以下、本発明の表示装置、及び、入力装置を適用した実施形態について説明する。以下において、同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略することがある。また、以下では構成が分かり易くなるように各部の厚さや長さを誇張して示す場合がある。
<実施形態>
図1は、実施形態の入力装置100を示す図である。図2は、実施形態の表示装置100Aを示す図である。以下では、XYZ座標系を定義して説明する。また、以下では、説明の便宜上、-Z方向側を下側又は下、+Z方向側を上側又は上と称す。また、平面視とはXY面視することをいう。
入力装置100は、基板110、複数のLED(Light Emitting Diode)120、ケース130、静電センサ140、透明板150、クッション160、遮光壁170S、及び表皮180を含む。入力装置100は、一例として実際にはX方向及びY方向にさらに長い構成を有してもよいが、図1にはX方向及びY方向における一部の区間の構成の一例を示す。
実施形態の表示装置100Aは、図2に示すように入力装置100から少なくとも静電センサ140を省いた構成を有し、少なくとも基板110、LED120、透明板150、クッション160、遮光壁170S、及び表皮180を含む。このため、図1ではLED120、透明板150、クッション160、遮光壁170S、及び表皮180には括弧書きで符号100Aを記す。図2に示す表示装置100Aは、図1に示す入力装置100からケース130と静電センサ140とを省いた構成を有するが、表示装置100Aは、ケース130を含んでもよい。
以下では、図1及び図2に加えて図3乃至図7を用いて入力装置100について説明する。図3は、入力装置100を部分的に分解して示す図である。図4は、基板110、LED120、ケース130、静電センサ140、透明板150、クッション160、遮光壁170S、及び表皮180を分解して示す図である。図5は、図1におけるA-A矢視断面を示す図である。図6及び図7は、利用者が入力装置100を操作している状態の一例を示す図である。図6及び図7には図5の断面の一部分を拡大して示す。
入力装置100は、クッション160、遮光壁170S、及び表皮180が柔軟性を有する。柔軟性とは、ある程度の柔らかさを有していて変形可能であることであり、例えば、利用者が図6に示すように指先FTで表皮180に触れている状態から、図7に示すように表皮180を下方向に押圧すると、クッション160、遮光壁170S、及び表皮180が変形する程度の柔らかさを有することをいう。なお、入力装置100は、遮光壁170Sとは別に、硬度の高い遮光壁を含んでも良い。硬度の高い遮光壁については図10を用いて後述する。
基板110は、一例として配線基板である。基板110の上面には複数のLED120が実装される。また、基板110の上面は、ケース130の下面と接している。基板110とケース130は、接着又はネジ留め等によって固定される。基板110としては、一例としてFR4(Flame Retardant type 4)規格の配線基板を用いることができる。
複数のLED120は、基板110の上面に実装されている。基板110の上面に実装されている複数のLED120は、クッション160の下面側に設けられている。クッション160の下面側は、柔軟性部材の第1面側の一例である。複数のLED120は、基板110の図示しない配線等を介して各LED120のオン(点灯)、オフ(消灯)を制御する制御部に接続されている。制御部は、入力装置100の外部にあってもよいし、内部にあってもよい。複数のLED120は、基板110の上面に実装された状態で、ケース130の複数の貫通孔131の内部にそれぞれ収容される。
入力装置100が含む複数のLED120は、図5に示す2つのLED120A、120Bを含む。LED120A、120Bは、ケース130の複数の貫通孔131のうちの貫通孔131A、131Bの内部にそれぞれ設けられる。入力装置100が含む複数のLED120のうちのLED120A、120Bは、複数の第1光源の一例である。以下においてLED120と記す場合は、LED120A、120Bのように個別に区別しない場合である。
入力装置100は、複数のLED120がそれぞれ出力する複数の光の光路を区切る構成を有する。このため、LED120A、120Bがそれぞれ出力する光の光路121A、121Bは区切られ、交わらない。光路121Aは、LED120Aと後述するマスク184の開口部184Aとを結ぶ光路である。光路121Bは、LED120Bと後述するマスク184の開口部184Bとを結ぶ光路である。
ケース130は、基台の一例であり、筐体であってもよい。ケース130は、基板110の上に固定される。このため、ケース130は基板110と静電センサ140との間に設けられる。換言すれば、ケース130は、静電センサ140の透明板150が設けられる側とは反対側に設けられる。ケース130は、一例として樹脂製であり、光を透過しない。すなわち、ケース130は遮光性を有する。ケース130は、Z方向に貫通する複数の貫通孔131を有する。図5には複数の貫通孔131のうちの2つの貫通孔131A、131Bを示す。ケース130は、貫通孔131A、131Bの間に設けられる壁部135Aを有する。入力装置100が含む複数の貫通孔131のうちの2つの貫通孔131A、131Bは、複数の第1貫通孔の一例である。壁部135Aは第1壁部の一例である。貫通孔131A、131Bの内部には、LED120A、120Bがそれぞれ収容される。以下において貫通孔131と記す場合は、貫通孔131A、131Bのように個別に区別しない場合である。ケース130の下面には基板110が固定され、複数の貫通孔131内には複数のLED120がそれぞれ収容される。
静電センサ140は、容量検出電極の一例である。静電センサ140は、ケース130の上面に設けられる。換言すれば、静電センサ140は、透明板150のクッション160を保持する側とは反対側に設けられる。静電センサ140は、透光性を有するため、一例としてITO(Indium Tin Oxide)のような透明電極を含むセンサであればよい。ここでは一例として、静電センサ140はITO製の透明電極を含む自己容量式のタッチパネルである。このような静電センサ140は、一例として平面視で透明板150及びクッション160と略同一のサイズ(X方向及びY方向の長さ)を有する。
静電センサ140とケース130は、一例としてネジ留め等によって固定される。静電センサ140は、静電センサ140よりも上側の領域における生体の近接を検出する。より具体的には、静電センサ140は、表皮180への操作を検出する。近接とは、生体が表皮180に触れること、又は、表皮180に触れずにある程度近づくことをいう。静電センサ140は、生体が表皮180に近接する位置を検出可能である。ここでは一例として生体が人間の指先FT(図6、図7参照)である形態について説明する。
透明板150は、透明板状部材の一例である。透明板150は、透光性を有する部材で作製されていればよく、一例として透明な樹脂製である。透明板150は、静電センサ140の上側に設けられる。透明板150と静電センサ140との間にはZ方向の間隔が一定の隙間が設けられている。この隙間については後述する。透明板150のX方向及びY方向のサイズは、基板110、ケース130、及び静電センサ140と略等しい。また、透明板150のZ方向の厚さは一定である。なお、透明板150は無色透明であっても着色された透明であってもよいが、ここでは無色透明である形態について説明する。透明板150は、上面側から形成された溝151を有する。溝151には遮光壁170Sの下端側の一部が収容され、接着剤171によって接着されて固定される。遮光壁170Sの下端は、第1遮光壁の第1光源側の端部の一例である。遮光壁170Sの下端側の一部を収容する溝151は、第1溝の一例である。接着剤171は、一例として遮光性を有する接着剤である。なお、接着剤以外のもので遮光壁170Sの下端を溝151内で透明板150に固着してもよい。また、接着剤171は遮光性を有していなくてもよい。
溝151のXY平面での位置は、遮光壁170Sが設けられる位置に合わせられている。溝151には遮光壁170Sの下端が入るからである。また、溝151のXY平面での位置は、ケース130の壁部135Aが設けられる位置に合わせられている。光路121A、121Bは、遮光壁170Sと壁部135Aとによって区切られるからである。
溝151のX方向の幅は、遮光壁170SのY方向の幅(厚さ)よりも広く、溝151のY方向の長さは、遮光壁170SのY方向の長さと略等しい。ここではXY平面においてY方向に延在する遮光壁170Sを示すが、遮光壁170SはXY平面で様々な方向に延在しうる。このため、溝151のXY平面における幅と長さは、遮光壁170SのXY平面における幅と長さに応じて決めればよい。
また、溝151の深さとは、透明板150の上面から溝151の底面までのZ方向の長さである。溝151Bの深さは、溝151の底面が遮光壁170Sの下端よりも下方に位置するように、かつ、遮光壁170Sの下端を溝151の底面上に滴下される接着剤で接着できる深さであればよい。
透明板150の上面にはクッション160が固定される。一例として、透明板150の上面とクッション160の下面とは接着される。透明板150は、クッション160を保持しており、クッション160を補強する補強板としての役割を有する。換言すれば、透明板150は、クッション160を支える土台としての役割を有する。なお、透明板150のZ方向の厚さは、一例として1mmから3mm程度である。
クッション160は、透光性を有する柔軟性部材の一例である。すなわち、クッション160は、透光性及び柔軟性を有する。クッション160は、透光性を有するため、LED120が発光する光を表皮180に導く導光体として機能する。また、クッション160は、柔軟性を有するため、図7に示すように下方に押圧されると変形可能である。クッション160の下面は第1面の一例であり、上面は第2面の一例である。
