを構築する方法に関する。
配変電設備を構成する機序の一つとして、電力の開閉、制御、測定、保護、および監視を行う閉鎖型配電盤であるスイッチギヤが設置されている。スイッチギヤは、通常、配変用変圧器の二次側に接続される配変2次箱、配変2次箱の母線と他のバンク(変圧器)からの母線とを連絡する母連箱、所内で使う電力や各継電器等の計器に使う電力を供給する所内GPT箱、ならびに、配電用遮断器を介して2回線の電力ケーブルを接続してそれぞれの電力ケーブルを介して電力需要地の配電線立ち上げ箇所に接続して配電する複数(例えば、3つ)の配電線箱を含む機序として構成される。
ここで、スイッチギヤの取替工事では、停電切替工程上、1~数回線を停電させて一時的に配電線が2回線運用となる期間があり、この場合には作業時における地絡事故への対策が必要となる。地絡保護に関する従来の技術として、第1の受電系統と第2の受電系統から受電して第1の負荷系統と第2の負荷系統に給電する受配電設備において、2つの系統のうちの一方の系統のスイッチギヤを交換する場合に他方の系統の受電側及び負荷給電側のスイッチギヤを分解することなく行うようにするため、第1の受電スイッチギヤと第1の負荷給電スイッチギヤとをVCT(Voltage and Current Transformer の略)用スイッチギヤを介して互いに隣接して配置すると共に、第2の受電スイッチギヤと第2の負荷給電スイッチギヤとを互いに隣接して配置する受配電設備がある(特許文献1)。また、配電線2回線運用時における地絡保護リレーの構築のために、スイッチギヤを改造して配電線2回線対策としての仮設の機序を追加的に構築することも行われている。
特開2014-204650号公報
ところで、特許文献1の技術では、2つの系統のうちの一方の系統のスイッチギヤを交換する場合に、各系統の受電側および負荷給電側のスイッチギヤが互いに隣接して設置されていることが必要である。したがって、2つの系統のスイッチギヤが隣接して設置されていない場合には適用することができない。このため、汎用性が高いとは言えない、という問題がある。また、スイッチギヤを改造して配電線2回線対策としての仮設の機序を追加的に構築する場合には、配電線2回線運用時のみ使用する機序のために工事費が増加する、という問題がある。
そこでこの発明は、スイッチギヤの改造を行うことなく配電線2回線対策としての仮の回路を構築することを可能とする、地絡保護方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、配変電用のスイッチギヤが2回線の配電線で運用しているときに、前記スイッチギヤに組み込まれておらず使用されていない母連・SC箱と前記2回線の配電線とを電気的に接続して、前記2回線の配電線で地絡が発生した場合に、前記2回線の配電線に対して設けられている地絡過電圧継電器の64V地絡リレーの動作に反応して前記母連・SC箱に備えられているユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路が動作して前記2回線の配電線を遮断する、ことを特徴とする地絡保護方法である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の地絡保護方法において、既設のスイッチギヤを新設するスイッチギヤに取り替える際に2回線の配電線での運用となるときに、前記新設するスイッチギヤに組み込む前に、新設する母連・SC箱を仮設置して前記母連・SC箱と前記2回線の配電線とを電気的に接続して、前記2回線の配電線で地絡が発生した場合に、前記2回線の配電線に対して設けられている地絡過電圧継電器の64V地絡リレーの動作に反応して前記母連・SC箱に備えられているユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路が動作して前記2回線の配電線を遮断する、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の地絡保護方法において、前記母連・SC箱に備えられているタイマーの動作時限を、前記2回線の配電線に対して設けられている地絡方向継電器の67F地絡リレーの動作時間よりも長く設定し、前記地絡過電圧継電器の64V地絡リレーの動作に反応して前記地絡方向継電器の67F地絡リレーが前記2回線の配電線のうちの地絡が発生した配電線を遮断する動作を優先させる、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、使用されていない母連・SC箱のユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路を利用して配電線2回線対策回路を構築することにより、スイッチギヤの改造を行うことなく、配電線2回線運用を行うことができ、配電線2回線運用にかかる手間および時間ならびに費用を低減することが可能となる。
