JP7378703B2 - 車両用操向装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両における操舵関連情報の反力をハンドルに発生させることが可能な車両用操向装置に関し、特にハンドルのコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)若しくはステアバイワイヤ(SBW)の反力装置に備えられている弾性体(例えばトーションバーや捩れコイルバネ)の捩れ角又は弾性体に発生するトルク(実操舵トルク)の操舵関連情報が、操舵角に応じた値に追従するように制御することにより所望の操舵トルクを実現し、路面の状態に影響されず、操舵角に対して同等の操舵トルクを実現する車両用操向装置に関する。
モータ制御装置を搭載した装置として例えば電動パワーステアリング装置(EPS)があり、電動パワーステアリング装置は、車両の操舵系にモータの回転力でアシスト力(操舵補助力)を付与するものであり、インバータから供給される電力で制御されるモータの駆動力を、減速機構を含む伝達機構を介して、ステアリングシャフト或いはラック軸にアシスト力を付与する。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシスト力を正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック(FB)制御を行っている。フィードバック制御は、操舵補助指令値(電流指令値)とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)制御のデューティの調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速機構(ウォームとウォームホイールの噛み合い機構で減速比=N)3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、トーションバーを有するコラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクTsを検出するトルクセンサ10及び操舵角θhを検出する舵角センサ14が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速機構3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)30には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTsと車速センサ12で検出された車速Vsとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の電流指令値の演算を行い、電流指令値に補償等を施した電圧制御指令値Vrefによって、EPS用モータ20に供給する電流を制御する。
コントロールユニット30には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)40が接続されており、車速VsはCAN40から受信することも可能である。また、コントロールユニット30には、CAN40以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN41も接続可能である。
コントロールユニット30は主としてCPU(Central Processing Unit)(MCU(Micro Controller Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等も含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと、図2のようになる。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTs及び車速センサ12で検出された(若しくはCAN40からの)車速Vsは、電流指令値Iref1を演算する電流指令値演算部31に入力される。電流指令値演算部31は、入力された操舵トルクTs及び車速Vsに基づいてアシストマップ等を用いて、モータ20に供給する電流の制御目標値である電流指令値Iref1を演算する。電流指令値Iref1は加算部32Aを経て電流制限部33に入力され、最大電流を制限された電流指令値Irefmが減算部32Bに入力され、フィードバックされているモータ電流値Imとの電流偏差ΔI(=Irefm-Im)が演算され、その電流偏差ΔIが操舵動作の特性改善のためのPI(比例積分)制御部35に入力される。PI制御部35で特性改善された電圧制御指令値VrefがPWM制御部36に入力され、更に駆動部としてのインバータ37を介してモータ20がPWM駆動される。モータ20のモータ電流値Imはモータ電流検出器38で検出され、減算部32Bにフィードバックされる。
加算部32Aには補償信号生成部34からの補償信号CMが加算されており、補償信号CMの加算によって操舵システム系の特性補償を行い、収れん性や慣性特性等を改善するようになっている。補償信号生成部34は、測定若しくは推定されたセルフアライニングトルク(SAT)34-3と慣性34-2を加算部34-4で加算し、その加算結果に更に収れん性34-1を加算部34-5で加算し、加算部34-5の加算結果を補償信号CMとしている。
このように従来のアシスト制御では、運転者の手入力にて加えた操舵トルク(トーションバーの捻れトルク)をトルクセンサで検出し、主にそのトルクに応じたアシスト電流としてモータ電流を制御している。しかしながら、この手法では、路面の状態(例えば傾斜)の違いにより、操舵角によって異なる操舵トルクとなってしまうことがある。また、モータ出力特性の経年、製品によるバラツキにもより、異なる操舵特性になってしまう。
かかる問題を解決する車両制御装置として、例えば特許第5208894号公報(特許文献1)に示されるものがある。特許文献1の装置は、運転者の触覚特性に基づく適切な操舵トルクを与えることができるように、操舵角検出手段と、目標設定手段と、目標設定手段によって設定された操舵トルクの目標値が実現されるように制御する制御手段とを具備している。
特許第5208894号公報
しかしながら、特許文献1の装置では、操舵角と操舵トルクとの対応関係を、操舵角又は操舵トルクと手応え量との関係に基づいて予め求めておく必要があり、その対応関係から操舵角に対応する操舵トルクを目標値として設定しなければならない煩雑さがある。また、特許文献1の装置は、操舵トルクの目標値と検出される操舵トルクとの偏差に対してPI制御を用いているため、検出される操舵トルクが、操舵トルクの目標値に対して、遅れて追従する場合がある。つまり、PI制御のみを用いているため、実トルクの追従性が悪い。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、弾性体の捩れ角又は弾性体に発生するトルク(実操舵トルク)の操舵関連情報を、操舵角に応じた値に追従するように制御することにより所望の操舵トルクを実現し、路面の状態に影響されず、操舵角に対して同等の操舵トルクを実現する車両用操向装置を提供することにある。PI制御にフィードフォワード(FF)制御を付加することにより、実操舵トルクの追従性が向上する。
本発明は、車両のハンドルのコラム軸に弾性体を備え、前記コラム軸に接続されたモータを電流指令値に基づいて駆動制御することにより、操舵系をアシスト制御する車両用操向装置に関し、本発明の上記目的は、操舵角、車速及びモータ角速度に基づいて目標捩れ角を算出する目標捩れ角算出部と、前記目標捩れ角及び前記弾性体の捩れ角に基づいて前記電流指令値を算出する捩れ角制御部とを備え、前記捩れ角制御部は前記目標捩れ角をフィードフォワード補償して追従性を向上するフィードフォワード補償部を有しており、前記捩れ角を前記目標捩れ角に追従するように制御することにより、或いは操舵角、車速及びモータ角速度に基づいて目標操舵トルクを算出する目標操舵トルク算出部と、前記目標操舵トルク及び前記弾性体の実操舵トルクに基づいて前記電流指令値を算出するトルク制御部とを備え、前記トルク制御部は前記目標操舵トルクをフィードフォワード補償して追従性を向上するフィードフォワード補償部を有しており、前記実操舵トルクを前記目標操舵トルクに追従するように制御することにより達成される。
また、本発明は、第1の電流指令値により駆動される反力用モータを備えて、車両のハンドルの、弾性体を有するコラム軸に接続された反力装置と、第2の電流指令値により駆動される駆動用モータを備えて、前記駆動用モータにより操向車輪を転舵する駆動装置と、前記反力装置及び前記駆動装置を制御する制御部とを具備し、前記車両の操舵系を、前記駆動装置を介してアシスト制御するステアバイワイヤの車両用操向装置に関し、本発明の上記目的は、前記ハンドルの操舵角、車速及び前記反力用モータのモータ角速度に基づいて目標捩れ角を算出する目標捩れ角算出部と、前記目標捩れ角及び前記弾性体の捩れ角に基づいて前記第1の電流指令値を算出する捩れ角制御部とを備え、前記捩れ角制御部は前記目標捩れ角をフィードフォワード補償して追従性を向上するフィードフォワード補償部を有しており、前記捩れ角を前記目標捩れ角に追従するように制御することにより、或いは前記ハンドルの操舵角、車速及び前記反力用モータのモータ角速度に基づいて目標操舵トルクを算出する目標操舵トルク算出部と、前記目標操舵トルク及び前記弾性体の実操舵トルクに基づいて前記第1の電流指令値を算出するトルク制御部とを備え、前記トルク制御部は前記目標操舵トルクをフィードフォワード補償して追従性を向上するフィードフォワード補償部を有しており、前記実操舵トルクを前記目標操舵トルクに追従するように制御することにより達成される。
