JP7385255B2 - 石膏ボード用下地と物品取付け構造 - Google Patents

石膏ボード用下地と物品取付け構造 Download PDF

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Description

本発明は、石膏ボードを用いた壁(以下「石膏ボード壁」という)への物品の取付けに用いる石膏ボード用下地と、それを用いた物品取付け構造に関する。
住居の室内壁には石膏ボード壁が広く一般的に使用されている。住居の室内壁にはインテリアグッズ等の各種物品を取り付けることがあるが、石膏ボード壁は脆弱であるため、壁に釘やネジ等の止め具を直接差し込んで物品を取り付けるのは困難である。
従来、石膏ボード壁への物品の取付けに用いる止め具として、異なる角度に差し込まれる複数本のピンを備えた取付け具セットが提案されている(特許文献1)。
特開2015-24109号公報
しかし、前記特許文献1記載の取付け具セットは画鋲のように額縁や小物類を固定するものであるため、取付け具本体の外側に物品を取り付けることはできず、使途が限られるという難点がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、石膏ボード壁に取り付けることができ、本体の外側に物品を取り付けることのできる石膏ボード用下地と、当該石膏ボード用下地を用いた物品取付け構造を提供することにある。
[石膏ボード用下地]
本発明の石膏ボード用下地は、石膏ボード壁への物品の取付けに用いるものであって、石膏ボード壁に固定される本体と、当該本体を石膏ボード壁に固定する固定具を備えている。本体は石膏ボード壁に固定した際に外側に露出する物品取付け部を備えている。
[物品取付け構造]
本発明の物品取付け構造は、石膏ボード壁への物品の取付け構造であって、石膏ボード壁に本発明の石膏ボード用下地が固定され、その石膏ボード用下地の本体の物品取付け部に物品が取り付けられた構造である。
[石膏ボード用下地]
本発明の石膏ボード用下地は、石膏ボード壁に固定される本体に様々な物品を取り付けることのできる物品取付け部を備えているため、従来の取付け具セットよりも幅広い使途に用いることができる。
[物品取付け構造]
本発明の物品取付け構造は、物品取付け部を備えた石膏ボード用下地を用いた構造であり、その物品取付け部に様々な物品を取り付けることができるため、幅広い使途に用いることができる。
(a)は本発明の石膏ボード用下地の一例を示す斜視図、(b)は(a)のIb-Ib断面図。 (a)は本発明の石膏ボード用下地の他例を示す正面図、(b)は(a)の固定具の側面図。 (a)は本発明の石膏ボード用下地の他例を示す正面図、(b)は(a)の固定具の側面図。 本発明の石膏ボード用下地の使用例の説明図。 (a)は石膏ボード壁に本発明の石膏ボード用下地を固定した状態を示すもの、(b)は(a)の石膏ボード用下地に間柱を固定した状態を示すもの、(c)は(b)の間柱に板状部材を固定した状態を示すもの。
(実施形態1)
本発明の実施形態の一例を、図面を参照して説明する。本発明の石膏ボード用下地1は、石膏ボード壁Wに物品を取り付ける際に用いるものである。一例として図1(a)(b)に示す石膏ボード用下地1は、石膏ボード壁Wに固定される本体2と、本体2を石膏ボード壁Wに固定する固定具3を備えている。
前記本体2は物品を取り付けるための部材である。この実施形態の本体2は正面視方形状の木製の板材であり、石膏ボード壁Wに当接して宛がわれる宛がい部(本体宛がい部)2aと、物品を取付け可能な物品取付け部2bを備えている。宛がい部2aは石膏ボード壁Wに対向する側の面に、物品取付け部2bは宛がい部2aと反対側の面に設けられている。宛がい部2aは、本体2を石膏ボード壁Wに固定した際に外側に露出するようにしてある。
前記物品取付け部2bには、額縁や小物類のほか、木製の板材(例えば、図4に示す廻り縁5や付長押6、壁掛けテレビボード7)など、画鋲などでは取り付けられない大きさや重量の物品(大型物品)を取り付けることができる。
本体2の上部には物品取付け部2b側に前下がりの傾斜部2cが設けられている。傾斜部2cには固定具3を挿通させる挿通部2dが設けられている。図1(b)に示すように、各挿通部2dは、傾斜部2cから宛がい部2aに向けて斜めに(傾斜部2c面に対して垂直に)設けられた貫通孔である。