クッション160としては、一例として透光性を有する不織布を用いることができる。クッション160のZ方向の厚さは一定である。クッション160として不織布を用いる場合には、一例として繊維を縦方向(Z方向)に配向させた不織布を用いることが好ましい。縦配向の不織布は、縦方向に押圧されると大きな反発力を発揮する。クッション160は縦方向における下向きに押圧されるため、縦配向の不織布をクッション160として用いると、指先FTに反発力を提供でき、良好な触感を提供できるからである。また、繊維を縦方向に配向させた不織布は、縦方向に光を導くのに好都合である。
クッション160にはスリット161が形成され、スリット161の内部には遮光壁170Sが設けられる。遮光壁170Sを収容するスリット161は、第1スリットの一例である。スリット161は、YZ平面に平行に形成されており、クッション160をZ方向に貫通している。また、スリット161のX方向の幅及びY方向の長さは、遮光壁170SのX方向の厚さ及びY方向の長さとそれぞれ略同一である。スリット161は遮光壁170Sを収容した状態で遮光壁170Sとの間に隙間が生じないように、遮光壁170SのX方向及びY方向の寸法に合わせて形成されている。なお、クッション160のZ方向の厚さは、一例として3mmから7mm程度である。また、図1乃至図4には入力装置100及び表示装置100Aの全体のうちのX方向及びY方向における一部分を示すため、クッション160についてもX方向及びY方向における一部分を示しており、特にY方向についてはスリット161が存在する部分のみを示している。このため、図1乃至図4では、X方向においてスリット161がクッション160を2つに分断しているように示す。しかしながら、クッション160の全体のY方向の長さは図1乃至図4に示す一部分の長さよりも長く、スリット161のY方向の長さよりも長いため、スリット161の+Y方向側及び-Y方向側のうちの少なくとも一方では、スリット161の端部において、スリット161のX方向における両側に位置するクッション160が合わさっている。
遮光壁170Sは、第1遮光壁の一例であり、遮光性及び柔軟性を有する布である。布は、織物に限らず不織布を含む。遮光壁170の遮光性は、一例として遮光壁170Sの一方側の光を他方側に透過しないレベルであればよく、より具体的には、一例として一方側の光の他方側への透過を人間が目視で確認できないレベルであればよい。遮光壁170Sは、一例として黒色である。なお、遮光壁170Sの下端を溝151内で接着する接着剤171も同等の遮光性を有していれば、より高い遮光性が得られ、光路121A、121Bの間をより確実に区切ることができる。
遮光壁170Sは、ケース130の壁部135Aとともに、光路121A、121Bの間を光学的に区切る。このため、遮光壁170SのXY平面における位置は、各LEDの間を区切る壁部135Aの位置と、XY面視において合わせられている。より具体的には、光路121A、121Bの内部を伝搬する光は下側から上側に向かうため、光の伝搬方向において遮光壁170Sは壁部135Aよりも下流側に位置する。壁部135Aの両側にある貫通孔131A、131B内を上方向に伝搬する光を効率的にマスク184の開口部184A、184Bに導くには、平面視で貫通孔131A、131Bの内部に遮光壁170S及び接着剤171が位置しなければよい。このため、遮光壁170S及び接着剤171は、平面視で壁部135Aが位置する領域内に配置されている。また、平面視における接着剤171の位置は、透明板150の溝151の位置によって決まるため、平面視で壁部135Aが位置する領域内に溝151を配置すればよい。
また、遮光壁170Sは、マスク184の開口部184A、184Bに通じる光路121A、121Bを光学的に区切るため、マスク184の開口部184A、184Bの間の部分と平面視で重なる位置に配置される。平面視における接着剤171の位置は、透明板150の溝151の位置によって決まるため、平面視で開口部184A、184Bの間の部分が位置する領域内に溝151を配置すればよい。
また、遮光壁170Sは、Z方向においては、透明板150の溝151の底部から、クッション160のスリット161の上端まで延在している。遮光壁170Sの下端は、溝151の底面に接するか、又は接していなくてもよい。遮光壁170Sの上端は、クッション160の上面と略面一である。遮光壁170Sは、少なくとも一部(ここではスリット161の内部にある部分)がクッション160の内部に設けられ、クッション160の内部をクッション160のZ方向上端から下端に亘って延在している。換言すれば、遮光壁170Sは、少なくとも一部がスリット161の内部に設けられている。
また、遮光壁170Sの柔軟性は、クッション160の柔軟性と同一、又は、クッション160の柔軟性よりも高ければよい。遮光壁170Sの柔軟性がクッション160の柔軟性よりも高いことは、遮光壁170Sの方がクッション160よりも柔らかいことを意味する。遮光壁170Sがこのような柔軟性を有するのは、図6に示すように利用者が指先FTで表皮180に触れたときに、遮光壁170Sが存在することに気付かないようにするためである。また、図7に示すように利用者が表皮180を下方向に押圧してクッション160とともに遮光壁170Sが変形したときに、クッション160の中に硬いものが含まれているときのような違和感を与えないようにするためである。
遮光壁170Sは、図7に示すようにクッション160とともに変形可能である。遮光壁170Sは折れ曲がるように変形する。このように遮光壁170Sが変形することは実験で確認済みである。また、遮光壁170Sはスリット161の内壁との摩擦によって位置ずれが生じないため、利用者が指先FTを表皮180から離すと、クッション160、遮光壁170S、表皮180は、図6に示すように元の状態に復帰する。
また、このような遮光壁170Sは、クッション160のスリット161内に挟まれているだけで、接着はされていない。遮光壁170Sの接着は、クッション160よりも下に位置する透明板150の溝151の底部において接着剤171によって行われている。接着剤171が硬化した状態における接着剤171の硬度は、遮光壁170S及びクッション160の硬度よりも高いため、クッション160の表面付近に接着剤171が存在すると、利用者がクッション160に触れたときにクッション160の中に硬いものがあるという違和感を与える可能性がある。このため、ここでは一例として、接着剤171による遮光壁170Sの固定は、クッション160よりも下側に位置する透明板150の溝151の底部で行い、遮光壁170Sとクッション160のスリット161の内壁とは接着していない。遮光壁170Sは、変形を繰り返しても、スリット161の内壁との摩擦によって位置ずれが生じない程度にスリット161の内壁によって保持されている。
ここでは、遮光壁170SがX方向の幅(厚さ)とY方向の長さとZ方向の長さとを有する形態について説明する。これらのうち、遮光壁170SのX方向の幅(厚さ)は、遮光壁170Sとして用いる布の厚さである。また、遮光壁170SのY方向の長さは、マスク184の開口部184A、184BのY方向のサイズや、開口部184AにY方向において隣接する開口部(図示せず)との位置関係等によって決まる。なお、マスク184は、開口部184A、184B以外にも開口部を有し、開口部184A、184Bを含むマスク184の複数の開口部は、XY平面において様々な位置に分布している。このため、遮光壁170Sは、XY平面において様々な方向に長さを有しうる。
また、遮光壁170SのZ方向の長さは、次のように決めればよい。図5に示す遮光壁170Sは、XZ平面では、LED120A、120Bの光路121A、121Bを光学的に区切っている。ここで、LED120Aの-X方向側の端部と、壁部135Aの上端と、マスク184の開口部184Bの+X方向側の端部とを結ぶ矢印A上に遮光壁170Sが位置するとともに、LED120Bの+X方向側の端部と、壁部135Aの上端と、マスク184の開口部184Aの+X方向側の端部とを結ぶ矢印B上に遮光壁170Sが位置すれば、遮光壁170Sは光路121A、121Bを光学的に区切ることができる。
矢印A、Bは、遮光壁170Sが存在しない場合に、LED120A、120Bから出力され、壁部135Aによって遮光されない光がそれぞれ開口部184B、184Aに入りうる光路のうちで、静電センサ140、透明板150、又はクッション160の内部の最も低い位置を通る光路に相当する。したがって、遮光壁170SのZ方向の長さは、遮光壁170Sがこのような光路を遮断できるように設定すればよい。また、遮光壁170SのZ方向の長さは、製造誤差等を考慮して余裕を持たせておけばよい。また、遮光壁170Sの下端を溝151の底面に固定する接着剤171は遮光壁170Sと同等の遮光性を有するので、矢印A、Bで示す光路上に遮光壁170S及び接着剤171の両方が位置するようにすれば、光路121A、121Bをより効果的に光学的に区切ることができる。なお、ケース130は、貫通孔131A、131B内で光の反射を抑制するために、光を吸収しやすい構成であることが望ましく、例えば黒色の樹脂で作製したもの、又は、貫通孔131A、131Bの内表面を黒色に塗装したものであってもよい。
また、ここでは第1遮光壁としての遮光壁170Sが遮光性及び柔軟性を有する布である形態について説明する。遮光壁170Sは、利用者が指先FTで表皮180に触れても遮光壁170Sの存在に気付かないようにするために、柔軟性を有する。しかしながら、利用者が指先FTで表皮180に触れたときに第1遮光壁としての遮光壁の存在に気付かせる構成にしてもよい。このような場合には、図10を用いて後述する遮光壁170Hのように、柔軟性を有する遮光壁170Sの硬度よりも高い硬度を有する遮光壁を第1遮光壁として用いればよい。また、第1遮光壁が、柔軟性を有する遮光壁170Sによって構成される部分と、高い硬度を有する遮光壁によって構成される部分との両方を含む構成にしてもよい。