本発明の車両用操向装置によれば、捩れ角制御部若しくはトルク制御部内に、目標捩れ角若しくは目標操舵トルクをフィードフォワード(FF)補償するFF補償部が設けられているので、目標捩れ角に捩れ角が追従する動作若しくは目標操舵トルクに実操舵トルクが追従する動作を一層向上させることができる。
従来の電動パワーステアリング装置(上流型)の概要を示す構成図である。 電動パワーステアリング装置のコントロールユニット(ECU)内の制御構成例を示すブロック図である。 本発明の基本構成(第1実施形態)を示すブロック図である。 EPS操舵系と各種センサの設置例(捩れ角制御)を示す構造図である。 本発明の基本的な動作例(第1実施形態)を示すフローチャートである。 目標操舵トルク生成部の構成例を示すブロック図である。 基本マップの特性例を示す線図である。 車速感応ダンパゲインマップの特性例を示す線図である。 操舵の切増し/切戻しを説明するための線図である。 ヒステリシス補正部の特性例を示す線図である。 目標操舵トルク生成部の動作例を示すフローチャートである。 捩れ角制御部の構成例(実施例1(捩れ角))を示すブロック図である。 捩れ角制御部(実施例1(捩れ角))の動作例を示すフローチャートである。 本発明の効果を説明するための特性図(ボード線図)である。 捩れ角制御部の構成例(実施例2(捩れ角))を示すブロック図である。 捩れ角制御部(実施例2(捩れ角))の動作例を示すフローチャートである。 捩れ角制御部の構成例(実施例3(捩れ角))を示すブロック図である。 捩れ角制御部(実施例3(捩れ角))の動作例を示すフローチャートである。 従来の電動パワーステアリング装置(下流型)の概要を示す構成図である。 従来の電動パワーステアリング装置(下流型)の概要を示す構成図である。 従来の電動パワーステアリング装置(下流型)の概要を示す構成図である。 従来の電動パワーステアリング装置(下流型)の概要を示す構成図である。 従来の電動パワーステアリング装置(下流型)の概要を示す構成図である。 捩れ角制御のSBWシステムの概要を示す構成図(第2実施形態)である。 捩れ角制御のSBWシステムの構成例(第2実施形態)を示す機構図である。 本発明の構成例(第2実施形態)を示すブロック図である。 目標転舵角生成部の構成例を示すブロック図である。 転舵角制御部の構成例を示すブロック図である。 本発明の動作例(第2実施形態)を示すフローチャートである。 本発明の基本構成(第3実施形態)を示すブロック図である。 EPS操舵系と各種センサの設置例(トルク制御)を示す構造図である。 本発明の基本的な動作例(第3実施形態)を示すフローチャートである。 トルク制御部の構成例(実施例1(トルク))を示すブロック図である。 トルク制御部(実施例1(トルク))の動作例を示すフローチャートである。 トルク制御部の構成例(実施例2(トルク))を示すブロック図である。 トルク制御部(実施例2(トルク))の動作例を示すフローチャートである。 トルク制御部の構成例(実施例3(トルク))を示すブロック図である。 トルク制御部(実施例3(トルク))の動作例を示すフローチャートである。 トルク制御のSBWシステムの概要を示す構成図(第4実施形態)である。 トルク制御のSBWシステムの構成例(第4実施形態)を示す機構図である。
本発明は、路面の状態に影響されず、操舵角に対して同等の操舵トルクを実現するための車両用操向装置であり、車両のハンドルのコラム軸若しくはステアバイワイヤ(SBW)の反力装置に備えられている弾性体(トーションバー、捩れコイルバネなど)の捩れ角又は弾性体に発生するトルク(実操舵トルク)といった操舵関連情報が、操舵角に応じた値に追従するように制御することにより所望の操舵トルクを実現している。捩れ角制御部若しくはトルク制御部内に、目標捩れ角若しくは目標操舵トルクをフィードフォワード(FF)補償するFF補償部を設けているので、目標捩れ角に捩れ角が追従する動作若しくは目標操舵トルクに実操舵トルクが追従する動作を一層向上させることができる。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
先ず、操舵関連情報が、弾性体の捩れ角である場合について説明する。
図3は本発明の基本構成を、コラム型電動パワーステアリング装置について示すブロック図(第1実施形態)であり、運転者のハンドル操舵はEPSプラント(操舵系+車両系)100内のモータでアシスト制御される。車両運転情報として操舵角θh、車速Vs、モータ角速度ωmが目標操舵トルク生成部120に入力され、目標操舵トルク生成部120で生成された目標操舵トルクTrefは、弾性体としてのトーションバー2Aのバネ定数をKtとして、“1/Kt”の特性を有する変換部101で目標捩れ角Δθrefに変換され、目標捩れ角Δθrefは捩れ角制御部150に入力される。捩れ角制御部150には追従性を向上するフィードフォワード(FF)補償部が設けられており、捩れ角制御部150には変換部101から目標捩れ角Δθrefが入力されると共に、検出されたトーションバーの捩れ角ΔθがEPSプラント100から入力されており、捩れ角制御部150で捩れ角Δθが目標捩れ角Δθrefとなるような電流指令値Irefsが演算され、電流指令値IrefsによりEPSプラント100内のモータが駆動される。
なお、目標操舵トルク生成部120と変換部101とで、目標捩れ角Δθrefを算出する目標捩れ角算出部を構成している。
EPS操舵系と各種センサの設置例は図4に示すようになっており、ハンドル1のコラム軸2には弾性体としてのトーションバー2Aが備えられている。トーションバー2Aに代えて、捩れコイルバネでも良い。操向車輪8L,8Rには路面反力Fr及び路面情報μが作用し、トーションバー2Aを挟んでコラム軸2のハンドル1側には上側角度センサ(角度θ10)が設けられ、トーションバー2Aを挟んでコラム軸2の操向車輪側には下側角度センサ(角度θ11)が設けられている。操舵角θhはコラム軸2の上部に設けられた舵角センサで検出され、上側角度センサの角度θ10及び下側角度センサの角度θ11の偏差から、下記数1及び数2によってトーションバー捩れ角Δθ及びトーションバートルクTtを求めることができる。なお、Ktはトーションバー2Aのバネ定数である。
(数1)
θ10-θ11=Δθ
(数2)
Kt・Δθ=Kt・(θ10-θ11)=Tt

なお、トーションバートルクTtは、トーションバー上下の角度差を検出する方法に代えて、磁歪式、光学式、圧電式、静電容量式など、公知のトルクセンサを用いて検出することができる。
このような構成において、本発明の動作例(第1実施形態)を図5のフローチャートを参照して説明する。
先ず、操舵角θh、車速Vs及びモータ角速度ωmが目標操舵トルク生成部120に入力され(ステップS1)、目標操舵トルク生成部120は目標操舵トルクTrefを生成する(ステップS10)。目標操舵トルクTrefは変換部101に入力され、変換部101でバネ定数Ktの逆数“1/Kt”を乗算されて目標捩れ角Δθrefに変換される(ステップS30)。変換部101からの目標捩れ角Δθref、EPSプラント100からの捩れ角Δθがそれぞれ捩れ角制御部150に入力され(ステップS31)、捩れ角制御部150は後述するような捩れ角制御により、捩れ角Δθが目標捩れ角Δθrefに追従するような電流指令値Irefsを演算し(ステップS40)、電流指令値Irefsに基づいてモータを駆動し、電流制御が実施される(ステップS90)。
なお、図5におけるデータの入力順番は適宜変更可能である。
図6は目標操舵トルク生成部120の構成を一例として示しており、操舵角θhは基本マップ121及び微分部122に入力されると共に、後述する切増し/切戻し判定部130及びヒステリシス補正部131に入力される。基本マップ121は図7に示すような構成であり、操舵角θhは車速Vsをパラメータとするマップ121Aに入力されると共に、符号部121Bに入力される。マップ121Aからは車速Vsをパラメータとするトルク信号Trefaが出力され、符号部121Bからは判定された正又は負の符号SGNが出力される。トルク信号Trefaは乗算部121Cで符号SGNと乗算され、乗算結果であるトルク信号Tref_a(=SGN・Trefa)が出力される。図7では操舵角θhの絶対値|θh|でマップを構成しているが、正負の符号を判定し、符号を乗算した操舵角θhに応じてトルク信号Tref_aを出力するようにしても良い。トルク信号Tref_aは加算部123に入力される。
また、微分部122からは、操舵角θhを微分して得られる舵角速度ωhが出力され、舵角速度ωhは乗算部125に入力される。乗算部125には車速感応ダンパゲインマップ124から車速感応ダンパゲインDが入力されており、乗算結果(=D・ωh)であるトルク信号Tref_bは加算部126に入力される。車速感応ダンパゲインDは車速感応ダンパゲインマップ124から車速Vsに応じて出力され、例えば図8に示すように、車速Vsが高くなるに従って徐々に大きくなる特性である。
切増し/切戻し判定部130は例えば図9に示すように、操舵角θh及びモータ角速度ωmの正負関係で切増し/切戻し操舵の判定を行い、判定結果である操舵状態STsをヒステリシス補正部131に入力する。また、操舵トルクTsの符号と操舵トルク変化率の符号とが同一で、かつ操舵トルク変化率の絶対値が所定値以上のときに切増しと判定し、操舵トルクTsの符号と操舵トルク変化率の符号とが異符号で、かつ操舵トルク変化率の絶対値が所定値以上のときに切戻しと判定するようにしても良い。更に、操舵トルクTsとモータ回転速度の符号が同一の場合に切増しと判定し、異符号の場合に切戻しと判定するようにしても良い。
ヒステリシス補正部131には操舵状態STs及び操舵角θhが入力されており、ヒステリシス補正部131は操舵角θh及び操舵状態STsに基づき、下記数3に従ってトルク信号Tref_cを演算する。ただし、x=θh、y=Tref_cとしている。トルク信号Tref_cは加算部126に入力される。
