JP7379130B2 - 搬送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、搬送装置に関する。
特許文献1には、直線路と曲線路が連なる搬送路と、搬送路を浮上走行する台車とを有する磁気浮上式搬送装置が記載されている。特許文献1に記載の搬送装置において、搬送路は、曲線路に配設された浮上用レールの両外側に対向して設けられた1対の案内用永久磁石を具備し、台車は、案内用永久磁石に対向して設けられた案内用電磁石を具備している。特許文献1に記載された搬送装置では、案内用永久磁石と案内用電磁石とを用いることで、ヨーイング等のない安定した姿勢での曲線路の走行を実現している。
特開平9-252504号公報
しかしながら、特許文献1に記載の磁気浮上式搬送装置では、曲線部において、案内用永久磁石と案内用電磁石とを含む複雑な構成を用いているため、可動部である台車の進行方向に対する左右方向にスペースが必要となるだけでなく、装置コストが高くなる。また、台車が薄型になると、台車の側面に案内用永久磁石を配置することが困難となる。
また、直線路において、吸引力による案内力を得ているが、左右方向の制御が行われていないため、左右方向に蛇行し、左右に配置されたローラー等への繰り返しの接触を招くおそれがある。
本発明の目的は、簡単な構成で可動部の片寄せ搬送を実現することができる搬送装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一観点による搬送装置は、固定部と、永久磁石列及びコイル列のうちの一方である第1の列部を有する可動部とを有し、前記固定部は、前記永久磁石列及び前記コイル列のうちの他方であり、前記第1の列部と対向するように第1の方向に沿って配置された第2の列部と、前記第1の方向に沿って設けられ、前記第1の方向と交差する第2の方向における一方の側において前記第2の方向における前記可動部の位置をガイドする第1のガイド部と、前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する第3の方向における前記可動部の位置をガイドする第2のガイド部とを有し、前記可動部は、前記第1の列部と前記第2の列部との間に働く第1の吸引力を推進力として前記第1の方向に移動し、前記第1の列部、及び前記第2の列部又は磁性体が、前記第1の列部と前記第2の列部又は前記磁性体との間において前記第2の方向における前記ガイド部の側に向かう方向に第2の吸引力が働くように配置されている。
本発明によれば、簡単な構成で可動部の片寄せ搬送を実現することができる。
本発明の第1実施形態による加工システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態による搬送装置の構成の概略を説明した図である。 本発明の第1実施形態による搬送装置の構成の概略を説明した図である。 本発明の第1実施形態による永久磁石及び有心コイルの配置例を説明した図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムの制御構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態による搬送装置の構成の概略を説明した図である。 本発明の第2実施形態による搬送装置の構成の概略を説明した図である。 本発明の第3実施形態による搬送装置の構成の概略を説明した図である。 本発明の第3実施形態による搬送装置の構成の概略を説明した図である。 本発明の第4実施形態による搬送装置の構成の概略を説明した図である。 本発明の第5実施形態による搬送装置の構成の概略を説明した図である。 本発明の第6実施形態による搬送装置の構成の概略を説明した図である。 本発明の第6実施形態による搬送装置の構成の概略を説明した図である。 本発明の第6実施形態による永久磁石、有心コイル及び片寄せ用ヨーク材の配置例を説明した図である。
以下に本発明の実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による加工システムについて図1乃至図4を用いて説明する。なお、以下の説明及び図面において、複数存在する同一の構成要素は、同一の数字の符号の末尾に小文字のアルファベットを識別子として付記することにより区別するものとする。ただし、同一の構成要素について特に区別して説明する必要がない場合には、識別子を省略して数字のみの符号を用いるものとする。
はじめに、本実施形態による加工システムの概略構成について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態による加工システムの概略構成を示すブロック図である。
本実施形態による加工システム10は、図1に示すように、複数の工程装置200と、搬送システム12と、工程コントローラ201とを有している。加工システム10は、搬送システム12により搬送されるワークに対して複数の工程装置200により各種の加工を施して、ワークが加工されてなる物品を製造するものである。
搬送システム12は、複数の搬送モジュール110と、複数の制御装置107と、シフト部111a、111bと、シフト部制御装置112a、112bと、リーダライタ108と、搬送コントローラ100とを有している。また、搬送システム12は、台車1102(図2A及び図2B等を参照)を有している。台車1102は、1台であっても複数台であってもよい。搬送システム12は、ファクトリーオートメーション(FA)等に用いられる可動磁石型リニアモータ(ムービングマグネット型リニアモータ)により台車1102を駆動する搬送システムである。
図1には、複数の工程装置200として、工程装置200a~200e、200jを示している。また、複数の搬送モジュール110として、搬送モジュール110a~110jを示している。また、複数の制御装置107として、制御装置107a~107jを示している。なお、工程装置200、搬送モジュール110及び制御装置107のそれぞれの台数は、図1に示す場合に限定されるものではなく、1台であっても複数台であってもよい。
搬送モジュール110a~110dは、搬送路1000aを構成している。搬送モジュール110f~110iは、搬送路1000bを構成している。搬送路1000a、1000bは、ワークを搬送する台車1102が走行する経路である。搬送路1000aは、往路を構成する搬送路である。搬送路1000bは、復路を構成する搬送路である。搬送路1000a、1000bは、曲線部を含まず、直線部から構成されている。搬送モジュール110a~110jは、直線部用の搬送モジュールである。搬送路1000a、1000bは、互いに平行に並んで設置されている。
図1において、搬送路1000aの左端は例えば上流端であり、搬送路1000aの右端は例えば下流端である。また、搬送路1000bの右端は例えば上流端であり、搬送路1000aの左端は例えば下流端である。
同じ側(図1において左側)に位置する搬送路1000aの上流端及び搬送路1000bの下流端の側には、搬送路1000bから搬送路1000aに台車1102を受け渡すためのシフト部111aが設置されている。シフト部111aには、移動することにより搬送路1000aと搬送路1000bとの双方に接続可能に構成された搬送モジュール110jが設けられている。搬送モジュール110jは、シフト部111a上に移動可能に取り付けられている。シフト部111aは、搬送モジュール110jを、搬送路1000bの搬送モジュール110iに隣接する位置と、搬送路1000aの搬送モジュール110aに隣接する位置との間で移動させることが可能になっている。
また、同じ側(図1において右側)に位置する搬送路1000aの下流端及び搬送路1000bの上流端の側には、搬送路1000aから搬送路1000bに台車を受け渡すためのシフト部111bが設置されている。シフト部111bには、移動することにより搬送路1000aと搬送路1000bとの双方に接続可能に構成された搬送モジュール110eが設けられている。搬送モジュール110eは、シフト部111b上に移動可能に取り付けられている。シフト部111bは、搬送モジュール110eを、搬送路1000aの搬送モジュール110dに隣接する位置と、搬送路1000bの搬送モジュール110fに隣接する位置との間で移動することが可能になっている。
シフト部111は、特に限定されるものではないが、例えば、回転モータとボールねじとリニアガイドとを組み合わせたリニアアクチュエータ等を適用することができる。
搬送モジュール110j、110eは、シフト部111a、111bに設けられている点を除き、搬送路1000を構成している他の搬送モジュール110と同様の構成を有している。
