JP7391777B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタに関する。
従来、端子金具と、端子金具を収容させる筐体と、この筐体の中で端子金具に対して物理的且つ電気的に接続され、かつ、筐体の外に引き出されるシート状の導電部材{例えば、フレキシブルプリント回路基板(所謂FPC)等}と、を備えるコネクタについて知られている。この種のコネクタは、例えば、下記の特許文献1に開示されている。
このような構成から成るコネクタにおいては、端子金具の導体接続部と導電部材の電気接続部とが接続可能な状態に配置された上で、その導体接続部と電気接続部とが半田付け等の接続工程を経て固着される。例えば、このコネクタにおいては、筐体に収容された端子金具の導体接続部を筐体の外に突出させ、その導体接続部を導電部材の電気接続部としての導体接続用の貫通孔(所謂スルーホール)に挿通させる。このようにして、端子金具と導電部材は、導体接続部とスルーホールとの接続作業が可能な状態に配置される。そして、このコネクタにおいては、その状態で導体接続部とスルーホールとの間の接続作業が実施される。このようなコネクタにおいては、一般に複数の端子金具が筐体に収容されている。
特開2014-17361号公報
ところで、このようなコネクタにおいては、筐体の外に引き出させるだけの長さに導電部材が形成されているので、その導電部材のスルーホールに端子金具の導体接続部を挿し入れながら、筐体及び端子金具に対する導電部材の設置作業を行っているときに、又は、その設置作業を終えて、導体接続部とスルーホールとの接続作業が可能な状態になっているときに、その導電部材における筐体からの引出領域が作業者に引っ張られてしまう可能性がある。そして、このコネクタにおいては、その製造工程で発生した引っ張りに伴う力が端子金具の導体接続部と導電部材におけるスルーホールの周縁部との間に作用すると、その力の大きさや方向如何で、端子金具や導電部材の品質を低下させてしまう可能性がある。よって、従来のコネクタにおいては、筐体に設けた係止突起を導電部材に設けた係止孔に挿通させ、引っ張りに伴う力を係止突起と導電部材における係止孔の周縁部との間で受けさせることによって、端子金具の導体接続部と導電部材におけるスルーホールの周縁部との間への力の伝達を抑えている。しかしながら、このコネクタにおいては、結局のところ、係止突起と導電部材における係止孔の周縁との間で引っ張りに伴う力を受けることになるので、その力の大きさや方向如何で、筐体や導電部材の品質を低下させてしまう虞がある。従って、このコネクタにおいては、品質の低下の有無の確認を製造工程の中で簡便に実施できるようにしておくことが望ましい。
そこで、本発明は、簡便な品質管理が可能なコネクタを提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、本発明は、端子部及び導体接続部を有する端子金具と、前記端子部を内方の収容室に収容させ、かつ、前記導体接続部を前記収容室の端子引出口から外方に突出させるハウジングと、前記ハウジングに組み付けられて、前記ハウジングを外方から覆うカバーと、可撓性を持たせた導電体及び絶縁体による平らな積層体を備え、組付け完了状態の前記ハウジング及び前記カバーの成す内方の空間に収容され、かつ、前記導体接続部に対して前記導電体を電気接続させる収容領域、並びに、組付け完了状態の前記ハウジング及び前記カバーの成す開口から外方に引き出させる引出領域を有する導電部品と、を備える。そして、前記ハウジングは、前記端子引出口が設けられた端子引出領域と、前記導体接続部の前記端子引出口からの突出方向と前記引出領域の前記開口からの引出方向とに対する直交方向で前記端子引出領域を間にして1つずつ設け、前記突出方向を軸方向とする円柱状又は円筒状の係止突起と、を有し、前記収容領域における前記直交方向のそれぞれの側端部は、前記係止突起を挿通させる前記係止突起毎の貫通孔であり、前記引出方向側とは逆側が半円状の半円孔部として形成され、前記半円孔部の弧状壁面を前記係止突起に係止可能な係止孔を有し、前記導電部品は、前記収容領域におけるそれぞれの前記側端部毎に、その側端部における側端面上で前記半円孔部との距離が最短になる最短位置から前記収容領域の平面と同一平面上で前記直交方向に突出させた片体を有し、前記収容領域の前記側端面と前記片体の周端面とが成す前記引出方向側の第1隅部は、前記最短位置よりも前記引出方向側に配置され、前記収容領域の前記側端面と前記片体の前記周端面とが成す前記引出方向側とは逆側の第2隅部は、前記最短位置よりも前記引出方向側とは逆側で、前記半円孔部との最短距離が前記半円孔部と前記収容領域及び前記片体の成す外郭端面との間の最短距離よりも短くなるものとして形成されることを特徴としている。
ここで、前記導電部品は、前記引出領域に対して前記引出方向に基準引張力より小さい力が加えられて、前記係止突起と前記半円孔部の前記弧状壁面とが係止状態になったときに、その係止状態を維持させる一方、前記引出領域に対して前記引出方向に前記基準引張力以上の力が加えられて、前記係止突起と前記半円孔部の前記弧状壁面とが係止状態になったときに、前記半円孔部から前記第2隅部に向けて亀裂を生じさせるものとして形成されることが望ましい。
また、前記導電部品は、前記積層体としてのフレキシブルプリント回路基板であり、前記フレキシブルプリント回路基板は、組付け完了状態の前記ハウジング及び前記カバーの成す内方の空間に収容され、かつ、前記導体接続部に対して前記導電体を電気接続させる導体接続領域と、組付け完了状態の前記ハウジング及び前記カバーの成す開口から外方に引き出させる導体引出領域と、前記導体接続領域における前記直交方向のそれぞれの側端部の側端面に設け、その側端面上の前記最短位置から前記導体接続領域の平面と同一平面上で幅方向に突出させた前記片体と、を有し、前記収容領域は、前記導体接続領域で構成され、前記引出領域は、前記導体引出領域で構成され、前記係止孔は、前記導体接続領域に形成され、前記第1隅部と前記第2隅部は、前記フレキシブルプリント回路基板における前記導体接続領域のそれぞれの前記側端面と前記フレキシブルプリント回路基板における前記片体の周端面との間に設けることが望ましい。
また、前記導体接続領域は、前記導体接続部を挿通させる貫通孔であり、その貫通孔の内周面における前記導電体の電気接続部を前記導体接続部に電気接続させるスルーホールを有し、前記スルーホールは、前記導体接続部に対する電気接続前で、かつ、前記係止突起と前記半円孔部の前記弧状壁面とが係止状態のときに、自身の前記内周面における前記引出方向側とは逆側と前記導体接続部との間に隙間が設けられるように形成することが望ましい。
