JP7383181B2 - 車輪装置 - Google Patents

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Description

本開示は、環状のタイヤを有する車輪装置に関するものである。
従来、鉄道車両の車体の低床化を図るために、環状のタイヤの内側に駆動機器を収めた車輪装置が知られている。このような従来の車輪装置では、鉄道車両の走行時にレールからの衝撃力がタイヤを介して駆動機器に伝わりやすい。特に、連続する2つのレールの間の継ぎ目を車輪装置が通過するとき、タイヤの外周面に異常摩耗が発生したときなどには、タイヤの内側に収められた駆動機器が受ける衝撃力が大きくなる。従って、従来の車輪装置では、駆動機器が故障しやすくなる懸念がある。
従来、タイヤから駆動機器へ伝わる衝撃力を抑制するために、タイヤの内側に収められた駆動機器とタイヤとの間に円環状の中間部材を設け、駆動機器及びタイヤのそれぞれに中間部材を複数のばね要素によって接続するようにした車輪装置が提案されている(例えば非特許文献1参照)。
日本機械学会 Dynamics and Design Conference 2019, 講演番号 520
非特許文献1に示されている従来の車輪装置では、タイヤに対して中間部材が大きく振れる現象、即ち中間部材の振れ回りがタイヤの回転時に生じてしまい、車輪装置が全体として振動しやすくなってしまう。
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、振動を抑制することができる車輪装置を得ることを目的とする。
本開示による車輪装置は、回転可能な本体回転部を有する本体、本体回転部を囲む環状の中間部材、中間部材を囲む環状のタイヤ、中間部材の軸線に直交する第1仮想直線に沿って中間部材がタイヤに対して移動可能になるように中間部材とタイヤとを互いに連結する第1弾性体、中間部材の軸線に直交しかつ第1仮想直線に交差する第2仮想直線に沿って中間部材が本体に対して移動可能になるように中間部材と本体回転部とを互いに連結する第2弾性体、おもりを有し、本体に設けられている制振構造部、及び本体回転部の回転数に比べて2倍の回転数で本体回転部の回転方向と同じ方向へおもりを回転させる変速機構を備え、おもりの重心の位置は、おもりの回転中心線を中心とする円上をおもりの回転に伴って移動し、第2仮想直線に沿った方向が鉛直方向と一致するときに、おもりの重心の位置がおもりの回転中心線よりも下方の位置になる。
本開示による車輪装置は、回転可能な本体回転部を有する本体、本体回転部を囲む環状の中間部材、中間部材を囲む環状のタイヤ、中間部材の軸線に直交する第1仮想直線に沿って中間部材がタイヤに対して移動可能になるように中間部材とタイヤとを互いに連結する第1弾性体、中間部材の軸線に直交しかつ第1仮想直線に交差する第2仮想直線に沿って中間部材が本体に対して移動可能になるように中間部材と本体回転部とを互いに連結する第2弾性体、おもりを有し、本体に設けられている制振構造部、及び本体回転部の回転数に比べて2倍の回転数で本体回転部の回転方向と同じ方向へおもりを回転させるトルクを発生させる制振用電動機を備え、おもりの重心の位置は、おもりの回転中心線を中心とする円上をおもりの回転に伴って移動し、第2仮想直線に沿った方向が鉛直方向と一致するときに、おもりの重心の位置がおもりの回転中心線よりも下方の位置になる。
本開示による車輪装置によれば、車輪装置の振動を抑制することができる。
実施の形態1による車輪装置を示す正面図である。 図1のII-II線に沿った断面図である。 図1のIII-III線に沿った断面図である。 図2の変速機構を示す正面図である。 図1の第1弾性板を示す斜視図である。 図1の第1弾性板がタイヤに固定されている状態を示す斜視図である。 図1の第2弾性板を示す斜視図である。 図1の第2弾性板が中間部材に固定されている状態を示す斜視図である。 図1の車輪装置をモデル化した車輪装置モデルを示す模式図である。 図1の車輪装置がレール上を移動する状態を示す正面図である。 図10の車輪装置をモデル化した車輪装置モデルを示す模式図である。 図10のタイヤとは異なる回転位置にあるときのタイヤがレールから衝撃力を受けたときの車輪装置の状態を示す正面図である。 図12の車輪装置をモデル化した車輪装置モデルを示す模式図である。 図9の車輪装置がレール上を回転しながら移動するときの車輪装置の状態の変化を示す模式的な説明図である。 数値解析における比較例A1、実施例B1及び実施例C1のそれぞれの車輪装置の回転数R[Hz]と時間t[sec]との関係を示すグラフである。 数値解析における比較例A1の本体のZ軸方向における変位D1[mm]と時間t[sec]との関係を示すグラフである。 数値解析における実施例B1の本体のZ軸方向における変位D1[mm]と時間t[sec]との関係を示すグラフである。 数値解析における実施例C1の本体のZ軸方向における変位D1[mm]と時間t[sec]との関係を示すグラフである。 実施の形態2による車輪装置を示す断面図である。 実施の形態3による車輪装置を示す断面図である。 実施の形態4による車輪装置を示す正面図である。 図21のXXII-XXII線に沿った断面図である。 実施の形態5による車輪装置を示す断面図である。 実施の形態6による車輪装置を示す断面図である。 実施の形態7による車輪装置を示す断面図である。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による車輪装置を示す正面図である。また、図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。さらに、図3は、図1のIII-III線に沿った断面図である。図において、車輪装置1は、タイヤ2と、本体3と、中間部材4と、第1連結構造部5と、第2連結構造部6と、制振構造部7とを有している。本実施の形態では、鉄道車両の車体に設けられる鉄道車両用車輪装置が車輪装置1として用いられている。
タイヤ2の形状は、軸線Pを中心とする環状である。また、タイヤ2の内周面21は、軸線Pを中心とする円筒面である。タイヤ2は、鉄などの金属によって構成されている。車輪装置1は、タイヤ2の外周面がレールに接触した状態でレールに載せられる。レールに載せられた車輪装置1は、タイヤ2の回転に応じてレールに沿って移動する。
車輪装置1は、固定座標系であるXYZ直交座標系において、タイヤ2の軸線PがY軸と一致した状態で配置される。XYZ直交座標系は、Z軸方向が鉛直方向となり、かつY軸方向が車体の幅方向となるように設定されている。Z軸では、鉛直方向上側がプラス側になっている。Y軸では、車体の幅方向内側がプラス側になっている。
本体3は、タイヤ2の内側に配置されている。車体重量などの負荷が車輪装置1にかからない自然状態では、本体3の軸線がタイヤ2の軸線Pと一致している。即ち、本体3は、タイヤ2と同軸に配置されている。本実施の形態では、タイヤ2の軸線Pに沿った方向をタイヤ2の軸線方向とすると、図2及び図3に示すように、タイヤ2の軸線方向における本体3の寸法が、タイヤ2の軸線方向におけるタイヤ2の寸法よりも大きくなっている。
また、本体3は、図2及び図3に示すように、固定フレーム31と、主軸32と、本体電動機33と、回転フレーム34と、変速機構35とを有している。
固定フレーム31は、鉄道車両の車体に固定されている。固定フレーム31は、本体3の軸線に直交する板状部材である。固定フレーム31には、貫通穴311が設けられている。
主軸32は、本体3の軸線と同軸に配置されている。また、主軸32は、第1端部321及び第2端部322を有している。第1端部321は、第2端部322よりもY軸方向のプラス側に位置している。第1端部321は、貫通穴311に配置されている。第1端部321は、貫通穴311に嵌められた軸受け301を介して固定フレーム31に回転可能に取り付けられている。
本体電動機33及び変速機構35は、本体3の軸線に沿った方向、即ちY軸方向において、第1端部321と第2端部322との間の位置に配置されている。本体電動機33は、固定フレーム31と変速機構35との間に配置されている。
本体電動機33は、ロータ331と、ロータ331の外周を囲む電機子としての環状のステータ332とを有している。従って、本体電動機33は、インナロータ型の電動機となっている。ロータ331及びステータ332のそれぞれの軸線は、本体3の軸線と一致している。
ロータ331は、主軸32の中間部に焼き嵌めなどによって固定されている。主軸32の中間部は、第1端部321と第2端部322との間に位置する主軸32の部分である。
ステータ332は、固定フレーム31に固定されている。ロータ331は、ステータ332への給電により、固定フレーム31及びステータ332に対して本体3の軸線を中心として主軸32と一体に回転する。これにより、本体電動機33は、回転フレーム34を回転させるトルクを発生する。
回転フレーム34は、本体3の軸線と同軸に本体回転部として配置されている。また、回転フレーム34は、本体電動機33及び変速機構35を覆った状態で配置されている。回転フレーム34は、円筒部341と、円筒部341に固定されている回転板部342とを有している。
円筒部341は、本体電動機33及び変速機構35を囲んでいる。円筒部341の外周面344は、本体3の軸線を中心とする円筒面である。円筒部341の外径は、タイヤ2の内径よりも小さくなっている。円筒部341は、ステータ332の外周面に嵌められた軸受け302を介してステータ332に回転可能に取り付けられている。