制御装置107a~107jは、搬送モジュール110a~110jのそれぞれに対応して設けられている。図1では、搬送路1000aを構成する複数の搬送モジュール110a、110b、110c、…、110dに対応して、複数の制御装置107a、107b、107c、…、107dが設けられている。また、搬送路1000bを構成する複数の搬送モジュール110f、…、110g、110h、110iに対応して、複数の制御装置107f、…、107g、107h、107iが設けられている。また、シフト部111a、111bに設けられた搬送モジュール110j、110eに対応して、制御装置107j、107eが設けられている。
制御装置107a~107jは、上位制御部である搬送コントローラ100に接続されており、搬送コントローラ100との間で台車1102の搬送に関する情報を送受信することが可能になっている。搬送コントローラ100は、対応する搬送モジュール110による台車1102の搬送を制御する。
制御装置107は、搬送コントローラ100から受信した指令に従って、対応する搬送モジュール110のコイル列104(図2A及び図2B等を参照)に流す電流を制御する。これにより、制御装置107は、台車1102の永久磁石列1104(図2A及び図2B等を参照)に働く電磁力を制御する。こうして、制御装置107は、台車1102に対する駆動力としての電磁力を制御して、対応する搬送モジュール110における台車1102を走行、停止させて、対応する搬送モジュール110における台車1102の位置を制御する。こうして、台車1102は、複数の搬送モジュール110で構成される搬送路1000上を自在に走行することが可能になっている。
シフト部111は、シフト部制御装置112に接続されている。シフト部制御装置112は、所定の制御を行うことによりシフト部111を駆動して、シフト部111上に取り付けられた搬送モジュール110を移動することができる。
シフト部制御装置112a、112bは、上位制御部である搬送コントローラ100に接続されており、搬送コントローラ100との間で台車1102の搬送に関する情報を送受信することが可能になっている。これにより、シフト部制御装置112a、112bは、搬送コントローラ100から受信した指令に従ってシフト部111a、111bを制御して、搬送路1000aと搬送路1000bとの間で台車1102を移動することが可能になっている。
複数の工程装置200a~200e、200jは、複数の搬送モジュール110a~110e、110jのそれぞれに対応して設けられている。工程装置200は、対応する搬送モジュール110において停止している台車1102が保持しているワークに対して、所定の加工を施すためのものである。
工程装置200は、台車1102で搬送された後述のガラス基板1107を加工する装置である。工程装置200は、台車1102が停止や通過している間、ワークであるガラス基板1107が台車1102の底面に保持されたまま、指定された加工をガラス基板1107に施すように構成されている。工程装置200が行う加工は、様々であり、特に限定されるものではないが、例えば、別の部品を組み付けたり、接着剤を塗布したり、取り外したり、検査を行ったり、光線の照射を行ったり、蒸着を行ったりするものである。図1には工程装置200a~200e、200jのみが記載されているが、各製造ラインによって様々なレイアウトが採用されうる。
なお、搬送モジュール110と工程装置200とは必ずしも同じ数である必要はない。例えば、1つの搬送モジュール110に対して複数の工程装置200が設けられていてもよい。
工程コントローラ201は、複数の工程装置200a~200e、200j及び搬送コントローラ100に接続されている。工程コントローラ201は、複数の工程装置200a~200e、200jとの間で、工程に関する情報を送受信することが可能になっている。これにより、工程装置200a~200e、200jは、工程コントローラ201により指定された加工を行う。また、工程コントローラ201は、搬送コントローラ100との間で、台車1102の搬送に関する情報を送受信することが可能になっている。これにより、搬送コントローラ100は、工程コントローラ201による指令に基づき台車1102の搬送の制御を行う。こうして、工程コントローラ201は、台車1102によるワークの搬送、加工等の加工システム10の全体の動作を制御することが可能になっている。
次に、本実施形態による搬送システム12における搬送装置の具体的な構造について図2A及び図2Bを用いて説明する。図2A及び図2Bは、本実施形態による搬送装置の構成の概略を説明した図である。図2Aは正面図、図2Bは上面図である。なお、図2A及び図2Bでは、台車1102の移動方向である水平方向をX軸方向とし、X軸方向と直交する鉛直方向をZ軸方向、X軸方向及びZ軸方向に直交する方向をY軸方向とする。なお、X軸方向とY軸方向とは、互いに斜めに交差する方向であってもよい。Y軸方向とZ軸方向とは、互いに斜めに交差する方向であってもよい。X軸方向とZ軸方向とは、互いに斜めに交差する方向であってもよい。また、X軸方向及びZ軸方向に直交する互いに逆向きの2方向のうち、一方の方向を+Y軸方向、他方の方向を-Y軸方向ということがある。図2以降の図面についても適宜同様の方向を用いて説明する。
図2A及び図2Bに示すように、搬送システム12における搬送装置14は、搬送モジュール110と、台車1102とを含む装置である。台車1102は、工程装置200による加工対象のワークであるガラス基板1107を搬送するように構成されている。図2A及び図2Bには1台のみの台車1102が示されているが、台車1102は、1台に限定されるものではなく、複数台であってもよい。
なお、台車1102により搬送されるワークは、ガラス基板1107に限定されるものではなく、例えば、半導体基板等の各種基板であってもよいし、機器、装置等の各種部品等であってもよいし、あらゆる加工対象でありうる。台車1102は、搬送すべきワークに応じて、ワークを保持すべき保持機構を搭載することができる。
搬送モジュール110は、架台フレーム1101と、Z軸用ローラー1105と、Y軸用ローラー1106と、位置検出部103と、コイル列104とを有している。搬送モジュール110は、複数台並べされて設置されている。並べられて設置された複数台の搬送モジュール110は、搬送路1000を形成している。
搬送モジュール110において、架台フレーム1101には、Z軸用ローラー1105及びY軸用ローラー1106が設けられている。台車1102は、Z軸用ローラー1105及びY軸用ローラー1106に沿って移動可能に架台フレーム1101上に支持されている。
Z軸用ローラー1105は、台車1102の移動方向であるX軸方向に沿って台車1102の両側部分を下方から支持するように、X軸方向に沿って移動する台車1102の両側にX軸方向に沿ってそれぞれ複数設けられている。複数のZ軸用ローラー1105は、Z軸方向における台車1102の位置を規制してガイドするガイド部である。各Z軸用ローラー1105は、例えば、上向きで回転自在に設置されたボールを含むボールローラーにより構成されている。
台車1102の側部には、Z軸用ローラー1105に接触して支持される部材1113が設けられている。Z軸用ローラー1105により支持された台車1102は、Z軸用ローラー1105の回転により、X軸及びY軸を含む面であるXY平面に沿って移動可能になっている。
また、Y軸用ローラー1106は、後述するように-Y軸方向に片寄せされた台車1102に側方から接触するように、X軸方向に沿って移動する台車1102の一方の側である-Y軸方向の側にX軸方向に沿って複数設けられている。複数のY軸用ローラー1106は、Y軸方向における台車1102の位置を規制してガイドするガイド部である。各Y軸用ローラー1106は、Z軸に沿った軸を回転軸として回転可能なローラーにより構成されている。
台車1102の側部には、片寄せされた状態において、Y軸用ローラー1106に接触する部材1111が設けられている。部材1111は、Y軸用ローラー1106と摺動する摺動部として機能する。-Y軸方向に片寄せされてY軸用ローラー1106に接触する台車1102は、Y軸用ローラー1106の回転により、X軸方向に沿って移動可能になっている。
位置検出部103は、以下に述べるように、台車1102のスケール6を読み取って台車1102の位置情報が取得できるように架台フレーム1101に設けられている。
コイル列104は、搬送モジュール110において1列配置されている。コイル列104は、台車1102の移動方向であるX軸方向に沿って配置されるように架台フレーム1101に設けられている。コイル列104は、架台フレーム1101に移動可能に支持された台車1102に対向可能に設けられている。コイル列104は、複数の有心コイル1041から構成される単位コイルが複数並べられて構成されている列部である。有心コイル1041は、磁極鉄心と、磁極鉄心に巻き付けられたコイルとを有している。コイル列104において、複数の有心コイル1041は、X軸方向に沿って並ぶように設置されている。
