JP7386366B1 - 酢酸菌含有飲料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低粘度でありながら、果実風味が口腔内で持続する酢酸菌含有飲料の提供。【解決手段】本発明の飲料は、少なくとも多糖類および乾燥酢酸菌を含有し、25℃での粘度が50mPa・s以下である飲料であって、前記飲料中の酢酸菌の体積平均粒子径が0.1μm以上0.5μm未満であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、酢酸菌含有飲料に関する。また、本発明は、酢酸菌含有飲料の製造方法にも関する。
酢酸菌は、食酢の発酵製造に使用される有用微生物の1つで、発酵製造直後の食酢は酢酸菌を含有している。ただし、市場に流通している食酢は酢酸菌を含まない清澄な外観であることが標準的となっているため、市場に流通している食酢の大部分では、酢酸菌がろ過により取り除かれている。市場に流通している酢酸菌を含む食酢は、精緻なろ過を行っていない伝統的な製造方法の食酢が挙げられ、具体的には、一部の黒酢やバルサミコ酢などには酢酸菌が含まれている。
酢酸菌を含む黒酢や酢酸菌を含むバルサミコ酢は、発酵製造で得られた食酢のままの状態で、水などの他の飲料と混合し飲用される。そのため、酢酸菌体自体に乾燥処理や均質化処理といった加工処理を組合せて施し、酢酸菌体の粒子径などを特定の形状に変えて飲料に配合するといった活用は十分とは言えなかった。
さて、飲料は、体調維持のために特定の栄養素などを摂取する方法や、リフレッシュなどの気分転換の方法として、幅広い目的用途で摂取される。そして、飲料の風味は、摂取したくなるように美味しいことが望まれる。飲料の風味は、まず、口に含む前に鼻の嗅覚でフラール類、アルコール類、アルデヒド類などの芳香成分の香りを感知する。次に、口に含んだ後、クエン酸やミネラルなどを口腔内の舌の味覚で感知すると同時に、口腔から嗅球に抜ける経路で嗅覚により芳香成分の香りを感知する。
昨今では、飲料の風味の中でも、ウメやリンゴなどの果実風味は、常に人気を博している。しかしながら、果実風味の飲料は、口腔内での風味の持続が難しく、様々な香料添加などの技術を持ってしてもなお、さらなる改善策が望まれている。飲料の味の厚みと味の持続感を増強するために、例えば、飲料中の特定の香気成分の含有量を調整することが提案されている(特許文献1参照)。しかし、飲料中の香気成分を調節することは、製造工程における操作が煩雑であり、製造コストの増加に繋がる要因であった。そのため、依然として、飲料の味等の改善策が切望されている。
特開2022-018235号公報
近年、さっぱりとした味わいの飲料は、さらりとした物性が求められることが多い。しかしながら、さらりとした物性を得るために粘度を下げると、口腔内で飲料の風味が持続しないという課題があった。例えば、果実風味が口腔内で持続せず、すぐに消えてしまい、物足りなさを感じていた。
本発明者らは、上記課題に対して誠意検討した結果、飲料に多糖類および酢酸菌を含有させ、かつ、飲料の粘度および飲料中の酢酸菌の体積平均粒子径を調節することにより、上記の課題を解決できることを知見した。ここで、本発明の技術的特徴の1つである酢酸菌の体積平均粒子径の調節について説明する。
お酢などの発酵食品から得られる酢酸菌生菌の体積平均粒子径は、一般的に1~2μmであり、発酵食品に用いられる酢酸菌は花や果実などの自然界から採取されたものを起源としている。発酵食品から得られる酢酸菌に、高圧ホモジナイザー等の微細化処理を行い飲料に配合した場合、酢酸菌の体積平均粒子径は元の酢酸菌と変わらない。また、発酵食品から得られる酢酸菌に乾燥処理を行い飲料に配合した場合、乾燥した酢酸菌が再び水を含んだ状態となり、元の酢酸菌と同じ体積平均粒子径に復元される。なお、「元の酢酸菌の平均粒子径」とは、発酵し、酢酸などを生成している時の「酢酸菌生菌の体積平均粒子径」のことを指す。
これに対し、本発明者らは、発酵食品から得られる酢酸菌に、乾燥処理と微細化処理を組合せて行うことで、酢酸菌の体積平均粒子径を特定の粒子径まで萎ませられることを知見した。