表皮180は、基部181、凹凸部182、加飾印刷部183、及びマスク184を有する。図1乃至図4では表皮180を簡略化して示す。図5乃至図7には、基部181、凹凸部182、加飾印刷部183、及びマスク184を示す。表皮180は、ケース130より上側で入力装置100の外表面に位置する部材である。表皮180は、図1乃至図3に示すように、遮光壁170Sが設けられたクッション160の上面及び側面と、透明板150の側面とを覆い、透明板150の下面にまで延在している。表皮180は、図1乃至図3に示すように透明板150、クッション160、遮光壁170Sを覆った状態で、透明板150の側面と下面の端部とに接着される。このようにして表皮180が透明板150、クッション160、遮光壁170Sに対して取り付けられるため、表皮180とクッション160との間は、接着されていない。
表皮180のうちクッション160の上に位置する部分は、入力装置100の利用者が操作を行う部分である。また、クッション160の上端のうちの+X方向側及び-X方向側の端部は、表皮180に覆われることによってXZ断面視で円弧状に撓んでいる。このように表皮180で透明板150、クッション160、遮光壁170Sを覆った状態で、透明板150、クッション160、遮光壁170S、及び表皮180は、静電センサ140の上側に固定される。このときに、静電センサ140と透明板150との間に表皮180の端部が挟まれるため、静電センサ140と透明板150との間にはZ方向の隙間が生じる。なお、このような隙間が生じないように構成してもよい。
基部181は、表皮180のベースになる透明なシート状の部材であり、柔軟性を有する。基部181の外表面には凹凸部182が設けられている。凹凸部182は、基部181の外表面側の一部であってもよいし、基部181の外表面側に貼り付けられる透明なシート状の部材であってもよい。凹凸部182は、凹部182Aを有する。凹凸部182は、凹部182Aが設けられていない部分が凹部182Aに対して相対的に突出するので、外表面に凹凸を有する。このような凹凸部182は、一例として表皮180に皮革のような外観及び手触り感を与えるために設けられている。
加飾印刷部183は、透明な基部181及び凹凸部182に色や模様等の加飾を施すために印刷された印刷層である。一例として表皮180に皮革のような色や模様等を与えるために設けられている。加飾印刷部183は、透光性を有する。
マスク184は、複数の開口部を有する。図5に示す開口部184A、184Bは、マスク184が有する複数の開口部のうちの2つである。開口部184A、184Bは、第1透過領域の一例である。
マスク184は、開口部184A、184Bを含む複数の開口部を透過する光に様々なシンボルの形状を付与する。LED120A、120Bから出力され、光路121A、121Bを伝搬する光は、開口部184A、184Bを透過してシンボルの形状を表す光になり、さらに基部181、凹凸部182、及び加飾印刷部183を透過する。このため、表皮180の表面には、シンボルの形状を表す光によって様々なシンボルが表示される。換言すれば、表皮180の表面には、シンボルの形状を表す光によって様々なシンボルが照光される。図1乃至図3には、表皮180の表面に照光される複数のシンボルの一例としてシンボル185A、185Bを示す。以下では、シンボル185A、185Bを特に区別しない場合には単にシンボル185と称す。
ここで、シンボルとは、例えば所定の意味を持つ文字、数字、記号、線図、マーク等であり、ここでは入力装置100の複数の操作部の機能や種類等を表す。開口部184A、184Bは、マスク184がシンボル185A、185Bの形状に抜かれた部分である。このため、マスク184はポジティブ型の像を形成するフォトマスクである。なお、マスク184は、ポジティブ型の像を形成するフォトマスクに限られず、ネガティブ型の像を形成するフォトマスクであってもよい。
以上のような入力装置100では、LED120A、120Bをオンにすると、図1に示すように表皮180の表面にシンボル185A、185Bが照光される。一例として、図6は、シンボル185Aを選択した利用者が表皮180の表面のうちのシンボル185Aが表示されている部分に触れた状態を示す。図7は、シンボル185Aが表示されている部分を利用者が押し込んだ状態を示す。このときに静電センサ140は静電容量の変化によって、平面視でシンボル185Aが表示される位置に操作が行われたことを検出する。これによってシンボル185Aへの操作が受け付けられる。
図8は、クッション160、遮光壁170S、及び表皮180の組み立て作業工程の一例を示す図である。図8には上から下にかけて工程1から工程4を示す。工程1では、作業台10の上にクッション160が置かれており、抜型11の刃11Aをクッション160に突き刺し、スリット161を形成する。このような抜型11の刃11Aは、スリット161の幅を実現できるように構成されていればよい。また、抜型11をY方向に移動させてスリット161のY方向の長さを調整してもよい。
工程2では、スリット161が形成されたクッション160を透明板150の上に接着する。このときに、透明板150の溝151の底面に接着剤171を滴下しておく。治具20のバー21の下端に遮光壁170Sの下端を引っかけた状態でスリット161の上側から内部に挿入し、遮光壁170Sの下端が溝151の底面に到達するまでスリット161の中に遮光壁170Sを押し込む。
遮光壁170Sの下端が接着剤171によって溝151の底部に固定されたら、治具20を引き抜く。これにより、工程3のようにスリット161の内部に遮光壁170Sが取り付けられた状態が得られる。
最後に、工程4では、表皮180を透明板150、クッション160、遮光壁170Sの上に被せ、表皮180の端部を透明板150の側面と下面の端部とに接着剤155で接着する。このときにクッション160の上端のうちの-X方向側の端部は、表皮180に覆われることによってXZ断面視で円弧状に撓む。以上の工程1~4によって、クッション160、遮光壁170S、及び表皮180を組み立てることができる。
ここで、遮光壁170Sは下端のみが溝151の底部に接着剤171によって固定されている。スリット161の内壁と遮光壁170Sとは密着しているため、図7に示すように表皮180が下方向に押圧されてクッション160と遮光壁170Sが変形しても、クッション160と遮光壁170Sの位置ずれは生じない。
しかしながら、次のようにして、スリット161の内壁と遮光壁170Sとを接着してもよい。例えば、工程2において治具20で遮光壁170Sをスリット161の内部に入れるときに遮光壁170Sの表面(YZ平面に平行な表面)に少量の接着剤を塗っておき、遮光壁170Sをスリット161に入れながらスリット161の内壁に接着剤を塗布する。このときにスリット161の一番上の部分には接着剤がつかないようにしておけば、遮光壁170Sの表面のうちの上端以外の部分に接着剤を塗布することができ、遮光壁170Sの表面のうちの上端以外の部分とスリット161の内壁とを接着することができる。また、遮光壁170Sの表面のうちの上端には接着剤が付着していないため、クッション160の表面側に接着剤で固定された部分は存在せず、クッション160のうちの遮光壁170Sが位置する部分の上を触っても、利用者が違和感を与えないようにすることができる。このように遮光壁170Sとスリット161の内壁とを接着すれば、クッション160と遮光壁170Sとの位置ずれをより効果的に抑制することができる。
また、上述のように遮光壁170Sの表面に接着剤を塗布する代わりに、工程2において治具20で遮光壁170Sをスリット161の内部に入れるときに、遮光壁170Sが溝151の底部に達するまで治具20を押し下げて遮光壁170Sの表面に接着剤171を塗布する。このときに、遮光壁170Sの上端側の表面には接着剤171が付着しないようにする。そして、治具20を引き上げて遮光壁170Sをスリット161の上端まで引き戻せば、遮光壁170Sの表面のうち上端を除いた部分とスリット161の内壁とを接着することができる。
図9は、実施形態の第1変形例による入力装置100M1の断面構造を示す図である。入力装置100M1は、図1乃至図7に示す入力装置100の遮光壁170Sを遮光壁170SA、170SBに取り替えたものである。遮光壁170SA、170SBは二重壁を構成する。遮光壁170SAは第1遮光壁の一例であり、遮光壁170SBは第3遮光壁の一例である。
入力装置100M1の透明板150は、光路121A、121Bの間に2つの溝151A、151Bを有する。溝151Aは第1溝の一例であり、溝151Bは第3溝の一例である。溝151A、151Bは、ともに平面視で壁部135Aが位置する領域内に配置されるとともに、開口部184A、184Bの間の部分が位置する領域内に配置されている。光路121A、121Bを確保するためである。
また、入力装置100M1のクッション160は、光路121A、121Bの間に2つのスリット161A、161Bを有する。スリット161A、161Bの平面視における位置は、溝151A、151Bとそれぞれ合わせられている。スリット161Aは、第1スリットの一例であり、スリット161Bは、第3スリットの一例である。
遮光壁170SA、170SBは、それぞれ、スリット161A、161Bの内部に組み込まれており、遮光壁170SA、170SBの下端は、溝151A、151Bの内部にそれぞれ挿入されて接着剤171によって固定されている。このため、遮光壁170SAは、少なくとも一部(ここではスリット161Aの内部にある部分)がクッション160の内部に設けられる。換言すれば、遮光壁170SAは、少なくとも一部がスリット161Aの内部に設けられる。また、遮光壁170SBは、少なくとも一部(ここではスリット161Bの内部にある部分)がクッション160の内部に設けられる。換言すれば、遮光壁170SBは、少なくとも一部がスリット161Bの内部に設けられる。また、遮光壁170SA、170SBは、平面視でケース130の貫通孔131A、131Bの間に設けられる壁部135Aが位置する領域内に配置される。
例えば、1枚の遮光壁170Sだけでは十分な遮光性が得られないような場合には、遮光壁170SA、170SBによって構築される二重壁を設ければよい。このような二重壁を構築する遮光壁170SA、170SBを用いれば、光路121A、121Bの間をより効果的に光学的に区切ることができる。