台車1102は、マスクチャック1108と、スケール6と、永久磁石列1104と、RF(Radio Frequency)タグ4とを有している。台車1102は、搬送モジュール110により構成される搬送路1000を走行して、ワークであるガラス基板1107を搬送する。
台車1102の底面には、静電チャック等の保持機構(不図示)によりガラス基板1107が保持されている。マスクチャック1108は、ガラス基板1107に対向するようにマスク1109を把持するために台車1102に取り付けられている。マスク1109は、露光装置である工程装置200において、ガラス基板1107上への回路パターン等のパターンの露光に用いられるものである。
スケール6は、台車1102側部に台車1102の移動方向に沿って設けられている。スケール6には、位置情報が記録されている。搬送モジュール110には、台車1102のスケール6を読み取って台車1102の位置情報を取得する位置検出部103がスケール6に対向するように、架台フレーム1101の側面の所定の位置に設けられている。位置検出部103は、スケール6のスケール長よりも短い間隔で取り付けられており、スケール6が読み取れるように配置されている。
永久磁石列1104は、台車1102において1列配置されている。永久磁石列1104は、台車1102の移動方向となる台車1102の前後方向に沿って台車1102に設けられている。永久磁石列1104は、永久磁石1202が複数並べられて構成されている列部である。永久磁石列1104は、例えば、台車1102の上面に設けられたヨーク材1201と、台車1102の前後方向に沿ってヨーク材1201上に配置された複数の永久磁石1202とを含んでいる。
永久磁石列1104において、複数の永久磁石1202は、搬送モジュール110のコイル列104に対向する一方の側に交互に異極が現れるように配置されている。各永久磁石1202は、互いに極性が異なる磁極が台車1102の上下方向であるZ軸方向に並ぶように配置されている。
本実施形態による搬送装置14において、搬送モジュール110に設けられたコイル列104は、台車1102に設けられた永久磁石列1104に対して、-Y軸方向にオフセットされて配置されている。すなわち、コイル列104は、そのコイル列104のX軸方向に沿った中心軸が、永久磁石列1104のX軸方向に沿った中心軸に対して-Y軸方向にオフセットされているように配置されている。
このように、本実施形態による搬送装置14では、コイル列104の位置が永久磁石列1104の位置に対してオフセットされている。このため、コイル列104と永久磁石列1104との間で働く吸引力となる電磁力が、台車1102に対して、台車1102の移動方向であるX軸方向のみならず、-Y軸方向にも働く。また、電磁力が働いていない状態でも、コイル列104と永久磁石列1104との間で吸引力が-Y軸方向に働いている。台車1102は、X軸方向に働く電磁力を推進力としてX軸方向に移動することができる。こうして働く-Y軸方向の力、すなわちY軸方向におけるY軸用ローラー1106の側に向かう力は、台車1102のX軸方向に沿った搬送時において、台車1102を-Y軸方向に片寄せする力1110として台車1102に作用する。
このように、本実施形態では、永久磁石列1104及びコイル列104が、Y軸方向におけるY軸用ローラー1106の側に向かう方向に永久磁石列1104とコイル列104との間に吸引力が働くように配置されている。
なお、コイル列104及び永久磁石列1104は、台車1102を-Y軸方向に片寄せする力1110が、片寄せされる台車1102に働く摩擦等による摺動抵抗力よりも大きくなるように、配置位置、大きさ、材質等が設計されている。
搬送モジュール110において、Y軸用ローラー1106は、オフセットされているコイル列104の側のみに配置されている。このため、台車1102は、搬送時において、力1110により-Y軸方向に片寄せされてY軸用ローラー1106に接触しつつ、Y軸用ローラー1106に沿ってX軸方向に移動する。こうして、搬送装置14は、台車1102の片寄せ搬送を実現する。
RFタグ4は、台車1102に取り付けられており、その台車1102を識別するためのID(Identification)情報が記憶されている。RFタグ4は、リーダライタ108によりそのID情報が読み取り可能な位置に取り付けられている。
こうして、本実施形態による搬送装置14が構成されている。搬送装置14は、固定部である搬送モジュール110にコイル列104が配置され、可動部である台車1102に永久磁石列1104が配置されたムービングマグネット(MM)型の構成になっている。
なお、搬送装置14は、固定部である搬送モジュール110に永久磁石列1104が配置され、可動部である台車1102にコイル列104が配置されたムービングコイル(MC)型の構成を採用することもできる。この場合においても、上記と同様にして台車1102の片寄せ搬送を実現することができる。
工業製品を組み立てるための生産ラインでは、ファクトリーオートメーション化された生産ライン内や生産ラインの間の複数のステーションの間において部品等のワークを搬送する搬送装置が用いられている。このような搬送装置としては、例えば、可動磁石型リニアモータシステムが提案されている。可動磁石型リニアモータシステムは、異極が交互に並ぶように配置された複数個の磁石が搭載された可動部と、可動部の移動経路に沿って配置されたコイルを含む固定部と、コイルに電流を供給する電流制御器とを含む。このような搬送装置では、可動部の進行方向の位置を制御するとともに、可動部の進行方向に対して、可動部の左右方向の位置を所望の位置に維持したいという要望がある。可動部の左右方向の位置を維持できないと、可動部の左右方向の位置を案内するローラー等と可動部が衝突を繰り返し、その結果、可動部において保持されたワーク等の搬送物に対して、位置ずれが発生する等の悪影響が発生するおそれがあった。
一方、本実施形態による搬送装置14では、上述のように、永久磁石列1104に対してコイル列104が-Y軸方向にオフセットされている。このため、永久磁石列1104の永久磁石1202に対して、台車1102の移動方向であるX軸方向のみならず、コイル列104がオフセットされた方向である-Y軸方向に、コイル列104から吸引力が働く。したがって、本実施形態による搬送装置14では、-Y軸方向に台車1102を片寄せするための磁石、センサ等の追加の構成を必要とすることなく、台車1102を片寄せして搬送することができる。本実施形態では、片寄せ搬送により、台車1102がY軸用ローラー1106との衝突を繰り返すことがなくなる。こうして、本実施形態によれば、簡単な構成で台車1102の片寄せ搬送を実現することができる。
次に、本実施形態による永久磁石1202及び有心コイル1041の配置例について図3を用いて説明する。図3は、本実施形態による永久磁石1202及び有心コイル1041の配置例を説明した図である。
永久磁石1202と有心コイル1041の配置を決定するにあたり、以下のシミュレーション及び実験を行った。なお、以下に示すシミュレーション及び実験の内容は、あくまで例示であり、これらに限定されるものではない。
ヨーク材1201、永久磁石1202及び有心コイル1041のコア1203のサイズ及び配置は、それぞれ図3に示すとおりである。搬送モジュール110のX軸方向の長さは、520mmである。有心コイル1041のコア1203のX軸方向に沿った中心軸は、永久磁石1202のX軸方向に沿った中心軸に対して、-Y軸方向に10mmオフセットされている。
また、ヨーク材1201として圧延鋼材であるSS400を使用し、永久磁石1202としてNMX-37SH(日立金属株式会社製)を使用し、有心コイル1041のコア1203として50H470(日本製鉄株式会社製)を使用した。
電磁界解析ソフトウェアであるJMAG(登録商標)(株式会社JSOL製)を用いて、永久磁石1202と有心コイル1041との間に-Y軸方向に働く吸引力をシミュレーションした結果、20.8Nとなった。これは、電磁力が発生していない状態で、永久磁石1202と有心コイル1041との間に働く吸引力である。
Z軸用ローラー1105として、ボールローラーユニットBUHA600(株式会社ミスミ製)を使用した。メインボールの材質は、ステンレス鋼であるSUS440Cであった。Z軸用ローラー1105と接触する台車1102の部材は、SS400であり、Z軸用ローラー1105のメインボール20個と接触していた。台車1102の質量は、99.8kgであった。
