JP7384862B2 - シールド部材、及び、シールドコネクタ - Google Patents

シールド部材、及び、シールドコネクタ Download PDF

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Description

本発明は、シールド部材、及び、シールドコネクタに関する。
従来から、電線の端部に端子が接続された端子付電線と、電線が挿通される電線挿通口と、電線に外装される編組と、電線挿通口を有するハウジング等に組み付けられるとともに編組と導通接続されるシールドシェルと、を備えたシールドコネクタが提案されている。例えば、従来のシールドコネクタの一つは、一対の電線と、一対の電線に外装される編組導体と、ハウジングに設けられると共に一対の電線が挿入される電線挿入孔と、ハウジングに組み付けられるシールドシェルと、を備えている(例えば、特許文献1を参照。)。特許文献1のシールドコネクタでは、編組導体は、電線挿入孔を含むように一対の電線を一括して覆うように外装されるとともに、シールドシェルと導通接続されている。
特開2020-087582号公報
一般に、複数の電線に対して編組を外装する際、特許文献1のシールドコネクタのように、編組は複数の電線を一括して覆うように外装される。しかしながら、シールド性能を考慮すると、個々の電線にそれぞれ編組を外装する方が好ましい場合もある。このように、編組を個々の電線にそれぞれ外装する場合には、作業性の観点から、一つの電線に対して一つの電線挿通口(電線挿入孔)となるように且つ電線挿通口がハウジングと別体となるように構成されることが好ましい。
電線挿通口が上述したように構成される場合、例えば、電線挿通口が設けられた部材(以下、「電線引出部材」ともいう)をシールドシェルに組み付けることによって、編組及びシールドシェルが容易に導通接続される。上記構成において、電線引出部材とシールドシェルとを単に組み付けてしまうとシールドコネクタの大型化に繋がる。このため、隣接する電線引出部材同士を重ね合わせてシールドシェルに組み付けることによってシールドコネクタの大型化を抑制でき、ひいてはシールドコネクタを小型化できる。一例として、電線引出部材とシールドシェルとが締結部材によって締結される場合、隣接する電線引出部材同士の締結孔を重ね合わせることによって、隣接する電線引出部材はシールドシェルに共締めされる。
シールドコネクタの小型化の観点から、隣接する電線引出部材の双方の重ね合わせられる箇所が互いにオフセットしていることが好ましく、シールドコネクタは、このように構成されることによって電線引出部材の重ね合わせの方向への小型化を図ることができる。例えば、隣接する電線引出部材が上下方向に重ね合わせられる場合、下側に位置する部分を下側にオフセット(いわゆる沈み込ませる。)させる、又は、上方に位置する部分を上方にオフセット(いわゆる浮き上がらせる。)させればよい。
しかしながら、電線引出部材をシールドシェルへ組み付ける(即ち、重ね合わせる)順番を誤ると、重ね合わせられる箇所の位置が本来の位置とは異なることとなる。この状態にて、締結部材等によって固定してしまうと、重ね合わせられる箇所の変形や締結部材等による固定の緩みが生じてしまう。
本発明は、上述した状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、シールドシェルに対するシールド部材の誤った組み付け(誤組み付け)を未然に抑制できるシールド部材、及び、シールドコネクタの提供である。
前述した目的を達成するために、本発明に係るシールド部材、及び、シールドコネクタは、下記[1]~[3]を特徴としている。
[1]
締結部材によってシールドシェルに組み付けられるシールド部材であって、
所定方向に突出する電線挿通口が設けられる第一板部と、
前記第一板部の端部が前記所定方向において前記電線挿通口の突出側とは反対側に折り曲げられて構成される第二板部と、を備えて、
前記第二板部は、
前記所定方向と交差する交差方向の両端部にそれぞれ設けられて、前記締結部材がそれぞれ挿通される締結孔と、
前記交差方向の一端側に前記所定方向の前記突出側に突出する突出部と、を有し、
前記一端と他端とが当該第二板部の板厚方向においてオフセットするように構成され、
前記所定方向において前記突出部の長さは、前記第二板部の前記他端側の長さよりも長い、
