JP6451185B2 - 水圧転写フィルム及びこれを用いた加飾成形品 - Google Patents
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Description
前記第1の保護層は、前記水溶性フィルムの表面上において凹凸形状を形成しており、
前記第1の保護層が、電離放射線硬化性樹脂を含む、水圧転写フィルム。
項2. 前記凹凸形状が、前記水溶性フィルムの表面上に前記第1の保護層を有する部分と、前記第1の保護層を有しない部分とによって形成されている、項1に記載の水圧転写フィルム。
項3. 前記第1の保護層と、前記絵柄層との間に、第2の保護層を有する、項1または2に記載の水圧転写フィルム。
項4. 前記第2の保護層が、電離放射線硬化性樹脂またはアクリルポリマーポリオールを含む、項3に記載の水圧転写フィルム。
項5. 前記第1の保護層が、艶消し剤を含む、項1〜4のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
項6. 前記第2の保護層が、艶消し剤を含む、項1〜5のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
項7. 前記第1の保護層の凹凸形状が、前記絵柄層によって形成されている模様に同調するように形成されている、項1〜6のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
項8. 以下の工程(A)及び(B)を順に有する水圧転写フィルムの製造方法。
工程(A)水溶性フィルムの表面上に凹凸形状を形成するようにして、電離放射線硬化性樹脂を含む第1の保護層を積層する工程
工程(B)前記第1の保護層の上に、絵柄層を積層する工程
項9. 以下の工程(A)、(A’)、及び(B)を順に有する水圧転写フィルムの製造方法。
工程(A)水溶性フィルムの表面上に凹凸形状を形成するようにして、電離放射線硬化性樹脂を含む第1の保護層を積層する工程
工程(A’)前記第1の保護層の上に、第2の保護層を積層する工程
工程(B)前記第2の保護層の上に、絵柄層を積層する工程
項10. 下記の工程(a)〜(e)を有する加飾成形品の製造方法。
工程(a)項1〜7のいずれかに記載の水圧転写フィルムを、水溶性フィルム側が水面側に向くように水面に浮遊させる工程
工程(b)前記水圧転写フィルムの絵柄層側に活性剤組成物を塗布する活性剤塗布工程
工程(c)該工程(a)及び(b)を経た、水面に浮遊している水圧転写フィルム上に被転写体を押圧し、水圧によって前記絵柄層を被転写体の被転写面に密着させる工程
工程(d)該被転写体の被転写面に密着した水溶性フィルムを除去する脱膜工程
工程(e)前記第1の保護層側から電離放射線を照射して、前記第1の保護層を硬化させる硬化工程
以下、本発明の水圧転写フィルムを図1〜5を参照しながら説明する。図1〜5は、本発明の水圧転写フィルムの構成の一例を示す概略断面図である。図1〜図3に示されるように、本発明の水圧転写フィルム1は、水溶性フィルム10、第1の保護層21、及び絵柄層30を順に有している。第1の保護層21は、前記水溶性フィルムの表面上において凹凸形状を形成している。第1の保護層21による凹凸形状は、例えば図1及び図2に示されるように、水溶性フィルム10の表面上において、第1の保護層21を有する部分(凸部)と、第1の保護層21を有しない部分(凹部)とによって形成されていてもよい。また、当該凹凸形状は、例えば図3に示されるように、第1の保護層21の厚みの大きい部分(凸部)と、厚みの小さい部分(凹部)とによって、形成されていてもよい。さらに、第1の保護層21による凹凸形状は、これら両方によって形成されていてもよい。
水溶性フィルムは、本発明の水圧転写フィルムにおいて基材の役割を有し、水圧転写後に加飾成形品を得る際に除去されるものである。水溶性フィルムとしては、水溶性又は水膨潤性を有するものであればよく、従来水圧転写フィルムとして一般に使用されている水溶性フィルムの中から、適宜選択して用いることができる。
第1の保護層は、水溶性フィルムの表面上において凹凸形状を形成しており、後述の絵柄層と共に、加飾成形品に対して高い立体感を表出した意匠を付与する層である。さらに、第1の保護層は、加飾成形品の耐傷付き性を高める表面保護層としても機能する。