また、フォースゲージを用いて、台車1102のY軸方向の摺動抵抗を測定したところ、10.0Nであった。上記JMAGによるシミュレーション結果によれば吸引力が20.8Nであったため、図3に示す配置では、Y軸方向の摺動抵抗よりも吸引力が大きい。このため、図3の配置では、電磁力が発生していない状態でも、台車1102をY軸用ローラー1106に片寄せできることが分かる。
なお、X軸方向に台車1102が移動する際のY軸方向の外乱の大きさによっては、台車1102をY軸用ローラー1106に片寄せするため、片寄せする力1110を大きくする必要がある。具体的には、永久磁石1202のサイズを大きくしたり、オフセットを大きくしたりすることにより、片寄せする力1110を大きくすることができる。
次に、本実施形態による搬送システム12の制御構成について図4を用いて説明する。図4は、本実施形態による搬送システム12の制御構成を示すブロック図である。
搬送コントローラ100は、下位制御部として機能する制御装置107に対して、複数の台車1102の搬送を制御する上位制御部として機能する。
搬送コントローラ100は、指令値生成部1001と、記憶部1002と、通信制御部1003とを有している。なお、搬送コントローラ100は他の機能をも含み得るが、本実施形態では他の機能についての説明は省略する。
通信制御部1003は、搬送コントローラ100に接続される複数の制御装置107及びシフト部制御装置112、工程コントローラ201並びにリーダライタ108との間の通信を制御する。具体的には、通信制御部1003は、制御装置107、シフト部制御装置112、工程コントローラ201及びリーダライタ108との間における各種の制御信号及び制御データの送受信を所定のタイミングで実行する。
記憶部1002は、搬送路1000上で各台車1102を停止させる基準となる停止基準位置を記憶している。停止基準位置は、例えば、工程装置200が台車1102によって保持されているガラス基板1107に対して所定の加工を施す際に台車1102を停止すべき位置として予め設定されている。また、記憶部1002は、各停止基準位置及びガラス基板1107の種類に応じて取得された台車1102の移動誤差に関するデータである移動誤差データを記憶している。
指令値生成部1001は、制御対象となる台車1102の位置指令値を生成する。位置指令値は、台車1102の目標停止位置を示す値である。指令値生成部1001は、各台車1102について、位置指令値として、停止基準位置及び移動誤差を用いて目標停止位置を示す値を算出する。
指令値生成部1001には、リーダライタ108が読み取った台車1102のID情報が、通信制御部1003を介して入力される。指令値生成部1001は、台車1102を特定する特定部としても機能する。例えば、指令値生成部1001は、入力されたID情報に基づき、搬送モジュール110aに隣接して位置する搬送モジュール110j上に停止している台車1102を特定することができる。
制御装置107は、コイル列104を駆動する駆動部である。制御装置107は、位置FB(Feedback)制御部1071と、位置判定部1075と、電流FB制御部1072と、駆動アンプ部1073と、電流検出部1074と、通信制御部1070とを有している。
駆動アンプ部1073は、搬送モジュール110のコイル列104に接続されている。駆動アンプ部1073は、複数の出力端子を有している。なお、図4には、3つの出力端子を有する駆動アンプ部1073を示しているが、駆動アンプ部1073が有する出力端子の数は、特に限定されるものではない。コイル列104は、駆動アンプ部1073の各出力端子に接続された複数の直列有心コイルを含む。
駆動アンプ部1073の各出力端子には、所定の数の複数の有心コイル1041が直列に接続されてなる直列有心コイルがそれぞれ接続されている。図4には、2つの有心コイル1041が直列に接続された直列有心コイルを例示しているが、直列有心コイルを構成する有心コイル1041の数は、特に限定されるものではない。
図4に示す駆動アンプ部1073が有する3つの出力端子のうち、第1の出力端子には、有心コイル1041aと有心コイル1041bとが直列接続されてなる直列有心コイルが接続されている。駆動アンプ部1073の第2の出力端子には、有心コイル1041cと有心コイル1041dとが直列接続されてなる直列有心コイルが接続されている。駆動アンプ部1073の第3の出力端子には、有心コイル1041eと有心コイル1041fとが直列接続されてなる直列有心コイルが接続されている。3つの直列有心コイルは、例えば、U相、V相、W相からなる三相交流で駆動することができる。
コイル列104を構成する複数の有心コイル1041a~1041fは、それぞれの直列有心コイルを構成する有心コイル1041が1つずつ、台車1102の移動方向であるX軸方向に沿って順番に並ぶように配置されている。例えば、図4に示す6つの有心コイル1041a~1041fでコイル列104を構成する場合、次のように配置される。すなわち、有心コイル1041a、有心コイル1041c、有心コイル1041e、有心コイル1041b、有心コイル1041d、有心コイル1041fが、台車1102の移動方向に沿ってこの順番で列状に配置される。すなわち、コイル列104は、所定のピッチ(単位ピッチ)で有心コイル1041が列を構成するように配置されている。このように、複数の直列有心コイルの各々を構成する所定の数の有心コイル1041は、単位ピッチを単位とする2単位以上の所定の間隔で配置されている。
電流検出部1074は、コイル列104の各直列有心コイルに流れる電流を計測し、計測した電流値を電流FB制御部1072に入力する。
位置判定部1075は、搬送モジュール110上の台車1102の位置を特定する。詳しくは、位置判定部1075には、搬送モジュール110に取り付けられている位置検出部103からの位置情報を示す信号が入力される。位置判定部1075は、位置検出部103から入力された信号に基づき、搬送モジュール110上の台車1102の位置を特定する。
通信制御部1070は、搬送コントローラ100に接続されており、搬送コントローラ100との間における各種の制御信号及び制御データの送受信を所定のタイミングで実行する。なお、各制御装置107の通信制御部1070は、他の制御装置107の通信制御部1070を介して搬送コントローラ100に接続されていてもよいし(図4参照)、搬送コントローラ100に直接接続されていてもよい。
位置FB制御部1071は、位置判定部1075により特定された台車1102の位置情報と、指令値生成部1001で生成された位置指令値に基づく位置情報とを比較する。位置FB制御部1071は、その比較結果を制御情報として電流FB制御部1072に出力する。
電流FB制御部1072は、位置FB制御部1071から入力された制御情報と、電流検出部1074により検出された電流値とを比較する。電流FB制御部1072は、その比較結果に応じて、駆動アンプ部1073に出力する電流の指令値を生成して駆動アンプ部1073に出力する。
駆動アンプ部1073は、電流FB制御部1072から入力された指令値に基づき、接続されているコイル列104のそれぞれの直列有心コイルに流す電流を制御する。このような電流フィードバック制御を行うことにより、台車1102の応答性を向上することができる。
シフト部制御装置112は、シフト部111に接続されており、シフト部111の動作制御を行う。シフト部制御装置112は、制御装置107と同等な構成でシフト部111の制御を行う。シフト部制御装置112は、搬送コントローラ100からの制御信号に基づき、接続されているシフト部111について適切な動作制御を行う。なお、シフト部制御装置112は、制御装置107の通信制御部1070を介して搬送コントローラ100に接続されていてもよいし(図4参照)、搬送コントローラ100に直接接続されていてもよい。
次に、本実施形態による加工システム10の基本的な動作について図1、図2A及び図2Bを用いて説明する。ここで、搬送モジュール110jは、図1に示すように、シフト部111aによって搬送モジュール110aに隣接する場所に位置しており、搬送路1000aに接続されているものとする。そして、搬送モジュール110jの上には、ガラス基板1107が搭載されていない空の台車1102が停止しているものとする。
工程コントローラ201は、搬送コントローラ100及び工程装置200を制御し、ガラス基板1107の供給、搬送、加工及び排出を含む加工システム10の全体の動作を司る。
工程装置200jは、工程コントローラ201からの指令に応じて、搬送モジュール110j上に停止している台車1102に、加工すべきガラス基板1107を供給する。台車1102は、工程装置200jから供給されたガラス基板1107を、保持機構により台車1102の底面にて保持する。
