JP7379274B2 - 圧粉磁心用粉末 - Google Patents

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Description

本発明は、圧粉磁心用粉末に関する。
モータ、チョークコイル、リアクトル等のインダクタにおける磁心として圧粉磁心が使用される。この圧粉磁心には、機械的特性及び磁気的特性が共に優れていることが求められる。
この圧粉磁心は、鉄基粉末を含む圧粉磁心用粉末を圧縮成形して製造される。圧粉磁心の機械的特性としては、抗折強度が大きいことが求められる。圧粉磁心の抗折強度は、密度を高めることで向上する。
圧粉磁心の磁気的特性としては、鉄損が小さいこと、磁束密度が大きいこと等が求められる。鉄損を小さくするためには、鉄基粉末を電気絶縁層で被覆することが有効である。また、磁束密度を高めるためには、圧粉磁心の密度を高めることが有効である。
このように、圧粉磁心の機械的特性及び磁気的特性を高めるためには、鉄基粉末を電気絶縁層で被覆しつつ、圧粉磁心の密度を高めることが有効である。
今日では、圧粉磁心の密度を高めるために金型の内面に潤滑剤を塗布することが提案されている。しかしながら、この構成によると、塗布作業が煩雑となり、塗布作業に要する時間が長くなるため、製造効率が低下する。
このような観点から、圧粉磁心用粉末に予め潤滑剤を混合する技術が検討されている(特開2013-149659号公報、国際公開第2011/77694号参照)。
特開2013-149659号公報 国際公開第2011/77694号
特許文献1には、金属粉末の表面に、Fe-Pを主体とする複合酸化物層と、Siを含む有機層とをこの順で有し、潤滑剤を混合してなる複合粉末が記載されている。
特許文献2には、軟磁性粉末と無機絶縁粉末とに結着性絶縁樹脂を混合して得られた造粒物に、潤滑性樹脂を混合してなる圧粉磁心用粉末が記載されている。特許文献2には、無機絶縁粉末を構成する無機絶縁物質として、MgO、Al、TiO、CaOのうちの少なくとも1種を使用できることが記載されている。特許文献2には、軟磁性粉末と無機絶縁粉末との密着力を高めるためにシランカップリング剤を添加してもよいことが記載されている。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載されているように圧粉磁心用粉末に予め潤滑剤を混合すると、潤滑剤が蒸発又は熱分解した後にこの潤滑剤が存在していた領域が空隙となり、得られる圧粉磁心の密度が低下するおそれがある。その結果、圧粉磁心の抗折強度を十分に大きくすることができないおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、潤滑剤を含み、かつ得られる圧粉磁心の抗折強度を大きくすることができる圧粉磁心用粉末を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る圧粉磁心用粉末は、鉄基粉末と、上記鉄基粉末の表面に形成される化成皮膜と、上記化成皮膜の表面に形成され、シランカップリング剤を含む表面処理層と、上記表面処理層の表面に積層され、シリコーン樹脂を主成分とする樹脂層と、上記樹脂層の表面に存在する潤滑剤とを備え、上記化成皮膜が、リンと、ニッケル及びコバルトのうちの少なくとも一方とを含む。
当該圧粉磁心用粉末は、上記鉄基粉末の表面側に上記化成皮膜、上記表面処理層及び上記樹脂層がこの順で設けられており、上記樹脂層の表面に上記潤滑剤が存在している。当該圧粉磁心用粉末は、上記化成皮膜が、リンと、ニッケル及びコバルトのうちの少なくとも一方とを含んでおり、かつこの化成皮膜の表面に上記表面処理層を介して上記樹脂層が積層されているので、当該圧粉磁心用粉末を用いて形成される圧粉磁心の抗折強度を大きくすることができる。