Figure 0007378703000001

切増し操舵から切戻し操舵へ切り替える際、若しくは切戻し操舵から切増し操舵へ切り替える際に、最終座標(x1,y1)の値に基づき、切り替え後の数3の“b”に以下の数4を代入する。これにより、切り替え前後の連続性が保たれる。
Figure 0007378703000002

数3及び数4においてAhys=1[Nm]、a=0.3と設定し、0[deg]から開始し、+50[deg]、-50[deg]の操舵をした場合の、ヒステリシス補正されたトルク信号Tref_cの線図例を図10に示す。即ち、ヒステリシス補正部131からのトルク信号Tref_cは、0の原点→a(細線)→b(破線)→c(太線)のようなヒステリシス特性である。
このような構成において、目標操舵トルク生成部120の動作例(図5のステップS10)を、図11のフローチャートを参照して説明する。
先ず、操舵角θh、モータ角速度ωm及び車速Vsが入力され(ステップS11)、基本マップ121は図7の構成及び特性に従い、操舵角θh及び車速Vsに応じたトルク信号Tref_aを生成して出力し、トルク信号Tref_aを加算部123に入力する(ステップS12)。操舵角θhは微分部122、切増し/切戻し判定部130及びヒステリシス補正部131にも入力され、微分部122は操舵角θhを微分して舵角速度ωhを出力し(ステップS13)、車速感応ダンパゲインマップ124は車速Vsに応じた車速感応ダンパゲインDを演算して出力し(ステップS14)、乗算部125は舵角速度ωh及び車速感応ダンパゲインDを乗算してトルク信号Tref_bを演算し、トルク信号Tref_bを加算部126に入力する(ステップS15)。
また、切増し/切戻し判定部130は操舵の切増し/切戻しを図9の特性に従って判定し、判定結果である操舵状態STsをヒステリシス補正部131に入力する(ステップS16)。ヒステリシス補正部131は、操舵角θh及び操舵状態STsに応じて数3及び数4の演算を行ってヒステリシス補正を実施し、トルク信号Tref_cを生成する(ステップS17)。トルク信号Tref_cは加算部126に入力される。
上述のようにして得られたトルク信号Tref_a、トルク信号Tref_b及びトルク信号Tref_cは、出力部を構成する加算部123及び126で加算され(ステップS18)、加算結果である目標操舵トルクTrefが出力される(ステップS19)。即ち、トルク信号Tref_b及びトルク信号Tref_cが加算部126で加算され、その加算結果にトルク信号Tref_aが加算部123で加算され、その加算結果が目標操舵トルクTrefとして出力される。
なお、図11のデータ入力及び演算等の順番は適宜変更可能である。また、トルク信号Tref_b及びトルク信号トルク信号Tref_cによる目標操舵トルクの修正は必ずしも必要ではなく、適宜採用しても良い。
次に、捩れ角制御部150について説明する。
図12は、捩れ角制御部150の構成例(実施例1)を示すブロック図であり、目標捩れ角Δθrefは、追従性(目標値追従性)を向上させるためのフィードフォワード(FF)補償部(CFF)151に入力され、FF補償された補償後目標捩れ角Δθref’は減算部152に加算入力される。FF補償部151はCFF=Kf(単純なゲイン)で良く、1次フィルタ、2次フィルタ、4次フィルタ若しくはそれ以上の次数のフィルタでも良い。単純なゲインKfで設定する場合には、例えば補償後目標捩れ角Δθref’に対する捩れ角Δθの低周波域における目標値追従性が0[dB]にならない場合に、0[dB]に調整する際の簡易的な手段として利用することができる。つまり、目標捩れ角Δθrefに対する捩れ角Δθの目標値追従性ゲインの大小のみの調整に用いる。また、1次フィルタ、2次フィルタ、4次フィルタのフィルタで設定する場合には、目標値追従性のゲインの大小のみに限らず、周波数特性の調整を行う際に用いる。
EPSプラント100からの捩れ角Δθは、減算部152に減算入力されると共に微分部153に入力され、補償後目標捩れ角Δθref’との角度偏差Δθ(=Δθref’-Δθ)が減算部152で算出され、角度偏差Δθは補償値CFB(伝達関数)の捩れ角フィードバック(FB)補償部170に入力される。捩れ角FB補償部170は角度偏差Δθに対して補償値CFB(伝達関数)を乗算し、目標捩れ角Δθrefに捩れ角Δθが追従するような目標捩れ角速度ωreftを出力する。目標捩れ角速度ωreftは、I-P制御(比例先行型PI制御)の速度制御部160に入力される。
また、捩れ角Δθは微分部153に入力されて微分され、微分により得られた捩れ角速度ωcが速度制御部160に入力される。速度制御部160は、目標捩れ角速度ωreftと捩れ角速度ωcの角速度偏差Δωt(=ωreft―ωc)を求める減算部161と、角速度偏差Δωtを積分処理(Kvi/s)する積分部162と、捩れ角速度ωcを比例処理(Kvp)する比例部163と、積分部162の出力及び比例部163の出力の偏差である電流指令値Irefvを求める減算部164とで構成されている。I-P制御の速度制御部160は、目標捩れ角速度ωreftに捩れ角速度ωcが追従するような電流指令値Irefvを算出する。速度制御部160の後段にリミッタ154が設けられており、電流指令値Irefvの上下限値を制限された電流指令値Irefsが出力される。
本発明の捩れ角制御では、捩れ角フィードバック(FB)補償部170と速度制御部160があれば、基本的には目標捩れ角Δθrefに捩れ角Δθを追従させて所望の操舵トルクを実現することが可能である。捩れ角フィードバック(FB)補償部170は伝達関数CFB=Kpp(単純ゲイン)としても機能するし、PI補償器、その他一般的に用いられている補償器でも実現可能である。また、積分部162の積分演算は、過去値に入力を積算する方式でも良いし、1次遅れフィルタによる擬似的な積分でも良い。微分部153における微分演算は、過去値と入力(現在値)の差分に基づくものでも良いし、1次のハイパスフィルタ(HPF)による擬似的な微分でも良い。本発明の捩れ角制御では、更にフィードフォワード(FF)補償部151が設けられているので、目標捩れ角Δθrefに対する捩れ角Δθの追従性(目標値追従性)を一層向上させることができる。
このような構成において、捩れ角制御部150(実施例1)の動作例を、図13のフローチャートを参照して説明する。
先ず目標捩れ角Δθrefが入力され(ステップS31)、FF補償部151でFF補償が実施され(ステップS32)、次いで捩れ角Δθが入力され(ステップS33)、減算部152で、目標捩れ角Δθrefと捩れ角Δθの角度偏差Δθが算出される(ステップS34)。角度偏差Δθは捩れ角FB補償部170に入力されて捩れ角FB補償され(ステップS35)、FB補償された目標捩れ角速度ωreftが速度制御部160内の減算部161に加算入力される。また、EPSプラント100からの捩れ角Δθは微分部153に入力されて捩れ角速度ωcが演算され、捩れ角速度ωcは減算部161及び比例部163に入力される(ステップS36)。減算部161で、目標捩れ角速度ωreftと捩れ角速度ωcの角速度偏差Δωtが算出され(ステップS40)、角速度偏差Δωtが積分部162で積分処理された積分出力が減算部164に加算入力される(ステップS41)。また、捩れ角速度ωcを比例処理した比例部163からの比例出力は、減算部164に減算入力され(ステップS42)、減算部164で、積分出力から比例出力を減算して電流指令値Irefvが演算される(ステップS43)。速度制御部160の減算部164からの電流指令値Irefvはリミッタ154で上下限値を制限され、電流指令値Irefsが出力される(ステップS44)。
なお、図13のデータ入力及び演算等の順番は適宜変更可能である。
以下に示す方法で、FF補償部151を設定することにより、目標捩れ角Δθrefに対する捩れ角Δθの伝達特性(つまり、目標値追従性)を所望の伝達関数に近づけることができる。先ず、上記の捩れ角制御部150、EPSプラント100を考慮した数値計算により、操舵角θhを0[deg]に固定し、なおかつFF補償部151をスルー設定(ゲイン“1.0”の設定)とした状態で、目標捩れ角Δθrefから捩れ角Δθへの伝達特性をスイープ入力により求める。FF補償部151をスルー設定とした場合には、例えば図14に示すような太線の周波数特性(伝達特性)が得られる。この太線の周波数特性(伝達特性)は、FF補償部151を適用する前の目標値追従性(伝達特性)と考えることができる。次に、太線の周波数特性(伝達特性)を伝達関数(2次の連続系)にフィッティングする。次に、所望の伝達関数Gmを下記数5に設定する。最後に、伝達関数(フィッティング結果)を所望の伝達関数Gmにするために、FF補償部151の伝達関数(連続系)を下記数6のCFF=Gm/Grefに基づいて設定する。今回の事例では、設定したFF補償部151の伝達関数(連続系)は2次の伝達関数である。
Figure 0007378703000003
Figure 0007378703000004

上記捩れ角制御部150、EPSプラント100を考慮した数値計算において、操舵角θhを0[deg]に固定した状態で、FF補償部151を上記数6で設定した状態において、目標捩れ角Δθrefから捩れ角Δθへの伝達特性をスイープ入力により求めると、図14の“*”に示すような特性が得られる。この伝達特性は、FF補償部151を適用した後の目標値追従性(伝達特性)と考えることができる。即ち、FF補償部151を適用する前の目標値追従性(伝達特性)と比較して、FF補償部151を適用した後の目標値追従性(伝達特性)を改善することができる。
