JP7389711B2 - 農業用延伸フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、農業用延伸フィルムに関するものである。更に詳しくは、透明性、柔軟性に優れ、且つ、フィルム同士が重なった際に付着し合うことが少なく、作業性が良好である農業用延伸フィルムに関するものである。
従来より、有用作物を栽培している農家では、作物の促進栽培を目的として、温室(農業用ハウス)やトンネル等に透明なフィルム資材を展張し、その中で作物を栽培する方法が、広く採用されている。
従来こうした農業用フィルムとしては、塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリエチレン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム、フッ素系樹脂フィルムなどの、軟質、硬質の透明なフィルムが使用されている。かかるフィルムは作物への影響を考えて透明であることが要求されており、更に近年では3年以上といった、長期間の展張使用が可能なフィルムの開発も盛んである。
しかしながら、こうした樹脂フィルムは軟らかくて弾力性があるため、どのような形状のハウスにも無理なく展張ができるという反面、フィルム同士が重なった際に付着し合うという性質(べたつき性などと言う)が発生するという欠点がある。この欠点は、ハウス或いはトンネル内の温度調整をするために、フィルムの換気作業(ハウス側面のフィルムを巻物状に巻き上げ及び巻き下げをする操作、或いはトンネルのフィルムをたくし上げ及びたくし下げをする操作)をする時、大変な手間がかかる。特に、降雨や湿度等でフィルムが濡れた状態で重なった際には付着の程度が強く、大きな問題となることがある。
このような欠点を解決するため、特許文献1では、特定のアミド化合物と特定の無機質微粉末とを添加する方法が提案されているが、外側面のフィルム汚れが著しく、換気作業性が十分満足できるものではなかった。更に、無機微粉末の添加により透明性が損なわれてしまうという欠点もあった。
また、特許文献2では、特定の不活性固体微粒子を添加し、フィルムの片面にアクリル系樹脂の皮膜を形成した農業用軟質塩化ビニル系樹脂フィルムが提案されている。また、特許文献3では、厚さ0.20mm以上の塩化ビニル系樹脂フィルムの少なくとも片面にアクリル樹脂などの合成樹脂層を形成した農業用サイド被覆材が提案されている。
しかしながら、アクリル皮膜の効果により、フィルムの汚れは降雨などで容易に洗い流されるため改善されるものの、毎日の換気作業によって、アクリル皮膜がフィルムとの界面から剥がれ、その部分に埃が溜まり汚れが目立つ欠点があった。
特開昭58-69240号公報 特開昭62-178341号公報 特開平8-205689号公報
本発明は、高い透明性を維持しつつ、換気作業時の作業性が良い農業用延伸フィルムを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、マトリックスの屈折率に近い屈折率を持つ透明微粒子をフィルムに混合し、更に延伸を加えることで、透明性を維持しつつ作業性を大幅に高められる事を発見した。
即ち、本発明は、
[1]透明微粒子及び基材樹脂を含む農業用延伸フィルムであって、前記透明微粒子の屈折率と、前記基材樹脂との屈折率差が0.02以下であり、波長555nmにおける直光線透過率が80%以上であり、且つJIS K-6732 附属書 べた付き性試験方法 に準ずる方法における剥離力が、30gf/3cm未満であることを特徴とする、該農業用延伸フィルム。
[2]前記透明微粒子の屈折率と、前記基材樹脂との屈折率差が0.01以下である、[1]に記載の農業用延伸フィルム。
[3]基材樹脂を構成する熱可塑性樹脂100重量部に対して、透明微粒子を0.2重量部~1.0重量部含み、前記透明微粒子の平均粒径が200nm以上30μm以下である、[1]又は[2]に記載の農業用延伸フィルム。
[4]前記透明微粒子が、アクリル樹脂を主成分とする有機系微粒子である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の農業用延伸フィルム。
[5]前記基材樹脂を構成する熱可塑性樹脂が塩化ビニル系樹脂である、[1]~[4]のいずれか1項に記載の農業用延伸フィルム。
[6]前記農業用延伸フィルムの長手方向と幅方向の積算延伸倍率が3.0倍以上10倍以下であることを特徴とする、[1]~[5]のいずれか1項に記載の該農業用延伸フィルムの製造方法。
に関する。
本発明の農業用延伸フィルムを用いれば、従来問題となっていた作業性と透明性の両立が可能となる。このため、作物の生育状態をフィルムの外側からより目視しやすくなり、或いは換気作業時の農作業者の負担を軽減する事が可能となる。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はかかる態様に限定されるわけではない。