また、前記導電部品は、前記積層体としてのフレキシブルプリント回路基板と、絶縁性材料で平板状に形成された補強板と、を備え、前記フレキシブルプリント回路基板は、組付け完了状態の前記ハウジング及び前記カバーの成す内方の空間に収容され、かつ、前記導体接続部に対して前記導電体を電気接続させる導体接続領域と、組付け完了状態の前記ハウジング及び前記カバーの成す開口から外方に引き出させる導体引出領域と、を有し、前記補強板は、前記導体接続領域と同じ外郭形状に形成され、かつ、前記導体接続領域に積層状態で一体化された補強板本体と、前記補強板本体における前記直交方向のそれぞれの側端部の側端面に設け、その側端面上の前記最短位置から前記補強板本体の平面と同一平面上で幅方向に突出させた前記片体と、を有し、前記収容領域は、積層状態の前記導体接続領域と前記補強板本体とで構成され、前記引出領域は、前記導体引出領域で構成され、前記係止孔は、積層状態の前記導体接続領域と前記補強板本体とに形成され、前記第1隅部と前記第2隅部は、前記補強板における前記補強板本体のそれぞれの前記側端面と前記補強板における前記片体の周端面との間に設けることが望ましい。
また、前記導体接続領域は、前記導体接続部を挿通させる貫通孔であり、その貫通孔の内周面における前記導電体の電気接続部を前記導体接続部に電気接続させるスルーホールを有し、前記補強板本体は、前記スルーホールと同心の端子挿通孔を有し、前記スルーホールは、前記導体接続部に対する電気接続前で、かつ、前記係止突起と前記半円孔部の前記弧状壁面とが係止状態のときに、自身の前記内周面における前記引出方向側とは逆側と前記導体接続部との間に隙間が設けられるように形成し、前記端子挿通孔は、前記導体接続部と前記スルーホールの電気接続前で、かつ、前記係止突起と前記半円孔部の前記弧状壁面とが係止状態のときに、自身の前記内周面における前記引出方向側とは逆側と前記導体接続部との間に隙間が設けられるように形成することが望ましい。
従来のコネクタのように導電部品に片体が設けられていない場合、引出領域に対して引出方向に過大な力が加えられたときには、係止孔から当該係止孔との距離が最も短い導電部品の側端面の最短位置に向けて又は当該側端面における最短位置の周辺に向けて亀裂が入る。このため、従来のコネクタにおいては、その亀裂が短いので、そして、その亀裂の方向が定まらないので、その亀裂を製造工程で見つけることが難しい。しかしながら、本発明に係るコネクタにおいては、半円孔部から当該半円孔部との距離が最も短い第2隅部に向けて導電部品の引出領域に亀裂が入る。つまり、このコネクタにおいては、従来よりも亀裂が長く、かつ、その亀裂の方向が特定されているので、その亀裂を製造工程で容易に見つけることができる。従って、本発明に係るコネクタは、製造工程での簡便な品質管理が可能なものとなっている。
図1は、実施形態のコネクタを示す斜視図である。 図2は、カバー接続前のコネクタを示す分解斜視図である。 図3は、カバー接続前のコネクタを別角度から見た分解斜視図である。 図4は、実施形態のコネクタ(カバーを除く)を端子引出領域側から見た平面図である。 図5は、実施形態のコネクタ(カバーを除く)を示す分解斜視図である。 図6は、実施形態のコネクタ(カバーを除く)を別角度から見た分解斜視図である。 図7は、実施形態のコネクタを相手方コネクタと共に示す斜視図である。 図8は、実施形態のコネクタを引出口側から見た平面図である。 図9は、導電部品を補強板側から見た平面図である。 図10は、導電部品を補強板側から見た平面図であり、実施形態の変形例を表している。
以下に、本発明に係るコネクタの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施形態]
本発明に係るコネクタの実施形態の1つを図1から図10に基づいて説明する。
図1から図8の符号1は、本実施形態のコネクタを示す。このコネクタ1は、端子金具10と、この端子金具10が収容されるハウジング20と、このハウジング20に組み付けられるカバー30と、を備える。更に、このコネクタ1は、可撓性を持たせた導電体及び絶縁体による平らな積層体を備え、組付け完了状態のハウジング20及びカバー30の成す内方の空間で端子金具10に対して物理的且つ電気的に接続され、かつ、その内方の空間から外方に引き出される導電部品ECを備える。その導電部品ECは、可撓性(言うなれば柔軟性)を持たせた導電体及び絶縁体による平らな積層体としてのシート状の導電部材40のみを備えるものであってもよく、その導電部材40と当該導電部材40を部分的に補強する補強板50とを備えるものであってもよい。ここでは、導電部材40と補強板50の双方を備えた導電部品ECを例に挙げて具体的な説明を行う。
端子金具10は、金属等の導電性材料で成形される。例えば、この端子金具10は、母材となる金属板に対する折曲げ加工や切断加工等のプレス成形によって所定形状に成形される。この端子金具10は、相手方コネクタ501の相手方端子金具510(図7)に対して物理的且つ電気的に接続させる端子部11と、導電部品ECに対して物理的且つ電気的に接続させる導体接続部12と、を有する(図5及び図6)。尚、相手方コネクタ501は、例えば、相手方の電気機器(インバータ等)に電気接続されているコネクタであってもよく、相手方の電気機器に設けられている端子台が有するコネクタ部の如きものであってもよい。
端子部11は、例えば、雌端子形状又は雄端子形状に形成される。ここで示す端子部11は、角筒状の箱体を有する雌端子形状に形成されており、その筒軸方向に沿って相手方端子金具510との間の挿抜が行われる。また、導体接続部12は、筒軸方向が端子部11の筒軸方向と同じ向きの円筒状に形成されている。
本実施形態のコネクタ1は、この端子金具10を1つ又は複数備えるものとして構成される。ここで示すコネクタ1は、複数の端子金具10を備えている。
ハウジング20は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。このハウジング20は、端子金具10の端子部11を内方の収容室20aに収容させ、かつ、端子金具10の導体接続部12を収容室20aの開口(以下、「端子引出口」という。)20bから外方に突出させる(図5)。よって、このハウジング20は、その端子引出口20bが設けられた端子引出領域20cを有している(図5)。このハウジング20においては、その端子引出口20bから端子部11を収容室20aの中に収容させ、導体接続部12を相手方コネクタ501に対するコネクタ嵌合方向とは逆向き(つまり、コネクタ抜去方向)に端子引出口20bから突出させる。