また、捩れ角制御部150の構成は、図15(実施例2)に示すように目標捩れ角Δθrefを分岐して、FF補償部151A及び減算部152に入力しても良い。この構成によっても、目標捩れ角Δθrefへの追従性を一層向上させることができる。
即ち、目標捩れ角Δθrefは、伝達関数CFFAのFF補償部151A及び減算部152に入力され、減算部152で求められた捩れ角Δθとの角度偏差Δθ(=Δθref-Δθ)が捩れ角FB補償部170に入力される。FF補償部151AからはFF補償された補償後捩れ角速度ωrefbが出力され、捩れ角FB補償部170からはFB補償された補償後捩れ角速度ωrefaが出力され、補償後捩れ角速度ωrefa及びωrefbは加算部155に入力される。加算部155での加算結果である目標捩れ角速度ωrefcは、I-P制御(比例先行型PI制御)の速度制御部160内の減算部161に加算入力される。また、捩れ角Δθは微分部153に入力されて微分され、微分により得られた捩れ角速度ωcが速度制御部160内の減算部161に減算入力されると共に、比例部163に入力される。速度制御部160の構成は、上述した実施例1と同様である。
ここで、図15におけるFF補償部151Aの伝達関数CFFAの算出方法を説明する。以下に示す方法により、FF補償部151Aの伝達関数CFFAを設定することで、目標捩れ角Δθrefに対する捩れ角Δθの伝達特性(即ち、目標値追従性)を所望の伝達関数Gmに近づけることができる。先ず、上記の捩れ角制御部150、EPSプラント100を考慮した数値計算において、操舵角θhを0[deg]に固定し、なおかつFF補償部151Aのゲインを“0”に設定した状態で、目標捩れ角Δθrefから捩れ角Δθへの周波数特性(伝達特性)を求める。ここで求めた周波数特性(伝達特性)は、FF補償部151Aを適用する前の目標値追従性(伝達特性)と考えることができる。次に、求めた周波数特性(伝達特性)を伝達関数(2次の連続系)にフィッティングし、フィッティグした伝達関数をGrefとする。最後に、FF補償部151Aの伝達関数(連続系)CFFAを下記数7に基づいて設定する。なお、数7の“CFB”は捩れ角FB補償部170の伝達関数である。
Figure 0007378703000005

このような構成において、捩れ角制御部150(実施例2)の動作例を、図16のフローチャートを参照して説明する。
先ず目標捩れ角Δθref及び捩れ角Δθが入力され(ステップS50)、FF補償部151AでFF補償が実施され(ステップS51)、FF補償された補償後捩れ角速度ωrefbは加算部155に入力される。また、減算部152で角度偏差Δθが算出され(ステップS52)、角度偏差Δθは捩れ角FB補償部170に入力されて捩れ角FB補償され(ステップS53)、FB補償された補償後捩れ角速度ωrefaが加算部155に入力される。そして、加算部155で補償後捩れ角速度ωrefa及びωrefbが加算され(ステップS54)、加算結果である目標捩れ角速度ωrefcが、速度制御部160内の減算部161に加算入力される。また、捩れ角Δθは微分部153に入力されて捩れ角速度ωcが演算され、捩れ角速度ωcは減算部161及び比例部163に入力される(ステップS55)。速度制御部160内の減算部161で角速度偏差Δωtが算出され(ステップS60)、角速度偏差Δωtが積分部162で積分処理された積分出力が減算部164に加算入力される(ステップS61)。捩れ角速度ωcを比例処理した比例部163からの比例出力は、減算部164に減算入力され(ステップS62)、減算部164で、積分出力から比例出力が減算されて電流指令値Irefuが演算される(ステップS63)。速度制御部160からの電流指令値Irefuはリミッタ154で上下限値を制限され、電流指令値Irefsが出力される(ステップS64)。
なお、図16のデータ入力及び演算等の順番は適宜変更可能である。
また、本発明では速度制御部160を省略して、捩れ角FB補償部により直接電流指令値を演算する構成に、FF補償部151を適用しても良い。その構成例(実施例3)を図17に示して説明する。
本実施例3では図17に示すように、目標捩れ角Δθrefを入力するFF補償部151と、FF補償部151からの補償後目標捩れ角Δθref’及び捩れ角Δθを入力する捩れ角FB補償部170Aと、捩れ角FB補償部170Aからの電流指令値Irefwの上下限値を制限して電流指令値Irefsを出力するリミッタ154とで構成されている。
捩れ角FB補償部170Aは、FF補償部151からの補償後目標捩れ角Δθref’と捩れ角Δθの角度偏差Δθを求める減算部171と、角度偏差Δθを積分処理(Ki/s)する積分部172と、角度偏差Δθを比例処理(Kp)する比例部173と、積分部172及び比例部173の各出力を加算して電流指令値Irefs1を出力する加算部174と、捩れ角Δθを微分する微分部176と、微分部176から出力される捩れ角速度Δθ’を比例処理して電流指令値Irefs2を出力する比例部177と、電流指令値Irefs1及び電流指令値Irefs2の電流偏差である電流指令値Irefwを求める減算部175とで構成されている。捩れ角FB補償部170Aの後段にリミッタ154が設けられており、電流指令値Irefwの上下限値を制限された電流指令値Irefsが出力される。加算部174及び減算部175で出力部を構成している。
このような構成において、その動作例を図18のフローチャートを参照して説明する。
先ず目標捩れ角Δθref及び捩れ角Δθが入力され(ステップS70)、FF補償部151でFF補償が実施され(ステップS71)、FF補償された補償後目標捩れ角Δθref’は捩れ角FB補償部170A内の減算部171に加算入力される。捩れ角FB補償部170A内の減算部171で、補償後目標捩れ角Δθref’及び捩れ角Δθの角度偏差Δθが算出され(ステップS80)、角度偏差Δθは積分部172及び比例部173に入力され、角度偏差Δθが積分部172で積分処理され、積分処理の結果が加算部174に入力され(ステップS81)、比例部173で比例処理され、比例処理の結果が加算部174に入力される(ステップS82)。加算部174は積分部172及び比例部173の各出力を加算し、加算結果である電流指令値Irefdを出力する(ステップS83)。また、捩れ角Δθは捩れ角FB補償部170A内の微分部176で微分処理され(ステップS84)、微分部176から出力される捩れ角速度Δθ’は比例部177に入力されて比例処理(Kd)される(ステップS85)。比例部177で比例処理された電流指令値Irefeは減算部175に減算入力され、減算部175で電流指令値Irefdとの偏差である電流指令値Irefw(=Irefd―Irefe)が演算される(ステップS86)。捩れ角FB補償部170A内の減算部175からの電流指令値Irefwはリミッタ154で上下限値を制限され、電流指令値Irefsが出力される(ステップS73)。
なお、図18のデータ入力及び演算等の順番は適宜変更可能である。
また、操舵角θhは、トーションバー2Aの下側角度のコラム角θc(下側角度センサθ11)を入力し、算出するようにしても良い。即ち、捩れ角Δθ、操舵角θh及びコラム角θcの関係は、下記数8となる。
(数8)
Δθ=θh-θc
数8を操舵角θhについて変形すると、下記数9となる。
(数9)
θh=θc+Δθ

よって、捩れ角Δθ及びコラム角θcを加算部に入力し、加算部で数9を演算することによって操舵角θhを得ることもできる。
また、基本マップ121及びヒステリシス補正部131は車速Vsに感応したものでも良く、基本マップ121の後段若しくは前段に位相補償部を挿入しても良い。捩れ角制御部150の電流指令値Irefに従来のアシスト制御の電流指令値、或いはSAT推定値の電流指令値、或いはハンドル振動抑制のための電流指令値を加算しても良い。
更に、上述の実施例では速度制御部をI-P制御(比例先行型PI制御)で構成しているが、PI制御、P制御、PID制御、PI-D制御、モデルマッチング制御、モデル規範制御などの一般的に用いられるものでも良い。
上述の実施例では、舵角速度は、操舵角θhに対する微分演算により求めているが、高域のノイズの影響を低減するために適度にLPF処理を実施している。また、HPF(ハイパスフィルタ)とゲインにより、微分演算とLPFの処理を実施しても良い。
上述の実施例1~3での捩れ角制御部150は、直接的にモータ電流指令値Irefを演算しているが、それらモータ電流指令値Irefを演算する前に、先ず出力したいモータトルク(若しくは目標モータトルク)を演算してから、モータ電流指令値を演算するようにしても良い。この場合、モータトルクからモータ電流指令値を求めるには、一般的に用いられている、モータ電流とモータトルクの関係を使用する。
上述ではコラム型(上流型)電動パワーステアリング装置に適用した例(第1実施形態)を説明しているが、本発明はコラム型等の上流型に限られず、図19に概略構成を示すシングルピニオン方式、図20に概略を示すデュアルピニオン方式、図21に概略構成を示すデュアルピニオン方式(変形例)、図22に概略を示すラック同軸方式、図23に概略を示すラックオフセット方式の下流型にも適用することができ、更に以下に説明するステアバイワイヤ(SBW)反力装置にも適用可能である。以下に、本発明を、トーションバーを備えたステアバイワイヤ反力装置に適用した場合の実施形態(第2実施形態)について説明する。
先ずは、ステアバイワイヤ反力装置を含むステアバイワイヤシステム全体について説明する。図24及び図25はステアバイワイヤシステムの構成例を、図1に示される電動パワーステアリング装置の一般的な構成に対応させて示しており、図25は図4に対応する機構図である。
