JP7377621B2 - 鉄道車両の走行制御システムおよび走行制御方法 - Google Patents

鉄道車両の走行制御システムおよび走行制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄道車両の走行制御システムおよび走行制御方法に関する。
災害等により変電所が停電した際に、地上あるいは車上に設置された蓄電装置を活用し、駅中間に停車した複数の鉄道車両を隣接の駅設備に移動させる緊急走行が注目されている。緊急走行において重要な要素は、乗客の乗っている鉄道車両を駅設備などに移動させることである。蓄電装置など有限の電力で走行させる必要があるため、時間がかかってもよいので、できるだけ小さな電力量で鉄道車両を走行させる必要がある。例えば特許文献1には、鉄道車両において、できるだけ小さな電力量での省エネルギー走行を行うために、指定された走行時間に応じて省エネルギーとなる走行パターンを生成する技術が開示されている。
特開2015-20637号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、走行時間を指定して省エネルギー走行となる走行パターンを生成できるものの、走行時間に依存せず最も省エネルギーとなるような走行パターンを生成することはできない。
また、災害等により変電所が停電した際は、鉄道車両が再び走行開始となるまでの間は停車しているのが一般的である。この停車時間も、鉄道車両では、照明や空調などの補機が使用されている。このため、鉄道車両の消費電力量を考える場合には、定められた区間を走行するために要する駆動電力量だけでなく、前述した補機に要する電力量すなわち補機電力量も考慮したうえで、最も小さな電力量を求める必要がある。
しかし、特許文献1に開示の技術では、鉄道車両が停車している時間において補機電力量を考慮していないため、最小となる場合の消費電力量を求められないという問題がある。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、駆動電力量および補機電力量を考慮して、緊急走行における鉄道車両の最小の消費電力量を算出することを目的とする。
かかる課題を解決するため本発明においては、例えば、走行制御システムは、電力の供給を受けて鉄道車両を駆動させる駆動装置と、電力の供給を受けて動作する補機とを有する鉄道車両を走行制御する鉄道車両の走行制御システムにおいて、前記鉄道車両が、所定区間を走行する場合に、前記駆動装置で消費される電力量および前記補機で消費される電力量の合計電力量が最小となる最小消費電力量と、前記最小消費電力量で前記所定区間を走行する際の走行時間とを算出する算出部を有することを特徴とする。
本発明によれば、駆動電力量および補機電力量を考慮して、緊急走行における鉄道車両の最小の消費電力量を算出することができる。
本発明の実施例1における走行制御システムの構成図。 本発明の実施例1における最小消費電力量の算出原理図。 本発明の実施例2における走行制御システムの構成図。 本発明の実施例2における最小消費電力量算出部の構成図。 本発明の実施例2における走行時間調整部の処理フロー図。 本発明の実施例2における最小電力判定部の処理フロー図。 本発明の実施例3における走行制御システムの構成図。 本発明の実施例3における最大電力判定部の構成図。 本発明の実施例3における給電距離算出部の処理フロー図。 本発明の実施例3における上限電力判定部の処理フロー図。 本発明の実施例3における走行時間下限値の算出原理図。 本発明の実施例3における最小消費電力量の算出原理図。 本発明の実施例4における走行制御システムの構成図。 本発明の実施例4における最小消費電力量算出部の構成図。 本発明の実施例4における走行時間調整部の処理フロー図。 本発明の実施例5における走行制御システムの構成図。 本発明の実施例5における最大電力判定部の構成図。 本発明の実施例5における最小消費電力量の算出原理図。 本発明の実施例5における最小消費電力量の算出原理図。 本発明の実施例6における走行制御システムの構成図。 本発明の実施例6における最小消費電力量算出部の構成図。 本発明の実施例6における走行時間調整部の処理フロー図。 本発明の実施例6における最小電力判定部の処理フロー図。 本発明の実施例7における走行制御システムの構成図。 本発明の実施例7における電力管理装置の機能構成図。 本発明の実施例7における地上蓄電装置走行可否判断部の処理フロー図。 本発明の実施例7における補機電力量補正処理の処理フロー図。 本発明の実施例7における運転指令部の処理フロー図。 本発明の実施例7における各鉄道車両が搭載する走行制御装置の構成図。 本発明の実施例7における最小電力量走行決定部の構成図。 本発明の実施例7における走行時間調整部の処理フロー図。 本発明の実施例7における電力判定部の処理フロー図。 本発明の実施例1~6における走行制御システム、ならびに実施例7における電力管理装置および走行制御装置を実現するコンピュータを示す図。
