JP2010081764A - 配電線個別補償リアクトルシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】配電線の地絡事故発生時、その配電線の対地静電容量による電流を抑制する変電所設置の一括集中式補償リアクトル方式において、配電線ごとに最適なリアクトル量を挿入できること。
【解決手段】、配電線毎の対地静電容量を配電線毎に装備される零相変流器を介して補償する変電所一括集中式の配電線個別補償リアクトルシステムにおいて、配電線の母線6に接続された可変補償リアクトル手段1と、この一端に接続され、配電線毎の零相変流器を貫通して接地される複数の貫通接地線と、配電線毎に貫通接地線の数を変化させて、貫通接地線数に比例した補償リアクトル量を分配するために直列に接続された接地線開閉手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、変電所から配電線の地絡事故時に、配電線と対地間に存在する静電容量を介して流れる対地電流を可能な限り抑制するための配電線個別補償リアクトルシステムに関する。
従来、配電系統における対地静電容量の大きい系統では、地絡事故発生時、前記静電容量に流れる電流を保安上適切な値に抑制するために変電所に補償リアクトルが装備されている。特許文献1では、地絡事故発生時に零相電流を測定し、その零相電流を抑制するリアクトルの量を計算して、補償リアクトルの量を半導体スイッチによって制御する変電所一括補償リアクトル方式の技術が提案されている。
しかしながら、この方式は各配電線の亘長に見合った補償リアクトル量にならず、基本的には配電線の数で等分した量のため地絡事故発生時に補償の過不足が生じて他の地絡検出リレーが誤動作する虞がある。また、従来の配電線毎の補償リアクトル方式においても、配電線の系統変更に伴う静電容量に見合った補償リアクトルに変更する方式はなく、通常、上限を定めて計算したリアクトル量に設定しているため、地絡事故発生時に十分な補償ができないという問題がある。
この問題に対処するため、たとえば図9(a)、(b)に示す補償リアクトル方式が考えられる。図9(a)は発明者らが考案した参考技術による配電線毎にリアクトルを装備する方式であり、図9(b)は同様に参考技術による変電所一括でリアクトルを装備する方式である。この両図では、変電所10の母線6から配電線5a,5b,5cが引き出され、各配電線には、変電所10の出口にそれぞれ遮断器9a,9b,9cが挿入され、各配電線には、開閉器11a1,11a2、・・・・、11b1,11b2・・・、11c1,11c2、・・・が実装された系統構成となっている。この開閉器の開閉状態として白丸は閉状態、黒丸は開状態を表す。この系統構成における配電線の地絡事故時の配電線とアース(大地)間に存在するキャパシタンス(以下、対地静電容量という)Cからの地絡電流を相殺するために、変電所10に一括で装備される可変補償リアクトル手段1や配電線毎に装備される補償リアクトル1a,1b,1cが母線6から各配電線の装備された零相変流器(以下、「ZCT」と略す)4a,4b,4cを貫通して接地されている。
図9(a)の配電線毎の補償リアクトル方式では、配電線への電力の供給長、すなわち、開閉器と次の開閉器間の区間の数により前記対地静電容量が変化するため、この容量に見合った補償リアクトル量が、配電線毎の補償リアクトル1a,1b,1cにより調整される。この図では、各区間の対地静電容量が全て同じ値のCとし、そのCに見合う補償リアクトル量をLとして説明する。なお、補償リアクトル量Lはリアクタンスの逆数である。
配電線5aでは、開閉器の開状態までの区間数が6のため合計対地静電容量は6Cであり、この補償リアクトル量は6Lとなり、その量になるよう補償リアクトル1aが調整される。配電線5bについては、区間数が2のため対地静電容量2Cにより補償リアクトル1bのリアクトル量が2Lに調整される。
