JP7381274B2 - 眼鏡レンズ設計システム、眼鏡レンズ設計方法、及び眼鏡レンズ設計プログラム - Google Patents
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Description
<1.眼鏡レンズ発注・加工システム>
以下、眼鏡レンズ発注・加工システム1について説明する。
図1は、本開示の一実施形態に係る眼鏡レンズ発注・加工システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、眼鏡レンズ発注・加工システム1は、眼鏡レンズ設計システム(以下、「LDS」ともいう)100と、ラボ管理システム(以下、「LMS」ともいう)200と、端末装置300と、加工機400とを備える。
以下、LDS100のハードウェア構成について説明する。
図2は、図1に示す眼鏡レンズ発注・加工システムのLDSのハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、LDS100は、例えば、LDS100全体の動作を制御するコンピュータ60と、操作表示部71と、操作入力部72を備える。
以下、LDS100の各機能部の構成例について説明する。
図3は、図1に示す眼鏡レンズ発注・加工システムのLDSの各機能部の構成を示すブロック図である。図3に示す各機能部は、LDS100のROM63又はHDD64に格納されているプログラムをCPU61が実行し、HDD64、操作部出力I/F65、操作部入力I/F66、及びネットワーク入力I/Fと協働することにより、LDS100上で実現される。なお、図3では、本実施形態の説明に特に関連する機能部の構成を示している。
(処方データ取得部)
実凸面/加工特性取得部115は、実凸面/加工特性データベース116を有する。実凸面/加工特性データベース116には、各セミフィニッシュトレンズの実凸面データと、加工特性に関する加工特性データとが記録されている。
設計データ生成部120は、処方データに基づいて設計データを生成する。
設計データ生成部120は、フレーム形状最適化部121と、レンズ設計部125と、を備える。
フレーム形状最適化部121は、フレーム形状情報のフレームの形状の最適化を行う。具体的には、フレーム形状最適化部121は、フレーム形状情報の左右のレンズ取付部が左右対称に近づくように、各レンズ取付部の重心位置周りに互いに回転させることにより、フレーム形状情報を補正し、補正フレーム形状情報を生成する。
レンズ設計部125は、補正フレーム形状情報を含む処方データに基づき、レンズ形状に関するレンズ形状情報を生成する。レンズ設計部125は、初期値計算部122と、光学面計算部123と、形状最適化部124と、を備える。
初期値計算部122は、光学的、形状的に最適化を行うために必要な初期値を処方データに基づいて計算する。初期値としては、例えば、光学性能の基本分布などが含まれる。また、設計データ生成部120が、レイアウト情報やフレーム識別情報、フレーム形状情報、及びフレーム姿勢情報から、レンズ自体の傾きやあおりの角度の光学計算に必要なパラメータを導き出す。
光学面計算部123は、決定された光学性能の基本分布から、凸面形状やレンズの装用状態等を考慮した最適な光学面へ収束計算し、光学面形状データを生成する。
形状最適化部124は、光学的な最適化により導き出されたレンズ形状に対して、レンズ中心の肉厚、フレームの各位置でのコバ厚が最小値を確保するように最適化を図る。また、上下方向のコバ厚に極端な差が生じないようにシニングプリズムの最適化を実行する。
加工用データ生成部130は、設計データに基づいて加工用データを生成する。
加工用データは、ブロッカー410、CG(Curve Generator)420、研磨機430などの加工機にセミフィニッシュトレンズの凹面を切削、研磨させて完成品レンズを形成させるためのデータである。
検査用基準データ生成部140は、加工用データに基づいて加工されたレンズ(完成品レンズ)の収差などを、LMS200の加工機400に設けられた検査装置450に検査させる際の基準となるデータ(検査用基準データ)を生成する。
データ出力部150は、設計データ生成部120、加工用データ生成部130、及び検査用基準データ生成部140が生成したデータをLMS200に出力する。