上記鉄基粉末100質量部に対する上記シランカップリング剤の含有量としては0.05質量部以上0.30質量部以下が好ましく、かつ上記鉄基粉末100質量部に対する上記シリコーン樹脂の含有量としては0.05質量部以上0.30質量部以下が好ましい。このように、上記鉄基粉末100質量部に対する上記シランカップリング剤及び上記シリコーン樹脂の含有量が上記範囲内であることによって、上記圧粉磁心の抗折強度をより大きくすることができる。
上記鉄基粉末100質量部に対する上記潤滑剤の添加量としては0.20質量部以上0.40質量部以下が好ましい。このように、上記鉄基粉末100質量部に対する上記潤滑剤の添加量が上記範囲内であることによって、当該圧粉磁心用粉末を圧縮成形して得られる成形体の金型に対する滑り性を十分に高めつつ、上記圧粉磁心の抗折強度をより大きくすることができる。
なお、本発明において、「主成分」とは、質量換算において最も含有量が大きい成分を意味し、例えば含有量が50質量%以上の成分を意味する。
以上説明したように、本発明の一態様に係る圧粉磁心用粉末は、潤滑剤を含み、かつ得られる圧粉磁心の抗折強度を大きくすることができる。
以下、本発明の実施の形態を詳説する。
[圧粉磁心用粉末]
当該圧粉磁心用粉末は、鉄基粉末と、上記鉄基粉末の表面に形成される化成皮膜と、上記化成皮膜の表面に形成される表面処理層と、上記表面処理層の表面に積層される樹脂層と、上記樹脂層の表面に存在する潤滑剤とを備える。上記化成皮膜、上記表面処理層及び上記樹脂層は、上記鉄基粉末の表面にこの順で設けられている。すなわち、当該圧粉磁心用粉末は、上記鉄基粉末の表面に上記化成皮膜が直接形成され、上記化成皮膜の表面に上記表面処理層が直接形成され、上記表面処理層の表面に上記樹脂層が直接積層されている。上記潤滑剤は、当該圧粉磁心用粉末の最表面に存在している。
(鉄基粉末)
上記鉄基粉末は、軟磁性体である。上記鉄基粉末としては、純鉄粉、鉄基合金粉末、鉄基アモルファス粉末等が挙げられる。上記鉄基合金粉末としては、Fe-Al合金、Fe-Si合金、センダスト、パーマロイ等が挙げられる。上記鉄基粉末は、例えばアトマイズ法によって溶融鉄(又は溶融鉄合金)を微粒子とした後に還元し、その後粉砕することで製造される。この製造方法によると、上記鉄基粉末の平均粒子径は20μm以上250μm以下程度に制御できる。上記平均粒子径の下限としては、50μmが好ましい。上記平均粒子径の上限としては、150μmが好ましい。なお、「鉄基粉末の平均粒子径」とは、篩分け法で評価される粒度分布で累積粒度分布が50%になる粒径(メジアン径)を意味する。
(化成皮膜)
上記化成皮膜は、電気絶縁性を有する絶縁層である。上記化成皮膜は、P(リン)と、Ni(ニッケル)及びCo(コバルト)のうちの少なくとも一方とを含む。
上記化成皮膜は、リンを含む化合物(例えば、オルトリン酸(HPO))が溶解した処理液を用いた化成処理によって生成されるリン酸系化成皮膜である。上記化成皮膜は、上記鉄基粉末由来のFe(鉄)元素を含んでいてもよい。
上記化成皮膜はNiを含むことで得られる圧粉磁心の抗折強度を大きくしやすい。上記化成皮膜がNiを含む場合、上記鉄基粉末の表面に上記化成皮膜が形成された粉末100質量部に対するNiの含有量の下限としては、0.001質量部が好ましく、0.01質量部がより好ましい。一方、上記粉末100質量部に対するNiの含有量の上限としては、0.05質量部が好ましく、0.03質量部がより好ましい。上記含有量が上記範囲内であることで、上記化成皮膜の膜厚の均一化を図り(すなわち、上記化成皮膜に膜厚の極端に小さい箇所が生じることを抑制して)、当該圧粉磁心用粉末の絶縁性を確保できると共に、当該圧粉磁心用粉末を圧縮成形して得られる成形体(以下、単に「成形体」ともいう)の高密度化を図りやすい。また、当該圧粉磁心用粉末の耐熱性を高め、当該圧粉磁心用粉末の高温での熱処理を可能とし、得られる圧粉磁心の鉄損を低減しやすい。
