JP7384299B2 - 化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、化粧シートの製造方法、化粧シート、転写シートに関するものである。
従来、様々な物品の表面には、意匠性を付与するために、化粧シートが積層されている。例えば、建築物の壁面に用いられる壁装材、床面に用いられる床用化粧材、家具等の表面には、化粧シートが積層されて用いられている。
壁、天井、床、玄関ドア、屋根等の建築物の内装材、又は、外装用部材には、柔軟であり、成型加工性が良好であり、資材の価格も比較的安価であることから、塩化ビニル系樹脂を用いたものが汎用されてきた。
しかし、塩化ビニル系樹脂は、変色するなど耐候性に乏しく、長期耐久性をもつ塩化ビニル化粧シートの開発が求められていた。
特許文献1には、ポリオレフィン樹脂に保護層としてのトップコート層を積層した化粧シートが開示されている。
しかし、塩化ビニル系樹脂は、溶剤に対する耐性が低く、溶剤を含む保護層を塩化ビニル系樹脂基材に直接塗工してしまうと、塩化ビニル系樹脂基材自体が溶解してしまったり、化粧用の印刷が崩れてしまったり、保護層の硬化のための電子線や紫外線照射により変色し意匠性を損なってしまったりするおそれがあった。
特開2003-340973号公報
本発明の課題は、塩化ビニル系樹脂基材を備え、耐候性の良好な化粧シートの製造方法、化粧シート、転写シートを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、離型性支持体基材(21)に電離放射線硬化性樹脂を塗布する塗布工程と、前記電離放射線硬化性樹脂に電離放射線を照射して前記電離放射線硬化性樹脂を硬化させて保護層(22)を形成する保護層形成工程と、ガラス転移温度が70℃以上、100℃以下である熱硬化型接着剤を含む接着層(24)を前記保護層(22)上に形成する接着層形成工程と、前記接着層(24)を挟んで前記保護層(22)と塩化ビニル系樹脂基材(11)とを重ね合わせた状態で、加熱及び加圧を行い、前記保護層(22)と前記塩化ビニル系樹脂基材(11)とを接着する接着工程と、を備える化粧シート(1)の製造方法である。
第2の発明は、請求項1に記載の化粧シート(1)の製造方法において、前記接着工程の後、前記離型性支持体基材(21)が前記保護層(22)から剥離されて前記保護層(22)が前記塩化ビニル系樹脂基材(11)へと転写されること、を特徴とする化粧シート(1)の製造方法である。
第3の発明は、塩化ビニル系樹脂基材(11)と、電離放射線硬化性樹脂の硬化物により構成されている保護層(22)と、前記保護層(22)と前記塩化ビニル系樹脂基材(11)との間に配置され、ガラス転移温度が70℃以上、100℃以下である熱硬化型接着剤の硬化物により構成されている接着層(24)と、を備える化粧シート(1)である。
第4の発明は、塩化ビニル系樹脂基材(11)へ転写される転写層を備える転写シートであって、離型性支持体基材(21)と、前記離型性支持体基材(21)に積層されており、電離放射線硬化性樹脂の硬化物により構成されている保護層(22)と、前記保護層(22)の前記離型性支持体基材(21)とは反対側に配置され、ガラス転移温度が70℃以上、100℃以下である熱硬化型接着剤により構成されている接着層(24)と、を備える転写シートである。
本発明によれば、塩化ビニル系樹脂基材を備え塩化ビニル樹脂基材が溶剤の影響を受けることなく表面保護層を設けることができ、かつ耐候性の良好な化粧シートの製造方法、化粧シート、転写シートを提供することができる。
本発明による化粧シート1の実施形態を示す図である。 化粧シート1の製造方法を示す図である。 評価結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による化粧シート1の実施形態を示す図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、化粧シート、転写シートとの文言を用いて、シート状の形態として説明を行っているが、同様な用語として、板、フィルム等の呼称もある。これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。したがって、化粧フィルム、転写フィルム、化粧板、転写板も本発明の化粧シート、転写シートと同等なものである。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において規定する具体的な数値には、一般的な誤差範囲は含むものとして扱うべきものである。すなわち、±10%程度の差異は、実質的には違いがないものであって、本件の数値範囲をわずかに超えた範囲に数値が設定されているものは、実質的には、本件発明の範囲内のものと解釈すべきである。
化粧シート1は、基材層10と転写シート20とが積層されて構成されている。化粧シート1は、例えば、建築物の壁面、床面、玄関ドア、屋根等、主に外装用部材に貼り付けられて意匠性を付与するために用いられる。
基材層10は、塩化ビニル系樹脂基材11と、装飾層12とを有している。また、装飾層の上に耐傷性向上のためクリア塩化ビニル系樹脂層を設けてもよい。塩化ビニル系樹脂基材、クリア塩化ビニル系樹脂層に紫外線吸収剤や光安定剤など耐候剤を添加してもよい。
塩化ビニル系樹脂基材11は、化粧シート1のベースとなる層を構成している。塩化ビニル系樹脂基材11は、図では表面側(図1における上側)を平坦として描いているが、凹凸形状を設けてもよい。