回転板部342は、変速機構35よりも第2端部322に近い位置、即ち変速機構35よりもY軸方向のマイナス側に配置されている。また、回転板部342は、本体3の軸線に対して直交している。回転板部342には、主軸32が通された貫通穴343が設けられている。回転板部342は、貫通穴343に嵌められた軸受け303を介して主軸32に回転可能に取り付けられている。これにより、回転フレーム34は、固定フレーム31、ステータ332及び主軸32のそれぞれに対して本体3の軸線を中心として回転可能になっている。
変速機構35は、本体電動機33と回転板部342との間に配置されている。また、変速機構35は、回転フレーム34の回転数がロータ331の回転数の1/2倍になるように本体電動機33のトルクを回転フレーム34に伝達する。これにより、回転フレーム34は、ステータ332への給電により、ロータ331の回転数に比べて1/2倍の回転数でロータ331の回転方向と同じ方向へ回転する。変速機構35は、太陽歯車351と、内歯歯車352と、複数の遊星歯車353とを有する遊星歯車機構である。
ここで、図4は、図2の変速機構35を示す正面図である。太陽歯車351は、主軸32の中間部に焼き嵌めなどによって固定されている。これにより、太陽歯車351は、本体3の軸線を中心として主軸32及びロータ331と一体に回転する。
内歯歯車352は、太陽歯車351を囲む環状の歯車である。内歯歯車352は、本体3の軸線と同軸に配置されている。また、内歯歯車352は、ステータ332に固定されている。これにより、主軸32がステータ332に対して回転すると、太陽歯車351が内歯歯車352に対して回転する。本実施の形態では、図2及び図3に示すように、内歯歯車352の外径がステータ332の外径と同じになっている。
回転フレーム34の円筒部341は、図2及び図3に示すように、内歯歯車352の外周面に嵌められた軸受け304を介して内歯歯車352に回転可能に取り付けられている。本実施の形態では、各軸受け301~304として玉軸受けが用いられている。各軸受け301~304は、玉軸受けに限定されず、例えばラジアル軸受けであってもよい。
各遊星歯車353は、太陽歯車351と内歯歯車352との間に配置されている。本実施の形態では、変速機構35における遊星歯車353の数が4個となっている。各遊星歯車353は、太陽歯車351及び内歯歯車352のそれぞれに噛み合っている。各遊星歯車353は、太陽歯車351が内歯歯車352に対して回転することにより、本体3の軸線を中心に遊星キャリアとして太陽歯車351の周囲を公転する。各遊星歯車353は、歯車軸353aと、第1歯車部353bと、第2歯車部353cとを有している。
歯車軸353aの軸線は、遊星歯車353の軸線と一致している。歯車軸353aは、本体3の軸線と平行に配置されている。また、歯車軸353aは、回転フレーム34の回転板部342に回転可能に取り付けられている。これにより、回転フレーム34の回転速度は、太陽歯車351に対する各遊星歯車353の公転速度と一致する。回転フレーム34は、太陽歯車351に対する各遊星歯車353の公転速度と同期しながら、本体3の軸線を中心として各遊星歯車353とともに回転する。
第1歯車部353b及び第2歯車部353cのそれぞれは、複数の歯が外周部に設けられた外歯車である。第1歯車部353b及び第2歯車部353cは、歯車軸353aに固定されている。これにより、第1歯車部353bは、第2歯車部353cに同軸に固定されている。歯車軸353a、第1歯車部353b及び第2歯車部353cは、遊星歯車353の軸線を中心として一体に回転する。第1歯車部353b及び第2歯車部353cは、歯車軸353aの軸線方向において互いに隣接している。
第1歯車部353bは、第2歯車部353cよりも回転板部342に近い位置、即ち第2歯車部353cよりもY軸方向のマイナス側に位置している。なお、第2歯車部353cよりも本体電動機33に近い位置、即ち第2歯車部353cよりもY軸方向のプラス側に第1歯車部353bが位置するようにしてもよい。
第1歯車部353bは、内歯歯車352に噛み合っている。第2歯車部353cは、太陽歯車351に噛み合っている。第1歯車部353bの歯数と、第2歯車部353cの歯数とは、互いに異なっている。本実施の形態では、第1歯車部353bの歯数が第2歯車部353cの歯数よりも多くなっている。
変速機構35では、回転フレーム34の回転数が主軸32の回転数に対して1/2倍になるように、太陽歯車351、内歯歯車352、第1歯車部353b及び第2歯車部353cのそれぞれの歯数が決定されている。即ち、変速機構35では、主軸32の回転数に対する回転フレーム34の回転数の速度伝達比が1/2になるように、太陽歯車351、内歯歯車352、第1歯車部353b及び第2歯車部353cのそれぞれの歯数が決定されている。これにより、ロータ331が主軸32と一体となって1回転すると、回転フレーム34がロータ331及び主軸32の回転方向と同じ方向へ1/2回転する。
ここで、太陽歯車351の歯数をz1、第1歯車部353bの歯数をz2、第2歯車部353cの歯数をz3、内歯歯車352の歯数をz4とする。この場合、主軸32の回転数に対する回転フレーム34の回転数の速度伝達比i、即ち変速機構35による速度伝達比iは、以下の式(1)によって表される。
i=1/((z2/z1)・(z4/z3)+1)…(1)
仮に、第1歯車部353bの歯数z2が第2歯車部353cの歯数z3と同じである場合、即ちz2=z3の関係が成立する場合、主軸32の回転数に対する回転フレーム34の回転数の速度伝達比iは、以下の式(2)によって表される。
i=1/((z4/z1)+1)…(2)
この場合、速度伝達比iを1/2にするためには、z1=z4の条件、即ち太陽歯車351の歯数z1が内歯歯車352の歯数z4と同じになるという条件を満たす必要があり、変速機構35を実現することができない。
これに対して、本実施の形態では、第1歯車部353bの歯数と、第2歯車部353cの歯数とが、互いに異なっている。これにより、太陽歯車351の歯数z1を内歯歯車352の歯数z4に対して異ならせることができ、主軸32の回転数に対する回転フレーム34の回転数の速度伝達比iを1/2にする変速機構35を実現することができる。
中間部材4は、図1に示すように、回転フレーム34を囲む環状の部材である。中間部材4は、タイヤ2の内側に配置されている。即ち、タイヤ2は、中間部材4を囲む環状の部材である。本実施の形態では、本体電動機33を含む本体3がタイヤ2の内側に配置されたインホイールモータが車輪装置1となっている。中間部材4は、タイヤ2及び本体3のそれぞれとは別部材である。本実施の形態では、図2及び図3に示すように、Y軸方向、即ちタイヤ2の軸線方向において中間部材4がタイヤ2と同位置に配置されている。
車体重量などの負荷が車輪装置1にかからない自然状態では、中間部材4の軸線がタイヤ2の軸線Pと一致している。即ち、中間部材4は、タイヤ2と同軸に配置されている。中間部材4の内周面41及び外周面42のそれぞれは、中間部材4の軸線を中心とする円筒面である。中間部材4の外径は、タイヤ2の内径よりも小さくなっている。また、中間部材4の内径は、回転フレーム34の外径よりも大きくなっている。従って、環状の中間部材4は、タイヤ2と本体3との間の空間に配置されている。
第1連結構造部5は、タイヤ2と中間部材4との間に設けられている。また、第1連結構造部5は、タイヤ2と中間部材4とを互いに連結する第1弾性体としての一対の第1弾性板51を有している。
第2連結構造部6は、中間部材4と回転フレーム34との間に設けられている。また、第2連結構造部6は、中間部材4と回転フレーム34とを互いに連結する第2弾性体としての一対の第2弾性板61を有している。
ここで、前述の固定座標系であるXYZ直交座標系と、XYZ直交座標系のZ軸に設定された基準位置Aに対するタイヤ2の周方向の角度θとを用いて、一対の第1弾性板51及び一対の第2弾性板61のそれぞれの構成を説明する。
図1に示すように、中間部材4の軸線に直交する直線のうち、特定の直線を第1仮想直線とすると、一対の第1弾性板51のそれぞれは、第1仮想直線と交わる位置に配置されている。第1仮想直線は、X軸方向に沿った直線と一致している。また、一対の第1弾性板51は、第1仮想直線に沿った方向、即ちX軸方向において、中間部材4の軸線に対して互いに反対側となる位置に配置されている。即ち、一対の第1弾性板51のうち、一方の第1弾性板51は、基準位置Aからタイヤ2の周方向へθ=90°だけ進んだ位置に配置され、他方の第1弾性板51は、基準位置Aからタイヤ2の周方向へθ=270°だけ進んだ位置に配置されている。タイヤ2が中間部材4と同軸となっていることから、タイヤ2の軸線P及び中間部材4の軸線は、一対の第1弾性板51の間に位置している。
図5は、図1の第1弾性板51を示す斜視図である。各第1弾性板51は、長方形状の平板である。第1弾性板51の長方形の短辺に沿った方向は、第1弾性板51の幅方向とされている。また、第1弾性板51の長方形の長辺に沿った方向は、第1弾性板51の長手方向とされている。さらに、第1弾性板51の幅方向及び長手方向のいずれにも直交する方向は、第1弾性板51の厚さ方向とされている。
図1に示すように、各第1弾性板51は、第1仮想直線に直交して配置されている。即ち、各第1弾性板51の厚さ方向は、第1仮想直線に沿った方向、即ちX軸方向と一致している。また、各第1弾性板51の幅方向は、タイヤ2の軸線方向、即ちY軸方向と一致している。これにより、各第1弾性板51の長手方向は、X軸方向及びY軸方向のいずれにも直交するZ軸方向と一致している。即ち、一対の第1弾性板51は、X軸方向に直交するYZ平面と平行に配置されている。
各第1弾性板51の長手方向両端部511は、一対の固定用端部としてタイヤ2の内周面21にそれぞれ固定されている。各第1弾性板51の長手方向中間部512は、単一の固定用板部として中間部材4の外周面42に固定されている。
