以下の各実施の形態において、図面に基づいて、本開示に係る空気調和装置の一例を説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。また、明細書全文に示す構成要素の形態は、あくまでも、本開示に係る空気調和装置の例示である。本開示に係る空気調和装置は、明細書全文に示す構成要素の形態に限定されるものではない。
実施の形態1.
[空気調和装置100の構成]
図1は、本実施の形態1に係る空気調和装置の回路構成を示す概略図であり、該空気調和装置が全冷房運転モードで動作している状態を示す図である。
空気調和装置100は、冷媒回路101に冷媒を循環させ、冷凍サイクルを利用した空気調和を行うものである。空気調和装置100は、動作中の全ての室内機2が冷房運転を行う全冷房運転モード、動作中の全ての室内機2が暖房運転を行う全暖房運転モード、又は、室外機1内の熱源側熱交換器12を除霜する除霜運転モードを選択できるものである。
図1に示すように、空気調和装置100は、室外機1及び室内機2を備え、室外機1と室内機2とを主管111で接続して構成されている。なお、後述のように、室外機1及び室内機2に搭載された構成要素が冷媒配管110で接続され、冷媒回路101が構成されている。主管111は、冷媒配管110の一部を構成するものである。
[冷媒回路101の構成]
冷媒回路101は、圧縮機10、冷媒流路切替装置13、熱源側熱交換器12、負荷側熱交換器26、負荷側絞り装置25及びアキュムレーター19を備えている。そして、圧縮機10、冷媒流路切替装置13、熱源側熱交換器12、負荷側熱交換器26、及び負荷側絞り装置25が冷媒配管110で接続されて、内部を冷媒が循環する冷媒回路101を構成している。
圧縮機10は、冷媒を圧縮して吐出するものである。具体的には、圧縮機10は、冷媒を吸入し、その冷媒を圧縮して高温で高圧の状態にする。圧縮機10は、例えば、容量制御可能なインバータ圧縮機等で構成する。冷媒流路切替装置13は、運転モードに応じて冷媒の流路を切り替えるものである。具体的には、冷媒流路切替装置13は、全暖房運転モード時における冷媒の流れと、全冷房運転モード時における冷媒の流れと、除霜運転モード時における冷媒の流れと、を切り替える。
熱源側熱交換器12は、全暖房運転モードでは蒸発器として機能し、全冷房運転モード及び除霜運転モードでは凝縮器として機能するものである。本実施の形態1では、熱源側熱交換器12は、内部を流れる冷媒と室外空気とが熱交換する構成となっている。このため、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、熱源側熱交換器12に室外空気を供給する熱源側送風機18を備えている。
負荷側熱交換器26は、暖房運転時に凝縮器として機能し、冷房運転時には蒸発器として機能するものである。本実施の形態1では、負荷側熱交換器26は、内部を流れる冷媒と室内空気とが熱交換する構成となっている。このため、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、負荷側熱交換器26に室内空気を供給する図示せぬ負荷側送風機を備えている。すなわち、負荷側熱交換器26で冷却された室内空気が、空調対象空間に供給される冷房用空気となる。また、負荷側熱交換器26で加熱された室内空気が、空調対象空間に供給される暖房用空気となる。
負荷側絞り装置25は、例えば、連続的又は多段階で開度を調節可能である。負荷側絞り装置25は、例えば、電子式膨張弁等が用いられる。負荷側絞り装置25は、減圧弁及び膨張弁としての機能を有する。換言すると、負荷側絞り装置25は、冷媒を減圧して膨張させる。負荷側絞り装置25は、冷媒回路101において、負荷側熱交換器26が凝縮器として機能する際に該負荷側熱交換器26の下流側となる位置に配置されている。詳しくは、負荷側絞り装置25は、凝縮器として機能する負荷側熱交換器26から流出して蒸発器として機能する熱源側熱交換器12へ流入する冷媒が流れるものである。また、本実施の形態1では、負荷側絞り装置25は、冷房運転時、負荷側熱交換器26に流入する冷媒を減圧する。すなわち、負荷側絞り装置25は、冷媒回路101において、負荷側熱交換器26が蒸発器として機能する際に該負荷側熱交換器26の上流側となる位置に配置されている。
アキュムレーター19は、冷媒を溜めるものである。具体的には、アキュムレーター19は、圧縮機10の吸入側に設けられており、余剰冷媒を蓄える受液器である。余剰冷媒は、例えば、全暖房運転モード中、全冷房運転モード中及び除霜運転モード中の運転状態の違いによって発生する。また、例えば、余剰冷媒は、空気調和装置100の過渡的な運転の変化よって発生する。
[室外機1の構成]
室外機1には、圧縮機10、熱源側熱交換器12、熱源側送風機18、冷媒流路切替装置13、及びアキュムレーター19が搭載されている。また、室外機1には、空気調和装置100が備えるバイパス配管16及び第1開閉装置11が搭載されている。
バイパス配管16は、除霜運転モードにおいて、圧縮機10から吐出された高温で高圧の冷媒を熱源側熱交換器12に供給するための配管である。すなわち、バイパス配管16は、熱源側熱交換器12に付着した霜を溶かすための冷媒が通る配管である。バイパス配管16の一方の端部である入口側端部16aは、冷媒回路101において圧縮機10の吐出口と冷媒流路切替装置13との間となる位置に接続されている。また、バイパス配管16の他方の端部である出口側端部16bは、冷媒回路101において負荷側絞り装置25と熱源側熱交換器12との間となる位置に接続されている。より詳しくは、バイパス配管16の他方の端部である出口側端部16bは、負荷側絞り装置25と熱源側熱交換器12との間であり、主管111よりも熱源側熱交換器12側となる冷媒配管100部分に接続されている。
第1開閉装置11は、バイパス配管16に設けられ、設置箇所における冷媒の流路を開閉するものである。すなわち、第1開閉装置11が閉状態から開状態となることにより、圧縮機10から吐出された高温で高圧の冷媒が熱源側熱交換器12に供給されることとなる。第1開閉装置11は、例えば、二方弁、電磁弁、又は冷媒の流量を調整可能な電子式膨張弁等、冷媒の流路を開閉可能なもので構成するとよい。
また、室外機1には、熱源側熱交換器温度センサー43、吐出温度センサー42、吐出圧力センサー40及び外気温度センサー46が設置されている。熱源側熱交換器温度センサー43、吐出温度センサー42、及び外気温度センサー46は、例えば、サーミスター等で構成されている。熱源側熱交換器温度センサー43は、全暖房運転モード及び除霜運転モードでは、熱源側熱交換器12から流出した冷媒の温度を検出する。また、熱源側熱交換器温度センサー43は、全冷房運転モードでは、熱源側熱交換器12に流入する冷媒の温度を検出する。また、熱源側熱交換器温度センサー43は、検出した冷媒の温度を、検出信号として後述の制御装置60へ出力する。吐出温度センサー42は、圧縮機10から吐出された冷媒の温度を検出する。また、吐出温度センサー42は、検出した冷媒の温度を、検出信号として後述の制御装置60へ出力する。吐出圧力センサー40は、圧縮機10が吐出した冷媒の圧力を検出する。また、吐出圧力センサー40は、検出した冷媒の圧力を、検出信号として後述の制御装置60へ出力する。外気温度センサー46は、室外機1にて熱源側熱交換器12の空気流入部分に設置されている。外気温度センサー46は、例えば、室外機1の周囲の温度となる室外空気の温度を検出する。また、外気温度センサー46は、検出した温度を、検出信号として後述の制御装置60へ出力する。
[室内機2の構成]
室内機2には、負荷側絞り装置25及び負荷側熱交換器26が搭載されている。
また、室内機2には、負荷側第1温度センサー31及び負荷側第2温度センサー32が設置されている。負荷側第1温度センサー31及び負荷側第2温度センサー32は、例えば、サーミスター等で構成されている。負荷側第1温度センサー31は、室内機2が冷房運転を行っている際、負荷側熱交換器26に流入する冷媒の温度を検出する。また、負荷側第1温度センサー31は、室内機2が暖房運転を行っている際、負荷側熱交換器26から流出した冷媒の温度を検出する。負荷側第2温度センサー32は、室内機2が冷房運転を行っている際、負荷側熱交換器26から流出した冷媒の温度を検出する。また、負荷側第2温度センサー32は、室内機2が暖房運転を行っている際、負荷側熱交換器26に流入する冷媒の温度を検出する。また、負荷側第1温度センサー31及び負荷側第2温度センサー32は、検出した冷媒の温度を、検出信号として後述の制御装置60へ出力する。
なお、図1では1台の室内機2が例示されている。しかしながら、空気調和装置100が備える室内機2の台数は、任意である。空気調和装置100は、2台以上の室内機2を備えていてもよい。空気調和装置100が複数台の室内機2を備える場合、例えば、各室内機2は室外機1に並列に接続される。
このように構成された空気調和装置100は、各運転モードを実行する制御装置60を備えている。制御装置60は、空気調和装置100が備える各センサーからの入力情報及び図示せぬリモートコントローラーからの指示等に基づいて、圧縮機10、熱源側送風機18、図示せぬ負荷側送風機、冷媒流路切替装置13、負荷側絞り装置25、及び第1開閉装置11等を制御する。具体的には、制御装置60は、圧縮機10の駆動及び停止を制御する。また、制御装置60は、圧縮機10の駆動周波数を制御する。また、制御装置60は、熱源側送風機18及び負荷側送風機の駆動及び停止を制御する。また、制御装置60は、熱源側送風機18及び負荷側送風機の駆動時の回転数を制御する。また、制御装置60は、冷媒流路切替装置13の流路を切り替える。また、制御装置60は、負荷側絞り装置25の開閉を制御する。また、制御装置60は、負荷側絞り装置25の開状態時の開度を制御する。また、制御装置60は、第1開閉装置11の開閉を制御する。
このような制御装置60は、専用のハードウェア、又はメモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)で構成されている。なお、CPUは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はプロセッサともいう。
制御装置60が専用のハードウェアである場合、制御装置60は、例えば、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。制御装置60が実現する各機能部のそれぞれを、個別のハードウェアで実現してもよいし、各機能部を一つのハードウェアで実現してもよい。
制御装置60がCPUの場合、制御装置60が実行する各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリに格納される。CPUは、メモリに格納されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置60の各機能を実現する。ここで、メモリは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、又はEEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリである。
なお、制御装置60の機能の一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。
また、図1では、制御装置60が室外機1に搭載されているが、これはあくまでも例示である。制御装置60は、室内機2に搭載されていてもよい。また、制御装置60は、室外機1と室内機2とに分かれて搭載されていてもよい。この場合、制御装置60における室外機1に搭載されている部分と、制御装置60における室内機2に搭載されている部分とは、有線又は無線で接続し、連携制御ができるように構成するとよい。
このように構成された制御装置60は、機能部として、例えば、入力部61、演算部62、及び制御部63を備えている。入力部61は、空気調和装置100が備える各センサーから、検出結果を示す検出信号が入力される機能部である。また、入力部61には、図示せぬリモートコントローラーからの指示も入力される。演算部62は、入力部61に入力された情報を用いて、制御に必要な情報を演算する機能部である。例えば、演算部62は、吐出圧力センサー40で検出された冷媒の圧力を、冷媒の飽和温度に換算する。また、例えば、演算部62は、入力部61及び演算部62が有する情報のうちの2つの温度情報を用い、冷媒の過熱度及び過冷却度を演算する。制御部63は、入力部61及び演算部62が有する情報に基づいて、圧縮機10、熱源側送風機18、図示せぬ負荷側送風機、冷媒流路切替装置13、負荷側絞り装置25、及び第1開閉装置11等を制御する機能部である。
次に、空気調和装置100が実行する各運転モードについて説明する。
以下に、各運転モードについて、冷媒の流れとともに説明する。
[全冷房運転モード]
図1に基づいて、空気調和装置100が実行する全冷房運転モードについて説明する。上述のように、全冷房運転モードとは、動作中の全ての室内機2が冷房運転を行うモードである。図1の場合、室内機2に設けられた負荷側熱交換器26で冷熱負荷が発生している状態である。なお、図1では、冷媒の流れ方向を実線矢印で示している。
全冷房運転モードでは、冷媒流路切替装置13が図1の実線で示される流路に切り替えられる。第1開閉装置11は、閉状態に切り替えられ、冷媒の流路を遮断する。
圧縮機10が駆動すると、圧縮機10は、低温で低圧の冷媒を圧縮し、高温で高圧のガス冷媒として吐出口から吐出する。圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置13を通って、熱源側熱交換器12に流入する。熱源側熱交換器12に流入した高温で高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器12で、室外空気に放熱して高圧の液冷媒となる。熱源側熱交換器12から流出した高圧の液冷媒は、室外機1から流出する。
室外機1から流出した高圧の液冷媒は、主管111を通って、室内機2に流入し、負荷側絞り装置25で膨張されて、低温で低圧の二相冷媒となる。この二相冷媒は、蒸発器として機能する負荷側熱交換器26に流入し、室内空気から吸熱することで室内空気を冷却して、低温で低圧のガス冷媒となる。負荷側熱交換器26から流出したガス冷媒は、主管111を通って、再び室外機1へ流入する。室外機1に流入したガス冷媒は、冷媒流路切替装置13及びアキュムレーター19を通って、圧縮機10に再度吸入される。
制御装置60は、負荷側第1温度センサー31で検出された冷媒の温度と、負荷側第2温度センサー32で検出された冷媒の温度との差として得られる過熱度が一定になるように、負荷側絞り装置25の開度を制御する。なお、過熱度は、スーパーヒートと称される場合もある。
[全暖房運転モード]
図2は、本実施の形態1に係る空気調和装置の回路構成を示す概略図であり、該空気調和装置が全暖房運転モードで動作している状態を示す図である。
図2に基づいて、空気調和装置100が実行する全暖房運転モードについて説明する。上述のように、全暖房運転モードとは、動作中の全ての室内機2が暖房運転を行うモードである。図2の場合、室内機2に設けられた負荷側熱交換器26で温熱負荷が発生している状態である。なお、図2では、冷媒の流れ方向を実線矢印で示している。
全暖房運転モードでは、冷媒流路切替装置13が図2の実線で示される流路に切り替えられる。第1開閉装置11は、閉状態に切り替えられ、冷媒の流路を遮断する。
圧縮機10が駆動すると、圧縮機10は、低温で低圧の冷媒を圧縮し、高温で高圧のガス冷媒として吐出口から吐出する。圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置13を通って、室外機1から流出する。
室外機1から流出した高温で高圧のガス冷媒は、主管111を通って室内機2に流入し、負荷側熱交換器26で室内空気に放熱することで室内空気を暖房しながら、液冷媒となる。負荷側熱交換器26から流出した液冷媒は、負荷側絞り装置25で膨張されて、低温で低圧の二相冷媒又は液冷媒となり、主管111を通って再び室外機1へ流入する。
室外機1へ流入した低温で低圧の冷媒は、熱源側熱交換器12に流入する。熱源側熱交換器12に流入した冷媒は、室外空気から吸熱して低温で低圧のガス冷媒となり、冷媒流路切替装置13及びアキュムレーター19を通り、圧縮機10に再度吸入される。