乾燥処理後に微細化処理を行うことで酢酸菌膜の構造に変性が生じ、再度酢酸菌に水を含ませたとしても、元の酢酸菌と同じ体積平均粒子径に復元されず、特定の粒子径まで萎ませられると考えられる。本発明者らは、低粘度飲料における口腔中での果実風味持続効果を得るため、酢酸菌の体積平均粒子径の調節に関する新たな知見を見出し、前記知見を技術的特徴の1つとした飲料を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] 少なくとも多糖類および乾燥酢酸菌を配合し、25℃での粘度が50mPa・s以下である飲料であって、
前記飲料中の酢酸菌の体積平均粒子径が0.1μm以上0.5μm未満であることを特徴とする、
飲料。
[2] 前記多糖類が、大豆多糖類およびペクチンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする、
[1]に記載の飲料。
[3] 前記乾燥酢酸菌の配合量が、前記飲料の総量に対して0.001%質量以上1%質量以下であることを特徴とする、
[1]または[2]に記載の飲料。
[4] 前記飲料のpHが4.0以下であることを特徴とする、
[1]~[3]のいずれかに記載の飲料。
[5] 前記飲料が、食酢をさらに含むことを特徴とする、
[1]~[4]のいずれかに記載の飲料。
[6] 前記飲料中の酢酸酸度が、前記飲料の総量に対して、0.05%質量以上1%質量以下であることを特徴とする、
[5]に記載の飲料。
[7] 前記飲料が、果実風味飲料であることを特徴とする、
[1]~[6]のいずれかに記載の飲料。
[8] 25℃での粘度が50mPa・s以下である飲料の製造方法であって、
少なくとも乾燥酢酸菌と多糖類とを混合する工程と、
前記混合工程で得られた混合液に微細化処理を施す工程と、
を含み、
前記飲料中の酢酸菌の体積平均粒子径が0.1μm以上0.5μm未満であることを特徴とする、
飲料の製造方法。
本発明によれば、低粘度でありながら、果実風味が口腔内で持続する酢酸菌含有飲料を提供することができる。このような酢酸菌含有飲料は消費者の食欲を惹起することができ、酢酸菌含有飲料のさらなる市場拡大が期待できる。
<飲料>
本発明の飲料は、少なくとも、多糖類および乾燥酢酸菌を配合するものであり、食酢および他の原料をさらに含有してもよい。
(果実風味)
本発明の飲料には、主に果実風味がする飲料と、例えばフレーバーティーなどのように飲料全体の風味の一部として果実風味が存在する飲料とが存在する。いずれにしろ本発明の飲料は口腔内で果実風味を持続している物を指す。本発明の飲料は、口腔内で果実風味を持続できるため、果実風味飲料であることが好ましい。
また、本発明の効果である果実風味について、その果実の種類は、特に限定されないが、具体的には、例えば、ウメ、リンゴ、アンズ、イチゴ、サクランボ、プラム、ナシ、ビワ、プルーン、カリンなどのバラ科の果実、オレンジ、ミカン、レモン、グレープフルーツなどのミカン科の果実が挙げられる。本発明の飲料は、バラ科の果実風味飲料であることが好ましい。
(粘度)
本発明の飲料の25℃での粘度は、50mPa・s以下であり、好ましくは30mPa・s以下であり、より好ましくは20mPa・s以下であり、さらに好ましくは10mPa・s以下であり、また、好ましくは0.1mPa・s以上であり、より好ましくは0.5mPa・s以上であり、さらに好ましくは1mPa・s以上である。飲料の粘度が上記数値範囲内にあることで、飲料にさらりとした物性を付与することができる。
なお、飲料の粘度の値は、B型粘度計を使用し、品温25℃、回転数60rpmの条件で、Lアダプタを使用し、測定開始後ローターが2分間回転した時の示度により算出した値である。
(pH)
本発明の飲料のpHは、好ましくは4.0以下であり、より好ましくは3.8以下であり、さらに好ましくは3.5以下であり、さらにより好ましくは3.3以下であり、また、好ましくは2.0以上であり、さらに好ましくは2.5以上であり、さらにより好ましくは2.7以上である。飲料のpHが上記数値範囲内にあることで、本発明の効果が得られやすくなる。
なお、飲料のpHの値は、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器を用いて測定した値である。
(多糖類)
本発明の飲料に用いる多糖類としては、例えば、大豆多糖類およびペクチンが挙げられる。特に、飲料に粘度を付与せずに酢酸菌の体積平均粒子径を小さく保ち易いことから、大豆多糖類が好ましい。大豆多糖類およびペクチンは、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。また、大豆多糖類およびペクチンは、市販品を用いることもできる。