ステアバイワイヤシステムは、ユニバーサルジョイント4aにてコラム軸2と機械的に結合されるインターミディエイトシャフトがなく、ハンドル1の操作を電気信号によって操向車輪8L,8R等から成る転舵機構に伝えるシステムである。図24及び図25に示されるように、ステアバイワイヤシステムは反力装置200及び駆動装置300を備え、コントロールユニット(ECU)50が両装置の制御を行う。反力装置200は、舵角センサ14にて操舵角θhの検出を行うと同時に、操向車輪8L,8Rから伝わる車両の運動状態を反力トルクとして運転者に伝達する。反力トルクは、反力用モータ201により生成される。なお、ステアバイワイヤシステムの中には、反力装置内にトーションバーや捩れコイルバネを有さないタイプもあるが、本発明を適用するステアバイワイヤシステムはトーションバー等の弾性体を有するタイプであり、トルクセンサ10にて操舵トルクTsを検出する。また、角度センサ202が、反力用モータ201のモータ角θmを検出する。駆動装置300は、運転者によるハンドル1の操舵に合わせて、駆動用モータ301を駆動し、その駆動力を、ギア302を介してピニオンラック機構5に付与し、タイロッド6a,6bを経て、操向車輪8L,8Rを転舵する。ピニオンラック機構5の近傍には角度センサ303が配置されており、操向車輪8L,8Rの転舵角θtを検出する。コントロールユニット50は、反力装置200及び駆動装置300を協調制御するために、両装置から出力される操舵角θhや転舵角θt等の情報に加え、車速センサ12からの車速Vs等を基に、反力用モータ201を駆動制御する電圧制御指令値Vref1及び駆動用モータ301を駆動制御する電圧制御指令値Vref2を生成する。
このようなステアバイワイヤシステムに、本発明の捩れ角制御を適用した第2実施形態の構成について説明する。
図26は第2実施形態の構成を、図3に対応させて示すブロック図である。第2実施形態は、捩れ角Δθに対する制御(以下、「捩れ角制御」とする)と、転舵角θtに対する制御(以下、「転舵角制御」とする)を行い、反力装置200を上述した捩れ角制御(実施例1~3)で制御し、駆動装置300を転舵角制御で制御する。即ち、捩れ角制御部は、目標捩れ角フィードフォワード補償するFF補償部を備えている。なお、駆動装置300は他の制御方法で制御しても良い。
捩れ角制御では、第1実施形態の実施例1~3と同様の構成及び動作により、捩れ角Δθが、操舵角θh等を用いて、目標操舵トルク生成部120及び変換部101で成る目標捩れ角算出部で算出される目標捩れ角Δθrefに追従するような制御を行う。モータ角θmは、減速機構3を介して反力用モータ201に連結された角度センサ202で検出され、モータ角速度ωmは、角速度演算部203にてモータ角θmを微分することにより算出される。転舵角θtは、ギア303を介して駆動用モータ301に連結された角度センサ303で検出される。また、第1実施形態では、EPSプラント100内の処理として詳細な説明は行われていないが、電流制御部210は、図2に示される減算部32B、PI制御部35、PWM制御部36及びインバータ37と同様の構成及び動作により、捩れ角制御部150から出力される電流指令値Imc及びモータ電流検出器211で検出される反力用モータ201の電流値Imrに基づいて、反力用モータ201を駆動して電流制御を行う。
転舵角制御では、目標転舵角生成部310にて操舵角θhに基づいて目標転舵角θtrefが生成され、目標転舵角θtrefは転舵角θtと共に転舵角制御部320に入力され、転舵角制御部320にて、転舵角θtが目標転舵角θtrefとなるような電流指令値Imctが演算される。そして、電流指令値Imct及びモータ電流検出器340で検出される駆動用モータ301の電流値Imdに基づいて、電流制御部330が、電流制御部210と同様の構成及び動作により、駆動用モータ301を駆動して電流制御を行う。
目標転舵角生成部310の構成例を図27に示す。目標転舵角生成部310は、制限部311、レート制限部312及び補正部313を備える。
制限部311は、操舵角θhの上下限値を制限して、制限された操舵角θh1を出力する。捩れ角制御部150内のリミッタ154と同様に、操舵角θhに対する上限値及び下限値を予め設定して制限をかける。
レート制限部312は、操舵角の急変の影響を回避するために、操舵角θh1の変化量に対して制限値を設定して制限をかけ、操舵角θh2を出力する。例えば、1サンプリング前の操舵角θh1からの差分を変化量とし、その変化量の絶対値が所定の値(制限値)より大きい場合、変化量の絶対値が制限値となるように、操舵角θh1を加減算し、操舵角θh2として出力し、制限値以下の場合は、操舵角θh1をそのまま操舵角θh2として出力する。なお、変化量の絶対値に対して制限値を設定するのではなく、変化量に対して上限値及び下限値を設定して制限をかけるようにしても良く、変化量ではなく変化率や差分率に対して制限をかけるようにしても良い。
補正部313は、レート制限部312からの操舵角θh2を補正して、補正された目標転舵角θtrefを出力する。例えば、目標操舵トルク生成部120内の基本マップ121のように、操舵角θh2の大きさ|θh2|に対する目標転舵角θtrefの特性を定義したマップを用いて、操舵角θh2より目標転舵角θtrefを求める。或いは、単純に、操舵角θh2に所定のゲインを乗算することにより、目標転舵角θtrefを求めるようにしても良い。
転舵角制御部320の構成例を図28に示す。転舵角制御部320は、図12に示される捩れ角制御部150の構成例においてFF補償部151を除いた構成と同様の構成をしており、目標捩れ角Δθref及び捩れ角Δθの代わりにそれぞれ目標転舵角θtref及び転舵角θtを入力し、転舵角フィードバック(FB)補償部321、転舵角速度演算部322、速度制御部323、出力制限部326及び減算部327が、それぞれ捩れ角FB補償部170、微分部153、速度制御部160、リミッタ154及び減算部152と同様の構成で、同様の動作を行い、電流指令値Imctを出力する。
このような構成において、第2実施形態の動作例を図29のフローチャートを参照して説明する。
動作を開始すると、角度センサ303は転舵角θtを検出し、角度センサ202はモータ角θmを検出し(ステップS110)、転舵角θtは転舵角制御部320に、モータ角θmは角速度演算部203にそれぞれ入力される。角速度演算部203はモータ角θmを微分してモータ角速度ωmを算出し、モータ角速度ωmは目標操舵トルク生成部120に入力される(ステップS120)。その後、図5に示されるステップS10~S90と同様の動作を実行し、電流指令値Imcにより反力用モータ201を駆動して電流制御(#1)を実施する(ステップS140~S170)。
一方、転舵角制御においては、目標転舵角生成部310が操舵角θhを入力し、操舵角θhは制限部311に入力される。制限部311は、予め設定された上限値及び下限値により操舵角θhの上下限値を制限し(ステップS180)、操舵角θh1としてレート制限部312に入力する。レート制限部312は、予め設定された制限値により操舵角θh1の変化量に対して制限をかけ(ステップS190)、レート制限された操舵角θh2を補正部313に入力する。補正部313は、操舵角θh2を補正して目標転舵角θtrefを求め、目標転舵角θtrefは転舵角制御部320に入力される(ステップS200)。
転舵角θt及び目標転舵角θtrefを入力した転舵角制御部320は、減算部327にて目標転舵角θtrefから転舵角θtを減算することにより、角度偏差Δθtを算出する(ステップS210)。角度偏差Δθtは転舵角FB補償部321に入力され、転舵角FB補償部321は、角度偏差Δθtに補償値を乗算することにより角度偏差Δθtを補償し、FB補償された目標転舵角速度ωtrefは速度制御部323に入力される(ステップS220)。転舵角速度演算部322は転舵角θtを入力し、転舵角θtに対する微分演算により転舵角速度ωttを算出し、転舵角速度ωttは速度制御部323に入力される(ステップS230)。速度制御部323は、速度制御部160と同様にI-P制御により電流指令値Imctaを算出し、電流指令値Imctaが出力制限部326に入力される(ステップS240)。出力制限部326は、予め設定された上限値及び下限値により電流指令値Imctaの上下限値を制限し(ステップS250)、上下限値を制限された電流指令値Imctが出力される(ステップS260)。
電流指令値Imctは電流制御部330に入力され、電流制御部330は、電流指令値Imct及びモータ電流検出器340で検出された駆動用モータ301の電流値Imdに基づいて駆動用モータ301を駆動し、電流制御(#2)を実施する(ステップS270)。
なお、図29におけるデータ入力及び演算等の順番は適宜変更可能である。また、転舵角制御部320内の速度制御部323は、捩れ角制御部150内の速度制御部160と同様に、I-P制御ではなく、PI制御、P制御、PID制御、PI-D制御等により実現可能であり、P、I及びDのいずれかの制御を用いていれば良い。
第2実施形態では、図24及び図25に示されるように、1つのECU50で反力装置200及び駆動装置300の制御を行っているが、反力装置200用のECUと駆動装置300用のECUをそれぞれ別個に設けても良い。この場合、ECU同士は通信によりデータの送受信を行うことになる。また、図24及び図25に示されるステアバイワイヤシステムは反力装置200と駆動装置300の間には機械的な結合を持たないが、システムに異常が発生した場合に、コラム軸2と転舵機構をクラッチ等で機械的に結合する機械的トルク伝達機構を備えるステアバイワイヤシステムにも、本発明は適用可能である。このようなステアバイワイヤシステムでは、システム正常時はクラッチを遮断(オフ)して機械的トルク伝達を開放状態とし、システム異常時はクラッチを接続(オン)して機械的トルク伝達を可能状態とする。