本発明における農業用延伸フィルムは、農業用ハウス(温室)やトンネルに展張被覆し使用するいわゆる外張り用農業用フィルム、及び、ハウスやトンネル内に更に展張する内張り用農業用フィルムの何れに適用してもよい。
本発明の農業用フィルムとは、熱可塑性樹脂に添加剤を配合した基材樹脂からなるフィルムであるが、本発明の農業用フィルムは単層であっても多層であってもよい。
本発明においては、マトリックスとなる基材樹脂と屈折率の非常に近い透明微粒子を含有させることが重要であり、これにより、農業用フィルムとして透明でありながら、作業性を向上させることが可能になる。
本発明における透明微粒子としては、後述する基材樹脂と屈折率が近しくあれば特に限定はしないが、例えば、シリカゾル及び/又はアルミナゾル等の無機系微粒子、或いは、ポリメチルメタクリレ-ト、ポリスチレン、ナイロン12、シリコーン、またはそれらの共重合体等の有機系微粒子を挙げることが出来る。
これらの中でも好ましく用いられるのは後者の有機系微粒子である。有機系微粒子はフィルム製造時には温度により軟化するため製造機器を傷つけにくく、且つ使用時には硬質であるため作業性の向上との両立が可能であるためである。
また、有機系微粒子として、アクリル樹脂を主成分とする有機系微粒子が、透明性や熱的性質が適しており、屈折率調整が容易であるため特に好ましい。ここで、アクリル樹脂を主成分とするとは、有機系微粒子の主骨格がアクリル樹脂からなる微粒子で構成されていることであり、熱可塑性樹脂との屈折率を合わせるために任意の樹脂との共重合体を形成していても良い。
アクリル樹脂を主成分とする有機系微粒子としては、熱可塑性樹脂の成形温度で溶融せず形状を保ち、且つ、屈折率を熱可塑性樹脂の屈折率と合わせることができるものであれば特に限定はしないが、好ましくはアクリル酸共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸共重合体、酢酸ビニル共重合体などである。
透明微粒子としては、その一次平均粒子径が200μm~30μmの範囲、好ましくは1μm~20μmの範囲から選ぶのが好ましく、また、この範囲であれば、平均粒子径の異なる2種以上の透明微粒子を組み合わせて用いてもよい。平均粒子径が大きすぎると、使用時の粒子の脱離が発生しやすく、また粒子と樹脂との界面から破損しやすくなる可能性があり、また、平均粒子径が小さすぎると、粒子が表出しにくくなり十分な作業性を得ることが出来ない為好ましくない。
透明微粒子としては、基材樹脂との屈折率差が0.02以下の範囲、好ましくは0.01以下であることが好ましい。屈折率差がかかる範囲以上である場合、十分な透明性を得ることが出来ない為好ましくない。
農業用延伸フィルム中の透明微粒子の含有量は、基材樹脂を構成する熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.2重量部~1.0重量部、好ましくは0.3重量部~0.8重量部である。透明微粒子の含有量が1.0重量部以下であると、粒子と基材樹脂との界面から破損しにくくなり、また、フィルムが脆弱になることがない。また、透明微粒子の含有量が0.2重量部以上であると、粒子が表出しやすくなり十分な作業性を得ることが出来るため好ましい。
また本発明においては、フィルムが延伸されていることが同様に重要である。透明微粒子を含んだフィルムを延伸させると、マトリックスとなる樹脂は平面方向の面積が増大する反面で厚みが薄くなるが、内包する透明微粒子は変形しないため、フィルム表面に露出しやすくなる。これにより作業性が大幅に向上する効果がある。
延伸加工方法としては、フィルムの延伸が可能であれば如何なる方法でもよい。即ち、(1)フィルムを製膜する工程の後に、連続的に延伸加工をする方法、フィルムを製膜した後にフィルムを巻き取り、巻き取ったフィルムを別工程で延伸加工する方法、の何れも用いることができる。より具体的には、例えば、溶融キャスティング法であるTダイ溶融押出し工程に連なる工程として延伸加工を実施する方法、カレンダーロールによる成膜工程に連なる工程として延伸加工を実施する方法、巻き取った後で延伸装置により延伸加工する方法、溶液キャスティング法に連なる工程として延伸加工を実施する方法、溶液キャスティングし、乾燥し巻き取った後で延伸装置により延伸加工する方法などが挙げられる。
具体的なフィルムの延伸加工方法としては、一軸以上に延伸加工する方法を挙げることができる。一軸延伸方法としては、例えば、自由幅一軸延伸、テンターにより延伸する方法、カレンダーにより圧延して延伸する方法、ロール間で延伸する方法などが挙げられる。また、二軸延伸方法としては、例えば、テンターにより延伸する方法、チューブ状に膨らませて延伸する方法などが挙げられる。また、これらには、一軸および/または二軸延伸を可能とする実験用の小型延伸装置を用いることもできる。
延伸倍率としては、長手方向と幅方向の積算延伸倍率が2.0倍以上10.0倍以下、好ましくは3.0倍以上8倍以下であることが望ましい。延伸倍率が2.0倍以上であれば、粒子の表面露出が期待できる。一方で10.0倍以上であると、粒子と樹脂の界面が剥離してボイドとなり、フィルム強度が低下する。