多糖類の配合量は、飲料の総量に対して、好ましくは0.001質量%以上2.0質量%以下であり、より好ましくは0.005質量%以上1.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以上1.0質量%以下である。多糖類の含有量が上記数値範囲内にあることで、飲料に粘度を付与せずに酢酸菌体の体積平均粒子径を小さく保つことができる。
(酢酸菌)
本発明の飲料に用いる酢酸菌としては、特に限定されず従来公知の酢酸菌を用いることができる。具体的には、酢酸菌としては、例えば、グルコンアセトバクター(Gluconacetobacter)属、アセトバクター(Acetobacter)属、コマガタエイバクター(Komagataeibacter)属、及びグルコノバクター(Gluconobacter)属、等が挙げられる。これらの中でも、グルコンアセトバクター(Gluconacetobacter)属、アセトバクター(Acetobacter)属、及びコマガタエイバクター(Komagataeibacter)属からなる群から選択される少なくとも1種の酢酸菌を用いることが好ましい。
グルコンアセトバクター属(Gluconacetobacter)の酢酸菌としては、グルコンアセトバクター・スウィングシ(Gluconacetobacter swingsii)、グルコンアセトバクター・キシリヌス(Gluconacetobacter xylinus)、グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィカス(Gluconacetobacter diazotrophicus)、グルコンアセトバクター・インタメデイウス(Gluconacetobacter intermedius)、グルコンアセトバクター・サッカリ(Gluconacetobacter sacchari)、グルコンアセトバクター・マルタセティ(Gluconacetobacter maltaceti)、グルコンアセトバクター・コンブチャ(Gluconacetobacter kombuchae)、及びグルコンアセトバクター・リックウェフェシエンス(Gluconacetobacter liquefaciens)等が挙げられる。
アセトバクター(Acetobacter)属の酢酸菌としては、アセトバクター属(Acetobacter)の酢酸菌としては、アセトバクター・ポリオキソゲネス(Acetobacter polyoxogenes)、アセトバクター・トロピカリス(Acetobacter tropicalis)、アセトバクター・インドネシエンシス(Acetobacter indonesiensis)、アセトバクター・シジギイ(Acetobacter syzygii)、アセトバクター・シビノンゲンシス(Acetobacter cibinongensis)、アセトバクター・オリエンタリス(Acetobacter orientalis)、アセトバクター・パスツリアヌス(Acetobacter pasteurianus)、アセトバクター・オルレアネンシス(Acetobacter orleanensis)、アセトバクター・ロバニエンシス(Acetobacter lovaniensis)、アセトバクター・アセチ(Acetobacter aceti)、アセトバクター・ポモラム(Acetobacter pomorum)、アセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)等が挙げられる。
コマガタエイバクター(Komagataeibacter)属の酢酸菌としては、コマガタエイバクター・ハンゼニイ(Komagataeibacter hansenii)、コマガタエイバクター・ザイリナス(Komagataeibacter xylinus)、コマガタエイバクター・ユーロペウスヨーロッパエウス(Komagataeibacter europaeus)、コマガタエイバクター・オボエディエンス(Komagataeibacter oboediens)等が挙げられる。
グルコノバクター(Gluconobacter)属の酢酸菌としては、グルコノバクター・フラトウリ(Gluconobacter frateurii)、グルコノバクター・セリナス(Gluconobacter cerinus)等が挙げられる。