ここで示すハウジング20においては、複数の収容室20aが設けられており、その収容室20a毎に端子部11が収容される。全ての収容室20aは、それぞれに端子部11を同じ向きで収容させ、かつ、それぞれの端子引出口20bを同一平面上に配置させるように形成されている。そして、このハウジング20においては、全ての収容室20aが格子状に並べられている。よって、ここで示すハウジング20は、複数の端子引出口20bが設けられた矩形の端子引出領域20cを有している。
尚、このコネクタ1においては、全ての収容室20aに端子金具10を収容させる必要はなく、電気回路上で必要とされる場所の収容室20aに端子金具10が収容されていればよい。
ここで示すハウジング20は、その全ての収容室20aが形成されたハウジング本体21を有している(図1から図3及び図5から図8)。この例示のハウジング本体21は、方体状に形成されており、第1から第6の外壁面21a-21fを有している(図1から図3及び図5)。
第1外壁面21aには、全ての端子引出口20bが配置されている。よって、端子引出領域20cは、その第1外壁面21aに設けられている(図5)。
このハウジング本体21において、第3外壁面21cと第4外壁面21dは、平行状態に配置され、かつ、第1外壁面21aに対して直交状態で連接させている。ハウジング20においては、端子引出口20bから飛び出ている全ての端子金具10の導体接続部12を第3外壁面21c側と第4外壁面21d側から覆い隠すことによって、これらの保護を図る。よって、このハウジング20は、第3外壁面21cに対して間隔を空けて対向配置された状態で連結させ、かつ、第1外壁面21aよりも突出させた第1保護体22と、第4外壁面21dに対して間隔を空けて対向配置された状態で連結され、かつ、第1外壁面21aよりも突出させた第2保護体23と、を有している(図1から図6)。
その第1保護体22と第2保護体23は、ハウジング本体21における嵌合接続部21gを除いた部分に配置される(図1から図3、図5及び図6)。その嵌合接続部21gとは、相手方ハウジング520の相手方嵌合接続部521g(図7)に対するコネクタ挿入方向に沿った嵌合接続とその相手方嵌合接続部521gに対するコネクタ抜去方向に沿った抜き取りとが可能な部位であり、ハウジング本体21において第2外壁面21b側に設けられている。よって、第1保護体22と第2保護体23は、ハウジング本体21における第1外壁面21a側に配置される。
この例示の第1保護体22は、第3外壁面21cに対して間隔を空けて平行状態で対向配置させた矩形の平板状の平板部22aを有している(図1から図6)。この第1保護体22においては、第1外壁面21aよりも突出させた突出部22aを平板部22aが有しており、その突出部22aによって全ての端子金具10の導体接続部12を第3外壁面21c側から覆い隠す。また、この例示の第2保護体23は、第4外壁面21dに対して間隔を空けて平行状態で対向配置させた矩形の平板状の平板部23aを有している(図1から図6)。この第2保護体23においては、第1外壁面21aよりも突出させた突出部23aを平板部23aが有しており、その突出部23aによって全ての端子金具10の導体接続部12を第4外壁面21d側から覆い隠す。
また、このハウジング本体21において、第5外壁面21eと第6外壁面21fは、平行状態に配置され、かつ、第1外壁面21aと第3外壁面21cと第4外壁面21dに対して各々直交状態で連接させている。ここで示すコネクタ1においては、後述するように、第6外壁面21f側に導電部品ECを引き出させる。
カバー30は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。このカバー30は、ハウジング20に組み付けられることによって、このハウジング20を外方から覆う。具体的に、このカバー30は、嵌合接続部21g及び相手方嵌合接続部521gが嵌合接続完了状態のときに、ハウジング20における相手方嵌合接続部521gからの突出部分を外方から覆い隠すものとして形成される。換言するならば、このカバー30は、カバー内の内部空間から嵌合接続部21gを突出させた状態でハウジング20の残りの部分を外方から覆い隠すものとして形成される。よって、このカバー30は、端子引出領域20c(つまり、端子引出口20bから飛び出ている全ての端子金具10の導体接続部12)を覆っている。
ここで示すカバー30は、交差状態で連接させた第1壁体31と第2壁体32とを有している(図2及び図3)。このカバー30においては、第1壁体31を第1外壁面21aに対して間隔を空けて対向配置させ、かつ、第2壁体32を第5外壁面21eにおける第1外壁面21a側に対して間隔を空けて対向配置させる。更に、ここで示すカバー30は、互いに間隔を空けて対向配置させ、かつ、第1壁体31と第2壁体32に対して各々直交状態で連接させ、かつ、可撓性を持たせた第3壁体33と第4壁体34とを有している(図1から図3及び図8)。その第3壁体33と第4壁体34は、コネクタ挿入方向(又はコネクタ抜去方向)と導電部品ECの引出方向とに対する直交方向で互いに間隔を空けて対向配置させる。そして、この第3壁体33と第4壁体34は、その直交方向における第1壁体31と第2壁体32の両端部に各々直交状態で連接させる。このカバー30においては、ハウジング20との間で組付け完了状態となっているときに、平板状の第3壁体33を第1保護体22の平板部22aに対して外側から平行状態で対向配置させ、かつ、平板状の第4壁体34を第2保護体23の平板部23aに対して外側から平行状態で対向配置させる。
また、ここで示すカバー30は、第1壁体31に対して間隔を空けて対向配置させ、かつ、第2壁体32と第3壁体33と第4壁体34のそれぞれの辺部を周縁部とする第1開口30aと、第2壁体32に対して間隔を空けて対向配置させ、かつ、第1壁体31と第3壁体33と第4壁体34のそれぞれの辺部を周縁部とする第2開口30bと、を有する(図3)。このカバー30においては、その第1開口30aと第2開口30bが直交状態で連接している。
このコネクタ1においては、ハウジング本体21の第1外壁面21aと第1保護体22の突出部22aと第2保護体23の突出部23aとカバー30の第1壁体31及び第2壁体32との間に空間が形成され、その空間の中に全ての端子金具10の導体接続部12が配置される。また、このコネクタ1においては、その空間が第2開口30bの一部を介して外方に連通している。その第2開口30bの一部とは、ハウジング20と第1壁体31との間に形成される隙間のことである(図8)。よって、このコネクタ1においては、その隙間が導電部品ECを第6外壁面21f側から外方へと引き出させる開口(以下、「引出口」という。)30cになる。