以下、図面に基づき、本発明の実施例を詳述する。本明細書における各図面は一例を示すものである。本明細書において、各図面の同一参照番号は、同一あるいは類似の構成または処理を示し、後出の実施例の説明では前出の実施例との差分のみを説明し、後出の説明が省略される場合がある。また、各実施例および各変形例は、本発明の技術思想の範囲内かつ整合する範囲内で一部または全部を組合せることができる。
<実施例1の走行制御システムの構成>
図1は、本発明の実施例1における走行制御システムの構成図である。実施例1は、変電所などの電力供給設備からの電力供給を受けて、定められた軌道上を走行する移動体システムを前提とする。実施例1では、かかる移動体システムにおいて、架線からの電力供給が停止した場合に、地上あるいは鉄道車両の車上に設置された蓄電装置を電力源とし、駅中間に停車した鉄道車両が隣接駅などの停車設備まで自力走行する際の最小消費電力量算出の対象の鉄道車両と、最小消費電力量を算出する最小消費電力量算出部との対応関係が1対1である場合を示す。
実施例1の走行制御システム1Sは、地形情報151と、区間情報152と、鉄道車両特性情報153と、停車時間154とをもとに、所要時間155と最小消費電力量156とを生成する最小消費電力量算出部102を有する。
地形情報151は、鉄道車両が走行する路線区間の地形を示す情報であり、地形データベース101に格納されている。区間情報152は、鉄道車両が走行する路線区間の始点および終点を含む。鉄道車両特性情報153は、鉄道車両の加減速度、重量、走行抵抗、補機の使用状況等の情報を含む。停車時間154は、鉄道車両が、供給電力の停止により停車してから、蓄電装置を利用した走行を開始するまでの時間である。
また、最小消費電力量156は、鉄道車両が蓄電装置を利用して走行する際に最小化した消費電力量であり、所要時間155は、最小消費電力量156の電力量で停車時間154も含めて走行し終えるまでの時間である。
最小消費電力量算出部102の一例について、あらかじめ作成しておいたデータベース(不図示)から算出する方法を示す。以下、この不図示のデータベースを便宜的に、「走行時間電力量データベース」と呼ぶ。走行時間電力量データベースは、最小消費電力量算出部102に含まれている。
<実施例1における最小消費電力量の算出原理>
図2は、本発明の実施例1における最小消費電力量の算出原理図である。図2は、最小消費電力量算出部102に含まれている走行時間電力量データベースの中に記録されている内容をグラフ化したものであり、走行時間に対する鉄道車両の駆動に要する駆動電力量と、照明や空調などの補機類で消費される補機電力量およびそれらの合計値である消費電力量の関係を示したものである。
図2の横軸は、鉄道車両があらかじめ定められた区間を走行するための時間(走行時間)、縦軸は、電力量を示している。鉄道車両の駆動電力量は、最高速度が低いほど小さいのが一般的である。また、鉄道車両の最高速度が低いほど走行時間が大きくなる。このため、鉄道車両の駆動電力量と走行時間の間には、負の相関が発生するのが一般的である。
但し、鉄道車両の速度がある速度よりも低下すると、鉄道車両に搭載されている駆動機器の効率も悪化するため、走行時間が増加するに伴い駆動電力量の減少率は低下する。一方、補機電力量は、走行時間に比例するため、走行時間が長大になればなるほど補機電力量が増加する。このため、走行時間がある時間を超えると、駆動電力量の減少率よりも補機電力量の増加率が大きくなる。したがって、駆動電力量と補機電力量の和である消費電力量も下に凸な形状となる。この特性を活かし、最も消費電力量が最小となる時の最小消費電力量156と、その時の走行時間t1を求める。
なお、走行開始するまで停車していた停車時間154の間も、補機は電力消費するため、走行時間が0であっても停車時間154における補機電力量が消費されることになる。また、所要時間155は、前述した停車時間154と走行時間t1の和である。
走行時間電力量データベースの中で用いる、駆動電力量に関する走行時間-電力量パターンは、省エネルギー走行パターンを求めるアルゴリズムを用いて、走行時間を変更しながら算出すればよい。本アルゴリズムについては既にいくつかの周知技術文献があり、それらに開示の技術を用いればよい。例えば、特開2017-105328号公報に開示の技術や、駅間の速度制限を考慮した省エネルギー運転曲線作成方法(平成7年鉄道技術連合シンポジウム(J-RAIL95))に開示の技術などがある。
あるいは、これまでに走行したデータを基に、任意のデータベースを作成して用いてもよい。補機電力量に関する走行時間-電力量パターンは、平均的な値を用いて算出してもよいし、これまでに走行したデータを用いて走行時間ごとに平均的に使用される電力量を用いてもよい。また、季節や温度に対してこれまでに走行したデータから平均的な値を用いて所要時間それぞれに対する電力量を用いてもよい。