上述の第1実施形態及び第2実施形態は、いずれも操舵関連情報が弾性体の捩れ角の場合であるが、次に操舵関連情報がトルクである場合について説明する。
図30は、トルク制御の電動パワーステアリング装置について示すブロック図(第3実施形態)であり、第1実施形態と同様に運転者のハンドル操舵はEPSプラント(操舵系+車両系)100内のモータでアシスト制御される。操舵角θh、車速Vs、モータ角速度ωmが上述した構成の目標操舵トルク生成部120に入力され、目標操舵トルク生成部120で生成された目標操舵トルクTrefはトルク制御部180に入力される。トルク制御部180には追従性を向上するフィードフォワード(FF)補償部が設けられており、トルク制御部180には目標操舵トルクTrefが入力されると共に、検出されたトーションバーの実操舵トルクTactがEPSプラント100から入力されており、トルク制御部180で実操舵トルクTactが目標操舵トルクTrefとなるような電流指令値Ireftが演算され、電流指令値IreftによりEPSのモータが駆動される。
EPS操舵系と各種センサの設置例は、図4に対応する図31に示すようになっており、図4の上側角度センサ(角度θ10)及び下側角度センサ(角度θ11)に代えて、実操舵トルクTactを検出するトルクセンサが設けられている。トルクセンサは、磁歪式、光学式、圧電式、静電容量式などの公知のトルクセンサを用いることができる。
このような構成において、その動作例を図32のフローチャートを参照して説明する。
先ず、操舵角θh、車速Vs及びモータ角速度ωmが目標操舵トルク生成部120に入力され(ステップS300)、目標操舵トルク生成部120は目標操舵トルクTrefを生成する(ステップS310)。目標操舵トルクTref、EPSプラント100からの実操舵トルクTactがそれぞれトルク制御部180に入力され(ステップS330)、トルク制御部180はトルク制御により、実操舵トルクTactが目標操舵トルクTrefに追従するような電流指令値Ireftを演算し(ステップS340)、電流指令値Ireftに基づいてモータを駆動し、電流制御が実施される(ステップS350)。
目標操舵トルク生成部120の構成は図6及び図7と同様であり、その動作も図11と同様である。また、トルク制御部180の構成は、図12に対応する図33であり、目標操舵トルクTrefは、追従性(目標値追従性)を向上させるためのフィードフォワード(FF)補償部(CFF)181に入力され、FF補償された補償後目標操舵トルクTref’は減算部182に加算入力される。FF補償部181は前述のFF補償部151と同様であり、CFF=Kf(単純なゲイン)で良く、1次フィルタ、2次フィルタ、4次フィルタ若しくはそれ以上の次数のフィルタでも良い。単純なゲインKfで設定する場合には、例えば補償後目標操舵トルクTref’に対する実操舵トルクTactの低周波域における目標値追従性が0[dB]にならない場合に、0[dB]に調整する際の簡易的な手段として利用することができる。つまり、目標操舵トルクTrefに対する実操舵トルクTactの目標値追従性ゲインの大小のみの調整に用いる。また、1次フィルタ、2次フィルタ、4次フィルタのフィルタで設定する場合には、目標値追従性のゲインの大小のみに限らず、周波数特性の調整を行う際に用いる。
EPSプラント100からの実操舵トルクTactは、減算部182に減算入力されると共に微分部183に入力され、補償後目標操舵トルクTref’とのトルク偏差ΔTref(=Tref’-ΔTact)が減算部182で算出され、トルク偏差ΔTrefは補償値CFB(伝達関数)のトルクフィードバック(FB)補償部190に入力される。トルクFB補償部190は前述の捩れ角FB補償部170と同様の構成及び動作であり、トルクFB補償部190はトルク偏差ΔTrefに対して補償値CFB(伝達関数)を乗算し、目標操舵トルクTrefに実操舵トルクTactが追従するような目標操舵トルク速度ωrefaを出力する。目標操舵トルク速度ωrefaは、前述と同様なI-P制御(比例先行型PI制御)の速度制御部160に入力される。
また、実操舵トルクTactは微分部183に入力されて微分され、微分により得られた操舵トルク速度ωcaが速度制御部160に入力される。速度制御部160は前述と同様な構成及び動作であり、入力される目標操舵トルク速度ωrefa及び操舵トルク速度ωcaから電流指令値Irefaを算出し、速度制御部160の後段にリミッタ154が設けられており、電流指令値Irefaの上下限値を制限された電流指令値Ireftが出力される。
このような構成において、トルク制御部180(実施例1)の動作例を、図34のフローチャートを参照して説明する。
先ず目標操舵トルクTrefが入力され(ステップS340-1A)、FF補償部181でFF補償が実施され(ステップS340-2A)、次いで実操舵トルクTactが入力され(ステップS340-3A)、減算部182で、目標操舵トルクTrefと実操舵トルクTactのトルク偏差ΔTref’が算出される(ステップS340-4A)。トルク偏差ΔTref’はトルクFB補償部190に入力されてトルクFB補償され(ステップS340-5A)、FB補償された目標操舵トルク速度ωrefaが速度制御部160内の減算部161に加算入力される。また、EPSプラント100からの実操舵トルクTactは微分部183に入力されて操舵トルク速度ωcaが演算され、操舵トルク速度ωcaは減算部161及び比例部163に入力される(ステップS340-6A)。減算部161で、目標操舵トルク速度ωrefaと操舵トルクT速度ωcaの速度偏差Δωtaが算出され(ステップS340-7A)、速度偏差Δωtaが積分部162で積分処理された積分出力が減算部164に加算入力される(ステップS340-8A)。また、操舵トルク速度ωcaを比例処理した比例部163からの比例出力は、減算部164に減算入力され(ステップS340-9A)、減算部164で、積分出力から比例出力を減算して電流指令値Irefaが演算される(ステップS340-10A)。速度制御部160の減算部164からの電流指令値Irefaはリミッタ154で上下限値を制限され、電流指令値Ireftが出力される(ステップS340-11A)。
なお、図34のデータ入力及び演算等の順番は適宜変更可能である。
また、トルク制御部180の構成は、図15に対応させて示す図35(実施例2)に示すように、目標操舵トルクTrefを分岐してFF補償部181A及び減算部182に入力するようにしても良い。この構成によっても、目標操舵トルクTrefへの実操舵トルクの追従性を一層向上させることができる。
即ち、目標操舵トルクTrefは、伝達関数CFFAのFF補償部151A及び減算部182に入力され、減算部182で求められた実操舵トルクTactとのトルク偏差ΔTref’(=Tref-Tact)がトルクFB補償部190に入力される。FF補償部181AからはFF補償された補償後操舵トルク速度ωrefcが出力され、トルクFB補償部190からはFB補償された補償後操舵トルク速度ωrefdが出力され、補償後操舵トルク速度ωrefc及びωrefdは加算部185に入力される。加算部185での加算結果である目標操舵トルク速度ωrefbは、I-P制御(比例先行型PI制御)の速度制御部160内の減算部161に加算入力される。また、実操舵トルクTactは微分部183に入力されて微分され、微分により得られた操舵トルク速度ωcbが速度制御部160内の減算部161に減算入力されると共に、比例部163に入力される。速度制御部160の構成は、上述した実施例1と同様である。
このような構成において、トルク制御部180(実施例2)の動作例を、図36のフローチャートを参照して説明する。
先ず目標操舵トルクTref及び実操舵トルクTactが入力され(ステップS340-1B)、FF補償部181AでFF補償が実施され(ステップS340-2B)、FF補償された補償後操舵トルク速度ωrefcは加算部185に入力される。また、減算部182でトルク偏差ΔTref’が算出され(ステップS340-3B)、トルク偏差ΔTref’はトルクFB補償部190に入力されてトルクFB補償され(ステップS340-4B)、FB補償された補償後操舵トルク速度ωrefdが加算部185に入力される。そして、加算部185で補償後操舵トルク速度ωrefc及びωrefdが加算され(ステップS340-5B)、加算結果である目標操舵トルク速度ωrefbが、速度制御部160内の減算部161に加算入力される。また、実操舵トルクTactは微分部183に入力されて操舵トルク速度ωcbが演算され、操舵トルク速度ωcbは減算部161及び比例部163に入力される(ステップS340-6B)。速度制御部160内の減算部161で速度偏差Δωtbが算出され(ステップS340-7B)、速度偏差Δωtbが積分部162で積分処理された積分出力が減算部164に加算入力される(ステップS340-8B)。操舵トルク速度ωcbを比例処理した比例部163からの比例出力は、減算部164に減算入力され(ステップS340-9B)、減算部164で、積分出力から比例出力が減算されて電流指令値Irefbが演算される(ステップS340-10B)。速度制御部160からの電流指令値Irefbはリミッタ154で上下限値を制限され、電流指令値Ireftが出力される(ステップS340-11B)。
なお、図36のデータ入力及び演算等の順番は適宜変更可能である。
また、本発明では速度制御部160を省略して、トルクFB補償部により直接電流指令値を演算する構成に、上述のトルクFF補償部190を適用しても良い。その構成例(実施例3)を、図17に対応させた図37に示して説明する。
