JP7389571B2 - シリコンエッチング方法及びシリコン基板 - Google Patents

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Description

本発明はシリコンエッチング方法及びシリコン基板に関し、特に微細な凹凸パターンまたは貫通孔をエッチングによりシリコン基板に形成し、MEMS、マスクブランク、バイオチップなどの機能部品または中間体等を製造する際に用いて好適な技術に関する。
従来から、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の分野では、シリコン基板への微細なパターン加工がおこなわれていた。
さらに、DNA(deoxyribonucleic acid)チップや、DNA、タンパク質等のバイオ分子やこのバイオ分子を有する細胞を内部に固定するための貫通孔をシリコン基板の厚さ方向に貫通させたバイオチップや、半導体デバイスの製造工程においてシリコン基板へ微細なパターン加工がおこなわれる場合がある。
このようなシリコン基板への加工方法として、特許文献1には、ドライエッチング、ウエットエッチング、CMP(Chemical Mechanical Polishing)や、異方性ウエットエッチング、サンドブラスト加工、レーザー加工などの手法が記載されている。
シリコン基板を所望の形状となるまでブラスト加工した場合には、シリコン表面に微細なクラックが多数形成される。このため、ブラスト加工の後工程としてクラックを除去するために、ウエットエッチング等の表面処理をおこなっている。
ここで、特許文献1には、ウエットエッチングとしてフッ硝酸を用いること、および、強アルカリを用いることが記載されている。
特開2017-30258号公報
特許文献1のように、ウエットエッチングにおいてフッ硝酸を用いた場合には、等方性エッチングをおこなうことができる。これにより、ブラスト処理によって形成された凹凸に対し、その形状を変化しないようにブラスト処理された表面のクラックを除去することができる。
これに対し、強アルカリを用いた場合には、クラックを除去することはできるが、異方性エッチングとなるため、等方性エッチングとは異なり、凹凸の形状が変化してしまうという問題があった。
ここで、凹凸の形状が変化しないとは、ブラスト処理で形成された凹凸形状の表面が略均一にエッチングされることを意味する。
また、ウエットエッチングにおいてフッ硝酸を用いる場合には、他のエッチング液に比べて反応性が高いため、その扱いが難しいという問題がある。特に、フッ硝酸においては、溶液および廃液の処理に関して高い耐腐食性を有する特別な装置を用いる必要がある。このため、他の溶液を用いる場合に比べて、装置の構成が増大するという問題があった。
また、作業工程数を削減し、作業時間を削減したいという要求があった。さらに、これらに起因して製造コストを削減したいという要求があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.シリコン基板の加工において、フッ硝酸を用いることなく等方性エッチングに対応する処理を可能とすること。
2.ブラスト処理後のシリコン基板におけるクラック除去性能を向上すること。
3.作業工程数の削減を図ること。
4.装置構成数の削減を図ること。
本発明のシリコンエッチング方法は、ブラスト処理した被処理表面であるシリコン表面をウエットエッチングする方法であって、
前記被処理表面を前記ブラスト処理するブラスト工程と、
アルカリ成分と添加剤とをふくむエッチング液によって処理することにより、前記ブラスト処理した前記被処理表面を疑似等方性エッチングするエッチング工程と、を有し、
前記エッチング工程の処理時間を70~240分の範囲に設定し、
前記ブラスト工程前に、前記被処理表面にブラスト領域を設定するレジストパターンを形成するレジスト形成工程を有し、
前記エッチング工程において、前記ブラスト処理で形成されたクラック除去と、前記レジストパターンの除去と、を同時におこなうことにより上記課題を解決した。
本発明のシリコンエッチング方法は、前記添加剤が、ホスホン酸誘導体、カルボキシル基、スルホ基、あるいは、これらの塩を含むことができる。
本発明のシリコンエッチング方法において、前記アルカリ成分が、NaOHまたはKOHを含むことが好ましい。
また、本発明のシリコン基板は、上記のいずれか記載のシリコンエッチング方法によってエッチングされた前記被処理表面にテクスチャ構造が形成されたことが好ましい。
本発明のシリコン基板においては、エッチングされた前記被処理表面において前記ブラスト処理によって形成されたクラックが除去されたことができる。
本発明のシリコン基板は、ブラスト処理した被処理表面であるシリコン表面をウエットエッチングする方法であって、前記被処理表面を前記ブラスト処理するブラスト工程と、アルカリ成分と添加剤とをふくむエッチング液によって処理することにより、前記ブラスト処理した前記被処理表面を疑似等方性エッチングするエッチング工程と、を有し、前記エッチング工程の処理時間を70~240分の範囲に設定するシリコンエッチング方法によって、
エッチングされた前記被処理表面にテクスチャ構造が形成され、
エッチングされた前記被処理表面において前記ブラスト処理によって形成されたクラックが除去されたことができる。
本発明のシリコンエッチング方法は、ブラスト処理した被処理表面であるシリコン表面をウエットエッチングする方法であって、
前記被処理表面を前記ブラスト処理するブラスト工程と、
アルカリ成分(アルカリ)と添加剤とをふくむエッチング液によって処理することにより、前記被処理表面を疑似等方性エッチングするエッチング工程と、を有する。