以上述べた方法から、鉄道車両がある定められた区間を走行する場合に、消費電力量を最も小さくする時の所要時間および消費電力量が求められる。
なお、走行制御システム1Sは、鉄道車両そのものに搭載されていてもよく、あるいは鉄道車両の運行を管理するシステムに組込まれていてもよい。走行制御システム1Sは、例えば、ディーゼルエンジンと蓄電装置電力駆動のモータで走行するディーゼルハイブリッド駆動システムや、蓄電装置電力駆動のモータのみで走行する蓄電装置車両、架線電力と蓄電装置電力でモータ駆動する架線ハイブリッド駆動システムにおいて架線電力の供給を受けることができないケース等、自車両に備えられた電力供給源のみを用いて走行する車両に対して広く適用可能である。
<実施例2の走行制御システムの構成>
図3は、本発明の実施例2における走行制御システムの構成図である。実施例2の走行制御システム2Sは、地形情報151と、区間情報152と、鉄道車両特性情報153と、停車時間154とをもとに、所要時間351と最小消費電力量352を生成する最小消費電力量算出部301を有する。
最小消費電力量352は、鉄道車両が蓄電装置を利用して走行する際に最小化した消費電力量であり、所要時間351は、最小消費電力量352の電力量で停車時間154も含めて走行し終えるまでの時間である。
<実施例2の最小消費電力量算出部の構成>
最小消費電力量算出部301について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の実施例2における最小消費電力量算出部の構成図である。実施例2の最小消費電力量算出部301は、走行時間調整部401と、走行パターン生成部402と、補機電力量予測部403と、消費電力量計算部404と、最小電力判定部405とを有する。
走行時間調整部401は、地形情報151と、区間情報152と、鉄道車両特性情報153と、後述の調整指令情報455とに基づき走行時間451を算出する。走行パターン生成部402は、地形情報151と、区間情報152と、鉄道車両特性情報153と、停車時間154と、走行時間451とから、鉄道車両の走行パターン(不図示)およびその時の駆動電力量452を生成する。補機電力量予測部403は、走行時間451と、停車時間154と、鉄道車両特性情報153に含まれている補機設備容量APと補機の使用状況AWを基に、鉄道車両の補機電力量453を計算する。
消費電力量計算部404は、駆動電力量452と補機電力量453の和で表される消費電力量454を計算する。最小電力判定部405は、走行時間451と消費電力量454とを入力として、消費電力量454が区間情報152で示される区間の最小電力量であるかどうかを判定する。最小電力判定部405は、走行時間の再調整を行うかどうかの指令である調整指令情報455と、最小消費電力量352およびその時の所要時間351とを出力する。
なお、図4では、走行パターン生成部402に対して走行時間451を入力し、その入力された走行時間451をそのまま走行パターン生成部402から出力することで、補機電力量予測部403および最小電力判定部405に対する入力としているが、走行時間調整部401から出力された走行時間451を直接、補機電力量予測部403および最小電力判定部405に入力する形でもよい。
<実施例2の走行時間調整部の処理>
図5は、本発明の実施例2における走行時間調整部の処理フロー図である。実施例2における走行時間調整部の処理は、区間情報152が入力されるか、または調整指令情報455がONになると実行される。
先ず、ステップS501では、走行時間調整部401は、区間情報152が初めて入力された区間情報であるか否かを判定する。走行時間調整部401は、区間情報152が初めて入力された区間情報である場合(ステップS501YES)、ステップS502へ処理を移す。一方、走行時間調整部401は、区間情報152が2回目以降に入力された区間情報である、あるいは区間情報152の入力がない場合(ステップS501NO)、ステップS504へ処理を移す。
ステップS502では、走行時間調整部401は、区間情報152の最小走行時間TMを算出する。最小走行時間TMは、地形情報151と、鉄道車両特性情報153とを用いて、鉄道車両の最大性能で制限速度を限界として走行する場合の時間を求めればよい。最小走行時間TMの計算は、従来から用いられている手法を用いればよく、例えば、前述した省エネルギー運転曲線作成方法(平成7年鉄道技術連合シンポジウム(J-RAIL95))にも記載されている。なお、最小走行時間TMは、あらかじめ算出しておいてデータベースなどに格納しておくことで、データベースから区間情報152に基づき選択する手法でもよい。