次いで、制御装置107j、107aは、搬送コントローラ100からの指令に応じて、搬送モジュール110j上に停止している台車1102を搬送路1000aの方向に移動し、搬送モジュール110a上に停止する。
工程装置200aは、工程コントローラ201からの指令に応じて、搬送モジュール110a上に停止している台車1102に保持されているガラス基板1107に対して所定の加工を施す。
同様にして、制御装置107a、107b、107c、…、107dは、搬送コントローラ100からの指令に応じて、搬送モジュール110a上の台車1102を搬送モジュール110b、110c、…、110dへと順次搬送する。この際、制御装置107a、107b、107c、…、107dは、台車1102を搬送モジュール110b、110c、…、110dのそれぞれの上に一旦停止する。
工程装置200a、200b、200c、…、200dは、工程コントローラ201からの指令に応じて、台車1102に保持されているガラス基板1107に対して所定の加工を順次施す。工程装置200a、200b、200c、…、200dは、それぞれ搬送モジュール110b、110c、…、110d上に停止している台車1102に保持されているガラス基板1107に対して所定の加工を施す。
シフト部制御装置112bは、搬送コントローラ100からの指令に応じてシフト部111bを駆動し、搬送モジュール110eを搬送路1000aの方向に移動する。そして、シフト部制御装置112bは、搬送モジュール110d上に停止している台車1102が搬送モジュール110e上に移動可能なように、搬送モジュール110dに隣接する位置で搬送モジュール110eを停止させる。
搬送モジュール110dと搬送モジュール110eとが隣接した状態で、制御装置107d、107eは、搬送コントローラ100からの指令に応じて、搬送モジュール110d上に停止している台車1102を搬送モジュール110eの方向に移動する。さらに、制御装置107eは、搬送モジュール110e上で台車1102を停止させる。
工程装置200eは、工程コントローラ201からの指令に応じて、搬送モジュール110e上に停止している台車1102上から工程装置200a~200dによる加工が終了したガラス基板1107を排出する。こうして、加工システム10を用いた物品の製造方法により、ワークであるガラス基板1107が加工されてなる物品が製造される。
搬送モジュール110e上にガラス基板1107を排出した空の台車1102が停止した状態で、シフト部制御装置112bは、搬送コントローラ100からの指令に応じてシフト部111bを駆動する。これにより、シフト部制御装置112bは、搬送モジュール110eを搬送路1000bの方向に移動する。そして、シフト部制御装置112bは、搬送モジュール110e上に停止している台車1102が搬送モジュール110f上に移動可能なように、搬送モジュール110fに隣接する位置で搬送モジュール110eを停止させる。
搬送モジュール110eと搬送モジュール110fとが隣接した状態で、制御装置107e、107fは、搬送コントローラ100からの指令に応じて、搬送モジュール110e上に停止している台車1102を搬送モジュール110fの方向に移動する。さらに、制御装置107fは、搬送モジュール110f上で台車1102を移動する。これにより、シフト部111b上の搬送モジュール110eを介して、搬送路1000aから搬送路1000bへと台車1102を移動することができる。
制御装置107f、…、107g、107h、107iは、搬送コントローラ100からの指令に応じて、搬送モジュール110f上の台車1102を搬送モジュール110fから搬送モジュール110iへと順次搬送する。
また、シフト部制御装置112aは、搬送コントローラ100からの指令に応じてシフト部111aを駆動し、搬送モジュール110jを搬送路1000bの方向に移動する。そして、シフト部制御装置112aは、搬送モジュール110i上に停止している台車1102が搬送モジュール110j上に移動可能なように、搬送モジュール110iに隣接する位置で搬送モジュール110jを停止させる。
搬送モジュール110iと搬送モジュール110jとが隣接した状態で、制御装置107i、107jは、搬送コントローラ100からの指令に応じて、搬送モジュール110i上の台車1102を搬送モジュール110jの方向に移動する。さらに、制御装置107jは、搬送モジュール110j上で台車1102を停止させる。
搬送モジュール110j上に空の台車1102が停止した状態で、シフト部制御装置112aは、搬送コントローラ100からの指令に応じてシフト部111aを駆動し、搬送モジュール110jを搬送路1000aの方向に移動する。そして、シフト部制御装置112aは、搬送モジュール110j上に停止している台車1102が搬送モジュール110a上に移動可能なように、搬送モジュール110aに隣接する位置で搬送モジュール110jを停止させる。
こうして、搬送路1000a及び搬送路1000bを含む経路を走行した台車1102は、ガラス基板1107を搭載していない空の状態で、搬送モジュール110aに隣接する場所に停止した搬送モジュール110j上に戻る。
このように台車1102が搬送される間、図2A及び図2Bに示すように、コイル列104の位置が永久磁石列1104の位置に対してオフセットされているため、上述のように台車1102を-Y軸方向に片寄せする力1110が台車1102に作用する。これにより、台車1102は、力1110により-Y軸方向に片寄せされてY軸用ローラー1106に接触しつつ、Y軸用ローラー1106に沿ってX軸方向に移動する。
こうして、本実施形態によれば、簡単な構成で台車1102の片寄せ搬送を実現することができる。台車1102の片寄せ搬送により、搬送方向に対する台車1102の左右方向の位置を安定して維持することができ、ワークであるガラス基板1107に対する悪影響の発生を低減することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による搬送装置について図5A及び図5Bを用いて説明する。図5A及び図5Bは、本実施形態による搬送装置の構成の概略を説明した図である。図5Aは正面図、図5Bは上面図である。なお、第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
上記第1実施形態では、コイル列104及び永久磁石列1104の列数がそれぞれ1列である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、それぞれ複数列であってもよい。本実施形態では、コイル列104及び永久磁石列1104の数がそれぞれ2列である場合について説明する。なお、コイル列104及び永久磁石列1104の列数は、対をなす互いに同数の3列以上の複数列であってもよい。
図5A及び図5Bに示すように、本実施形態による搬送装置14において、搬送モジュール110には、コイル列104が2列配置されている。2列のコイル列104は、それぞれ台車1102の移動方向であるX軸方向に沿って、Y軸方向に間隔を空けて架台フレーム1101に設けられている。
また、台車1102には、永久磁石列1104が2列配置されている。2列の永久磁石列1104は、台車1102の移動方向となる台車1102の前後方向に沿って、台車1102の左右方向に所定の間隔を空けて台車1102に設けられている。このように、台車1102には、2列のコイル列104と同数の2列の永久磁石列1104が配置されている。
2列のコイル列104のいずれも、永久磁石列1104に対して-Y軸方向にオフセットされて配置されている。すなわち、一方のコイル列104は、そのコイル列104のX軸方向に沿った中心軸が、そのコイル列104と同じ側の一方の永久磁石列1104のX軸方向に沿った中心軸に対して-Y軸方向にオフセットされているように配置されている。また、他方のコイル列104は、そのコイル列104のX軸方向に沿った中心軸が、そのコイル列104と同じ側の他方の永久磁石列1104のX軸方向に沿った中心軸に対して-Y軸方向にオフセットされているように配置されている。
本実施形態による搬送装置14においても、コイル列104の位置が永久磁石列1104の位置に対してオフセットされている。このため、本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、コイル列104と永久磁石列1104との間のそれぞれで働く吸引力となる電磁力が、台車1102に対して、台車1102の移動方向であるX軸方向のみならず、-Y軸方向にも働く。また、電磁力が働いていない状態でも、コイル列104と永久磁石列1104との間で吸引力が-Y軸方向に働いている。本実施形態では、一方のコイル列104と永久磁石列1104との間、及び他方のコイル列104と永久磁石列1104との間のそれぞれで吸引力が働く。こうして-Y軸方向に働く力が、台車1102を-Y軸方向に片寄する力1110として台車1102に作用する。