電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂である。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含む。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、第1の保護層の形成において好適に使用される。
本発明の第1の保護層において、電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、かつ末端あるいは側鎖に(メタ)アクリレートを2個以上有するものであれば、特に制限されない。また、当該(メタ)アクリレートは、架橋、硬化を良好にするという観点から、1分子当たりの官能基の数として、好ましくは2〜6個が挙げられる。多官能ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
艶消し剤の具体例としては、シリカ、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸塩、及びケイ酸微粉末から選択される無機フィラーや、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又は尿素系樹脂から選択される有機フィラーまたは樹脂ビーズが挙げられ、いずれか1種を用いてもよいし、2種以上を組合わせて用いることもできる。これらの艶消し剤の中でも、視覚的な意匠感に加え、繊細な触感を有する加飾成形品を得る観点からは樹脂ビーズを用いることが好ましく、ウレタン樹脂からなるウレタンビーズを用いることが特に好ましい。
第2の保護層は、第1の保護層と、絵柄層との間に、必要に応じて設けられる層である。第2の保護層を有する場合、通常、第1の保護層によって形成された凹部は、第2の保護層によって埋められるため、加飾成形品の耐傷付き性をより一層高めることができる(例えば、図7を参照)。また、第1の保護層と第2の保護層との艶差によって意匠感を高めることもできる。具体的には、第1の保護層と第2の保護層に前述の艶消し剤を配合し、艶消し剤の配合量の相違によって艶差を設けることによって、繊細で高い立体感を表出することができる。例えば、第1の保護層を相対的に高艶とし、第2の保護層を相対的に低艶とする場合、第2の保護層における艶消し剤の含有率は、第1の保護層における艶消し剤の含有率に対して、1.5〜5.0倍程度とすればよい。
上記アクリルポリマーポリオールは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求められる、標準ポリスチレンで換算された重量平均分子量が1,000〜100,000であることが好ましく、5,000〜80,000であることがより好ましく、20,000〜50,000であることが特に好ましい。アクリルポリマーポリオールの分子量が1,000以上であると、耐溶剤性が改善し、絵柄層を形成した際に第2の保護層が溶解する等の不具合が起こりにくくなり、100,000以下であるとインキ化した際に粘度が低下したり、ゲル化しにくくなるため作業性が向上する。
イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートであればよく、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートなどのポリイソシアネートが用いられる。
ウレタン樹脂としては、非架橋型のもの、すなわち、3次元架橋して網目状の立体的分子構造を持ったものではなく、線状の分子構造を持った熱可塑性樹脂となったものを選択することが好ましい。このような非架橋型のウレタン樹脂としては、ポリオール成分として、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオールを主剤とし、イソシアネートと反応させてなる非架橋型ウレタン樹脂を使用でき、成形性、耐熱性、耐候性、第1の保護層との密着性等の観点から、ポリエステルポリオールと、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネートとの組合せにより合成されるものが特に好ましい。通常ポリオール1分子中の水酸基数及びイソシアネート1分子中のイソシアネート基はそれぞれ平均2である。
