JP7379266B2 - 水素吸蔵合金タンク収納機器における開口部自動開閉シャッター構造 - Google Patents

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Description

この発明は、任意の大気温度環境下で外部熱源なしに水素を吸蔵、放出できる水素吸蔵合金タンクの収納機器の冷風又は温風供給システムにおける開口部の自動開閉シャッター構造に関するものである。
従来、特許文献1及び2に示すように、水素吸蔵合金タンクの殆どは、冷・温水の循環により水素供給促進を行っている。特にタンク管群構成となるカードル構造又は収納機器での熱供給方法は全て冷・温水循環方式である。
特開平7-208696号公報 特開2011-99511号公報
この方式はタンクへの熱交換性に優れている反面、大気とは断熱構造となっていることから、合金の冷・温熱が内部に籠るため、外部熱源なしには水素吸蔵・放出を継続的に行うことは出来ない。また、タンク内に循環水配管の設置や、タンクを二重構造にするなど、タンクはその付帯設備の構造が複雑化する欠点もある。
そこで、複数の水素吸蔵合金タンクを収納したタンク収納機器において、大気との熱交換により、外部熱源を極力利用しないで、継続的に水素の吸蔵・放出が行え、一方、水素吸蔵合金タンクが水素を吸蔵・放出できる大気温度を大きく逸脱するような環境下では、外部熱源や燃料電池の排熱水を利用する水素吸蔵合金タンク収納機器の冷風又は温風供給システム及びこれに使用する装置が開発された。
しかしながら、この水素吸蔵合金タンク収納機器の冷風又は温風供給システムでは、定格の半分以下といったような低い水素流量による水素吸蔵・放出運転を行っていると、その流量が小さくなる程、効率が低下する現象が確認された。これは、システム収容容器自体のイニシャル的な熱損失が大きな要因である。熱損失は、収容容器の断熱性が劣ることによる大気との熱交換が起因すること、及び吸入用、排気用の開口部の開閉自在なシャッターの気密性の悪さによる大気混入が挙げられる。これらの要因により定格の半分以下の運転の場合に効率を悪くしている。
一般的なシャッター構造は、鉄製や樹脂製があるが、自動開閉機構の場合、薄板の羽根形状が殆どである。回転シャフトが付いた薄板(蓋)をモータにてシャフトを回転させることでシャフトの開閉を行うものが多い。
この構造だと、回転シャフトの両端根元部にどうしても隙間が生じてしまう。密閉性の比較的高いダクトダンパーなどは、回転端部にシール材を施すことで密閉性を高めているが、シャフトの根元部は多少なりとも隙間が生じる。また、回転式であるため蓋は薄板形状であり、断熱性が低い。自動開閉機構を持ちながら、密閉性を高め、さらに断熱性を向上させるような機構を、1辺30cm以上の開口部で行う開閉蓋のものは見当たらない。
この発明は、上記の問題点を解決するため、複数の水素吸蔵合金タンクを収納したタンク収納機器であって、大気との熱交換により、外部熱源を極力利用しないで、継続的に水素の吸蔵・放出が行え、一方、水素吸蔵合金タンクが水素を吸蔵・放出できる大気温度を大きく逸脱するような環境下では、外部熱源や燃料電池の排熱水を利用する水素吸蔵合金タンク収納機器において、自動開閉機構を持ちながら、密閉性を高め、さらに断熱性を向上させる開口部自動開閉シャッター構造を提供するものである。
請求項1の発明は、任意の大気温度環境下で外部熱源なしに水素を吸蔵・放出可能な水素吸蔵合金タンクを、密閉した筐体内に1個又は複数個相互に間隔を空けて収納したタンク収納機器であって、前記タンクの長手方向に沿った筐体の両端部に開閉自在な開口部を夫々設け、送風の上流側となる筐体の一端部内に、外部熱源による冷・温水又は燃料電池の排熱水を循環導入可能なラジエータ及び送風機を設け、前記タンクの長手方向に沿った筐体の両端面に孔を夫々穿ち、当該各孔に両端を夫々接続した通気経路を筐体の外部に設けた冷風又は温風供給システムを備えた水素吸蔵合金タンク収納機器において、前記各開口部及び当該開口部の上下左右のいずれかの箇所の上方及び下方又は左方及び右方の筐体外面にパネル固定枠を夫々設け、前記開口部を被覆自在なスライドパネルの上縁及び下縁又は左縁及び右縁を前記上方及び下方又は左方及び右方のパネル固定枠に嵌め、当該上下又は左右のパネル固定枠によりスライドパネルを筐体外面に押圧する構成とし、前記スライドパネルを前記パネル固定枠に沿って摺動させる駆動機器を設けた、開口部自動開閉シャッター構造とした。