なお、ここで言う積算延伸倍率とは、フィルム製膜工程時に溶融状態からフィルム形状となった直後のフィルム厚みと、延伸工程等を経て巻き取られたあとのフィルム厚み(一度巻き取った後に延伸加工を施す場合は延伸加工後のフィルム厚み)の比で定義される。ここで、製膜工程には、溶融キャスティング法であるTダイ溶融押出し工程、カレンダーロールによる成膜工程、溶液キャスティング法による製膜工程、インフレーション法による製膜工程等、農業用フィルムの製造に通常使用される製膜方法が含まれる。
具体的には、延伸倍率は、用いる延伸加工方法に応じて以下のように決定することができる。
[1]フィルム成膜工程に連なる工程で延伸する場合
樹脂が溶融状態で成型機内、或いはカレンダーロールのバンクとして流動状態で存在している工程からフィルム形状になった直後の状態を延伸前とし、フィルムを巻き取り後に冷却された後の状態を延伸後とした場合において、延伸前と延伸後のフィルムの厚み比率。
[2]乾燥し巻き取った後で延伸装置により延伸加工する方法の場合
フィルム製膜工程時に溶融状態からフィルム形状となった直後のフィルム厚みと、延伸加工後に巻き取った後のフィルムの厚みの比率。
本発明において、基材樹脂とは熱可塑性樹脂に添加剤を配合した樹脂組成物(「基材樹脂組成物」とも言う。)を言う。
本発明の基材樹脂を構成する熱可塑性樹脂としては、通常農業用フィルムに用いられる、塩化ビニル系樹脂や、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂が挙げられるが、特に本発明においては、塩化ビニル系樹脂を用いることが好ましい。これは、塩化ビニル系樹脂が透明性、柔軟性に優れる一方で、フィルム同士が重なった際に付着しやすい性質を持つためである。
塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩化ビニルのほか、塩化ビニルが主成分を占める共重合体をいう。塩化ビニルと共重合し得る単量体化合物としては、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等が挙げられる。これら塩化ビニル系樹脂は、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の従来公知の製造法のうち、いずれの方法によって製造されたものであってもよい。
熱可塑性樹脂には、農業用フィルムとして知られている公知の可塑剤、滑剤、熱安定剤、有機リン酸エステル又は金属塩、帯電防止剤、防曇剤、防霧剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、安定剤、酸化防止剤、無機フィラー、粘着防止剤、保温剤、防カビ剤、防藻剤等を配合することができる。
可塑剤としては、例えば、ジーn-オクチルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルフタレート、ジベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸誘導体;ジオクチルフタレート等のイソフタル酸誘導体;ジーn-ブチルアジペート、ジオクチルアジペート等のアジピン酸誘導体;ジ-n-ブチルマレート等のマレイン酸誘導体;トリーnーブチルシトレート等のクエン酸誘導体;モノブチルイタコネート等のイタコン酸誘導体;ブチルオレエート等のオレイン酸誘導体;グリセリンモノリシノレート等のリシノール酸誘導体;その他、エポキシ化大豆油、エポキシ樹脂系可塑剤等があげられる。また、樹脂フィルムに柔軟性を付与するために、上述の可塑剤に限られるものでなく、例えば熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル等を使用することもできる。
滑剤ないし熱安定剤としては、一般的に農業用フィルムに使用される、脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、エステル系滑剤、ポリエチレンワックス、流動パラフィン、有機ホスファイト化合物の如きキレーター、フェノール類、βージケトン化合物等があげられる。
有機リン酸エステルとしては、トリイソプロピルフェニルホスフェート、イソデシルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート等があげられるが、中でもトリクレジルホスフェート、およびトリキシレニルホスフェートが特に好ましい。
帯電防止剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等があげられる。
防曇剤としては、非イオン系界面活性剤があげられ、具体的には、ソルビタン系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等の界面活性剤およびアルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物等があげられる。