請求項2の発明によれば、特に、仮設置して本格運用開始前の母連・SC箱のユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路を利用して配電線2回線対策回路を構築することにより、スイッチギヤの改造を行うことなく、配電線2回線運用を行うことができ、スイッチギヤの取替工事にかかる手間および時間ならびに費用を低減することが可能となる。
請求項3の発明によれば、母連・SC箱のユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路が動作して2回線の配電線が両方とも同時に遮断されてしまう前に、67F地絡リレーが動作して地絡が発生した回線を特定して行う遮断が優先して行われるので、配電線の無駄な遮断を防止して適切な配電を実現することが可能となる。
電気所に設置されるスイッチギヤの構成例を示す結線図である。 スイッチギヤの取替作業を説明する図であり、スイッチギヤのうちの1つの配電線箱を切り替えた状態の図である。 スイッチギヤの取替作業を説明する図であり、スイッチギヤのうちの残り2つの配電線箱を切り替える際に配電線2回線での運用となる状態を示す図である。 母連・SC箱の回路図を示すとともにこの発明の実施の形態に係る地絡保護方法において母連・SC箱を利用して形成される配電線2回線対策回路を説明する図である。 スイッチギヤの取替作業を説明する図であり、スイッチギヤの全体を切り替えた状態の図である。 この発明の実施の形態に係る地絡保護方法の処理手順を説明するフローチャートである。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
この発明に係る地絡保護方法は、配変電用のスイッチギヤが2回線の配電線で運用しているときに、前記スイッチギヤに組み込まれておらず使用されていない母連・SC箱と前記2回線の配電線とを電気的に接続して、前記2回線の配電線で地絡が発生した場合に、前記2回線の配電線に対して設けられている地絡過電圧継電器の64V地絡リレーの動作に反応して前記母連・SC箱に備えられているユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路が動作して前記2回線の配電線を遮断する、ものである。
図1~6は、この発明の実施の形態に係る地絡保護方法を説明する図である。この地絡保護方法は、配電線2回線運用時における地絡保護リレーの構築のために配電線2回線対策回路を構築する技術であり、スイッチギヤの例えば取替工事を行う際に用いられる。
図1は、電気所(例えば、変電所)に設置されるスイッチギヤ2の構成の例を示す図である。電気所には、例えば6kVの母線1が敷設されている。
スイッチギヤ2は、筐体としての金属製の箱体を各々が備える閉鎖型の複数の機序が並べられて設置されて構成される。スイッチギヤ2を構成する各機序は箱体の背面側に母線を構成する金属板を有し、それぞれの金属板を直列に電気的に接続することによって各機序の箱体の内部に収納されている機器を母線1と電気的に接続している。
図1に示す例では、スイッチギヤ2は、2回線の電力ケーブルを接続可能な3つの配電線箱21A,21B,21Cと、所内で使う電力や各継電器等の計器に使う電力を供給する所内GPT箱22と、配変用変圧器3の二次側に接続される配変2次箱23と、配変2次箱23の母線1と他のバンク(変圧器)の二次盤からの母線とを連絡する母連・SC箱24と(尚、SC:Static Capacitor の略。進相コンデンサのこと)、が並べられて設置されて構成される。スイッチギヤ2を構成する各機序は、従来と同等の構成であるので詳細な説明を省略するが、概略次のような構成となっている。
各配電線箱21A,21B,21C内には、2回線分の配電線用遮断器211、変流器212、零相変流器213、および配電線保護継電器(図示していない)などが備えられる。配電線箱21A,21B,21Cのそれぞれには、2回線の電力ケーブル4A,4Bが電気的に接続される。