なお、2枚の遮光壁170SA、170SBが接触するほど近くに位置すると、利用者の指先FTがクッション160のうちの2枚の遮光壁170SA、170SBの上の部分に触れたときに硬いものがあるという違和感を与えるおそれがあるため、2枚の遮光壁170SA、170SBの間にはある程度の間隔を設けておくことが望ましい。遮光壁170SA、170SB及びクッション160の全体での密度を小さく抑え、クッション160の柔らかさを保持するためである。また、2つのスリット161A、161Bの間の部分におけるクッション160の強度を確保するためである。一例として、2枚の遮光壁170SA、170SBの間隔は、少なくとも3mm以上である。遮光壁170SA、170SBの間隔は、例えば、LED120A、120Bの発光強度等に応じて設定すればよい。また、このように2枚の遮光壁170SA、170SBの間にある程度の間隔を設けるため、2枚の遮光壁170SA、170SBは、互いに別々のスリット161A、161Bの内部に設けることが好ましい。また、遮光壁170SA,170SBの間隔によっては、溝151A、151Bを形成せず、双方を許容する一つの大きい溝を形成し、この溝に遮光壁170SA,170SBを収容するようにしても良い。
また、ここでは二重壁について説明するが、三重以上の遮光壁を設けてもよい。すなわち、遮光壁は二重以上であってよい。この場合に遮光壁の数は、120A、120Bの発光強度等に応じて設定すればよい。
次に、図10を用いて、第2遮光壁の一例である遮光壁170Hについて説明する。図10は、入力装置100のうちの遮光壁170Hを含む部分の断面構造を示す図である。
入力装置100は、遮光壁170Hを含む。また、図10には、複数のLED120のうちのLED120C、120Dと、ケース130が有する複数の貫通孔131のうちの貫通孔131C、131Dと、ケース130が有する壁部135Bと、透明板150が有する貫通孔152と、クッション160が有するスリット162と、マスク184が有する複数の開口部のうちの開口部184C、184Dとを示す。
入力装置100が含む複数のLED120のうちのLED120C、120Dは、複数の第2光源の一例である。以下においてLED120と記す場合は、LED120C、120D及び図5に示すLED120A、120Bのように個別に区別しない場合である。
複数の貫通孔131のうちの貫通孔131C、131Dは、複数の第2貫通孔の一例である。ケース130が有する壁部135Bは、貫通孔131C、131Dの間に位置する壁部であり、第2壁部の一例である。透明板150が有する貫通孔152は、透明板状部材に設けられた貫通孔の一例である。クッション160が有するスリット162は、第2スリットの一例である。マスク184が有する複数の開口部のうちの開口部184C、184Dは、複数の第2透過領域の一例である。
LED120C、120Dが出力する光の光路121C、121Dは、貫通孔131C、131D、透明板150、及びクッション160の内部を通ってマスク184の開口部184C、184Dに到達している。光路121C、121Dは、壁部135Bと遮光壁170Hとによって光学的に区切られている。光路121C、121Dは、第2光路の一例である。
遮光壁170Hは、遮光性とある程度の硬度とを有し、光路121C、121Dを区切る。遮光壁170Hの遮光性は、遮光壁170Sと同等であればよく、光路121C、121Dを光学的に区切ることができればよい。遮光壁170Hは、一例として黒色である。遮光壁170Hは、ある程度の硬度を有すれば、どのような材質で作製してもよいが、ここでは一例として樹脂製である形態について説明する。
遮光壁170Hの硬度は、図5に示す遮光壁170Sの硬度よりも高い。換言すれば、遮光壁170Hは、遮光壁170Sよりも硬い。遮光壁170Hの硬度は、上端を指先FTでなぞっても変形しない程度の硬さを表す硬度であればよい。
遮光壁170Hは、透明板150の貫通孔152とクッション160のスリット162との中に配置され、静電センサ140と表皮180との間に延在している。すなわち、遮光壁170Hは、少なくとも一部(ここではスリット162の内部にある部分)がクッション160の内部に設けられている。換言すれば、遮光壁170Hは、少なくとも一部がスリット162の内部に設けられている。
光路121C、121Dの内部を伝搬する光は下側から上側に向かうため、光の伝搬方向において遮光壁170Hは壁部135Bよりも下流側に位置する。壁部135Bの両側にある貫通孔131C、131D内を上方向に伝搬する光を効率的にマスク184の開口部184C、184Dに導くには、平面視で貫通孔131C、131Dの内部に遮光壁170Hが位置しなければよい。このため、遮光壁170Hは、平面視で壁部135Bが位置する領域内に配置されている。また、遮光壁170Hは、マスク184の開口部184C、184Dに通じる光路121C、121Dを光学的に区切るため、マスク184の開口部184C、184Dの間の部分と平面視で重なる位置に配置される。
貫通孔152及びスリット162の平面視におけるサイズ(X方向の幅とY方向の長さ)は、遮光壁170Hの平面視におけるサイズ(X方向の幅とY方向の長さ)に合わせてあり、遮光壁170Hが隙間なく収まるように構成されている。また、遮光壁170HのZ方向の長さは、一例として透明板150の下面からクッション160の上面までの距離と等しければよい。遮光壁170HのZ方向の長さ(高さ)は、Y方向において一定である。遮光壁170Hの上端は、スリット162に挿通された状態でクッション160の上面と面一になる。換言すれば、遮光壁170Hの上端は、スリット162に挿通された状態でクッション160の上面に露出する。静電センサ140の上面からマスク184の下面までの区間において、光路121C、121Dを光学的に区切るためである。
このような遮光壁170Hは、一例として二色成形によって透明板150と一体的に形成される。すなわち、一例として透明板150を成形する際に貫通孔152を形成しておき、二色成形によって貫通孔152の内部に延在するとともに、透明板150の上面から突出する遮光壁170Hを形成すればよい。また、これとは逆に、遮光壁170Hを形成しておいてから、遮光壁170Hの周囲に形成される貫通孔152を有する透明板150を二色成形で形成し、遮光壁170Hが貫通孔152の内部に一体的に設けられた構成を作製してもよい。遮光壁170Hが透明板150の上面から突出する区間のZ方向の長さは、クッション160のZ方向の厚さに揃えればよい。遮光壁170Hの上端は、スリット162に挿通された状態でクッション160の上面と面一になる。
このような遮光壁170Hは、表皮180の表面からは見えないが、一例として利用者が表皮180の表面を指先でなぞったときに硬い凸部に触った感触を与えるために設けられている。例えば、図10に示すようにY方向に延在する遮光壁170Hであれば、Y方向に沿って利用者の指先を案内するガイドとして利用することができる。また、例えば図5に示す遮光壁170Sと組み合わせて用いれば、遮光壁170Sがある領域は様々なシンボル185が表示される領域であって、遮光壁170Hがその領域の外端部であることを触感で知らせるためのガイドとして利用することもできる。
なお、図10では遮光壁170Hが透明板150と二色成形によって一体的に設けられる形態について説明したが、遮光壁170Hは透明板150と一体的ではなくてもよい。例えば、貫通孔152を有する透明板150と、遮光壁170Hとを別々に作製し、貫通孔152に遮光壁170Hを挿入して接着剤等で固定してもよい。この場合に接着剤は、図5に示す接着剤171と同様に遮光性を有するものであってもよい。また、貫通孔152の代わりに図5の溝151と同様の溝に遮光壁170Hの下端を差し込んで接着してもよい。このように貫通孔152の代わりに用いる溝は、第2溝の一例である。遮光壁170Hの下端側は、第2遮光壁(遮光壁170H)の第1光源(LED120A)側の端部の一例である。図10にはLED120Aを示さないが、LED120AはLED120C、120Dと同一面(基板110の上面)上にあるので、遮光壁170Hの下端側は、遮光壁170HのLED120A側の端部である。
また、遮光壁170Hは、図5に示す遮光壁170Sとともに複数の第1光路を区切るように設けてもよい。この場合は、第1光路の周りにおける遮光壁170Hの位置で硬い凸部に触った感触を利用者に与えることができる。
図11は、実施形態の第2変形例の入力装置100M2の断面構造を示す図である。入力装置100M2は、図10に示す入力装置100の遮光壁170Hを遮光壁170MHに取り替えたものである。遮光壁170MHは、第2遮光壁の一例である。ここでは図10に示す入力装置100との相違点について説明する。
入力装置100M2は、遮光壁170MHを含むことにより、図10に示すケース130、静電センサ140、及びクッション160をケース130M、静電センサ140M、及びクッション160Mにそれぞれ置き換えた構成を有する。
遮光壁170MHは、ケース130Mの貫通孔131C、131Dの間の壁部135Bの上端を上方に延長した部分である。このため、遮光壁170MHは、ケース130Mの一部であり一体的に成形される。遮光壁170MHを含むケース130Mは、図5に示すケース130と同様に遮光性を有する。
静電センサ140Mは、遮光壁170MHに対応する位置に貫通孔141Mを有する。このような貫通孔141Mを有する静電センサ140Mは、一例としてタッチパネルで実現される静電センサ140(図5参照)とは構成が異なり、一例として1又は複数のシンボルについて1つずつ設けられる透明電極によって実現される。入力装置100M2は、静電センサ140Mを用いて、指先の表皮180への近接を検出する。静電センサ140Mは、一例としてガラス板や透明樹脂製のシート等の表面に形成したITO膜を1又は複数のシンボルが表示される位置に対応して分割した構成を有する。