シールド部材であること。
[2]
上記[1]に記載のシールド部材と、複数の前記シールド部材が組み付けられるシールドシェルと、を備えたシールドコネクタであって、
一の前記シールド部材の前記第二板部の前記一端が、前記一の前記シールド部材と隣接する他の前記シールド部材の前記第二板部の前記他端の外側に重ね合わせられるように構成され、
前記一の前記シールド部材の前記第二板部の前記一端が、前記他の前記シールド部材の前記第二板部の前記他端の内側に重ね合わせられる場合、前記一の前記シールド部材の前記突出部が前記他の前記シールド部材の前記第一板部と干渉する、ように構成される、
シールドコネクタであること。
[3]
上記[2]に記載のシールドコネクタであって、
前記電線挿通口を挿通するとともに外周を編組で覆われた電線を更に備え、
前記シールドシェル及び前記編組が前記シールド部材を介して導通接続される、
シールドコネクタであること。
上記[1]の構成のシールド部材について以下に述べる。本構成のシールド部材は、所定方向に突出する電線挿通口が設けられる第一板部と、第一板部の端部を所定方向において電線挿通口の突出側とは反対側に折り曲げられて構成される第二板部と、を備えている。そして、第二板部は、交差方向の両端部に締結孔がそれぞれ設けられるとともに、交差方向の一端と他端とが第二板部の板厚方向においてオフセットするように構成される。これにより、例えば、複数のシールド部材をシールドシェルに組み付ける場合、一のシールド部材の一端が、一のシールド部材と隣接する他のシールド部材の他端に重ね合わせることができ、シールド部材及びシールドシェルの板厚方向の大型化を抑制できる。
更に、本構成のシールド部材は、第二部材が交差方向の一端側に所定方向における電線挿通口の突出側と同側に突出している突出部を有し、所定方向における突出部の長さが所定方向における第二板部の他端側の長さよりも長い。つまり、複数のシールド部材をシールドシェルに組み付ける場合、突出部を有する交差方向の一端が外側に位置するように、隣接するシールド部材の他端と重ね合わせられる。例えば、一端が内側に位置するように、隣接するシールド部材の他端と重ね合わせられる場合、突出部が隣接するシールド部材の第一板部と干渉することになる。このように、本構成のシールド部材は、シールドシェルに対する誤った組み付け(誤組み付け)を未然に抑制できる。
上記[2]の構成のシールドコネクタについて以下に述べる。本構成のシールドコネクタは、上記[1]に記載のシールド部材と、複数のシールド部材が組み付けられるシールドシェルと、を備えている。シールドコネクタは、他のシールド部材の第二板部の他端に対して一のシールド部材の第二板部一端が外側に重ね合わせられるように構成される。つまり、この場合では、締結部材が一のシールド部材及び他のシールド部材の双方の締結孔に挿通可能である。更に、シールドコネクタは、他のシールド部材の第二板部の他端に対して一のシールド部材の第二板部の一端が内側に重ね合わせられる場合、一のシールド部材の突出部が他のシールド部材の第一板部と干渉する、ように構成される。つまり、この場合では、締結部材が一のシールド部材の一端側の締結孔、及び、他のシールド部材の他端の締結孔に挿通不可能である。このように、本構成のシールドコネクタは、シールド部材がシールドシェルに対して誤った組み付け(誤組み付け)をされた場合、突出部が隣接するシールド部材の第一板部と干渉するため、シールドシェルに対するシールド部材の誤った組み付け(誤組み付け)を未然に抑制できる。
上記[3]の構成のシールドコネクタについて以下に述べる。本構成のシールドコネクタは、電線挿通口を挿通するとともに外周を編組で覆われた電線を更に備えて、シールドシェル及び編組がシールド部材を介して導通接続される。つまり、シールド部材をシールドシェルに組み付けることによって、シールドシェル及び編組を容易に導通接続できる。
このように、本発明によれば、シールドシェルに対するシールド部材の誤った組み付け(誤組み付け)を未然に抑制できるシールド部材、及び、シールドコネクタを提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係るシールドコネクタの斜視図である。 図2は、シールドコネクタの誤組み付けを説明する図であって、電線シールド部材及びシールド電線をシールドシェルに組み付ける前の正面図である。 図3は、シールドコネクタの誤組み付けを説明する図であって、電線シールド部材及びシールド電線をシールドシェルに組み付け途中の正面図である。 図4は、図3の要部拡大図である。 図5(a)は、本発明の実施形態に係る電線シールド部材の斜視図であり、図5(b)は、図5(a)を後方から見た正面図であり、図5(c)は、図5(a)を上方から見た正面図である。 図6は、他の実施形態に係るシールドコネクタの斜視図である。