制御装置60は、吐出圧力センサー40で検出された冷媒の圧力を冷媒の飽和温度に換算した値と、負荷側第1温度センサー31で検出された温度との差として得られる過冷却度が一定になるように、負荷側絞り装置25の開度を制御する。なお、過冷却度は、サブクールと称される場合もある。
[除霜運転モード]
上述のように、除霜運転モードは、室外機1内の熱源側熱交換器12を除霜する運転モードである。全暖房運転モードにおける冷媒の流れ方向において熱源側熱交換器12の出口側となる位置に、熱源側熱交換器温度センサー43が設けられている。すなわち、熱源側熱交換器温度センサー43は、熱源側熱交換器12が蒸発器として機能している状態において、熱源側熱交換器12の冷媒の出口側となる位置に設けられている。除霜運転モードは、全暖房運転モードにおいて熱源側熱交換器温度センサー43の検出温度が規定温度以下であるときに実施される。すなわち、制御装置60は、全暖房運転モードを実施し、熱源側熱交換器温度センサー43の検出温度が規定温度以下となると、熱源側熱交換器12のフィンに着霜が所定量発生したと判定し、除霜運転モードを実施する。規定温度は、例えば約-10℃である。
なお、熱源側熱交換器温度センサー43は、熱源側熱交換器12が蒸発器として機能している状態において、熱源側熱交換器12の冷媒の入口側となる位置に設けられていてもよい。すなわち、熱源側熱交換器温度センサー43は、全暖房運転モード時に熱源側熱交換器12を流れる冷媒の蒸発温度を検出できればよい。
また、上述の熱源側熱交換器12の着霜の判定方法は、あくまでも一例である。例えば、圧縮機10が吸入する冷媒の圧力から換算される冷媒の飽和温度が、予め設定した室外空気温度と比較して規定温度以上低下したとき、熱源側熱交換器12のフィンに着霜が所定量発生したと判定してもよい。また、例えば、室外空気温度と蒸発温度との温度差が予め設定した値以上で一定時間経過したとき、熱源側熱交換器12のフィンに着霜が所定量発生したと判定してもよい。
図3は、本実施の形態1に係る空気調和装置の回路構成を示す概略図であり、該空気調和装置が除霜運転モードで動作している状態を示す図である。なお、図3では、冷媒の流れ方向を実線矢印で示している。
除霜運転モードでは、冷媒流路切替装置13は、図2に実線で示される全暖房運転モードと同じ状態に維持される。すなわち、除霜運転モードでは、冷媒流路切替装置13の冷媒の流路は、圧縮機10から吐出された冷媒が負荷側熱交換器26に流入する流路と同じになる。負荷側絞り装置25は、開状態から閉状態となる。第1開閉装置11は、閉状態から開状態となり、バイパス配管16に冷媒を流通させる状態となる。また、熱源側送風機18と、図示省略の負荷側送風機は停止させる。
なお、本実施の形態1では、除霜運転モードを実行する際、制御装置60は、第1開閉装置11を開状態とした後に、負荷側絞り装置25を閉状態とする。これにより、冷媒流路の閉塞を防ぎ、冷媒回路101において圧力が過度に上昇することを抑制できる。
圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒は、バイパス配管16を通って熱源側熱交換器12に流入する。熱源側熱交換器12に流入した高温のガス冷媒は、熱源側熱交換器12に付着した霜を融かしながら該熱源側熱交換器12を流れ、該熱源側熱交換器12から流出する。熱源側熱交換器12から流出する冷媒は、低温のガス冷媒となるときもあれば、二相冷媒となるときもあれば、液冷媒となるときもある。熱源側熱交換器12から流出した冷媒は、冷媒流路切替装置13を通って、アキュムレーター19に流入する。そして、アキュムレーター19に流入した冷媒の内、液冷媒はアキュムレーター19に滞留し、ガス冷媒は圧縮機10の吸入部に流入する。
なお、本実施の形態1では、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒は、第1開閉装置11にて飽和温度換算で0℃より大きくなる程度に減圧され、熱源側熱交換器12に流入する。このように減圧された高温で中圧の冷媒は、霜の温度よりも高く、また、ガス冷媒として熱源側熱交換器12に流入する。これにより、冷媒の潜熱を利用でき、除霜効果を向上させることができる。
熱源側熱交換器12の除霜は、例えば、次のよう条件が規定条件を満たした場合に、終了条件を満たしたとして終了する。除霜運転モードを終了する判定は、例えば、制御部63が行う。具体的には、除霜運転モードが実行されてからの時間が規定時間以上経過した場合、熱源側熱交換器12の除霜が完了したとして、除霜運転モードが終了する。規定時間は、例えば10分である。なお、除霜運転モードが実行されてからの時間は、例えば、演算部62で演算される。また、例えば、熱源側熱交換器温度センサー43が検出する冷媒の温度が規定温度以上となった場合、熱源側熱交換器12の除霜が完了したとして、除霜運転モードが終了する。規定温度は、例えば、5℃である。なお、上述の規定時間は、熱源側熱交換器12の全体に隙間なく着霜したと想定し、高温冷媒を流入させた場合、霜が全て融けるまでの所要時間以上で設定するとよい。
なお、上記の規定時間の10分は、あくまでも一例である。また、上記の規定温度の5℃も、あくまでも一例である。上記の規定時間及び規定温度の具体的な値は、熱源側熱交換器12の容量及び熱源側熱交換器12に想定される着霜状態等を考慮し、熱源側熱交換器12の霜が全て溶けることができる値を適宜決定すればよい。
圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒の流路は、主管111を介して、負荷側熱交換器26の流路と繋がっている。また、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒の圧力は、負荷側熱交換器26に存在している冷媒の圧力よりも高い。また、除霜運転モードでは、負荷側絞り装置25が閉状態となっている。このため、除霜運転モードでは、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒の圧力によって、全暖房運転モード時に冷媒流路切替装置13と負荷側絞り装置25との間に存在していた冷媒は、冷媒流路切替装置13と負荷側絞り装置25との間に保持される。
ここで、全暖房運転モードでは、負荷側絞り装置25と冷媒流路切替装置13との間に位置する負荷側熱交換器26は、凝縮器として機能する。このため、負荷側熱交換器26には、多くの冷媒が存在している。このため、本実施の形態1で示した除霜運転モードを実行することにより、負荷側熱交換器26に余剰冷媒を保持できるため、アキュムレーター19に滞留する余剰冷媒の量を低減できる。したがって、空気調和装置100は、除霜運転モード時、アキュムレーター19から液冷媒が溢れて、圧縮機10に液冷媒が吸入されることを抑制できる。すなわち、空気調和装置100は、除霜運転モード時、圧縮機10への液戻りを抑制できる。
また、本実施の形態1に係る空気調和装置100においては、除霜運転モード時、圧縮機10から吐出された高温の冷媒は、室外機1内のみを流れて熱源側熱交換器12に流入できる。換言すると、本実施の形態1に係る空気調和装置100においては、除霜運転モード時、圧縮機10から吐出された高温の冷媒は、主管111及び室内機2を通ることなく、熱源側熱交換器12に流入できる。このため、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、除霜運転モード時、熱源側熱交換器12に流入する冷媒の密度が圧力損失によって低下することを抑制できる。これにより、圧縮機10と熱源側熱交換器12との間を循環する冷媒量を増加でき、除霜能力の低下を抑制することもできる。
さらに、本実施の形態1に係る空気調和装置100においては、除霜運転モード終了後に早期に全暖房運転モードにて空調対象空間を暖房できるので、ユーザーの快適性を向上させることもできる。
具体的には、除霜運転モード終了後に全暖房運転モードが再開される際、制御装置60の制御部63は、負荷側絞り装置25を閉状態から開状態に切り替える。これにより、冷媒回路101にて冷媒の循環が開始される。また、除霜運転モード終了後に全暖房運転モードが再開される際、制御部63は、第1開閉装置11を開状態から閉状態に切り替え、バイパス配管16の冷媒の流通を遮断する。また、除霜運転モード終了後に全暖房運転モードが再開される際、制御部63は、熱源側送風機18を回転させる。これにより、熱源側熱交換器12を流れる冷媒は、室外空気から吸熱して、蒸発する。
ここで、除霜運転モード終了後に全暖房運転モードが再開されると、負荷側熱交換器26に保持された余剰冷媒は、負荷側絞り装置25及び主管111を通って熱源側熱交換器12に流入し、室外空気から吸熱することで蒸発する。すなわち、全暖房運転モードが再開された直後に、負荷側熱交換器26に保持された余剰冷媒を熱源側熱交換器12で蒸発させることができる。このため、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、除霜運転モード時の余剰冷媒が熱源側熱交換器12に流入しない場合と比較して、圧縮機10に多くのガス冷媒を流入させることができ、圧縮機10から吐出される冷媒量を増加できる。したがって、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、除霜運転モード時の余剰冷媒が熱源側熱交換器12に流入しない場合と比較して、負荷側熱交換器26に流入する高温で高圧のガス冷媒の量を増加させることができる。この結果、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、除霜運転モード終了後に早期に全暖房運転モードにて空調対象空間を暖房できるので、ユーザーの快適性を向上させることもできる。
なお、第1開閉装置11は、次のようなサイズのものを選定するとよい。具体的には、上述のように、除霜運転モード時、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒は、第1開閉装置11にて飽和温度換算で0℃より大きくなる程度に減圧される。ここで、第1開閉装置11のサイズがガス冷媒の循環量に対し小さい場合は、圧縮機10から吐出された高圧のガス冷媒の圧力が過度に上昇する場合がある。このため、第1開閉装置11は、除霜運転モード時のガス冷媒の循環量に応じて、圧縮機10から吐出された高圧のガス冷媒の圧力が運転圧力より小さくなるようなサイズのものを選定するとよい。例えば、冷媒としてR410A冷媒を使用し、冷媒回路101の高圧側の設計圧力を4.15MPaに決定したとする。この場合、例えば、除霜運転モードを実際に行った際の冷媒回路101の高圧側である運転圧力の上限値を、圧力のオーバーシュートを考慮し、4.15MPaよりも低い3.8MPaと想定する。この際、第1開閉装置11は、除霜運転モードを実際に行った際の運転圧力が3.8MPa以下となるサイズを選定すればよい。
また、除霜運転モード時において、制御部63は、圧縮機10の駆動周波数を次のように制御するのが好ましい。例えば、除霜運転モード時において、熱源側熱交換器12の霜が融けていく過程で、熱源側熱交換器12の伝熱管の各パスの着霜量と冷媒流量差との影響で、融け難いパスが存在する場合がある。このような場合、熱源側熱交換器12を流出するガス冷媒の温度が霜の融点である0℃を超えて上昇し、圧縮機10に吸入される冷媒温度が上昇する。このため、圧縮機10から吐出される冷媒の温度が過度に上昇する。
圧縮機10から吐出される冷媒の温度は、冷凍機油の劣化等に影響する。このため、冷凍機油の劣化防止等の空気調和装置100の信頼性確保のために、圧縮機10から吐出される冷媒の温度の上限値が設けられている。上限値は、例えば120℃である。このため、制御部63は、圧縮機10から吐出される冷媒の温度が上限値を超えないよう、圧縮機10の駆動周波数を制御するのが好ましい。具体的には、制御部63は、除霜運転モードにおいて、吐出温度センサー42の検出温度が規定温度以上となった際、圧縮機10の駆動周波数を低下させるのが好ましい。例えば、制御部63は、圧縮機10の駆動周波数を20%低下させる。規定温度は、例えば110℃である。圧縮機10の駆動周波数を低下させることにより、圧縮機10から吐出される冷媒の温度を低下させることができるので、安定して除霜運転モードを実行できる。以下、圧縮機10から吐出される冷媒の温度を、圧縮機10の吐出温度と称する場合がある。
なお、圧縮機10の吐出温度の上限値の120℃という値、及び規定温度である110℃という値は、あくまでも一例である。圧縮機10の吐出温度の上限値及び規定温度の具体的な値は、実際に使用される圧縮機10及び冷凍機油の信頼性等に基づいて、適宜決定すればよい。また、圧縮機10の駆動周波数の低下量も、20%に限定されない。圧縮機10の駆動周波数の低下量は、圧縮機10の吐出温度を低下させることができる量であれば任意である。
続いて、除霜運転モードを実行する際の制御装置60の制御動作について説明する。
図4は、本実施の形態1に係る空気調和装置の制御装置が除霜運転モードを実行する際の制御動作を示すフローチャートである。
制御装置60は、除霜運転モードを実施する条件が成立した場合、ステップCT1において、除霜運転モードを開始する。ステップCT1の後、ステップCT2において、制御装置60の制御部63は、冷媒流路切替装置13の流路を除霜運転モードの流路に設定する。具体的には、制御部63は、冷媒流路切替装置13の流路を、圧縮機10から吐出された冷媒が負荷側熱交換器26に流入する流路とする。なお、本実施の形態1の場合、制御部63は、全暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える。このため、本実施の形態1の場合、制御部63は、冷媒流路切替装置13の流路を、全暖房運転モードと同じ流路に維持する。
ステップCT2の後、ステップCT3において、制御部63は、第1開閉装置11を閉状態から開状態とする。そして、ステップCT3の後、ステップCT4において、制御部63は、負荷側絞り装置25を開状態から閉状態とする。これにより、圧縮機10から吐出された冷媒を、バイパス配管16から熱源側熱交換器12に流入させることができる。
ステップCT4の後のステップCT5は、圧縮機10の駆動周波数を変更するか否かを判定するステップである。具体的には、ステップCT5は、圧縮機10の吐出温度が規定温度以上となっているか否かを判定するステップである。換言すると、ステップCT5は、入力部61に入力された吐出温度センサー42の検出温度が規定温度以上となっているか否かを判定するステップである。この判定は、例えば、制御部63が行う。
ステップCT5において入力部61に入力された吐出温度センサー42の検出温度が規定温度以上となっている場合、制御部63は、ステップCT6に進み、圧縮機10の駆動周波数を低下させる。例えば、制御部63は、圧縮機10の駆動周波数を20%低下させる。これにより、圧縮機10の吐出温度を低下させることができる。ステップCT6の後、制御装置60は、ステップCT5に戻る。
一方、ステップCT5において入力部61に入力された吐出温度センサー42の検出温度が規定温度以上となっていない場合、制御装置60は、圧縮機10の駆動周波数を変更することなく、ステップCT7に進む。
ステップCT7は、除霜運転モードの終了条件が成立したか否かを判定するステップである。例えば、演算部62は、除霜運転モードが実行されてからの時間を演算する。そして、制御部63は、除霜運転モードが実行されてからの時間が規定時間以上経過した場合、除霜運転モードの終了条件が成立したと判定する。一方、制御部63は、除霜運転モードが実行されてからの時間が規定時間よりも短い場合、除霜運転モードの終了条件が成立していないと判定する。また、例えば、熱源側熱交換器12から流出した冷媒の温度が規定温度以上となった場合、制御部63は、除霜運転モードの終了条件が成立したと判定する。一方、熱源側熱交換器12から流出した冷媒の温度が規定温度よりも低い場合、制御部63は、除霜運転モードの終了条件が成立していないと判定する。熱源側熱交換器12から流出した冷媒の温度は、入力部61に入力された熱源側熱交換器温度センサー43の検出温度である。なお、制御部63は、除霜運転モードが実行されてからの時間による終了条件と、熱源側熱交換器12から流出した冷媒の温度による終了条件とのうち、少なくとも一方を満たす場合、除霜運転モードの終了条件が成立したと判定してもよい。