クッション160Mは、スリット162Mを有する。クッション160Mは柔軟性部材の一例であり、スリット162Mは第2スリットの一例である。入力装置100M2では、遮光壁170MHの上端は、クッション160Mの上面よりも下方にオフセットしている。換言すれば、遮光壁170MHの上端は、クッション160Mの上面よりも下面側にオフセットしている。このため、遮光壁170MHの上端と表皮180との間には間隔が設けられる。遮光壁170MHの上端は、遮光壁170MHの第2面側の端部の一例である。
スリット162Mに下方側から遮光壁170MHを挿入すると、スリット162Mのうちの遮光壁170MHの上端より上側は遮光壁170MHが存在しない。利用者が指先FTで表皮180に触れてスリット162Mの上側を触れたときに、スリット162M以外の部分と感触の差が知覚できない程度であることが好ましい。このため、スリット162Mのうちの遮光壁170MHの上端より上側は、一例として、スリット162Mが閉じているに等しい状態になるようにすればよい。
このような状態を実現するためには、例えば、スリット162MのX方向の幅を図5に示すスリット161よりも狭くすればよい。また、遮光壁170MHのXZ平面での断面形状は、図11に示すように、下端側から上端側にかけて幅が狭くなるように楔形であってもよい。遮光壁170MHは、一例としてY方向に延在しているため、遮光壁170MHの延在方向はY方向である。遮光壁170MHのXZ平面に平行な断面は、延在方向であるY方向に垂直な断面である。
すなわち、遮光壁170MHは、延在方向(Y方向)に垂直な断面(XZ断面)において、下端側から上端側にかけてX方向の幅が狭くなる楔形の断面形状を有する。楔形とは、一端側から他端側にかけて段々と幅(厚さ)が薄くなる形状である。一端側はクッション160Mの下面(第1面)側であり、他端側はクッション160Mの上面(第2面)側である。遮光壁170MHの場合は、表皮180を介して指先FTが上端に触れるため、遮光壁170MH1のXZ断面の楔形は、二等辺三角形の頂角の部分を底辺に平行に切除したような形状を有する。遮光壁170MHは、このような楔形の断面形状を有する。
このような楔形の断面形状を有する遮光壁170MHは、スリット161(図5参照)よりも幅が狭いスリット162Mに差し込みやすく、かつ、スリット162Mのうちの遮光壁170MHの上端より上側の部分が閉じた状態を作り出しやすいというメリットがある。
入力装置100M2を組み立てる際には、ケース130Mの上に静電センサ140Mを固定する際に、遮光壁170MHを貫通孔141Mの内部に挿通させればよい。そして、静電センサ140Mの上に透明板150、クッション160M、及び表皮180の積層体を取り付ける際に、遮光壁170MHを透明板150の貫通孔152とクッション160Mのスリット162Mとに挿通させればよい。遮光壁170MHは、少なくとも一部(ここではスリット162Mの内部にある部分)がクッション160Mの内部に設けられている。換言すれば、遮光壁170MHは、少なくとも一部がスリット162Mの内部に設けられている。
図12は、入力装置100M2に操作が行われている状態の一例を示す図である。図12に示すように、指先FTで表皮180の表面のうちの遮光壁170MHの上側の部分を少し下方に押圧すると、指先FTが表皮180を介して遮光壁170MHの上端に当接する。これにより、利用者は指先FTで硬い凸部に触れた感触を得る。このため、利用者に表皮180の下側に凸部があることを知覚させることができる。
図13は、実施形態の第3変形例の入力装置100M3の車両50への実装形態例と平面構成とを示す図である。図14は、図13におけるB-B矢視断面において指先FTが表皮180を下方に押圧している状態を示す図である。入力装置100M3は、図1乃至図7に示す入力装置100と、図11及び図12に示す入力装置100M2とを組み合わせた構成を有する。このため、入力装置100M3は表皮180に覆われているものとして説明する。
図13(A)に示すように、入力装置100M3は、一例として車両50のリアシート51のセンターアームレスト51Aに取り付けられている。センターアームレスト51Aの上面には、表皮180が露出している。入力装置100M3から表皮180を取り除いた部分は、図13(B)に示す構成を有する。図13(C)は、図13(B)のうちの破線で囲まれる部分に相当する部分を示す。ここでは、入力装置100M3がリアシート51のセンターアームレスト51Aに取り付けられる形態について説明するが、入力装置100M3はフロントシートのセンターアームレストに取り付けられてもよい。また、入力装置100M3はセンターアームレストに限らず、ドアの内張やその他の場所に取り付けられていてもよい。また、車両50に限らず、列車や航空機等に搭載されてもよい。
図13(C)には、遮光壁170S1~170S7、遮光壁170MH1~170MH4、及びシンボル185A、185B、185E~185Nの位置関係を示す。遮光壁170S1~170S7は、第1遮光壁の一例である。シンボル185A、185Bの間に位置する遮光壁170S1は、図5に示す遮光壁170Sに相当する。遮光壁170S2~170S7は、図1乃至図7を用いて説明した遮光壁170Sと同様に、一例として変形可能で柔らかい布によって実現される。遮光壁170MH1~170MH4は、第2遮光壁の一例である。ここでは、図13(C)に示す平面構成と入力装置100M3の操作方法の詳細について説明する前に、図14に示す断面構造について説明する。
図14には指先FTで表皮180の表面を下方に押圧した状態を示すが、表皮180の表面を下方に少し押圧することで、表皮180の下面が遮光壁170MH1の上端に接触している。すなわち、遮光壁170MH1の上端は、クッション160の上面よりも下方にオフセットしている。これは、図11及び図12を用いて説明した遮光壁170MHと同様であり、遮光壁170MH2~170MH4についても同様である。遮光壁170MH1~170MH4は、樹脂製で硬くて変形せず、クッション160の上面よりも下方にオフセットしている。
また、図14に示すように、ケース130Mは貫通孔131A、131Gを有する。貫通孔131Aは第1貫通孔の一例であり、貫通孔131Gは第2貫通孔の一例である。貫通孔131A、131Gの内部には、基板110の上面に実装されるLED120A、120Gがそれぞれ収容される。LED120Aは第1光源の一例であり、LED120Gは第2光源の一例である。LED120A、120Gと、マスク184の開口部184A、184Gとの間は、それぞれ、光路121A、121Gによって結ばれている。光路121Aは第1光路の一例であり、光路121Gは第2光路の一例である。
貫通孔131Aは、図14に示すように光路121Aの延在方向(Z方向)にケース130Mを貫通している。図14にはZ方向にケース130Mを貫通する第1貫通孔として貫通孔131Aのみを示すが、図13(C)に示すシンボル185B、185E、185Fに対応してケース130Mに設けられる貫通孔は、シンボル185B、185E、185Fに対応する光路の延在方向(Z方向)にケース130Mを貫通している。このため、ケース130Mは、複数の第1光路の延在方向に貫通する複数の第1貫通孔を有する。また、貫通孔131Gは、図14に示すように光路121Gの延在方向(Z方向)にケース130Mを貫通している。
また、静電センサ140Mは、透明板150に対するクッション160とは反対側に設けられており、貫通孔141Mを有する。貫通孔141Mは、容量検出電極の貫通孔の一例である。貫通孔141Mには、遮光壁170MH1が通される。遮光壁170MH1は、ケース130Mの貫通孔131Gの周囲に位置する壁部135Gの一部が表皮180に向けて延長された部分である。壁部135Gは、貫通孔131Gの周囲に位置するとともに、貫通孔131Aと貫通孔131Gの間に位置する壁部である。壁部135Gは、第2貫通孔(貫通孔131G)の周囲に位置する第2壁部の一例である。
また、図14に示すように、透明板150は、溝151と貫通孔153を有し、クッション160は、スリット161、162Mを有する。溝151は第1溝の一例であり、貫通孔153は、透明板状部材(透明板150)に設けられた貫通孔の一例である。スリット161は第1スリットの一例であり、スリット162Mは第2スリットの一例である。溝151とスリット161との内部には遮光壁170S1が収容される。すなわち、遮光壁170S1は、少なくとも一部がスリット161の内部に設けられている。また、貫通孔153とスリット162Mとの内部には遮光壁170MH1が収容される。すなわち、遮光壁170MH1は、少なくとも一部がスリット162Mの内部に設けられている。遮光壁170MH1は、静電センサ140Mの貫通孔141Mに挿通された状態で、貫通孔153とスリット162Mの内部に収容される。図14には遮光壁170MH1を示し、遮光壁170MH2~170MH4を示さないが、遮光壁170MH2~170MH4も同様の構成を有する。
図14に示すように、遮光壁170MH1は、ケース130Mの壁部135Gとともに、光路121A、121Gの間を光学的に区切る。このため、遮光壁170MH1のXY平面における位置は、壁部135Gの位置と合わせられている。より具体的には、光路121A、121Gの内部を伝搬する光は下側から上側に向かうため、光の伝搬方向において遮光壁170MH1は壁部135Gよりも下流側に位置する。壁部135Gの両側にある貫通孔131A、131G内を上方向に伝搬する光を効率的にマスク184の開口部184A、184Gに導くには、平面視で貫通孔131A、131Gの内部に遮光壁170MH1が位置しなければよい。このような構成は、遮光壁170MH2~170MH4も同様である。
また、遮光壁170MH1は、延在方向(Y方向)に垂直な断面(XZ断面)において、図11及び図12に示す遮光壁170MHと同様に、下端側から上端側にかけてX方向の幅が狭くなる楔形の断面形状を有する。遮光壁170MH1の上端には、表皮180を介して指先FTが触れるため、遮光壁170MH1のXZ断面の楔形は、二等辺三角形の頂角の部分を底辺に平行に切除したような形状を有する。これは、遮光壁170MH2~170MH4についても同様である。