これにより、ブラスト処理において処理領域を規定するレジストの除去を、エッチング工程におけるアルカリと添加剤とをふくむエッチング液によって処理することができるため、レジスト除去工程を前記エッチング工程と同時におこなうことが可能となる。これにより、工程数を減らし、作業時間を短縮することが可能となる。
さらに、エッチング工程により、ブラスト処理において被処理表面に形成された微細なクラックを除去して、シリコン表面においてクラックに起因するパーティクルの発生を防止することが可能となる。
つまり、テクスチャーエッチング液として、その主成分がレジストであるドライフィルムのリムーブ液の主成分(水酸化ナトリウム3%)と同じ液を用いることができるため、リムーブとクラック除去のためのエッチング処理が同時におこなうことができ、洗浄処理の回数を減らすことができる。
このとき、フッ硝酸を用いることなく、エッチング処理でクラックを除去することができるため、フッ硝酸を用いるための装置を用意することがなく、また、フッ硝酸を洗浄するために洗浄工程をおこなう必要がない。
さらに、シリコン基板に熱酸化膜付きの基板を用いた場合において、従来と同様にエッチングにフッ硝酸を用いた場合には、は、フッ硝酸によってシリコン酸化膜もエッチングされてしまうために、加工面以外のエッチングしたくない面を保護するために、耐フッ酸性の高い保護膜を設ける必要がある。
この場合、保護膜としては、フッ硝酸に対して耐性のある金属膜、たとえば、クロム等の保護膜を用いることができる。
しかし、本発明のテクスチャーエッチング液を用いた場合には、シリコン酸化膜に対するエッチングレートが無視できる程度に小さいため、フッ硝酸を用いた場合のようにクロム等の保護膜を使う必要がない。
これにより、本発明によれば、シリコン基板として、シリコン酸化膜付きのシリコン基板を用いた場合において、クロム等の保護膜の成膜工程およびその除去工程をも省略することが可能になる。
ここで、通常、被処理表面がシリコンである場合においては、アルカリによるエッチング処理は異方性エッチングとなるが、本発明においては、エッチング液に添加剤を添加することにより、擬似的に等方性エッチングとすることができる。
また、擬似的に等方性エッチングとは、被処理表面となるシリコンにおいて、ブラスト処理で形成された凹凸に対してエッチングをおこなった際に、異方性エッチングに対して、エッチング量の方向依存性が少ないことを意味する。つまり、擬似的に等方性エッチングとは、ブラスト処理による微細なクラックを除去可能な程度にエッチングした際に、凹凸形状が変化しないことを意味する。つまり、被処理表面におけるエッチング量がエッチング方向によって変化せず、エッチング領域の全面でエッチング量がほぼ均一と見なせることが可能なであることを意味する。
また、クラックを除去したとは、エッチング処理後のシリコン表面を所定の液体に浸漬した際に、クラックに起因したパーティクル発生が所定値以下となることを意味する。
あるいは、ブラスト処理において被処理表面に形成されたクラックを除去したとは、エッチング工程の後に被処理表面をSEM等で観察した際に、クラックが観察されない程度、あるいは、これと同等なエッチング処理をおこなった状態を意味する。
本発明のシリコンエッチング方法は、前記添加剤が、ホスホン酸誘導体、カルボキシル基、スルホ基、あるいは、これらの塩を含む。
これにより、フッ硝酸を用いることなく、通常、アルカリを用いた場合には異方性エッチングとなるシリコンに対して、擬似的に等方性エッチングとなるように被処理表面をエッチングしてブラスト処理で形成されたクラックを除去できる。また、ブラスト処理で形成された凹凸形状の寸法比を変化させないことが可能である。
本発明のエッチング工程によりエッチングした被処理表面には、テクスチャ構造が形成されるように添加剤を選択することができる。
本発明のシリコンエッチング方法において、前記アルカリが、NaOHまたはKOHを含む。
これにより、フッ硝酸を用いることなく、被処理表面をエッチングしてブラスト処理で形成されたクラックを除去できる。また、ブラスト処理で形成された凹凸形状の寸法比を変化させないことが可能である。
本発明のエッチング工程によりエッチングした被処理表面には、テクスチャ構造が形成されるようにアルカリおよび添加剤を選択することができる。
本発明のシリコンエッチング方法は、前記ブラスト工程前に、前記被処理表面にブラスト領域を設定するレジストパターンを形成するレジスト形成工程を有する。
これにより、ブラスト領域を所望の範囲に設定することができる。
レジスト形成工程において形成されるレジストパターンは、被処理表面に貼り付けるドライフィルム、あるいは、塗布によって被処理表面に形成するフォトレジストとすることができる。この場合、露光・現像等の工程によりパターン形成をおこなうことが可能である。
また、本発明のシリコンエッチング方法において、前記エッチング工程において、前記レジストパターンを除去する。
これにより、フッ硝酸を用いることなく、ブラスト処理で形成されたクラックを除去する工程と、レジストパターンを初去する工程とを同時におこなって、工程数を削減し、作業時間を短縮することが可能となる。また、フッ硝酸を用いるための装置を用意することがなく、また、フッ硝酸を洗浄するために洗浄工程をおこなう必要がない。
本発明のエッチング工程においては、アルカリと添加剤を含有するエッチング液によって被処理表面を処理することで、クラックおよびレジストパターンを同時に除去することが可能となる。
なお、本発明のシリコンエッチング方法は、前記レジスト形成工程前に、保護膜を形成する保護膜形成工程を有することができる。これにより、被処理表面におけるブラスト領域以外の範囲を保護し、ブラスト工程において、ブラスト領域以外に傷等を生じることを防止できる。