ステップCT7において、除霜運転モードの終了条件が成立したと制御部63が判定した場合、ステップCT8において制御装置60は、除霜運転モードを終了する。具体的には、制御部63は、負荷側絞り装置25を、閉状態から開状態とする。その後、制御部63は、第1開閉装置11を開状態から閉状態とする。そして、制御部63は、全暖房運転モードを実行する。
一方、ステップCT7において、除霜運転モードの終了条件が成立していないと制御部63が判定した場合、制御装置60は、ステップCT5に戻る。
[実施の形態1の変形例]
上述した空気調和装置100は、あくまでも一例である。以下に、本実施の形態1に係る空気調和装置100の変形例を幾つか紹介する。
図5は、本実施の形態1に係る空気調和装置の別の一例の回路構成を示す概略図であり、該空気調和装置が除霜運転モードで動作している状態を示す図である。なお、図5では、冷媒の流れ方向を実線矢印で示している。
図5に示す空気調和装置100においては、第1開閉装置11は、冷媒流量を調整可能な電子式膨張弁となっている。
除霜運転モードが進行し、熱源側熱交換器12の霜の大半が融け、一部の霜が熱源側熱交換器12に残っているとする。このような状況においては、熱源側熱交換器12が冷媒により加熱され、圧縮機10と熱源側熱交換器12との間を循環する冷媒の低圧が上昇し、圧縮機10から吐出された高圧のガス冷媒の圧力が上昇する場合がある。しかしながら、第1開閉装置11として冷媒流量を調整可能な電子式膨張弁を用いることにより、除霜運転モード時、制御部63は、圧縮機10から吐出された高圧のガス冷媒の圧力が第1規定圧力となるように、第1開閉装置11の開度を調整することができる。第1規定圧力は、例えば、3.0MPaである。また、例えば、除霜運転モード時、制御部63は、圧縮機10から吐出された高圧のガス冷媒の圧力が第2規定圧力以上となった場合、第1開閉装置11の開度を大きくする。第2規定圧力は、例えば、3.8MPaである。第1開閉装置11として冷媒流量を調整可能な電子式膨張弁を用いることにより、このように、圧縮機10から吐出された高圧のガス冷媒の圧力を調整することができ、圧縮機10から吐出された高圧のガス冷媒の圧力の上昇を抑制できる。すなわち、第1開閉装置11として冷媒流量を調整可能な電子式膨張弁を用いることにより、安定した除霜運転モードの実行が可能となる。
上述した空気調和装置100の例では、余剰な冷媒を溜める容器として、アキュムレーター19を備えていた。しかしながら、余剰冷媒を溜める容器は、アキュムレーター19に限定されない。例えば、余剰冷媒を溜める容器として、熱源側熱交換器12と負荷側絞り装置25との間に設けられるレシーバーが知られている。空気調和装置100は、余剰冷媒を溜める容器として、該レシーバー等、アキュムレーター19以外の容器を備えていてもよい。なお、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、上述のように、除霜運転モードにおいて、余剰冷媒を溜める容器に溜まる液冷媒の量を低減できる。このため、本実施の形態1に係る空気調和装置100においては、余剰冷媒を溜める容器の容積は、冷媒回路101に封入される冷媒の全てが液状となっているときの体積よりも小さいことが好ましい。室外機1を小型化でき、空気調和装置100を小型化できる。
また、空気調和装置100は、除霜運転モード時のみ余剰冷媒が発生し、該余剰冷媒を負荷側熱交換器26で保持できる場合には、アキュムレーター19等の余剰冷媒を溜める容器を備えていなくてもよい。
また、上述した空気調和装置100の例では、負荷側絞り装置25は、室内機2に搭載されていた。しかしながら、負荷側絞り装置25の搭載位置は限定されず、例えば、負荷側絞り装置25は、室外機1に搭載されていてもよい。また、後述の実施の形態で示すように、空気調和装置100は、室外機1と室内機2とを接続する中継機を備えている場合がある。このような場合、例えば、負荷側絞り装置25は、中継機に搭載されていてもよい。
また、上述した空気調和装置100の例では、熱源側熱交換器12及び負荷側熱交換器26は、冷媒と送風機から供給された空気とを熱交換させる構成となっていた。しかしながら、熱源側熱交換器12及び負荷側熱交換器26の構成は、冷媒の放熱又は吸熱を行うことができるものであれば限定されない。例えば、熱源側熱交換器12及び負荷側熱交換器26は、冷媒と熱媒体とを熱交換させる構成であってもよい。熱媒体とは、熱源側熱交換器12及び負荷側熱交換器26を循環する冷媒とは異なるものであり、例えば、水又は不凍液等の液体である。また、例えば、負荷側熱交換器26は、放射を利用したパネルヒータのようなものであってもよい。また、負荷側熱交換器26が冷媒と熱媒体とを熱交換させる構成の場合、負荷側熱交換器26の搭載位置は、室内機2に限定されない。例えば、負荷側熱交換器26は、室外機1に搭載されていてもよい。また、例えば、空気調和装置100が中継機を備えている場合、負荷側熱交換器26は、中継機に搭載されていてもよい。負荷側熱交換器26で冷媒と熱交換した熱媒体が流れる室内熱交換器を室内機2に設け、負荷側熱交換器26で冷却又は加熱された熱媒体を室内熱交換器に供給することにより、空調対象空間の冷房又は暖房を行うことができる。
また、上述した空気調和装置100の例では、熱源側熱交換器12、冷媒流路切替装置13、第1開閉装置11及びバイパス配管16を、それぞれ1つずつ備えた。これに限らず、空気調和装置100は、熱源側熱交換器12、冷媒流路切替装置13、第1開閉装置11及びバイパス配管16を、複数個ずつ備えていてもよい。
また、上述した空気調和装置100の例では、冷媒としてR410Aを用いた。しかしながら、空気調和装置100に用いられる冷媒は、R410Aに限定されない。例えば、気液二相状態を持つ単一冷媒又は混合冷媒の全般を、空気調和装置100に用いることができる。
以上、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、圧縮機10、熱源側熱交換器12、冷媒流路切替装置13、負荷側熱交換器26及び負荷側絞り装置25が冷媒配管110で接続された冷媒回路101を備えている。また、空気調和装置100は、冷媒回路101において圧縮機10の吐出口と冷媒流路切替装置13との間となる位置に入口側端部16aが接続され、冷媒回路101において負荷側絞り装置25と熱源側熱交換器12との間となる位置に出口側端部16bが接続されたバイパス配管16を備えている。また、空気調和装置100は、バイパス配管16に設けられ、設置箇所における冷媒の流路を開閉する第1開閉装置11を備えている。また、空気調和装置100は、冷媒流路切替装置13、負荷側絞り装置25、及び第1開閉装置11を制御する制御装置60を備えている。また、空気調和装置100は、圧縮機10、熱源側熱交換器12、冷媒流路切替装置13、バイパス配管16及び第1開閉装置11が搭載された室外機1を備えている。そして、熱源側熱交換器12の除霜を行う除霜運転モードを実行する際、制御装置60は、冷媒流路切替装置13の冷媒の流路を、圧縮機10から吐出された冷媒が負荷側熱交換器26に流入する流路とする。また、制御装置60は、第1開閉装置11を閉状態から開状態とし、負荷側絞り装置25を開状態から閉状態とし、圧縮機10から吐出された冷媒をバイパス配管16から熱源側熱交換器12に流入させる。
このように構成された空気調和装置100においては、上述のように、除霜運転モード時、圧縮機10への液戻りを抑制でき、除霜能力の低下を抑制することもできる。
実施の形態2.
空気調和装置100は、本実施の形態2に示すように第2開閉装置15を備えていてもよい。なお、本実施の形態2において言及されていない事項は、実施の形態1と同様とする。
図6は、本実施の形態2に係る空気調和装置の回路構成を示す概略図であり、該空気調和装置が除霜運転モードで動作している状態を示す図である。なお、図6では、冷媒の流れ方向を実線矢印で示している。
本実施の形態2に係る空気調和装置100は、第2開閉装置15を備えている。第2開閉装置15は、設置箇所における冷媒の流路を開閉するものである。第2開閉装置15は、冷媒回路101において、熱源側熱交換器12が蒸発器として機能する際に該熱源側熱交換器12の冷媒の流入側となる位置であり、バイパス配管16の出口側端部16bとの接続箇所を基準として熱源側熱交換器12とは反対側となる位置に設けられている。また、本実施の形態2では、第2開閉装置15は、室外機1に搭載されている。第2開閉装置15は、例えば、二方弁、電磁弁、又は冷媒の流量を調整可能な電子式膨張弁等、冷媒の流路を開閉可能なもので構成するとよい。第2開閉装置15は、制御装置60によって制御される。具体的には、制御装置60の制御部63は、全冷房運転モード時及び全暖房運転モード時、第2開閉装置15を開状態とする。また、制御部63は、除霜運転モードを実行する際、第2開閉装置15を開状態から閉状態とする。
除霜運転モード時、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒は、バイパス配管16を通って、熱源側熱交換器12に流入する。この際、第2開閉装置15が設けられていない場合には、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒の一部は、バイパス配管16を流出後、負荷側絞り装置25の方へ向かって流れようとする。ここで、第2開閉装置15と負荷側絞り装置25との間となる冷媒配管110部分は、圧縮機10から吐出された冷媒よりも温度が低くなっている。このため、圧縮機10から吐出された冷媒が第2開閉装置15と負荷側絞り装置25との間となる冷媒配管110部分に流入すると、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒が凝縮して滞留する場合がある。
しかしながら、除霜運転モード時に第2開閉装置15を閉状態とすることにより、圧縮機10から吐出された冷媒が第2開閉装置15と負荷側絞り装置25との間となる冷媒配管110部分に流入することを防止できる。すなわち、除霜運転モード時に第2開閉装置15を閉状態とすることにより、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒が、第2開閉装置15と負荷側絞り装置25との間となる冷媒配管110部分において凝縮して滞留することを防止できる。したがって、本実施の形態2に係る空気調和装置100は、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒をより多く熱源側熱交換器12に流入させることができるので、除霜能力がより向上する。
図7は、本実施の形態2に係る空気調和装置が全暖房運転モードで動作している際の冷媒の状態を示すモリエル線図の概略図である。図7の横軸は、比エンタルピh[kJ/kg]を表している。また、図7の縦軸は、圧力P[MPa]を表している。図7を用いて、空気調和装置100の全暖房運転モードにおける冷媒量の分布について説明する。なお、実施の形態1で示した空気調和装置100が全暖房運転モードで動作する際も、図7と同様の冷媒状態となる。
図7のiは飽和線を示しており、飽和線iの右の線より右側では、冷媒はガス単相の状態となる。また、飽和線iの左の線より左側では、冷媒は液単相の状態となる。また、飽和線iの右の線と左の線との間では、冷媒は気液二相状態となる。冷媒が液単相の状態になっているときは、冷媒がガス単相の状態になっているときと比べ、密度が約30倍高くなる。例えば、R410Aが圧力1.0MPaとなっている場合、ガス単相状態の冷媒の密度は約38kg/m3となり、液単相状態の冷媒の密度は約1140kg/m3となる。このため、気液二相状態の冷媒が飽和線iの左の線に近づくほど、必要冷媒量が多くなる。
図7において、圧縮機10から吐出されたガス冷媒は、点bに示す状態である。このガス冷媒は負荷側熱交換器26で凝縮され、点cに示す液冷媒の状態となる。この液冷媒は負荷側絞り装置25で減圧され、主管111を通り、点dで示される気液二相冷媒の状態となる。この気液二相冷媒は、熱源側熱交換器12にて蒸発され、アキュムレーター19を通過し、点aのガス冷媒の状態で、圧縮機10に吸入される。よって、空気調和装置100に封入された冷媒は、気液二相状態から液相状態になる、負荷側熱交換器26、主管111、熱源側熱交換器12に多く滞留することになる。
図8は、本実施の形態2に係る空気調和装置が除霜運転モードで動作している際の冷媒の状態を示すモリエル線図の概略図である。図8の横軸は、図7と同様に、比エンタルピh[kJ/kg]を表している。また、図8の縦軸も、図7と同様に、圧力P[MPa]を表している。図8を用いて、空気調和装置100の除霜運転モードにおける冷媒量の分布について説明する。なお、実施の形態1で示した空気調和装置100が除霜運転モードで動作する際も、図8と同様の冷媒状態となる。
図8に示す飽和線iは、図7と同じものである。すなわち、飽和線iの右の線より右側では、冷媒はガス単相の状態となる。また、飽和線iの左の線より左側では、冷媒は液単相の状態となる。また、飽和線iの右の線と左の線との間では、冷媒は気液二相状態となる。上述のように、冷媒が液単相の状態になっているときは、冷媒がガス単相の状態になっているときと比べ、密度が約30倍高くなる。このため、気液二相状態の冷媒が飽和線iの左の線に近づくほど、必要冷媒量が多くなる。
図8において、圧縮機10から吐出されたガス冷媒は、点bに示す状態である。このガス冷媒は第1開閉装置11において減圧され、点cに示すガス冷媒の状態となる。点cのガス冷媒は、熱源側熱交換器12に付着した霜を融かすことで冷却され、アキュムレーター19を通過し、点aのガス冷媒の状態で、圧縮機10に吸入される。このように、除霜運転モードにおいて必要な冷媒はガス冷媒のみとなる。このため、全暖房運転モードで使用していた冷媒のうち、除霜運転モードで使用されなくなった冷媒は、余剰冷媒として、負荷側熱交換器26及びアキュムレーター19に滞留することになる。
従来、空気調和装置は、設置環境の制約により、室外機と室内機との間の主管の長さが長くなる場合がある。例えば、ビル用マルチエアコンは、室外機をビルの屋上に設置し、複数の室内機をビルの下の階に設置する。このような場合、室外機と室内機の間の主管の長さが長くなる。本実施の形態2に係る空気調和装置100においても、設置環境の制約により、室外機1と室内機2との間の主管111の長さが長くなる場合がある。このように主管111の長さが長い場合、主管111に存在する冷媒量が多くなる。このため、第2開閉装置15を設け、除霜運転モード時に第2開閉装置15を閉状態とすることで、主管111に多くの冷媒を溜めることができる。この結果、除霜運転モード時にアキュムレーター19に溜められる冷媒量を抑制することができる。このため、冷媒回路101に封入される冷媒の全てが液状となっているときの体積よりも小さい容積のアキュムレーター19を備えた空気調和装置100に、第2開閉装置15を設けるのが好適である。
続いて、本実施の形態2に係る空気調和装置100が除霜運転モードを実行する際の制御装置60の制御動作について説明する。
図9は、本実施の形態2に係る空気調和装置の制御装置が除霜運転モードを実行する際の制御動作を示すフローチャートである。
本実施の形態2に係る空気調和装置100が除霜運転モードを実行する際、制御装置60の制御動作には、実施の形態1の図4で示した制御動作に加え、ステップCT9の動作が追加される。このステップCT9は、ステップCT3とステップCT4との間で行われる。なお、ステップCT9は、ステップCT3とステップCT5との間で行われればよく、例えば、ステップCT4とステップCT5との間で行われてもよい。
具体的には、除霜運転モードを実行する際、ステップCT3の後のステップCT9において、制御装置60の制御部63は、第2開閉装置15を開状態から閉状態とし、ステップCT5に移行する。すなわち、除霜運転モードを実行する際、制御部63は、負荷側絞り装置25及び第2開閉装置15を閉状態とする前に、第1開閉装置11を開状態とする。これにより、冷媒流路の閉塞を防ぎ、冷媒回路101において圧力が過度に上昇することを抑制できる。
実施の形態3.