第1弾性板51の厚さ方向に直交する方向の剛性、即ち第1弾性板51の面内剛性は、第1弾性板51の厚さ方向の剛性、即ち第1弾性板51の面外剛性よりも十分に高くなっている。これにより、タイヤ2と中間部材4とが第1弾性板51を介して連結されている状態は、第1弾性板51の厚さ方向に直交する方向においてタイヤ2と中間部材4とが剛結合されている状態と等価であると考えることができる。
これに対して、第1弾性板51の面外剛性が第1弾性板51の面内剛性よりも十分低いことから、第1弾性板51の厚さ方向では、第1弾性板51が弾性変形可能になっている。中間部材4は、第1弾性板51の厚さ方向へ各第1弾性板51が弾性変形することにより、第1仮想直線に沿った方向、即ちX軸方向へタイヤ2に対して移動可能になっている。即ち、各第1弾性板51は、第1仮想直線に沿って中間部材4がタイヤ2に対して移動可能になるように中間部材4とタイヤ2とを互いに連結している。タイヤ2及び中間部材4は、各第1弾性板51の厚さ方向への弾性変形により、第1仮想直線に沿った方向、即ちX軸方向へのみ相対移動が可能となる自由度を有している。
中間部材4の外周面42のうち、各第1弾性板51の長手方向中間部512が単一の固定用板部として固定されている位置には、図1に示すように、外周平面部421がそれぞれ形成されている。本実施の形態では、2つの外周平面部421が中間部材4の外周面42に形成されている。外周平面部421は、中間部材4の外周面42のうち、基準位置Aからタイヤ2の周方向へθ=90°だけ進んだ位置と、基準位置Aからタイヤ2の周方向へθ=270°だけ進んだ位置とにそれぞれ形成されている。各外周平面部421は、第1仮想直線に沿った方向、即ちX軸方向に直交する平面部である。
第1弾性板51の長手方向中間部512は、第1弾性板51の厚さ方向に直交する面を外周平面部421に隙間なく接触させた状態で中間部材4の外周面42に固定されている。第1弾性板51の長手方向中間部512を中間部材4の外周面42に固定する方法としては、ねじ、ボルト、溶接、接着剤などによる固定方法が用いられている。
タイヤ2の内周面21のうち、各第1弾性板51の長手方向両端部511が一対の固定用端部として固定されている位置には、一対の段部211がそれぞれ形成されている。従って、タイヤ2の内周面21には、一対の段部211が第1弾性板51の数だけ形成されている。本実施の形態では、一対の段部211がタイヤ2の内周面21に2組形成されている。
図6は、図1の第1弾性板51がタイヤ2に固定されている状態を示す斜視図である。第1弾性板51の長手方向両端部511は、一対の段部211にそれぞれ嵌っている。一対の段部211は、タイヤ2の周方向において互いに対向している。一対の段部211のそれぞれは、第1仮想直線に沿った方向、即ちX軸方向に直交する段部底面211aと、段部底面211aからタイヤ2の内側に向けて延びる段部端面211bとによって構成されている。
一対の段部211のそれぞれの段部端面211bは、中間部材4の軸線及び第1仮想直線を含む平面と平行な平面である。従って、一対の段部211のそれぞれの段部端面211bは、Z軸方向にそれぞれ直交している。一対の段部211は、2つの段部端面211bをZ軸方向において互いに対向させた状態でタイヤ2の内周面21に形成されている。
第1弾性板51の長手方向両端部511は、第1弾性板51の厚さ方向に直交する面を段部底面211aに隙間なく接触させ、かつ第1弾性板51の長手方向端面を段部端面211bに隙間なく接触させた状態でタイヤ2の内周面21に固定されている。第1弾性板51の長手方向両端部511をタイヤ2の内周面21に固定する方法としては、ねじ、ボルト、溶接、接着剤などによる固定方法が用いられている。
中間部材4の軸線に直交する直線のうち、第1仮想直線と異なる直線を第2仮想直線とすると、一対の第2弾性板61のそれぞれは、第2仮想直線と交わる位置に配置されている。本実施の形態では、第1仮想直線及び中間部材4の軸線のいずれにも直交する直線が第2仮想直線とされている。即ち、本実施の形態では、第2仮想直線がZ軸方向に沿った直線と一致している。一対の第2弾性板61は、第2仮想直線に沿った方向、即ちZ軸方向において、タイヤ2の軸線Pに対して互いに反対側となる位置に配置されている。従って、一対の第2弾性板61のうち、一方の第2弾性板61は、θ=0°の基準位置Aに配置され、他方の第2弾性板61は、基準位置Aからタイヤ2の周方向へθ=180°だけ進んだ位置に配置されている。タイヤ2が中間部材4と同軸となっていることから、タイヤ2の軸線P及び中間部材4の軸線は、一対の第2弾性板61の間に位置している。
図7は、図1の第2弾性板61を示す斜視図である。各第2弾性板61は、長方形状の平板である。第2弾性板61の長方形の短辺に沿った方向は、第2弾性板61の幅方向とされている。また、第2弾性板61の長方形の長辺に沿った方向は、第2弾性板61の長手方向とされている。さらに、第2弾性板61の幅方向及び長手方向のいずれにも直交する方向は、第2弾性板61の厚さ方向とされている。
各第2弾性板61は、図1に示すように、第2仮想直線に直交して配置されている。即ち、各第2弾性板61の厚さ方向は、第2仮想直線に沿った方向、即ちZ軸方向と一致している。また、各第2弾性板61の幅方向は、タイヤ2の軸線方向、即ちY軸方向と一致している。これにより、各第2弾性板61の長手方向は、Y軸方向及びZ軸方向のいずれにも直交するX軸方向と一致している。即ち、一対の第2弾性板61は、Z軸方向に直交するXY平面と平行に配置されている。
各第2弾性板61の長手方向両端部611は、一対の固定用端部として中間部材4の内周面41にそれぞれ固定されている。各第2弾性板61の長手方向中間部612は、単一の固定用板部として回転フレーム34の外周面344に固定されている。
第2弾性板61の厚さ方向に直交する方向の剛性、即ち第2弾性板61の面内剛性は、第2弾性板61の厚さ方向の剛性、即ち第2弾性板61の面外剛性よりも十分に高くなっている。これにより、中間部材4と回転フレーム34とが第2弾性板61を介して連結されている状態は、第2弾性板61の厚さ方向に直交する方向において中間部材4と回転フレーム34とが剛結合されている状態と等価であると考えることができる。
これに対して、第2弾性板61の面外剛性が第2弾性板61の面内剛性よりも十分低いことから、第2弾性板61の厚さ方向では、第2弾性板61が弾性変形可能になっている。本体3は、第2弾性板61の厚さ方向へ各第2弾性板61が弾性変形することにより、第2仮想直線に沿った方向、即ちZ軸方向へ中間部材4に対して移動可能になっている。即ち、各第2弾性板61は、第2仮想直線に沿って中間部材4が本体3に対して移動可能になるように中間部材4と回転フレーム34とを互いに連結している。中間部材4及び本体3は、各第2弾性板61の厚さ方向への弾性変形により、第2仮想直線に沿った方向、即ちZ軸方向へのみ相対移動が可能となる自由度を有している。
回転フレーム34の外周面344のうち、各第2弾性板61の長手方向中間部612が単一の固定用板部として固定されている位置には、外周平面部345がそれぞれ形成されている。本実施の形態では、2つの外周平面部345が回転フレーム34の外周面344に形成されている。外周平面部345は、回転フレーム34の外周面344のうち、θ=0°の基準位置Aと、基準位置Aからタイヤ2の周方向へθ=180°だけ進んだ位置とにそれぞれ形成されている。各外周平面部345は、第2仮想直線に沿った方向、即ちZ軸方向に直交する平面部である。
第2弾性板61の長手方向中間部612は、第2弾性板61の厚さ方向に直交する面を外周平面部345に隙間なく接触させた状態で回転フレーム34の外周面344に固定されている。第2弾性板61の長手方向中間部612を回転フレーム34の外周面344に固定する方法としては、ねじ、ボルト、溶接、接着剤などによる固定方法が用いられている。
中間部材4の内周面41のうち、各第2弾性板61の長手方向両端部611が一対の固定用端部として固定されている位置には、一対の段部411がそれぞれ形成されている。従って、中間部材4の内周面41には、一対の段部411が第2弾性板61の数だけ形成されている。本実施の形態では、一対の段部411が中間部材4の内周面41に2組形成されている。
図8は、図1の第2弾性板61が中間部材4に固定されている状態を示す斜視図である。第2弾性板61の長手方向両端部611は、一対の段部411にそれぞれ嵌っている。一対の段部411は、中間部材4の周方向において互いに対向している。一対の段部411のそれぞれは、第2仮想直線に沿った方向、即ちZ軸方向に直交する段部底面411aと、段部底面411aから中間部材4の内側に向けて延びる段部端面411bとによって構成されている。
一対の段部411のそれぞれの段部端面411bは、中間部材4の軸線及び第2仮想直線を含む平面と平行な平面である。従って、一対の段部411のそれぞれの段部端面411bは、X軸方向にそれぞれ直交している。一対の段部411は、2つの段部端面411bをX軸方向において互いに対向させた状態で中間部材4の内周面41に形成されている。
第2弾性板61の長手方向両端部611は、第2弾性板61の厚さ方向に直交する面を段部底面411aに隙間なく接触させ、かつ第2弾性板61の長手方向端面を段部端面411bに隙間なく接触させた状態で中間部材4の内周面41に固定されている。第2弾性板61の長手方向両端部611を中間部材4の内周面41に固定する方法としては、ねじ、ボルト、溶接、接着剤などによる固定方法が用いられている。
制振構造部7は、図1~図3に示すように、本体3に設けられている。また、制振構造部7は、バランサとしてのおもり71を有している。おもり71は、主軸32の第2端部322に固定されている。これにより、おもり71は、回転板部342の位置よりも変速機構35から遠い位置、即ち回転フレーム34よりもY軸方向のマイナス側に配置されている。