また、本発明のシリコンエッチング方法は、前記保護膜がクロムを含有することができる。または、前記保護膜として、シリコン酸化膜を用いることができ、あるいはこれらを積層して用いることもできる。シリコン酸化膜は例えばシリコン熱酸化膜である。
また、本発明のシリコン基板は、上記のいずれか記載のシリコンエッチング方法によってエッチングされた前記被処理表面にテクスチャ構造が形成された。
これにより、ブラスト処理によって形成した凹凸形状を変化させずに、ブラスト処理によって形成されたクラックを除去することができ、パーティクルの発生を防止可能なシリコン表面を提供することが可能となる。
本発明のシリコン基板においては、エッチングされた前記被処理表面において前記ブラスト処理によって形成されたクラックが除去された。
これにより、パーティクルの発生を防止可能なシリコン表面を提供することが可能となる。
本発明によれば、フッ硝酸を用いることなく、ブラスト処理によって生じたクラックを除去可能で、凹凸形状が変化しないシリコンエッチング方法を提供できるとともに、このシリコンエッチング方法によって製造したシリコン基板を提供することができるという効果を奏することが可能となる。
本発明に係るシリコンエッチング方法の第1実施形態を示すフローチャートである。 本発明に係るシリコンエッチング方法の第1実施形態を示す工程断面図である。 本発明に係るシリコンエッチング方法の第1実施形態を示す工程断面図である。 本発明に係るシリコンエッチング方法の第1実施形態を示す工程断面図である。 本発明に係るシリコンエッチング方法の第1実施形態を示す工程断面図である。 本発明に係るシリコンエッチング方法の第1実施形態を示す工程断面図である。 本発明に係るシリコンエッチング方法の第1実施形態を示す工程断面図である。 本発明に係るシリコンエッチング方法の第1実施形態を示す工程断面図である。 本発明に係るシリコンエッチング方法の第1実施形態における処理をおこなう処理装置を示す模式図である。 フッ硝酸を用いたシリコンエッチング方法を示すフローチャートである。 本発明に係るシリコンエッチング方法の第1実施形態における処理をおこなう処理装置の他の例を示す模式図である。 本発明に係る実験例を示すグラフである。 本発明に係る実験例を示すグラフである。 本発明に係る実験例を示すグラフである。 本発明に係る実験例を示すグラフである。 本発明に係る実験例を示すグラフである。 本発明に係る実験例を示すグラフである。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。 本発明に係る実験例を示す画像である。
以下、本発明に係るシリコンエッチング方法およびシリコン基板の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるシリコンエッチング方法を示すフローチャートである。図2~図8は、本実施形態におけるシリコンエッチング方法を示す工程図である。図9は、本実施形態におけるシリコンエッチング方法処理をおこなう処理装置を示す模式図である。図において、符号Wは、シリコン基板である。
本実施形態に係るシリコンエッチング方法は、図1に示すように、基板準備工程S00と、洗浄工程S01と、保護膜形成工程S02と、レジスト形成工程S03と、パターン形成工程S04と、ブラスト工程S05と、前洗浄工程S06と、エッチング工程S07と、後洗浄工程S08と、保護膜除去工程S09と、を有する。
本実施形態に係るシリコンエッチング方法によって処理されるシリコン基板Wは、図7に示すように、ブラスト工程S05によって、所定の形状となる凹部Sが形成される。
本実施形態に係るシリコン基板Wは、厚さ1.0mm程度とされ、シリコン多結晶基板、シリコン単結晶基板<110>、シリコン単結晶基板<100>、シリコン単結晶基板<111>、などが選択できる。なお、シリコン単結晶基板の<110>は、基板表面における結晶方位を意味している。
凹部Sは所定の形状であればよく、たとえば、深さ10μm~1000μm程度とされる。つまり、凹部Sとしては、貫通孔も含むことができる。また、凹部Sの面積は、φ10μm~数十mm程度とすることができる。なお、図において、凹部Sは、単一の深さを有するように示しているが、この限りではなく、より複雑な形状とすることも可能である。
本実施形態に係るシリコンエッチング方法においては、図9に示すように、処理装置1によって処理がおこなわれる。
処理装置1は、基板準備部10と、洗浄部11と、保護膜形成部12と、レジスト形成部13と、パターン形成部14と、ブラスト部15と、前洗浄部16と、エッチング部17と、後洗浄部18と、保護膜除去部19と、基板収納部20と、を有する。
なお、処理装置1の各処理部は図示しない基板搬送部を有して処理するシリコン基板Wを一貫処理してもよいし、それぞれ独立していてもよい。
処理装置1においては、基板搬送部によってシリコン基板Wが次の工程へと搬送される。
基板準備部10は、基板準備工程S00において、処理装置1によって処理するシリコン基板Wを準備して、所定位置にセットする収納するケースとされる。
洗浄部11は、洗浄工程S01において、一連の処理に先立つ前処理として、被処理面となるシリコン基板Wの表面を洗浄する。
保護膜形成部12は、保護膜形成工程S02において、後述するように、保護膜Hを形成する。
レジスト形成部13は、レジスト形成工程S03において、後述するように、レジスト膜Rを形成する。
パターン形成部14は、パターン形成工程S04において、後述するように、レジスト膜Rにパターンを形成する。