カバー30は、コネクタ嵌合方向に沿って第1外壁面21a側からハウジング20に差込接続させる。ハウジング20とカバー30との間には、その接続方向に沿って組付け完了位置まで互いを案内し合うガイド構造60が設けられている(図1から図3)。そのガイド構造60は、ハウジング20とカバー30の内の一方に設けた突起であり、これらの接続方向に対する直交断面が楔形で且つその接続方向に沿って延在させた楔ガイド突起61と、その内の他方に設けた溝であり、挿入されてきた楔ガイド突起61との間で接続方向に沿って案内し合うべく、接続方向に対する直交断面が楔形で且つ接続方向に沿って延在させた楔ガイド溝62と、を備える。
ここで示すコネクタ1においては、このガイド構造60を2箇所に設けている。この2箇所のガイド構造60は、一方の楔ガイド突起61の突出方向と他方の楔ガイド突起61の突出方向とが互いに逆向きになるように設けている。ここで示す楔ガイド突起61は、カバー30の第3壁体33と第4壁体34とに設けている。ここでは、矩形の平板状の第3壁体33と矩形の平板状の第4壁体34のそれぞれの第2開口30b側の辺部に楔ガイド突起61が形成されている。カバー30においては、それぞれの楔ガイド突起61を内方に向けて突出させ、かつ、それぞれの楔ガイド突起61を対向配置させている。また、ここで示す楔ガイド溝62は、ハウジング20の第1保護体22と第2保護体23とに設けている。第1保護体22の楔ガイド溝62は、第6外壁面21f側で平板部22aに隣接配置させている。第2保護体23の楔ガイド溝62は、第6外壁面21f側で平板部23aに隣接配置させている。
また、このハウジング20とカバー30との間には、これらが組付け完了状態のときに互いの接続方向に対する逆向きの動きを係止し合う係止構造(以下、「第1係止構造」という。)71が設けられている(図2及び図3)。その第1係止構造71は、ハウジング20に設けた第1係止体71Aと、カバー30に設けた第2係止体71Bと、を備える。その第1係止体71Aと第2係止体71Bは、ハウジング20とカバー30とが組付け完了状態のときに接続方向に対する逆向きの動きを互いに係止させるよう対向配置させる。
ここで示すコネクタ1においては、この第1係止構造71を第1保護体22と第3壁体33との間及び第2保護体23と第4壁体34との間の2箇所に設けている。ここでは、第1係止体71Aと第2係止体71Bが各々突起として形成されている。第1係止体71Aは、第1保護体22と第2保護体23の外壁面からそれぞれ外方に向けて突出させている。それぞれの第1係止体71Aは、その突出方向が互いに逆向きになるように形成されている。また、第2係止体71Bは、第3壁体33と第4壁体34の内壁面からそれぞれ内方に向けて突出させている。それぞれの第2係止体71Bは、その突出方向が互いに逆向きになるように形成されている。
ここで示す第3壁体33と第4壁体34には、先に示したように可撓性を持たせている。このため、このコネクタ1においては、ハウジング20とカバー30をガイド構造60に沿って差込接続しているときに、対になる第1係止体71Aと第2係止体71Bが互いの傾斜面に力を作用させ合いながら、第3壁体33と第4壁体34を撓ませる。そして、このコネクタ1においては、その第3壁体33と第4壁体34を撓ませながら、対になる第1係止体71Aと第2係止体71Bを互いに乗り越えさせ、第3壁体33と第4壁体34の撓みの解消と共に、第1係止体71Aと第2係止体71Bを接続方向に対する逆向きでの係止が可能な状態に対向配置させる。
また、このハウジング20とカバー30との間には、これらが組付け完了状態のときに互いの接続方向と第3壁体33及び第4壁体34の対向配置方向とに対する直交方向(つまり、導電部品ECの引出方向)の動きを係止し合う係止構造(以下、「第2係止構造」という。)72が設けられている(図1から図3)。その第2係止構造72は、ハウジング20に設けた第1係止体72Aと、カバー30に設けた第2係止体72Bと、を備える。
この例示の第2係止構造72においては、ハウジング本体21の第5外壁面21eにおける第1外壁面21a側に突出状態で第1係止体72Aを設け、この第1係止体72Aを引っ掛ける係止溝としての第2係止体72Bがカバー30の第2壁体32に形成されている。その第1係止体72Aと第2係止体72Bは、ハウジング20とカバー30の接続方向に対する直交断面が略台形で、かつ、その接続方向に沿って延在させた立体形状を成している。この第1係止体72Aと第2係止体72Bは、その直交断面たる略台形の上底が第5外壁面21e側に向くように形成されている。よって、この第1係止体72Aと第2係止体72Bは、ハウジング20とカバー30とが組付け完了状態のときに導電部品ECの引出方向における相対的な動きを係止させる。また、この第1係止体72Aと第2係止体72Bは、ハウジング20とカバー30とを差込接続させる際のガイド構造を兼ねている。ここで示すコネクタ1は、この第2係止構造72を2箇所に設けている。
このコネクタ1においては、先に示したように、ハウジング本体21の嵌合接続部21gを相手方ハウジング520の相手方嵌合接続部521gに嵌合接続させる。ここでは、相手方嵌合接続部521gが角筒状に形成されており、この相手方嵌合接続部521gの内方に嵌合接続部21gを挿入嵌合させる。ハウジング20と相手方ハウジング520との間には、その嵌合接続完了状態を保持させるための保持構造80が設けられる(図1から図6)。ハウジング20は、その保持構造80の構成要素として、嵌合接続完了状態のときに嵌合接続方向とは逆方向で相手方ハウジング520の相手方係止部521h(図7)に係止される係止体81と、力点部82aに対する係止解除力の付与に伴い撓んで相手方係止部521hに対する係止体81の係止可能な状態を解除させる係止解除アーム82と、を備える。