請求項2の発明は、前記開口部の周囲の筐体外面に低摩擦材が貼られ、また、前記スライドパネルの上縁及び下縁又は左縁及び右縁が接する前記パネル固定枠の内面と当該パネル固定枠に対向する筐体外面とに低摩擦材が貼られている、請求項1に記載の水素吸蔵合金タンク収納機器における開口部自動開閉シャッター構造とした。
また、請求項3の発明は、前記スライドパネルはパネルの全面に低摩擦材が貼られているか、又はパネル自体が低摩擦素材から成る、請求項1に記載の水素吸蔵合金タンク収納機器における開口部自動開閉シャッター構造とした。
また、請求項4の発明は、前記各パネル固定枠はその両端でボルト及びナットにより筐体外面に固定された、請求項1~3のいずれかに記載の水素吸蔵合金タンク収納機器における開口部自動開閉シャッター構造とした。
また、請求項5の発明は、前記スライドパネルを摺動させる駆動機器が、筐体外面に設けたエアーシリンダー又は電動シリンダーである、請求項1~4のいずれかに記載の水素吸蔵合金タンク収納機器における開口部自動開閉シャッター構造とした。
請求項1の発明によれば、筐体の開口部を開閉させるシャッター構造を摺動自在なスライドパネルとし、当該スライドパネルを筐体の外面に押圧する構成となっているため、開口部を閉じた際の密閉性を極めて高くすることができる。また、スライドパネルであるため当該パネルの厚さや材質によって熱抵抗を容易に調整でき、筐体の熱抵抗に合わせることができる。従って、筐体内部の温度を保持し易い。そして、筐体の両端の開口部を開閉するシャッターを自動開閉機構としながら、筐体内の温度と大気との温度差を13°C以上として外部からの熱供給なしに5時間以上保持できる。この様に、密閉性が高く、大気熱遮断性を容易に向上させることができ、定格の半分以下の運転においても効率を落とさず水素吸蔵合金タンク収納機器の冷風又は温風供給可能である。
また、請求項2又は3の各発明によれば、スライドパネルが接する筐体外面及びパネル固定枠の内面を低摩擦材で構成しているか、又はスライドパネルの全面が低摩擦材で被われているため、筐体の各開口部の開閉の際、スライドパネルがスムーズに動き、自動開閉が容易かつ確実に行える。
また、請求項4の発明によれば、パネル固定枠が筐体に対してボルト、ナットで固定されているため、ボルト又はナットの締め付け具合により、パネル固定枠によるパネルの筐体への押し付け度合いを調整し易い。
また、請求項5の発明によれば、前記スライドパネルはエアーシリンダー又は電動シリンダーであるため、開閉制御し易い。
この発明の実施の形態例1の水素吸蔵合金タンクカードルの平面図である。 この発明の実施の形態例1の水素吸蔵合金タンクカードルの側面図である。 この発明の実施の形態例1の水素吸蔵合金タンクカードルの端面図である。 この発明の実施の形態例1の水素吸蔵合金タンクカードルの筐体の断面図である。 この発明の実施の形態例1の水素吸蔵合金タンクカードルに収納する水素吸蔵合金タンクの拡大側面図である。 この発明の実施の形態例1の水素吸蔵合金タンクカードルの大気吹き流しモードのイメージ側面図である。 この発明の実施の形態例1の水素吸蔵合金タンクカードルの冷風又は温風の循環モードのイメージ側面図である。 この発明の実施の形態例1の水素吸蔵合金タンクカードルの開口部自動開閉シャッターを開けた状態を示す要部図である。 この発明の実施の形態例1の水素吸蔵合金タンクカードルの開口部自動開閉シャッターを閉めた状態を示す要部図である。 この発明の実施の形態例1の水素吸蔵合金タンクカードルの開口部自動開閉シャッター構造のスライドパネル及びパネル固定枠を取り外した状態の筐体側面正面図である。 この発明の実施の形態例1の水素吸蔵合金タンクカードルの開口部自動開閉シャッター構造のスライドパネルを閉めた状態のスライドパネル及びパネル固定枠の一部縦断面図である。 この発明の実施の形態例1の水素吸蔵合金タンクカードルの開口部自動開閉シャッター構造のスライドパネルを閉めた状態のスライドパネル及びパネル固定枠の他の例の一部縦断面図である。