(酢酸菌の形態)
本発明においては、酢酸菌は、飲料に配合する前に乾燥処理を施している。本発明の飲料に含まれる酢酸菌は、飲料中で高圧ホモジナイザーなどの均質化処理を組合せることで、飲料中の水分を吸収しても元の酢酸菌の粒子径まで復元されず、酢酸菌の体積平均粒子径を0.1μm以上0.5μm未満に調節することが可能になる。
酢酸菌は、生菌状態および死菌状態のいずれでもよいが、粒子径を調整しやすいために死菌状態であることが好ましい。
(酢酸菌の体積平均粒子径)
飲料中の酢酸菌の体積平均粒子径は、0.1μm以上0.50μm未満であり、好ましくは0.15μm以上0.48μm以下であり、より好ましくは0.2μm以上0.46μm以下であり、さらに好ましくは0.25μm以上0.42μm以下である。通常、従来の食酢中の酢酸菌の体積平均粒子径は、1~2μm程度であるが、上記数値範囲内に微細化することで表面積が増大し、風味に関与する成分が酢酸菌表面に吸着される。これにより口腔内での風味の持続性が増すと推測される。
飲料中の酢酸菌の体積平均粒子径は、以下の方法により測定することができる。
まず、飲料を純水で10倍希釈し、測定サンプルとする。次いで、測定サンプルについて、動的光散乱粒度分布計を用いて品温25℃、3分後に測定して得られた結果を、酢酸菌の体積平均粒子径とする。
乾燥酢酸菌の配合量は、飲料の総量に対して、好ましくは0.001%質量以上1%質量以下であり、より好ましくは0.001質量%以上(0.1質量%以下であり、さらに好ましくは0.006質量%以上0.05質量%以下である。乾燥酢酸菌の配合量が上記数値範囲内にあることで、果実風味が口腔内で持続する効果を向上させることができる。
(食酢)
本発明の飲料に用いる食酢は、水及び酢酸を主成分とするものである。本発明における食酢としては、消費者庁が定める「食品表示基準」に列挙される食酢が挙げられるが、これに類似する酸味調味料も含まれる。より詳細には、食酢としては、たとえば、米、麦芽、酒粕等の穀類もしくはそれらの加工品、ぶどう、りんご等の果実、タマネギ、ニンジン、トマト等の野菜、その他農産物、アルコール等を酢酸発酵させたものや、別途酢酸を添加したもの、又はこれらを混合したものが挙げられる。糖類、有機酸、アミノ酸、食塩等を加えたものもこれに含まれる。このような食酢としては、例えば、黒酢、米酢、五穀酢、ワインビネガー、果実酢、トマト酢、もろみ酢、及び梅酢等が挙げられる。これらの中でも、黒酢や果実酢等が好ましい。これらの食酢は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
飲料中の酢酸酸度が、好ましくは0.05質量%以上1質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.15質量%以上0.5質量%以下である。酢酸酸度が上記数値範囲内にあることで、さっぱりとした味わいの飲料を得ることができる。
(他の原料)
本発明の飲料は、本発明の効果を損なわない範囲で他の原料が含まれてもよい。他の原料としては、食品用途に通常用いられている各種原料を適宜選択して配合することができる。他の原料としては、例えば、水、砂糖、粉糖、グラニュー糖、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖果糖液糖、果糖、水飴、はちみつ、スクラロース、トレハロース、ステビア、アスパルテーム、フェニルアラニン等の甘味料、果汁、塩、醤油等の調味料、クエン酸、乳酸等の酸材、ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンD等のビタミン類、タウリン、アラニン等のアミノ酸、香料が挙げられる。
<飲料の製造方法>
本発明の25℃での粘度が50mPa・s以下である飲料の製造方法は、下記の原料の混合工程と、下記の微細化処理工程とを含む。
(混合工程)
混合工程では、少なくとも乾燥酢酸菌と多糖類とを混合する工程である。当該工程では、食酢およびその他の原料を適宜混合してもよい。混合方法は、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。
(微細化処理工程)