所内GPT箱22内には、電気所に電圧を供給するための所内変圧器221、限流ヒューズ222、継電器などの計器に電力を供給するための計器用変圧器223(GPT)、および母線1に接続されている機器を保護するための母線保護継電器224などが備えられる。
配変2次箱23は、配変用変圧器3の二次側に配変二次ケーブル5を介して電気的に接続され、配変用変圧器3の二次側を開閉する二次遮断器231、避雷器232、および、異常時に動作する保護継電器(図示していない)などを備える。
母連・SC箱24内には、他のバンク(変圧器)に接続されている他のスイッチギヤを電気的に接続して電力を確保するために用いられる母連用遮断器241や変流器242などが備えられる。母連・SC箱24は、他のバンク(変圧器)と電気的に接続され(図1中の符号4D)、他方が電力ケーブル4Cに電気的に接続される。
上記のようなスイッチギヤ2の例えば取替工事を行う際に、この実施の形態に係る地絡保護方法では、スイッチギヤの改造を行うことなく取替工事を行うことを可能とする。
この実施の形態では、既設のスイッチギヤ2を新設のスイッチギヤ7に切り替える場合を説明する。
まず、図2に示すように、既設のスイッチギヤ2の近くに、既設のスイッチギヤ2と同等の、新設するスイッチギヤ7を構成する配変2次箱73、所内GPT箱72、および1つの配電線箱71Cが設置される。
そして、電気所の配電線の電気を全て止める全停状態で、既設のスイッチギヤ2の配電線箱21Cの母線および電力ケーブル4A,4Bの接続が解除されて取り外される。
続いて、全停状態のまま、配変用変圧器3の二次ダクトへと入線させた配変二次ケーブル9が新設する配変2次箱73へと電気的に接続され、また、既設の配電線箱21Cが接続されている配電線立上げ箇所(図2では、回線tおよび回線u;尚、これより後の工程で配電線3回線以上を停止させるため、重負荷回線であることが好ましい)へと電力ケーブル8A,8Bが敷設されて新設する配電線箱71Cが電気的に接続される(尚、既設の配電線箱21Cから取り外された電力ケーブル4A,4Bが、新設する配電線箱71Cへと振り替えられて接続されるようにしても良い)。
この状態で全停状態が解除され、新設するスイッチギヤ7の2回線の運転が先行して開始されて、既設のスイッチギヤ2の4回線と新設するスイッチギヤ7の2回線との並用運転が行われる。
次に、既設のスイッチギヤ2の母連・SC箱24が撤去され、新設するスイッチギヤ7を構成する2つの配電線箱71A,71Bが設置されるとともに、既設の2つの配電線箱21A,21Bから新設する2つの配電線箱71A,71Bへの切替作業が行われる。この際、図3に示すように、既設の母連・SC箱24が運転を停止して撤去されるとともに既設の2つの配電線箱21A,21Bが停止し、且つ、新設する2つの配電線箱71A,71Bが接続作業のために運転をしていない状態にすると、先行して運転している新設する配電線箱71Cの2回線(即ち、回線tおよび回線u)での運用となる。このとき、地絡保護リレーの構築のために配電線2回線対策回路を構築する必要がある。
すなわち、各配電線(各回線)には配電線の地絡保護リレーとして地絡過電圧継電器(64V1)と地絡方向継電器(67F)とが設置されており、通常はこれら地絡過電圧継電器(64V1)と地絡方向継電器(67F)との組み合わせで動作して事故除去(具体的には、配電線の遮断動作)が行われる。ここで、配電線2回線での運用時にどちらか一方の回線で事故が発生した場合には、他方の回線から地絡電流が適切に確保されるため、配電線に設けられている地絡過電圧継電器(64V1)や地絡方向継電器(67F)が動作して遮断器を開放して事故除去が行われる。このとき、残りの1回線だけの運用になると、隣の回線が無いので地絡電流が供給されない(具体的には、バンク(変圧器)全体の対地静電容量の影響によって地絡電流が減少する)ため、残りの1回線でさらに地絡事故が発生した場合に地絡方向継電器(67F)が動作しなくなる。このため、配電線1回線のみの運用時でも地絡事故が発生した場合に地絡方向継電器(67F)の代わりに回線を遮断する仕組み(回路)を構築する必要がある。具体的には、配電線の地絡保護リレーとして配電線に設けられている(即ち、既設の)地絡方向継電器(67F)の67F地絡リレーに代わって遮断動作する地絡保護リレーとして働く仕組みを設ける必要がある。