塩化ビニル系樹脂基材11に用いられる塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル樹脂及び塩化ビニリデン樹脂が挙げられる。
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルモノマーを重合又は共重合して得られる共重合体、その他塩素化物等が挙げられる。
塩化ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルアクリレートやブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類;メチルメタクリレートやエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;ブチルマレートやジエチルマレート等のマレイン酸エステル類;ジブチルフマレートやジエチルフマレート等のフマル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル及びビニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類;アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアン化ビニル類;エチレン、プロピレン、ブチレン、スチレン等のオレフィン類;イソプレン、ブタジエン等のジエン類;塩化ビニリデン、臭化ビニル等の塩化ビニル以外のハロゲン化ビニリデン、ハロゲン化ビニル類;ジアリルフタレート等のフタル酸アリル類、等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、塩化ビニルモノマーと共重合可能な重合体としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル-一酸化炭素共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート-一酸化炭素共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-α-メチルスチレン共重合体、ポリブチルアクリレート、ブチルゴム、ポリスチレン、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリルゴム等が挙げられる。これらの重合体は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
塩化ビニリデン樹脂としては、上記の塩化ビニル系樹脂において、塩化ビニルモノマーを塩化ビニリデンモノマーに置き換えたものが挙げられる。
塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、500~4000が好ましく、700~3900がより好ましく、1000~3800がさらに好ましい。平均重合度が上記範囲内であると、優れた機械的強度が得られ、かつ優れた成形性が得られる。なお、平均重合度は、JIS K6721に準拠して測定される平均重合度である。
塩化ビニル系樹脂基材11として、塩化ビニル系樹脂を用いる場合には、加工性を向上させるために可塑剤を添加することが好ましい。可塑剤としては、塩化ビニル系樹脂と相溶性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)等のフタル酸系可塑剤;アジピン酸ジブチル等のアジピン酸系可塑剤;リン酸トリブチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル等のリン酸系可塑剤;トリメリット酸トリブチル、トリメリットサントリオクチル等のトリメリット酸系可塑剤;公知の各種ポリエステル系可塑剤;アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリオクチルシトレート等のクエン酸エステル類;等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
可塑剤の含有量としては、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、5~50質量部であることが好ましく、10~35質量部であることがより好ましい。可塑剤の含有量を10質量部以上とすることで、塩化ビニル系樹脂を柔軟にすることができる一方、50質量部以下であると可塑剤がブリードアウトすることに加えて、生産上の不都合の懸念が小さくなるので、好ましい。以上の観点から、可塑剤の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、15~25質量部であることがさらに好ましい。
塩化ビニル系樹脂基材11の厚みとしては、50~180μmであることが好ましい。80μm以上であると、通常、この種の化粧材に使用される木目導管溝、布目テクスチュア、砂目、梨地、ヘアライン、花崗岩板表面の劈開面、皮シボ等の各種の凹凸模様で使用される範囲において、版深が深いエンボス加工においても裏面への影響が小さい点で有利であり、180μm以下であるとラッピング加工等の曲げ加工性の点で有利である。以上の観点から、塩化ビニル系樹脂基材11の厚みは、80~160μmの範囲であることがさらに好ましい。
装飾層12は、当該化粧シートに意匠性を付与するための層であり、塩化ビニル系樹脂基材11の表面側に設けられている。