ここでは、係止体81が係止突起として形成され、この係止体81を挿入させた上で係止する貫通孔として相手方係止部521hが形成されている。ここで示す係止体81は、その貫通孔としての相手方係止部521hの周壁に係止される。また、ここで示す係止解除アーム82は、固定端を支点にした弾性変形が可能な片持ち形状を成している。ここでは、その固定端を第5外壁面21eにおける嵌合接続部21g側に設け、その自由端を第5外壁面21eにおける第1外壁面21a側(嵌合接続部21gを除いた部分)に設けている。この係止解除アーム82においては、その自由端が力点部82aとなる。ここでは、その力点部82aが矩形の平板状に形成されている。また、この係止解除アーム82は、ハウジング本体21の第5外壁面21eにおける嵌合接続部21g側に間隔を空けて対向配置された壁面を有している。この係止解除アーム82においては、その壁面とは逆側の壁面で、かつ、固定端と自由端の間に係止体81が突出状態で設けられている。このように形成された係止解除アーム82においては、係止体81と相手方係止部521hとの間の係止可能な状態を解除させる際に、力点部82aに対して第5外壁面21eに向けた係止解除力を付与させる。この保持構造80においては、その係止解除力によって係止解除アーム82が撓み、この係止解除アーム82の撓みに連動して係止体81が第5外壁面21e側に変位させられて、係止体81と相手方係止部521hとの間の係止可能な状態が解除される。
カバー30は、先に示したように第2壁体32を第5外壁面21eにおける第1外壁面21a側に対して間隔を空けて対向配置させるので、その第2壁体32によって、第5外壁面21eの第1外壁面21a側だけでなく、係止解除アーム82の自由端(つまり、力点部82a)についても覆っている。そこで、第2壁体32には、可撓性を持たせた片持ちで、かつ、力点部82aを覆う押動部32aを設けている(図1から図3及び図7)。その押動部32aは、第1壁体31側を固定端とし、第1開口30a側を自由端とする片体状に形成されており、第5外壁面21e側に押し動かされることによって、接触状態にある力点部82aを第5外壁面21e側に押し動かして、係止体81と相手方係止部521hとの間の係止可能な状態を解除させる。
導電部品ECは、組付け完了状態のハウジング20及びカバー30の成す内方の空間に収容され、かつ、端子引出口20bから飛び出ている端子金具10の導体接続部12に対して導電体を電気接続させる収容領域EC1と、組付け完了状態のハウジング20及びカバー30の成す引出口30cから外方に引き出させる引出領域EC2と、を有する(図2、図4から図6及び図9)。ここで示す導電部品ECは、矩形の収容領域EC1と矩形の引出領域EC2とに区分けされている。また、ここで示す導電部品ECとは、先に示したように、導電部材40と補強板50の双方を備えるものである。この導電部品ECにおいては、導電部材40と補強板50とによって収容領域EC1が構成され、導電部材40のみによって引出領域EC2が構成される。
導電部材40は、複数の導電体を備えており、そのそれぞれの導電体によって回路パターンが形成されている。ここで示す導電部材40は、フレキシブルプリント回路基板(所謂FPC)であり、矩形に形成されている。
導電部材40は、組付け完了状態のハウジング20及びカバー30の成す内方の空間に収容され、かつ、端子引出口20bから飛び出ている端子金具10の導体接続部12に対して導電体を電気接続させる導体接続領域40aと、組付け完了状態のハウジング20及びカバー30の成す引出口30cから外方に引き出させる導体引出領域40bと、を有する(図2、図4から図6及び図9)。ここで示す導電部材40は、矩形の導体接続領域40aと矩形の導体引出領域40bとに区分けされている。ここで示す導電部品ECにおいては、積層状態の導電部材40の導体接続領域40aと補強板50の後述する補強板本体51とによって収容領域EC1が構成され、導電部材40の導体引出領域40bによって引出領域EC2が構成される。
導体接続領域40aは、導体接続部12を挿通させる貫通孔であり、その貫通孔の内周面における導電体の電気接続部を導体接続部12に電気接続させるスルーホール41を有している(図4から図6及び図9)。ここで示す導体接続領域40aには、全ての端子金具10の導体接続部12を電気接続させるので、その端子金具10毎に円形のスルーホール41が形成されている。
補強板50は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。ここで示す補強板50は、平板状に形成されている(図6及び図9)。また、ここで示す補強板50は、導体接続領域40aと同じ外郭形状(つまり、導体接続領域40aと同形状の矩形)に形成された補強板本体51を有している(図4から図6及び図9)。導電部品ECの収容領域EC1は、その補強板本体51を導電部材40の導体接続領域40aに積層状態で一体化させることによって構成される。この収容領域EC1においては、その導体接続領域40aと補強板本体51とを接着剤等で貼り付けることによって、この導体接続領域40aと補強板本体51とが積層状態で一体化される。
補強板本体51は、ハウジング本体21の端子引出領域20cと導電部材40の導体接続領域40aとの間に介在させる。よって、この補強板本体51には、スルーホール41と同心の貫通孔(以下、「端子挿通孔」という。)51aがスルーホール41毎に形成されている(図4から図6及び図9)。ここで示す端子挿通孔51aは、スルーホール41と同形状に形成されている。
例えば、ここで示す導電部品ECの収容領域EC1においては、収容室20aに収容されている全ての端子金具10の導体接続部12をスルーホール41と端子挿通孔51aに挿通させることによって、補強板本体51がハウジング本体21の端子引出領域20cに載せ置かれる。このコネクタ1においては、その端子金具10とハウジング20と導電部品EC(導電部材40、補強板50)の設置状態で、対になる導体接続部12とスルーホール41の組み合わせ毎に半田付けを行って、その導体接続部12とスルーホール41を固着させる。このコネクタ1においては、その後、カバー30が組み付けられる。
ところで、このコネクタ1においては、スルーホール41と端子挿通孔51aに導体接続部12を挿し入れながら、端子金具10とハウジング20に対する導電部品ECの設置作業を行っているときに、又は、その設置作業を終えて、導体接続部12とスルーホール41との接続作業が可能な状態になっているときに、その導電部品ECの引出領域EC2(導体引出領域40b)が引出口30cからの引出方向へと作業者に引っ張られてしまう可能性がある。そこで、このコネクタ1においては、その引っ張りに伴う力をハウジング20と導電部品ECとの間で受けさせることによって、端子金具10の導体接続部12と導電部品ECにおけるスルーホール41及び端子挿通孔51aのそれぞれの周縁部との間への力の伝達を抑える。この例示では、その引っ張りに伴う力をハウジング20と補強板50との間で受けさせる。