<実施形態>
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る電線シールド部材3、及び、シールドコネクタ1について説明する。なお、電線シールド部材3は、本発明の「シールド部材」に対応している。
以下、説明の便宜上、図1~図6に示すように、「前後方向」、「上下方向」、「左右方向」、「前」、「後」、「上」、「下」、「右」及び「左」を定義する。「前後方向」、「上下方向」及び「左右方向」は、互いに直交している。前後方向は、本発明の「所定方向」に対応している。なお、前後方向の前側は本発明の「電線挿通口25の突出側」に対応し、前後方向の後側は本発明の「電線挿通口25の突出側とは反対側」に対応している。上下方向は、本発明の「第二板部22の板厚方向」に対応している。左右方向は、本発明の「交差方向」に対応している。なお、本実施形態では、左側は本発明の「一方側」に対応し、右側は本発明の「他方側」に対応している。
図1に示すように、シールドコネクタ1は、内部に電子部品等が収容されるシールドシェル2と、シールドシェル2に組み付けられる一対の電線シールド部材3と、一対のシールド電線4と、を含んで構成される。
一対のシールド電線4は、電線シールド部材3の電線挿通口25を挿通する一対の端子付電線6と、端子付電線6の電線6bに外装されて電線シールド部材3を介してシールドシェル2と導通接続される一対の編組5と、を有している。端子付電線6は、電線6bと、電線の前端部と導通接続される端子部6aと、を有している。
まず、シールドシェル2について説明する。シールドシェル2は、導電性材料から構成されて、電線シールド部材3を介してシールド電線4の編組5がアース接続される。図1~図3(特に、図2)に示すように、シールドシェル2は、内部に電子部品等が収容される筐体11を有している。
筐体11は、上下方向の下側に位置する底壁と、底壁から立設する周壁とからなる箱状の形状を有し、上側に開口している。筐体11の後端部には、電線シールド部材3が組み付けられる一対の被組付部12が設けられている。
被組付部12は、後側に開口するように筐体11の後側周壁が切り欠かれて構成される切欠部12aと、筐体11の開口面と略同一平面上に位置した上端面を有する載置部12bと、を有している。載置部12bは、左側周壁及び右側周壁の後端部、並びに、一対の切欠部12aの間に位置している。載置部12bの上端面には上下方向に沿って下側に窪む締結孔14が設けられている。後述するように、シールドシェル2は、被組付部12の締結孔14及び電線シールド部材3の締結孔24に締結部材8が挿通されて、シールドシェル2とシールド部材3とが締結固定される。
シールドシェル2は、筐体11の内部に一対の電線収容部13及び一対の端子接続部15を有している。電線収容部13には、電線シールド部材3に挿通された端子付電線6の電線6bの前側箇所が収容される。端子接続部15には、端子付電線6の端子部6aが締結固定されるとともに導通接続されている。
以上がシールドシェル2についての説明である。
次いで、電線シールド部材3について説明する。電線シールド部材3は、導電性材料から構成されて、シールドシェル2に組み付けられるとともにシールドシェル2及び編組5と導電接続される。
図5に示すように、電線シールド部材3は、電線挿通口25を有する第一板部21と、第一板部21の上側端部が前後方向の前側に折り曲げられて構成される第二板部22と、を含んで構成される。
第一板部21は、電線シールド部材3がシールドシェル2に組み付けられた際、被組付部12の切欠部12aに対応するように位置する。換言すると、電線シールド部材3は、第一板部21がシールドシェル2の筐体11の後側の開口(即ち、切欠部12a)を塞ぐように組み付けられる。