各挿通部2dには、固定具3の頭部3aが収まる凹陥状の頭部収容部2eと、固定具3の針3bが収まる針収容部2fが設けられている。各挿通部2dの角度は、取り付ける物品の大きさや重さによって適宜変更することができる。この実施形態では、挿通部2dは傾斜部2cの幅方向に間隔をあけて三つ設けられている。挿通部2dは三つより多くても少なくてもよい。
前記固定具3は、本体2を石膏ボード壁Wに固定するための部材である。この実施形態の固定具3は、頭部3aと二本の針3bを備えている。固定具3の針3bの長さは、頭部3aを頭部収容部2eに収めたときに、宛がい部2aから突出して石膏ボード壁Wに突き刺さる長さとしてある。
各針3bの途中には、返し部3cが設けられている。返し部3cは、針3bの差し込み時に石膏ボード壁Wに押し込まれたクロスを、針3bの引き抜き時に手前側に引き戻せる角度で突設されている。返し部3cによって押し込まれたクロスを手前側に引き戻せるようにすることで、差し込み穴を目立ちにくくすることができる。
(実施形態2)
本発明の実施形態の他例を、図面を参照して説明する。この実施形態の石膏ボード用下地1の基本的な構成は実施形態1の石膏用ボード下地1と同様である。異なるのは、本体2の裏面に裏板材4が設けられていること及び固定具3の構成及び石膏用ボード下地1の固定の仕方である。以下では、実施形態1と異なる事項を中心に説明し、実施形態1と共通する事項については適宜説明を省略する。
図2(a)(b)に示すように、この実施形態の裏板材4は本体2よりも縦長の薄板材である。裏板材4のうち、本体2よりも上側に突出する部分(以下「裏板上部」という)4a及び下側に突出する部分(以下「裏板下部」という)4bには、幅方向に間隔をあけて二つずつ裏板挿通部4cが設けられている。裏板挿通部4cは固定具3の針3bを挿通するための貫通孔である。裏板挿通部4cは二つより多くても少なくてもよい。
この実施形態の裏板材4は金属製であり、本体2の物品取付け部2bに物品を取り付けるために用いる止め具(例えば、釘やネジ)が貫通しないようにしてある。裏板材4は、SUSや鉄などの金属のほか、合成樹脂などで構成することができる。いずれの場合も、物品を止める止め具が貫通しない程度の硬さや構造とするのが好ましい。裏板材4の裏面には、石膏ボード壁Wに当接して宛がわれる宛がい部(裏板材宛がい部)4dが設けられている。
この実施形態の固定具3は頭部3aと三本の針3bを備えている。三本の針3bは頭部3aの裏面に対してそれぞれが異なる向きで突設されている。図2(b)に示す例では、一本が頭部3aの裏面に対して垂直に、他の一本が頭部3aの裏面に対して斜め上向きに、他の一本が頭部3aの裏面に対して斜め下向きに設けられている。針3bは三本より多くても少なくてもよい。固定具3には、実施形態1や後述する実施形態3の固定具3、その他の固定具を用いることもできる。
この実施形態の石膏ボード用下地1は、裏板材4の裏板挿通部4cに固定具3を差し込み、その固定具3の針3bを石膏ボード壁Wに固定することによって、石膏ボード壁Wに固定することができる。
(実施形態3)
本発明の実施形態の他例を、図面を参照して説明する。この実施形態の石膏ボード用下地1の基本的な構成は実施形態2の石膏用ボード下地1と同様である。異なるのは、裏板材4の構成及び固定具3の構成である。以下では、実施形態2と異なる事項を中心に説明し、実施形態2と共通する事項については適宜説明を省略する。
図3(a)(b)に示すように、この実施形態の裏板材4は本体2よりも縦長の金属製の薄板材である。裏板材4の裏板上部4aと裏板下部4bのそれぞれには、幅方向に間隔をあけて三つずつ裏板挿通部4cが設けられている。裏板挿通部4cは固定具3の針3bを挿通するための貫通孔である。裏板挿通部4cは三つより多くても少なくてもよい。
裏板材4の裏板上部4aと裏板下部4bの前面側には、山形状の突出し部4eが設けられている。各突出し部4eは上傾斜面4fと下傾斜面4gを備えている。各突出し部4eの上傾斜面4fには固定具3の針3bを挿通するための傾斜面挿通部4hが設けられている。傾斜面挿通部4hは裏板挿通部4cに対応する位置に設けられている。