上述のように、空気調和装置100は、室外機1と室内機2とを接続する中継機を備えていてもよい。本実施の形態3では、中継機を備えた空気調和装置100の一例について説明する。なお、本実施の形態3において言及されていない事項は、実施の形態1又は実施の形態2と同様とする。
[空気調和装置100の構成]
図10は、本実施の形態3に係る空気調和装置の回路構成を示す概略図であり、該空気調和装置が全冷房運転モードで動作している状態を示す図である。
図10に示すように、空気調和装置100は、1台の室外機1と、複数台の室内機2と、1台の中継機3とを備えている。中継機3は、室外機1と室内機2とを接続するものである。室外機1と中継機3とは、冷媒が流通する複数本の主管111で接続されている。主管111は、冷媒回路101の冷媒配管110の一部を構成するものである。また、中継機3と室内機2のそれぞれとは、複数本の枝管112で接続されている。枝管112は、冷媒回路101の冷媒配管110の一部を構成するものである。室外機1で生成された冷熱又は温熱は、中継機3を介して各室内機2に供給されるようになっている。
なお、以下では、各室内機2を区別して示す場合、符号の末尾にアルファベットを付す場合がある。図1では、複数の室内機2として、室内機2a、室内機2b、室内機2c、及び室内機2dが例示されている。また、以下では、各室内機2に対応して設けられた複数の構成を区別して示す際にも、符号の末尾にアルファベットを付す場合がある。例えば、後述のように、各室内機2は、負荷側熱交換器26が搭載されている。この場合、例えば、室内機2aに搭載された負荷側熱交換器26を、負荷側熱交換器26aと示す場合がある。
本実施の形態3では、室外機1と中継機3とは、2本の主管111を用いて接続されている。また、中継機3と室内機2のそれぞれとは、2本の枝管112で接続されている。詳しくは、中継機3と室内機2のそれぞれとは、枝管112a及び枝管112bで接続されている。このように、室外機1と中継機3との間、及び中継機3と各室内機2との間がそれぞれ2本の配管を用いて接続されることにより、空気調和装置100の施工を容易に行うことができる。
[室外機1の構成]
室外機1には、実施の形態1と同様に、圧縮機10、冷媒流路切替装置13、熱源側熱交換器12、アキュムレーター19、第1開閉装置11、バイパス配管16、熱源側送風機18が搭載されている。
さらに、室外機1には、逆流防止装置14a、逆流防止装置14b、逆流防止装置14c、及び逆流防止装置14dが設けられている。逆流防止装置14a~逆流防止装置14dは、例えば逆止弁である。逆流防止装置14aは、全暖房運転モード及び後述の暖房主体運転モードの際に、熱源側熱交換器12に、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒が逆流することを防止するものである。逆流防止装置14bは、全冷房運転モード及び冷房主体運転モードの際に、逆流防止装置14aの出口側の冷媒配管110からアキュムレーター19に、高圧の液又は気液二相状態の冷媒が逆流することを防止するものである。逆流防止装置14cは、全冷房運転モード及び冷房主体運転モードの際に、逆流防止装置14aの入口側の冷媒配管110からアキュムレーター19に、高圧の液又は気液二相状態の冷媒が逆流することを防止するものである。逆流防止装置14dは、全暖房運転モード及び暖房主体運転モードの際に、圧縮機10の吐出側の流路から主管111に、高温で高圧のガス冷媒が逆流することを防止するものである。
このように、逆流防止装置14a~逆流防止装置14dを設けることにより、室内機2の要求する運転に関わらず、中継機3に流入させる冷媒の流れを一定方向にすることができる。なお、本実施の形態3では、逆流防止装置14a~逆流防止装置14dとして逆止弁が用いられているが、冷媒の逆流を防止できるものであれば逆流防止装置14a~逆流防止装置14dの構成はこれに限られない。例えば、逆流防止装置14a~逆流防止装置14dとして、開閉装置や全閉機能を有する絞り装置を用いることもできる。
[室内機2a~室内機2dの構成]
各室内機2は、例えば互いに同一の構成を有している。各室内機2は、負荷側絞り装置25として機能する室内側絞り装置70、及び負荷側熱交換器26を備えている。すなわち、室内機2aは、室内側絞り装置70a及び負荷側熱交換器26aを備えている。室内機2bは、室内側絞り装置70b及び負荷側熱交換器26bを備えている。室内機2cは、室内側絞り装置70c及び負荷側熱交換器26cを備えている。室内機2dは、室内側絞り装置70d及び負荷側熱交換器26dを備えている。負荷側熱交換器26a~負荷側熱交換器26dのそれぞれは、枝管112、中継機3及び主管111を介して室外機1に接続されている。
負荷側熱交換器26のそれぞれは、内部を流れる冷媒と室内空気とが熱交換する構成となっている。このため、本実施の形態3に係る空気調和装置100は、負荷側熱交換器26のそれぞれに室内空気を供給する図示せぬ負荷側送風機を備えている。すなわち、負荷側熱交換器26のそれぞれで冷却された室内空気が、空調対象空間に供給される冷房用空気となる。また、負荷側熱交換器26で加熱された室内空気が、空調対象空間に供給される暖房用空気となる。
室内側絞り装置70aのそれぞれは、例えば、連続的又は多段階で開度を調節可能である。室内側絞り装置70aのそれぞれは、例えば、電子式膨張弁等が用いられる。室内側絞り装置70aのそれぞれは、減圧弁及び膨張弁としての機能を有する。換言すると、室内側絞り装置70aのそれぞれは、冷媒を減圧して膨張させる。室内側絞り装置70のそれぞれは、冷媒回路101において、負荷側熱交換器26が凝縮器として機能する際に該負荷側熱交換器26の下流側となる位置に配置されている。すなわち、室内側絞り装置70aのそれぞれは、暖房運転時、負荷側熱交換器26から流出した前記冷媒を減圧するものである。また、室内側絞り装置70aのそれぞれは、冷房運転時、負荷側熱交換器26に流入する冷媒を減圧する。すなわち、室内側絞り装置70aのそれぞれは、冷媒回路101において、負荷側熱交換器26が蒸発器として機能する際に該負荷側熱交換器26の上流側となる位置に配置されている。
また、各室内機2には、負荷側第1温度センサー31及び負荷側第2温度センサー32が設置されている。すなわち、室内機2aには、負荷側第1温度センサー31a及び負荷側第2温度センサー32aが設置されている。室内機2bには、負荷側第1温度センサー31b及び負荷側第2温度センサー32bが設置されている。室内機2cには、負荷側第1温度センサー31c及び負荷側第2温度センサー32cが設置されている。室内機2dには、負荷側第1温度センサー31d及び負荷側第2温度センサー32dが設置されている。各負荷側第1温度センサー31及び各負荷側第2温度センサー32は、例えば、サーミスター等で構成されている。各負荷側第1温度センサー31は、室内機2が冷房運転を行っている際、負荷側熱交換器26に流入する冷媒の温度を検出する。また、各負荷側第1温度センサー31は、室内機2が暖房運転を行っている際、負荷側熱交換器26から流出した冷媒の温度を検出する。各負荷側第2温度センサー32は、室内機2が冷房運転を行っている際、負荷側熱交換器26から流出した冷媒の温度を検出する。また、各負荷側第2温度センサー32は、室内機2が暖房運転を行っている際、負荷側熱交換器26に流入する冷媒の温度を検出する。また、各負荷側第1温度センサー31及び各負荷側第2温度センサー32は、検出した冷媒の温度を、検出信号として制御装置60へ出力する。
なお、図10では4台の室内機2a~室内機2dが例示されている。しかしながら、空気調和装置100が備える室内機2の台数は、2台、3台、又は5台以上であってもよい。
[中継機3の構成]
中継機3は、冷媒回路101の構成として、気液分離器29、複数の中継機第1開閉装置23、複数の中継機第2開閉装置24、中継機第1絞り装置30、及び中継機第2絞り装置27を備えている。
気液分離器29は、冷媒の流れにおいて中継機3の入口部に設けられている。気液分離器29は、室外機1から流入してきた冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離するものである。気液分離器29のガス冷媒の流出口には、冷媒配管110の一部を構成するガス冷媒流出配管113が接続されている。また、気液分離器29の液冷媒の流出口には、冷媒配管110の一部を構成する液冷媒流出配管114の一端が接続されている。なお、液冷媒流出配管114の他端は、室内側絞り装置70のそれぞれに分岐して接続されている。詳しくは、気液分離器29は、後述の冷房主体運転モードにおいて、室外機1で生成された高圧の気液二相状態の冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する。気液分離器29は、分離した液冷媒を液冷媒流出配管114に流入させ、一部の室内機2に冷熱を供給する。また、気液分離器29は、分離したガス冷媒をガス冷媒流出配管113に流入させ、他の一部の室内機2に温熱を供給する。
中継機第1開閉装置23のそれぞれの一端は、ガス冷媒流出配管113に接続されている。また、中継機第1開閉装置23は室内機2毎に設けられており、中継機第1開閉装置23の他端は室内機2の負荷側熱交換器26に接続されている。すなわち、中継機第1開閉装置23aは、室内機2aの負荷側熱交換器26aに接続されている。中継機第1開閉装置23bは、室内機2bの負荷側熱交換器26bに接続されている。中継機第1開閉装置23cは、室内機2cの負荷側熱交換器26cに接続されている。中継機第1開閉装置23dは、室内機2dの負荷側熱交換器26dに接続されている。各中継機第1開閉装置23は、室内機2に供給される高温で高圧のガス冷媒の流路を開閉するものである。中継機第1開閉装置23は、例えば電磁弁等で構成されている。なお、中継機第1開閉装置23は、流路の開閉を行うことができればよく、全閉機能を有する絞り装置であってもよい。
中継機第2開閉装置24のそれぞれの一端は、中継機流出配管115に接続されている。中継機流出配管115は、冷媒配管110の一部を構成し、中継機3から流出する冷媒が通る配管である。また、中継機第2開閉装置24は室内機2毎に設けられており、中継機第2開閉装置24の他端は室内機2の負荷側熱交換器26に接続されている。すなわち、中継機第2開閉装置24aは、室内機2aの負荷側熱交換器26aに接続されている。中継機第2開閉装置24bは、室内機2bの負荷側熱交換器26bに接続されている。中継機第2開閉装置24cは、室内機2cの負荷側熱交換器26cに接続されている。中継機第2開閉装置24dは、室内機2dの負荷側熱交換器26dに接続されている。中継機第2開閉装置24は、室内機2から流出した低温で低圧の冷媒の流路を開閉するものである。中継機第2開閉装置24は、例えば電磁弁等で構成されている。なお、中継機第2開閉装置24は、流路の開閉を行うことができればよく、全閉機能を有する絞り装置であってもよい。
すなわち、本実施の形態3に係る空気調和装置100は、室内機2、中継機第1開閉装置23及び中継機第2開閉装置24のセットを複数備えていると言うことができる。
中継機第1絞り装置30は、液冷媒流出配管114に設けられ、設置箇所を流れる冷媒を減圧するものである。詳しくは、中継機第1絞り装置30は、減圧弁及び開閉弁としての機能を有している。中継機第1絞り装置30は、液冷媒を減圧して所定の圧力に調節するとともに、液冷媒の流路を開閉するものである。中継機第1絞り装置30は、例えば連続的又は多段階で可変に開度を調節可能なものである。中継機第1絞り装置30としては、例えば電子式膨張弁等が用いられる。
中継機第2絞り装置27は、中継機バイパス配管116に設けられ、設置箇所を流れる冷媒を減圧するものである。中継機バイパス配管116は、冷媒配管110の一部を構成する配管である。中継機バイパス配管116の一端は、液冷媒流出配管114における中継機第1絞り装置30と室内側絞り装置70との間となる位置に接続されている。また、中継機バイパス配管116の他端は、中継機流出配管115に接続されている。詳しくは、中継機第2絞り装置27は、減圧弁及び開閉弁としての機能を有している。中継機第2絞り装置27は、全暖房運転モードにおいては冷媒流路を開閉するものである。また、中継機第2絞り装置27は、後述の暖房主体運転モードにおいては、室内側負荷に応じて中継機バイパス配管116を流れる冷媒の流量を調節するものである。中継機第2絞り装置27は、例えば連続的又は多段階で可変に開度を調節可能なものである。中継機第2絞り装置27としては、例えば電子式膨張弁等が用いられる。
また、中継機3には、入口側圧力センサー33及び出口側圧力センサー34が設置されている。入口側圧力センサー33は、液冷媒流出配管114において中継機第1絞り装置30の入口側となる位置に設けられている。入口側圧力センサー33は、高圧冷媒の圧力を検出するものである。出口側圧力センサー34は、液冷媒流出配管114において中継機第1絞り装置30の出口側となる位置に設けられている。出口側圧力センサー34は、後述の冷房主体運転モードにおいて、中継機第1絞り装置30の出口側の液冷媒の中間圧力を検出するものである。
本実施の形態3に係る空気調和装置100の制御装置60は、後述の各運転モードを実行する。本実施の形態3に係る制御装置60は、空気調和装置100が備える各センサーからの入力情報及び図示せぬリモートコントローラーからの指示等に基づいて、実施の形態1と同様に圧縮機10、熱源側送風機18、図示せぬ負荷側送風機、冷媒流路切替装置13、及び第1開閉装置11等を制御する。
また、本実施の形態3に係る制御装置60は、空気調和装置100が備える各センサーからの入力情報及び図示せぬリモートコントローラーからの指示等に基づいて、室内側絞り装置70、中継機第1開閉装置23、中継機第2開閉装置24、中継機第1絞り装置30、及び中継機第2絞り装置27等を制御する。具体的には、制御装置60の制御部63は、室内側絞り装置70の開閉を制御する。また、制御部63は、室内側絞り装置70の開状態時の開度を制御する。また、制御部63は、中継機第1開閉装置23及び中継機第2開閉装置24の開閉を制御する。また、制御装置60の制御部63は、中継機第1絞り装置30の開閉を制御する。また、制御部63は、中継機第1絞り装置30の開状態時の開度を制御する。また、制御装置60の制御部63は、中継機第2絞り装置27の開閉を制御する。また、制御部63は、中継機第2絞り装置27の開状態時の開度を制御する。