そこで、この実施の形態に係る地絡保護方法は、既設のスイッチギヤ2を新設するスイッチギヤ7に取り替える際に2回線(ここでは、回線tおよび回線u)の配電線での運用となるときに、新設するスイッチギヤ7に組み込む前に、新設する母連・SC箱74を仮設置して母連・SC箱74と回線tおよび回線uの配電線とを電気的に接続して、回線tおよび回線uの配電線で地絡が発生した場合に、回線tおよび回線uの配電線に対して設けられている地絡過電圧継電器の64V地絡リレーの動作に反応して母連・SC箱74に備えられているユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路が動作して回線tおよび回線uの配電線を遮断する、ようにしている。
また、この実施の形態に係る地絡保護方法は、母連・SC箱74に備えられているタイマー748の動作時限を、回線tおよび回線uの配電線に対して設けられている地絡方向継電器の67F地絡リレーの動作時間よりも長く設定し、地絡過電圧継電器の64V地絡リレーの動作に反応して地絡方向継電器の67F地絡リレーが回線tと回線uとのうちの地絡が発生した回線を遮断する動作を優先させる、ようにしている。
新設するスイッチギヤ7を構成する母連・SC箱74は、一旦、配電線2回線対策回路を構成する機器として、既設のスイッチギヤ2および新設するスイッチギヤ7の近くに仮設置される。新設する母連・SC箱74(言い換えると、仮設置されて地絡保護方法を実施するために利用される母連・SC箱74)の回路構成を図4に示す。ここで、新設するスイッチギヤ7を構成する母連・SC箱74は、従来周知の母連・SC箱と同等の回路構成を備える機序であり、図4では主にこの発明に係る地絡保護方法に関係する構成を示し、地絡保護方法に関係しない構成については省略している。なお、この発明に係る地絡保護方法で利用され得る母連・SC箱は、図4に示す回路構成を備える機器・機序に限定されるものではなく、少なくともユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路741およびタイマー748が組み込まれていて、電気所のスイッチギヤを構成する母連・SC箱として機能し得る機器・機序であればどのような回路構成を備える機器・機序であっても構わない。
仮設置される母連・SC箱74(そして、最終的には新設するスイッチギヤ7を構成する母連・SC箱74)には、スイッチギヤを構成する機序として、もともと、SC主遮断器の入条件回路742が組み込まれている。しかしながら、SC主遮断器の入条件回路742は、配電線2回線対策回路としては不要であり、動作しないようにするために、このSC主遮断器の入条件回路742の両端の接点(具体的には、T52の47接点、48接点)に対して電気的に接続されるバイパス回路743が追加される(図4中の符号P1)。なお、SC主遮断器の入条件回路742は、スイッチギヤ7を構成する機序としての母連・SC箱74にとっては必要な回路である。このため、バイパス回路743は、母連・SC箱74が新設するスイッチギヤ7に組み込まれて本設置される際には取り外されることを前提として追加される。
新設するスイッチギヤ7を構成する機序として母連・SC箱74が組み込まれて本設置される際には、母連・SC箱74の2つの端子744(64V1XB端子)および端子745はそれぞれが所内GPT箱72と電気的に接続される。一方、この発明に係る地絡保護方法では、新設するスイッチギヤ7に組み込まれる前に仮設置されて配電線2回線対策回路として利用される母連・SC箱74の一方の端子744(64V1XB端子)は、新設の配電線に対して設けられている地絡過電圧継電器(64V1)の接点(64V1XB接点)とケーブルによって電気的に接続される(図4中の符号P2)。これにより、仮設置される母連・SC箱74は、配電線側の制御回路、すなわち、配電線に設けられている地絡過電圧継電器(64V1)の64V地絡リレーを実現する地絡検出回路と接続される。
また、母連・SC箱74には、スイッチギヤを構成する機序として、もともと、ユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路741が組み込まれているとともに、前記遮断回路741に対して制御信号を出力する遮断制御回路749(64SCY2)が組み込まれている。ユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路741および遮断制御回路749は、本来は、ユニットコンデンサを地絡保護するための仕組みである。そして、母連・SC箱74は、配電線に対して設けられている地絡過電圧継電器(64V1)の64V地絡リレーが動作すると遮断制御回路749からユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路741に対して制御指令(信号)が出力されてユニットコンデンサ用遮断器が開放されるように構成されている。