おもり71は、本体3の軸線を中心として主軸32及びロータ331と一体に回転する。即ち、おもり71の回転中心線は、本体3の軸線と一致している。また、おもり71の回転数は、主軸32及びロータ331の回転数と同じになる。これにより、おもり71は、回転フレーム34の回転数に比べて2倍の回転数で回転フレーム34の回転方向と同じ方向へ回転する。
おもり71は、おもり71の回転中心線に対して直交する特定の径方向へ主軸32から張り出している。これにより、おもり71の重心71aの位置は、おもり71の回転中心線に対して直交する方向へおもり71の回転中心線から離れた位置に設定されている。本実施の形態では、第2仮想直線に沿った方向へおもり71の回転中心線から離れた位置におもり71の重心71aの位置が設定されている。おもり71の重心71aは、おもり71の回転中心線を中心とする円上をおもり71の回転に伴って移動する。
車輪装置1は、第2仮想直線に沿った方向がZ軸方向と一致している図1の状態において、おもり71の重心71aの位置がおもり71の回転中心線よりもZ軸方向のマイナス側の位置になるように配置される。従って、一対の第2弾性板61のそれぞれの厚さ方向がZ軸方向と一致し、かつ一対の第2弾性板61がZ軸上に位置しているときには、おもり71の重心71aの位置がおもり71の回転中心線よりもZ軸方向のマイナス側の位置になる。即ち、車輪装置1において第2仮想直線に沿った方向が鉛直方向と一致するときには、おもり71の重心71aの位置がおもり71の回転中心線よりも下方の位置になる。
次に、車輪装置1の動作について説明する。図9は、図1の車輪装置1をモデル化した車輪装置モデルを示す模式図である。中間部材4は、一対の第2弾性板61の弾性変形により、第2仮想直線に沿った方向へ本体3に対して移動可能になっている。第2仮想直線に沿った方向以外の方向への本体3に対する中間部材4の移動は、一対の第2弾性板61の面内剛性により制限されている。
中間部材4は、一対の第1弾性板51の弾性変形により、第1仮想直線に沿った方向へタイヤ2に対して移動可能になっている。第1仮想直線に沿った方向以外の方向へのタイヤ2に対する中間部材4の移動は、一対の第1弾性板51の面内剛性により制限されている。
これにより、車輪装置1では、第1仮想直線及び第2仮想直線を含むXZ平面内を中間部材4が本体3及びタイヤ2に対して自由に移動可能な並進2自由度の振動系が構成されている。
各第1弾性板51及び各第2弾性板61のそれぞれの剛性は、タイヤ2の周方向において面内剛性となる。従って、タイヤ2の周方向では、各第1弾性板51及び各第2弾性板61のそれぞれの弾性変形が制限されている。これにより、タイヤ2の周方向では、タイヤ2に対する中間部材4の連結状態と、回転フレーム34に対する中間部材4の連結状態とが剛結合の状態とみなすことができる。従って、タイヤ2の回転数は、中間部材4の回転数と同じになる。また、中間部材4の回転数は、回転フレーム34の回転数と同じになる。
図10は、図1の車輪装置1がレール上を移動する状態を示す正面図である。また、図11は、図10の車輪装置1をモデル化した車輪装置モデルを示す模式図である。車輪装置1がレール10に載せられている状態では、タイヤ2の外周面がレール10に接触している。車輪装置1は、タイヤ2が回転することによりレール10上を移動する。
ステータ332への給電によりロータ331が回転すると、主軸32及び太陽歯車351がロータ331と一体に回転する。太陽歯車351が回転すると、各遊星歯車353が太陽歯車351の周囲を公転する。これにより、回転フレーム34が本体3の軸線を中心として回転する。このようにして、本体電動機33のトルクが回転フレーム34に伝わる。
回転フレーム34に伝わった本体電動機33のトルクは、回転フレーム34から一対の第2弾性板61を介して中間部材4に伝わる。このとき、回転フレーム34から各第2弾性板61に伝わるトルクの方向が各第2弾性板61の面内剛性の方向と一致する。これにより、各第2弾性板61の弾性変形が制限され、回転フレーム34のトルクが中間部材4へ効果的に伝わる。
中間部材4に伝わったトルクは、一対の第1弾性板51を介してタイヤ2に伝わる。このとき、中間部材4から各第1弾性板51に伝わるトルクの方向が各第1弾性板51の面内剛性の方向と一致する。これにより、各第1弾性板51の弾性変形が制限され、中間部材4に伝わったトルクがタイヤ2へ効果的に伝わる。これにより、タイヤ2が回転する。従って、車輪装置1では、回転フレーム34が回転すると、タイヤ2及び中間部材4のそれぞれが回転フレーム34の回転方向と同じ方向へ回転する。
レール10は、複数の単位レール10aが連続して繋がって構成されている。互いに隣り合う2つの単位レール10aの間の継ぎ目には、段差が生じていることがある。この場合、2つの単位レール10aの間の継ぎ目を車輪装置1が通過するときに、タイヤ2がレール10から衝撃力を受ける。
図10及び図11に示すように、第2仮想直線に沿った方向、即ちZ軸方向と一致する方向へタイヤ2が衝撃力を受けた場合、各第2弾性板61の弾性変形により、中間部材4が本体3に対して第2仮想直線に沿った方向へのみ移動する。これにより、タイヤ2が受けた衝撃力は、一対の第2弾性板61に吸収されて本体3に伝わりにくくなる。
また、図12は、図10のタイヤ2とは異なる回転位置にあるときのタイヤ2がレール10から衝撃力を受けたときの車輪装置1の状態を示す正面図である。さらに、図13は、図12の車輪装置1をモデル化した車輪装置モデルを示す模式図である。図12及び図13に示すように、第1仮想直線に沿った方向及び第2仮想直線に沿った方向のいずれにも一致しない方向へタイヤ2がレール10から衝撃力を受けた場合、中間部材4がタイヤ2に対して第1仮想直線に沿った方向へ移動し、中間部材4が本体3に対して第2仮想直線に沿った方向へ移動する。中間部材4がタイヤ2に対して第1仮想直線に沿った方向へ移動するときには、各第1弾性板51が弾性変形する。中間部材4が本体3に対して第2仮想直線に沿った方向へ移動するときには、各第2弾性板61が弾性変形する。これにより、タイヤ2が受けた衝撃力は、各第1弾性板51及び各第2弾性板61のそれぞれに吸収されて本体3に伝わりにくくなる。
図14は、図9の車輪装置1がレール10上を回転しながら移動するときの車輪装置1の状態の変化を示す模式的な説明図である。なお、図14では、第1仮想直線に沿った方向を第1方向ξとし、第2仮想直線に沿った方向を第2方向ηとしている。車輪装置1がレール10上を移動するときには、中間部材4がタイヤ2及び本体3に対して振れ回る現象、即ち中間部材4の振れ回りが生じる。図14には、第2方向ηがZ軸方向と一致している状態から、第2方向ηがX軸方向と一致している状態までの車輪装置1の状態の変化が示されている。
図14では、車輪装置1が90°回転する間に、中間部材4がタイヤ2及び本体3に対して180°振れ回る。即ち、中間部材4は、車輪装置1の回転周波数の2倍の周波数で振れ回る。中間部材4の振れ回りが生じると、中間部材4の遠心力が生じるため、車輪装置1の全体が振動しようとする。車輪装置1では、制振構造部7におけるおもり71が動作することにより、車輪装置1の全体の振動が抑制される。
第2方向ηがZ軸方向、即ち鉛直方向と一致している初期状態から車輪装置1が90°回転すると、第2方向ηがX軸方向と一致する。このとき、第1方向ξがZ軸方向と一致することから、図14の右側に示される車輪装置1のように、各第1弾性板51が弾性変形する。このとき、中間部材4は、タイヤ2に対してZ軸方向のマイナス側、即ち下方へ移動する。これにより、中間部材4には、Z軸方向のマイナス側へ遠心力が作用する。
一方、第2方向ηがZ軸方向と一致している初期状態では、おもり71の重心71aがおもり71の回転中心線よりもZ軸方向のマイナス側、即ち下方に位置している。また、おもり71は、回転フレーム34の回転数に比べて2倍の回転数で回転フレーム34の回転方向と同じ方向へ回転する。従って、車輪装置1が初期状態から90°回転して第2方向ηがX軸方向と一致するまでの間に、おもり71が180°回転して、おもり71の重心71aがおもり71の回転中心線よりもZ軸方向のプラス側、即ち上方へ移動する。これにより、おもり71には、Z軸方向のプラス側へ遠心力が作用する。
これにより、図14の右側に示される車輪装置1のように第2方向ηがZ軸方向と一致するときには、中間部材4に作用するZ軸方向のマイナス側への遠心力を打ち消す方向、即ちZ軸方向のプラス側へ遠心力がおもり71に作用する。即ち、おもり71に作用する遠心力は、中間部材4の振れ回りによる加振力を打ち消す方向へ作用する。
次に、おもり71の偏心距離及びおもり71の質量について説明する。おもり71の偏心距離は、おもり71の回転中心線からおもり71の重心71aまでの距離である。中間部材4の質量をM、車輪装置1の回転角速度をω、おもり71の質量をm、おもり71の偏心距離をLとする。また、図14に示すように、中間部材4の振れ回りによる変位のうち、Z軸方向である鉛直方向における変位、即ち中間部材4の鉛直方向変位をDとする。
この場合、中間部材4を含む振動系の振れ回りによって中間部材4に作用する遠心力は、以下の式(3)によって表される。
M・D・ω2 …(3)
これに対して、車輪装置1が1回転すると、おもり71は2回転することから、おもり71の回転角速度は2ωとなる。従って、おもり71に作用する遠心力は、以下の式(4)によって表される。
m・L・(2ω)2…(4)
中間部材4の振れ回りによる振動が最も抑制される条件は、式(3)及び式(4)が釣り合う条件である。従って、中間部材4の振れ回りによる振動が最も抑制される条件は、以下の式(5)によって表される。
M・D=4・m・L…(5)