本実施例3では図37に示すように、目標操舵トルクTrefを入力するFF補償部181と、FF補償部181からの補償後目標操舵トルクTref’及び実操舵トルクTactを入力するトルクFB補償部190Aと、トルクFB補償部190Aからの電流指令値Irefcの上下限値を制限して電流指令値Ireftを出力するリミッタ154とで構成されている。
トルクFB補償部190Aは、FF補償部181からの補償後目標操舵トルクTref’と実操舵トルクTactのトルク偏差ΔTcを求める減算部191と、トルク偏差ΔTcを積分処理(Ki/s)する積分部192と、トルク偏差ΔTcを比例処理(Kp)する比例部193と、積分部192及び比例部193の各出力を加算して電流指令値Ireffを出力する加算部194と、実操舵トルクTactを微分する微分部196と、微分部196から出力されるトルク速度ΔTactを比例処理して電流指令値Irefgを出力する比例部197と、電流指令値Ireff及び電流指令値Irefgの電流偏差である電流指令値Irefcを求める減算部195とで構成されている。トルクFB補償部190Aの後段にリミッタ154が設けられており、電流指令値Irefcの上下限値を制限された電流指令値Ireftが出力される。加算部194及び減算部195で出力部を構成している。
このような構成において、その動作例を図38のフローチャートを参照して説明する。
先ず目標操舵トルクTref及び実操舵トルクTactが入力され(ステップS340-1C)、FF補償部191でFF補償が実施され(ステップS340-2C)、FF補償された補償後目標操舵トルクTref’はトルクFB補償部190A内の減算部191に加算入力される。トルクFB補償部190A内の減算部191で、補償後目標操舵トルクTref’及び実操舵トルクTactのトルク偏差ΔTcが算出され(ステップS340-3C)、トルク偏差ΔTcは積分部192及び比例部193に入力され、トルク偏差ΔTcが積分部192で積分処理され、積分処理の結果が加算部194に入力され(ステップS340-4C)、比例部193で比例処理され、比例処理の結果が加算部194に入力される(ステップS340-5C)。加算部194は積分部192及び比例部193の各出力を加算し、加算結果である電流指令値Ireffを出力する(ステップS340-6C)。また、実操舵トルクTactはトルクFB補償部190A内の微分部196で微分処理され(ステップS340-7C)、微分部196から出力されるトルク速度ΔTactは比例部197に入力されて比例処理(Kd)される(ステップS340-8C)。比例部197で比例処理された電流指令値Irefgは減算部195に減算入力され、減算部195で電流指令値Ireffとの偏差である電流指令値Irefc(=Ireff―Irefg)が演算される(ステップS340-9C)。トルクFB補償部190A内の減算部195からの電流指令値Irefcはリミッタ154で上下限値を制限され、電流指令値Ireftが出力される(ステップS340-10C)。
トルク制御も捩れ角制御と同様に、図19~図23に示す下流アシスト制御の電動パワーステアリング装置にも適用でき、更に図19及び図20に示すステアバイワイヤ反力装置についても適用でき、本発明のトルク制御を、トーションバーを備えたステアバイワイヤ反力装置に適用した場合の実施形態(第4実施形態)について説明する。
図39は第4実施形態の構成を、図26に対応させて示すブロック図である。第4実施形態は、実操舵トルクTactに対する制御(以下、「トルク制御」とする)と、転舵角θtに対する転舵角制御とを行い、図24に示す反力装置200を上述したトルク制御(実施例1(トルク)~3(トルク))で制御し、駆動装置300を転舵角制御で制御する。トルク制御では、第3実施形態の実施例1~3と同様の構成及び動作により、実操舵トルクTactが、操舵角θh等を用いて、目標操舵トルク生成部120で算出される目標操舵トルクTrefに追従するような制御を行う。転舵角制御では第2実施形態と同様に、目標転舵角生成部310にて操舵角θhに基づいて目標転舵角θtrefが生成され、目標転舵角θtrefは転舵角θtと共に転舵角制御部320に入力され、転舵角制御部320にて、転舵角θtが目標転舵角θtrefとなるような電流指令値Imctが演算される。電流指令値Imct及び駆動用モータ301の電流値Imdに基づいて、電流制御部330が、電流制御部210と同様の構成及び動作により、駆動用モータ301を駆動して電流制御を行う。
このような構成において、第4実施形態の動作例を図40のフローチャートを参照して説明する。
動作を開始すると、角度センサ303は転舵角θtを検出し、角度センサ202はモータ角θmを検出し(ステップS400)、転舵角θtは転舵角制御部320に、モータ角θmは角速度演算部203にそれぞれ入力され、角速度演算部203はモータ角速度ωmを算出し、モータ角速度ωmは目標操舵トルク生成部120に入力される(ステップS401)。目標操舵トルク生成部120は目標操舵トルクTrefを生成し(ステップS402)、トルク制御部180でトルク制御を行い(ステップS403)、トルク制御部180からの電流指令値Ireftにより反力用モータ201に対して電流制御(#3)を実施する(ステップS404)。
また、転舵角制御においては、目標転舵角生成部310に操舵角θhが入力され、操舵角θhは制限部311に入力され、予め設定された上下限値に操舵角θhが制限され(ステップS410)、操舵角θh1としてレート制限部312に出力される。レート制限部312は、操舵角θh1の変化量に対して予め設定された制限をかけ(ステップS411)、操舵角θh2として補正部313に入力する。補正部313は、操舵角θh2を補正して目標転舵角θtrefを求め、目標転舵角θtrefは転舵角制御部320に入力される(ステップS412)。転舵角θt及び目標転舵角θtrefを入力した転舵角制御部320は、減算部327にて角度偏差Δθtを算出し、角度偏差Δθtは転舵角FB補償部321に入力される(ステップS413)。転舵角FB補償部321は、角度偏差Δθtに補償値を乗算して角度偏差Δθtを補償し、目標転舵角速度ωtrefを速度制御部323に入力する(ステップS414)。転舵角速度演算部322は転舵角θtを入力し、転舵角θtから転舵角速度ωttを算出して速度制御部323に入力する(ステップS415)。速度制御部323は、I-P制御により電流指令値Imctaを算出して出力制限部326に入力し(ステップS416)、出力制限部326は電流指令値Imctaの上下限値を制限し(ステップS417)、電流指令値Imctを出力する(ステップS418)。電流指令値Imctは電流制御部330に入力され、電流制御部330は、電流指令値Imct及び駆動用モータ301の電流値Imdに基づいて、駆動用モータ301を駆動して電流制御(#4)を実施する(ステップS419)。
なお、図40におけるデータ入力及び演算等の順番は適宜変更可能である。
なお、上述で使用した図は、本発明に関して定性的な説明を行うための概念図であり、これらに限定されるものではない。また、上述の実施例は本発明の好適な実施の一例ではあるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。更に、ハンドルとモータの間に任意のバネ定数を有する機構であれば、トーションバーに限定しなくても良い。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
3 減速機構
10 トルクセンサ
12 車速センサ
14 舵角センサ
20 モータ
30 コントロールユニット(ECU)
100 EPSプラント
101 変換部
120 目標操舵トルク生成部
121 基本マップ
124 車速感応ダンパゲインマップ
130 切増し/切戻し判定部
131 ヒステリシス補正部
150 捩れ角制御部
151、151A、181、181A フィードフォワード(FF)補償部
160 速度制御部
170、170A 捩れ角フィードバック(FB)補償部
180 トルク制御部
190、190A トルクフィードバック(FB)補償部
200 反力装置
201 反力用モータ
202、303 角度センサ
210,330 電流制御部
300 駆動装置
301 駆動用モータ
310 目標転舵角生成部

Claims (8)

  1. 車両のハンドルのコラム軸に弾性体を備え、前記コラム軸に接続されたモータを電流指令値に基づいて駆動制御することにより、操舵系をアシスト制御する車両用操向装置において、
    操舵角、車速及びモータ角速度に基づいて目標捩れ角を算出する目標捩れ角算出部と、
    前記目標捩れ角及び前記弾性体の捩れ角に基づいて前記電流指令値を算出する捩れ角制御部と、
    を備え、
    前記捩れ角制御部が、
    前記目標捩れ角を入力してフィードフォワード制御してフィードフォワード補償後目標捩れ角を出力するフィードフォワード補償部と、
    前記フィードフォワード補償後目標捩れ角及び前記捩れ角の角度偏差に基づいて目標捩れ角速度を演算して出力する捩れ角フィードバック補償部と、
    前記捩れ角を微分して捩れ角速度を出力する微分部と、
    前記目標捩れ角速度及び前記捩れ角速度に基づいて速度制御を行って前記電流指令値を出力する速度制御部と、
    で構成されており、
    前記捩れ角を前記目標捩れ角に追従するように制御することを特徴とする車両用操向装置。
  2. 車両のハンドルのコラム軸に弾性体を備え、前記コラム軸に接続されたモータを電流指令値に基づいて駆動制御することにより、操舵系をアシスト制御する車両用操向装置において、
    操舵角、車速及びモータ角速度に基づいて目標捩れ角を算出する目標捩れ角算出部と、
    前記目標捩れ角及び前記弾性体の捩れ角に基づいて前記電流指令値を算出する捩れ角制御部と、
    を備え、
    前記捩れ角制御部が、