ブラスト部15は、ブラスト工程S05において、後述するように、ブラスト処理をおこない、凹部Sの概形を形成する。
前洗浄部16は、前洗浄工程S06において、後述するように、ブラスト処理の後処理として、被処理表面を洗浄する。
エッチング部17は、エッチング工程S07において、後述するように、凹部Sの表面処理と、レジストパターンRpの除去とをおこなう。
後洗浄部18は、後洗浄工程S08において、エッチング処理の後工程として、被処理表面を洗浄する。
保護膜除去部19は、保護膜除去工程S09として、後述するように、保護膜パターンHpを除去する。
基板収納部20は、後述するように、凹部Sの形成、クラック除去、レジストパターンRp除去、保護膜パターンHp除去をおこなったシリコン基板Wを収納する。
図1に示す基板準備工程S00においては、上述したように、所定のシリコン基板Wが基板準備部10に準備される。基板準備部10に準備するシリコン基板Wは、複数枚とされ、以下の処理も複数枚同時におこなうバッチ処理としてもよい。また、以下の処理において、シリコン基板Wを一枚ずつ処理する枚葉処理としてもよい。
図1に示す洗浄工程S01においては、図2に示すように、図9に示す洗浄部11において、シリコン基板Wの被処理面(シリコン表面)となる表裏面が前処理として洗浄される。このとき、被処理面となるシリコン基板Wの表面から、有機物、パーティクル等の汚染を除去できれば、公知の洗浄液により、所定の洗浄をおこなうことができる。たとえば、ブラシ、純水による研磨布等による擦り洗いや、弱アルカリ等による有機物除去、さらに、必要であれば、表面酸化膜除去をおこなうこともできる。
あるいは、アルカリ系洗剤による洗浄、純水リンス処理、IPAベーパー乾燥処理(イソプロピルアルコールを乾燥用溶媒とする蒸気乾燥処理)を続けておこなうことができる。または、SC1(Standard Clean 1、アンモニア・過酸化水素混合水溶液)、SC2(Standard Clean 2、H と塩酸(HCl)の混合水溶液)、フッ酸洗浄(酸化膜除去)など、シリコンウェハに一般的に用いられる洗浄方法を用いることもできる。さらに、乾燥処理として、スピン乾燥なども可能である。
図1に示す保護膜形成工程S02は、図3に示すように、図9に示す保護膜形成部12において、保護膜Hが、シリコン基板Wの被処理表面および裏面となる全面に形成される。保護膜Hは、後工程でブラスト処理しない領域を保護する。
なお、保護膜Hをシリコン基板W表面のみに設けることや、保護膜Hを設けないこともできる。
保護膜Hは、シリコン基板W表面におけるキズ防止、および、薬品浸食防止が可能な膜であればよく、クロムを含有する膜とすることができる。保護膜Hは、0.1~30μm程度の膜厚として形成することができ、クロムを含有する膜の場合は0.1~1μm程度の膜厚とすることができる。
保護膜Hは、たとえば、スパッタリングによって形成することができる。
図1に示すレジスト形成工程S03は、図4に示すように、図9に示すレジスト形成部13によって、レジスト膜Rが、シリコン基板Wに積層される。レジスト膜Rは、シリコン基板Wの全面に形成されてよい。レジスト膜Rは、保護膜Hに積層されることができる。
レジスト膜Rは、フォトレジストとして公知のドライフィルムを貼り着けて形成することができるが、特に限定されるものではなく、公知のブラスト加工用レジスト液により形成することもできる。
図1に示すパターン形成工程S04においては、図5に示すように、図9に示すパターン形成部14によって、レジスト膜Rに所定のパターンとなる開口部分が形成される。これにより、レジストパターンRpが形成されて、ブラスト処理のおこなわれるブラスト領域W1を規定できる。
パターン形成工程S04においては、レジスト膜Rを所定のパターンとなるように露光・除去してレジストパターンRpとした。
図1に示すブラスト工程S05においては、図6に示すように、図9に示すブラスト部15によって、シリコン基板Wのブラスト領域W1がブラスト処理される。
このとき、レジストパターンRpによって規定されたブラスト領域W1をブラスト処理によって掘削する。これにより、レジストパターンRpよって規定されたブラスト領域W1に対応して、凹部Sが形成される。
ブラスト処理としては、φ5~150μm程度の粒度(投射材の番手#1200~#240程度)を有する炭化ケイ素からなる粒子を、高速のエアによってノズルからシリコン基板W表面に吹き付けることができる。このとき、ノズルを処理領域の全域に対してスキャンさせることができる。
図1に示す前洗浄工程S06においては、図9に示す前洗浄部16において、ブラスト処理したシリコン基板Wの表面を洗浄して、エッチング工程S07の前処理とする。
前洗浄処理としては、ブラスト粒子の除去と、パーティクルの除去ができればよい。たとえば、水または洗剤を含む水によるシャワー洗浄などでよい。
図1に示すエッチング工程S07においては、図7に示すように、図9に示すエッチング部17において、シリコン基板Wをエッチング液に浸漬して、ブラスト処理で形成されたクラック除去と、レジストパターンRpの除去とを同時におこなう。
このとき、エッチング液としては、ブラスト処理で形成されたクラックを除去するとともに、ブラスト処理で形成された凹凸に対して擬似的に等方性エッチングできるものを選択する。
同時に、レジストパターンRpの除去が可能なものを選択する。
擬似的に等方性エッチング可能とは、シリコン基板Wの被処理表面となる凹部S内表面をエッチング液に暴露した際に、エッチング量の方向依存性が異方性エッチングに比べて少ない状態となる。
つまり、エッチング工程S07においては、ブラスト処理による微細なクラックを除去可能な程度にエッチング量を設定して、所定時間エッチングした際に、凹部Sの概形形状が変化しない。すなわち、被処理表面である凹部S内において、側面S2におけるエッチング量と、底面S1におけるエッチング量とがほぼ等しい状態である。