なお、図10では、制御装置60が室外機1に搭載されているが、これはあくまでも例示である。制御装置60は、室内機2に搭載されていてもよい。制御装置60は、中継機3に搭載されていてもよい。また、制御装置60は、室外機1、室内機2及び中継機3のうちの少なくとも2つのユニットに分かれて搭載されていてもよい。
空気調和装置100で実行される各運転モードについて説明する。空気調和装置100の制御装置60は、各室内機2a~室内機2dからの指示に基づいて、室内機2a~室内機2dのそれぞれで独立して冷房運転又は暖房運転を行うことが可能になっている。つまり、空気調和装置100は、全ての室内機2a~室内機2dで同一の運転を行うことができる。詳しくは、空気調和装置100は、全ての室内機2a~室内機2dで冷房運転を行うことができる。空気調和装置100は、全ての室内機2a~室内機2dで暖房運転を行うことができる。また、空気調和装置100は、室内機2a~室内機2dのそれぞれで異なる運転を行うこともできる。
空気調和装置100で実行される運転モードには、大別して、冷房運転モードと暖房運転モードとがある。冷房運転モードには、全冷房運転モードと冷房主体運転モードとが含まれる。
全冷房運転モードは、動作中の室内機2a~室内機2dの全てが冷房運転を行う運転モードである。すなわち、全冷房運転モードでは、動作中の負荷側熱交換器26a~負荷側熱交換器26dの全てが蒸発器として機能する。冷房主体運転モードは、室内機2a~室内機2dの一部が冷房運転を行い、室内機2a~室内機2dの他の一部が暖房運転を行う冷房暖房混在運転モードであって、冷房負荷が暖房負荷よりも大きい運転モードである。すなわち、冷房主体運転モードでは、負荷側熱交換器26a~負荷側熱交換器26dの一部が蒸発器として機能し、負荷側熱交換器26a~負荷側熱交換器26dの他の一部が凝縮器として機能する。
暖房運転モードには、全暖房運転モードと暖房主体運転モードとが含まれる。全暖房運転モードは、動作中の室内機2a~室内機2dの全てが暖房運転を行う運転モードである。すなわち、全暖房運転モードでは、動作中の負荷側熱交換器26a~負荷側熱交換器26dの全てが凝縮器として機能する。暖房主体運転モードは、室内機2a~室内機2dの一部が冷房運転を行い、室内機2a~室内機2dの他の一部が暖房運転を行う冷房暖房混在運転モードであって、暖房負荷が冷房負荷よりも大きい運転モードである。以下、各運転モードについて説明する。
[全冷房運転モード]
図10に基づいて、空気調和装置100が実行する全冷房運転モードについて説明する。この図10では、負荷側熱交換器26a及び負荷側熱交換器26bでのみ冷熱負荷が発生している場合を例に、全冷房運転モードについて説明する。すなわち、この図10では、室内機2a及び室内機2bのみが冷房運転を行う場合を例に、全冷房運転モードについて説明する。なお、図10では、冷媒の流れ方向を実線矢印で示している。
全冷房運転モードの場合、制御装置60は、室外機1の冷媒流路切替装置13を、圧縮機10から吐出された冷媒が熱源側熱交換器12へ流入するように切り替える。
まず、圧縮機10は、低温で低圧の冷媒を圧縮し、高温で高圧のガス冷媒として吐出口から吐出する。圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置13を通って熱源側熱交換器12に流入する。そして、熱源側熱交換器12で室外空気に放熱しながら高圧な液冷媒になる。熱源側熱交換器12から流出した高圧な液冷媒は、逆流防止装置14aを通って室外機1から流出し、主管111を通って中継機3に流入する。
中継機3に流入した高圧な液冷媒は、気液分離器29、液冷媒流出配管114、中継機第1絞り装置30、及び枝管112bを経由し、室内側絞り装置70a及び室内側絞り装置70bで膨張させられ、低温で低圧の気液二相状態の冷媒になる。
室内側絞り装置70a及び室内側絞り装置70bで膨張させられた気液二相状態の冷媒は、蒸発器として機能する負荷側熱交換器26a及び負荷側熱交換器26bにそれぞれ流入する。負荷側熱交換器26a及び負荷側熱交換器26bに流入した気液二相状態の冷媒は、室内空気から吸熱することにより、室内空気を冷却しながら、低温で低圧のガス冷媒になる。この際、室内側絞り装置70aは、負荷側第1温度センサー31aで検出された温度と負荷側第2温度センサー32aで検出された温度との差として得られる過熱度が一定になるように開度が制御される。同様に、室内側絞り装置70bは、負荷側第1温度センサー31bで検出された温度と負荷側第2温度センサー32bで検出された温度との差として得られる過熱度が一定になるように開度が制御される。
負荷側熱交換器26a及び負荷側熱交換器26bからそれぞれ流出したガス冷媒は、枝管112aを通って、中継機第2開閉装置24a及び中継機第2開閉装置24bに流入する。そして、中継機第2開閉装置24a及び中継機第2開閉装置24bから流出したガス冷媒は、中継機流出配管115を通って中継機3から流出し、主管111を通って再び室外機1へ流入する。室外機1に流入した冷媒は、逆流防止装置14dを通って、冷媒流路切替装置13及びアキュムレーター19を経由して、圧縮機10へ再度吸入される。
なお、熱負荷がない負荷側熱交換器26c及び負荷側熱交換器26dにおいては、冷媒を流す必要がなく、それぞれに対応する室内側絞り装置70c及び室内側絞り装置70dは閉状態になっている。そして、負荷側熱交換器26c又は負荷側熱交換器26dで冷熱負荷が発生した場合には、室内側絞り装置70c又は室内側絞り装置70dが開放されて冷媒が循環する。この際、室内側絞り装置70c又は室内側絞り装置70dは、上述した室内側絞り装置70a又は室内側絞り装置70bと同様に、負荷側第1温度センサー31で検出された温度と負荷側第2温度センサー32で検出された温度との差として得られる過熱度が一定になるように開度が制御される。
[冷房主体運転モード]
図11は、本実施の形態3に係る空気調和装置の回路構成を示す概略図であり、該空気調和装置が冷房主体運転モードで動作している状態を示す図である。なお、図11では、冷媒の流れ方向を実線矢印で示している。ここで、負荷側熱交換器26aでのみ冷熱負荷が発生しており、負荷側熱交換器26bでのみ温熱負荷が発生しているものとする。すなわち、室内機2aのみが冷房運転し、室内機2bのみが暖房運転するものとする。
冷房主体運転モードの場合、制御装置60は、冷媒流路切替装置13を、圧縮機10から吐出された冷媒が熱源側熱交換器12へ流入させるように切り替える。
圧縮機10は、低温で低圧の冷媒を圧縮し、高温で高圧のガス冷媒として吐出口から吐出する。圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置13を通って熱源側熱交換器12に流入する。そして、熱源側熱交換器12で室外空気に放熱しながら気液二相状態の冷媒になる。熱源側熱交換器12から流出した冷媒は、逆流防止装置14a及び主管111を通り中継機3に流入する。
中継機3に流入した気液二相状態の冷媒は、気液分離器29で高圧なガス冷媒と高圧な液冷媒に分離される。この高圧なガス冷媒は、ガス冷媒流出配管113、中継機第1開閉装置23b及び枝管112aを経由した後に、凝縮器として機能する負荷側熱交換器26bに流入する。この高圧なガス冷媒は、室内空気に放熱することにより、室内空気を加熱しながら液冷媒になる。この際、室内側絞り装置70bは、入口側圧力センサー33で検出された圧力を飽和温度に換算した値と、負荷側第1温度センサー31bで検出された温度との差として得られる過冷却度が一定になるように開度が制御される。負荷側熱交換器26bから流出した液冷媒は、室内側絞り装置70bで膨張させられて、枝管112bを流通する。
その後、気液分離器29で分離された後に中継機第1絞り装置30において中間圧まで膨張させられた中圧な液冷媒と、室内側絞り装置70bを通ってきた液冷媒とが、液冷媒流出配管114で合流する。この際、中継機第1絞り装置30は、入口側圧力センサー33で検出された圧力と、出口側圧力センサー34で検出された圧力との圧力差が規定の圧力差になるように開度が制御される。規定の圧力差は、例えば、0.3MPaである。
合流した液冷媒は、枝管112bを経由して、室内機2aに流入する。室内機2aの室内側絞り装置70aで膨張させられた気液二相状態の冷媒は、蒸発器として機能する負荷側熱交換器26aに流入し、室内空気から吸熱することにより、室内空気を冷却しながら、低温で低圧のガス冷媒になる。この際、室内側絞り装置70aは、負荷側第1温度センサー31aで検出された温度と負荷側第2温度センサー32aで検出された温度との差として得られる過熱度が一定になるように開度が制御される。負荷側熱交換器26aから流出したガス冷媒は、枝管112a、中継機第2開閉装置24a及び中継機流出配管115を経由して、中継機3から流出する。
中継機3から流出したガス冷媒は、主管111を通って再び室外機1へ流入する。室外機1に流入した冷媒は、逆流防止装置14dを通って、冷媒流路切替装置13及びアキュムレーター19を経由して、圧縮機10へ再度吸入される。
なお、熱負荷がない負荷側熱交換器26c及び負荷側熱交換器26dにおいては、冷媒を流す必要がなく、それぞれに対応する室内側絞り装置70c及び室内側絞り装置70dは閉状態になっている。そして、負荷側熱交換器26c又は負荷側熱交換器26dで冷熱負荷が発生した場合には、室内側絞り装置70c又は室内側絞り装置70dが開放されて冷媒が循環する。この際、室内側絞り装置70c又は室内側絞り装置70dは、上述した室内側絞り装置70aと同様に、負荷側第1温度センサー31で検出された温度と負荷側第2温度センサー32で検出された温度との差として得られる過熱度が一定になるように開度が制御される。また、負荷側熱交換器26c又は負荷側熱交換器26dで温熱負荷が発生した場合には、室内側絞り装置70c又は室内側絞り装置70dは、上述した室内側絞り装置70bと同様に、入口側圧力センサー33で検出された圧力を飽和温度に換算した値と、負荷側第1温度センサー31で検出された温度との差として得られる過冷却度が一定になるように開度が制御される。
[全暖房運転モード]
図12は、本実施の形態3に係る空気調和装置の回路構成を示す概略図であり、該空気調和装置が全暖房運転モードで動作している状態を示す図である。なお、図12では、冷媒の流れ方向を実線矢印で示している。ここで、負荷側熱交換器26a及び負荷側熱交換器26bでのみ温熱負荷が発生しているものとする。すなわち、室内機2a及び室内機2bのみが暖房運転を行うものとする。
全暖房運転モードの場合、制御装置60は、冷媒流路切替装置13を、圧縮機10から吐出された冷媒が熱源側熱交換器12を経由せずに中継機3へ流入するように切り替える。
まず、圧縮機10は、低温で低圧の冷媒を圧縮し、高温で高圧のガス冷媒として吐出口から吐出する。圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置13及び逆流防止装置14bを通り、室外機1から流出する。室外機1から流出した高温で高圧のガス冷媒は、主管111を通って中継機3に流入する。
中継機3に流入した高温で高圧のガス冷媒は、気液分離器29及びガス冷媒流出配管113を通過し、中継機第1開閉装置23a及び中継機第1開閉装置23bに流入する。中継機第1開閉装置23a及び中継機第1開閉装置23bに流入した高温で高圧のガス冷媒は、枝管112aを経由した後に、凝縮器として機能する負荷側熱交換器26a及び負荷側熱交換器26bのそれぞれに流入する。負荷側熱交換器26a及び負荷側熱交換器26bに流入した冷媒は、室内空気に放熱することにより、室内空気を加熱しながら液冷媒になる。負荷側熱交換器26a及び負荷側熱交換器26bから流出した液冷媒は、室内側絞り装置70a及び室内側絞り装置70bで膨張させられて、枝管112b、中継機バイパス配管116、及び開状態の中継機第2絞り装置27を通って、再び室外機1へ流入する。この際、室内側絞り装置70aは、入口側圧力センサー33で検出された圧力を飽和温度に換算した値と、負荷側第1温度センサー31aで検出された温度との差として得られる過冷却度が一定になるように開度が制御される。同様に、室内側絞り装置70bは、入口側圧力センサー33で検出された圧力を飽和温度に換算した値と、負荷側第1温度センサー31bで検出された温度との差として得られる過冷却度が一定になるように開度が制御される。
室外機1に流入した冷媒は、逆流防止装置14cを通り、熱源側熱交換器12で室外空気から吸熱しながら、低温で低圧のガス冷媒になり、冷媒流路切替装置13及びアキュムレーター19を通って圧縮機10へ再度吸入される。
なお、熱負荷がない負荷側熱交換器26c及び負荷側熱交換器26dにおいては、冷媒を流す必要がなく、それぞれに対応する室内側絞り装置70c及び室内側絞り装置70dは閉状態になっている。そして、負荷側熱交換器26c又は負荷側熱交換器26dで温熱負荷が発生した場合には、室内側絞り装置70c又は室内側絞り装置70dが開放されて冷媒が循環する。この際、室内側絞り装置70c又は室内側絞り装置70dは、上述した室内側絞り装置70a又は室内側絞り装置70bと同様に、入口側圧力センサー33で検出された圧力を飽和温度に換算した値と、負荷側第1温度センサー31で検出された温度との差として得られる過冷却度が一定になるように開度が制御される。
[暖房主体運転モード]
図13は、本実施の形態3に係る空気調和装置の回路構成を示す概略図であり、該空気調和装置が暖房主体運転モードで動作している状態を示す図である。なお、図13では、冷媒の流れ方向を実線矢印で示している。ここで、負荷側熱交換器26aでのみ冷熱負荷が発生しており、負荷側熱交換器26bでのみ温熱負荷が発生しているものとする。すなわち、室内機2aのみが冷房運転し、室内機2bのみが暖房運転するものとする。
暖房主体運転モードの場合、制御装置60は、冷媒流路切替装置13を、圧縮機10から吐出された冷媒が熱源側熱交換器12を経由せずに中継機3へ流入するように切り替える。
圧縮機10は、低温で低圧の冷媒を圧縮し、高温で高圧のガス冷媒として吐出口から吐出する。圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置13及び逆流防止装置14bを通り、室外機1から流出する。室外機1から流出した高温で高圧のガス冷媒は、主管111を通って中継機3に流入する。