この実施形態の固定具3は、頭部3aの裏面側に一本の針3bが突設されている。針3bは二本以上であってもよい。固定具3には、実施形態1や実施形態2の固定具3、その他の固定具を用いることもできる。
この実施形態の石膏ボード用下地1は、裏板材4の傾斜面挿通部4h及び裏板挿通部4cに固定具3を差し込み、その固定具3の針3bを石膏ボード壁Wに固定することによって、石膏ボード壁Wに固定することができる。
(その他の実施形態)
前記実施形態1~3では、物品取付け部2bが正面視方形状の場合を一例としているが、物品取付け部2bは、取り付ける物品によって様々な形状とすることができる。
前記実施形態1~3では、本体2が木製の場合を一例としているが、本体2はプラスチックやゴム等の合成樹脂製や金属製などであっても良い。
前記実施形態1~3では、本体2が正面視方形状の場合を一例としているが、本体2は取り付ける物品の大きさや形状、用途等に応じて、正面視方形状以外の形状にすることもできる。
前記実施形態1~3では、本体2と固定具3とが別体の場合を一例としているが、本体2と固定具3は一体ものとすることもできる。具体的には、固定具3は頭部3aのない針3bだけのものを用いることができる。この場合、本体2の裏面側(裏板材4がある場合は裏板材4の裏面側)に針3bを結合することで、本体2と固定具3を一体ものとすることができる。
前記実施形態1では、傾斜部2cが本体2の上部に設けられた場合を一例としているが、傾斜部2cは本体2の下部や左右に設けることもできる。この場合、下部や左右の傾斜面に挿通部2dを設けることができる。
前記実施形態2及び3では、裏板上部4aと裏板下部4bを備えた裏板材4を一例としているが、裏板材4は本体2の側方に突出する部分(以下「裏板側方部」という)を備えたものとすることもできる。この場合、裏板上部4aと裏板下部4bに変えて裏板側方部を設けることも、裏板上部4aと裏板下部4bの双方又はいずれか一方と共に裏板側方部を設けることもできる。
(使用例)
次に、本発明の石膏ボード用下地1の使用例について、図面を参照して説明する。ここでは、実施形態1の石膏ボード用下地1を用いる場合を一例とするが、実施形態2及び3の石膏ボード用下地1も、実施形態1の石膏ボード用下地1と同様に使用することができる。
図4に示すように、前記実施形態1の石膏ボード用下地1は、例えば、廻り縁5や付長押6、壁掛けテレビボード7等の各種物品の固定に用いることができる。
前記廻り縁5を固定する場合、石膏ボード用下地1を石膏ボード壁Wに固定したのち、その石膏ボード用下地1の物品取付け部2bに廻り縁5を取り付ける。廻り縁5の取付けには釘やネジなどの止め具を用いることができる。
前記付長押6を固定する場合も、石膏ボード用下地1を石膏ボード壁Wに固定したのち、その石膏ボード用下地1の物品取付け部2bに付長押6を取り付ける。付長押6の取付けには釘やネジなどの止め具を用いることができる。
取り付けた付長押6の裏側であって石膏ボード用下地1の下側には、ピクチャーレール8を設けることができる。付長押6には洋服やかばん、帽子などの物品を掛けるフック(図示しない)などを取り付けることもできる。
前記壁掛けテレビボード7を固定する場合も、石膏ボード用下地1を石膏ボード壁Wに固定したのち、その石膏ボード用下地1の物品取付け部2bに壁掛けテレビボード7を取り付ける。壁掛けテレビボード7の取付けには釘やネジなどの止め具を用いることができる。
壁掛けテレビボード7のような大きな物品を固定する場合、複数の石膏ボード用下地1を用いるのが好ましい。この場合、図5(a)~(c)に示すように、複数の石膏ボード用下地1を縦横に間隔をあけて固定し、固定された複数の石膏ボード用下地1に複数本の間柱9を固定し、その複数本の間柱9に板状部材10を固定することができる。なお、間柱9は必要に応じて設ければよく、不要な場合には省略することができる。この場合、石膏ボード壁Wに固定された複数の石膏ボード用下地1に板状部材10を直接固定することができる。
前記各実施形態の石膏ボード用下地1を用いた物品取付け構造は、石膏ボード壁Wに固定された一又は二以上の石膏ボード用下地1の物品取付け部2bに物品が取り付けられた構造となる。