具体的に、ハウジング20は、導体接続部12の端子引出口20bからの突出方向(以下、「端子突出方向」という。)と引出領域EC2(導体引出領域40b)の引出口30cからの引出方向(以下、「導体引出方向」という。)とに対する直交方向(以下、「幅方向」という。)で端子引出領域20cを間にして1つずつ設け、その端子突出方向を軸方向とする円柱状又は円筒状の係止突起24を有している(図2、図4及び図5)。そして、収容領域EC1における幅方向のそれぞれの側端部90a,90bは、係止突起24を挿通させる係止突起24毎の貫通孔であり、導体引出方向側とは逆側が半円状の半円孔部91aとして形成され、その半円孔部91aの弧状壁面を係止突起24に係止可能な係止孔91を有している(図4及び図9)。更に、スルーホール41は、導体接続部12に対する電気接続前(つまり、半田付け前)で、かつ、係止突起24と半円孔部91aの弧状壁面とが係止状態のときに、自身の内周面における導体引出方向側とは逆側と導体接続部12との間に隙間が設けられるように形成されている。そして、端子挿通孔51aは、導体接続部12とスルーホール41の電気接続前(つまり、半田付け前)で、かつ、係止突起24と半円孔部91aの弧状壁面とが係止状態のときに、自身の内周面における導体引出方向側とは逆側と導体接続部12との間に隙間が設けられるように形成されている。これにより、このコネクタ1においては、導電部品ECの引出領域EC2が引出方向へと作業者に引っ張られたとしても、その引っ張りに伴う力を端子金具10に伝えることなく、係止突起24と収容領域EC1における係止孔91の半円孔部91aの周縁部とで受けることができる。よって、このコネクタ1においては、端子金具10や導電部品ECの品質の低下を抑えることができる。
ここで示す2つの係止孔91は、積層状態の導体接続領域40aと補強板本体51とに形成される。この2つの係止孔91は、その内の一方を円形の貫通孔とし、その内の他方を導体引出方向が長手方向になる長円形の長孔とする(図4及び図9)。円形の係止孔91は、導体接続部12とスルーホール41の位置合わせを行う際の位置決め用の貫通孔としても利用する。一方、長孔としての係止孔91は、孔間や各部品間の公差ばらつきを吸収させるためにも利用する。
ここで、本実施形態の導電部品ECは、それぞれの側端部90a,90b毎に、その側端部90a,90bにおける側端面90a,90b上で半円孔部91aとの距離が最短になる最短位置Psから収容領域EC1の平面と同一平面上で幅方向に突出させた片体92を有している(図4及び図9)。そして、この導電部品ECにおいて、収容領域EC1の側端面90a,90bと片体92の周端面92aとが成す導体引出方向側の第1隅部93は、最短位置Psよりも導体引出方向側に配置される。更に、この導電部品ECにおいて、収容領域EC1の側端面90a,90bと片体92の周端面92aとが成す導体引出方向側とは逆側の第2隅部94は、最短位置Psよりも導体引出方向側とは逆側で、半円孔部91aとの最短距離が半円孔部91aと収容領域EC1及び片体92の成す外郭端面(収容領域EC1の側端面90a,90b及び片体92の周端面92a)との間の最短距離よりも短くなるものとして形成される。
具体的に、この例示では、片体92を補強板50に設けている。この例示の補強板50は、補強板本体51における幅方向のそれぞれの側端部の側端面51bに設けた片体52を有している(図4及び図9)。導電部品ECのそれぞれの側端部90a,90bの側端面90a,90bには、補強板本体51のそれぞれの側端部の側端面51bが含まれている。従って、この例示の補強板50は、換言するならば、収容領域EC1のそれぞれの側端部90a,90bにおける補強板本体51の側端面51bに設けた片体52を有している。それぞれの片体52は、その側端面51b上の最短位置Psから補強板本体51の平面と同一平面上で幅方向に突出させている。この補強板50においては、そのそれぞれの片体52を導電部品ECの片体92として利用する。そして、第1隅部93と第2隅部94は、補強板50における補強板本体51のそれぞれの側端面51bと補強板50における片体52の周端面52aとの間に設ける。よって、第1隅部93は、補強板本体51の側端面51bと片体52の周端面52aとが成す導体引出方向側の隅部であり、最短位置Psよりも導体引出方向側に配置される。また、第2隅部94は、補強板本体51の側端面51bと片体52の周端面52aとが成す導体引出方向側とは逆側の隅部であり、最短位置Psよりも導体引出方向側とは逆側で、半円孔部91aとの最短距離が半円孔部91aと補強板50の周端面(補強板本体51の側端面51b及び片体52の周端面52a)との間の最短距離よりも短くなるものとして形成される。
このような構成により、本実施形態のコネクタ1においては、製造工程での引っ張りに伴う力が基準引張力以上になったときに、半円孔部91aから当該半円孔部91aとの距離が最も短い第2隅部94に向けて導電部品ECの収容領域EC1(導体接続領域40aと補強板本体51)に亀裂が入る。つまり、導電部品EC(導電部材40と補強板50)は、引出領域EC2(導体引出領域40b)に対して導体引出方向に基準引張力より小さい力が加えられて、係止突起24と半円孔部91aの弧状壁面とが係止状態になったときに、その係止状態を維持させる一方、引出領域EC2に対して導体引出方向に基準引張力以上の力が加えられて、係止突起24と半円孔部91aの弧状壁面とが係止状態になったときに、その半円孔部91aから第2隅部94に向けて亀裂を生じさせるものとして形成されている。
例えば、従来のコネクタのように導電部品に片体92が設けられていない場合、引出領域に対して導体引出方向に過大な力が加えられたときには、係止孔から当該係止孔との距離が最も短い導電部品の側端面の最短位置Psに向けて又は当該側端面における最短位置Psの周辺に向けて亀裂が入る。このため、従来のコネクタにおいては、その亀裂が短いので、そして、その亀裂の方向が定まらないので、その亀裂を製造工程で見つけることが難しい。しかしながら、本実施形態のコネクタ1においては、従来よりも亀裂が長く、かつ、その亀裂の方向が特定されているので、その亀裂を製造工程で容易に見つけることができる。従って、本実施形態のコネクタ1は、製造工程での簡便な品質管理が可能なものとなっている。
例えば、第2隅部94は、半円孔部91a及び最短位置Psを最短距離で繋ぐ第1仮想線と半円孔部91a及び第2隅部94を最短距離で繋ぐ第2仮想線とが成す角度が45度よりも大きくなる場所に配置すればよい。これにより、このコネクタ1においては、半円孔部91aから第2隅部94に向かう亀裂を従来よりも確実に長くして、かつ、その亀裂の向きを特定することができる。