続いてステップS503では、走行時間調整部401は、ステップS502で算出した最小走行時間TMに対して任意の時間αを加えた走行時間Tを計算する。走行時間調整部401は、走行時間Tを走行時間451として出力する。以上で実施例2の走行時間調整部401の処理は終了する。
他方ステップS504では、走行時間調整部401は、調整指令情報455がONか否かを判定する。走行時間調整部401は、調整指令情報455がONであれば(ステップS504YES)、ステップS505に処理を移す。一方、走行時間調整部401は、調整指令情報455がOFFであれば(ステップS504NO)、実施例2の走行時間調整部401の処理を終了する。
ステップS505では、走行時間調整部401は、走行時間Tに対して任意の時間αを加えたT+αを走行時間Tとする。そして、走行時間調整部401は、この走行時間Tを走行時間451として出力する。以上で実施例2の走行時間調整部401の処理は終了する。
走行時間調整部401は、上述した処理で走行時間Tを算出する。これにより、区間情報152に対する最小走行時間TMから、αを順次増加させた時間を算出することができる。増加量αは、任意の正数であればよい。αを小さい値に指定すればするほどより精度よく最小消費電力量を算出することが可能となるが、算出時間が長くなる。一方、αを大きな値に指定すればするほど算出時間は短くなるが、最小消費電力量の算出精度は低下する。
なお、実施例2の走行時間調整部401の処理では、区間情報152が登録された場合のみステップS501、ステップS502、ステップS503の順に処理が行われ、区間情報152が一度登録された後は、ステップS501、ステップS504と進み、後述する最小電力判定部405の結果である調整指令情報455がONかどうかによりステップS505の処理が行われることになる。
<実施例2の走行パターン生成部の処理>
実施例2の走行パターン生成部402の処理は、既知の内容でよく、例えば特開2017-105328号公報に開示の技術や、駅間の速度制限を考慮した省エネルギー運転曲線作成方法(平成7年鉄道技術連合シンポジウム(J-RAIL95))に開示の技術のように、走行時間Tを指定して省エネルギー走行パターンを作成する手法を用いればよい。
<実施例2の補機電力量予測部の処理>
実施例2の補機電力量予測部403は、鉄道車両特性情報153に含まれる補機設備容量APおよび補機の使用状況AWと、鉄道車両の走行時間451と、停車時間154とから、補機電力量453を、下記式(1)に基づいて算出する。
補機電力量453=AP×AW×(走行時間451+停車時間154)・・・(1)
なお、補機の使用状況AWは、リアルタイム値を用いずとも、例えば過去の統計データを基に算出した値を用いてもよい。
<実施例2の最小電力判定部の処理>
図6は、本発明の実施例2における最小電力判定部の処理フロー図である。実施例2における最小電力判定部の処理は、区間情報152に対して走行時間451が登録されるごとに実行される。
先ず、ステップS601では、最小電力判定部405は、区間情報152に対して走行時間451が初めて登録されたか否かを判定する。最小電力判定部405は、区間情報152に対して走行時間451が初めて登録された場合(ステップS601YES)、ステップS602に処理を移す。一方、最小電力判定部405は、区間情報152に対して走行時間451が2回目以降の登録の場合(ステップS601NO)、ステップS604に処理を移す。
ステップS602では、最小電力判定部405は、走行時間451を基準走行時間Tとし、消費電力量454を基準消費電力量Wとする。続いてステップS603では、最小電力判定部405は、調整指令情報455をONにする。以上で実施例2の最小電力判定部405の処理は終了する。
一方、ステップS604では、最小電力判定部405は、基準消費電力量W>消費電力量454の大小関係か成立するどうか否かを判定する。最小電力判定部405は、基準消費電力量W>消費電力量454である場合(ステップS604YES)、ステップS602に処理を移す。一方、最小電力判定部405は、基準消費電力量W≦消費電力量454YESの場合(ステップS604NO)、ステップS605に処理を移す。
ステップS605では、最小電力判定部405は、基準消費電力量Wを最小消費電力量352とし、基準走行時間Tと停車時間154の和を所要時間351として確定し出力する。続いてステップS606では、最小電力判定部405は、調整指令情報455をOFFとする。以上で実施例2の最小電力判定部405の処理は終了する。
なお、実施例2の最小電力判定部405の処理では、区間情報152に対して走行時間451が初めて登録された場合のみステップS601、ステップS602、ステップS603の処理が行われ、一度登録された後は、ステップS601の後にステップS604の処理に進み、その判定結果に基づきステップS602、ステップS603の処理、あるいはステップS605、ステップS606の処理へと進む。