この物品取付け構造では、石膏ボード用下地1の本体2又は裏板材4が固定具3によって石膏ボード壁Wに固定される。このとき、固定具3の針3bのうち少なくとも一本が石膏ボード壁Wに対して斜め下向きの角度で差し込まれる。
また、石膏ボード壁Wに固定された本体2の宛がい部2a又は裏板材4の宛がい部4dは、石膏ボード壁Wの表面に当接する。このとき、本体2の宛がい部2aと石膏ボード壁Wの間又は裏板材4の宛がい部4dと石膏ボード壁Wの間に摩擦力が生じる。
この物品取付け構造のように、固定具3の針3bの少なくとも一本が石膏ボード壁Wに対して斜め下向きの角度で差し込まれるとともに、本体2の宛がい部2a又は裏板材4の裏面側が石膏ボード壁Wの表面に当接するようにすることで、固定された石膏ボード用下地1が脱落しにくくなり、結果的に石膏ボード用下地1に取り付けられる物品も脱落しにくくなる。
本発明の石膏ボード用下地1及びそれを用いた物品取付け構造は、物品の取付けが困難であった石膏ボード壁Wに対しても物品を確実に取り付けることができる。加えて、従来の取付け具セットでは実現できなかった、石膏ボード壁Wへの大型物品(例えば、廻り縁5や付長押6、壁掛けテレビボード7等の大型の板状部材)の取付けを実現することができる。
本発明の石膏ボード用下地1及びそれを用いた物品取付け構造は、従来の画鋲と同様の用途に利用できるほか、本体2の物品取付け部2bに物品を取り付ける用途に利用することもできる。
1 石膏ボード用下地
2 本体
2a 宛がい部(本体宛がい部)
2b 物品取付け部
2c 傾斜部
2d 挿通部
2e 頭部収容部
2f 針収容部
3 固定具
3a 頭部
3b 針
3c 返し部
4 裏板材
4a 裏板上部
4b 裏板下部
4c 裏板挿通部
4d 宛がい部(裏板材宛がい部)
4e 突出し部
4f 上傾斜面
4g 下傾斜面
4h 傾斜面挿通部
5 廻り縁
6 付長押
7 壁掛けテレビボード
8 ピクチャーレール
9 間柱
10 板状部材
W 石膏ボード壁

Claims (6)

  1. 石膏ボード壁への物品の取付けに用いる石膏ボード用下地であって、
    石膏ボード壁に固定される木製の本体と、当該本体を石膏ボード壁に固定する固定具を備え、
    前記本体は、裏面側に、石膏ボード壁に当接して宛がわれる本体宛がい部を備え、前面側に、当該本体宛がい部を当該石膏ボード壁に当接して宛がった状態で固定した際に外側に露出する物品取付け部を備え、
    前記固定具は、頭部と当該頭部に設けられた針を備え、
    前記本体の前面側の上部に、前下がりの傾斜部が設けられ、
    前記傾斜部に、前記固定具を挿通させるための貫通孔である挿通部が設けられ、
    前記挿通部は、前記固定具の頭部が収まる頭部収容部と、当該固定具の針が収まる針収容部を備えた、
    ことを特徴とする石膏ボード用下地。
  2. 請求項1記載の石膏ボード用下地において、
    針に、当該針の引き抜き時に石膏ボード壁のクロスを手前側に引き戻す返し部が設けられた、
    ことを特徴とする石膏ボード用下地。
  3. 請求項1又は請求項2記載の石膏ボード用下地において、
    針は、固定具の頭部を頭部収容部に収めた際に、本体宛がい部よりも裏面側に突出して石膏ボード壁に刺さる長さを備えた、
    ことを特徴とする石膏ボード用下地。
  4. 石膏ボード壁への物品の取付け構造において、
    求項1から請求項のいずれか1項に記載の石膏ボード用下地を備え、
    前記石膏ボード用下地の本体が、本体宛がい部が当該石膏ボード壁に当接して宛がわれた状態で、当該石膏ボード壁に固定され、
    前記石膏ボード用下地の本体の物品取付け部に物品が取り付けられた、
    ことを特徴とする物品取付け構造。
  5. 請求項記載の物品取付け構造において、
    石膏ボード壁に二以上の石膏ボード用下地が固定され、
    前記二以上の石膏ボード用下地に跨るように物品が取り付けられた、
    ことを特徴とする物品取付け構造。
  6. 請求項又は請求項記載の物品取付け構造において、
    本体を固定する固定具が石膏ボード壁に対して斜め下向きに差し込まれた、
    ことを特徴とする物品取付け構造。
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