次に、図13(C)に示す平面構成と入力装置100M3の操作方法の詳細について説明する。図13(C)に示すように、遮光壁170S1及び170S2はY方向に延在しており、X方向の位置は等しい。遮光壁170S1及び170S2は、X方向に延在する遮光壁170S3の+Y方向側と-Y方向側に配置されており、遮光壁170S1~170S3は平面視で十字状に配置されている。
遮光壁170MH1~170MH4は、十字状に配置される遮光壁170S1~170S3の周囲を囲むように矩形環状に設けられている。具体的には、遮光壁170MH1は遮光壁170S1~170S3の-X方向側においてY方向に延在している。遮光壁170MH2は遮光壁170S1~170S3の+X方向側においてY方向に延在している。遮光壁170MH3は遮光壁170S1~170S3の+Y方向側においてX方向に延在している。遮光壁170MH4は遮光壁170S1~170S3の-Y方向側においてX方向に延在している。すなわち、遮光壁170S1~170S3は、遮光壁170MH1~170MH4に囲まれる4つの光路(シンボル185A、185B、185E、185Fに対応する4つの光路)の間に設けられている。
また、遮光壁170MH1~170MH4は、遮光壁170S1~170S3とともに4つの光路(シンボル185A、185B、185E、185Fに対応する4つの光路)を区切るように設けられる。
遮光壁170S4は、遮光壁170MH3の-X方向側の端部からシンボル185Iに沿って-X方向かつ+Y方向で表される斜めの方向に延在している。遮光壁170S5は、遮光壁170MH3の+X方向側の端部からシンボル185Iに沿って+X方向かつ+Y方向で表される斜めの方向に延在している。遮光壁170S6は、遮光壁170MH4の-X方向側の端部からシンボル185Jに沿って-X方向かつ-Y方向で表される斜めの方向に延在している。遮光壁170S7は、遮光壁170MH4の+X方向側の端部からシンボル185Jに沿って+X方向かつ-Y方向で表される斜めの方向に延在している。
シンボル185A、185B、185E~185Nは、図14に示す開口部184A及び184Gのような開口部を透過した光によって表皮180の表面に表示されるものであるが、図13(C)では開口部を省略する。シンボル185A、185B、185E~185Nについては、複数のLED120によってそれぞれ照光されている状態を示しており、一例として、シンボル185A、185G、及び185Kは、発光色が一例として白色からオレンジ色に変わっている状態を示す。図13(C)ではオレンジ色に変化している部分を梨地(細かなドット)で示す。このように発光色を変化させるには、各LED120が白色のLEDとオレンジ色のLEDとの2つのLEDを含む構成にすればよい。
シンボル185A及び185Kについては全体がオレンジ色に照光されており、シンボル185Gについては、指先FTの近くの部分が最も濃いオレンジ色に表示され、指先FTから離れるにつれて白くなり、-Y方向側の端部は白色で照光されている。このように発光色が連続的に変化するシンボル185Gは、シンボル185Gの延在方向(Y方向)に沿って白色とオレンジ色の二色を発光可能な複数のLED120を設けることによって実現可能である。
シンボル185A、185B、185E、185Fは、遮光壁170MH1~170MH4によって囲まれた矩形状の領域内において、遮光壁170S1~170S3によって4分割された4つの領域内にそれぞれ照光される。シンボル185A、185B、185E、185Fは、第1シンボルの一例である。シンボル185A、185B、185E、185Fは、それぞれ、車両50の左前席、右前席、左後席、右後席を表しており、左前席、右前席、左後席、右後席を選択する際に表皮180に操作を行う位置を表す。
シンボル185G~185Nは、第2シンボルの一例である。シンボル185G、185Hは、それぞれ、遮光壁170MH1、170MH2の延在方向(Y方向)に沿って延在している。シンボル185G、185Hの-Y方向側には、シンボル185K、185Lがそれぞれ表示される。シンボル185K、185Lはスピーカを表しており、シンボル185G、185Hは、-X方向側(左側)、+X方向側(右側)のスピーカの音量レベルを表す。
シンボル185Gに対応する光路121Gは、図14に示すようにシンボル185GとLED120Gとの間に位置する。シンボル185Gは、図13(C)に示すようにY方向に延在しているため、LED120Gも同様にY方向に延在している。LED120GのY方向の長さは、シンボル185GのY方向の長さと略同一である。LED120Gは、遮光壁170MH1に沿って延在する区間を有し、クッション160に向けて光を出力する。LED120Gが出力する光がマスク184の開口部184Gを透過して表皮180に照光されるシンボル185Gは、LED120Gと同様に遮光壁170MH1に沿って延在する区間を有する。なお、これは、シンボル185Hと、シンボル185Hに対応するLED120とについても同様である。
シンボル185I、185Jは、第2シンボルの一例である。シンボル185Iは、遮光壁170MH3、170S4、170S5に沿って延在している。シンボル185Jは、遮光壁170MH4、170S6、170S7に沿って延在している。シンボル185I、185JのうちのX方向に延在している区間は、遮光壁170MH3、170MH4に沿って延在している。シンボル185I、185Jに対応する2つの光路に光をそれぞれ出力する2つのLED120は、平面視でシンボル185I、185Jとそれぞれ同様の形状を有するため、遮光壁170MH3、170MH4の延在方向(X方向)に沿って延在する区間を有する。遮光壁170MH3、170MH4は、シンボル185I、185JのうちのX方向に延在している区間に沿って、利用者の指先FTを案内する。
シンボル185I、185Jの+Y方向側、-Y方向側には、それぞれ、シンボル185M、185Nが表示される。シンボル185M、185Nは、車両50の空調装置のファン(FAN)の風量レベルと、空調装置の温度(TEMP)レベルとを表す。
ここでは、シンボル185A、185G以外の10個のシンボル185B、185E、185F、185H~185Nに対応する10個の光路があるものとして説明を行う。シンボル185A、185Gに対応する光路121A、121Gは、図14に示す通りである。シンボル185A、185B、185E、185Fに対応する光路は第1光路の一例である。シンボル185G~185Nに対応する光路は第2光路の一例である。
柔軟性部材で構成される遮光壁170S1~170S3は、シンボル185A、185B、185E、185Fに対応する4つの光路(第1光路の一例)を光学的に区切っている。また、遮光壁170MH1~170MH4は、シンボル185A、185B、185E、185Fに対応する4つの光路(第1光路の一例)の周りを囲むように設けられている。遮光壁170MH1~170MH4は、シンボル185A、185B、185E、185Fに対応する4つの光路(第1光路の一例)の周りを光学的に区切っている。
また、柔軟性部材で構成される遮光壁170S4、170S5は、シンボル185Iの両端側においてシンボル185Iに対応する光路を(第2光路)を光学的に区切っている。同様に、遮光壁170S6、170S7は、シンボル185Jの両端側においてシンボル185Jに対応する光路を(第2光路)を光学的に区切っている。
図15は、静電センサ140Mにおける位置検出の原理を説明する図である。図15では、一例として静電センサ140Mに含まれる複数の透明電極のうちの1つを抵抗器R1として示し、指先FTに相当するコンデンサが触れている状態を示す。透明電極に指先FTが触れると、透明電極の両端から指先FTに向かって電流I1、I2が流れる。電流I1、I2の値の比率は、透明電極の両端からの位置によって変化する。透明電極の両端から指先FTが触れる位置までの抵抗値の比率が変化するからである。このため、指先FTが表皮180に触れる位置を検出することができる。また、遮光壁170MH1~170MH4のように長い操作部に沿って指先FTを移動させる操作の位置を検出することができる。
このような静電センサ140Mを用いて、指先の表皮180に表示されるいずれかのシンボルへの近接又は操作位置を検出すればよい。静電センサ140Mは、タッチパネルよりも安価であるため、コストダウンを図ることができる。ただし、これは一例であり、自己容量式または相互容量式のタッチパネル140に貫通孔141Mと同様の貫通孔を設けて表皮180に対する指先の座標位置を算出するようにしてもよい。
以上のような入力装置100M3において、図13(C)に示すように利用者が指先FTをシンボル185Gに近づけて、図14に示すように表皮180を押圧すると、指先FTに遮光壁170MH1の上端が当たる。このとき、シンボル185G及び185Kが白色からオレンジ色に変化する。遮光壁170MH1はY方向に延在しているため、指先FTを遮光壁170MH1に沿ってY方向に移動させると、静電センサ140M(図11参照)によって指先FTの位置が検出され、シンボル185Gは指先FTが位置する部分が最も濃いオレンジ色になるように照光される。遮光壁170MH1の上端は、シンボル185Gに沿って指先を案内するガイドになる。遮光壁170MH1の上端に沿って指先FTを移動させると、静電センサ140Mに対する指先FTの高さ方向における位置が一定になるため、指先FTの位置を検出する際の検出精度が向上する。これは、遮光壁170MH2~170MH4についても同様である。
指先FTを遮光壁170MH1に沿ってY方向に移動させれば、シンボル185Gのうち最も濃いオレンジ色に照光される部分が指先FTの位置に追従して移動する。利用者は、このようにシンボル185Gの照光を確認しながらスピーカの音量レベルを調整することができる。また、指先FTを遮光壁170MH2に沿ってY方向に移動させることによってスピーカの音量レベルを同様に調整することができる。一例として、シンボル185Gは左後席の乗員用に設けられており、シンボル185Hは右後席の乗員用に設けられている。