上記化成皮膜がNiを含む場合、上記化成皮膜に含まれるPの含有量をM[mol]、Niの含有量をMNi[mol]とした場合、Pの含有量に対するNiの含有量の比(MNi/M)の下限としては、0.1が好ましく、0.15がより好ましい。一方、上記比(MNi/M)の上限としては、0.5が好ましく、0.4がより好ましい。上記比(MNi/M)が上記範囲内であることによって、上記化成皮膜の膜厚の均一化を図りやすい。
上記化成皮膜がCoを含む場合、上記鉄基粉末の表面に上記化成皮膜が形成された粉末100質量部に対するCoの含有量の下限としては、0.005質量部が好ましい。一方、上記粉末100質量部に対するCoの含有量の上限としては、0.1質量部が好ましい。上記含有量が上記範囲内であることで、上記化成皮膜の膜厚の均一化を図り、当該圧粉磁心用粉末の絶縁性を確保できると共に、成形体の高密度化を図りやすい。また、当該圧粉磁心用粉末の耐熱性を高め、当該圧粉磁心用粉末の高温での熱処理を可能とし、得られる圧粉磁心の鉄損を低減しやすい。
上記化成皮膜中には、その他の成分として、Na(ナトリウム)、K(カリウム)、N(窒素)、S(硫黄)、Cl(塩素)等の元素が含まれていてもよい。これらの成分は、リンを含む化合物が溶解した処理液のpHを制御するため、又は上記処理液の反応を促進させるために必要に応じて添加され得る。
上記化成皮膜は、上記その他の成分として、Kを含んでいることが好ましい。上記化成皮膜は、Kを含むことで、高温での熱処理中に皮膜中のO(酸素)とFeとが結合して半導体を形成することを抑制できる。これにより、熱処理に起因する比抵抗の低下及び抗折強度の低下を抑制することができる。
上記化成皮膜が、上記その他の成分を含む場合、これらの成分毎の含有量としては、上記鉄基粉末100質量部に対し0.001質量部以上1.0質量部以下が好ましい。なお、上記化成皮膜は、上記その他の成分以外の成分についても、本発明の効果を阻害しない範囲内で含んでいてもよい。
上記化成皮膜の膜厚の下限としては、1nmが好ましく、10nmがより好ましい。一方、上記化成皮膜の膜厚の上限としては、250nmが好ましく、50nmがより好ましい。上記膜厚が上記下限に満たないと、絶縁性が不十分となるおそれがある。逆に、上記膜厚が上記上限を超えると、得られる成形体の高密度化を十分に図り難くなるおそれがある。
(表面処理層)
上記表面処理層は、電気絶縁性を有する絶縁層である。上記表面処理層は、シランカップリング剤を含む。シランカップリング剤は、シリコーン樹脂などの有機材料と反応して結合する官能基及び無機材料と反応して結合する官能基を共に有している。シランカップリング剤は上記化成皮膜と上記樹脂層との間に介在し、上記化成皮膜と上記樹脂層との密着性を高める。シランカップリング剤は、部分的に上記化成皮膜内に配置されていてもよい。
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、一般式:X-Si-(OR)(但し、Xは末端に極性基を有するアルキル基、Rは炭素数が1以上3以下のアルキル基であり、nは1以上3以下の整数)で表されるものを用いることができる。Xにおける極性基としては、アミノ基、ウレイド基、エポキシ基、チオール基、メタクリロキシ基等を有するものが挙げられ、中でもアミノ基を有するものが好ましい。
上記鉄基粉末100質量部に対する上記シランカップリング剤の含有量の下限としては0.05質量部が好ましく、0.10質量部がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、0.30質量部が好ましく、0.20質量部がより好ましい。上記含有量が上記下限に満たないと、上記表面処理層を上記化成皮膜の表面に十分に形成することができず、上記化成皮膜及び上記樹脂層の密着性を十分に高めることができないおそれがある。逆に、上記含有量が上記上限を超えると、未反応のシランカップリング剤同士が縮合反応することに起因して上記化成皮膜及び上記樹脂層の密着性を十分に高めることができないおそれがある。また、上記含有量が上記上限を超えると、上記表面処理層が厚くなりすぎて、成形体密度を十分に大きくできないおそれがある。その結果、得られる圧粉磁心の抗折強度や磁束密度等の磁気特性が不十分となるおそれがある。