微細化処理工程では、上記の混合工程で得られた混合液に微細化処理を施して、飲料中の酢酸菌の体積平均粒子径を0.1μm以上0.5μm未満に調節する工程である。微細化処理としては、高圧ホモジナイザーによる処理が好ましく用いられる。高圧ホモジナイザーの処理条件は、飲料中の酢酸菌の体積平均粒子径を所望の範囲内に調節できれば特に限定されないが、圧力は10~150mPaであることが好ましい。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容に限定して解釈されるものではない。
<乾燥酢酸菌の調製例>
エタノール4%、酵母エキス0.2%及び清水95.7%に酢酸菌(Gluconacetobacter hansenii)0.1%を添加し、品温30℃、通気量4L/minの条件で24時間培養を行った。得られた酢酸菌溶液に遠心濃縮処理を施した後、培地を清水で数回洗浄して流し、10%酢酸菌溶液を得た。次に、10%酢酸菌溶液に、入口品温170℃、出口品温65℃の噴霧乾燥処理を施し、乾燥酢酸菌(粉末)を調製した。なお、調製した乾燥酢酸菌(粉末)は死菌状態である。
得られた乾燥酢酸菌に水分を加えたサンプルについて、動的光散乱粒度分布計(マルバーン製、商品名:ゼータサイザーナノ)を用いて、品温25℃、3分後に測定した体積平均粒子径は1μmであった。
また、前記10%酢酸菌溶液中の酢酸菌の体積平均粒子径を同様の方法で測定した結果、酢酸菌の体積平均粒子径は1μmであった。
さらに、前記調製例とは別に、前記10%酢酸菌溶液に乾燥処理を施さず、飲料中での高圧ホモジナイザー処理のみを行ったサンプルを調製した。サンプルの体積平均粒子径を同様の方法で測定した結果、酢酸菌の体積平均粒子径は1μmであった。
<飲料の製造例>
[実施例1]
表1に記載の配合割合に準じ、飲料を製造した。具体的には、撹拌タンクに、黒酢、上記で調製した乾燥酢酸菌、大豆多糖類(不二製油株式会社製、商品名:ソヤファイブ-S-DN)、梅果汁、ぶどう糖果糖液糖、スクラロース、クエン酸、及び清水を投入した後に混合して、混合液を得た。続いて、当該混合液に高圧ホモジナイザーを用いて圧力20Mpa、1passの条件で微細化処理を施して、飲料を得た。
[比較例1]
大豆多糖類を添加せずに混合液を調製した後、高圧ホモジナイザーによる微細化処理を施さなかった以外は、実施例1と同様にして飲料を得た。
[実施例2]
高圧ホモジナイザーの圧力を200Mpaに変更した以外は、実施例1と同様にして飲料を得た。
[実施例3]
乾燥酢酸菌の配合量を0.001質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして飲料を得た。
[実施例4]
乾燥酢酸菌の配合量を0.05質量%に変更し、大豆多糖類の配合量を1質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして飲料を得た。
[実施例5]
乾燥酢酸菌の配合量を0.1質量%に変更し、大豆多糖類の配合量を1質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして飲料を得た。
[実施例6]
大豆多糖類の配合量を0.0012質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして飲料を得た。
[実施例7]
大豆多糖類の配合量を0.006質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして飲料を得た。
[実施例8]
大豆多糖類の配合量を0.5質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして飲料を得た。
[実施例9]
大豆多糖類の配合量を1.5質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして飲料を得た。
[実施例10]
大豆多糖類の代わりにペクチンを0.1質量%添加した以外は、実施例1と同様にして飲料を得た。
[実施例11]
大豆多糖類の代わりにペクチンを0.25質量%添加した以外は、実施例1と同様にして飲料を得た。
[実施例12]
大豆多糖類の代わりにペクチンを0.5質量%添加した以外は、実施例1と同様にして飲料を得た。
[実施例13]
表3に記載の配合割合に準じて、りんご酢、酢酸菌(乾燥粉末)、大豆多糖類(不二製油株式会社製、商品名:ソヤファイブ-S-DN)、りんご果汁、はちみつ、果糖ぶどう糖液糖、スクラロース、クエン酸、及び清水を投入した後に混合して、混合液を得た。続いて、当該混合液に実施例1と同様にして微細化処理を施して、飲料を得た。