第一板部21に設けられる電線挿通口25は、第一板部21の後端面から後側に向かって突出している。電線挿通口25は略円筒状の形状を有し、上述したように端子付電線6が挿通される。後述するように、電線挿通口25の外周には電線6bに外装された編組5が装着される。
第二板部22は、上述したように第一板部21の上側端部を前後方向の前側に折り曲げられて構成される。第二板部22は、左右方向の両端部にそれぞれ締結孔24が設けられている。
特に図5(b)に示すように、第二板部22の左側端部と右側端部とは上下方向にオフセットしている。具体的には、第二板部22の右側端部と左側端部とは、第二板部22の板厚分(長さd)だけ上下方向に位置ずれしている。換言すると、第二板部22の左側端部は、右側端部よりも長さdだけ下側に位置している。
第二板部22の左側端部には、前後方向に沿って前側に突出する突出部23が設けられている。具体的には、突出部23は、上下方向にオフセットしている第二板部22の左側端部及び右側端部のうち上側に位置している方(本例では、左側端部)に設けられる。突出部23は、前後方向の長さL2が、第二板部22の前後方向の長さL1よりも長くなるように構成される。
以上が電線シールド部材3についての説明である。
次いで、シールドシェル2と電線シールド部材3との組み付け方法について説明する。はじめに、シールドシェル2に組み付けられる前の電線シールド部材3の態様について図2を参照して説明する。図2は、シールドシェル2と電線シールド部材3との誤組み付けを説明する図であるが、電線シールド部材3の態様については同様である。
なお、以下の説明では、後から組み付けられる電線シールド部材3の第二板部22が、先に組み付けられている電線シールド部材3の第二板部22の上側に重ね合わせられることを前提としている。このため、後から組み付けられる電線シールド部材3の第二板部22が、先に組み付けられている電線シールド部材3の第二板部22の下側に重ね合わせられる場合には以下の限りではない。
図2に示すように、電線シールド部材3の電線挿通口25には、シールド電線4の端子付電線6が前後方向に挿通される。電線6bの電線挿通口25よりも前側箇所にはパッキン9が装着されている。パッキン9は、電線シールド部材3がシールドシェル2に組み付けられると電線収容部13内に位置し、電線収容部13と電線収容部13に収容されている電線6bとの間を止水する。
電線6bの電線挿通口25よりも後側箇所には編組5が外装されている。電線6bに外装された編組5の前端部は、電線挿通口25の外周面を覆うように電線挿通口25にも装着されている。これにより、編組5と電線挿通口25(即ち、電線シールド部材3)が導通接続される。
編組5における電線挿通口25に装着されている箇所には、シールドリング7が装着(例えば、加締められる。)される。シールドリング7が装着された箇所は、電線挿通口25、編組5、シールドリング7の順に、電線挿通口25における径方向の外側に向かって配置されている。
シールド電線4を含む電線シールド部材3は、シールドシェル2に対して前後方向に沿って組み付けられる。なお、上述したように第二板部22の左側端部が右側端部よりも下側に位置していることから、一の電線シールド部材3は、第二板部22の右側端部が、隣接する電線シールド部材3の第二板部22の左側端部の上側に重ねられる必要がある。このため、本例では、電線シールド部材3は左側から順にシールドシェル2に組み付けられる。
左側の電線シールド部材3をシールドシェル2に組み付けられる所定の位置に向けて移動させる。左側の電線シールド部材3が所定の位置に配置されると、締結孔24aとシールドシェル2の締結孔14aとに締結部材8が挿通されて、左側の電線シールド部材3の左側端部がシールドシェル2(具体的には載置部12b)に締結固定される。
そして、右側のシールド部材3をシールドシェル2に組み付けられる所定の位置に向けて移動させる。右側の電線シールド部材3が所定の位置に配置されると、右側の電線シールド部材3の左側端部が左側の電線シールド部材3の右側端部の上側に重ねられる。このとき、左側の電線シールド部材3の締結孔24b、右側の電線シールド部材3の締結孔24c、及び、シールドシェル2の締結孔14は、締結部材8が挿通可能であるように上下方向に連通している。つまり、締結部材8が締結孔24b、締結孔24c、及び締結孔14bに挿通されて、右側及び左側の電線シールド部材3がシールドシェル2に共締めされる。