    前記目標捩れ角を入力してフィードフォワード制御してフィードフォワード補償後目標捩れ角を出力するフィードフォワード補償部と、
    前記フィードフォワード補償後目標捩れ角及び前記捩れ角の角度偏差に基づいて前記電流指令値を演算して出力する捩れ角フィードバック補償部と、
    で構成されており、
    前記捩れ角フィードバック補償部が、
    前記角度偏差に基づいて積分処理する積分部と、
    前記角度偏差を比例処理する比例部と、
    前記捩れ角を微分して捩れ角速度を出力する微分部と、
    前記積分部の出力及び前記比例部の出力の加算結果から前記捩れ角速度を減算して前記電流指令値を出力する出力部と、
    で構成されており、
    前記捩れ角を前記目標捩れ角に追従するように制御することを特徴とする車両用操向装置。
  3. 第1の電流指令値により駆動される反力用モータを備えて、車両のハンドルの、弾性体を有するコラム軸に接続された反力装置と、第2の電流指令値により駆動される駆動用モータを備えて、前記駆動用モータにより操向車輪を転舵する駆動装置と、前記反力装置及び前記駆動装置を制御する制御部とを具備し、前記車両の操舵系を、前記駆動装置を介してアシスト制御するステアバイワイヤの車両用操向装置において、
    前記ハンドルの操舵角、車速及び前記反力用モータのモータ角速度に基づいて目標捩れ角を算出する目標捩れ角算出部と、
    前記目標捩れ角及び前記弾性体の捩れ角に基づいて前記第1の電流指令値を算出する捩れ角制御部と、
    を備え、
    前記捩れ角制御部が、
    前記目標捩れ角を入力してフィードフォワード制御してフィードフォワード補償後目標捩れ角を出力するフィードフォワード補償部と、
    前記フィードフォワード補償後目標捩れ角及び前記捩れ角の角度偏差に基づいて目標捩れ角速度を演算して出力する捩れ角フィードバック補償部と、
    前記捩れ角を微分して捩れ角速度を出力する微分部と、
    前記目標捩れ角速度及び前記捩れ角速度に基づいて速度制御を行って前記第1の電流指令値を出力する速度制御部と、
    で構成されており、
    前記捩れ角を前記目標捩れ角に追従するように制御することを特徴とするステアバイワイヤの車両用操向装置。
  4. 第1の電流指令値により駆動される反力用モータを備えて、車両のハンドルの、弾性体を有するコラム軸に接続された反力装置と、第2の電流指令値により駆動される駆動用モータを備えて、前記駆動用モータにより操向車輪を転舵する駆動装置と、前記反力装置及び前記駆動装置を制御する制御部とを具備し、前記車両の操舵系を、前記駆動装置を介してアシスト制御するステアバイワイヤの車両用操向装置において、
    前記ハンドルの操舵角、車速及び前記反力用モータのモータ角速度に基づいて目標捩れ角を算出する目標捩れ角算出部と、
    前記目標捩れ角及び前記弾性体の捩れ角に基づいて前記第1の電流指令値を算出する捩れ角制御部と、
    を備え、
    前記捩れ角制御部が、
    前記目標捩れ角を入力してフィードフォワード制御してフィードフォワード補償後目標捩れ角を出力するフィードフォワード補償部と、
    前記フィードフォワード補償後目標捩れ角及び前記捩れ角の角度偏差に基づいて前記第1の電流指令値を演算して出力する捩れ角フィードバック補償部と、
    で構成されており、
    前記捩れ角フィードバック補償部が、
    前記角度偏差に基づいて積分処理する積分部と、
    前記角度偏差を比例処理する比例部と、
    前記捩れ角を微分して捩れ角速度を出力する微分部と、
    前記積分部の出力及び前記比例部の出力の加算結果から前記捩れ角速度を減算して前記第1の電流指令値を出力する出力部と、
    で構成されており、
    前記捩れ角を前記目標捩れ角に追従するように制御することを特徴とするステアバイワイヤの車両用操向装置。
  5. 車両のハンドルのコラム軸に弾性体を備え、前記コラム軸に接続されたモータを電流指令値に基づいて駆動制御することにより、操舵系をアシスト制御する車両用操向装置において、
    操舵角、車速及びモータ角速度に基づいて目標操舵トルクを算出する目標操舵トルク算出部と、
    前記目標操舵トルク及び前記弾性体の実操舵トルクに基づいて前記電流指令値を算出するトルク制御部と、
    を備え、
    前記トルク制御部が、
    前記目標操舵トルクを入力してフィードフォワード制御してフィードフォワード補償後目標操舵トルクを出力するフィードフォワード補償部と、
    前記フィードフォワード補償後目標操舵トルク及び前記実操舵トルクの角度偏差に基づいて目標操舵トルク速度を演算して出力するトルクフィードバック補償部と、
    前記実操舵トルクを微分して操舵トルク速度を出力する微分部と、
    前記目標操舵トルク速度及び前記操舵トルク速度に基づいて速度制御を行って前記電流指令値を出力する速度制御部と、
    で構成されており、
    前記実操舵トルクを前記目標操舵トルクに追従するように制御することを特徴とするステアバイワイヤの車両用操向装置。
  6. 車両のハンドルのコラム軸に弾性体を備え、前記コラム軸に接続されたモータを電流指令値に基づいて駆動制御することにより、操舵系をアシスト制御する車両用操向装置において、
    操舵角、車速及びモータ角速度に基づいて目標操舵トルクを算出する目標操舵トルク算出部と、
    前記目標操舵トルク及び前記弾性体の実操舵トルクに基づいて前記電流指令値を算出するトルク制御部と、
    を備え、
    前記トルク制御部が、
    前記目標操舵トルクを入力してフィードフォワード制御してフィードフォワード補償後目標操舵トルクを出力するフィードフォワード補償部と、
    前記フィードフォワード補償後目標操舵トルク及び前記実操舵トルクの角度偏差に基づいて前記電流指令値を演算して出力するトルクフィードバック補償部と、
    で構成されており、
    前記トルクフィードバック補償部が、
    前記角度偏差に基づいて積分処理する積分部と、
    前記角度偏差を比例処理する比例部と、
    前記実操舵トルクを微分して操舵トルク速度を出力する微分部と、
    前記積分部の出力及び前記比例部の出力の加算結果から前記操舵トルク速度を減算して前記電流指令値を出力する出力部と、
    で構成されており、
    前記実操舵トルクを前記目標操舵トルクに追従するように制御することを特徴とするステアバイワイヤの車両用操向装置。
  7. 第1の電流指令値により駆動される反力用モータを備えて、車両のハンドルの、弾性体を有するコラム軸に接続された反力装置と、第2の電流指令値により駆動される駆動用モータを備えて、前記駆動用モータにより操向車輪を転舵する駆動装置と、前記反力装置及び前記駆動装置を制御する制御部とを具備し、前記車両の操舵系を、前記駆動装置を介してアシスト制御するステアバイワイヤの車両用操向装置において、
    前記ハンドルの操舵角、車速及び前記反力用モータのモータ角速度に基づいて目標操舵トルクを算出する目標操舵トルク算出部と、
    前記目標操舵トルク及び前記弾性体の実操舵トルクに基づいて前記第1の電流指令値を算出するトルク制御部と、
    を備え、
    前記トルク制御部が、
    前記目標操舵トルクを入力してフィードフォワード制御してフィードフォワード補償後目標操舵トルクを出力するフィードフォワード補償部と、
    前記フィードフォワード補償後目標操舵トルク及び前記実操舵トルクの角度偏差に基づいて目標操舵トルク速度を演算して出力するトルクフィードバック補償部と、
    前記実操舵トルクを微分して操舵トルク速度を出力する微分部と、
    前記目標操舵トルク速度及び前記操舵トルク速度に基づいて速度制御を行って前記第1の電流指令値を出力する速度制御部と、
    で構成されており、
    前記実操舵トルクを前記目標操舵トルクに追従するように制御することを特徴とするステアバイワイヤの車両用操向装置。
  8. 第1の電流指令値により駆動される反力用モータを備えて、車両のハンドルの、弾性体を有するコラム軸に接続された反力装置と、第2の電流指令値により駆動される駆動用モータを備えて、前記駆動用モータにより操向車輪を転舵する駆動装置と、前記反力装置及び前記駆動装置を制御する制御部とを具備し、前記車両の操舵系を、前記駆動装置を介してアシスト制御するステアバイワイヤの車両用操向装置において、
    前記ハンドルの操舵角、車速及び前記反力用モータのモータ角速度に基づいて目標操舵トルクを算出する目標操舵トルク算出部と、
    前記目標操舵トルク及び前記弾性体の実操舵トルクに基づいて前記第1の電流指令値を算出するトルク制御部と、
    を備え、
    前記トルク制御部が、
    前記目標操舵トルクを入力してフィードフォワード制御してフィードフォワード補償後目標操舵トルクを出力するフィードフォワード補償部と、
    前記フィードフォワード補償後目標操舵トルク及び前記実操舵トルクの角度偏差に基づいて前記第1の電流指令値を演算して出力するトルクフィードバック補償部と、
    で構成されており、
    前記トルクフィードバック補償部が、
    前記角度偏差に基づいて積分処理する積分部と、
    前記角度偏差を比例処理する比例部と、
    前記実操舵トルクを微分して操舵トルク速度を出力する微分部と、
    前記積分部の出力及び前記比例部の出力の加算結果から前記操舵トルク速度を減算して前記第1の電流指令値を出力する出力部と、
    で構成されており、
    前記実操舵トルクを前記目標操舵トルクに追従するように制御することを特徴とするステアバイワイヤの車両用操向装置。
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