従って、おもり71の偏心距離Lとおもり71の質量mとの積が、タイヤ2が回転するときの中間部材4の鉛直方向における変位Dと中間部材4の質量Mとの積の1/4倍と一致するときに、中間部材4の振れ回りによる振動が効果的に抑制される。本実施の形態では、おもり71の偏心距離Lとおもり71の質量mとの積が、タイヤ2が回転するときの中間部材4の鉛直方向における変位Dと中間部材4の質量Mとの積の1/4倍と一致している。
次に、車輪装置1の回転数R[Hz]を0[Hz]から20[Hz]まで線形的に変化させたときの本体3のZ軸方向における変位D1を数値解析によって求めた。数値解析では、制振構造部7を含まない比較例A1の車輪装置と、M=60[kg]、m=0.05[kg]、L=200[mm]とした実施例B1の車輪装置と、M=60[kg]、m=0.1[kg]、L=200[mm]とした実施例C1の車輪装置とを解析対象とした。従って、上記の式(5)を満たさない実施例を実施例B1とし、上記の式(5)を満たす実施例を実施例C1とした。なお、車輪装置1では、中間部材4の振れ回りによる車輪装置1の振動が小さくなるほど、本体3のZ軸方向における変位D1が小さくなる。
図15は、数値解析における比較例A1、実施例B1及び実施例C1のそれぞれの車輪装置の回転数R[Hz]と時間t[sec]との関係を示すグラフである。また、図16は、数値解析における比較例A1の本体3のZ軸方向における変位D1[mm]と時間t[sec]との関係を示すグラフである。さらに、図17は、数値解析における実施例B1の本体3のZ軸方向における変位D1[mm]と時間t[sec]との関係を示すグラフである。また、図18は、数値解析における実施例C1の本体3のZ軸方向における変位D1[mm]と時間t[sec]との関係を示すグラフである。
図15~図18に示すように、比較例A1では、3.5[sec]付近で本体3の振動が増大するのに対して、実施例B1及び実施例C1では、比較例A1よりも本体3の振動が低減されていることが分かる。また、上記の式(5)を満たさない実施例B1よりも、上記の式(5)を満たす実施例C1において、本体3の振動が低減されていることが分かる。
このような車輪装置1では、中間部材4の軸線に直交する第1仮想直線に各第1弾性板51が直交して配置されている。また、第1仮想直線とは異なる第2仮想直線に各第2弾性板61が直交して配置されている。このため、タイヤ2の周方向における各第1弾性板51及び各第2弾性板61のそれぞれの剛性を高めることができる。これにより、タイヤ2の回転方向における各第1弾性板51及び各第2弾性板61のそれぞれの弾性変形を制限することができ、本体3に対するタイヤ2の不要な振動がタイヤ2の回転方向において生じることを防止することができる。従って、本体3からタイヤ2にトルクをより確実に伝えることができる。また、タイヤ2が外部から衝撃力を受けると、第1弾性板51及び第2弾性板61の少なくともいずれか一方が弾性変形しながら、本体3をタイヤ2に対して移動させることができる。これにより、タイヤ2が受けた衝撃力を第1弾性板51及び第2弾性板61の少なくともいずれか一方に吸収させることができる。従って、タイヤ2から本体3に伝わる衝撃力を抑制することができる。
また、各第2弾性板61と直交する第2仮想直線は、各第1弾性板51と直交する第1仮想直線に直交している。このため、各第1弾性板51及び各第2弾性板61をタイヤ2の周方向において均等に配置することができる。これにより、タイヤ2が受ける衝撃力の抑制力の均等化をタイヤ2の周方向において図ることができる。
また、中間部材4の軸線は、一対の第1弾性板51の間に位置し、かつ一対の第2弾性板61の間に位置している。このため、中間部材4がタイヤ2に連結された状態と、本体3が中間部材4に連結された状態とを安定させることができる。これにより、車輪装置1の故障の発生をより確実に抑制することができ、車輪装置1の信頼性の向上を図ることができる。
また、第1弾性板51の長手方向両端部511はタイヤ2に固定され、第1弾性板51の長手方向中間部512は中間部材4に固定されている。このため、第1弾性板51の厚さ方向への弾性変形を可能にしながら、タイヤ2及び中間部材4のそれぞれに対する第1弾性板51の固定状態をより確実にすることができる。
また、第2弾性板61の長手方向両端部611は中間部材4に固定され、第2弾性板61の長手方向中間部612は本体3の回転フレーム34に固定されている。このため、第2弾性板61の厚さ方向への弾性変形を可能にしながら、中間部材4及び回転フレーム34のそれぞれに対する第2弾性板61の固定状態をより確実にすることができる。
また、タイヤ2の内周面21のうち、第1弾性板51の長手方向両端部511が一対の固定用端部として固定されている位置には、第1弾性板51の長手方向両端部511がそれぞれ嵌る一対の段部211が形成されている。このため、タイヤ2に対して第1弾性板51をさらに確実に固定することができ、タイヤ2に対する第1弾性板51の位置ずれをさらに確実に防止することができる。
また、中間部材4の内周面41のうち、第2弾性板61の長手方向両端部611が一対の固定用端部として固定されている位置には、第2弾性板61の長手方向両端部611がそれぞれ嵌る一対の段部411が形成されている。このため、中間部材4に対して第2弾性板61をさらに確実に固定することができ、中間部材4に対する第2弾性板61の位置ずれをさらに確実に防止することができる。
また、制振構造部7は、回転フレーム34の回転数に比べて2倍の回転数で回転フレーム34の回転方向と同じ方向へ回転するおもり71を有している。さらに、第2仮想直線に沿った方向が鉛直方向と一致するときには、おもり71の重心71aがおもり71の回転中心線よりも下方の位置になる。このため、タイヤ2及び本体3に対する中間部材4の移動によって生じる加振力の少なくとも一部をおもり71の遠心力によって打ち消すことができる。これにより、中間部材4の振れ回りによる車輪装置1の全体の振動を抑制することができる。
また、本体3は、回転フレーム34を回転させるトルクを発生する本体電動機33を有している。このため、車輪装置1を回転させる駆動源を中間部材4の内側に配置することができる。これにより、車輪装置1の小型化を図ることができる。
また、本体3は、回転フレーム34の回転数がロータ331の回転数の1/2倍になるように本体電動機33のトルクを回転フレーム34に伝達する変速機構35を有している。また、おもり71は、ロータ331と一体に回転する。このため、おもり71の回転数をより確実に回転フレーム34の回転数の2倍にすることができる。
また、変速機構35は、太陽歯車351と、内歯歯車352と、複数の遊星歯車353とを有する遊星歯車機構である。このため、おもり71の回転数を簡単な構成によって回転フレーム34の回転数の2倍にすることができる。これにより、車輪装置1の故障の発生をさらに確実に抑制することができ、車輪装置1の信頼性の向上をさらに確実に図ることができる。
また、おもり71の偏心距離Lとおもり71の質量mとの積は、タイヤ2が回転するときの中間部材4の鉛直方向における変位Dと中間部材4の質量Mとの積の1/4倍と一致している。このため、中間部材4の振れ回りによる加振力をおもり71の遠心力によって効果的に打ち消すことができる。これにより、車輪装置1の全体の振動を効果的に抑制することができる。
また、おもり71の回転中心線が本体3の軸線からずれていると、中間部材4の振れ回りによる振動の抑制に寄与しない不要な回転モーメントがおもり71に発生する。本実施の形態では、おもり71の回転中心線が本体3の軸線と一致している。これにより、不要な回転モーメントの発生を抑制することができる。また、不要な回転モーメントの発生を抑制するための追加おもりを用いる必要もなくなる。従って、中間部材4の振れ回りによる振動を簡単な構成で効率良く抑制することができる。
実施の形態2.
図19は、実施の形態2による車輪装置を示す断面図である。なお、図19は、実施の形態1における図2に対応する図である。主軸32の第2端部322には、回転フレーム34の回転板部342が軸受け303を介して回転可能に取り付けられている。主軸32は、固定フレーム31よりもY軸方向のプラス側へ延びている。これにより、主軸32の第1端部321は、固定フレーム31よりも車体の幅方向内側に位置している。
おもり71は、主軸32の第1端部321に固定されている。従って、おもり71は、固定フレーム31よりも車体の幅方向内側、即ち固定フレーム31よりもY軸方向のプラス側に配置されている。
おもり71の構成は、実施の形態1と同様である。これにより、おもり71は、回転フレーム34の回転数に比べて2倍の回転数で回転フレーム34の回転方向と同じ方向へ回転する。また、おもり71の重心71aは、おもり71の回転中心線を中心とする円上をおもり71の回転に伴って移動する。
車輪装置1は、第2仮想直線に沿った方向がZ軸方向と一致している状態において、おもり71の重心71aの位置がおもり71の回転中心線よりもZ軸方向のマイナス側の位置になるように配置される。従って、車輪装置1において第2仮想直線に沿った方向が鉛直方向と一致するときには、おもり71の重心71aの位置がおもり71の回転中心線よりも下方の位置になる。実施の形態2における他の構成は、実施の形態1と同様である。
このような車輪装置1では、おもり71が主軸32の第1端部321に固定されている。このため、車体に固定された固定フレーム31よりも車体の幅方向内側におもり71を配置することができる。これにより、車体の幅方向において固定フレーム31よりも外側に配置される車輪装置1の寸法を小さくすることができる。従って、車体の側面の限界に対して車輪装置1をコンパクトにすることができ、車輪装置1の設計自由度を向上させることができる。
実施の形態3.