その後、右側の電線シールド部材3の右側の締結孔24とシールドシェル2の右側の締結孔14とに締結部材8が挿通される。このようにして、複数(本例では、一対)の電線シールド部材3は、シールドシェル2に組み付けられる(即ち、締結固定される。)。
以上がシールドシェル2と電線シールド部材3との組み付け方法についての説明である。
次いで、電線シールド部材3のシールドシェル2への誤組み付け抑制構造について説明する。上述したように、本実施形態に係るシールドコネクタ1では、電線シールド部材3は左側から順にシールドシェル2に組み付けられる。しかしながら、電線シールド部材3をシールドシェル2に組み付ける際、誤って右側の電線シールド部材3から組み付けられる可能性もある。
本実施形態のように隣接する電線シールド部材を共締めするために重ね合わせ箇所をオフセットさせている場合、重ね合わせる順番を誤った状態(例えば、上側に位置するようにオフセットしているものを下側に配置した状態等)にて重ね合わせ箇所を共締めすると、部品の変形や締結部材のゆるみ等が生じるおそれがある。誤組み付けを未然に抑制する理由としては、上記問題を引き起こさないようにするためである。
なお、以下の説明では、後から組み付けられる電線シールド部材3の第二板部22が先に組み付けられている電線シールド部材3の第二板部22の上側に重ね合わせられることを前提としている。このため、後から組み付けられる電線シールド部材3の第二板部22が先に組み付けられている電線シールド部材3の第二板部22の下側に重ね合わせられる場合には以下の限りではない。
図2~図4に示すように、本実施形態のシールドコネクタ1は、右側の電線シールド部材3を先に組み付けてから左側の電線シールド部材3を組み付けようとすると、左側の電線シールド部材3がシールドシェル2に組み付けられないように構成される。
具体的には、右側の電線シールド部材3が組み付けられた後に左側の電線シールド部材3が組み付けられる場合、左側の電線シールド部材3の右側端部が右側の電線シールド部材3の左側端部の上側に重ねられる。このとき、左側の電線シールド部材3の突出部23が右側の電線シールド部材3の第一板部21の前端面と当接する(特に図4参照)。
このため、左側の電線シールド部材3を所定の位置に配置しようとしても、右側の電線シールド部材3の突出部23が左側の電線シールド部材3の第一板部21と干渉するため、左側の電線シールド部材3をシールドシェル2に組み付けられる所定の位置に配置することが出来ない。つまり、締結部材8は、締結孔24b、締結孔24c、及び、締結孔14bに挿通不可能である。これにより、電線シールド部材3のシールドシェル2への誤組み付けが抑制される。
以上が電線シールド部材3のシールドシェル2への誤組み付け抑制構造についての説明である。
<作用・効果>
本実施形態に係る電線シールド部材3は、第二板部22の左側端部及び右側端部が上下方向にオフセットしているため、一の電線シールド部材3の第二板部22の右側端部を、隣接する他の電線シールド部材3の第二板部22の左側端部に重ね合わせることができ、シールドコネクタ1の上下方向の大型化を抑制できる。
本実施形態に係るシールドコネクタ1は、電線シールド部材3の第二板部22に突出部23が設けられていることによって、突出部23が隣接する電線シールド部材3の第一板部21と干渉する。つまり、複数の電線シールド部材3を誤った順番でシールドシェル2に組み付けようとしても(即ち、複数の第二板部22を誤った順番で重ね合わせようとしても)、電線シールド部材3をシールドシェル2に組み付けることができない。これにより、シールドコネクタ1は、電線シールド部材3のシールドシェル2への誤組み付けが未然に抑制される。
<他の形態>
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本実施形態に係るシールドコネクタ1は、一対の電線シールド部材3がシールドシェル2に組み付けられているが、図6に示すように、シールドシェル2には3つの電線シールド部材3が組み付けられてもよい。図6に示すシールドコネクタ101は、シールドシェル102の筐体111に被組付部が3つ設けられている。
ここで、上述した本発明に係るシールド部材、及び、シールドコネクタの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[3]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