[実施例14]
大豆多糖類の配合量を0.5質量%に変更した以外は、実施例13と同様にして飲料を得た。
[実施例15]
大豆多糖類の配合量を1質量%に変更した以外は、実施例13と同様にして飲料を得た。
[比較例2]
大豆多糖類を添加せずに混合液を調製した後、高圧ホモジナイザーによる微細化処理を施さなかった以外は、実施例13と同様にして飲料を得た。
<飲料中の酢酸菌の体積平均粒子径の測定>
上記で調製した飲料を純水で10倍希釈し、測定サンプルとした。測定サンプルについて、動的光散乱粒度分布計(マルバーン製、商品名:ゼータサイザーナノ)を用いて、酢酸菌の体積平均粒子径を測定した。測定結果を表1~3に示した。
<飲料の粘度の測定>
上記で調製した飲料の粘度を、B型粘度計を用いて、1気圧、品温25℃、回転数60rpmの条件で、Lアダプタを使用し、測定開始後ローターが2分間回転した時の示度により算出した。測定結果を表1~3に示した。
<飲料のpHの測定>
上記で調製した飲料のpHを、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF-72)を用いて、1気圧、品温20℃の条件で測定した。測定結果を表1~3に示した。
<飲料の官能評価>
複数の訓練されたパネルが、上記で調製した飲料を試飲し、飲料の果実風味について下記の基準に従って官能評価を行った。評価結果を表1~3に示した。下記の評価基準において「2」以上であれば、良好な結果である。
[評価基準]
3:飲料の果実風味が、口腔内で長く持続した。
2:飲料の果実風味が、口腔内で多少持続した。
1:飲料の果実風味が、口腔内で持続しなかった。
実施例1と実施例3の飲料の果実風味を比較した場合、実施例1の方が本発明の効果を奏し、より好ましかった。
実施例4と実施例5の飲料の果実風味を比較した場合、実施例4の方が本発明の効果を奏し、より好ましかった。

Claims (9)

  1. 少なくとも多糖類および乾燥酢酸菌を配合し、25℃での粘度が50mPa・s以下である飲料であって、
    前記飲料中の酢酸菌(但し、酢酸菌の粉砕物を除く。)の体積平均粒子径が0.10μm以上0.50μm未満であることを特徴とする、
    飲料。
  2. 少なくとも大豆多糖類および乾燥酢酸菌を配合し、25℃での粘度が50mPa・s以下である飲料であって、
    前記飲料中の酢酸菌の体積平均粒子径が0.10μm以上0.50μm未満であることを特徴とする、
    飲料。
  3. 前記乾燥酢酸菌の配合量が、前記飲料の総量に対して0.001%質量以上1%質量以下であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の飲料。
  4. 前記飲料のpHが4.0以下であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の飲料。
  5. 前記飲料が、食酢をさらに含むことを特徴とする、
    請求項1または2に記載の飲料。
  6. 前記飲料中の酢酸酸度が、0.05%質量以上1%質量以下であることを特徴とする、
    請求項5に記載の飲料。
  7. 前記飲料が、果実風味飲料であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の飲料。
  8. 25℃での粘度が50mPa・s以下である飲料の製造方法であって、
    少なくとも乾燥酢酸菌と多糖類とを混合する工程と、
    前記混合工程で得られた混合液に微細化処理を施す工程と、
    を含み、
    前記飲料中の酢酸菌(但し、酢酸菌の粉砕物を除く。)の体積平均粒子径が0.1μm以上0.5μm未満であることを特徴とする、
    飲料の製造方法。
  9. 25℃での粘度が50mPa・s以下である飲料の製造方法であって、
    少なくとも乾燥酢酸菌と大豆多糖類とを混合する工程と、
    前記混合工程で得られた混合液に微細化処理を施す工程と、
    を含み、
    前記飲料中の酢酸菌の体積平均粒子径が0.1μm以上0.5μm未満であることを特徴とする、
    飲料の製造方法。
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