装飾層12は、例えば、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、皮絞(シボ)模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、文字、図形等がある。これらの模様は通常のグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、フレキソ印刷、インキジェット印刷等の各種印刷法によって形成される。
装飾層12の厚みは、一般的に0.1μm~20μmの範囲である。
転写シート20は、基材層10の表面側(図1における上側)に設けられており、離型性支持体基材21と、保護層22と、プライマー層23と、接着層24とが表面側(図1の上側)から、この順で積層されている。
離型性支持体基材21は、保護層22とプライマー層23と接着層24とが積層された転写層25から剥離可能な支持体であり、転写層25を支持する支持体である。離型性支持体基材21は、少なくとも化粧シート1が実際に使用されるまでには、保護層22との界面から剥離されて除去される。
離型性支持体基材21としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂等ならなるフィルムが挙げられる。このうち、強度及び柔軟性に優れる点で、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムが好ましい。
離型性支持体基材21の厚さは、転写層から剥離が可能であることのほかに特に限定されるものではないが、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは20μm以上である。また、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは60μm以下である。
保護層22は、化粧シート1の表面を保護するための透明な層である。保護層22を形成する樹脂として、本実施形態では、電離放射線硬化性樹脂を用いている。
電離放射線硬化性樹脂は、電子放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂である。具体的には、電離放射線硬化性樹脂は、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー、モノマー等のうち、少なくとも1種を混合したものが挙げられる。なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合或いは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、一般的には紫外線、電子線、可視光線、ガンマー線等が用いられる。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、保護層22を形成するのに適している。
保護層22の厚さは、特に制限はないが、十分な保護効果を有しつつ加工性とのバランスから0.5~20μmが好ましく、1~10μmがより好ましく、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤などの添加剤を含有してもよい。特に塩化ビニルの耐候劣化を抑えるためには紫外線吸収剤を含有することが望ましい。
プライマー層23は、各層間の密着性を向上させるための層である。プライマー層23としては、易接着プライマーとして知られている公知の材料を適宜に選択して使用すればよい。また、必要に応じて紫外線吸収剤や光安定剤を添加してもよい。
接着層24は、保護層22を基材層10に接合させるための接着剤を含む層であり、ガラス転移温度が70℃以上、100℃以下である熱硬化型接着剤を含む。
接着層24に用いる熱硬化型接着剤としては、特に制限されず、例えば、アクリルポリオール樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、水酸基官能性アクリル樹脂、カルボキシル官能性アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂等が挙げられ、これらのなかでも、水酸基官能性アクリル樹脂及びウレタン樹脂が好ましい。
接着層24の厚さは、特に制限はないが、0.5~15μmが好ましく、1~10μmがより好ましい。
(製造方法)
次に、本実施形態の化粧シート1の製造方法について、具体例を挙げて説明する。
図2は、化粧シート1の製造方法を示す図である。
化粧シート1を製造するためには、先ず、転写シート20を作製する。
(転写シート20の製造)
離型性支持体基材21として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)からなるフィルム(「E5101(商品名)」、東洋紡社製)を用意した(図2(a))。
この離型性支持体基材21の一方の面に、保護層22を形成するための電離放射線硬化性樹脂(6官能のウレタンアクリレート(分子量約1,000)60質量部と2官能の下プロラクトン変性ウレタンアクリレート(分子量数千程度)40質量部の混合物)を塗布して未硬化樹脂層を形成し(塗布工程)、90kV及び7Mrad(70kGy)の条件で電子線を照射して、この未硬化樹脂層を架橋硬化させることにより、層厚3μmの保護層22を形成した(保護層形成工程:図2(b))。
次に、保護層22の面にコロナ放電処理をした上に、プライマー層23を形成するための樹脂組成物(ポリカーボネート系ウレタン-アクリル共重合体)を塗布して、ブロッキングしない程度に表面を乾燥させて厚さ3μmのプライマー層23を形成した(図2(c))。