絵柄層は、加飾成形品に装飾性を与える層であり、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。絵柄層によって形成される模様は、特に制限されず、例えば、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様など挙げられ、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様も挙げられる。これらの模様は、通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
図1〜図3に示されるような、水溶性フィルム10と、第1の保護層21と、絵柄層30とを有する本発明の水圧転写フィルム1は、例えば、水溶性フィルムの表面上に凹凸形状(パターン)を形成するようにして、電離放射線硬化性樹脂を含む第1の保護層21を積層する工程(A)と、当該第1の保護層21の上に、絵柄層30を積層する工程(B)を含む製造方法によって製造することができる。また、図4及び図5に示されるような、水溶性フィルム10と、第1の保護層21と、第2の保護層22と、絵柄層30とを有する本発明の水圧転写フィルム1は、例えば、水溶性フィルムの表面上に凹凸形状を形成するようにして、電離放射線硬化性樹脂を含む第1の保護層を積層する工程(A)と、第1の保護層の上に第2の保護層を積層する工程(A’)と、第2の保護層22の上に、絵柄層30を積層する工程(B)を含む製造方法によって製造することができる。
本発明の水圧転写フィルムを用いて、下記の工程(a)〜(e)により加飾成形品を製造することができる。なお、図1に示される水圧転写フィルム1を用いて製造される加飾成形品2は、図6に対応しており、図4に示される第2の保護層22を有する水圧転写フィルム1を用いて製造される加飾成形品2は、図7に対応している。
工程(b)前記水圧転写フィルムの絵柄層側に活性剤組成物を塗布する活性剤塗布工程
工程(c)該工程(a)及び(b)を経た、水面に浮遊している水圧転写フィルム上に被転写体40を押圧し、水圧によって前記絵柄層を被転写体40の被転写面に密着させる工程
工程(d)該被転写体40の被転写面に密着した水溶性フィルムを除去する脱膜工程
工程(e)前記第1の保護層側から電離放射線を照射して、前記第1の保護層を硬化させる硬化工程
工程(f):被転写体40の被転写面上にトップコート層を形成する工程。
工程(a)は、工程(b)の前又は後に行うことができる。水圧転写フィルム1は、水溶性フィルム10側が水面側に向くように水面上に浮遊させる。水圧転写フィルム1を水面に浮遊させるには、枚葉の印刷物を1枚ずつ浮遊させてもよく、また水を一方向に流し、その水面上に連続帯状の水圧転写フィルム1を、連続的に供給して浮遊させてもよい。
工程(b)は、工程(a)の前又は後に行うことができ、水圧転写フィルムの絵柄層側に活性剤組成物を塗布する工程である。この工程で活性剤組成物を塗布することにより、絵柄層の少なくとも一部が溶解乃至膨潤して軟化し(活性化し)、被転写体と密着しやすくなる。
絵柄層に塗布する活性剤組成物は、絵柄層を活性化して、被転写体の被転写面に転写させる機能を有する組成物であれば特に制限はなく、また、被転写体の被転写面に各層を転写させるまで蒸発しないような性状を有することが好ましい。このような活性剤組成物としては、例えばエステル類、アセチレングリコール類、エーテル類、及び樹脂を含む組成物が好ましく挙げられる。
工程(c)は、工程(a)及び工程(b)を経た、水面に浮遊している水圧転写フィルム上に被転写体を押圧し、水圧によって絵柄層を被転写体の被転写面に密着させる工程である。水圧転写フィルムを浮かべ水圧を印加するための水は、該水圧転写フィルムの水溶性フィルムの種類などに応じ、適宣水温を調整するのがよく、好ましくは25〜50℃程度、より好ましくは25〜35℃である。
被転写体としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、繊維系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂、あるいはこれらを混合した樹脂のほか、鉄、アルミニウム、銅などの金属、陶磁器、ガラス、琺瑯などのセラミックス、木材などの材料からなる構造体を使用することができる。
脱膜工程(d)は、工程(c)の後に行われ、該被転写体の被転写面に密着した水溶性フィルムを除去する工程である。被転写体の被転写面上に付着している水溶性フィルム10の除去は、例えば、水を用いてシャワー洗浄することで行うことができる。なお、シャワー洗浄の条件は、水溶性フィルム10を形成する材料などにより異なるが、通常は水温15〜60℃程度、洗浄時間10秒〜5分程度が好ましい。そして、工程(d)の後、被転写体を十分乾燥し水分を蒸発させる。