中継機3に流入した高温で高圧のガス冷媒は、気液分離器29、ガス冷媒流出配管113、中継機第1開閉装置23b及び枝管112aを経由した後に、凝縮器として機能する負荷側熱交換器26bに流入する。負荷側熱交換器26bに流入した冷媒は、室内空気に放熱することにより、室内空気を加熱しながら液冷媒になる。負荷側熱交換器26bから流出した液冷媒は、室内側絞り装置70bで膨張させられて、枝管112bを経由して中継機3に流入する。その後、中継機3に流入した冷媒の大部分は、枝管112bを経由した後に、室内側絞り装置70aで膨張させられ、低温で低圧の気液二相状態の冷媒になる。中継機3に流入した冷媒の残りの一部は、中継機バイパス配管116を通って中継機第2絞り装置27で膨張させられ、液又は気液二相状態の冷媒になり、中継機流出配管115に流入する。
室内側絞り装置70aで膨張させられた気液二相状態の冷媒は、蒸発器として機能する負荷側熱交換器26aに流入し、室内空気から吸熱することにより、室内空気を冷却しながら、ガス冷媒になる。負荷側熱交換器26aから流出したガス冷媒は、枝管112a及び中継機第2開閉装置24aを経由して、中継機流出配管115で中継機第2絞り装置27を流出した残りの一部の冷媒と合流する。合流した冷媒は、中継機3から流出し、主管111を通って再び室外機1へ流入する。室外機1に流入した冷媒は、逆流防止装置14cを通って、熱源側熱交換器12で室外空気から吸熱しながら、低温で低圧のガス冷媒になる。このガス冷媒は、冷媒流路切替装置13及びアキュムレーター19を通って圧縮機10へ再度吸入される。
このとき、室内側絞り装置70bは、入口側圧力センサー33で検出された圧力を飽和温度に換算した値と、負荷側第1温度センサー31bで検出された温度との差として得られる過冷却度が一定になるように開度が制御される。一方、室内側絞り装置70aは、負荷側第1温度センサー31aで検出された温度と負荷側第2温度センサー32bで検出された温度との差として得られる過熱度が一定になるように開度が制御される。
また、中継機第2絞り装置27は、入口側圧力センサー33で検出された圧力と出口側圧力センサー34で検出された圧力との圧力差が規定の圧力差になるように開度が制御される。規定の圧力差は、例えば、0.3MPaである。
なお、熱負荷がない負荷側熱交換器26c及び負荷側熱交換器26dにおいては、冷媒を流す必要がなく、それぞれに対応する室内側絞り装置70c及び室内側絞り装置70dは閉状態になっている。そして、負荷側熱交換器26c又は負荷側熱交換器26dで冷熱負荷が発生した場合には、室内側絞り装置70c又は室内側絞り装置70dが開放されて冷媒が循環する。この際、室内側絞り装置70c又は室内側絞り装置70dは、上述した室内側絞り装置70aと同様に、負荷側第1温度センサー31で検出された温度と負荷側第2温度センサー32で検出された温度との差として得られる過熱度が一定になるように開度が制御される。また、また、負荷側熱交換器26c又は負荷側熱交換器26dで温熱負荷が発生した場合には、室内側絞り装置70c又は室内側絞り装置70dは、上述した室内側絞り装置70bと同様に、入口側圧力センサー33で検出された圧力を飽和温度に換算した値と、負荷側第1温度センサー31で検出された温度との差として得られる過冷却度が一定になるように開度が制御される。
[除霜運転モード]
図14は、本実施の形態3に係る空気調和装置の回路構成を示す概略図であり、該空気調和装置が除霜運転モードで動作している状態を示す図である。なお、図14では、冷媒の流れ方向を実線矢印で示している。
制御装置60は、全暖房運転モード又は暖房主体運転モードにおいて除霜運転モードを実施する条件が成立した場合、除霜運転モードを開始する。除霜運転モードでは、冷媒流路切替装置13の流路は、図12に実線で示される全暖房運転モード及び図13に実線で示される暖房主体運転モードと同じ状態に維持される。すなわち、除霜運転モードでは、冷媒流路切替装置13の冷媒の流路は、圧縮機10から吐出された冷媒が負荷側熱交換器26に流入する流路と同じになる。負荷側絞り装置25として機能する室内側絞り装置70は、開状態となっているものは閉状態となる。第1開閉装置11は、閉状態から開状態となり、バイパス配管16に冷媒を流通させる状態となる。また、熱源側送風機18と、図示省略の負荷側送風機は停止させる。この際、第1開閉装置11を開状態とした後に、室内側絞り装置70を閉状態にするとよい。これにより、冷媒流路の閉塞を防ぎ、冷媒回路101において圧力が過度に上昇することを抑制できる。
圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒は、バイパス配管16を通って熱源側熱交換器12に流入する。熱源側熱交換器12に流入した高温のガス冷媒は、熱源側熱交換器12に付着した霜を融かしながら該熱源側熱交換器12を流れる。
また、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒の流路は、逆流防止装置14b、主管111、気液分離器29、ガス冷媒流出配管113、中継機第1開閉装置23、及び枝管112aを介して、全暖房運転モード又は暖房主体運転モードにおいて凝縮器として機能していた負荷側熱交換器26の流路と繋がっている。また、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒の圧力は、負荷側熱交換器26に存在している冷媒の圧力よりも高い。このため、除霜運転モードでは、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒の圧力によって、全暖房運転モード時又は暖房主体運転モード時に気液分離器29と室内側絞り装置70との間に存在していた冷媒は、気液分離器29と室内側絞り装置70との間に保持される。
ここで、全暖房運転モード又は暖房主体運転モードにおいて凝縮器として機能していた負荷側熱交換器26には、多くの冷媒が存在している。このため、除霜運転モードを実行することにより、全暖房運転モード又は暖房主体運転モードにおいて凝縮器として機能していた負荷側熱交換器26に余剰冷媒を保持できるため、アキュムレーター19に滞留する余剰冷媒の量を低減できる。したがって、本実施の形態3に係る空気調和装置100は、実施の形態1及び実施の形態2で示した空気調和装置100と同様に、除霜運転モード時、アキュムレーター19から液冷媒が溢れて、圧縮機10に液冷媒が吸入されることを抑制できる。すなわち、空気調和装置100は、除霜運転モード時、圧縮機10への液戻りを抑制できる。
特に、空気調和装置100の設置環境の制約で、主管111が長い場合は、余剰冷媒量が多くなる。このため、本実施の形態1のように、余剰冷媒を負荷側熱交換器26に保持することにより、従来の空気調和装置と比べ、除霜運転モード時、アキュムレーター19から液冷媒が溢れて、圧縮機10に液冷媒が吸入されることをより抑制できる。
また、本実施の形態3に係る空気調和装置100は、実施の形態1及び実施の形態2で示した空気調和装置100と同様に、除霜運転モード時、圧縮機10から吐出された高温の冷媒は、室外機1内のみを流れて熱源側熱交換器12に流入できる。このため、本実施の形態3に係る空気調和装置100は、実施の形態1及び実施の形態2で示した空気調和装置100と同様に、除霜運転モード時、熱源側熱交換器12に流入する冷媒の密度が圧力損失によって低下することを抑制できる。すなわち、本実施の形態3に係る空気調和装置100は、実施の形態1及び実施の形態2で示した空気調和装置100と同様に、圧縮機10と熱源側熱交換器12との間を循環する冷媒量を増加でき、除霜能力の低下を抑制することもできる。
また、本実施の形態3に係る空気調和装置100は、実施の形態1及び実施の形態2で示した空気調和装置100と同様に、除霜運転モードから全暖房運転モード又は暖房主体運転モードに切り替わった直後に、負荷側熱交換器26に保持された余剰冷媒を、熱源側熱交換器12で蒸発させることができる。このため、本実施の形態3に係る空気調和装置100は、実施の形態1及び実施の形態2で示した空気調和装置100と同様に、除霜運転モード時の余剰冷媒が熱源側熱交換器12に流入しない場合と比較して、圧縮機10に多くのガス冷媒を流入させることができ、圧縮機10から吐出される冷媒量を増加できる。したがって、本実施の形態3に係る空気調和装置100は、実施の形態1及び実施の形態2で示した空気調和装置100と同様に、除霜運転モード時の余剰冷媒が熱源側熱交換器12に流入しない場合と比較して、除霜運転モード終了後に早期に空調対象空間を暖房できるので、ユーザーの快適性を向上させることもできる。
なお、中継機3の出口側から逆流防止装置14cまでの間の主管111を含む冷媒配管110部分は、圧縮機10から吐出された冷媒よりも温度が低くなっている。このため、圧縮機10から吐出された冷媒が当該冷媒配管110部分に流入すると、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒が凝縮して滞留する場合がある。除霜運転モードにおいて、中継機3の出口側から逆流防止装置14cまでの間の主管111を含む冷媒配管110部分に圧縮機10から吐出された冷媒が流入する流路は、以下の2つの流路となる。
1つ目の流路は、圧縮機10から吐出されて中継機3に流入した冷媒が、気液分離器29、ガス冷媒流出配管113、中継機第1開閉装置23、中継機第2開閉装置24及び中継機流出配管115を通って、中継機3の出口側から逆流防止装置14cまでの間の主管111を含む冷媒配管110部分に流入する流路である。除霜運転モード時、中継機第2開閉装置24を閉状態とすることにより、中継機3の出口側から逆流防止装置14cまでの間の主管111を含む冷媒配管110部分に、圧縮機10から吐出された冷媒が該1つ目の流路を通って流入することを防止できる。2つ目の流路は、圧縮機10から吐出されて中継機3に流入した冷媒が、気液分離器29、液冷媒流出配管114、中継機第1絞り装置30、中継機バイパス配管116、中継機第2絞り装置27及び中継機流出配管115を通って、中継機3の出口側から逆流防止装置14cまでの間の主管111を含む冷媒配管110部分に流入する流路である。中継機第1絞り装置30及び中継機第2絞り装置27のうちの少なくとも一方を閉状態とすることにより、中継機3の出口側から逆流防止装置14cまでの間の主管111を含む冷媒配管110部分に、圧縮機10から吐出された冷媒が該2つ目の流路を通って流入することを防止できる。
したがって、除霜運転モードを実行する際、制御装置60の制御部63は、中継機第2開閉装置24を閉状態とし、中継機第1絞り装置30及び中継機第2絞り装置27のうちの少なくとも一方を閉状態とすることが好ましい。これにより、中継機3の出口側から逆流防止装置14cまでの間の主管111を含む冷媒配管110部分に、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒が凝縮して滞留することを防止できる。この結果、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒をより多く熱源側熱交換器12に流入させることができるので、空気調和装置100除霜能力がより向上する。
なお、除霜運転モードを実行する際、制御装置60の制御部63は、中継機第1絞り装置30、中継機第2絞り装置27、中継機第1開閉装置23、中継機第2開閉装置24及び室内側絞り装置70の全てを閉状態としてもよい。このように構成しても、中継機3の出口側から逆流防止装置14cまでの間の主管111を含む冷媒配管110部分に、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒が凝縮して滞留することを防止できる。この結果、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒をより多く熱源側熱交換器12に流入させることができるので、空気調和装置100除霜能力がより向上する。
ここで、全暖房運転モード又は暖房主体運転モードにおいて、中継機第2絞り装置27には、凝縮器として機能する負荷側熱交換器26から流出して蒸発器として機能する熱源側熱交換器12へ流入する冷媒が流れる。このため、本実施の形態3に係る空気調和装置100においては、室内側絞り装置70とともに、中継機第2絞り装置27も負荷側絞り装置25として機能する。このため、中継機第2絞り装置27を負荷側絞り装置25として用い、除霜運転モードを実行してもよい。具体的には、除霜運転モードを実行する際、制御装置60の制御部63は、室内側絞り装置70に代えて、中継機第2絞り装置27を閉状態としてもよい。このように除霜運転モードを実行しても、室内側絞り装置70を閉状態とした上述の除霜運転モードと同様の効果を得ることができる。
中継機第2絞り装置27を負荷側絞り装置25として用い、除霜運転モードを実行する場合、中継機3の出口側から逆流防止装置14cまでの間の主管111を含む冷媒配管110部分に圧縮機10から吐出された冷媒が流入する流路は、上述の1つ目の流路となる。このため、中継機第2絞り装置27を負荷側絞り装置25として用い、除霜運転モードを実行する場合、制御装置60の制御部63は、中継機第2開閉装置24を閉状態とすることが好ましい。これにより、中継機3の出口側から逆流防止装置14cまでの間の主管111を含む冷媒配管110部分に、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒が凝縮して滞留することを防止できる。この結果、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒をより多く熱源側熱交換器12に流入させることができるので、空気調和装置100除霜能力がより向上する。
なお、中継機第2絞り装置27を負荷側絞り装置25として用い、除霜運転モードを実行する場合においても、制御装置60の制御部63は、中継機第1絞り装置30、中継機第2絞り装置27、中継機第1開閉装置23、中継機第2開閉装置24及び室内側絞り装置70の全てを閉状態としてもよい。このように構成しても、中継機3の出口側から逆流防止装置14cまでの間の主管111を含む冷媒配管110部分に、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒が凝縮して滞留することを防止できる。この結果、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒をより多く熱源側熱交換器12に流入させることができるので、空気調和装置100除霜能力がより向上する。
実施の形態4.