本実施形態では、2列のコイル列104が同じ方向にオフセットされているため、台車1102を-Y軸方向に片寄せする力が相殺されることはない。このため、本実施形態では、コイル列104及び永久磁石列1104がそれぞれ1列配置された第1実施形態の場合と比較して、台車1102を片寄せする力として、より大きな力1110を台車1102に作用させることができる。
したがって、本実施形態によれば、台車1102又はガラス基板1107等のワークがより大きな質量を有する場合であっても、簡単な構成で台車1102の片寄せ搬送を実現することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による搬送装置について図6A及び図6Bを用いて説明する。図6A及び図6Bは、本実施形態による搬送装置の構成の概略を説明した図である。図6Aは正面図、図6Bは上面図である。なお、第1及び第2実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
本実施形態では、台車1102におけるY軸用ローラー1106と摺動する部材1111について詳述する。なお、図6Bでは、Y軸用ローラー1106と摺動する部材1111及びY軸用ローラー1106が分かりやすいように、スケール6、及び台車1102におけるZ軸用ローラー1105と接触する部材1113を省略している。
上述のように、台車1102を-Y軸方向に片寄せする力1110によって、台車1102がY軸用ローラー1106との衝突を繰り返すことはなくなる。一方、Y軸用ローラー1106に接触する摺動部である部材1111とY軸用ローラー1106との間に摺動抵抗が発生し、台車1102の進行方向であるX軸方向の力を妨げるおそれがある。
そこで、Y軸用ローラー1106と摺動する部材1111としては、カーボン摺動材、セラミック摺動材等のような摺動抵抗の小さいカーボン、セラミック等の材質の部材を使用することができる。これにより、摺動抵抗を小さくし、台車1102の移動方向であるX軸方向の力の妨げを減らすことができる。
また、Y軸用ローラー1106が一直線上に並んでおらず、Y軸用ローラー1106の間に段差が生じている場合がある。この場合、台車1102がY軸用ローラー1106と接触するときに、Y軸方向に衝撃力が発生するおそれがある。このような衝撃力が発生すると、台車1102がY軸用ローラー1106から離れてしまうことがある。台車1102には、その搬送の間、片寄せする力1110が働いているため、衝撃力によりY軸用ローラー1106から離れても、再びY軸用ローラー1106と接触する。しかしながら、台車1102が衝撃力を受けてY軸用ローラー1106から離れると、台車1102において保持されたワーク等の搬送物に対して、位置ずれが発生する等の悪影響が発生しうる。
そこで、図6A及び図6Bに示すように、Y軸用ローラー1106と摺動する摺動部である部材1111には、テーパー加工が施されたテーパー部1112を設けることができる。テーパー部1112は、例えば、部材1111における台車1102の搬送時において前側又は後側となりうるX軸方向における一方又は両方の端部において、その端に向かって部材1111のY軸方向の幅が漸減するように設けられている。なお、図6Bには、部材1111のX軸方向における両側の端部にテーパー部1112が設けられている場合を示している。
テーパー部1112により、Y軸用ローラー1106に段差があっても、Y軸方向の衝撃を緩和して、台車1102がY軸用ローラー1106から離れないようにすることができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による搬送装置について図7を用いて説明する。図7は、本実施形態による搬送装置の構成の概略を説明した図である。なお、第1乃至第3実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
上記1乃至第3実施形態では、搬送路の直線部を構成する直線部用の搬送モジュール110により搬送路が構成されている場合について説明したが、搬送路の曲線部を構成する曲線部用の搬送モジュールを用いることもできる。曲線部用の搬送モジュールにおいても、直線部用の搬送モジュール110と同様のコイル列の配置を採用することができる。
図7に示すように、本実施形態による搬送装置14は、直線部用の搬送モジュール110とともに、曲線部用搬送モジュール1123を有している。曲線部用搬送モジュール1123は、搬送路の曲線部を構成する曲線形状を有している。曲線部用搬送モジュール1123は、互いに交差する方向、具体的には例えば直交する方向に配置された2つの搬送モジュール110の間を接続するように配置されている。なお、曲線部用搬送モジュール1123は、搬送モジュール110と同様の機構により台車1102を搬送することができる。
曲線部用搬送モジュール1123は、曲線部向けZ軸用ローラー1121と、曲線部向けY軸用ローラー1122とを有し、台車1102が曲線状に移動可能に構成されている。曲線部向けZ軸用ローラー1121は、直線部用の搬送モジュール110におけるZ軸用ローラー1105に対応するガイド部である。曲線部向けY軸用ローラー1122は、直線部用の搬送モジュール110におけるY軸用ローラー1106に対応するガイド部である。
台車1102が曲線部用搬送モジュール1123を通過する際には、台車1102に対して、曲線部用搬送モジュール1123の曲線内側から曲線外側に向かって遠心力が働く。このため、曲線部向けY軸用ローラー1122は、曲線部用搬送モジュール1123の外周部及び内周部のうちの外周部に配置されている。
また、曲線部用搬送モジュール1123は、その曲線形状にあわせて配置された複数のコイル列104を有している。各コイル列104は、曲線部用搬送モジュール1123の外側に台車1102を片寄せするように、搬送される台車1102の永久磁石列1104に対して、曲線部用搬送モジュール1123の曲線外側方向にオフセットされて配置されている。
曲線部用搬送モジュール1123において、台車1102は、搬送時において、コイル列104と永久磁石列1104との間に働く吸引力により、曲線外側方向に片寄せされて曲線部向けY軸用ローラー1122に接触しつつ、これに沿って曲線的に移動する。
一方、搬送モジュール110において、コイル列104は、曲線部用搬送モジュール1123において台車1102が片寄せされる曲線外側方向に対応する方向に、搬送される台車1102の永久磁石列1104に対してオフセットされて配置されている。また、Y軸用ローラー1106は、曲線部用搬送モジュール1123において曲線部向けY軸用ローラー1122が配置された曲線外側に対応する側に配置されている。これにより、搬送モジュール110において、台車1102は、曲線部用搬送モジュール1123において台車1102が片寄せされる曲線外側方向と対応する方向に片寄せされて搬送される。
このように曲線部用搬送モジュール1123を構成することで、搬送モジュール110においてのみならず、曲線部用搬送モジュール1123においても、簡単な構成で台車1102の片寄せ搬送を実現することができる。
また、搬送モジュール110を直線部、曲線部用搬送モジュール1123を曲線部として使用することで、台車1102が循環するように搬送される循環搬送路を構築することができる。搬送モジュール110と曲線部用搬送モジュール1123とを有する循環搬送路によれば、循環搬送路の全周にわたって、簡単な構成で台車1102の片寄せ搬送を実現することができる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態による搬送装置について図8を用いて説明する。図8は、本実施形態による搬送装置の構成の概略を説明した図である。なお、第1乃至第4実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
上記第1乃至第4実施形態では、分岐部のない搬送路が構成されている場合について説明したが、搬送路を分岐する分岐部用の搬送モジュールを用いて分岐部のある搬送路を構成することもできる。分岐部用の搬送モジュールにおいても、直線部用の搬送モジュール110と同様のコイル列の配置を採用することができる。