一方、図9(b)の変電所一括集中式補償リアクトル方式では、全配電線の対地キャパシタンスを一括補償する方式のため、図9(a)の方式に比べて設備の簡素化を図ることができるが、配電線ごとに適切な補償をするのは難しくなる。たとえば、図9(b)において、可変補償リアクトル手段1を、3つの配電線5a,5b,5cの合計対地静電容量の12Cに見合う12Lのリアクトル量に調整した場合、各配電線に挿入されるリアクトル量は、等分の4Lに配分されてしまう。このため、たとえば、配電線5aでは補償リアクトル量が6L必要なところ、4Lしか補償されず不足状態になる。一方配電線5bでは、補償量は2Lで良いところ、4L補償されるため過剰状態になる。このように補償リアクトル量が過不足状態になって、配電線の地絡事故時に対地キャパシタンスからの電流を完全に相殺(補償)できない場合があり、さらに改善する余地がある。
特開平7−322487号公報
本発明は上述のかかる事情に鑑みてなされたものであり、配電線の地絡事故発生時、その配電線の対地静電容量を介して流れる電流を抑制する変電所設置の一括集中式補償リアクトル方式において、夫々の配電線に最適なリアクトル量を挿入することのできる配電線個別補償リアクトルシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係わる配電線個別補償リアクトルシステムは、複数の配電線の夫々の対地静電容量を配電線毎に設けられた零相変流器を介して補償する配電線個別補償リアクトルシステムであって、その一端は配電線の母線側に接続され、他端は前記零相変流器を貫通して接地される複数の貫通接地線と接続されたリアクトル量調整可能な可変補償リアクトル手段と、前記貫通接地線の零相変流器貫通本数を変化させる接地線開閉手段と、を備え、前記可変補償リアクトル手段は、配電線の合計静電容量に基づいてリアクトル量が設定され、前記接地線開閉手段は、各配電線の静電容量に基づいて設定されていることを特徴とする。
本発明では、運用中の配電線の対地静電容量に見合う補償リアクトル量の全量を変電所一括集中式の可変補償リアクトル手段で調整し、各配電線への補償量は、配電線毎の零相変流器に貫通する貫通接地線数の本数を接地線開閉手段で調整して、配電線間で補償量を分配させることにより最適な補償リアクトル量を挿入することができる。これにより、配電線の地絡事故時の地絡保護継電器の誤動作が防止できる。
可変補償リアクトル手段は、1:2:4:8:・・というように順次2倍の比率のリアクトル量を並列に接続される複数のリアクトルによって構成し、それぞれのリアクトルごとにリアクトル量を加減算するために各リアクトルに直列に接続されるリアクトル開閉手段によって開閉制御することによって、低コストで簡便に実現することができる。
本発明に係わる配電線個別補償リアクトルシステムは、さらに、配電線の区間別対地静電容量の情報を保存する手段と、配電線の系統状態情報を入力する手段と、当該系統状態により配電線毎の対地静電容量を算出し、当該対地静電容量に対応した配電線毎の補償リアクトル量と配電線全体の補償リアクトル量を算出するリアクトル量演算手段と、前記配電線全体の補償リアクトル量を前記可変補償リアクトル手段のリアクトル量として設定するリアクトル量制御手段と、配電線毎の零相変流器を貫く貫通接地線の本数の比が、前記配電線毎の補償リアクトル量の比になるように前記接地線開閉手段を制御する開閉制御手段と、を有するリアクトル自動制御装置を備えたことを特徴とする。
ここで、「配電線の系統状態情報」は、配電線開閉器の開閉状態、再閉路装置の動作情報、あるいは、配電線の運用区間数情報を含む趣旨である。
本発明では、リアクトル自動制御装置によって、配電線全体の補償リアクトル量と配電線ごとの分配比率を計算して、可変補償リアクトル手段と接地線閉手段に対して制御指令を出力する。
本発明に係わる配電線個別補償リアクトルシステムのリアクトル自動制御装置は、開閉器が閉動作するタイミングを予測するタイマー手段を備え、前記リアクトル量演算手段は開閉器が閉動作したときの系統状態に対して予め配電線毎の補償リアクトル量と配電線全体の補償リアクトル量を算出しておき、前記タイマー手段により開閉器が閉動作するタイミングの直前に前記リアクトル量制御手段と開閉制御手段とを動作させることを特徴とする。