また、空調装置の風量レベルと温度レベルについては、左前席、右前席、左後席、右後席について独立的に調整できるため、席を選択する際には指先FTでシンボル185A、185B、185E、185Fのいずれかに触れればよい。シンボル185A、185B、185E、185Fのうち、利用者が選択した席に対応するシンボルは白色からオレンジ色に変化する。
利用者が指先FTをシンボル185M及び185Iに近づけると、シンボル185M及び185Iがオレンジ色に変化する。利用者は、遮光壁170MH3に沿って指先FTをX方向に移動させることで、空調装置の風量レベルを調整することができる。シンボル185Iは、シンボル185Gと同様に、指先FTが位置する部分が最も濃いオレンジ色になるように照光される。
また、利用者が指先FTをシンボル185N及び185Jに近づけると、シンボル185N及び185Jがオレンジ色に変化する。利用者は、遮光壁170MH4に沿って指先FTをX方向に移動させることで、空調装置の温度レベルを調整することができる。シンボル185Jは、シンボル185Gと同様に、指先FTが位置する部分が最も濃いオレンジ色になるように照光される。
以上のように、透光性を有するクッション160に第1遮光壁(170S(図1乃至図7参照)、170S1~170S7(図13(C)参照))を設けて、複数の第1光路(121A、121B)を光学的に区切ったので、表皮180が柔軟性を有し、複数の第1光路(121A、121B)を遮光する表示装置(100A)、及び、入力装置(100、100M1、100M3)を提供することができる。
また、第1遮光壁(170S、170S1~170S7)は、クッション160とともに変形可能であるため、表皮180のうち第1遮光壁(170S、170S1~170S7)の上の部分を第1遮光壁(170S、170S1~170S7)が存在しない部分と同様に下方に押圧することができる。また、これにより、下方に押圧された状態でも光路(121A、121B)を区切ることができる。
また、第1遮光壁(170S、170S1~170S7)は、遮光性を有する布で構成されるため、透明板150とクッション160の内部を複数の第1光路(121A、121B)に区切ることが可能であるとともに、複数の第1光路(121A、121B)を含み変形可能なクッション160を実現することができる。また、クッション160に設けたスリット161に第1遮光壁(170S、170S1~170S7)としての布を挿入すればよいので、容易に作製することができる。
また、第1遮光壁(170S、170S1~170S7)は、クッション160の柔軟性と同一、又は、クッション160の柔軟性よりも高い柔軟性を有するので、クッション160の柔らかさを保ちつつ、クッション160の内部を複数の第1光路(121A、121B)に区切ることができる。
また、第1遮光壁(170S、170S1~170S7)の少なくとも一部は、クッション160のスリットの内部に設けられるため、クッション160の内部における第1遮光壁(170S、170S1~170S7)の位置決めを行いやすく、長期にわたって複数の第1光路(121A、121B)を安定的に利用可能である。また、第1遮光壁170S1~170S3のように、クッション160の硬度よりも高い硬度を有する第2遮光壁170MH1~170MH4が存在しない領域に配置すれば、当該領域内において押圧しながら指をスライド操作しても操作感触に違和感は発生せず、タッチパッドのように使用することも可能である。
また、少なくとも一部がクッション160又は160Mの内部に設けられ、クッション160の硬度よりも高い硬度を有する第2遮光壁(170H(図10参照)、170MH(図11及び図12参照)、又は170MH1~170MH4(図13(C)参照))を含むので、クッション160又は160Mの内部に凸部を設けることができ、利用者が指先FTで第2遮光壁(170H、170MH、又は170MH1~170MH4)を知覚できる入力装置(100、100M1、100M2、100M3)を提供することができる。
また、第2遮光壁(170MH1~170MH4)は、複数の第1光路(121A、121B)の周りを囲むように設けられるので、クッション160の内部で複数の第1光路(121A、121B)の周りに凸部を設けることができ、第2遮光壁(170MH1~170MH4)で囲まれた領域を利用者が指先FTで知覚できる入力装置(100M3)を提供することができる。
また、第2遮光壁(170MH1~170MH4)は、第1遮光壁(170S1~170S3)とともに複数の第1光路(121A、121B)を区切るように設けられるので、柔らかい第1遮光壁(170S1~170S3)と、硬い第2遮光壁(170MH1~170MH4)とを組み合わせて複数の第1光路(121A、121B)を区切ることができる。また、クッション160の内部で第1遮光壁(170S1~170S3)を設ける位置は、第1光路(121A、121B)の周りに凸部が存在しない位置であり、クッション160の内部で第2遮光壁(170MH1~170MH4)を設ける位置は、複数の第1光路(121A、121B)の周りに凸部が存在する位置である。このため、複数の第1光路(121A、121B)の周りに凸部が存在する位置と、凸部が存在しない位置とを自由に組み合わせて、複数の第1光路(121A、121B)の周りにおける凸部の有無を様々なパターンにアレンジすることができる。
また、第1遮光壁(170S1~170S3)は、第2遮光壁(170MH1~170MH4)に囲まれる複数の第1光路(121A、121B)の間に設けられるので、第2遮光壁(170MH1~170MH4)の内側で複数の第1光路(121A、121B)が存在する部分の表皮180は柔らかく、第2遮光壁(170MH1~170MH4)が存在する部分の表皮180は硬い入力装置(100M3)を提供することができる。
また、第2遮光壁(170H)の上端は、クッション160の上面に露出するので、表皮180を見ても硬い部分があることは分からないが、表皮180のうちの第2遮光壁(170H)の上の部分に触れれば硬い部分がある感触を提供できる。また、利用者が指先FTで表皮180のうちの第2遮光壁(170H)の上の部分を下方に押圧したときに、第2遮光壁(170H)に沿って指先FTをガイドすることができる。また、第2遮光壁(170H)のZ方向の高さを延在方向(Y方向)において一定にすれば、延在方向(Y方向)に沿って指先FTをガイドする際に静電センサ140との間隔を一定にすることができ、静電センサ140で安定的な検出を行うことができる。
また、第2遮光壁(170MH、170MH1~170MH4)の上端は、クッション160の上面よりも下面側にオフセットしているので、表皮180を見ても凸な部分があることは分からないが、表皮180のうちの第2遮光壁(170MH、170MH1~170MH4)の上の部分を下方に押圧すると硬い凸な部分がある感触を提供できる。また、利用者が指先FTで表皮180のうちの第2遮光壁(170MH、170MH1~170MH4)の上の部分を下方に押圧したときに、第2遮光壁(170MH、170MH1~170MH4)に沿って指先FTをガイドすることができる。また、第2遮光壁(170MH、170MH1~170MH4)のZ方向の高さを延在方向において一定にすれば、延在方向に沿って指先FTをガイドする際に静電センサ140Mとの間隔を一定にすることができ、静電センサ140Mで安定的な検出を行うことができる。
また、クッション160は、上面と下面との間を貫通する第2スリット(162)を有し、第2遮光壁(170H)は、少なくとも一部が第2スリット(162)の内部に設けられるので、第2遮光壁(170H)の位置決めを行いやすく、長期にわたって第2遮光壁(170H)を安定的に利用可能である。
また、クッション160の下面側に設けられ、平面視で第2遮光壁(170MH1)の延在方向に沿って延在する区間を有し、クッション160に向けて光を出力する第2光源(LED120G)を含み、表皮180は、第2光源(LED120G)から出力されクッション160を透過する光を平面視で第2シンボル(185G)の形状を表す光として透過する第2透過領域(184G)を有し、第2透過領域(184G)は、平面視で遮光壁170MH1の延在方向に沿って延在する区間を有する。このため、遮光壁170MH1の延在方向に沿って指先FTをガイドすることで第2シンボル(185G)に沿った操作が可能であり、レベル調整等を行うためのシンボルを利用した操作性を向上させることができる。また、第2遮光壁(170MH1)のZ方向の高さを延在方向において一定にすれば、延在方向に沿って指先FTをガイドする際に静電センサ140Mとの間隔を一定にすることができ、静電センサ140Mで安定的な検出を行うことができる。なお、これは、遮光壁170MH2~170MH4についても同様である。
また、少なくとも一部がクッション160の内部に設けられ、第1遮光壁(170SA)とともに複数の第1光路(121A、121B)の間を区切るとともに第1遮光壁(170SA)と二重壁を構築し、クッション160とともに変形可能な第3遮光壁(170SB)を含むので、二重壁で複数の第1光路(121A、121B)の間の遮光性を向上させることができる。また、これにより、複数の第1光路(121A、121B)を通じて照光される複数の第1シンボル(185A、185B)の視認性を向上させることができる。
また、第3遮光壁(170SB)は、遮光性を有する布であるので、透明板150とクッション160の内部を第1遮光壁(170SA)とともに複数の第1光路(121A、121B)に区切ることが可能であるとともに、複数の第1光路(121A、121B)を含み変形可能なクッション160を実現することができる。
また、第3遮光壁(170SB)は、クッション160の柔軟性と同一、又は、クッション160の柔軟性よりも高い柔軟性を有するので、クッション160の柔らかさを保ちつつ、クッション160の内部を第1遮光壁(170SA)とともに複数の第1光路(121A、121B)に区切ることができる。