(樹脂層)
上記樹脂層は、電気絶縁性を有する絶縁層である。また同時に、上記樹脂層は、当該圧粉磁心用粉末の圧縮成形時(シリコーン樹脂の架橋・硬化反応終了時)に、他の圧粉磁心用粉末の樹脂層と結合する結合層である。
上記樹脂層は、シリコーン樹脂を主成分とする。シリコーン樹脂は、上記表面処理層を構成するシランカップリング剤と結合することで、上記樹脂層と上記化成皮膜との密着性を高める。
シリコーン樹脂としては、特に限定されないが、当該圧粉磁心用粉末のべとつきを抑えてハンドリング性を高める観点から、二官能性のD単位(RSiX:Xは加水分解性基)よりは、三官能性のT単位(RSiX:Xは加水分解性基)を多く持つものが好ましい。但し、四官能性のQ単位(SiX:Xは加水分解性基)が多く含まれていると、後述する予備硬化処理の際に他の圧粉磁心用粉末の樹脂層に含まれるシリコーン樹脂と強固に結着してしまうおそれがある。このような観点から、シリコーン樹脂のT単位の下限としては、60mol%が好ましく、80mol%がより好ましい。また、上記T単位としては、100mol%が最も好ましい。
上記各単位におけるRとしては、例えばメチル基及びフェニル基が挙げられる。シリコーン樹脂に含まれるRとしては、メチル基が50mol%以上であることが好ましく、メチル基が70mol%以上であることがより好ましい。さらに、上記シリコーン樹脂としては、上記Rとしてフェニル基を持たないメチルシリコーン樹脂が最も好ましい。なお、シリコーン樹脂におけるメチル基とフェニル基との比率、及び官能性については、FT-IR等で分析可能である。
上記樹脂層におけるシリコーン樹脂の含有量の下限としては、50質量%であり、70質量%が好ましく、90質量%がより好ましい。また、上記樹脂層におけるシリコーン樹脂の含有量としては、100%が最も好ましい。上記含有量が上記下限に満たないと、得られる成形体の高密度化を十分に図り難くなるおそれがある。
上記鉄基粉末100質量部に対する上記シリコーン樹脂の含有量の下限としては、0.05質量部が好ましく、0.10質量部がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、0.30質量部が好ましく、0.20質量部がより好ましい。上記含有量が上記下限に満たないと、得られる圧粉磁心の抗折強度を十分に大きくし難くなるおそれがある。また、上記含有量が上記下限に満たないと、上記樹脂層の耐熱性が不十分となるおそれがある。逆に、上記含有量が上記上限を超えると、磁束密度の低下が大きくなるおそれがある。
(潤滑剤)
上記潤滑剤は、当該圧粉磁心用粉末を圧縮成形して成形体を形成する際における圧粉磁心用粉末同士の間、及び圧粉磁心用粉末と金型との間の摩擦抵抗を低減する。上記潤滑剤は、例えば粉末状である。
上記潤滑剤としては、例えば有機系潤滑剤及び無機系潤滑剤が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記有機系潤滑剤としては、例えば炭化水素系潤滑剤、脂肪酸系潤滑剤、高級アルコール系潤滑剤、脂肪族アミド系潤滑剤、金属石鹸系潤滑剤、エステル系潤滑剤等が挙げられる。