本発明では、配電線の運用区間情報より次に給電される区間の補償リアクトル量を事前に計算し、タイマー管理によってこの区間が給電される直前に適切な補償リアクトル量を配電線に挿入して、配電線の地絡事故中や復電中の過渡時においても最適な補償制御を実行する。
また、本発明に係わる配電線個別補償リアクトルシステムのリアクトル自動制御装置は、配電自動化システムから前記配電線の系統状態情報を入力して、配電線毎の補償リアクトル量と配電線全体の補償リアクトル量を算出し、リアルタイムに前記リアクトル量制御手段と開閉制御手段とを動作させることを特徴とする。
本発明では、配電系統を監視制御する配電自動化システム経由で系統状態情報を入力するようにして、リアクトル自動制御装置が、この入力した情報を用いてリアルタイムで最適な補償リアクトル量の全量と各配電線の補償量を制御する。このため、配電線の地絡事故時における地絡保護継電器の誤動作が防止できる。
好ましくは、リアクトル自動制御装置は、配電線毎の補償リアクトル量と配電線全体(バンク全体)の補償リアクトル量のそれぞれが過補償となる場合には補償量の追加を行わないようにするのが良い。このようなインターロックを組むことによって、配電線の地絡事故中や復電中の過渡時において系統不安定になることを防止することができる。
本発明によれば、比較的小規模な設備で実現できる変電所一括集中式補償リアクトル方式においても、配電線毎の補償リアクトル量を可変に制御できるので、配電線の系統変更や設備変更あるいは停電中や復電動作中の対地静電容量の変化に対して高精度で配電線毎の補償リアクトル量を制御できることになり、一線地絡事故発生時における配電線の対地電流の抑制や保護継電装置による不要な遮断を防止することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1、図2は、それぞれ第1の実施の形態による配電線個別補償リアクトルシステム30の構成図と概要図である。
図1は、一般的な配電変電所10の構成図である。系統構成は、配電用の変圧器7に配電線用の母線6と、この母線6に配電線5a,5b,5cが接続されている。配電線5aには、まず遮断器9aと零相変流器(以下、「ZCT」と略す)4aが挿入されて変電所10から引き出されている。ZCT4aは、地絡事故検出と補償リアクトルを配電線5aに挿入するためのものである。変電所10の外部では、この配電線5aに開閉器11a1,11a2,11a3,・・・が順次挿入されている。
ZCT4aには、地絡保護継電器20aが接続され、また、配電線5aに可変補償リアクトル手段1を挿入するために、可変補償リアクトル手段1からの複数の貫通接地線(接地線)12aが接地線開閉手段3aを経由してZCT4a内を貫通している。この可変補償リアクトル手段1は、容量可変にするため1:2:4:8などの容量比を持つ並列接続の複数の補償リアクトル1a,1b,1c,1dと、この各リアクトルに直列に接続される開閉手段2a、2b、2c、2dを持つリアクトル開閉手段2で構成される。
この可変補償リアクトル手段1とリアクトル開閉手段2は、母線6に接続された接地変圧器8から保守用の断路器8sと接地抵抗8rを介し、次の保守用断路器1sを介して可変補償リアクトル手段1の一端が接続される。可変補償リアクトル手段1の他端は、保守用断路器1tを介して接地線開閉手段3aとZCT4aの複数の貫通接地線12aによりアースに接地される。
配電線5b、5cについても同様に、接地線開閉手段3b、3cを経由して貫通接地線12b、12cがZCT4b、4cを貫通して接地されている。
このリアクトル開閉手段2a〜2dと接地線開閉手段3a〜3cを自動制御するために、配電線を監視制御する配電自動化システム(以下、「配自」と略す)13から配電線の開閉器などの運用区間情報を入力して補償リアクトル量を演算するリアクトル自動制御装置(以下、「制御装置」と略す)12が装備される。