次に、LMS200および加工機400の構成について説明する。図4は、図1に示す眼鏡レンズ発注・加工システムのLMSおよび加工機の構成を示すブロック図である。
LMS200は、LDSと同様に、例えば、LMS全体の動作を制御するコンピュータと、操作表示部と、操作入力部を備える。そして、コンピュータは、CPU、RAM、ROM、HDD、操作部出力I/F、操作部入力I/F、およびネットワークI/Fを備える。LMS200による各処理は、CPUが、HDDに格納されている制御プログラムを読みだして実行することにより実現される。
ブロッカー410は、セミフィニッシュトレンズを研磨するに先立ち当該レンズを固定冶具に固定する。
CG420は、セミフィニッシュトレンズの凹面を所定の形状に切削する。
研磨機430は、切削された面を研磨してCG420によりレンズの光学面に形成された加工痕の段差等を無くし、さらにレンズが鏡面状態になるまで研磨する。
レーザー機440は、レンズの光学面に刻印を形成する。
検査装置450は、LDS100が生成した収差検査用データに基づいて完成品レンズの収差を検査する。
以下、眼鏡レンズ発注・加工システム1の処理動作フローについて説明する。
図5は、図1に示す眼鏡レンズ発注・加工システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
まず、端末装置300が入力インターフェースにより処方データの入力を受け付け、発注を受け付ける(S110)。処方データは、球面屈折力(S度数)、乱視屈折力(C度数)、乱視軸方向(AX)、及び、加入度数(ADD)などの処方度数情報と、アイテム名などの商品情報と、瞳孔間距離(PD)及びアイポイントなどのレイアウト情報と、最小肉厚/コバ厚の情報と、フレームの種類を識別するフレーム識別情報と、フレーム形状情報と、フレーム姿勢情報と、を含む。
LDS100の処方データ取得部110が、眼鏡レンズの処方データを取得する(S120:処方データ取得ステップ)。その後、処方データに基づいて使用するセミフィニッシュトレンズを選択する。
実凸面/加工特性取得部115が、実凸面/加工特性データベース116を参照して処方データに基づきセミフィニッシュトレンズを選択し、選択したセミフィニッシュトレンズの実凸面と加工特性データを取得する(S130)。
設計データ生成部120は、処方データに基づいて設計データを生成する(S140)。
設計データは、処方データに基づいて生成されたレンズ面形状のデータであり、フレーム形状最適化(S141)と、レンズ設計(S145)を実行することにより生成される。
最初に、設計データ生成部120のフレーム形状最適化部121は、フレーム形状情報に基づきフレーム形状の最適化を行う(S141:フレーム形状補正ステップ)。
フレーム形状の最適化では、まず、フレーム形状情報の左右のレンズ取付部の形状に対して奥行き方向を設定し、矩形枠を適用する。図6A及び図6Bはフレーム形状最適化部が左右のレンズ取付部の形状に対して奥行き方向を設定し、矩形枠を適用する方法を説明するための図であり、図6Aは平面図、図6Bは斜視図である。また、図6Aでは上方にフレーム形状情報のフレームを奥行き方向に見た図を、下方にフレームを上方から見た図を示す。
レンズ設計(S145)は、レンズ設計部125が、補正フレーム形状情報を含む処方データに基づき、レンズ形状に関するレンズ形状情報を生成する。レンズ設計(S145)では、初期値計算(S142)、光学最適化計算(S143)、形状最適化計算(S144)を実行する。
次に、光学的、形状的に最適化を行うために必要な初期値を処方データに基づいて計算する(S142)。
次に、設計データ生成部120の光学面計算部123が、決定された光学性能の基本分布から、凸面形状やレンズの装用状態等を考慮した最適な光学面へ収束計算する(S143)。
最後に、設計データ生成部120の形状最適化部124が、光学的な最適化により導き出されたレンズ形状に対して、レンズ中心の肉厚、フレームの各位置でのコバ厚が最小値を確保するように最適化を図る(S144:形状最適化ステップ)。また、上下方向のコバ厚に極端な差が生じないようにシニングプリズムの最適化を実行する。