仮設置される母連・SC箱74のユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路741の1つの接点746(T52の42接点)は新設の配電線箱71Cの2回線のうちの一方の回線(図に示す例では、例えば回線t)の遮断器遮断回路の接点とケーブルによって電気的に接続され(図4中の符号P3)、また、ユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路741の他の1つの接点747(T52の43接点)は新設の配電線箱71Cの2回線のうちの他方の回線(図に示す例では、例えば回線u)の遮断器遮断回路の接点とケーブルによって電気的に接続される(図4中の符号P4)。
また、母連・SC箱74には、スイッチギヤを構成する機序として、もともと、タイマー748(64SCTL)が組み込まれている。
そして、仮設置される母連・SC箱74のタイマー748は、配電線の地絡保護リレーとして各配電線に設置されている地絡方向継電器(67F)の動作時間から協調をとって時限整定される。タイマー748は、配電線に対して設けられている地絡過電圧継電器(64V1)の64V地絡リレーの動作に反応して作動し、作動開始から所定時間後に遮断制御回路749を動作させる。そして、遮断制御回路749からユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路741に対して遮断指令(信号)が出力される。これにより、新設の配電線箱71Cの2回線が遮断される。
タイマー748の動作時限は、配電線に対して設けられている地絡過電圧継電器(64V1)の64V地絡リレーが動作を開始してからの、配電線に設けられている地絡方向継電器(67F)の67F地絡リレーの動作時間/処理時間(具体的には、地絡方向継電器(67F)の67F地絡リレー動作開始→遮断指令→遮断器動作→前記64V地絡リレーの復帰)よりも長くなるように設定される。具体的には例えば、配電線に設けられている地絡方向継電器(67F)の67F地絡リレーの動作時間/処理時間が0.7秒以下に設定されている場合には、タイマー748の動作時限は、0.7秒よりも長くなるように、例えば1.0秒に設定される。タイマー748の動作時限を67F地絡リレーの動作時間/処理時間よりも短くすると、配電線に設けられている地絡過電圧継電器(64V1)の64V地絡リレーの1回のみの動作で、67F地絡リレーによる配電線の遮断よりも先に、仮設置される母連・SC箱74のユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路が動作して新設の配電線箱71Cの2回線が両方とも同時に遮断されてしまう。このため、タイマー748の動作時限を67F地絡リレーの動作時間/処理時間よりも長くして、67F地絡リレーの動作による、地絡が発生した回線を特定して行う遮断が優先して行われるようにする。
仮設置される母連・SC箱74(そして、最終的には新設するスイッチギヤ7を構成する母連・SC箱74)に対して上記の加工などが施されることにより、配電線側の制御回路、すなわち、配電線に対して設けられている地絡過電圧継電器(64V1)の64V地絡リレーを実現する地絡検出回路と電気的に接続して連係し協働する遮断回路としての配電線2回線対策回路(地絡保護リレー)が構築される。
スイッチギヤの取替工事の続きの工程としては、図2に示す状態から、既設の母連・SC箱24が撤去された上で、新設する2つの配電線箱71A,71Bが設置される(図3参照)。そして、仮設置された母連・SC箱74を利用した配電線2回線対策回路が構築された状態で、必要な停電切替/停止処理が行われながら、既設の配電線箱21A,21Bから新設する配電線箱71A,71Bへの回線の切替が行われる。
具体的には、既設の配電線箱21Aの電力ケーブル4A,4Bの接続が解除されて取り外されるとともに、既設の配電線箱21Bの電力ケーブル4A,4Bの接続が解除されて取り外される。