防霧剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などがあげられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾエート系、サリチル酸系、シアノアクリレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系(トリアリールトリアジン系)等の紫外線吸収剤が挙げられる。中でもベンゾフェノン系紫外線吸収剤又はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用することが望ましい。これらの紫外線吸収剤は1種あるいは2種以上併用してもよく、その使用量は、熱可塑性樹脂100重量部当り0.01~5重量部、好ましくは0.05~2重量部である。
光安定剤としては、4-シクロヘキシノイルオキシ-2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(o-クロロベンゾイルオキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン等などのヒンダードアミン系化合物があげられる。
酸化防止剤としては、例えばフェノール系、チオジプロピオン酸エステル、脂肪族サルフャイドおよびジサルファイド系の酸化防止剤があげられ、具体的には、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオネート等をあげることができる。
無機フィラーとしては、例えばカルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の酸化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩等およびその複合物があげられる。
保温剤としては特に4000nm~25000nmの遠赤外線領域の光線を吸収する無機化合物粒子が挙げられ、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、燐酸リチウム、燐酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸マグネシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、アルミノ珪酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、ゼオライト、ハイドロタルサイト類化合物、リチウム・アルミニウム複合水酸化物、アルミニウム・リチウム・マグネシウム複合炭酸塩化合物、アルミニウム・リチウム・マグネシウム複合珪酸塩水酸化化合物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合水酸化物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合硫酸塩化合物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合炭酸塩化合物、複数種アニオンを含有する金属複合水酸化物塩等が挙げられる。
粘着防止剤としては、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスラウリルアミド、N,N’-ジオレイルアジプアミド、N,N’-ジステアリルアジプアミドから選ばれる少なくとも1種以上の混合物があげられる。
滑剤ないし熱安定剤としては、一般的に農業用フィルムに使用される、脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、エステル系滑剤、ポリエチレンワックス、流動パラフィン、有機ホスファイト化合物の如きキレーター、フェノール類、β-ジケトン化合物等があげられる。βジケトン化合物としては、ジベンゾイルメタン、メトキシベンゾイル・ベンゾイルメタン、クロルベンゾイル・ベンゾイルメタン、パルミチルベンゾイルメタン等が好適である。
本発明の農業用延伸フィルムにおいては、各種添加剤を配合するには、各々必要量秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、単軸又は二軸押出機、ロールなどの配合機や混練機その他従来から知られている配合機、混合機を使用すればよい。このようにして得られた樹脂組成物をフィルム化するには、それ自体公知の方法、例えば、溶融押出し成形法(Tダイ法、インフレーション法を含む)、カレンダー加工、ロール加工、押出成型加工、ブロー成型、インフレーション成型、溶融流延法、加圧成型加工、ペースト加工、粉体成型等の方法を好適に使用することができる。
本発明の農業用延伸フィルムの厚みについては、強度やコストの点で0.01~1mmの範囲のものが好ましく、0.05~0.5mmのものがより好ましく、更に好ましくは0.05~0.2mmである。この範囲未満では強度的に問題があり、この範囲を超えると成形が困難なうえ、展張作業性に問題がある。