上記炭化水素系潤滑剤としては、例えば流動パラフィン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックス等が挙げられる。上記脂肪酸系潤滑剤としては、例えばステアリン酸が挙げられる。上記高級アルコール系潤滑剤としては、例えばステアリルアルコールが挙げられる。上記脂肪族アミド系潤滑剤としては、例えばステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミドや、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等のアルキレン脂肪酸アミドなどが挙げられる。上記金属石鹸系潤滑剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウム等が挙げられる。上記エステル系潤滑剤としては、例えばステアリン酸モノグリセリドが挙げられる。
上記無機系潤滑剤としては、例えば密度が4.0g/cm以上の無機化合物を用いることができる。上記無機化合物としては、例えば二硫化モリブデン(MoS)、酸化亜鉛(ZnO)等が挙げられる。
上記鉄基粉末100質量部に対する上記潤滑剤の添加量の下限としては、0.20質量部が好ましく、0.25質量部がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、0.40質量部が好ましく、0.35質量部がより好ましい。上記含有量が上記下限に満たないと、金型等に対する当該圧粉磁心用粉末の滑り性を十分に高めることができないおそれがある。逆に、上記含有量が上記上限を超えると、当該圧粉磁心用粉末を用いて製造される圧粉磁心に上記潤滑剤に起因する空隙が形成されるおそれが高くなる。その結果、この圧粉磁心の高密度化を十分に図り難くなるおそれがある。
<圧粉磁心粉末の製造方法>
当該圧粉磁心粉末の製造方法は、鉄基粉末の表面に化成皮膜を形成する工程(化成皮膜形成工程)と、上記化成皮膜の表面に表面処理層を形成する工程(表面処理層形成工程)と、上記表面処理層の表面に樹脂層を積層する工程(樹脂層積層工程)と、上記樹脂層積層工程後の粉末と潤滑剤とを混合する工程(潤滑剤混合工程)とを備える。
(化成皮膜形成工程)
上記化成皮膜形成工程では、例えばPを含む化合物と、Ni又はCoを含む化合物とを水性溶媒に溶解させて得た溶液(処理液)を上記鉄基粉末と混合したうえ、乾燥する。
Pを含む化合物としては、オルトリン酸(HPO)、(NHOH)・HPO等が挙げられる。Niを含む化合物としては、硝酸ニッケル(Ni(NO)、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、炭酸ニッケル等が挙げられる。Coを含む化合物としては、Co(PO、Co(PO・8HO等が挙げられる。また、P及びNiを共に含む化合物として、ピロリン酸ニッケル(Ni7)等を用いることも可能である。
上記処理液には、pH制御や反応促進のために、NaやKなどのアルカリ塩、アンモニア及びアンモニウム塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の添加剤が含まれてもよい。上記硫酸塩としては、例えば(NHOH)・HSO等が挙げられる。上記リン酸塩としては、例えばKHPO、NaHPO、(NHOH)・HPO等が挙げられる。これらのうち、KHPO及びNaHPOは処理液のpH制御に寄与し、(NHOH)・HSO及び(NHOH)・HPOは処理液の反応促進に寄与する。上記処理液が上述の添加剤を含む場合、得られる化成皮膜にNa、K、S等の元素が含まれることになる。上記化成皮膜がKを含む場合、当該圧粉磁心用粉末は、熱処理による比抵抗の低下及び抗折強度の低下を抑制しやすくなる。
上記水性溶媒としては、水や、アルコール、ケトン等の親水性有機溶媒、及びこれらの混合物を用いることができる。上記水性溶媒中には、公知の界面活性剤が添加されていてもよい。
上記化成皮膜形成工程では、例えば上記鉄基粉末に上記処理液を添加し、公知のミキサー、ボールミル、ニーダー、V型混合機、造粒機等で混合した後、大気中、減圧下又は真空下で、150℃以上250℃以下で乾燥する。これにより、上記鉄基粉末の表面に上記化成皮膜が形成される。上記化成皮膜形成工程では、上記乾燥後の粉末を目開き200μm以上600μm以下程度の篩に通過させることで、上記粉末の粒子径を制御してもよい。