続いて、既設の配電線箱21Aが接続されている配電線立上げ箇所(図2では、回線pおよび回線q)へと電力ケーブル8A,8Bが敷設されて新設する配電線箱71Aが電気的に接続される(尚、既設の配電線箱21Aから取り外された電力ケーブル4A,4Bが、新設する配電線箱71Aへと振り替えられて接続されるようにしても良い)。また、既設の配電線箱21Bが接続されている配電線立上げ箇所(図2では、回線rおよび回線s)へと電力ケーブル8A,8Bが敷設されて新設する配電線箱71Bが電気的に接続される(尚、既設の配電線箱21Bから取り外された電力ケーブル4A,4Bが、新設する配電線箱71Bへと振り替えられて接続されるようにしても良い)。
また、新設する配電線箱71Aの母線と配電線箱71Bの母線とが電気的に接続されるとともに、配電線箱71Bの母線と配電線箱71Cの母線とが電気的に接続される。
次に、配変用変圧器3と既設の配変2次箱23とを接続している配変二次ケーブル5が取り外されて既設の配変2次箱23が撤去される。続いて、仮設置されて配電線2回線対策回路の構築に利用されていた新設する母連・SC箱74が本設置される(図5参照)。そして、新設する母連・SC箱74に組み込まれているSC主遮断器の入条件回路742に対して追加されているバイパス回路743が取り除かれる。さらに、新設する配変2次箱73の母線と母連・SC箱74の母線とが電気的に接続される。また、既設の3つの配電線箱21A,21B,21Cおよび所内GPT箱22が撤去される。
これにより、既設のスイッチギヤ2を新設するスイッチギヤ7へと取り替える工事が完了し、新設のスイッチギヤ7全体としての運用が可能となる。
次に、地絡保護方法の手順や作用などについて説明する。
まず、新設の配電線箱71Cの2回線(図に示す例では、回線tおよび回線u)のみで運用しているときに前記2回線のうちの一方の回線で地絡が発生すると(ステップS1)、配電線に設けられている地絡過電圧継電器(64V1)の64V地絡リレーが動作する(ステップS2)。そして、64V地絡リレーの動作に反応して配電線に設けられている地絡方向継電器(67F)の67F地絡リレーが動作する(ステップS3)。これにより、地絡が生じた回線(即ち、回線tまたは回線u)の遮断が開始されて遮断指令が出力され、地絡が生じた回線の遮断器(具体的には、新設の配電線箱71Cに備えられている配電線用遮断器)が動作して地絡が生じた回線(即ち、前記一方の回線)が遮断される(ステップS4)。この場合は、64V地絡リレーの動作に反応して、仮設置されている母連・SC箱74のタイマー748が作動するものの、タイマー748の動作時限が到来する前に67F地絡リレーの動作によって地絡事故が除去されるため、ユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路741は動作しない。一方、67F地絡リレーが動作して一方の回線が遮断されて残りの1回線のみで運用しているときに残りの回線で地絡が発生すると(ステップS5)、配電線に設けられている地絡過電圧継電器(64V1)の64V地絡リレーが動作する(ステップS6)。このとき、1回線しかないので地絡電流が供給されないため、前記残りの回線に設けられている地絡方向継電器(67F)の67F地絡リレーは動作しない。一方で、64V地絡リレーの動作に反応して配電線2回線対策回路による地絡保護リレーが動作する(ステップS7)。具体的には、仮設置されている母連・SC箱74のタイマー748が作動し(ステップS7-1)、このタイマー748に対して予め設定されている動作時限後に遮断制御回路749からユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路741に対して遮断指令(信号)が出力される(ステップS7-2)。そして、前記ユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路が動作して前記2回線が遮断される(ステップS8)。これにより、前記残りの回線が遮断される。なお、ユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路741は、遮断制御回路749からの遮断指令に基づいてすべての遮断器を同時に開放するように動作するため、67F地絡リレーの動作によって既に遮断されている回線(即ち、前記一方の回線)も重畳的に遮断指令(信号)が出力される。