(実施の形態例1)
以下、この発明の実施の形態例1の水素吸蔵合金タンクカードルAを図に基づいて説明する。
この水素吸蔵合金タンクカードルAは中空密閉式の筐体1から構成されている。そして、当該筐体1内に、多数の水素吸蔵合金タンク2が、相互に間隔を空けて収納されている。これらの多数の各水素吸蔵合金タンク2は任意の大気温度環境下で外部熱源なしに水素を吸蔵・放出可能なものである。
上記水素吸蔵合金タンク1の長手方向に沿った筐体1の一端部には、タンク配管の集管部であるヘッダー3が設けられている。そして当該ヘッダー3がある筐体1の一端部の左右側板1aに夫々第1自動開閉シャッター4が設けられている。また、上記水素吸蔵合金タンク1の長手方向に沿った筐体1の他端部の左右側板1aに夫々第2自動開閉シャッター5が設けられている。これらの第1及び第2自動開閉シャッター4、5は筐体1の側板1aに設けられた開口部15を開けたり閉めたりするもので、冷風又は温風は第2自動開閉シャッター5側が上流となり、第1自動開閉シャッター4側が下流となって流れる。また、上記第1自動開閉シャッター4及び第2自動開閉シャッター5は筐体1の一端部の左右側板1aに限らず、上下の側板又は端面板に設けても良い。
また、筐体1の上記他端部の内部であって、前記水素吸蔵合金タンク2の端部にはラジエータチャンバー6が設けられ、当該ラジエータチャンバー6内にラジエータ7及び送風ファン8が収納されている。このラジエータ7及び送風ファン8により、冷風又は温風が筐体1内に流れるようになっており、前記ラジエータ7内に、燃料電池の排熱水、又は外部機器として冷・温水機の循環水を供給可能になっている。
また、当該筐体1の上記一端部と他端部、即ち送風の上流側と下流側とを、筐体1の外部でつなぐダクト9が設けられている。当該ダクト9は、筐体の長手方向両端部の上面に孔を開け、当該各孔に両端を接続したものである。また、このダクト9はカバー10で被われている。
前記筐体1内は、図4に示すように、前記多数の水素吸蔵合金タンク2が三段のタンク支持材11によって分けて支持され、各段に3個の水素吸蔵合金タンク2が間隔を空けて並べられている。各タンク支持材11は、冷風又は温風の流れ性を向上させるため、台形断面の剛性平板から成り、前記各水素吸蔵合金タンク2の長手方向に間隔を空けて、長手方向に直角な方向に並べられている。これにより冷風又は温風の流れ面に対して、障害物の投影面積を低減している。
また、筐体1の側板1aの内側には整流板12を設け、カードル骨組み縦材による渦の発生を抑えている。さらに、図5に示すように、前記各水素吸蔵合金タンク2の底面部に曲面状のキャップ13を取付け、タンク底面周辺の流れを整え、冷風又は温風の送風抵抗を抑えている。また、タンク2の外周には、数ミリ径のワイヤー14を、間隔を空けて巻き付け、当該タンク表面の境界層の厚さを低減させ、冷風又は温風の当該タンクへの供給効率を向上させている。
また、図示は省略したが、筐体1内には、筐体1内の温度センサー、タンク表面温度センサー、タンク内の合金温度センサー及びタンク圧力計が設置されており、これらの測定値により冷風又は温風の供給をコントロールする制御コントローラが設けられている。当該制御コントローラは、具体的には、上記の測定値により前記第1自動開閉シャッター4及び第2自動開閉シャッター5の開閉を行うと共に、外部熱源の冷・温水又は燃料電池の排熱水の筐体1内への導入を制御したり、送風ファン8の稼働を制御する情報処理装置から構成されている。