締結部材(8)によってシールドシェル(2)に組み付けられるシールド部材(電線シールド部材3)であって、
所定方向に突出する電線挿通口(25)が設けられる第一板部(21)と、
前記第一板部(21)の端部が前記所定方向において前記電線挿通口(25)の突出側とは反対側に折り曲げられて構成される第二板部(22)と、を備えて、
前記第二板部(22)は、
前記所定方向と交差する交差方向の両端部にそれぞれ設けられて、前記締結部材(8)がそれぞれ挿通される締結孔(24)と、
前記交差方向の一端側に前記所定方向の前記突出側に突出する突出部(23)と、を有し、
前記一端と他端とが当該第二板部の板厚方向においてオフセットするように構成され、
前記所定方向において前記突出部の長さ(L2)は、前記第二板部の長さ(L1)よりも長い、
シールド部材(電線シールド部材3)。
[2]
上記[1]に記載のシールド部材(電線シールド部材3)と、複数の前記シールド部材が組み付けられるシールドシェル(2)と、を備えたシールドコネクタ(1)であって、
一の前記シールド部材の前記第二板部(22)の前記一端が、前記一の前記シールド部材と隣接する他の前記シールド部材の前記第二板部(22)の前記他端の外側に重ね合わせられるように構成され、
前記一の前記シールド部材の前記第二板部(22)の前記一端が、前記他の前記シールド部材の前記第二板部(22)の前記他端の内側に重ね合わせられる場合、前記一の前記シールド部材の前記突出部(23)が前記他の前記シールド部材の前記第一板部(21)と干渉する、ように構成される、
シールドコネクタ(1)。
[3]
上記[2]に記載のシールドコネクタ(1)であって、
前記電線挿通口(25)を挿通するとともに外周を編組(5)で覆われた電線(端子付電線6)を更に備え、
前記シールドシェル(2)及び前記編組(5)が前記シールド部材(電線シールド部材3)を介して導通接続される、
シールドコネクタ(1)。
1,101 シールドコネクタ
2,102 シールドシェル
3 電線シールド部材(シールド部材)
4 シールド電線
5 編組
6 端子付電線
6a 端子部
6b 電線
7 シールドリング
8 締結部材
9 パッキン
11,111 筐体
12 被組付部
12a 切欠部
12b 載置部
13 電線収容部
14,14a,14b,24,24a,24b,24c 締結孔
15 端子接続部
21 第一板部
22 第二板部
23 突出部
25 電線挿通口

Claims (3)

  1. 締結部材を用いてシールドシェルに組み付けられるシールド部材であって、
    所定方向に突出する電線挿通口が設けられる第一板部と、
    前記第一板部の端部が前記所定方向において前記電線挿通口の突出側とは反対側に折り曲げられて構成される第二板部と、を備えて、
    前記第二板部は、
    前記所定方向と交差する交差方向の両端部にそれぞれ設けられて、前記締結部材がそれぞれ挿通される締結孔と、
    前記交差方向の一端側に前記所定方向の前記突出側に突出する突出部と、を有し、
    前記一端と他端とが当該第二板部の板厚方向においてオフセットするように構成され、
    前記所定方向において前記突出部の長さは、前記第二板部の前記他端側の長さよりも長い、
    シールド部材。
  2. 請求項1に記載のシールド部材と、複数の前記シールド部材が組み付けられるシールドシェルと、を備えたシールドコネクタであって、
    一の前記シールド部材の前記第二板部の前記一端が、前記一の前記シールド部材と隣接する他の前記シールド部材の前記第二板部の前記他端の外側に重ね合わせられるように構成され、
    前記一の前記シールド部材の前記第二板部の前記一端が、前記他の前記シールド部材の前記第二板部の前記他端の内側に重ね合わせられる場合、前記一の前記シールド部材の前記突出部が前記他の前記シールド部材の前記第一板部と干渉する、ように構成される、
    シールドコネクタ。
  3. 請求項2に記載のシールドコネクタであって、
    前記電線挿通口を挿通するとともに外周を編組で覆われた電線を更に備え、
    前記シールドシェル及び前記編組が前記シールド部材を介して導通接続される、
    シールドコネクタ。
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