図20は、実施の形態3による車輪装置を示す断面図である。なお、図20は、実施の形態1における図2に対応する図である。主軸32の第2端部322には、回転フレーム34の回転板部342が固定されている。これにより、回転フレーム34は、本体3の軸線を中心として主軸32及びロータ331と一体に回転する。従って、回転フレーム34は、本体電動機33のトルクによって、主軸32及びロータ331のそれぞれの回転数と同じ回転数で回転する。
制振構造部7は、本体3よりも車体の幅方向内側、即ち本体3よりもY軸方向のプラス側に配置されている。また、制振構造部7は、おもり71と、変速機構72とを有している。おもり71は、変速機構72を介して主軸32に取り付けられている。変速機構72は、本体電動機33のトルクをおもり71に伝達する。
変速機構72は、主軸32よりも車体の幅方向内側、即ち主軸32よりもY軸方向のプラス側に配置されている。また、変速機構72は、おもり71の回転数がロータ331の回転数の2倍になるように本体電動機33のトルクをおもり71に伝達する。従って、おもり71は、ステータ332への給電により、回転フレーム34の回転数に比べて2倍の回転数で回転フレーム34の回転方向と同じ方向へ回転する。
変速機構72は、太陽歯車721と、内歯歯車722と、複数の遊星歯車723と、主軸固定部材725と、変速機構出力軸726とを有している。太陽歯車721、内歯歯車722及び複数の遊星歯車723は、遊星歯車機構を構成している。遊星歯車機構の構成は、実施の形態1による変速機構35の構成と同様である。
主軸固定部材725は、主軸32の第1端部321に固定されている。これにより、主軸固定部材725は、本体3の軸線を中心として主軸32及びロータ331と一体に回転する。主軸固定部材725は、固定フレーム31よりも車体の幅方向内側、即ち固定フレーム31よりもY軸方向のプラス側に位置している。主軸固定部材725は、本体3の軸線に直交する円板である。主軸固定部材725の外径は、主軸32の外径よりも大きくなっている。
太陽歯車721は、本体3の軸線と同軸に配置されている。また、太陽歯車721は、主軸固定部材725よりも車体の幅方向内側、即ち主軸固定部材725よりもY軸方向のプラス側に位置している。
内歯歯車722は、太陽歯車721を囲む環状の歯車である。これにより、内歯歯車722は、固定フレーム31よりも車体の幅方向内側、即ち固定フレーム31よりもY軸方向のプラス側に位置している。内歯歯車722は、本体3の軸線と同軸に配置されている。また、内歯歯車722は、固定フレーム31に固定されている。
各遊星歯車723は、太陽歯車721と内歯歯車722との間に配置されている。各遊星歯車723は、太陽歯車721及び内歯歯車722のそれぞれに噛み合っている。また、各遊星歯車723は、主軸固定部材725に取り付けられている。太陽歯車721は、各遊星歯車723の間に挟まれることによって支持されている。各遊星歯車723は、主軸固定部材725が主軸32及びロータ331と一体に回転することにより、本体3の軸線を中心として太陽歯車721の周囲を公転する。太陽歯車721に対する各遊星歯車723の公転速度は、ロータ331の回転速度と一致する。太陽歯車721は、太陽歯車721に対する各遊星歯車723の公転速度と同期しながら、内歯歯車722に対して本体3の軸線を中心に回転する。各遊星歯車723は、歯車軸723aと、第1歯車部723bと、第2歯車部723cとを有している。
歯車軸723aの軸線は、遊星歯車723の軸線と一致している。歯車軸723aは、本体3の軸線と平行に配置されている。また、歯車軸723aは、主軸固定部材725に回転可能に取り付けられている。
第1歯車部723b及び第2歯車部723cのそれぞれは、複数の歯が外周部に設けられた外歯車である。第1歯車部723b及び第2歯車部723cは、歯車軸723aに固定されている。これにより、第1歯車部723bは、第2歯車部723cに同軸に固定されている。歯車軸723a、第1歯車部723b及び第2歯車部723cは、遊星歯車723の軸線を中心として一体に回転する。第1歯車部723b及び第2歯車部723cは、歯車軸723aの軸線方向において互いに隣接している。
第1歯車部723bは、内歯歯車722に噛み合っている。第2歯車部723cは、太陽歯車721に噛み合っている。第1歯車部723bの歯数と、第2歯車部723cの歯数とは、互いに異なっている。本実施の形態では、第1歯車部723bの歯数が第2歯車部723cの歯数よりも多くなっている。
第2歯車部723cは、第1歯車部723bよりも固定フレーム31に近い位置、即ち第1歯車部723bよりもY軸方向のマイナス側に位置している。なお、第1歯車部723bよりも固定フレーム31から遠い位置、即ち第1歯車部723bよりもY軸方向のプラス側に第2歯車部723cが位置するようにしてもよい。
変速機構出力軸726は、太陽歯車721に固定されている。変速機構出力軸726は、太陽歯車721から車体の幅方向内側、即ち太陽歯車721からY軸方向のプラス側へ突出している。変速機構出力軸726は、本体3の軸線と同軸に配置されている。これにより、変速機構出力軸726は、本体3の軸線を中心として太陽歯車721と一体に回転する。
変速機構72では、変速機構出力軸726の回転数がロータ331の回転数に対して2倍になるように、太陽歯車721、内歯歯車722、第1歯車部723b及び第2歯車部723cのそれぞれの歯数が決定されている。即ち、変速機構72では、ロータ331の回転数に対する変速機構出力軸726の回転数の速度伝達比が2になるように、太陽歯車721、内歯歯車722、第1歯車部723b及び第2歯車部723cのそれぞれの歯数が決定されている。これにより、ロータ331が1回転すると、変速機構出力軸726がロータ331の回転方向と同じ方向へ2回転する。
おもり71は、変速機構出力軸726に固定されている。これにより、おもり71は、変速機構出力軸726と一体に回転する。また、おもり71は、変速機構72の遊星歯車機構よりも車体の幅方向内側、即ち変速機構72の遊星歯車機構よりもY軸方向のプラス側に配置されている。
おもり71の構成は、実施の形態1と同様である。これにより、おもり71は、回転フレーム34の回転数に比べて2倍の回転数で回転フレーム34の回転方向と同じ方向へ回転する。おもり71の回転中心線は、本体3の軸線と一致している。おもり71の重心71aは、おもり71の回転中心線を中心とする円上をおもり71の回転に伴って移動する。
車輪装置1は、第2仮想直線に沿った方向がZ軸方向と一致している状態において、おもり71の重心71aの位置がおもり71の回転中心線よりもZ軸方向のマイナス側の位置になるように配置される。従って、車輪装置1において第2仮想直線に沿った方向が鉛直方向と一致するときには、おもり71の重心71aの位置がおもり71の回転中心線よりも下方の位置になる。実施の形態3における他の構成は、実施の形態1と同様である。
このような車輪装置1では、回転フレーム34がロータ331と一体に回転する。また、変速機構72は、おもり71の回転数がロータ331の回転数の2倍になるように本体電動機33のトルクをおもり71に伝達する。このため、おもり71の回転数をより確実に回転フレーム34の回転数の2倍にすることができる。また、変速機構72は、おもり71に本体電動機33のトルクを伝達するだけでよく、おもり71よりも重い回転フレーム34に本体電動機33のトルクを伝達する必要がなくなる。これにより、変速機構72の小型化を図ることができる。
また、制振構造部7は、本体3よりも車体の幅方向内側に配置されている。このため、車体に固定された固定フレーム31よりも車体の幅方向内側におもり71及び変速機構72を配置することができる。これにより、実施の形態2と同様に、車体の側面の限界に対して車輪装置1をコンパクトにすることができ、車輪装置1の設計自由度をさらに向上させることができる。
実施の形態4.
図21は、実施の形態4による車輪装置を示す正面図である。また、図22は、図21のXXII-XXII線に沿った断面図である。なお、図21は、実施の形態1における図1に対応する図である。図22は、実施の形態1における図2に対応する図である。おもり71は、主軸32の第2端部322に固定されている。おもり71は、固定座711と、おもり本体712とを有している。
固定座711は、本体3の軸線に対して直交する棒状部材である。固定座711は、第2仮想直線に沿って配置されている。固定座711は、第2端部322を貫通した状態で第2端部322に固定されている。固定座711は、第2端部322の外周面から第2仮想直線に沿った方向へ突出している。
おもり本体712は、固定座711に取り付けられている。例えば、ねじ棒が固定座711として用いられ、固定座711にねじ込まれたナットがおもり本体712として用いられている。おもり本体712は、固定座711に対して固定座711の長手方向へ移動可能になっている。これにより、固定座711に対するおもり本体712の位置は、固定座711の長手方向に調整可能になっている。おもり71では、固定座711に対するおもり本体712の位置が固定座711の長手方向に調整されることにより、おもり71の重心71aの位置が調整される。即ち、おもり71は、おもり71の回転中心線からおもり71の重心71aまでの距離、即ちおもり71の偏心距離Lを調整可能になっている。
車輪装置1は、第2仮想直線に沿った方向がZ軸方向と一致している状態において、おもり71の重心71aの位置がおもり71の回転中心線よりもZ軸方向のマイナス側の位置になるように配置される。従って、車輪装置1において第2仮想直線に沿った方向が鉛直方向と一致するときには、おもり71の重心71aの位置がおもり71の回転中心線よりも下方の位置になる。実施の形態4における他の構成は、実施の形態1と同様である。
このような車輪装置1では、おもり71の偏心距離Lが調整可能になっている。このため、車両の質量によって決まる中間部材4の鉛直方向変位Dに応じて、上記の式(5)が成立するようにおもり71の偏心距離Lを調整することができる。これにより、中間部材4の振れ回りによる振動をさらに効果的に抑制することができる。
実施の形態5.