本実施の形態4に係る空気調和装置100は、実施の形態3で示した空気調和装置100に、実施の形態2で示した第2開閉装置15を備えた構成となっている。なお、本実施の形態4において言及されていない事項は、実施の形態1~実施の形態3のいずれかと同様とする。
図15は、本実施の形態4に係る空気調和装置の回路構成を示す概略図であり、該空気調和装置が除霜運転モードで動作している状態を示す図である。なお、図15では、冷媒の流れ方向を実線矢印で示している。
本実施の形態4に係る空気調和装置100は、第2開閉装置15を備えている。第2開閉装置15は、設置箇所における冷媒の流路を開閉するものである。第2開閉装置15は、冷媒回路101において、熱源側熱交換器12が蒸発器として機能する際に該熱源側熱交換器12の冷媒の流入側となる位置であり、バイパス配管16の出口側端部16bとの接続箇所を基準として熱源側熱交換器12とは反対側となる位置に設けられている。また、本実施の形態4では、第2開閉装置15は、室外機1に搭載されている。
第2開閉装置15は、制御装置60によって制御される。具体的には、制御装置60の制御部63は、全冷房運転モード時、冷房主体運転モード時、全暖房運転モード時、及び暖房主体運転モード時、第2開閉装置15を開状態とする。また、制御部63は、除霜運転モードを実行する際、第2開閉装置15を開状態から閉状態とする。
除霜運転モード時、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒は、バイパス配管16を通って、熱源側熱交換器12に流入する。この際、第2開閉装置15が設けられていない場合には、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒の一部は、バイパス配管16を流出後、逆流防止装置14a、主管111、中継機3、及び枝管112を通って、室内側絞り装置70へ流れようとする。この第2開閉装置15から室内側絞り装置70へ至る流路を構成する冷媒配管110部分には、圧縮機10から吐出された冷媒よりも温度が低くなっている配管が存在する。このため、圧縮機10から吐出された冷媒が第2開閉装置15から室内側絞り装置70へ至る流路を構成する冷媒配管110部分に流入すると、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒が低温の配管箇所で凝縮して滞留する場合がある。
しかしながら、除霜運転モード時に第2開閉装置15を閉状態とすることにより、圧縮機10から吐出された冷媒が第2開閉装置15から室内側絞り装置70へ至る流路を構成する冷媒配管110部分に流入することを防止できる。すなわち、除霜運転モード時に第2開閉装置15を閉状態とすることにより、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒が、第2開閉装置15から室内側絞り装置70へ至る流路を構成する冷媒配管110部分の低温の配管箇所において凝縮して滞留することを防止できる。したがって、本実施の形態4に係る空気調和装置100は、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒をより多く熱源側熱交換器12に流入させることができるので、除霜能力がより向上する。
なお、図15では、第2開閉装置15として流量調整可能な電子式膨張弁を例示しているが、第2開閉装置15は、二方弁及び電磁弁等、冷媒の流路を遮断できる開閉装置でもよい。
実施の形態5.
上述のように、負荷側熱交換器26は、冷媒と熱媒体とを熱交換させる構成であってもよい。本実施の形態5では、冷媒と熱媒体とを熱交換させる負荷側熱交換器26を備えた空気調和装置100の一例について紹介する。なお、本実施の形態5において言及されていない事項は、実施の形態1~実施の形態4のいずれかと同様とする。
図16は、本実施の形態5に係る空気調和装置の回路構成を示す概略図であり、該空気調和装置が除霜運転モードで動作している状態を示す図である。
本実施の形態5に係る空気調和装置100は、実施の形態3で説明した空気調和装置100と同じように、4つの運転モードを実行する。1つ目は、動作している室内機2の全てが冷房運転を実行可能にする全冷房運転モードである。2つ目は、動作している室内機2の全てが暖房運転を実行可能にする全暖房運転モードである。3つ目は、冷房暖房混在運転として冷房負荷の方が大きい場合に実行する冷房主体運転モードである。4つ目は、冷房暖房混在運転として暖房負荷の方が大きい場合に実行する暖房主体運転モードである。
図16に示すように、負荷側熱交換器26は、冷媒と熱媒体とを熱交換させる構成となっている。熱媒体とは、熱源側熱交換器12及び負荷側熱交換器26を循環する冷媒とは異なるものであり、例えば、水又は不凍液等の液体である。負荷側熱交換器26は中継機3に搭載されている。室内機2には、熱媒体配管120で負荷側熱交換器26と接続され、負荷側熱交換器26で冷媒と熱交換した熱媒体が流れる室内熱交換器71が搭載されている。すなわち、負荷側熱交換器26は、熱源側熱交換器12等と冷媒配管110で接続されて冷媒回路101を構成するとともに、室内熱交換器71等と熱媒体配管120で接続されて熱媒体回路102を構成している。具体的には、負荷側熱交換器26の冷媒流路が冷媒配管110に接続され、負荷側熱交換器26の熱媒体流路が熱媒体配管120と接続されている。なお、本実施の形態5に係る空気調和装置100は、複数の室内機2を備えている。図16では、紙面下側から室内機2a、室内機2b、室内機2c、及び室内機2dが図示されている。
室外機1と中継機3とは、冷媒が流通する複数本の主管111で接続されている。主管111は、冷媒回路101の冷媒配管110の一部を構成するものである。また、中継機3と室内機2のそれぞれとは、熱媒体が流通する複数本の枝管121で接続されている。枝管121は、熱媒体回路102の熱媒体配管120の一部を構成するものである。
[中継機3]
中継機3には、冷媒回路101の構成として、負荷側熱交換器26、負荷側絞り装置25及び中継機流路切替機構35が搭載されている。また、本実施の形態5では、冷房暖房混在運転を実現するため、負荷側熱交換器26及び負荷側絞り装置25のセットを2つ備えている。詳しくは、負荷側熱交換器26aと、負荷側熱交換器26bと、負荷側熱交換器26aに冷媒配管110で接続された負荷側絞り装置25aと、負荷側熱交換器26bに冷媒配管110で接続された負荷側絞り装置25bとを備えている。
また、中継機3には、熱媒体回路102の構成として、複数のポンプ41と、複数の第1熱媒体流路切替装置50と、複数の第2熱媒体流路切替装置51と、複数の熱媒体流量調整装置52とを備えている。なお、ポンプ41は、負荷側熱交換器26毎に必要となる。このため、本実施の形態5では、中継機3は、2つのポンプ41を備えている。詳しくは、中継機3は、負荷側熱交換器26aに熱媒体配管120で接続されたポンプ41aと、負荷側熱交換器26bに熱媒体配管120で接続されたポンプ41bとを備えている。また、第1熱媒体流路切替装置50、第2熱媒体流路切替装置51及び熱媒体流量調整装置52は、室内機2毎に必要となる。このため、本実施の形態5では、中継機3は、4つの第1熱媒体流路切替装置50と、4つの第2熱媒体流路切替装置51と、4つの熱媒体流量調整装置52とを備えている。
負荷側熱交換器26a及び負荷側熱交換器26bは、凝縮器又は蒸発器として機能する。負荷側熱交換器26a及び負荷側熱交換器26bは、冷媒と熱媒体とで熱交換を行い、室外機1で生成されて冷媒に貯えられた冷熱又は温熱を熱媒体に伝達する。具体的には、全冷房運転モードにおいては、負荷側熱交換器26a及び負荷側熱交換器26bは、蒸発器として機能し、熱媒体を冷却する。全暖房運転モードにおいては、負荷側熱交換器26a及び負荷側熱交換器26bは、凝縮器として機能し、熱媒体を加熱する。冷房暖房混在運転時においては、負荷側熱交換器26aは、凝縮器として機能し、熱媒体を加熱する。また、冷房暖房混在運転時においては、負荷側熱交換器26bは、蒸発器として機能し、熱媒体を冷却する。
中継機流路切替機構35は、運転モードに応じて、負荷側絞り装置25a及び負荷側絞り装置25bの接続先を切り替えるとともに、負荷側熱交換器26a及び負荷側熱交換器26bの接続先を切り替えるものである。中継機流路切替機構35は、冷媒流入配管117、中継機第1開閉装置36a、冷媒流出配管118、中継機第2開閉装置36b、中継機流路切替装置39a及び中継機流路切替装置39bを備えている。
冷媒流入配管117は、中継機3の冷媒の流入口と負荷側絞り装置25とを接続するものである。具体的には、冷媒流入配管117の一端は、中継機3の冷媒の流入口に接続されている。冷媒流入配管117の他端は、分岐して、負荷側絞り装置25a及び負荷側絞り装置25bに接続されている。冷媒流入配管117は、冷媒が流れる配管であり、冷媒配管110の構成の一部にもなっている。中継機第1開閉装置36aは、二方弁等で構成されている。中継機第1開閉装置36aは、冷媒流入配管117に設けられ、設置箇所における冷媒の流路を開閉する。
冷媒流出配管118の一端は、冷媒流入配管117における中継機第1開閉装置36aと負荷側絞り装置25との間となる位置に接続されている。冷媒流出配管118の他端は、中継機3の冷媒の流出口と接続されている。冷媒流出配管118は、冷媒が流れる配管であり、冷媒配管110の構成の一部にもなっている。中継機第2開閉装置36bは、二方弁等で構成されている。中継機第2開閉装置36bは、冷媒流出配管118に設けられ、設置箇所における冷媒の流路を開閉する。
中継機流路切替装置39aは、四方弁等で構成されている。中継機流路切替装置39aは、負荷側熱交換器26aの接続先を、中継機3の冷媒の流入口又は中継機3の冷媒の流出口に切り替えるものである。詳しくは、中継機流路切替装置39aは、負荷側熱交換器26aの冷媒流路における負荷側絞り装置25aが接続された側とは反対側の端部の接続先を切り替える。中継機流路切替装置39bは、四方弁等で構成されている。中継機流路切替装置39bは、負荷側熱交換器26bの接続先を、中継機3の冷媒の流入口又は中継機3の冷媒の流出口に切り替えるものである。詳しくは、中継機流路切替装置39bは、負荷側熱交換器26bの冷媒流路における負荷側絞り装置25bが接続された側とは反対側の端部の接続先を切り替える。
制御装置60の制御部63は、各運転モードに応じて、中継機流路切替機構35の各構成を次のように切り替える。
例えば、全冷房運転モードを実行する際、制御部63は、中継機第1開閉装置36aを開状態とし、中継機第2開閉装置36bを閉状態とする。また、制御部63は、中継機流路切替装置39aの流路を、負荷側熱交換器26aと中継機3の冷媒の流出口とが接続された流路に切り替える。また、制御部63は、中継機流路切替装置39bの流路を、負荷側熱交換器26bと中継機3の冷媒の流出口とが接続された流路に切り替える。このように中継機流路切替機構35の各構成を切り替えることにより、圧縮機10で吐出されて凝縮器として機能する熱源側熱交換器12で凝縮した冷媒は、中継機3の冷媒の流入口から冷媒流入配管117に流入し、その後に負荷側絞り装置25a及び負荷側絞り装置25bに流入する。負荷側絞り装置25aに流入した冷媒は、負荷側絞り装置25aで膨張し、蒸発器として機能する負荷側熱交換器26aに流入する。また、負荷側絞り装置25bに流入した冷媒は、負荷側絞り装置25bで膨張し、蒸発器として機能する負荷側熱交換器26bに流入する。負荷側熱交換器26a及び負荷側熱交換器26bで蒸発しながら熱媒体を冷却した冷媒は、中継機3の冷媒の流出口から中継機3外へ流出し、室外機1へ戻る。これにより、負荷側熱交換器26a及び負荷側熱交換器26bで冷却された熱媒体を各室内機2の室内熱交換器71に供給可能となり、全冷房運転モードを実行できる。