(表面処理層形成工程)
上記表面処理層形成工程では、シランカップリング剤を溶媒中に溶解させた溶液を上記化成皮膜形成工程で形成された上記化成皮膜の表面に添加したうえ、乾燥する。
シランカップリング剤を溶解させる溶媒としては、特に限定されるものではなく、例えば水や、アルコール、ケトン等の親水性有機溶媒、及びこれらの混合物を用いることができる。
(樹脂層積層工程)
上記樹脂層積層工程では、シリコーン樹脂を溶媒中に溶解させた溶液を上記表面処理層形成工程で形成された上記表面処理層の表面に添加したうえ、乾燥する。
シリコーン樹脂を溶解させる溶媒としては、例えばアルコールや、トルエン、キシレン等の石油系有機溶媒などを用いることができる。
上記樹脂層積層工程では、シリコーン樹脂を溶解させた上記溶媒が揮発する温度、かつシリコーン樹脂の硬化温度未満の温度で加熱し、上記溶媒を十分に揮発させることが好ましい。上記樹脂層積層工程における乾燥温度としては、上記溶媒の種類によっても異なるが、例えば60℃以上80℃以下が好ましい。上記樹脂層積層工程では、凝集ダマを除くために、乾燥後の粉末を目開き300μm以上600μm以下程度の篩に通過させることが好ましい。
上記樹脂層積層工程では、上記乾燥後に、上記樹脂層が積層された粉末を加熱し、シリコーン樹脂の軟化過程を粉末状態で終了させる処理を行うことが好ましい(以下、シリコーン樹脂の軟化過程を粉末状態で終了させる処理を「予備硬化処理」ともいう)。上記予備硬化処理を行う方法としては、乾燥後の上記粉末をシリコーン樹脂の硬化温度近傍で短時間加熱する方法が挙げられる。上記予備硬化処理における加熱温度としては、例えば100℃以上200℃以下が挙げられる。上記予備硬化処理における加熱時間としては、例えば5分以上100分以下が挙げられる。また、上記予備硬化処理を行う方法としては、硬化剤を用いる方法を採用することも可能である。
上記予備硬化処理後の粉末同士は、完全に接着固化されていないため、容易に解砕可能である。シリコーン樹脂を予備硬化させた後、解砕することで流動性に優れる粉末が得られる。この粉末は、例えば100℃以上250℃以下程度の温間成形にて圧縮成形を行う際に金型に砂のように投入することができる。これにより、当該圧粉磁心用粉末の金型への投入を容易かつ確実に行うことができる。また、この予備硬化処理を行うことで、成形時に圧粉磁心用粉末同士の密着性を高めることでき、得られる成形体の高密度化を促進することができる。なお、上記予備硬化処理後の粉末は、目開き300μm以上600μm以下程度の篩に通過させ、粒子径を揃えておくことが好ましい。
<圧粉磁心の製造方法>
当該圧粉磁心用粉末は、圧縮成形を行った後、熱処理を施すことで圧粉磁心に形成される。すなわち、当該圧粉磁心の製造方法は、当該圧粉磁心用粉末を圧縮成形する工程(圧縮成形工程)と、圧縮成形後の成形体を熱処理する工程(熱処理工程)とを備える。
(圧縮成形工程)
上記圧縮成形工程は、例えば金型を用いた公知の方法によって行うことが可能である。上記圧縮成形工程における面圧としては、490MPa以上1960MPa以下が好ましく、790MPa以上1180MPa以下がより好ましい。特に、上記圧縮成形工程では、980MPa以上の面圧で圧縮成形を行うことで、高密度の圧粉磁心を製造しやすい。上記圧縮成形工程は、室温成形及び温間成形のいずれによって行うことも可能であるが、温間成形を行う方が、高強度の圧粉磁心が得られるため好ましい。
(熱処理工程)
上記熱処理工程では、上記圧縮成形工程で得られた成形体を焼鈍する。この熱処理工程で、上記成形体に含まれる上記潤滑剤が蒸発又は熱分解する。当該圧粉磁心用粉末は、上記鉄基粉末の表面に上記化成皮膜、上記表面処理層及び上記樹脂層をこの順で備えているので、上記潤滑剤が蒸発又は熱分解した場合でも、得られる圧粉磁心の抗折強度を十分に大きくすることができる。