また、クッション160は、下面と上面との間を貫通する第3スリット(161B)を有し、第3遮光壁(170SB)は、少なくとも一部が第3スリット(161B)の内部に設けられるので、クッション160の内部における第3遮光壁(170SB)の位置決めを行いやすく、長期にわたって複数の第1光路(121A、121B)を安定的に利用可能である。
また、クッション160と第1光源(LED120)との間に設けられ、クッション160の下面を保持し、透光性を有する透明板150を含むので、柔らかいクッション160を安定的に保持でき、長期にわたってクッション160の適切な動作を実現することができる。また、クッション160を補強することによって、入力装置(100)全体の姿勢を長期にわたって保つことができる。
また、遮光壁170Sの下端は、透明板150の第1溝(151)の中に収容されるので、遮光壁170Sの下端を安定的な部分に配置でき、長期にわたって遮光壁170Sの位置決めを行うことができる。
また、遮光壁170Sの下端は、第1溝(151)の中で接着剤171によって透明板150に固着されるので、第1遮光壁(170S)の下端を安定的に固定でき、長期にわたって第1遮光壁(170S)の透明板150及びクッション160に対する位置決めを行うことができる。
また、クッション160と第1光源(120)との間に設けられ、クッション160の下面を保持し、透光性を有する透明板150を含み、第2遮光壁(170H又は170MH1~170MH4)の下端は、透明板150に設けられた貫通孔(152、153)、又は第2溝の中に収容されるので、柔らかいクッション160を安定的に保持でき、長期にわたってクッション160の適切な動作を実現することができる。また、クッション160を補強することによって、入力装置100全体の姿勢を長期にわたって保つことができる。また、第2遮光壁(170H又は170MH1~170MH4)の下端を安定的な部分に配置でき、長期にわたって第2遮光壁(170H又は170MH1~170MH4)の位置決めを行うことができる。
また、クッション160と第1光源(120A、120B)との間に設けられ、クッション160の下面を保持し、透光性を有する透明板150を含み、第3遮光壁(170SB)の下端は、透明板150に設けられた第3溝(151B)の中に収容されるので、柔らかいクッション160を安定的に保持でき、長期にわたってクッション160の適切な動作を実現することができる。また、クッション160を補強することによって、入力装置(100)全体の姿勢を長期にわたって保つことができる。
また、第3遮光壁(170SB)の下端は、第3溝(151B)の中で接着剤171によって透明板150に固着されるので、第3遮光壁(170SB)の下端を安定的に固定でき、長期にわたって第3遮光壁(170SB)の透明板150及びクッション160に対する位置決めを行うことができる。
また、第1遮光壁(170S)が設けられたクッション160を保持する透明板150を含む表示装置(100A)と、透明板150のクッション160を保持する側とは反対側に設けられ、表皮180への操作を検出する静電センサ140とを含むので、操作のために表皮180に指先FTが近接する位置を検出し、操作を受け付けることができる入力装置(100、100M3)を提供することができる。
また、静電センサ140の透明板150が設けられる側とは反対側に設けられるケース130であって、平面視で複数の第1光路(121A、121B)に対応してそれぞれ設けられ、複数の第1光路(121A、121B)の延在方向に貫通する複数の第1貫通孔(131A、131B)を有するケース130を含み、複数の第1貫通孔内(131A、131B)に複数の第1光源(LED120A、120B)がそれぞれ収容される。このため、複数の第1光路(121A、121B)と複数の第1光源(LED120A、120B)との位置を正確に決めることができ、長期にわたって安定的な照光を実現することができる。
また、第1遮光壁(170S)は、平面視でケース130の複数の第1貫通孔(131A、131B)の間に設けられる第1壁部(135A)が位置する領域内に配置されるので、第1遮光壁(170S)が複数の第1光路(121A、121B)を遮ることなく、複数の第1光源(LED120A、120B)で安定的に複数の第1シンボル(185A、185B)を照光することができる。
また、第2遮光壁(170H)を含む表示装置(100A)と、透明板150のクッション160を保持する側とは反対側に設けられ、表皮180への操作を検出する静電センサ140と、静電センサ140の透明板150が設けられる側とは反対側に設けられるケース130であって、平面視で第2光源(120C、120D)と第2透過領域(184C、184D)との間の第2光路(121C、121D)の延在方向に貫通する第2貫通孔(131C、131D)を有するケース130とを含み、第2貫通孔(131C、131D)内に第2光源(120C、120D)が収容される。このため、ケース130によって複数の第2光路(121C、121D)と複数の第2光源(LED120C、120D)との位置を正確に決めることができ、長期にわたって安定的な照光を実現することができる。
また、第2遮光壁(170MH1)は、平面視でケース130の第2貫通孔(131G)の周囲に位置する第2壁部(135G)が位置する領域内に配置されるので、第2遮光壁(170MH1)が第2光路(121G)を遮ることなく、第2光源(LED120G)で安定的に第2シンボル(185G)を照光することができる。
また、第2遮光壁(170H)は、二色成形によって透明板150と一体的に形成され、透明板150の貫通孔(152)を貫通するとともに、透明板150から突出して表皮180に向けて延在する部分であるので、二色成形によって第2遮光壁(170H)と透明板150とを一体的に作製でき、製造時の工程数を削減し、製造が容易になる。また、透明板150と第2遮光壁(170H)との位置決め精度が向上し、第2光路(121C、121D)を安定的に確保することができる。
また、容量検出電極(140M)は貫通孔(141M)を有し、第2遮光壁(170MH)は、基台(130)の第2貫通孔(131C、131D)の周囲に位置する第2壁部(135B)の一部が容量検出電極(140M)の貫通孔(141M)を通って表皮(180)に向けて延長された部分であるので、基台(130)と第2遮光壁(170MH)を一体的に作製でき、製造時の工程数を削減し、製造が容易になる。また、基台(130)と第2遮光壁(170MH)との位置決め精度が向上し、第2光路(121C、121D)を安定的に確保することができる。
また、静電センサ140Mは、貫通孔141Mを有し、第2遮光壁(170MH1)は、ケース130の第2貫通孔(131G)の周囲に位置する第2壁部(135G)の一部が静電センサ140Mの貫通孔141Mを通って表皮180に向けて延長された部分である。このように静電センサ140Mに貫通孔141Mを設けて第2遮光壁(170MH1)を挿通させることで、設計の自由度を向上させることができる。
また、第2遮光壁(170MH1)は、延在方向に垂直な断面における幅がクッション160の下側から上側に向けて狭くなる楔形の断面形状を有するので、第2スリット(162M)に差し込みやすく、第2スリット(162M)のうちの第2遮光壁(170MH1)の上端より上側の部分が閉じた状態を作り出しやすいというメリットがある。
また、ケース130に対する静電センサ140とは反対側に設けられ、第2光源(120C、120D)が実装される基板110をさらに含むので、ケース130の下側に第2光源(120C、120D)を実装できるとともに、第2光源(120C、120D)に接続される配線を確保できる。
また、第3遮光壁(170SB)を含む表示装置(100A)と、透明板150に対するクッション160とは反対側に設けられ、表皮180への操作を検出する静電センサ140と、静電センサ140に対する透明板150とは反対側に設けられるケース130であって、平面視で複数の第1光路(121A、121B)に対応してそれぞれ設けられ、複数の第1光路(121A、121B)の延在方向に貫通する複数の第1貫通孔(131A、131B)を有するケース130とを含み、複数の第1貫通孔(131A、131B)内に複数の第1光源(120A、120B)がそれぞれ収容される。このため、ケース130によって複数の第1光路(121A、121B)と複数の第1光源(LED120A、120B)との位置を正確に決めることができ、長期にわたって安定的な照光を実現することができる。
また、第1遮光壁(170SA)及び第3遮光壁(170SB)は、平面視でケース130の複数の第1貫通孔(131A、131B)の間に設けられる第1壁部(135A)が位置する領域内に配置されるので、第1遮光壁(170SA)及び第3遮光壁(170SB)が複数の第1光路(121A、121B)を遮ることなく、複数の第1光源(LED120A、120B)で安定的に複数の第1シンボル(185A、185B)を照光することができる。
また、ケース130の静電センサ140が設けられる側とは反対側に設けられ、複数の第1光源(120A、120B)が実装される基板110をさらに含むので、第3遮光壁(170SB)を含む構成において、ケース130の下側に第1光源(120A、120B)を実装できるとともに、第2光源(120C、120D)に接続される配線を確保できる。
なお、以上では、透光性を有する柔軟性部材で構成されるクッション160に布製の第1遮光壁(170S等)を設ける形態について説明したが、クッション160としての透光性を有する柔軟性部はゴム製であってもよい。この場合に、第1遮光壁(170S等)もゴム製であってもよく、ゴム製のクッション160とゴム製の第1遮光壁(170S等)とは二色成形で作製されてもよい。
以上、本発明の例示的な実施形態の表示装置、及び、入力装置について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
なお、本国際出願は、2020年11月24日に出願した日本国特許出願2020-194704に基づく優先権を主張するものであり、その全内容は本国際出願にここでの参照により援用されるものとする。