硬化工程(e)は、工程(d)の後に行われ、第1の保護層側から電離放射線を照射して、第1の保護層を硬化させる工程である。第2の保護層が電離放射線硬化性樹脂を含む場合には、当該硬化工程(e)における第1の保護層側からの電離放射線の照射によって、第2の保護層も硬化させることができる。
工程(f)は、被転写体の被転写面上に、必要に応じトップコート層を形成する工程である。電離放射線硬化性樹脂の硬化物は、耐傷付き性などに優れているため、本発明の水圧転写フィルムにおいては、従来の水圧転写フィルムを用いた加飾成形品では水圧転写フィルムの転写後に形成する必要があったトップコート層を形成しなくても、耐傷付き性などの優れた表面特性を加飾成形品に付与することができる。トップコート層を設けた場合、第1の保護層や第2の保護層によって表現される繊細な意匠感が損なわれる恐れがあるが、本発明の水圧転写フィルムによればトップコート層を形成しなくても表面特性に優れた加飾成形品を製造できるので、トップコート層を設けないことで意匠性と表面特性の両立を図ることができる。
水溶性フィルムとして、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム(厚さ40μm)を用い、その片面に電離放射線硬化性樹脂を含む下記の樹脂組成物を用いて、グラビア印刷により第1の保護層(厚み3μm)を形成した。また、第1の保護層は、水溶性フィルム上に積層された部分(凸部)と積層されていない部分(凹部)が生じるように模様状に印刷し、凹凸形状を形成するようにした。次に、硝化綿とアルキッド樹脂とを80:20の質量比で含む下記のインキを用いて、グラビア印刷により木目柄の絵柄層(2μm)を形成し、水溶性フィルム/第1の保護層/絵柄層が積層された水圧転写フィルムを得た。絵柄層の木目模様は、黒色インキ、焦茶色インキ、薄茶色インキの3種類のインキをこの順に用い、且つ黒色インキと焦茶色インキを柄状に、薄茶色インキを全面に印刷することにより形成し、黒色インキによって導管部分を表現すると共に、導管部分を、第1の保護層の凹凸形状における凹部に同調させた。
(第1の保護層を形成する樹脂組成物)
2官能ポリカーボネートアクリレート(重量平均分子量10,000、95質量部)、4官能ウレタンアクリレート(重量平均分子量6,000、5質量部)、ウレタンビーズ(粒子径3μm、10質量部)
(絵柄層を形成するインキ)
硝化綿とアルキッド樹脂とを80:20の質量比で含み、着色剤として弁柄及びカーボンブラックを所定の配合比率で使用した着色インキ
第1の保護層を形成した後、絵柄層を形成する前に、電離放射線硬化性樹脂を含む下記の樹脂組成物を用いて、グラビア印刷により第2の保護層(厚み3μm)を全面ベタで形成した以外は実施例1と同様にして、水溶性フィルム/第1の保護層/第2の保護層/絵柄層が積層された水圧転写フィルムを得た。
(第2の保護層を形成する樹脂組成物)
2官能ポリカーボネートアクリレート(重量平均分子量10,000、95質量部)、4官能ウレタンアクリレート(重量平均分子量6,000、5質量部)、シリカ(粒子径1.3μm、30質量部)
第2の保護層を形成する樹脂組成物として、アクリルポリオールを含む下記の樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、水溶性転写フィルムを得た。
(第2の保護層を形成する樹脂組成物)
アクリルポリマーポリオール(重量平均分子量30,000、水酸基価80mgKOH/g、80質量部)、ウレタンウレア樹脂(ガラス転移点40℃、20質量部)、及びシリカ(10質量部、粒子径1.3μm)
第1の保護層及び第2の保護層を形成せず、水溶性フィルムの上に直接絵柄層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、水溶性転写フィルムを得た。得られた水圧転写フィルムについて、上記の加飾成形品の意匠性の評価、及び転写加工性(追従性)の評価を行った。結果を表1に示す。