配電線個別補償リアクトルシステム30は、この可変補償リアクトル手段1、可変補償リアクトル手段1から繋がりZCT4a〜4cを貫く貫通接地線、貫通接地線の接続切替を行う接地線開閉手段3a〜3c、およびリアクトル自動制御装置12によって構成されている。
図2は、図1の補償リアクトル回路の要部を示す構成図である。図1の回路構成図から母線6と可変補償リアクトル手段1の間に挿入されている接地変圧器8、接地抵抗8r、および、保守用断路器8s,1s,1tを説明上省いている。そして配電線5a、5b、5cのそれぞれは、開閉器11a6、11b2,11c4が●の開状態で、他は○の閉状態とする。
各開閉器(遮断器を含む)との間の区間には、同一の対地静電容量Cが存在していることを示す。可変補償リアクトル手段1は、対地静電容量Cの容量を補償するリアクトル量をLとして、各補償リアクトル1a,1b,1c,1dの容量は、1L,2L,4L,8Lとして、全体の可変補償リアクトル手段1の容量は、リアクトル開閉手段2の各開閉手段2a,2b,2c,2dの開閉により1L単位に変化させることができるものである。
次に、図2を用いて配線線補償リアクトルシステム30の作用を説明する。
図2の配電系統において、配電線5a,5b,5cの開閉器の開状態までの運用の区間数は、それぞれ6,2,4である。いま、区間ごとに1Cの対地静電容量があるとしているため、各配電線の対地静電容量は、それぞれ6C,2C,4Cとなる。この各配電線の対地静電容量に対する補償リアクトル量は、それぞれ6L,2L,4Lとなる。また、可変補償リアクトル手段1を各配電線の補償リアクトルの合計値12Lに調整する。
この調整方法として、可変補償リアクトル手段1を構成するリアクトル1c(リアクトル量4L)とリアクトル1d(リアクトル量8L)を有効にするためにリアクトル開閉手段2の開閉手段2a,2bを開き、開閉手段2c、2dを閉じて、合計リアクトル量を12Lに設定する。また、各配電線への補償リアクトル量の調整方法としては、各ZCT4a〜4cに貫通する貫通接地線数に比例して前記補償リアクトル量の合計12Lが分配されるため、それぞれ6L:2L:4L=3:1:2に比例した貫通接地線数にする。図2の例では、配電線5a、5b、5cの貫通接地線3a,3b,3cをそれぞれ3本、1本、2本になるよう接地線開閉手段12a,12b,12cを開閉制御する。
リアクトル自動制御装置12には、各区間の対地静電容量を事前に登録しておき、配電自動化システム13から各配電線の運用区間情報等を入力して、この区間数等をもとに合計補償リアクトル量と各配電線の補償リアクトル量を計算してリアクトル開閉手段2と各接地線開閉手段3a〜3cへ制御指令を出力する。
これにより、配電線ごとに適切な補償リアクトル量の設定が可能となるので、配電線のどの場所で地絡事故が発生しても、対地キャパシタンスによる不要な電流が流れること無く、地絡検出保護継電器の誤動作が解消される。
以下、この事故時の動作を図3に示す配電線5aの開閉器11a2と11a3の間の第3区間に事故が発生したときの補償電流の流れを例にして説明する。いま、対地静電容量Cによる地絡電流の1単位をIcとし、これを相殺するための補償リアクトルからの電流をIとする。上記第3区間で地絡事故が発生すると、母線6からの図示しない抵抗分のみの事故電流に加えて、事故配電線5aの電源側の対地静電容量による電流2Icと負荷側の対地静電容量による電流4Ic、および同じ母線6に接続されている配電線5b、5cの対地静電容量による電流2Ic,4Icの合計12Icが地絡事故箇所に流れ込もうとする。
このとき可変補償リアクトル手段1からは、各配電線5a,5b,5cに挿入されたZCT4a,4b,4cを介して貫通接地線の本数(3:1:2)に比例して分配された接地電流6I,2I,4Iの計12Iの電流が流れ込み、上記の対地静電容量による電流と位相が180度違うため相殺(補償)され、結果として抵抗分の地絡電流のみがアースに流れることになる。この際、各配電線に装備されたZCT4a,4b,4cは、当該各配電線に流れる地絡電流と等しい電流を検出する。