また、エッチング工程S07が終了した際には、クラックが除去された状態となる。これは、被処理表面である凹部Sの内面をSEM等で観察した際に、ブラスト工程S05によって形成されたクラックが、エッチング工程S07の後に観察されない程度に除去されているものである。
なお、また、SEM等による凹部Sの内面の観察は、破壊検査であるため、エッチング工程S07の処理条件および処理時間は、クラック除去が可能な条件と同等なエッチング条件として設定される。
また、クラック除去が可能な条件は、エッチング工程S07後の凹部Sの内面を所定の液体に浸漬した際に、クラックに起因したパーティクル発生が所定値以下となる条件を満たす。
エッチング工程S07の処理が終了した凹部S内面には、ほぼその全面にテクスチャ構造が形成される。
テクスチャ構造は、均一で微細なピラミッド状凹凸部となる。テクスチャサイズは、たとえば、1~10μmが好ましく、1~5μmがより好ましい。テクスチャは、前記テクスチャサイズの範囲内にあり微細というだけでなく、サイズが均一であり、ばらつきが少ないことが好ましい。本発明のシリコン基板としては、前記エッチング液を使用して製造され、テクスチャサイズが1~10μmであるものがより好ましい。
このとき、エッチング液としては、アルカリと添加剤とを含むものとすることができる。
具体的には、アルカリとしてNaOH,KOHなどを選択することができる。また、添加剤としてホスホン酸誘導体、カルボキシル基、スルホ基、あるいは、これらの塩を含むものとすることができる。
なお、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、炭酸ナトリウム(NaCO)、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、炭酸カリウム(KCO)、から選択された1種類または複数種類を混合してもよい。
さらに、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等の他のアルカリ成分を使用してもよい。
ここで、添加剤としては、以下のものから選択可能である。
タンニン類と、スチルベン誘導体とを含有する。さらに、リグニン類を少なくとも1種類以上含有するもの。さらに、重合度120以下の超低重合度ポリビニルアルコール系樹脂及び/又は変性度が10%以上のカルボキシル基変性ポリビニルアルコール系樹脂を含有する。前記タンニン類が、縮合型タンニンである。前記スチルベン誘導体が、ヘキサナトリウム-2,2’-{ビニレンビス[(3-スルホナト-4,1-フェニレン)イミノ[6-(ジエチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-4,2-ジイル]イミノ]}ビス(ベンゼン-1,4-ジスルホネート)及び4,4’-ジアミノスチルベン-2,2’-ジスルホン酸の1,3,5-トリアジニル-誘導体からなる群から選ばれる1種以上を含有する。前記リグニン類が、リグニン及びリグニンスルホン酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種以上を含有する。タンニン類とスチルベン誘導体とを含有する。さらに、リグニン類を含有する。さらに、重合度120以下の超低重合度ポリビニルアルコール系樹脂及び/又は変性度が10%以上のカルボキシル基変性ポリビニルアルコール系樹脂を含有する。
IPA(イソプロピルアルコール)。
IPAの一部をエチレングリコールと置き換えることもできる。さらに、ケイ酸塩を添加してもよい。
無水酢酸ナトリウム(CHCOONa)。
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、あるいは、ピラジン。
リグニン、セルロース類、ケトン類、エステル類、グリコール類の中から一種か又は複数種選択して混合したもの。
さらに、これらリグニン等と炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウムを加えたもの。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。
セルロース類としては、酢酸セルロースが挙げられる。
エステル類としては、蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸エチルなどが挙げられる。
グリコール類としては、メチルグリコール、エチレングリコールなどが挙げられる。
ポリビニルアルコール(PVA)やポリ-1-メチルビニルアルコール(PMVA)などの脂肪族ポリアルコールとすることもできる。
たとえば、ポリビニルアルコール(重合度500)が挙げられる。
ポリビニルアルコール(PVA)と、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)又は炭酸水素カリウム(KHCO)を加えたもの。
スチルベン誘導体を含有する。スチルベン誘導体が、ヘキサナトリウム-2,2’-{ビニレンビス[(3-スルホナト-4,1-フェニレン)イミノ[6-(ジエチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-4,2-ジイル]イミノ]}ビス(ベンゼン-1,4-ジスルホネート)及び4,4’-ジアミノスチルベン-2,2’-ジスルホン酸の1,3,5-トリアジニル-誘導体からなる群から選ばれる1種以上を含有する。さらに、単純フェノール化合物(例えばバニリン等)を加える。