第1の保護層を形成せず、水溶性フィルムの上に、第2の保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂とウレタンビーズを含む下記の樹脂組成物を用いて、グラビア印刷により第2の保護層(厚み3μm)を全面ベタで形成したこと以外は、実施例2と同様にして、水溶性転写フィルムを得た。得られた水圧転写フィルムについて、上記の加飾成形品の意匠性の評価、及び転写加工性(追従性)の評価を行った。結果を表1に示す。
(第2の保護層を形成する樹脂組成物)
2官能ポリカーボネートアクリレート(重量平均分子量10,000、95質量部)、4官能ウレタンアクリレート(重量平均分子量6,000、5質量部)、シリカ(粒子径1.3μm、10質量部)
上記で得られた各水圧転写フィルムの絵柄層に、下記組成の活性剤組成物を3g/m2塗布し、スムージングロールで該活性剤組成物を均一にし、絵柄層の活性剤塗布工程(b)を経た後、水面に浮遊している水圧転写フィルムに被転写体を押圧し、水圧によって絵柄層を被転写体の被転写面に密着させる工程(c)、水洗による脱膜工程(d)、及び硬化工程(e)を経て、加飾成形品を得た。第1の保護層の硬化工程においては、水圧転写フィルムの第1の保護層側から電子線を照射(加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad))して、第1の保護層を硬化させた。第2の保護層が電離放射線硬化性樹脂を含む場合も、同様に硬化させた。被転写体としては、直径35mm、長さ250mmの円柱形状の樹脂成形体を用いた。
フタル酸系アルキッド樹脂 6質量部
マイクロシリカ(顔料) 2質量部
フタル酸ジブチル 17質量部
溶剤(ブチルカルビトールアセテート) 60質量部
溶剤(ブチルセロソルブ) 15質量部
上記で得られた加飾成形品を目視により観察し、その意匠性について以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
○:第1の保護層の凹凸形状に対応する凹凸感が良好に表出されており、導管部分が凹部として認識され、繊細な立体感が得られた。
△:第1の保護層の凹凸形状に対応する凹凸感がやや低下したものの十分視認でき、実用にあたり問題が生じない程度の繊細な立体感が得られた。
×:第1の保護層の凹凸形状に対応する凹凸感が消失したため、繊細な立体感が得られなかった。
21 第1の保護層
22 第2の保護層
30 絵柄層
31 暗色部分
40 被転写体
1 水圧転写フィルム
2 加飾成形品
Claims (6)
- 水溶性フィルムと、第1の保護層と、絵柄層とをこの順に有する水圧転写フィルムであって、
前記第1の保護層は、前記水溶性フィルムの表面上において凹凸形状を形成しており、
前記第1の保護層が、電離放射線硬化性樹脂を含み、
前記第1の保護層と、前記絵柄層との間に、第2の保護層を有し、
前記第2の保護層が、艶消し剤を含む、水圧転写フィルム。 - 前記凹凸形状が、前記水溶性フィルムの表面上に前記第1の保護層を有する部分と、前記第1の保護層を有しない部分とによって形成されている、請求項1に記載の水圧転写フィルム。
- 前記第2の保護層が、電離放射線硬化性樹脂またはアクリルポリマーポリオールを含む、請求項1又は2に記載の水圧転写フィルム。
- 前記第1の保護層が、艶消し剤を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の水圧転写フィルム。
- 以下の工程(A)、(A’)、及び(B)を順に有する水圧転写フィルムの製造方法。
工程(A)水溶性フィルムの表面上に凹凸形状を形成するようにして、電離放射線硬化性樹脂を含む第1の保護層を積層する工程
工程(A’)前記第1の保護層の上に、艶消し剤を含む第2の保護層を積層する工程
工程(B)前記第2の保護層の上に、絵柄層を積層する工程 - 下記の工程(a)〜(e)を有する加飾成形品の製造方法。
工程(a)請求項1〜4のいずれかに記載の水圧転写フィルムを、水溶性フィルム側が水面側に向くように水面に浮遊させる工程
工程(b)前記水圧転写フィルムの絵柄層側に活性剤組成物を塗布する活性剤塗布工程
工程(c)該工程(a)及び(b)を経た、水面に浮遊している水圧転写フィルム上に被転写体を押圧し、水圧によって前記絵柄層を被転写体の被転写面に密着させる工程
工程(d)該被転写体の被転写面に密着した水溶性フィルムを除去する脱膜工程
工程(e)前記第1の保護層側から電離放射線を照射して、前記第1の保護層を硬化させる硬化工程
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