図23は、実施の形態5による車輪装置を示す断面図である。なお、図23は、実施の形態1における図2に対応する図である。本体電動機33は、ステータ332と、ステータ332の外周を囲む環状のロータ331とを有している。従って、本体電動機33は、アウタロータ型の電動機となっている。ロータ331及びステータ332のそれぞれの軸線は、本体3の軸線と一致している。
ステータ332は、固定フレーム31に固定されている。ロータ331は、軸受け305を介して固定フレーム31に取り付けられている。ロータ331には、回転フレーム34が固定されている。回転フレーム34は、貫通穴343に嵌められた軸受け306を介してステータ332に取り付けられている。これにより、回転フレーム34は、ステータ332及び固定フレーム31に対して本体3の軸線を中心としてロータ331と一体に回転可能になっている。
制振構造部7は、車体の幅方向において回転フレーム34よりも外側、即ち回転フレーム34よりもY軸方向のマイナス側に配置されている。また、制振構造部7は、回転フレーム34の貫通穴343を通してステータ332に支持されている。
制振構造部7は、おもり71と、変速機構72とを有している。おもり71は、変速機構72を介して回転フレーム34に取り付けられている。変速機構72は、おもり71の回転数がロータ331の回転数の2倍になるように本体電動機33のトルクをおもり71に伝達する。変速機構72の構成は、実施の形態2による遊星歯車機構の構成と同様である。即ち、変速機構72は、太陽歯車721と、内歯歯車722と、複数の遊星歯車723とを有している。
太陽歯車721及び内歯歯車722のそれぞれは、本体3の軸線と同軸に配置されている。太陽歯車721は、ステータ332に固定されている。内歯歯車722は、太陽歯車721を囲む環状の歯車である。
各遊星歯車723は、太陽歯車721と内歯歯車722との間に配置されている。各遊星歯車723は、太陽歯車721及び内歯歯車722のそれぞれに噛み合っている。また、各遊星歯車723は、回転フレーム34に取り付けられている。内歯歯車722は、各遊星歯車723に支持されている。各遊星歯車723は、回転フレーム34がロータ331と一体に回転することにより、本体3の軸線を中心として太陽歯車721の周囲を公転する。従って、太陽歯車721に対する各遊星歯車723の公転速度は、ロータ331の回転速度と一致する。内歯歯車722は、太陽歯車721に対する各遊星歯車723の公転速度と同期しながら、太陽歯車721に対して本体3の軸線を中心に回転する。従って、本実施の形態による変速機構72は、各遊星歯車723の公転力を入力とし、内歯歯車722の回転力を出力とするソーラ型の遊星歯車機構となっている。
各遊星歯車723は、歯車軸723aと、第1歯車部723bと、第2歯車部723cとを有している。歯車軸723aの軸線は、遊星歯車723の軸線と一致している。歯車軸723aは、本体3の軸線と平行に配置されている。また、歯車軸723aは、回転フレーム34の回転板部342に回転可能に取り付けられている。
第1歯車部723b及び第2歯車部723cは、歯車軸723aに固定されている。これにより、第1歯車部723bは、第2歯車部723cに同軸に固定されている。歯車軸723a、第1歯車部723b及び第2歯車部723cは、遊星歯車723の軸線を中心として一体に回転する。第1歯車部723b及び第2歯車部723cは、歯車軸723aの軸線方向において互いに隣接している。
第1歯車部723bは、内歯歯車722に噛み合っている。第2歯車部723cは、太陽歯車721に噛み合っている。第1歯車部723bの歯数と、第2歯車部723cの歯数とは、互いに異なっている。本実施の形態では、第1歯車部723bの歯数が第2歯車部723cの歯数よりも多くなっている。
第2歯車部723cは、第1歯車部723bよりも回転フレーム34に近い位置、即ち第1歯車部723bよりもY軸方向のプラス側に位置している。なお、第1歯車部723bよりも回転フレーム34から遠い位置、即ち第1歯車部723bよりもY軸方向のマイナス側に第2歯車部723cが位置するようにしてもよい。
ソーラ型の遊星歯車機構である変速機構72による速度伝達比iは、太陽歯車721の歯数z1、内歯歯車722の歯数z2、第1歯車部723bの歯数z3、及び第2歯車部723cの歯数z4を用いて、以下の式(6)によって表される。
i=(z1/z2)・(z3/z4)+1…(6)
変速機構72では、内歯歯車722の回転数がロータ331の回転数に対して2倍になるように、太陽歯車721、内歯歯車722、第1歯車部723b及び第2歯車部723cのそれぞれの歯数が決定されている。即ち、変速機構72では、ロータ331の回転数に対する内歯歯車722の回転数の速度伝達比iが2になるように、太陽歯車721、内歯歯車722、第1歯車部723b及び第2歯車部723cのそれぞれの歯数が決定されている。これにより、ロータ331が1回転すると、内歯歯車722がロータ331の回転方向と同じ方向へ2回転する。
おもり71は、内歯歯車722に固定されている。これにより、おもり71は、内歯歯車722と一体に回転する。従って、おもり71の回転中心線は、本体3の軸線と一致している。また、おもり71の重心71aの位置は、おもり71の回転中心線に対して直交する方向へおもり71の回転中心線から離れた位置に設定されている。本実施の形態では、第2仮想直線に沿った方向へおもり71の回転中心線から離れた位置におもり71の重心71aの位置が設定されている。おもり71の重心71aは、おもり71の回転中心線を中心とする円上をおもり71の回転に伴って移動する。
車輪装置1は、第2仮想直線に沿った方向がZ軸方向と一致している状態において、おもり71の重心71aの位置がおもり71の回転中心線よりもZ軸方向のマイナス側の位置になるように配置される。従って、車輪装置1において第2仮想直線に沿った方向が鉛直方向と一致するときには、おもり71の重心71aの位置がおもり71の回転中心線よりも下方の位置になる。実施の形態5における他の構成は、実施の形態1と同様である。
このような車輪装置1では、おもり71の回転数がロータ331の回転数の2倍になるように変速機構72によって本体電動機33のトルクがおもり71に伝達される。このため、実施の形態3と同様に、おもり71の回転数をより確実に回転フレーム34の回転数の2倍にすることができる。また、変速機構72の小型化を図ることもできる。
また、本体電動機33はアウタロータ型の電動機となっており、変速機構72はソーラ型の遊星歯車機構となっている。このため、車輪装置1における可動部品を少なくすることができる。これにより、車輪装置1の故障の発生をさらに確実に抑制することができ、車輪装置1の信頼性の向上をさらに図ることができる。
実施の形態6.
図24は、実施の形態6による車輪装置を示す断面図である。なお、図24は、実施の形態1における図2に対応する図である。制振構造部7は、ロータ331と一体に回転する回転フレーム34に設けられている。また、制振構造部7は、車体の幅方向において回転フレーム34よりも外側、即ち回転フレーム34よりもY軸方向のマイナス側に配置されている。制振構造部7は、おもり71と、制振用電動機73とを有している。本実施の形態では、制振構造部7が変速機構を有していない。
制振用電動機73は、本体電動機33とは異なる電動機である。制振用電動機73の軸線は、本体3の軸線と一致している。制振用電動機73は、おもり71を回転させるトルクを発生する。制振用電動機73は、おもり駆動部731と、おもり駆動軸732とを有している。
おもり駆動部731は、回転フレーム34に固定されている。これにより、おもり駆動部731は、本体3の軸線を中心として回転フレーム34と一体に回転する。
おもり駆動軸732は、おもり駆動部731に回転可能に設けられている。また、おもり駆動軸732の軸線は、本体3の軸線と一致している。おもり駆動軸732は、おもり駆動部731への給電により、おもり駆動部731に対して本体3の軸線を中心として回転する。
本体電動機33及び制振用電動機73のそれぞれは、図示しない制御装置により制御される。制御装置は、おもり駆動部731に対するおもり駆動軸732の回転速度と、ステータ332に対するロータ331の回転速度とが互いに同じになるように、本体電動機33及び制振用電動機73のそれぞれを制御する。また、制御装置は、おもり駆動軸732の回転方向と、ロータ331の回転方向とが互いに同じ方向になるように、本体電動機33及び制振用電動機73のそれぞれを制御する。これにより、固定フレーム31及びステータ332からみると、おもり駆動軸732は、回転フレーム34の回転数に比べて2倍の回転数で回転フレーム34の回転方向と同じ方向へ回転する。
おもり71は、おもり駆動軸732に固定されている。これにより、おもり71は、本体3の軸線を中心としておもり駆動軸732と一体に回転する。おもり71の回転中心線は、本体3の軸線と一致している。また、おもり71の回転数は、おもり駆動軸732の回転数と同じになる。これにより、固定フレーム31及びステータ332からみると、おもり71は、回転フレーム34の回転数に比べて2倍の回転数で回転フレーム34の回転方向と同じ方向へ回転する。
おもり71の構成は、実施の形態1におけるおもり71の構成と同様である。従って、おもり71の重心71aの位置は、おもり71の回転中心線に対して直交する方向へおもり71の回転中心線から離れた位置に設定されている。本実施の形態では、第2仮想直線に沿った方向へおもり71の回転中心線から離れた位置におもり71の重心71aの位置が設定されている。おもり71の重心71aは、おもり71の回転中心線を中心とする円上をおもり71の回転に伴って移動する。
車輪装置1は、第2仮想直線に沿った方向がZ軸方向と一致している状態において、おもり71の重心71aの位置がおもり71の回転中心線よりもZ軸方向のマイナス側の位置になるように配置される。従って、車輪装置1において第2仮想直線に沿った方向が鉛直方向と一致するときには、おもり71の重心71aの位置がおもり71の回転中心線よりも下方の位置になる。実施の形態6における他の構成は、実施の形態3と同様である。
このような車輪装置1では、おもり71を回転させるトルクを発生する制振用電動機73が回転フレーム34に設けられている。このため、変速機構を不要にすることができ、車輪装置1の構成を簡単にすることができる。これにより、車輪装置1の故障の発生をより確実に抑制することができ、車輪装置1の信頼性の向上を図ることができる。
なお、実施の形態6では、制振構造部7が回転フレーム34に設けられている。しかし、ロータ331と一体に回転する主軸32に制振構造部7を設けてもよい。この場合、制振用電動機73のおもり駆動部731が主軸32に固定される。また、この場合、制振構造部7は、主軸32の第1端部321に設けてもよいし、主軸32の第2端部322に設けてもよい。制振構造部7を主軸32の第2端部322に設ける場合、主軸32は、回転フレーム34の回転板部342を貫通して配置される。
実施の形態7.