リグニン、セルロース類、ケトン類、エステル類等の一種又は複数種含有し、かつ炭酸水素ナトリウム(NaHCO)又は炭酸水素カリウム(KHCO)を加える。
加水分解型または縮合型タンニンであるタンニン類を含有する。たとえばタンニン酸、るミモザ(ないしワットル)タンニン、カテキン等のフラボノイドを構成する単位が重合したもの、ケブラチョタンニン等、とされる。また、(-)-エピカテキン、(-)-エピカテキンガレート、(-)-エピガロカテキン及び(-)-エピガロカテキンガレートからなる群から選ばれる1種以上のカテキン類化合物が重合されてなる縮合型タンニンでもよい。
カルボキシル基変性PVA系樹脂とされる。この製法としては、特に限定されず、例えば、カルボキシル基含有ビニルモノマーとビニルエステル系モノマーを、重合触媒を用いて共重合させた後、公知の方法によってケン化して得ることができる。
前記カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸等の炭素数3~15のモノカルボン酸;(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の炭素数4~15のジカルボン酸;マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル等の前記ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1~18)エステル等のジカルボン酸モノエステル等が挙げられる。これらは、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち好ましくは、(メタ)アクリル酸、ジカルボン酸モノエステル、及びそれらの2種以上の混合物である。
前記ビニルエステルモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、脂肪族ビニルエステル(炭素数4~15、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、イソプロペニルアセテート等)、不飽和カルボン酸多価(2~3価又はそれ以上)アルコールエステル〔炭素数8~200、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等〕、芳香族ビニルエステル(炭素数9~15、例えば、メチル-4-ビニルベンゾエート等)等が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニルモノマーとビニルエステル系モノマーを共重合する方法としては、特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、又はエマルジョン重合等の公知の方法を採用することができるが、通常は溶液重合が行われる。
溶液重合で用いられる溶媒としては、通常、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられ、工業的には、メタノールが好適に使用される。溶媒の使用量は、目的とする共重合体の重合度に合わせて、溶媒の連鎖移動定数を考慮して適宜選択すればよい。
なお、これらの添加剤から選択した1種類以上を用いることもできる。
図1に示す後洗浄工程S08においては、図9に示す後洗浄部18において、エッチング処理したシリコン基板Wの表面を洗浄して、保護膜除去工程S09の前処理とする。
後洗浄処理としては、レジスト膜R残滓の除去と、エッチング工程S07で剥離したシリコンパーティクルの除去、さらに、クラック内に存在しておりエッチング処理によって離れたブラスト粒子の除去ができればよい。
ここで、水または洗剤を含む水によるシャワー洗浄などでよい。
図1に示す保護膜除去工程S09においては、図8に示すように、図9に示す保護膜除去部19において、後洗浄処理したシリコン基板Wから、保護膜Hを除去する。保護膜除去工程S09は、クロムからなる保護膜Hを剥離、除去が可能であれば公知のエッチング液等を用いたエッチングとすることができる。
本実施形態のシリコンエッチング方法によって製造されたシリコン基板Wは、ブラスト処理により、所定の凹部Sが形成されているとともに、ブラスト処理によって生じたクラックが除去されている。また、凹部S内には、テクスチャ構造が形成されている。
本実施形態のシリコンエッチング方法では、フッ硝酸を用いることなくクラック除去をおこなうことができる。
以下、比較のために、フッ硝酸を用いたシリコンエッチング方法を示す。
図10は、フッ硝酸を用いた場合において対応するシリコンエッチング方法を示すフローチャートである。
図10において、本実施形態と同等の構成には同じ符号を付してその説明を省略する。
フッ硝酸を用いたシリコンエッチング方法においては、図1に示すエッチング工程S07および後洗浄工程S08に変えて、図10に示すように、レジスト除去工程S15、洗浄工程S16、フッ硝酸エッチング工程S17、後フッ硝酸洗浄工程S18、が必要である。
ここで、図10に示すレジスト除去工程S15は、たとえば、アルカリ等のエッチング液によって、レジストパターンRpを除去する工程である。レジスト除去工程S15は、エッチング部17と同等な構成においておこなうことができる。
図10に示す洗浄工程S16は、レジスト除去工程S15の後工程であり、また、フッ硝酸エッチング工程S17の前工程とされる。この洗浄工程S16は、シリコン基板Wからクラックが除去されていないため、前洗浄工程S06をおこなっているにもかかわらず、もう一度、シャワーなどによって、レジスト除去工程S15で発生したパーティクル等の除去をおこなうものである。これは、クラックが除去されていない場合、クラックを起因とした破片が発生して、パーティクルとなってしまうためである。