更に、本実施形態のコネクタ1においては、係止孔91と収容領域EC1及び片体92の成す外郭端面(補強板50の周端面)との間の最短距離が従来よりも長くなっているので、従来よりも大きな引張力を引出領域EC2(導体引出領域40b)に掛けたとしても、その引張力が基準引張力に達するまで、収容領域EC1に亀裂が入り難くなっている。つまり、本実施形態のコネクタ1は、従来よりも収容領域EC1の強度を高めることができるので、この点からも導電部品ECの品質の低下を抑えることができる。
更に、本実施形態のコネクタ1においては、上述した片体52と第1隅部93と第2隅部94とを有するものとして補強板50を成形すればよいので、導電部材40に汎用性を持たせることができ、また、導電部材40に従来のものを流用することもできる。
ここで、導電部材40は、導体接続領域40aにおける幅方向のそれぞれの側端部の側端面(つまり、導電部品ECのそれぞれの側端部90a,90bにおける導体接続領域40aの側端面)に、補強板50の片体52と同形状で当該片体52に積層させた片体状の片部領域を有していてもよい(図示略)。その片部領域とは、導体接続領域40aの側端面上の最短位置Psから導体接続領域40aの平面と同一平面上で幅方向に突出させた片体のことである。つまり、コネクタ1においては、その導電部材40の片体と補強板50の片体52との積層体を導電部品ECの片体92として利用してもよい。この場合、第1隅部93は、導電部材40における導体接続領域40aの側端面と導電部材40における片体の周端面とが成す導体引出方向側の隅部と、補強板本体51の側端面51bと片体52の周端面52aとが成す導体引出方向側の隅部と、によって形成され、最短位置Psよりも導体引出方向側に配置される。また、第2隅部94は、導電部材40における導体接続領域40aの側端面と導電部材40における片体の周端面とが成す導体引出方向側とは逆側の隅部と、補強板本体51の側端面51bと片体52の周端面52aとが成す導体引出方向側とは逆側の隅部と、によって形成され、かつ、最短位置Psよりも導体引出方向側とは逆側で、半円孔部91aとの最短距離が半円孔部91aと収容領域EC1及び片体92の成す外郭端面(導電部材40の周端面(導体接続領域40aの側端面及び導電部材40の片体の周端面)、補強板50の周端面)との間の最短距離よりも短くなるものとして形成される。
また、導電部品ECが導電部材40だけで構成される場合には、収容領域EC1が導体接続領域40aで構成され、その導体接続領域40aに係止孔91が形成される(図示略)。この場合の導電部材40は、上述した片部領域(片体)を導体接続領域40aのそれぞれの側端面に有している。そして、第1隅部93と第2隅部94は、導電部材40における導体接続領域40aのそれぞれの側端面と導電部材40における片体の周端面との間に設ける。つまり、第1隅部93は、導電部材40における導体接続領域40aの側端面と導電部材40における片体の周端面とが成す導体引出方向側の隅部によって形成され、最短位置Psよりも導体引出方向側に配置される。また、第2隅部94は、導電部材40における導体接続領域40aの側端面と導電部材40における片体の周端面とが成す導体引出方向側とは逆側の隅部によって形成され、かつ、最短位置Psよりも導体引出方向側とは逆側で、半円孔部91aとの最短距離が半円孔部91aと収容領域EC1及び片体92の成す外郭端面(導電部材40の周端面)との間の最短距離よりも短くなるものとして形成される。
ところで、上記の例示では、収容領域EC1の適切な位置に突出状態の片体92を設けることで、製造工程での簡便な品質管理を可能にしている。しかしながら、このコネクタ1は、そのような片体92を設けずとも、収容領域EC1を次のように構成することによって、先の例示と同じように製造工程での簡便な品質管理が可能になる。
具体的には、収容領域EC1のそれぞれの側端部90a,90bに、半円孔部91aよりも導体引出方向側とは逆側で側端部90a,90bの側端面90a,90bから切り欠いた切欠き部95を設ける(図10)。その切欠き部95については、複数の隅部の内、半円孔部91aとの距離が最短になる最短隅部95aを有するものとして形成する。そして、その最短隅部95aについては、半円孔部91aとの最短距離が半円孔部91aと収容領域EC1の周端面(それぞれの側端部90a,90bの側端面90a,90bを含む収容領域EC1の周縁の端面)との間の最短距離よりも短くなるものとして形成する。例えば、この例示では、矩形の切欠き部95を形成している。この例示では、導電部品ECが導電部材40と補強板50とを備えているので、導体接続領域40aと補強板本体51に切欠き部95が形成される。但し、導電部品ECが導電部材40だけで構成されている場合には、導体接続領域40aに切欠き部95が形成される。
これにより、このコネクタ1においては、製造工程での引出領域EC2(導体引出領域40b)の引っ張りに伴う力が基準引張力以上になったときに、半円孔部91aから当該半円孔部91aとの距離が最も短い最短隅部95aに向けて引出領域EC2に亀裂が入る。つまり、導電部品ECは、引出領域EC2(導体引出領域40b)に対して導体引出方向に基準引張力より小さい力が加えられて、係止突起24と半円孔部91aの弧状壁面とが係止状態になったときに、その係止状態を維持させる一方、引出領域EC2(導体引出領域40b)に対して導体引出方向に基準引張力以上の力が加えられて、係止突起24と半円孔部91aの弧状壁面とが係止状態になったときに、その半円孔部91aから最短隅部95aに向けて亀裂を生じさせるものとして形成されている。従って、このコネクタ1においては、亀裂の方向が特定されるので、その亀裂を製造工程で容易に見つけることができる。従って、このコネクタ1は、製造工程での簡便な品質管理が可能なものとなっている。
1 コネクタ
10 端子金具
11 端子部
12 導体接続部
20 ハウジング
20a 収容室
20b 端子引出口
20c 端子引出領域
24 係止突起
30 カバー
30c 引出口(開口)
40 導電部材(フレキシブルプリント回路基板)
40a 導体接続領域
40b 導体引出領域
41 スルーホール
50 補強板
51 補強板本体
51a 端子挿通孔
51b 側端面
52 片体
52a 周端面
90a,90b 側端部
90a,90b 側端面
91 係止孔
91a 半円孔部
92 片体
92a 周端面