上記熱処理工程における熱処理温度の下限としては、500℃が好ましく、550℃がより好ましい。一方、上記熱処理工程における熱処理温度の上限としては、700℃が好ましく、650℃がより好ましい。上記熱処理温度が上記下限に満たないと、得られる圧粉磁心のヒステリシス損失を十分に低減できないおそれがある。逆に、上記熱処理温度が上記上限を超えると、上記鉄基粉末の表面を被覆する絶縁層(上記化成皮膜、上記表面処理層及び上記樹脂層)が劣化するおそれがある。
上記熱処理工程における熱処理時の雰囲気は、特に限定されるものではないが、窒素等の不活性ガス雰囲気が好ましい。上記熱処理工程における熱処理時間としては、得られる圧粉磁心の比抵抗が低下しない範囲内で設定可能である。上記熱処理時間の下限としては、例えば20分が好ましく、30分がより好ましく、60分がさらに好ましい。
<圧粉磁心>
上記圧粉磁心は、上記熱処理工程後、常温まで冷却することで得られる。上記圧粉磁心の抗折強度の下限としては、46MPaが好ましく、50MPaがより好ましく、60MPaがさらに好ましい。当該圧粉磁心用粉末は、上記鉄基粉末の表面に、上記化成皮膜、上記表面処理層及び上記樹脂層がこの順で設けられていることで、得られる圧粉磁心の抗折強度を上記下限以上に高めることができる。なお、上記抗折強度の上限としては、高いほど好ましいため特に限定されるものではないが、例えば100MPaとすることができる。なお、「抗折強度」とは、JIS-Z2511:2006に基づく値を意味する。
<利点>
当該圧粉磁心用粉末は、上記化成皮膜が、リンと、ニッケル及びコバルトのうちの少なくとも一方とを含んでおり、かつこの化成皮膜の表面に上記表面処理層を介して上記樹脂層が積層されているので、当該圧粉磁心用粉末を用いて形成される圧粉磁心の抗折強度を大きくすることができる。
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
[実施例]
[No.1~No.7]
(圧粉磁心用粉末の作製)
鉄基粉末として、水アトマイズ法による純鉄粉で、不可避不純物としてC≦0.01質量%、Si≦0.03質量%、P≦0.02質量%、S≦0.01質量%を含み、150μm未満が16質量%、150μm以上180μm未満が41質量%、180μm以上250μm未満が42質量%、250μm以上が1質量%となる粒度分布の鉄基粉末を使用し、この鉄基粉末の表面にP及びNiを含む化成皮膜、シランカップリング剤を含む表面処理層及びシリコーン樹脂を主成分とする樹脂層をこの順で設けた後、樹脂層積層後の粉末と潤滑剤を混合した。具体的には、リン酸溶液として、水:50質量部、KHPO:35質量部、HPO:10質量部、(NHOH)・HPO:10質量部を混合したベース薬剤100mLに、ピロリン酸ニッケルと硝酸ニッケルとを合計で10質量部混合し、さらに皮膜形成後のリンの含有量と皮膜形成前のリンの含有量との差が0.04%となるように希釈した処理液50質量部を鉄基粉末1000質量部に混合した後、大気中で200℃、30分間乾燥し、目開き600μmの篩に通した(化成皮膜積層工程)。
続いて、ダウ・東レ株式会社製のシランカップリング剤「Z-6011」を水に溶解させた溶液を、鉄基粉末100質量部に対するシランカップリング剤の割合が表1の通りとなるように化成皮膜積層工程後の粉末に混合した後、125℃で30分間乾燥した(表面処理層形成工程)。次に、ダウ・東レ株式会社製のシリコーン樹脂「SR2400」をトルエンに溶解させた溶液を、鉄基粉末100質量部に対するシリコーン樹脂の含有量が表1の通りとなるように表面処理層形成工程後の粉末に混合した後、75℃で30分間乾燥した(樹脂層積層工程)。さらに、樹脂層積層工程後の粉末に潤滑剤を混合した。潤滑剤としては、ステアリン酸アミドと酸化亜鉛とを用い、鉄基粉末100質量部に対してステアリン酸アミドと酸化亜鉛とを表1の割合で添加した(潤滑剤混合工程)。