次に、図4を用いて母線6に地絡事故が発生した場合の地絡電流の流れを示す。系統構成は図3と同じである。配電線5a、5b、5cが接続されている母線6に地絡事故が発生すると、全配電線の対地静電容量Cによる電流6Ic,2Ic,4Icの合計12Icが母線に流れ込もうとするが、前記各ZCTを貫通する接地線3a,3b,3cからの補償リアクトル電流6I,2I,4Iの合計12Iがアースから母線方向に流れ、12Icと相殺される。
以上説明したように、本実施の形態によれば配電線ごとに適切なリアクトル補償が可能となり、事故時においても対地静電容量からの電流を相殺し、これに等しい電流をZCTで検出して、これらの配電線や母線に付加されている地絡検出保護継電器の誤動作が防止できる。
上記の実施の形態では、可変補償リアクトル手段1を、「1:2:4:8」の比率のリアクトル量を並列に接続される複数の補償リアクトル1a、1b、1c、1dと、これら複数のリアクトル手段毎にリアクトル量を加減算するために直列に接続されるリアクトル開閉手段2とで構成したが、この代わりに、可変補償リアクトル手段1を一般的な容量可変型の補償リアクトルを用いるようにしても良い。
この場合、リアクトル自動制御装置12は、リアクトル開閉手段2への開閉指令ではなく、可変補償リアクトル手段1に対して直接リアクトル量の設定指令を出力する。
次に、第2の実施の形態として、図1のシステム構成において、図3に示す配電線のある箇所で地絡事故が発生したとき、および復電動作のときの可変補償リアクトル手段1の制御方法を説明する。
まず、一般的な配電線事故時の再閉路動作を説明する。配電線5aに地絡事故が発生すると、地絡保護継電器20aが動作して遮断器9aをトリップさせて事故の配電線5aを停電させる。
このとき一般的に配電線5aに挿入されている開閉器11a1,11a2,・・・には、停電すれば開閉器を開き、復電すれば、一定時間待って開閉器を自動的に閉じる順次投入機能を備えた順投装置または配電自動化システム13からの指令を受けて、順次投入または開閉器の遠隔制御を行う制御装置が装備されている。事故の発生時、地絡保護継電器20aによって遮断器9aがトリップして、配電線5aが停電すると、運用中の開閉器11a1〜11a5が全て開いた状態になる。そして、再閉路装置によりトリップさせた遮断器9aがある時間経って再投入され、まず第1の開閉器11a1までの区間が復電される。このため、順次投入機能または遠隔制御機能により第1の開閉器11a1は、一定時間後に閉じられ、第2の開閉器11a2まで復電される。
そして開閉器11a2についても上記と同様の動作によって閉じられ、事故区間に電気が供給される。このとき事故がまだ継続していれば、事故電流が流れるため地絡保護継電器20aにより遮断器9aが再遮断される。もしも事故が解消されていれば、その先の区間に上記の動作で順次電気が供給され、停電が解消される。
再遮断された場合、その区間を復電させた開閉器11a2は、この区間に事故が継続していることを記憶し、次に給電されても、投入動作をせず、ロックする機能を装備している。このため、再度遮断器9aが投入されるが、開閉器11a1は、投入動作をして第2区間まで復電させるが、開閉器11a2は、投入動作をロックするため、前記遮断器9aの再々遮断はなく、事故点前の区間まで復電される。
次に、図5〜図7のフローチャートを用いて、可変補償リアクトルシステム30が、補償リアクトルの量を停電および復電区間に応じて増減させていくときの処理手順を説明する。
可変補償リアクトルシステム30の構成は、第1の実施の形態と同様である。また、この説明での配電系統は、図6に示すように6区間を持つ配電線が4式あり、各区間は同一の対地静電容量Cを有するものとする。また、各配電線のZCTの貫通接地線は、6本あるとし、各配電線は平常時6区間給電されているとする。このときの全補償リアクトル量は、24L(=4×6L)であり、各貫通接地線は、6本接地されている。