洗浄工程S16は、前洗浄部16において再度処理をおこなうことができる。
図10に示すフッ硝酸エッチング工程S17においては、エッチング液として、フッ硝酸を用いてクラック除去をおこなう。
後フッ硝酸洗浄工程S18においては、フッ酸等を除去・洗浄する。
これに対して上述したように、本実施形態によれば、レジスト除去工程S15、洗浄工程S16が必要ないため、作業時間を短縮することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、テクスチャーエッチング液は一般的にレジストのリムーブに用いられるアルカリ系薬剤であるため、フッ硝酸と比較して安全である。(作業者への安全対策に必要な設備が軽減出来る。)また、単純にフッ硝酸処理槽、リンス槽とフッ硝酸処理に必要な処理槽を省略できるために装置を簡略化することができるという効果を奏することができる。
さらに、本実施形態において、処理装置1を、図11に示す構成とすることもできる。
図11は、本実施形態におけるシリコンエッチング方法処理をおこなう処理装置の他の例を示す模式図である。
処理装置1は、図11に示すように、基板準備部10と、洗浄部11と、保護膜形成部12と、レジスト形成部13と、パターン形成部14と、ブラスト部15と、前洗浄部としてのシャワー槽16と、エッチング部としてのテクスチャーエッチング槽17と、後洗浄部としての純水リンス槽18aと、保護膜除去部としてのクロムエッチング槽19と、後洗浄部としての純水リンス槽18bと、乾燥部20aと、基板収納部20と、を有するものとしてもよい。
この場合、シリコン基板Wは、ブラスト部15からシャワー槽16へと送られる。
また、シリコン基板Wは、シャワー槽16からテクスチャーエッチング槽17へと送られる。
また、シリコン基板Wは、テクスチャーエッチング槽17から純水リンス槽18aへと送られる。
シリコン基板Wは、純水リンス槽18aからシャワー槽16へと送られる。
シリコン基板Wは、シャワー槽16からクロムエッチング槽19へと送られる。
また、シリコン基板Wは、クロムエッチング槽19から純水リンス槽18bへと送られる。
この場合、シリコン基板Wは、純水リンス槽18bからシャワー槽16へと送られる。
シリコン基板Wは、シャワー槽16から乾燥部20aへと送られる。
また、シリコン基板Wは、乾燥部20aから基板収納部20へと送られる。
処理装置1をこのような構成とすることで、純水リンス槽18a、18bで再付着したパーティクル、または、完全に除去出来なかったパーティクルをシャワー槽16にて除去し、次工程にパーティクルを持ち込むことを防止することができる。
以下、本発明にかかる実施例を説明する。
まず、本発明におけるエッチング方法の具体例として、ブラスト処理、エッチング処理、およびこれらに付随した処理について説明する。
準備工程として、厚さ1.0mmの単結晶(100)のシリコン基板を準備した。
このシリコン基板に、手動による擦り洗浄、および液へのディップ洗浄をおこなった。
次に、シリコン基板の表裏面全域に保護膜としてCr膜を厚さ0.15μmとして形成した。
次に、ラミネーターで貼ったドライフィルムレジスト(ネガ型)に対して、露光・現像を実施した。ここで、ブラスト加工用のドライフィルムレジストを使用した。
パターンニングにて、露出したSi部分にブラスト材を吹きつけて加工した。
このとき、ブラスト条件は、
ブラスト材材質;炭化ケイ素
処理時間;30min
とした。
ここで、形成された凹部は、
径寸法;1000μm
深さ寸法;100μm
である。
前洗浄工程として、アルカリ系洗剤を含む洗浄液のシャワーにて、ブラスト材の大まかな粉を除去した。
エッチング工程として、次のエッチング条件で処理した。
アルカリ;NaOH 3wt%
添加剤;直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5wt%
エッチング温度;60℃
エッチング時間;60min
その後、後洗浄工程として、前洗浄工程と同様の洗浄をおこなった。
その後、一般的なCrエッチング液によるCr保護膜を除去し、本実施例におけるシリコン基板を作成した。
<実験例1>
ここで、NaOHの濃度を1~9wt%の範囲で変化させて、エッチングレートの変化を測定した。なお、エッチング時間を90℃とした。
その結果を図12に示す。
この結果から、測定範囲においてはNaOH濃度3wt%程度が最大となることがわかる。
<実験例2>
次に、NaOH濃度3wt%として、エッチング温度を変化させてエッチングレートの変化を測定した。
その結果を図13に示す。
この結果から、温度が高い方がエッチングレートが高くなることがわかる。
<実験例3>
次に、x-y方向(r方向),z方向のエッチングレートを比較する。そのため凹部S内部において、側面S2におけるエッチング量をr方向エッチング量、底面S2におけるエッチング量をz方向エッチング量として、これらの比r/zを算出した。
その結果を図14に示す。
この結果から、処理温度を下げたほうが、等方性エッチングに近い状態となることがわかる。また、アルカリエッチング本来の異方性でなく、等方性エッチングに近い、疑似等方性エッチングとなっていることがわかる。この結果から、エッチング温度として60℃を選択した。
<実験例4>
上記の実験例1~3から、エッチング時間を変化させて半径r方向エッチング量、および、深さz方向エッチング量を測定した。
ここで、以下の様にエッチング条件を変化させた。
・NaOH;3% :添加剤(同上);1%
・処理温度;60℃
・処理時間;20~140分
その結果を図15~17に示す。