93 第1隅部
94 第2隅部
EC 導電部品
EC1 収容領域
EC2 引出領域
Ps 最短位置

Claims (6)

  1. 端子部及び導体接続部を有する端子金具と、
    前記端子部を内方の収容室に収容させ、かつ、前記導体接続部を前記収容室の端子引出口から外方に突出させるハウジングと、
    前記ハウジングに組み付けられて、前記ハウジングを外方から覆うカバーと、
    可撓性を持たせた導電体及び絶縁体による平らな積層体を備え、組付け完了状態の前記ハウジング及び前記カバーの成す内方の空間に収容され、かつ、前記導体接続部に対して前記導電体を電気接続させる収容領域、並びに、組付け完了状態の前記ハウジング及び前記カバーの成す開口から外方に引き出させる引出領域を有する導電部品と、
    を備え、
    前記ハウジングは、前記端子引出口が設けられた端子引出領域と、前記導体接続部の前記端子引出口からの突出方向と前記引出領域の前記開口からの引出方向とに対する直交方向で前記端子引出領域を間にして1つずつ設け、前記突出方向を軸方向とする円柱状又は円筒状の係止突起と、を有し、
    前記収容領域における前記直交方向のそれぞれの側端部は、前記係止突起を挿通させる前記係止突起毎の貫通孔であり、前記引出方向側とは逆側が半円状の半円孔部として形成され、前記半円孔部の弧状壁面を前記係止突起に係止可能な係止孔を有し、
    前記導電部品は、前記収容領域におけるそれぞれの前記側端部毎に、その側端部における側端面上で前記半円孔部との距離が最短になる最短位置から前記収容領域の平面と同一平面上で前記直交方向に突出させた片体を有し、
    前記収容領域の前記側端面と前記片体の周端面とが成す前記引出方向側の第1隅部は、前記最短位置よりも前記引出方向側に配置され、
    前記収容領域の前記側端面と前記片体の前記周端面とが成す前記引出方向側とは逆側の第2隅部は、前記最短位置よりも前記引出方向側とは逆側で、前記半円孔部との最短距離が前記半円孔部と前記収容領域及び前記片体の成す外郭端面との間の最短距離よりも短くなるものとして形成されることを特徴としたコネクタ。
  2. 前記導電部品は、前記引出領域に対して前記引出方向に基準引張力より小さい力が加えられて、前記係止突起と前記半円孔部の前記弧状壁面とが係止状態になったときに、その係止状態を維持させる一方、前記引出領域に対して前記引出方向に前記基準引張力以上の力が加えられて、前記係止突起と前記半円孔部の前記弧状壁面とが係止状態になったときに、前記半円孔部から前記第2隅部に向けて亀裂を生じさせるものとして形成されることを特徴とした請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記導電部品は、前記積層体としてのフレキシブルプリント回路基板であり、
    前記フレキシブルプリント回路基板は、組付け完了状態の前記ハウジング及び前記カバーの成す内方の空間に収容され、かつ、前記導体接続部に対して前記導電体を電気接続させる導体接続領域と、組付け完了状態の前記ハウジング及び前記カバーの成す開口から外方に引き出させる導体引出領域と、前記導体接続領域における前記直交方向のそれぞれの側端部の側端面に設け、その側端面上の前記最短位置から前記導体接続領域の平面と同一平面上で幅方向に突出させた前記片体と、を有し、
    前記収容領域は、前記導体接続領域で構成され、
    前記引出領域は、前記導体引出領域で構成され、
    前記係止孔は、前記導体接続領域に形成され、
    前記第1隅部と前記第2隅部は、前記フレキシブルプリント回路基板における前記導体接続領域のそれぞれの前記側端面と前記フレキシブルプリント回路基板における前記片体の周端面との間に設けることを特徴とした請求項1又は2に記載のコネクタ。
  4. 前記導体接続領域は、前記導体接続部を挿通させる貫通孔であり、その貫通孔の内周面における前記導電体の電気接続部を前記導体接続部に電気接続させるスルーホールを有し、
    前記スルーホールは、前記導体接続部に対する電気接続前で、かつ、前記係止突起と前記半円孔部の前記弧状壁面とが係止状態のときに、自身の前記内周面における前記引出方向側とは逆側と前記導体接続部との間に隙間が設けられるように形成することを特徴とした請求項3に記載のコネクタ。
  5. 前記導電部品は、前記積層体としてのフレキシブルプリント回路基板と、絶縁性材料で平板状に形成された補強板と、を備え、
    前記フレキシブルプリント回路基板は、組付け完了状態の前記ハウジング及び前記カバーの成す内方の空間に収容され、かつ、前記導体接続部に対して前記導電体を電気接続させる導体接続領域と、組付け完了状態の前記ハウジング及び前記カバーの成す開口から外方に引き出させる導体引出領域と、を有し、
    前記補強板は、前記導体接続領域と同じ外郭形状に形成され、かつ、前記導体接続領域に積層状態で一体化された補強板本体と、前記補強板本体における前記直交方向のそれぞれの側端部の側端面に設け、その側端面上の前記最短位置から前記補強板本体の平面と同一平面上で幅方向に突出させた前記片体と、を有し、
    前記収容領域は、積層状態の前記導体接続領域と前記補強板本体とで構成され、
    前記引出領域は、前記導体引出領域で構成され、
    前記係止孔は、積層状態の前記導体接続領域と前記補強板本体とに形成され、
    前記第1隅部と前記第2隅部は、前記補強板における前記補強板本体のそれぞれの前記側端面と前記補強板における前記片体の周端面との間に設けることを特徴とした請求項1又は2に記載のコネクタ。
  6. 前記導体接続領域は、前記導体接続部を挿通させる貫通孔であり、その貫通孔の内周面における前記導電体の電気接続部を前記導体接続部に電気接続させるスルーホールを有し、
    前記補強板本体は、前記スルーホールと同心の端子挿通孔を有し、
    前記スルーホールは、前記導体接続部に対する電気接続前で、かつ、前記係止突起と前記半円孔部の前記弧状壁面とが係止状態のときに、自身の前記内周面における前記引出方向側とは逆側と前記導体接続部との間に隙間が設けられるように形成し、
    前記端子挿通孔は、前記導体接続部と前記スルーホールの電気接続前で、かつ、前記係止突起と前記半円孔部の前記弧状壁面とが係止状態のときに、自身の前記内周面における前記引出方向側とは逆側と前記導体接続部との間に隙間が設けられるように形成することを特徴とした請求項5に記載のコネクタ。
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