この状態で図6に示す配電線5a(A線)の第3開閉器11a3と第4開閉器11a4の第4区間に地絡事故が発生し、保護継電器20aにより遮断器9aがトリップされると(S11)、リアクトル自動制御装置12は、この情報を遮断器9aまたは配自13から受け取り、配電線5aの補償リアクトル6L分をリアクトル開閉手段2により全補償リアクトル量を24Lから24L−6L=18Lにする。同時に、配電線5aへの補償量を零とするため、接地線開閉手段3aによりZCT4aの貫通接地線12aの全てを開く(S12)。
次にリアクトル自動制御装置12は、再閉路装置の起動情報を入力し(S13)、以降の順次投入動作に同期するタイマーを起動する(S14)。その後、トリップされた遮断器9aが、再閉路(入り)される(S17)前に、これから復電される第1区間への補償量の過補償の有無と、区間数を表すフラグをチェックする(S15)。過補償でない補償量OK(S15 OK)と前記タイマーにより予め設定されている再閉路タイミング(S17)の直前(数十ミリ秒〜数秒前)にリアクトル開閉手段2を制御して、可変補償リアクトル手段1のリアクトル量を第1区間の補償リアクトル量1L分増加させるとともに、配電線5aのZCT4aの貫通接地線12aのうち1L分に相当する1本を接地線開閉手段3aにより接地する。そして、前記遮断器9aが再閉路装置により投入され(S17)、トリップしなければ(S18で「NO」)、配電線5aの第1区間が復電する。遮断器9aがトリップすれば(S18で「YES」)、配電線5aのリアクトル補償分の1Lをリアクトル開閉手段2によって減少させ、ZCT4aの貫通接地線12aを接地開閉手段3aにより全て切って(S19a)、動作を終了する。
リアクトル自動制御装置12には、遮断器9aが投入されたという情報を配自13から受け取り、次の区間のリアクトル補償量1L分の過補償の有無と、区間数のチェック後(S20)、第1の開閉器11a1が動作するタイミング(S201)の直前のタイミングをタイマーで検知し(S19)、可変補償リアクトル手段1のリアクトル開閉手段2と、ZCT4aの貫通接地線12aの接地開閉手段3aを制御することによりリアクトル補償量1L分の追加を行う(S21)。
このようにして、第1の開閉器11a1が投入され、事故区間への給電でないため遮断器9aがトリップせず(S22で「NO」)、投入区間数(FDM)が、最大区間数(FDM2)の6と一致しているか否かを判定し(S23)、一致していなければ(S23で「NO」)、ステップS19へ戻り、投入区間数が最大区間数になるまで(FDM=FDM2)この動作を順に次の区間に対して繰り返す。
このとき第4区間の事故が継続している場合、第3開閉器11a3が動作し(S203)、この区間に給電されると、保護継電器20aが再度事故を検出して、遮断器9aを再トリップさせる(S22で「YES」)。この動作により、第3開閉器11a3にある順次投入動作のロック機能が記憶されるとともに最大区関数(FDM2)を6から3に変更記憶する。そして遮断器9aがトリップされたためステップS12と同じ動作で、可変補償リアクトル手段1のリアクトル量からこの配電線5aの補償量を差し引くと共に配電線5aへの補償量を零にする制御を行う。
再閉路装置は、再度起動され(S23aで「YES」)、ステップS14〜ステップS17の処理により遮断器9aは再投入され、ステップS18〜ステップS23の動作を繰り返す。そして、投入区間数(FDM)が最大区間数(FDM2=3)となる第2の開閉器11a2を投入後(S23で「YES」)、タイマーカウントを終了して(S24)、動作を終了する。
本実施の形態によれば、配電線の事故中や順次投入されていく復電動作中においても、最適な補償リアクトル量が事前に自動挿入されることにより、地絡検出保護継電器の誤動作がより多く防止できる。
次に、第3実施の形態による配電線個別補償リアクトルシステムの自動制御方法について図8を用いて説明する。配電系統および事故条件は図6と同様である。本実施の形態では、上記の各区間の補償リアクトル量を事前に設定した量で増減させるのでなく、遮断器や開閉器が動作した直後に演算して補償リアクトル量の増減制御を行うものである。