以下、この発明の水素吸蔵合金タンクカードルAを用いた冷風又は温風供給を説明する。
水素吸蔵合金は吸蔵時に発熱反応し、放出時に吸熱反応となるため、よって水素吸蔵合金タンク2に充填されている水素吸蔵合金は、大気の温度が、水素吸蔵合金タンクが水素を吸蔵・放出できる温度範囲の上限を上回るようなときの水素吸蔵では合金の発熱を大気に放出しづらくなり反応性が劣る。また、大気の温度が、水素吸蔵合金タンクが水素を吸蔵・放出できる温度範囲の下限を下回るようなときの水素放出では合金の吸熱に対して大気から吸収しづらくなり、やはり反応性が劣る。
そこで、筐体1内の温度を上記温度センサーにより測定し、水素吸蔵合金タンク2に熱供給が必要かどうかを判断する。大気の温度が、水素吸蔵合金タンクが水素を吸蔵・放出できる温度の上下の一定範囲内である時、例えば、水素吸蔵合金タンク2が室温環境下で水素を吸蔵・放出できる場合、筐体1内の温度が20~30°Cの範囲内であれば、前記第1及び第2自動開閉シャッター4、5を全開放して送風ファン8のみを稼働させて大気を筐体1内に呼び込み、図6に示すように、大気の吹き流し状態(モード)で各水素吸蔵合金タンク2の熱交換を行う。
また、大気の温度が、上記水素吸蔵合金タンクが水素を吸蔵・放出できる温度の上下の一定範囲外である時、例えば、筐体1内の温度が20~30°Cの範囲外の場合に水素の吸蔵・放出運転をするときは、前記第1及び第2自動開閉シャッター4、5を閉め、外部熱源の冷・温水又は燃料電池の排熱水を前記ラジエータ7内に循環させ、前記送風ファン8により冷風又は温風を筐体1内に流す。その際、冷風又は温風は、図7に示すように、筐体1内及び前記ダクト9を介して循環させて各水素吸蔵合金タンク2の熱交換を行う。
また、以上の様に、筐体1内の温度を上記温度センサーにより測定し、水素吸蔵合金タンク2に熱供給が必要かどうかを判断するが、常時上記タンク表面温度センサーにより上記タンクの表面温度を測定しており、筐体1内の温度が上記20~30°Cの範囲内であっても、必要以上の急速な水素の吸蔵や放出などで、上記タンク2の表面温度が急変した場合は、大気吹き流しモードから熱源による冷風又は温風循環モードに切り替える。
また、上記水素吸蔵合金は温度を下げると、水素の吸蔵圧力が低下する特徴がある。そこで、上記タンク圧量計の測定により、タンク圧力が規定以上になったら外部熱源による冷風循環モードにして、タンクを急冷することでタンク内圧力を低下させる。
なお、万が一、冷風又は温風循環モードの際にタンク2から水素が漏洩すると、水素ガスはカードルの筐体1内に溜まり爆発限界内に入ってしまう恐れがある。そこで、筐体1内に水素センサーを設ければ、当該センサーにより水素漏洩を検知した時に大気吹き流しモードへ切り替えることで、筐体1内の水素ガス蓄積を防止することも可能となる。
この様に、上記各センサーの測定値から冷風又は温風供給モードを制御コントローラにより自動的に切り替えることが、このシステムの基本運転パターンとなる。
次に、前記第1自動開閉シャッター4及び第2自動開閉シャッター5について図8~図12に基づき説明する。
図8及び図9は第1及び第2自動開閉シャッター4、5の双方を示すもので、図8は第1及び第2自動開閉シャッター4、5が開口部15を開いた状態を示し、図9は第1及び第2自動開閉シャッター4、5が開口部15を閉じた状態を示す。
第1及び第2自動開閉シャッター4、5は断熱性能を有する材質からなるスライドパネル16から成り、筐体1の側板1aの四辺形の前記開口部15を閉塞可能となっている。従って、スライドパネル16は開口部15の四辺より大きい四辺を有する構成となっている。なお、断熱構成は、従来の自動開閉シャッターで用いられるような数mm厚の鉄板に対して少なくとも数十倍以上の熱抵抗値を有するものとし、例えば樹脂(ソリッド)材や発泡樹脂材や、グラスウールやロックウールなどの繊維材などが使われる。