例えば、全暖房運転モードを実行する際、制御部63は、中継機第1開閉装置36aを閉状態とし、中継機第2開閉装置36bを開状態とする。また、制御部63は、中継機流路切替装置39aの流路を、負荷側熱交換器26aと中継機3の冷媒の流入口とが接続された流路に切り替える。また、制御部63は、中継機流路切替装置39bの流路を、負荷側熱交換器26bと中継機3の冷媒の流入口とが接続された流路に切り替える。このように中継機流路切替機構35の各構成を切り替えることにより、圧縮機10で吐出された冷媒は、中継機3の冷媒の流入口から、凝縮器として機能する負荷側熱交換器26a及び負荷側熱交換器26bに流入する。負荷側熱交換器26aに流入した冷媒は、凝縮しながら熱媒体を加熱し、負荷側熱交換器26aから流出する。負荷側熱交換器26aから流出した冷媒は、負荷側絞り装置25aで膨張する。負荷側熱交換器26bに流入した冷媒は、凝縮しながら熱媒体を加熱し、負荷側熱交換器26bから流出する。負荷側熱交換器26bから流出した冷媒は、負荷側絞り装置25bで膨張する。負荷側絞り装置25a及び負荷側絞り装置25bから流出した冷媒は、合流した後、冷媒流入配管117及び冷媒流出配管118を通って中継機3の冷媒の流出口から中継機3外へ流出し、室外機1へ戻る。これにより、負荷側熱交換器26a及び負荷側熱交換器26bで加熱された熱媒体を各室内機2の室内熱交換器71に供給可能となり、全暖房運転モードを実行できる。
例えば、冷房主体運転モード及び暖房主体運転モードを実行する際、制御部63は、中継機第1開閉装置36aを閉状態とし、中継機第2開閉装置36bを閉状態とする。また、制御部63は、中継機流路切替装置39aの流路を、負荷側熱交換器26aと中継機3の冷媒の流入口とが接続された流路に切り替える。また、制御部63は、中継機流路切替装置39bの流路を、負荷側熱交換器26bと中継機3の冷媒の流出口とが接続された流路に切り替える。このように中継機流路切替機構35の各構成を切り替えることにより、中継機3の冷媒の流入口から中継機3に流入した冷媒は、凝縮器として機能する負荷側熱交換器26aに流入する。負荷側熱交換器26aに流入した冷媒は、凝縮しながら熱媒体を加熱し、負荷側熱交換器26aから流出する。負荷側熱交換器26aから流出した冷媒は、負荷側絞り装置25a及び負荷側熱交換器26bの順で流れる。この際、冷媒は、負荷側絞り装置25bで膨張する。負荷側絞り装置25bで膨張した冷媒は、蒸発器として機能する負荷側熱交換器26bに流入する。負荷側熱交換器26bで蒸発しながら熱媒体を冷却した冷媒は、中継機3の冷媒の流出口から中継機3外へ流出し、室外機1へ戻る。これにより、負荷側熱交換器26aで加熱された熱媒体を一部の室内機2の室内熱交換器71に供給することで、当該室内機2において暖房運転が可能となる。また、負荷側熱交換器26bで冷却された熱媒体を他の一部の室内機2の室内熱交換器71に供給することで、当該室内機2において冷房運転が可能となる。
ポンプ41a及びポンプ41bは、熱媒体配管120を流れる熱媒体を加圧して、循環させる。ポンプ41aは、負荷側熱交換器26aと複数の第2熱媒体流路切替装置51とを接続する熱媒体配管120に設けられている。ポンプ41bは、負荷側熱交換器26bと複数の第2熱媒体流路切替装置51を接続する熱媒体配管120に設けられている。ポンプ41a及びポンプ41bは、例えば、容量制御可能なもので構成される。
4つの第1熱媒体流路切替装置50は、三方弁等で構成され、熱媒体の流路を切り替える。4つの第1熱媒体流路切替装置50のそれぞれは、三方のうちの1つが負荷側熱交換器26aに、三方のうちの1つが負荷側熱交換器26bに、三方のうちの1つが熱媒体流量調整装置52に接続されている。また、4つの第1熱媒体流路切替装置50のそれぞれは、対応する室内機2の室内熱交換器71における熱媒体流路の出口側に設けられている。なお、図16では、室内機2に対応させて、紙面下側から第1熱媒体流路切替装置50a、第1熱媒体流路切替装置50b、第1熱媒体流路切替装置50c、及び第1熱媒体流路切替装置50dが図示されている。
4つの第2熱媒体流路切替装置51は、三方弁等で構成され、熱媒体の流路を切り替える。4つの第2熱媒体流路切替装置51のそれぞれは、三方のうちの1つが負荷側熱交換器26aに、三方のうちの1つが負荷側熱交換器26bに、三方のうちの1つが室内熱交換器71に接続されている。また、4つの第2熱媒体流路切替装置51のそれぞれは、対応する室内機2の室内熱交換器71における熱媒体流路の入口側に設けられている。なお、図16では、室内機2に対応させて、紙面下側から第2熱媒体流路切替装置51a、第2熱媒体流路切替装置51b、第2熱媒体流路切替装置51c、及び第2熱媒体流路切替装置51dが図示されている。
4つの熱媒体流量調整装置52は、開口面積を制御できる二方弁等で構成され、熱媒体配管120に流れる流量を制御する。4つの熱媒体流量調整装置52のそれぞれは、一方が室内熱交換器71に、他方が第1熱媒体流路切替装置50に接続されている。また、4つの熱媒体流量調整装置52のそれぞれは、対応する室内機2の室内熱交換器71における熱媒体流路の出口側に設けられている。図16では、室内機2に対応させて、紙面下側から熱媒体流量調整装置52a、熱媒体流量調整装置52b、熱媒体流量調整装置52c、及び熱媒体流量調整装置52dが図示されている。なお、4つの熱媒体流量調整装置52のそれぞれは、対応する室内機2の室内熱交換器71における熱媒体流路の入口側に設けてもよい。
また、中継機3には、図示せぬ各種センサーが設置されている。センサーの検出結果は、検出信号として後述の制御装置60へ出力される。
[複数の室内機2の構成]
複数の室内機2は、例えば、互いに同一の構成を有する。複数の室内機2のそれぞれは、室内熱交換器71を有する。複数の室内熱交換器71のそれぞれは、枝管121a及び枝管121bを介して中継機3に接続されている。室内熱交換器71のそれぞれでは、図示しない負荷側送風機によって供給される空気が熱媒体と熱交換され、空調対象空間に供給するための冷房用空気又は暖房用空気が生成される。なお、図16では、室内機2に対応させて、紙面下側から室内熱交換器71a、室内熱交換器71b、室内熱交換器71c、及び室内熱交換器71dが図示されている。
[除霜運転モード]
図16に基づいて、空気調和装置100が実行する除霜運転モードについて説明する。なお、図16では、冷媒の流れ方向を実線矢印で示している。
制御装置60は、全暖房運転モード又は暖房主体運転モードにおいて除霜運転モードを実施する条件が成立した場合、除霜運転モードを開始する。除霜運転モードでは、冷媒流路切替装置13は、全暖房運転モードと同じ状態となる。すなわち、除霜運転モードでは、図16に示すように、冷媒流路切替装置13の冷媒の流路は、圧縮機10から吐出された冷媒が負荷側熱交換器26に流入する流路と同じになる。また、負荷側絞り装置25a及び負荷側絞り装置25bは、閉状態となる。第1開閉装置11は、閉状態から開状態となり、バイパス配管16に冷媒を流通させる状態となる。また、熱源側送風機18と、図示省略の負荷側送風機は停止させる。この際、第1開閉装置11を開状態とした後に、負荷側絞り装置25a及び負荷側絞り装置25bを閉状態にするとよい。これにより、冷媒流路の閉塞を防ぎ、冷媒回路101において圧力が過度に上昇することを抑制できる。
圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒は、バイパス配管16を通って熱源側熱交換器12に流入する。熱源側熱交換器12に流入した高温のガス冷媒は、熱源側熱交換器12に付着した霜を融かしながら該熱源側熱交換器12を流れる。
また、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒の圧力により、全暖房運転モード又は暖房主体運転モードにおいて凝縮器として機能していた負荷側熱交換器26に余剰冷媒を保持できるため、アキュムレーター19に滞留する余剰冷媒の量を低減できる。したがって、本実施の形態5に係る空気調和装置100は、実施の形態1~実施の形態4で示した空気調和装置100と同様に、除霜運転モード時、アキュムレーター19から液冷媒が溢れて、圧縮機10に液冷媒が吸入されることを抑制できる。すなわち、空気調和装置100は、除霜運転モード時、圧縮機10への液戻りを抑制できる。
また、本実施の形態5に係る空気調和装置100も、実施の形態1~実施の形態4で示した空気調和装置100と同様に、除霜運転モード時、圧縮機10から吐出された高温の冷媒は、室外機1内のみを流れて熱源側熱交換器12に流入できる。このため、本実施の形態5に係る空気調和装置100も、実施の形態1~実施の形態4で示した空気調和装置100と同様に、除霜運転モード時、熱源側熱交換器12に流入する冷媒の密度が圧力損失によって低下することを抑制できる。すなわち、本実施の形態5に係る空気調和装置100も、実施の形態1~実施の形態4で示した空気調和装置100と同様に、圧縮機10と熱源側熱交換器12との間を循環する冷媒量を増加でき、除霜能力の低下を抑制することもできる。
また、本実施の形態5に係る空気調和装置100も、実施の形態1~実施の形態4で示した空気調和装置100と同様に、除霜運転モードから全暖房運転モード又は暖房主体運転モードに切り替わった直後に、負荷側熱交換器26に保持された余剰冷媒を、熱源側熱交換器12で蒸発させることができる。このため、本実施の形態5に係る空気調和装置100も、実施の形態1~実施の形態4で示した空気調和装置100と同様に、除霜運転モード時の余剰冷媒が熱源側熱交換器12に流入しない場合と比較して、圧縮機10に多くのガス冷媒を流入させることができ、圧縮機10から吐出される冷媒量を増加できる。したがって、本実施の形態5に係る空気調和装置100も、実施の形態1~実施の形態4で示した空気調和装置100と同様に、除霜運転モード時の余剰冷媒が熱源側熱交換器12に流入しない場合と比較して、除霜運転モード終了後に早期に空調対象空間を暖房できるので、ユーザーの快適性を向上させることもできる。
なお、本実施の形態5に係る空気調和装置100の中継機流路切替機構35は、上述のように、冷媒流入配管117、中継機第1開閉装置36a、冷媒流出配管118、及び中継機第2開閉装置36bを備えている。このような中継機流路切替機構35を備えた空気調和装置100において除霜運転モードを実行する場合、中継機第1開閉装置36a及び中継機第2開閉装置36bが開状態になっていると、中継機3の出口側から逆流防止装置14cまでの間の主管111を含む冷媒配管110部分に、圧縮機10から吐出された冷媒が凝縮して滞留する場合がある。このため、このような中継機流路切替機構35を備えた空気調和装置100において除霜運転モードを実行する場合、中継機第1開閉装置36aを閉状態とするのが好ましい。これにより、中継機3の出口側から逆流防止装置14cまでの間の主管111を含む冷媒配管110部分に、圧縮機10から吐出された冷媒が流入することを防止でき、当該冷媒配管110部分に凝縮した冷媒が滞留することを防止できる。この結果、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒をより多く熱源側熱交換器12に流入させることができるので、空気調和装置100除霜能力がより向上する。
また、図16に示すように、本実施の形態5に係る空気調和装置100においては、実施の形態4で示した空気調和装置100と同様に、第2開閉装置15を備えている。このため、本実施の形態5に係る空気調和装置100においては、実施の形態4で示した空気調和装置100と同様に、除霜運転モード時、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒がバイパス配管16から流出した際、熱源側熱交換器12とは反対側に流れることを防止できる。すなわち、本実施の形態5に係る空気調和装置100においては、図4で示した空気調和装置100と同様に、除霜運転モード時、圧縮機10から吐出された高温で高圧のガス冷媒が低温の配管部分で凝縮して滞留することを防止できる。このため、本実施の形態5に係る空気調和装置100においては、実施の形態4で示した空気調和装置100と同様に、除霜能力がさらに向上する。
以上、実施の形態1~実施の形態5において本開示に係る空気調和装置の一例を説明したが、本開示に係る空気調和装置は、実施の形態1~実施の形態5で示した構成に限定されない。例えば、実施の形態3~実施の形態5で示した空気調和装置100は、室外機1と中継機3とを2本の主管111で接続した構成となっていた。しかしながら、室外機1と中継機3とを接続する構成は、種々の公知の構成を用いることができる。例えば、室外機1と中継機3とを3本の主管111で接続する構成としてもよい。このように本開示に係る空気調和装置を構成しても、上述の効果を得ることができる。また、例えば、異なる実施の形態に記載の構成を組み合わせて本開示に係る空気調和装置を構成しても、勿論よい。