図8は、事故区間への復電による遮断器9aの再遮断がない場合における停電および復電動作の処理手順を示すフローチャートである。
地絡事故が発生し、遮断器9aにより停電になると配電線の状態変化が発生するため(S101で「YES」)、配自13から配電状態を入手しているリアクトル自動制御装置12がこれを検知し(S102)、各配電線の補償リアクトル量の演算と(S103)、その合計である全補償リアクトル量を再計算する(S104)。この計算では、トリップされた配電線5aは、補償量は零と計算されるため、全補償リアクトル量は、その6L分減少となる。このため、リアクトル開閉手段2により可変補償リアクトル手段1のリアクトル量が24Lから18L(=24L−6L)になるように調整制御を行う(S105)。同時に、配電線5aへの補償量を零にするため、ZCT4aの貫通接地線12aの全てを接地線開閉手段3aを開く(S106)制御を行う。
次に復電動作時において、リアクトル自動制御装置12は、順次復電される区間に応じて各配電線と全補償リアクトルの補償リアクトル量を再計算して(S103,S104)、リアクトル開閉手段2による全体の補償リアクトル量の調整制御(S105)と、接地線開閉手段3aによる配電線5aへの補償リアクトル量の制御を行う(S106)。すなわち、開放された遮断器9aが再投入されると、最初は第1区間の補償リアクトル量が計算され(S103,S104)、この区間の補償リアクトル量は1Lであるため、可変補償リアクトル手段1のリアクトル開閉手段2を調整制御して1L分増加させる(S105)。また、配電線5aへの1L増加は、貫通接地線数を一本1L分とした場合、接地線開閉手段3aにより貫通接地線を1本追加するよう制御を行う(S106)。このように、以降の開閉器が順次投入されるに従って、上記と同様の処理によって補償リアクトル量を増加させていく。以上の処理により、復電中の配電系統の状態に適した補償容量が順次投入されていく。
本実施の形態によれば、配電線の事故中や順次投入されていく復電動作中においても、最適な補償リアクトル量に自動制御されることにより、地絡検出保護継電器の誤動作がより多く防止できる。特に、地下ケーブルなどの対地静電容量が大きい配電線においもて、配電線毎に適切な補償リアクトル量を自動制御することができるため、1線地絡事故発生時に、対地静電容量を介して配電線に流れる対地電流を可能な限り小さく抑制することが可能になる。
本発明は、電力系統における地絡事故の保護に利用することができる。
本発明の第1の実施の形態による配電線個別補償リアクトルシステムおよび配電変電所の設備の構成図である。 図1の配電線個別補償リアクトルシステムの要部と電流の流れの説明図である。 図1の配電線事故時の電流の流れを示す説明図である。 図1の母線事故時の電流の流れの説明図である。 本発明の第2の実施の形態による事故時の自動制御処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態による事故時の自動制御処理を説明するための配電系統の構成図である。 図6の配電系統構成における事故時の配電線個別補償リアクトルシステムの動作状態と配電線開閉器の状態および補償量との関係を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態による制御方法のフローチャートである。 参考技術による補償リアクトル手段の構成図であり、図9(a)は参考技術による配電線毎補償リアクトルの構成図、図9(b)は、参考技術による一括補償リアクトルの構成図である。
符号の説明
1 可変補償リアクトル手段
1a、1b、1c 補償リアクトル
2 リアクトル開閉手段
2a,2b,2c,2d リアクトル開閉手段を構成する開閉手段
3a,3b,3c 接地線開閉手段
4a、4b、4c 零相変流器
5a、5b、5c 配電線