そして、当該開口部15及び当該開口部15に隣接する側板1aの上方、下方にパネル固定枠17が設けられ、こられのパネル固定枠17に前記スライドパネル16の上下縁を嵌めて、当該上下のパネル固定枠17に沿って摺動自在となっている。
前記パネル固定枠17は、図11に示すように、断面L字型を成し、その内面に低摩擦材18を設けている。また、図10に示すように、当該パネル固定枠17と対向する筐体1の側板1aにもパネル固定枠17に沿って低摩擦材18aが貼られており、さらに、前記開口部15の周縁の側板1aにも前記低摩擦材19が貼られている。
前記スライドパネル16と接するパネル固定枠17の内周面及び開口部15を閉じた状態で当該スライドパネル16の内側面が接する前記筐体1の側板1aにそれぞれ低摩擦材18、18a、19を設けることで、スライドパネル16のスライドにおける摺動力の軽減が行え、摺動機構部の簡素化が行える。また、当該接触面の経年的な摩擦も低減できるといった効果もある。これらの低摩擦材には、ポリテトラフルオロエチレンといったフッ素系樹脂や自己潤滑性のあるポリアミド系樹脂やポリアセタール系樹脂などが挙げられる。
また、前記パネル固定枠17は、図8~図9及び図11で示すように、その両端部をボルト、ナット20により側板1aに固定されており、当該ボルト、ナット20を締め付けることにより、スライドパネル16を筐体1の側板1aに押し付ける構成となっている。
従って、前記開口部15をスライドパネル16で塞いだ際、スライドパネル16の内側面は低摩擦材19に圧接し、密閉される。しかもスライドパネル16の摺動時はパネル固定枠17の内周面の低摩擦材18及び当該パネル固定枠17に対向する筐体1の側板1aの低摩擦材18aにスライドパネル16の上下端縁が接触するため、スライドが容易となっている。また、スライドパネル16はエアーシリンダー21により駆動する構成となっている。なお、当該エアーシリンダー21は、これに限らず、電動シリンダー等、他の駆動機器でもよい。
また、図11の前記パネル固定枠17の内周に低摩擦材18及び当該パネル固定枠17に対向する筐体1の側板1aに低摩擦材18aを貼る構成に代えて、図12に示すように、スライドパネル16の筐体1の側板1aと接する内側面及びパネル固定枠17に接する箇所に低摩擦材22を貼ることによりスライドパネル16の摺動を容易にすることもできる。さらに、スライドパネル16自体を低摩擦素材から構成してもよい。
また、図11及び図12に示すように、前記筐体1の内周には、15mm程の断熱材である発泡材23を貼り、また、前記ダクト9の外周にも断熱材(図示省略)を被覆する。
以下、この構成の実施の形態例1の装置と、従来機構とを比較した。
1.「従来機構」(前記の薄板の羽根形状で、中央部の回転シャフトの回転により開閉)、2.「筐体断熱+密閉式鉄板シャッター自動開閉機構」(シャッター部分が断熱性能を有するパネルではなく、鉄板)、3.筐体断熱+スライドパネルによるシャッター自動開閉機構」(実施の形態例1の装置)による筐体内部熱の保温性能評価を実施したところ、実施の形態例1の装置は大気との温度差を13°C以上を熱供給なしに5時間以上保持できることを確認した。
一方、上記2.のものでは20°Cの温度差を保持するのに、1230Wの熱投入が必要であり、13°Cの温度差を保持するのに、802Wの熱投入が必要であった。
上記2.の水素放出実験を行った結果、定格水素流量のときでは、損失率は22%となり、定格の1/4の水素流量のときでは損失率は30%となった。一方、実施の形態例1の装置での結果は、定格流量のときでは損失率は16%、定格の1/4の水素流量のときでは損失率は20%となった。なお、従来機構においては、定格の1/4の水素流量のときでの損失率は55%にもなっている。
「従来機構」の損失率=定格の1/4時:55%
上記2.のものの損失率=定格時:22%、定格の1/4時:30%
実施の形態例1の装置の損失率=定格時:16%、定格の1/4時:20%
実施の形態例1の装置は、他の構造に比べて損失率の低減が確認されており、特に、低流量時に効果が大きい。