図8に示すように、本実施形態による搬送装置14は、分岐元である搬送モジュール110と、分岐部用搬送モジュール1124と、分岐先である+Y軸方向側の搬送モジュール1126と、分岐先である-Y軸方向側の搬送モジュール1127とを有している。分岐部用搬送モジュール1124は、1つの分岐元から2つの分岐先に分岐する分岐部になっている。分岐元の搬送モジュール110は、分岐部用搬送モジュール1124を介して、分岐先の+Y軸方向側の搬送モジュール1126及び-Y軸方向側の搬送モジュール1127に接続されている。なお、分岐部用搬送モジュール1124、+Y軸方向側の搬送モジュール1126及び-Y軸方向側の搬送モジュール1127は、それぞれ搬送モジュール110と同様の機構により台車1102を搬送することができる。
分岐元の搬送モジュール110では、第1実施形態の場合と同様に、永久磁石列1104に対してコイル列104がオフセットされて配置され、コイル列104が配置された側にY軸用ローラー1106が配置されている。なお、図8では、コイル列104がオフセットされた方向が、+Y軸方向である第1実施形態の場合とは異なっている。
分岐部用搬送モジュール1124は、左右方向(±Y軸方向)の両側部にそれぞれ配置されたY軸用ローラー1106と、両側部のY軸用ローラー1106の間に配置された可動式コイル列1125とを有している。可動式コイル列1125は、分岐元の搬送モジュール110と分岐先の搬送モジュール1126、1127との間の距離に応じて、一又は複数設けることができる。可動式コイル列1125は、移動可動に構成されたコイル列104に相当する。可動式コイル列1125は、台車1102が分岐する方向に従い、±Y軸方向に移動可能に構成されている。
分岐先の+Y軸方向側の搬送モジュール1126は、分岐元の搬送モジュール110におけるコイル列104と同様に、永久磁石列1104に対して+Y軸方向にオフセットされて配置されたコイル列104を有している。このため、+Y軸方向側の搬送モジュール1126では、台車1102が片寄せされる+Y軸方向側にY軸用ローラー1106が配置されている。
また、分岐先の-Y軸方向側の搬送モジュール1127は、永久磁石列1104に対して-Y軸方向にオフセットされて配置されたコイル列104を有している。-Y軸側の搬送モジュール1127におけるコイル列104のオフセットされた配置は、オフセットの方向が逆である点を除き、分岐元の搬送モジュール110におけるコイル列104と同様である。このため、-Y軸方向側の搬送モジュール1127では、台車1102が片寄せされる-Y軸方向側にY軸用ローラー1106が配置されている。
本実施形態による搬送装置14では、分岐部用搬送モジュール1124により、分岐元の搬送モジュール110から分岐先の+Y軸側の搬送モジュール1126又は-Y軸側の搬送モジュール1127に選択的に移動させることができる。
まず、台車1102を+Y軸方向側の搬送モジュール1126に移動させる場合、可動式コイル列1125を+Y軸方向側に移動させる。これにより、台車1102が+Y軸方向側に片寄せされるため、台車1102は、分岐部用搬送モジュール1124の+Y軸方向側を移動して、+Y軸側の搬送モジュール1126に移動することができる。
また、台車1102を-Y軸方向側の搬送モジュール1127に移動させる場合、可動式コイル列1125を-Y軸方向側に移動させる。これにより、台車1102が-Y軸方向側に片寄されるため、台車1102は、分岐部用搬送モジュール1124の-Y軸方向側を移動して、-Y軸方向側の搬送モジュール1126に移動することができる。
こうして、分岐路を備えた搬送路を台車1102が移動することができる。上述のように分岐部用搬送モジュール1124を構成することで、分岐路を構成する分岐部用搬送モジュール1124においても、簡単な構成で台車1102の片寄せ搬送を実現することができる。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態による搬送装置について図9A乃至図10を用いて説明する。図9A及び図9Bは、本実施形態による搬送装置の構成の概略を説明した図である。図9Aは正面図、図9Bは上面図である。図10は、本実施形態による永久磁石、有心コイル及び片寄せ用ヨーク材の配置例を説明した図である。なお、第1乃至第5実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
上記第1乃至第5実施形態では、台車1102の永久磁石列1104に対して、コイル列104がオフセットされて配置される場合について説明したが、これに限定されるものではない。搬送モジュール110において、コイル列104がオフセットされていることに代えて、片寄せ用ヨーク材を配置することによっても、台車1102の片寄せ搬送を実現することができる。
図9A及び図9Bに示すように、本実施形態による搬送装置14において、搬送モジュール110は、片寄せ用ヨーク材1130をさらに有している。
コイル列104は、第1実施形態等の場合とは異なり、台車1102の永久磁石列1104に対して、オフセットされていない。すなわち、コイル列104は、そのコイル列104のX軸方向に沿った中心軸が、永久磁石列1104のX軸方向に沿った中心軸とY軸方向において一致するように配置されている。
片寄せ用ヨーク材1130は、架台フレーム1101にコイル列104に隣接してコイル列104の-Y軸方向の側に配置されている。片寄せ用ヨーク材1130は、コイル列104において有心コイル1041が並ぶ方向であるX軸方向に沿って設けられている。片寄せ用ヨーク材1130は、例えば、鉄、珪素鋼、パーマロイ等の磁性体により構成されている。
片寄せ用ヨーク材1130は、台車1102の永久磁石列1104に対して、-Y軸方向にオフセットされて配置されている。すなわち、片寄せ用ヨーク材1130は、その片寄せ用ヨーク材1130のX軸方向に沿った中心軸が、永久磁石列1104のX軸方向に沿った中心軸に対して-Y軸方向にオフセットされているように配置されている。
本実施形態による搬送装置14では、互いに中心軸が一致するコイル列104と永久磁石列1104との間で働く吸引力となる電磁力が、台車1102に対して、台車1102の移動方向であるX軸方向に働く。台車1102は、X軸方向に働く電磁力を推進力としてX軸方向に移動することができる。
さらに、本実施形態による搬送装置14では、磁性体である片寄せ用ヨーク材1130が、永久磁石列1104に対して、-Y軸方向にオフセットされてコイル列104に隣接して配置されている。このため、永久磁石列1104と片寄せ用ヨーク材1130との間に働く吸引力となる磁力が-Y軸方向に働く。こうして-Y軸方向に働く力、すなわちY軸方向におけるY軸用ローラー1106の側に向かう力は、台車1102のX軸方向に沿った搬送時において、台車1102を-Y軸方向に片寄せする力1110として台車1102に作用する。
このように、本実施形態では、永久磁石列1104及び片寄せ用ヨーク材1130が、Y軸方向におけるY軸用ローラー1106の側に向かう方向に永久磁石列1104と片寄せ用ヨーク材1130との間に磁力による吸引力が働くように配置されている。
なお、永久磁石列1104及び片寄せ用ヨーク材1130は、台車1102を-Y軸方向に片寄せする力1110が、片寄せされる台車1102に働く摩擦等による摺動抵抗力よりも大きくなるように、配置位置、大きさ、材質等が設計されている。
こうして、本実施形態による搬送装置14においても、台車1102は、搬送時において、力1110により-Y軸方向に片寄せされてY軸用ローラー1106に接触しつつ、Y軸用ローラー1106に沿ってX軸方向に移動することができる。
なお、片寄せ用ヨーク材1130は、鉛直方向であるZ軸方向において、コイル列104よりも永久磁石列1104に近い位置に配置することができる。このような片寄せ用ヨーク材1130の配置により、台車1102を-Y軸方向に片寄せするために十分な力1110を容易に発生させることができる。
なお、コイル列104のX軸方向に沿った中心軸は、永久磁石列1104のX軸方向に沿った中心軸と必ずしも一致している必要はなく、第1実施形態と同様に-Y軸方向にオフセットされていてもよいし、+Y軸方向にオフセットされていてもよい。ただし、後者の場合、永久磁石列1104と片寄せ用ヨーク材1130との間に働く-Y軸方向の吸引力が、コイル列104と永久磁石列1104との間で働く+Y軸方向の吸引力を上回るようにコイル列104を配置する必要がある。
このように、片寄せ用ヨーク材1130を用いた本実施形態によっても、簡単な構成で台車1102の片寄せ搬送を実現することができる。
次に、本実施形態による永久磁石1202及び有心コイル1041の配置例について図10を用いて説明する。
ヨーク材1201、永久磁石1202及び有心コイル1041のコア1203のサイズ及び配置は、図3に示す場合と同様に、図10に示すとおりとすることができる。搬送モジュール110のX軸方向の長さも、図3に示す場合と同様に、520mmとすることができる。