加工用データ生成部130が加工用データを生成する(S150)。加工用データは、加工処理情報及び加工用補正設計データを含む。
加工用補正設計データは、加工機400にセミフィニッシュトレンズの凹面を切削、研磨させ完成品レンズを形成させるためのデータであり、具体的には、設計データにレンズの加工特性を反映させる補正を加えたデータである。
眼鏡レンズの製造業者は、加工用データに基づいてセミフィニッシュトレンズの凹面を切削、研磨して完成品レンズを形成する。
検査用基準データ生成部140が、加工用データに基づいて加工されたレンズ(完成品レンズ)の収差などの光学性能を、加工機400に設けられた検査装置450に検査させる際の基準となるデータ(検査用基準データ)を生成する(S160)。
検査用基準データは、完成品レンズの光学面形状の収差などの検査を行う際の基準となるデータであり、設計データおよび加工用データとは別に生成されるデータである。具体的には、設計データにセミフィニッシュトレンズの実面形状を反映させたデータである。
セミフィニッシュトレンズが製造される際には必ずキャスト製造時に重合収縮による製造誤差が生じるので、完成品レンズが設計データのとおりに製造されることはない。また、上述のように、加工用データは、設計データに加工特性を反映させた補正を加えたものなので、完成品レンズが設計データのとおりに製造されることはない。よって、設計データや加工用データを完成品レンズの検査の基準データとしてしまうと正確な比較を行うことができない。そこで、正確な比較を実現するために、設計データにセミフィニッシュトレンズの実面形状を反映させたデータを生成し、これを検査用データとする。
データ出力部150が設計データをLMS200に出力する(S170)。
データ出力部150が加工用データをLMS200に出力する(S180)。
データ出力部150が検査用基準データをLMS200に出力する(S190)。
LDS100は、計算結果出力ファイルと加工用面データファイルに保存されているセミフィニッシュトレンズの加工データをLMS200に出力し、LMS200は、当該加工データを加工機400のCG420と研磨機430に送信する。CG420と研磨機430は、当該加工データに基づいてセミフィニッシュトレンズを切削、研磨する(S200)。また、レーザー機440により、レンズの光学面に刻印を形成する。また、染色、ハードコート、機能性膜の生成、フレーム形状に合わせた加工などの加工処理を行う。
検査装置450は、完成品レンズの光学性能を測定し、LMS200が受信した検査用基準データと比較して完成品レンズの製造精度を検査する(S210)。そして完成品レンズが所定の製造精度を有している場合には、処理を終了する。
本実施形態では、左右のレンズ取付部の形状が左右対称に近づくように、フレーム形状情報を補正し、補正した補正フレーム形状情報を含む処方データに基づき、レンズ形状に関するレンズ形状情報を生成している。これにより、測定誤差などが含まれるフレーム形状情報が入力された場合であっても、その誤差を補正することができ、正確で本来の光学性能を有した眼鏡レンズの製造を行うことができる。
本実施形態の眼鏡レンズ設計システムは、眼鏡レンズを設計するための眼鏡レンズ設計システムであって、図3に示すように、フレームの左右のレンズ取付部の形状を含むフレーム形状情報を含む眼鏡レンズの処方データを取得する処方データ取得部110と、左右のレンズ取付部の形状が左右対称に近づくように、フレーム形状情報を補正し、補正フレーム形状情報を生成するフレーム形状最適化部121と、補正フレーム形状情報を含む処方データに基づき、レンズ形状に関するレンズ形状情報を生成するレンズ設計部125と、を備える。
3 ネットワーク
60 コンピュータ
61 CPU
62 RAM
63 ROM
64 HDD
65 操作部出力I/F
66 操作部入力I/F
67 ネットワークI/F
69 システムバス
71 操作表示部
72 操作入力部
110 処方データ取得部
115 加工特性取得部
116 加工特性データベース
120 設計データ生成部
121 フレーム形状最適化部
122 初期値計算部
123 光学面計算部
124 形状最適化部
125 レンズ設計部
130 加工用データ生成部
140 検査用基準データ生成部
150 データ出力部
300 端末装置
310 フレーム形状測定装置