この様に、本発明の装置は密閉性が高く、大気熱遮断性を向上させることにより、定格の半分以下の運転においても効率を落とさず空温式水素吸蔵合金タンク収納機器の冷風又は温風供給可能である。
なお。上記実施の形態例1ではパネル固定枠17は断面L字型としているが、パネル固定枠17は必ずしも断面L字型でなく、断面U字型、V字型でもよい。さらに、細長い板体でもよく、その場合、筐体1の側板1aに対して下端縁のみを当接させ、当該下端縁から斜め上方に上端縁が伸び、両端部が折れ曲がって当該両端部のみを前記側板1aに当接させて、当該箇所で側板1aに固定する構成でも良い。
また、上記実施の形態例1では筐体1の側板1aの開口部15の上下にパネル固定枠17を設け、スライドパネル16を左右方向に摺動させたが、パネル固定枠17を開口部15の左右方向に設け、スライドパネル16を上下方向に摺動させることもできる。
A 水素吸蔵合金タンクカードル
1 筐体 1a 側板
2 水素吸蔵合金タンク 3 ヘッダー
4 第1自動開閉シャッター 5 第2自動開閉シャッター
6 ラジエータチャンバー 7 ラジエータ
8 送風ファン 9 ダクト
10 カバー 11 支持材
12 整流板 13 キャップ
14 ワイヤー 15 開口部
16 スライドパネル 17 パネル固定枠
18 低摩擦材 18a 低摩擦材
19 低摩擦材 20 ボルトナット
21 エアーシリンダー 22 低摩擦材
23 発泡材

Claims (5)

  1. 任意の大気温度環境下で外部熱源なしに水素を吸蔵・放出可能な水素吸蔵合金タンクを、密閉した筐体内に1個又は複数個相互に間隔を空けて収納したタンク収納機器であって、前記タンクの長手方向に沿った筐体の両端部に開閉自在な開口部を夫々設け、送風の上流側となる筐体の一端部内に、外部熱源による冷・温水又は燃料電池の排熱水を循環導入可能なラジエータ及び送風機を設け、前記タンクの長手方向に沿った筐体の両端面に孔を夫々穿ち、当該各孔に両端を夫々接続した通気経路を筐体の外部に設けた冷風又は温風供給システムを備えた水素吸蔵合金タンク収納機器において、
    前記各開口部及び当該開口部の上下左右のいずれかの箇所の上方及び下方又は左方及び右方の筐体外面にパネル固定枠を夫々設け、前記開口部を被覆自在なスライドパネルの上縁及び下縁又は左縁及び右縁を前記上方及び下方又は左方及び右方のパネル固定枠に嵌め、当該上下又は左右のパネル固定枠によりスライドパネルを筐体外面に押圧する構成とし、前記スライドパネルを前記パネル固定枠に沿って摺動させる駆動機器を設けたことを特徴とする、開口部自動開閉シャッター構造。
  2. 前記開口部の周囲の筐体外面に低摩擦材が貼られ、また、前記スライドパネルの上縁及び下縁又は左縁及び右縁が接する前記パネル固定枠の内面と当該パネル固定枠に対向する筐体外面とに低摩擦材が貼られていることを特徴とする、請求項1に記載の水素吸蔵合金タンク収納機器における開口部自動開閉シャッター構造。
  3. 前記スライドパネルはパネルの全面に低摩擦材が貼られているか、又はパネル自体が低摩擦素材から成ることを特徴とする、請求項1に記載の水素吸蔵合金タンク収納機器における開口部自動開閉シャッター構造。
  4. 前記各パネル固定枠はその両端でボルト及びナットにより筐体外面に固定されたことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の水素吸蔵合金タンク収納機器における開口部自動開閉シャッター構造。
  5. 前記スライドパネルを摺動させる駆動機器が、筐体外面に設けたエアーシリンダー又は電動シリンダーであることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の水素吸蔵合金タンク収納機器における開口部自動開閉シャッター構造。
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