その後、プライマー層23上に、アクリル系樹脂を用いて厚さ5μmの接着層24を積層させ、転写シート20を作製した(接着層形成工程:図2(d))。ここで、後述するように、接着層24については、実施例1、実施例2の2種類、及び、比較例1、比較例2の2種類、計4種類を用意し、それぞれの転写シート20を得た。
(化粧シート1の製造)
塩化ビニル系樹脂基材11として、厚さ120μmの塩化ビニル樹脂シートを用意し、その一方の面に塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂との混合樹脂をバインダーとする印刷インキをグラビア印刷法で塗布して木目模様の厚さ3μmの装飾層12を設けた。
次いで、塩化ビニル系樹脂基材11上に装飾層12を設けた基材層10に転写シート20を熱ラミネートした。塩化ビニル系樹脂基材11は、加熱ドラム上で加熱されて軟化された後、版部分で転写シート20と重ね合わされて加圧されて密着し、化粧シート1が得られた(接着工程:図2(e))。熱ラミネート時の加熱温度は150℃で行った。なお、完成後の化粧シート1は、離型性支持体基材21を残した状態としてもよいし、離型性支持体基材21を剥離して除去して転写を完了した状態としてもよい。離型性支持体基材21を残した状態としておけば、化粧シート1を貼り付ける貼り付け対象物(例えば、玄関ドア等)への貼り付け工程までの間、保護層22への傷つき等を防止できる。
(評価)
接着層24については、ガラス転移温度Tgが異なる実施例1、実施例2の2種類、及び、比較例1、比較例2の2種類、計4種類を用意し、それぞれの接着層24を有する化粧シート1を作製し、これを評価した。
評価項目は、耐候性評価における密着性と外観変化(クラックや艶変化等)とした。
耐候性評価のために耐候促進試験機(S-UV)を用いた。具体的には、アイスーパーUVテスター(型番:SUV-W261 岩崎電気株式会社製)を用いて、温度:63℃、湿度:50%RH、紫外線照度:100mW/cmの条件で、20時間照射した後、4時間の結露のサイクルを繰り返し、300時間経過時点、500時間経過時点において、外観変化と密着性とを評価した。
図3は、評価結果を示す図である。
外観変化の評価結果中の、A、B、C、Dは、以下の基準で主に保護層22の外観を評価した結果である。
A:外観変化無し
B:軽微な割れ(拡大観察により観察可能な程度)、又は、外観変化あり
C:顕著な割れ(目視で観察可能)、又は、外観変化あり
D:Cよりもさらに顕著な割れ、又は、外観変化あり
また、密着性の評価は、JIS K5600-5-6の方法を用いて評価した。
図3の結果から、接着層24のガラス転移温度Tgは、70℃以上、100℃以下であることが望ましいことが明らかとなった。すなわち、接着層24のガラス転移温度Tgをこの範囲とすることにより、保護層22と基材層10との密着性を担保しつつ、化粧シート1の耐候性を向上させることができる。
接着層24のガラス転移温度Tgが100℃よりも高いと耐候密着が悪くなるだけでなく、塩化ビニルの軟化点よりもTgが高くなるため、接着層24と基材層10との伸びのバランスが悪くなり、微細なクラックが入った結果、耐候性試験を行うとそのクラックが起因し劣化が促進されると考えられる。
逆に接着層24のガラス転移温度Tgが低すぎると密着性は良好であるが、外装として用いる場合、実環境でTgに近い温度まで上がる可能性もあり、保護層22が不安定な状態になり外観変化が生じる要因となる。
以上説明したように、本実施形態の化粧シート1は、電離放射線硬化性樹脂を硬化させて保護層22を作製し、ガラス転移温度が70℃以上、100℃以下である熱硬化型接着剤を含む接着層24を用いて塩化ビニル系樹脂基材11と保護層22とを接着(転写)するので、耐候性の高い化粧シートとすることができる。また、保護層22は、塩化ビニル系樹脂基材11上に塗工されないので、保護層22を形成する樹脂に含まれる溶剤によって塩化ビニル系樹脂基材11が侵されることを防止できる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)実施形態において、化粧シート1の具体的な層構成を例示して説明を行った。これに限らず、化粧シート1の具体的な層構成は適宜変更可能である。例えば、装飾層12の上にさらに透明樹脂層が設けられていてもよい。また、プライマー層23は、省略してもよい。さらに、装飾層12は、単層で図示したが、複数層に構成されていてもよい。
なお、各実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1 化粧シート
10 基材層
11 塩化ビニル系樹脂基材
12 装飾層
20 転写シート
21 離型性支持体基材
22 保護層
23 プライマー層
24 接着層
25 転写層

Claims (1)

  1. 塩化ビニル系樹脂基材と、
    前記塩化ビニル系樹脂基材上に直接設けられた装飾層と、
    電離放射線硬化性樹脂の硬化物により構成されている保護層と、
    前記保護層と前記塩化ビニル系樹脂基材との間に配置され、ガラス転移温度が70℃以上、100℃以下である熱硬化型接着剤の硬化物により構成されており、前記装飾層に前記保護層を接着する接着層と、
    前記保護層と前記接着層との間に設けられたプライマー層と、
    を備える化粧シート。
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