なお、上記のステップS3において配電線に設けられている地絡方向継電器(67F)の67F地絡リレーが動作しない場合には、仮設置されている母連・SC箱74のタイマー748の動作時限が到来しても地絡事故が除去されていないため、配電線2回線対策回路による地絡保護リレーによって遮断指令(信号)が出力されて遮断が行われる。すなわち、配電線2回線対策回路による地絡保護リレーは、67F地絡リレーのバックアップとしても動作する。なおこの場合、新設の配電線箱71Cの2回線が両方とも同時に遮断される。
このように、この地絡保護方法によれば、仮設置して本格運用開始前の母連・SC箱74のユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路741を利用して配電線2回線対策回路を構築することにより、スイッチギヤの改造を行うことなく、配電線2回線運用を行うことができ、スイッチギヤの取替工事にかかる手間および時間ならびに費用を低減することが可能となる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では新設するスイッチギヤ7を構成する母連・SC箱74が一旦仮設置されて配電線2回線対策回路を形成するために利用されるようにしているが、既設のスイッチギヤ2と新設するスイッチギヤ7とのどちらにも組み込まれておらず使用されていない母連・SC箱が配電線2回線対策回路を形成するために利用されるようにしても良い。
1 母線
2 スイッチギヤ(既設)
21A 配電線箱
21B 配電線箱
21C 配電線箱
211 配電線用遮断器
212 変流器
213 零相変流器
22 所内GPT箱
221 所内変圧器
222 限流ヒューズ
223 計器用変圧器
224 母線保護継電器
23 配変2次箱
231 二次遮断器
232 避雷器
24 母連・SC箱
241 母連用遮断器
242 変流器
3 配変用変圧器
4A 電力ケーブル
4B 電力ケーブル
4C 電力ケーブル
4D 他のバンク(変圧器)との接続
5 配変二次ケーブル(既設)
7 スイッチギヤ(新設)
71A 配電線箱
71B 配電線箱
71C 配電線箱
72 所内GPT箱
73 配変2次箱
74 母連・SC箱
741 ユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路
742 SC主遮断器の入条件回路
743 バイパス回路
744 端子(64V1XB端子)
745 端子
746 接点(T52の42接点)
747 接点(T52の43接点)
748 タイマー
749 遮断制御回路
8A 電力ケーブル
8B 電力ケーブル
9 配変二次ケーブル

Claims (3)

  1. 配変電用のスイッチギヤが2回線の配電線で運用しているときに、
    前記スイッチギヤに組み込まれておらず使用されていない母連・SC箱と前記2回線の配電線とを電気的に接続して、
    前記2回線の配電線で地絡が発生した場合に、前記2回線の配電線に対して設けられている地絡過電圧継電器の64V地絡リレーの動作に反応して前記母連・SC箱に備えられているユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路が動作して前記2回線の配電線を遮断する、
    ことを特徴とする地絡保護方法。
  2. 既設のスイッチギヤを新設するスイッチギヤに取り替える際に2回線の配電線での運用となるときに、
    前記新設するスイッチギヤに組み込む前に、新設する母連・SC箱を仮設置して前記母連・SC箱と前記2回線の配電線とを電気的に接続して、
    前記2回線の配電線で地絡が発生した場合に、前記2回線の配電線に対して設けられている地絡過電圧継電器の64V地絡リレーの動作に反応して前記母連・SC箱に備えられているユニットコンデンサ用遮断器の遮断回路が動作して前記2回線の配電線を遮断する、
    ことを特徴とする地絡保護方法。
  3. 前記母連・SC箱に備えられているタイマーの動作時限を、前記2回線の配電線に対して設けられている地絡方向継電器の67F地絡リレーの動作時間よりも長く設定し、
    前記地絡過電圧継電器の64V地絡リレーの動作に反応して前記地絡方向継電器の67F地絡リレーが前記2回線の配電線のうちの地絡が発生した配電線を遮断する動作を優先させる、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の地絡保護方法。
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