有心コイル1041のコア1203のX軸方向に沿った中心軸は、永久磁石1202のX軸方向に沿った中心軸に対して、Y軸方向にオフセットしておらず、Y軸方向において一致している。
また、図3に示す場合と同様に、ヨーク材1201としてSS400を使用し、永久磁石1202としてNMX-37SHを使用し、有心コイル1041のコア1203として、50H470を使用することができる。
片寄せ用ヨーク材1130は、コイル列104の-Y軸方向の側にコイル列104に隣接して配置されている。片寄せ用ヨーク材1130のX軸方向に沿った中心軸は、有心コイル1041のコア1203のX軸方向に沿った中心軸に対して-Y軸方向にオフセットされている。また、片寄せ用ヨーク材1130は、有心コイル1041のコア1203よりも、永久磁石1202に近い位置に配置されている。
このように配置された片寄せ用ヨーク材1130と永久磁石1202との間に働く磁気吸引力により、台車1102は、片寄せ用ヨーク材1130の側の方向である-Y軸方向に片寄せされる。片寄せする力1110は、電磁界解析ソフトウェアであるJMAG等を用いたシミュレーションにより求めることができる。
なお、X軸方向に台車1102が移動する際のY軸方向の外乱の大きさによっては、台車1102をY軸用ローラー1106に片寄せするため、第1実施形態の場合と同様に片寄する力1110を大きくする必要がある。具体的には、永久磁石1202のサイズを大きくしたりすること等により、片寄せする力1110を大きくすることができる。
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、固定部である搬送モジュール110にコイル列104が配置され、可動部である台車1102に永久磁石列1104が配置されたMM型の搬送装置14の場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。搬送装置14は、MC型のものであってもよい。MC型の搬送装置14の場合、上記実施形態において説明したコイル列104と永久磁石列1104との関係を維持しつつ、固定部である搬送モジュール110に永久磁石列1104を配置し、可動部である台車1102にコイル列104を配置すればよい。
10 加工システム
12 搬送システム
14 搬送装置
100 搬送コントローラ
104 コイル列
107 制御装置
110 搬送モジュール
200 工程装置
201 工程コントローラ
1102 台車
1104 永久磁石列

Claims (16)

  1. 固定部と、
    永久磁石列及びコイル列のうちの一方である第1の列部を有する可動部とを有し、
    前記固定部は、
    前記永久磁石列及び前記コイル列のうちの他方であり、前記第1の列部と対向するように第1の方向に沿って配置された第2の列部と、
    前記第1の方向に沿って設けられ、前記第1の方向と交差する第2の方向における一方の側において前記第2の方向における前記可動部の位置をガイドする第1のガイド部と、
    前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する第3の方向における前記可動部の位置をガイドする第2のガイド部と
    を有し、
    前記可動部は、前記第1の列部と前記第2の列部との間に働く第1の吸引力を推進力として前記第1の方向に移動し、
    前記第1の列部及び前記第2の列部が、前記第1の列部と前記第2の列部との間において前記第2の方向における前記第1のガイド部の側に向かう方向に第2の吸引力が働くように配置されている
    ことを特徴とする搬送装置。
  2. 前記第2の列部の前記第1の方向に沿った中心軸は、前記第1の列部の前記第1の方向に沿った中心軸に対して前記第1のガイド部の側にオフセットされている
    ことを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
  3. 固定部と、
    永久磁石列及びコイル列のうちの一方である第1の列部を有する可動部とを有し、
    前記固定部は、
    前記永久磁石列及び前記コイル列のうちの他方であり、前記第1の列部と対向するように第1の方向に沿って配置された第2の列部と、
    前記第1の方向に沿って設けられ、前記第1の方向と交差する第2の方向における一方の側において前記第2の方向における前記可動部の位置をガイドする第1のガイド部と、
    前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する第3の方向における前記可動部の位置をガイドする第2のガイド部と
    前記第2の列部に隣接して前記第2の列部の前記第2の方向における前記一方の側に配置され、前記永久磁石列及び前記コイル列とは異なる磁性体と
    を有し、
    前記可動部は、前記第1の列部と前記第2の列部との間に働く第1の吸引力を推進力として前記第1の方向に移動し、
    前記第1の列部及び前記磁性体が、前記第1の列部と前記磁性体との間において前記第2の方向における前記第1のガイド部の側に向かう方向に第2の吸引力が働くように配置されている
    ことを特徴とする搬送装置。
  4. 前記磁性体の前記第1の方向に沿った中心軸は、前記第1の列部の前記第1の方向に沿った中心軸に対して前記第1のガイド部の側にオフセットされている
    ことを特徴とする請求項記載の搬送装置。
  5. 前記磁性体は、前記第1のガイド部の側に前記第2の列部に隣接し、前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する第3の方向において前記第2の列部よりも前記第1の列部に近い位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項記載の搬送装置。
  6. 前記第2の列部及び前記第1の列部は、それぞれ複数列である
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の搬送装置。
  7. 前記固定部は、曲線部を含み、
    前記第1のガイド部は、前記曲線部の外周部に配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の搬送装置。
  8. 前記固定部は、前記第1の方向において分岐元から第1の分岐先及び第2の分岐先に分岐する分岐部を含み、前記分岐元は、前記分岐部を介して前記第1の分岐先及び前記第2の分岐先に接続され、
    前記第1のガイド部は、前記分岐部の前記第2の方向の両側部に配置され、
    前記第2の列部は、前記両側部に配置された前記第1のガイド部の間において前記第2の方向に移動可能に配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の搬送装置。
  9. 前記第2の吸引力は、前記第2の方向において前記可動部に働く摺動抵抗力よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の搬送装置。
  10. 前記可動部は、前記第1のガイド部と摺動する摺動部を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の搬送装置。
  11. 前記摺動部の材質は、カーボン又はセラミックである
    ことを特徴とする請求項10記載の搬送装置。
  12. 前記摺動部は、前記第1の方向における端部にテーパー部を有する
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載の搬送装置。
  13. 前記第3の方向は、鉛直方向である
    ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の搬送装置。
  14. 前記第1の列部は、前記永久磁石列であり、
    前記第2の列部は、前記コイル列である
    ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の搬送装置。
  15. 請求項1乃至14のいずれか1項に記載された搬送装置と、
    前記可動部により搬送されるワークに対して加工を施す工程装置と
    を有することを特徴とする加工システム。
  16. 請求項15に記載の加工システムを用いて物品を製造する物品の製造方法であって、
    前記可動部により前記ワークを搬送する工程と、
    前記可動部により搬送された前記ワークに対して、前記工程装置により前記加工を施す工程と
    を有することを特徴とする物品の製造方法。
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