400 加工機
410 ブロッカー
430 研磨機
440 レーザー機
450 検査装置
Claims (8)
- 眼鏡レンズを設計するための眼鏡レンズ設計システムであって、
フレームの左右のレンズ取付部の形状を含むフレーム形状情報を含む眼鏡レンズの処方データを取得する処方データ取得部と、
前記左右のレンズ取付部の形状が左右対称に近づくように、前記形状情報を補正し、補正フレーム形状情報を生成するフレーム形状補正部と、
前記補正フレーム形状情報を含む処方データに基づき、レンズ形状に関するレンズ形状情報を生成するレンズ設計部と、
を備え、
前記フレーム形状補正部は、
前記フレーム形状情報における前記左右のレンズ取付部の少なくとも一方を奥行方向の周りに回転させることにより前記フレーム形状情報を補正する、眼鏡レンズ設計システム。 - 眼鏡レンズを設計するための眼鏡レンズ設計システムであって、
フレームの左右のレンズ取付部の形状を含むフレーム形状情報を含む眼鏡レンズの処方データを取得する処方データ取得部と、
前記左右のレンズ取付部の形状が左右対称に近づくように、前記形状情報を補正し、補正フレーム形状情報を生成するフレーム形状補正部と、
前記補正フレーム形状情報を含む処方データに基づき、レンズ形状に関するレンズ形状情報を生成するレンズ設計部と、
を備え、
前記フレーム形状補正部は、
前記フレーム形状情報における前記左右のレンズ取付部の形状に外接するような矩形状の枠を設定し、
前記枠と前記左右のレンズ取付部の接点に基づき、前記左右のレンズ取付部の形状が左右対称であるかどうかを評価する、
眼鏡レンズ設計システム。 - 前記フレーム形状補正部は、
前記フレーム形状情報における前記左右のレンズ取付部の少なくとも一方を回転させることにより前記フレーム形状情報を補正する、
請求項2に記載の眼鏡レンズ設計システム。 - 前記フレーム形状補正部は、
前記フレーム形状情報における前記左右のレンズ取付部の少なくとも一方の形状の重心位置をそれぞれ算出し、
前記重心位置の周りに前記左右のレンズ取付部の少なくとも一方を回転させることにより前記フレーム形状情報を補正する、
請求項1又は3に記載の眼鏡レンズ設計システム。 - 前記フレーム形状補正部は、
前記フレーム形状情報における前記左右のレンズ取付部の形状に外接するような矩形状の枠を設定し、
前記枠と前記左右のレンズ取付部の接点に基づき、前記左右のレンズ取付部の形状が左右対称であるかどうかを評価する、
請求項1に記載の眼鏡レンズ設計システム。 - 眼鏡レンズを設計するための眼鏡レンズ設計方法であって、
フレームの左右のレンズ取付部の形状を含むフレーム形状情報を含む眼鏡レンズの処方データを取得する処方データ取得ステップと、
前記左右のレンズ取付部の形状が左右対称に近づくように、前記フレーム形状情報を補正し、補正フレーム形状情報を生成するフレーム形状補正ステップと、
前記補正フレーム形状情報を含む処方データに基づき、レンズ形状に関するレンズ形状情報を生成するレンズ設計ステップと、
を備え、
前記フレーム形状補正ステップでは、前記フレーム形状情報における前記左右のレンズ取付部の少なくとも一方を奥行方向の周りに回転させることにより前記フレーム形状情報を補正する、眼鏡レンズ設計方法。 - 眼鏡レンズを設計するための眼鏡レンズ設計方法であって、
フレームの左右のレンズ取付部の形状を含むフレーム形状情報を含む眼鏡レンズの処方データを取得する処方データ取得ステップと、
前記左右のレンズ取付部の形状が左右対称に近づくように、前記フレーム形状情報を補正し、補正フレーム形状情報を生成するフレーム形状補正ステップと、
前記補正フレーム形状情報を含む処方データに基づき、レンズ形状に関するレンズ形状情報を生成するレンズ設計ステップと、
を備え、
前記フレーム形状補正ステップでは、
前記フレーム形状情報における前記左右のレンズ取付部の形状に外接するような矩形状の枠を設定し、
前記枠と前記左右のレンズ取付部の接点に基づき、前記左右のレンズ取付部の形状が左右対称であるかどうかを評価する、眼鏡レンズ設計方法。 - コンピュータに、請求項6又は7に記載の眼鏡レンズ設計方法を実行させる、プログラム。
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