(圧粉磁心サンプルの作製)
潤滑剤混合工程後の粉末(圧粉磁心用粉末)を成形体に圧縮成形した。具体的には、常温の圧粉磁心用粉末を80℃に温めた金型に入れ、面圧800MPa(8.16ton/cm)で、18mm×32mm×12.5mmの直方体状の成形体に加圧成形した(圧縮成形工程)。その後、この成形体を窒素雰囲気下で、昇温速度10℃/分、到達温度600℃、保持時間30分で歪取り焼鈍を行った(熱処理工程)。この熱処理工程後の成形体を常温まで炉冷してNo.1~No.7のサンプルを得た。
[No.8]
(圧粉磁心用粉末の作製)
鉄基粉末としてNo.1~No.7と同様の粉末を使用し、この鉄基粉末の表面にP及びNiを含む化成皮膜及びシリコーン樹脂を主成分とする樹脂層をこの順で設けた後、樹脂層積層後の粉末と潤滑剤を混合した。No.8では、シランカップリング剤を含む表面処理層を設けなかったこと、及び鉄基粉末100質量部に対するシリコーン樹脂及び潤滑剤の含有量を表1の通りとした以外、No.1~No.7と同様にして圧粉磁心用粉末を作製した。
(圧粉磁心サンプルの作製)
潤滑剤混合工程後の粉末(圧粉磁心用粉末)をNo.1~No.7と同様にして成形体に圧縮成形した(圧縮成形工程)。その後、この成形体についてNo.1~No.7と同様の条件で歪取り焼鈍を行った(熱処理工程)。この熱処理工程後の成形体を常温まで炉冷してNo.8のサンプルを得た。
<密度>
No.1~No.8のサンプルの密度[g/cm]を求めた。密度は、各サンプルの質量及び大きさを実測し、計算によって求めた。この算出結果を表1に示す。
<抗折強度>
No.1~No.8のサンプルの抗折強度[MPa]をJIS Z-2511:2006に準拠して求めた。この測定結果を表1に示す。
Figure 0007379274000001
<評価結果>
表1に示すように、鉄基粉末の表面に、P及びNiを含む化成皮膜と、シランカップリング剤を含む表面処理層と、シリコーン樹脂を主成分とする樹脂層とがこの順で設けられ、かつ樹脂層の表面に潤滑剤が存在しているNo.1~No.7は、シランカップリング剤を含む表面処理層を備えないNo.8に比べて抗折強度が大きくなっている。特に、鉄基粉末100質量部に対するシランカップリング剤の含有量が0.10質量部以上であるNo.2~No.7は、No.8に対して抗折強度が極めて大きくなっている。
以上説明したように、本発明の一態様に係る圧粉磁心用粉末は、圧粉磁心の抗折強度を大きくするのに適している。

Claims (3)

  1. 鉄基粉末と、
    上記鉄基粉末の表面に形成される化成皮膜と、
    上記化成皮膜の表面に形成され、シランカップリング剤を含む表面処理層と、
    上記表面処理層の表面に積層され、シリコーン樹脂を主成分とする樹脂層と、
    上記樹脂層の表面に存在する潤滑剤と
    を備え、
    上記化成皮膜が、リンと、ニッケル及びコバルトのうちの少なくとも一方とを含み、
    上記化成皮膜、上記表面処理層及び上記樹脂層が、上記鉄基粉末の表面にこの順で直接積層されており、上記潤滑剤が当該圧粉磁心用粉末の最表面に存在している圧粉磁心用粉末。
  2. 上記鉄基粉末100質量部に対する上記シランカップリング剤の含有量が0.05質量部以上0.30質量部以下であり、かつ上記鉄基粉末100質量部に対する上記シリコーン樹脂の含有量が0.05質量部以上0.30質量部以下である請求項1に記載の圧粉磁心用粉末。
  3. 上記鉄基粉末100質量部に対する上記潤滑剤の添加量が0.20質量部以上0.40質量部以下である請求項1又は請求項2に記載の圧粉磁心用粉末。
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