図15に示すように、深さz方向で見ると、少なくとも10μm以上のエッチング量を得るためには70分以上のエッチング時間が必要となる。
図16に示すように、半径r方向で見ると、少なくとも10μm以上のエッチング量を得るためには35分以上のエッチング時間が必要となる。
図17に示すように、処理時間が長くなるにつれて、半径r/深さzのレート比が1の等方性に近くなってくる。
これらの結果から、10μm以上のエッチング量を得るためには、処理時間が70~240分、望ましくは100~120分の範囲とすることが好ましいことがわかる。
<実験例5>
さらに、以下のエッチング条件で、エッチング時間を変化させてその表面をSEMにより観察した。
・NaOH;3% :添加剤(同上);1%
・処理温度;60℃
・処理時間;20分
その結果を図18~21に示す。
<実験例6>
さらに、以下のエッチング条件で、エッチング時間を変化させてその表面をSEMにより観察した。
・NaOH;3% :添加剤(同上);1%
・処理温度;60℃
・処理時間;40分
その結果を図22~25に示す。
<実験例7>
さらに、以下のエッチング条件で、エッチング時間を変化させてその表面をSEMにより観察した。
・NaOH;3% :添加剤(同上);1%
・処理温度;60℃
・処理時間;60分
その結果を図26~29に示す。
<実験例8>
さらに、以下のエッチング条件で、エッチング時間を変化させてその表面をSEMにより観察した。
・NaOH;3% :添加剤(同上);1%
・処理温度;60℃
・処理時間;80分
その結果を図30~33に示す。
実験例10として示すフッ硝酸の表面形状とは異なり、ピラミッド型の凸が密集した形状となっていることがわかる。しかも、脱落の恐れがある、クラックは除去されていることがわかる。
<実験例9>
また、比較のため、添加剤を添加しないでエッチングをおこない、その表面をSEMにより観察した。
・NaOH;3% :添加剤;なし
・処理温度;40℃
・処理時間;20分
その結果を図34~37に示す。
これらの図に示すように、容易に脱落しそうな表面状態であり、クラック除去の効果が十分ではないことがわかる。なお、図37における右側位置に写っている平らな板は、エッチング時に非ブラスト加工面を保護するCr膜である。
<実験例10>
また、比較のため、フッ硝酸によってエッチングをおこない、その表面をSEMにより観察した。
その結果を図38~41に示す。
これらの図に示すように、波が連なる様な凹が密集した形状となっている。また、脱落の恐れがあるクラックは除去されていることがわかる。なお、図41における右側位置に写っている平らな板は、エッチング時に非ブラスト加工面を保護するCr膜である。
<実験例11>
また、ブラスト処理後にエッチング処理をおこなわないで、そのままの状態である表面をSEMにより観察した。
その結果を図42~45に示す。
これらの図に示すように、ブラストによるクラックがあることがわかる。これらは脱落して、パーティルの発生原因となる。
本発明の活用例として、パーティクルによる誤動作が懸念されるMEMS、センサーなどや、マイクロ流路など流路の目詰まりが懸念される分野への利用を挙げることができる。
1…処理装置
10…基板準備部
11…洗浄部
12…保護膜形成部
13…レジスト形成部
14…パターン形成部
15…ブラスト部
16…前洗浄部
17…エッチング部
18…後洗浄部
19…保護膜除去部
20…基板収納部

Claims (6)

  1. ブラスト処理した被処理表面であるシリコン表面をウエットエッチングする方法であって、
    前記被処理表面を前記ブラスト処理するブラスト工程と、
    アルカリ成分と添加剤とをふくむエッチング液によって処理することにより、前記ブラスト処理した前記被処理表面を疑似等方性エッチングするエッチング工程と、を有し、
    前記エッチング工程の処理時間を70~240分の範囲に設定し、
    前記ブラスト工程前に、前記被処理表面にブラスト領域を設定するレジストパターンを形成するレジスト形成工程を有し、
    前記エッチング工程において、前記ブラスト処理で形成されたクラック除去と、前記レジストパターンの除去と、を同時におこなう
    ことを特徴とするシリコンエッチング方法。
  2. 前記添加剤が、ホスホン酸誘導体、カルボキシル基、スルホ基、あるいは、これらの塩を含む
    ことを特徴とする請求項1記載のシリコンエッチング方法。
  3. 前記アルカリ成分が、NaOHまたはKOHを含む
    ことを特徴とする請求項1または2記載のシリコンエッチング方法。
  4. 請求項1からのいずれか記載のシリコンエッチング方法によってエッチングされた前記被処理表面にテクスチャ構造が形成されたことを特徴とするシリコン基板。
  5. エッチングされた前記被処理表面において前記ブラスト処理によって形成されたクラックが除去されたことを特徴とする請求項記載のシリコン基板。
  6. ブラスト処理した被処理表面であるシリコン表面をウエットエッチングする方法であって、前記被処理表面を前記ブラスト処理するブラスト工程と、アルカリ成分と添加剤とをふくむエッチング液によって処理することにより、前記ブラスト処理した前記被処理表面を疑似等方性エッチングするエッチング工程と、を有し、前記エッチング工程の処理時間を70~240分の範囲に設定するシリコンエッチング方法によって、
    エッチングされた前記被処理表面にテクスチャ構造が形成され、
    エッチングされた前記被処理表面において前記ブラスト処理によって形成されたクラックが除去されたことを特徴とするシリコン基板。
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