図25は、実施の形態7による車輪装置を示す断面図である。なお、図25は、実施の形態1における図2に対応する図である。本体電動機33は、実施の形態5と同様に、アウタロータ型の電動機となっている。制振構造部7は、車体の幅方向において回転フレーム34よりも外側、即ち回転フレーム34よりもY軸方向のマイナス側に配置されている。また、制振構造部7は、回転フレーム34の貫通穴343を通してステータ332に支持されている。
制振構造部7の構成は、実施の形態6における制振構造部7の構成と同様である。制振構造部7では、おもり71を回転させるトルクを発生する制振用電動機73がステータ332に設けられている。制振用電動機73の軸線は、本体3の軸線と一致している。制振用電動機73のおもり駆動部731は、回転フレーム34の貫通穴343を通してステータ332に固定されている。制振用電動機73のおもり駆動軸732は、おもり駆動部731への給電により、おもり駆動部731に対して本体3の軸線を中心として回転する。
本体電動機33及び制振用電動機73のそれぞれは、図示しない制御装置により制御される。制御装置は、おもり駆動部731に対するおもり駆動軸732の回転速度が、ステータ332に対するロータ331の回転速度の2倍になるように、本体電動機33及び制振用電動機73のそれぞれを制御する。また、制御装置は、おもり駆動軸732の回転方向と、ロータ331の回転方向とが互いに同じ方向になるように、本体電動機33及び制振用電動機73のそれぞれを制御する。これにより、おもり駆動軸732は、回転フレーム34の回転数に比べて2倍の回転数で回転フレーム34の回転方向と同じ方向へ回転する。
おもり71は、おもり駆動軸732に固定されている。これにより、おもり71は、本体3の軸線を中心としておもり駆動軸732と一体に回転する。従って、おもり71は、回転フレーム34の回転数に比べて2倍の回転数で回転フレーム34の回転方向と同じ方向へ回転する。
おもり71の構成は、実施の形態6におけるおもり71の構成と同様である。従って、おもり71の重心71aの位置は、おもり71の回転中心線に対して直交する方向へおもり71の回転中心線から離れた位置に設定されている。本実施の形態では、第2仮想直線に沿った方向へおもり71の回転中心線から離れた位置におもり71の重心71aの位置が設定されている。おもり71の重心71aは、おもり71の回転中心線を中心とする円上をおもり71の回転に伴って移動する。
車輪装置1は、第2仮想直線に沿った方向がZ軸方向と一致している状態において、おもり71の重心71aの位置がおもり71の回転中心線よりもZ軸方向のマイナス側の位置になるように配置される。従って、車輪装置1において第2仮想直線に沿った方向が鉛直方向と一致するときには、おもり71の重心71aの位置がおもり71の回転中心線よりも下方の位置になる。実施の形態7における他の構成は、実施の形態5と同様である。
このような車輪装置1では、おもり71を回転させるトルクを発生する制振用電動機73がステータ332に設けられている。このため、変速機構を不要にすることができ、車輪装置1の構成を簡単にすることができる。これにより、車輪装置1の故障の発生をより確実に抑制することができ、車輪装置1の信頼性の向上を図ることができる。
なお、実施の形態7では、制振構造部7がステータ332に設けられている。しかし、固定フレーム31に制振構造部7を設けてもよい。この場合、制振構造部7は、固定フレーム31よりも車体の幅方向内側に配置される。また、この場合、制振用電動機73のおもり駆動部731が固定フレーム31に固定される。
また、実施の形態4では、重心71aの位置が調整可能なおもり71が実施の形態1における制振構造部7のおもり71に適用されている。しかし、重心71aの位置が調整可能な実施の形態4のおもり71を、実施の形態2、3、6及び7における制振構造部7のおもり71に適用してもよい。
また、各上記実施の形態では、おもり71の回転中心線が本体3の軸線と一致している。しかし、おもり71の回転中心線が本体3の軸線からずれていてもよい。このようにしても、中間部材4の振れ回りによる加振力の少なくとも一部をおもり71の遠心力によって打ち消すことができ、車輪装置1の全体の振動を抑制することができる。
また、各上記実施の形態では、第2仮想直線が第1仮想直線に直交している。しかし、第2仮想直線は、中間部材4の軸線に直交しかつ第1仮想直線とは異なる直線であれば、第1仮想直線と直交してなくてもよい。
また、各上記実施の形態では、タイヤ2が鉄などの金属によって構成されている。しかし、ゴムなどの弾性材料でタイヤ2を構成してもよい。タイヤ2が金属のみによって構成されている場合、例えばレール上の車両を検知するために、車輪装置1内に意図的に通電することができる。
また、各上記実施の形態では、車輪装置1が鉄道車両に適用されている。しかし、自動車、自動二輪車、エレベータなど、さまざまな車両又は移動装置に車輪装置1を適用することができる。
1 車輪装置、2 タイヤ、3 本体、4 中間部材、7 制振構造部、33 本体電動機、34 回転フレーム(本体回転部)、35 変速機構、51 第1弾性板(第1弾性体)、61 第2弾性板(第2弾性体)、71 おもり、71a 重心、72 変速機構、73 制振用電動機、331 ロータ、332 ステータ、351,721 太陽歯車、352,722 内歯歯車、353,723 遊星歯車。

Claims (8)

  1. 回転可能な本体回転部を有する本体、
    前記本体回転部を囲む環状の中間部材、
    前記中間部材を囲む環状のタイヤ、
    前記中間部材の軸線に直交する第1仮想直線に沿って前記中間部材が前記タイヤに対して移動可能になるように前記中間部材と前記タイヤとを互いに連結する第1弾性体、
    前記中間部材の軸線に直交しかつ前記第1仮想直線に交差する第2仮想直線に沿って前記中間部材が前記本体に対して移動可能になるように前記中間部材と前記本体回転部とを互いに連結する第2弾性体、
    おもりを有し、前記本体に設けられている制振構造部、及び
    前記本体回転部の回転数に比べて2倍の回転数で前記本体回転部の回転方向と同じ方向へ前記おもりを回転させる変速機構
    を備え、
    前記おもりの重心の位置は、前記おもりの回転中心線を中心とする円上を前記おもりの回転に伴って移動し、前記第2仮想直線に沿った方向が鉛直方向と一致するときに、前記おもりの重心の位置が前記おもりの回転中心線よりも下方の位置になる車輪装置。
  2. 回転可能な本体回転部を有する本体、
    前記本体回転部を囲む環状の中間部材、
    前記中間部材を囲む環状のタイヤ、
    前記中間部材の軸線に直交する第1仮想直線に沿って前記中間部材が前記タイヤに対して移動可能になるように前記中間部材と前記タイヤとを互いに連結する第1弾性体、
    前記中間部材の軸線に直交しかつ前記第1仮想直線に交差する第2仮想直線に沿って前記中間部材が前記本体に対して移動可能になるように前記中間部材と前記本体回転部とを互いに連結する第2弾性体、
    おもりを有し、前記本体に設けられている制振構造部、及び
    前記本体回転部の回転数に比べて2倍の回転数で前記本体回転部の回転方向と同じ方向へ前記おもりを回転させるトルクを発生させる制振用電動機
    を備え、
    前記おもりの重心の位置は、前記おもりの回転中心線を中心とする円上を前記おもりの回転に伴って移動し、前記第2仮想直線に沿った方向が鉛直方向と一致するときに、前記おもりの重心の位置が前記おもりの回転中心線よりも下方の位置になる車輪装置。
  3. 前記おもりは、前記おもりの回転中心線から前記おもりの重心までの距離を調整可能になっている請求項1または請求項2に記載の車輪装置。
  4. 前記おもりの回転中心線から前記おもりの重心までの距離と前記おもりの質量との積は、前記タイヤが回転するときの鉛直方向における前記中間部材の変位と前記中間部材の質量との積の1/4倍と一致している請求項1又は請求項2に記載の車輪装置。
  5. 前記本体は、前記本体回転部を回転させるトルクを発生する本体電動機を有している請求項1に記載の車輪装置。
  6. 前記本体電動機は、ステータと、前記ステータに対して回転するロータとを有しており、
    前記おもりは、前記ロータと一体に回転するようになっており、
    前記変速機構は、前記おもりの回転数が前記本体回転部の回転数の2倍になるように前記本体電動機のトルクを前記本体回転部に伝達する請求項に記載の車輪装置。
  7. 前記本体電動機は、ステータと、前記ステータに対して回転するロータとを有しており、
    前記本体回転部は、前記ロータと一体に回転するようになっており、
    前記変速機構は、前記おもりの回転数が前記ロータの回転数の2倍になるように前記本体電動機のトルクを前記おもりに伝達する請求項に記載の車輪装置。
  8. 前記変速機構は、太陽歯車と、前記太陽歯車を囲む環状の内歯歯車と、前記太陽歯車と前記内歯歯車との間に配置された遊星歯車とを有しており、
    前記遊星歯車は、前記内歯歯車に噛み合う第1歯車部と、前記太陽歯車に噛み合う第2歯車部とを有しており、
    前記第1歯車部は、前記第2歯車部に同軸に固定されており、
    前記遊星歯車全体として変速比が2である請求項又は請求項に記載の車輪装置。
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