6 母線
7 変圧器
8 接地変圧器
8r、接地抵抗
1s、8s 保守用断路器
9a,9b,9c 遮断器
10 変電所
11a1,11a2,・・・11b1,・・11c1,11c2,・・開閉器
12 リアクトル自動制御装置
13 配電自動化システム
20a、20b、20c 地絡保護継電器
30 配電線個別補償リアクトルシステム

Claims (6)

  1. 複数の配電線の夫々の対地静電容量を配電線毎に設けられた零相変流器を介して補償する配電線個別補償リアクトルシステムであって、
    その一端は配電線の母線側に接続され、他端は前記零相変流器を貫通して接地される複数の貫通接地線と接続されたリアクトル量調整可能な可変補償リアクトル手段と、
    前記貫通接地線の零相変流器貫通本数を変化させる接地線開閉手段と、
    を備え、前記可変補償リアクトル手段は、配電線の合計静電容量に基づいてリアクトル量が設定され、前記接地線開閉手段は、各配電線の静電容量に基づいて設定されていることを特徴とする配電線個別補償リアクトルシステム。
  2. 配電線の区間別対地静電容量の情報を保存する手段と、配電線の系統状態情報を入力する手段と、当該系統状態により配電線毎の対地静電容量を算出し、当該対地静電容量に対応した配電線毎の補償リアクトル量と配電線全体の補償リアクトル量を算出するリアクトル量演算手段と、前記配電線全体の補償リアクトル量を前記可変補償リアクトル手段のリアクトル量として設定するリアクトル量制御手段と、配電線毎の零相変流器を貫く貫通接地線の本数の比が、前記配電線毎の補償リアクトル量の比になるように前記接地線開閉手段を制御する開閉制御手段と、を有するリアクトル自動制御装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の配電線個別補償リアクトルシステム。
  3. 前記リアクトル自動制御装置は、
    開閉器が閉動作するタイミングを予測するタイマー手段を備え、
    前記リアクトル量演算手段は開閉器が閉動作したときの系統状態に対して予め配電線毎の補償リアクトル量と配電線全体の補償リアクトル量を算出しておき、前記タイマー手段により開閉器が閉動作するタイミングの直前に前記リアクトル量制御手段と開閉制御手段とを動作させることを特徴とする請求項2記載の配電線個別補償リアクトルシステム。
  4. 前記リアクトル自動制御装置は、配電自動化システムから前記配電線の系統状態情報を入力して、配電線毎の補償リアクトル量と配電線全体の補償リアクトル量を算出し、リアルタイムに前記リアクトル量制御手段と開閉制御手段とを動作させることを特徴とする請求項2記載の配電線個別補償リアクトルシステム。
  5. 前記リアクトル自動制御装置は、配電線毎の補償リアクトル量と配電線全体(バンク全体)の補償リアクトル量のそれぞれが過補償となる場合には補償量の追加を行わないことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一に記載の配電線個別補償リアクトルシステム。
  6. 前記可変補償リアクトル手段は、並列に接続され、補償単位のリアクトル量に対して、順次2倍の補償量を有する複数のリアクトルを有し、各リアクトルの接続、分離を実行するリアクトル開閉手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の配電線個別補償リアクトルシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102130450A (zh) * 2011-03-22 2011-07-20 江苏省电力试验研究院有限公司 配电网单相接地故障分布式补偿方法
WO2022151531A1 (zh) * 2021-01-14 2022-07-21 深圳市埃尔法光电科技有限公司 一种hdmi光电混合传输系统

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