本発明の農業用延伸フィルムには、更にハウス展張時内側に防曇性塗膜を塗布したものを用いてもよい。また、農業用延伸フィルムをハウスに被覆した際に外側になる面に防塵性塗膜を形成してもよい。
防曇性塗膜としては、無機質コロイドゾル及び/又は熱可塑性樹脂等のバインダー樹脂を主成分とする組成物等が挙げられる。好ましくは無機コロイド物質と親水性有機化合物を主成分とした防曇性塗膜や無機コロイド物質とアクリル系樹脂を主成分とする防曇性塗膜を用いることができる。またバインダー樹脂は添加しなくてもよく、コロイダルシリカやコロイダルアルミナ等の無機物を積層してもよい。本発明に形成することができる防曇性塗膜については、例えば、特開2008-067645号公報等に記載されている。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例に限定されるものではない。
[実施例1~7、比較例1~4]
(1)塩化ビニル系樹脂フィルムの製造
ポリ塩化ビニル(重合度=1300) 100重量部
ジ-2-エチルヘキシルフタレート 45重量部
トリクレジルホスフェート 5重量部
エポキシ樹脂(商品名「EP-828」) 1.5重量部
Ba-Zn系液状安定剤 1重量部
ステアリン酸バリウム 0.2重量部
ステアリン酸亜鉛 0.4重量部
ソルビタンモノパルミテート 1.5重量部
βジケトン化合物(ジベンゾイルメタン) 0.1重量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.04重量部
(商品名「TINUVIN-P」)
フッ素系界面活性剤(商品名「ユニダインDS-401」) 0.2重量部

以上あげた樹脂原料、樹脂添加物を秤量し、更にこれに、表1に示す特性の粒子を所定量配合した。これらをスーパーミキサーで10分間撹拌混合したのち、165℃に加温したロール上で混練し、L型カレンダー装置、及びそれに連なるテンター延伸装置によって、厚さ0.075mm、及び厚さ0.050mmの透明な塩化ビニル系樹脂フィルムを製造した。なお、比較例1に示す粒子を添加しない状態での基材樹脂の屈折率は1.53である。また、表1における微粒子の添加量は、塩化ビニル系樹脂フィルム全体の重量を100重量部とした添加量(重量部)である。
(2)フィルムの評価
以下の方法においてフィルムの性能を評価し、その結果を第1表に示した。
(i)光学特性
実施例、比較例で作成したフィルムを、(株)島津製作所 分光光度計 『UV-2450』により555nm直光線透過率を測定した。
この評価基準は、次のとおりである。
直進光線透過率
◎…直光線透過率が、85.0%以上のもの。
○…直光線透過率が、80.0%以上、85.0%未満のもの。
×…直光線透過率が、80.0%未満のもの。
(ii)作業性
引張り特性:実施例、比較例で得られたフィルムを、JIS K-6732 附属書 べた付き性試験方法 に準ずる方法にて評価を行った。なお、資料片は幅3cm、ロードセル容量は1kg、試験速度(剥離速度)は毎分100mmとし、チャートスピードは毎分50mmとした。
この評価基準は、次のとおりである。
作業性
◎…剥離力が、20gf/3cm未満のもの。
○…剥離力が、20gf/3cm以上 30gf/3cm未満のもの。
×…剥離力が、30gf/3cm以上のもの。
実施例及び比較例の結果から、本発明における農業用延伸フィルムは高い透明性を維持しつつ、換気作業時の作業性が良いと言える。


Claims (6)

  1. 透明微粒子及び基材樹脂を含む農業用延伸フィルムであって、前記透明微粒子の屈折率と、前記基材樹脂との屈折率差が0.02以下であり、波長555nmにおける直光線透過率が80%以上であり、且つJIS K-6732 附属書 べた付き性試験方法 に準ずる方法における剥離力が、30gf/3cm未満であり、
    基材樹脂を構成する熱可塑性樹脂100重量部に対して、透明微粒子を0.2重量部~0.8重量部含むことを特徴とする、該農業用延伸フィルム。
  2. 前記透明微粒子の屈折率と、前記基材樹脂との屈折率差が0.01以下である、請求項1に記載の農業用延伸フィルム。
  3. 記透明微粒子の平均粒径が200nm以上30μm以下である、請求項1又は2に記載の農業用延伸フィルム。
  4. 前記透明微粒子が、アクリル樹脂を主成分とする有機系微粒子である、請求項1~3のいずれか1項に記載の農業用延伸フィルム。
  5. 前記基材樹脂を構成する熱可塑性樹脂が塩化ビニル系樹脂である、請求項1~4のいずれか1項に記載の農業用延伸フィルム。
  6. 前記農業用延伸フィルムの長手方向と幅方向の積算延伸倍率が3.0倍以上10倍以下であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の該農業用延伸フィルムの製造方法。
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