最小電力判定部405の処理は、走行時間調整部401が走行時間を順次増加させながら与えていく処理であることと、走行時間451に対する消費電力量454の関係が図2に示すように下に凸な関係であることから成り立つ処理である。すなわち、各走行時間で計算された消費電力量454が増加に転じるかどうか否かをステップS604で判定し、増加に転じた時点で終了させ、その1つ前のループで算出された基準走行時間Tおよび基準消費電力量Wを選択することで、最小の消費電力量を選択できる。
以上述べた方法から、鉄道車両がある定められた区間を走行する場合に、消費電力量が最も小さくする時の所要時間および消費電力量が求められる。なお、実施例2の走行制御システム2Sは、実施例1の走行制御システム1Sと同様の車両を対象として適用できる。
<実施例3の走行制御システムの構成>
図7は、本発明の実施例3における走行制御システムの構成図である。実施例3の走行制御システム3Sは、地形情報151と、区間情報152と、上限電力751と、鉄道車両特性情報153と、停車時間154とをもとに、走行時間752と最小消費電力量753を生成する最小消費電力量算出部702を有する。
最小消費電力量753は、鉄道車両が蓄電装置を利用して走行する際に最小化した消費電力量であり、走行時間752は、最小消費電力量753の電力量で停車時間154も含めて走行し終えるまでの時間である。
また、走行制御システム3Sは、最大電力判定部701を有する。最大電力判定部701は、区間情報152をもとに、鉄道車両に供給可能な上限電力751を算出し、最小消費電力量算出部702に出力する。
<実施例3の最小消費電力量算出部の構成>
図8は、本発明の実施例3における最大電力判定部の構成図である。最大電力判定部701は、給電データベース801と、給電距離算出部802と、上限電力算出部803とを有する。
給電データベース801は、各供給電力設備の位置、容量、放電電圧などの供給電力設備情報851を記録している。給電距離算出部802は、供給電力設備情報851と区間情報152とから、供給電力設備の中で鉄道車両が移動する際に給電される設備からの給電距離852およびその時の供給電力設備853を算出する。上限電力算出部803は、給電距離852と供給電力設備853とから鉄道車両の上限電力751を判定する。
<実施例3の給電距離算出部の処理>
図9は、本発明の実施例3における給電距離算出部の処理フロー図である。先ず、ステップS901では、給電距離算出部802は、区間情報152内のそれぞれの位置Pから最も近い供給電力設備F(P)、および供給電力設備F(P)と鉄道車両との間の距離L(P)をそれぞれ選定する。位置Pは、区間情報152に示されている始点と終点の間を例えば1m刻みに動かすことで得られるものである。なお、刻み間隔は1mに限定する必要はなく任意の正の値を用いてよい。また、鉄道車両が蓄電装置などの供給電力設備を備えかつ給電可能である場合には、距離L(P)は0となる。
続いてステップS902では、給電距離算出部802は、ステップS901で選定された距離L(P)の中から最小の距離L(P)を選択し、最小の距離L(P)を給電距離852とし、最小の距離L(P)に対応する供給電力設備F(P)を供給電力設備853として出力する。以上で実施例3の給電距離算出部802の処理は終了する。
<実施例3の上限電力判定部の処理>
図10は、本発明の実施例3における上限電力判定部の処理フロー図である。
先ず、ステップS1001では、上限電力算出部803は、給電距離算出部802で得た給電距離852が大きいほど給電率Kが下がるように計算する。給電率Kは、例えば、係数Rを用いて、下記式(2)のように計算する。下記式(2)において、Rは固定値でも距離に応じて増大する関数でもよいが、例えば架線やレールの1kmあたりの抵抗値を用いてもよい。
K=100-R×給電距離852・・・(2)
続いてステップS1002では、上限電力算出部803は、ステップS1001で算出した給電率Kと、給電距離算出部802で得た供給電力設備853の最大電流Iから、上限電流IXを下記式(3)により算出する。
IX=K×I/100・・・(3)
上記式(3)に基づいて算出した上限電流IXと、鉄道車両の基準電圧の積を上限電力751とする。以上で実施例3の上限電力算出部803の処理は終了する。
<実施例3における最小消費電力量の算出原理>
最小消費電力量算出部702について、図11および図12を用いて説明する。図11は、本発明の実施例3における走行時間下限値の算出原理図である。図12は、本発明の実施例3における最小消費電力量の算出原理図である。
図11は、横軸を鉄道車両の走行時間、縦軸を鉄道車両の瞬時電力を表す。鉄道車両の瞬時電力が小さく制限されるほど鉄道車両の加速度が低下するため、鉄道車両の走行時間は増加する。図11に示すように、鉄道車両の上限電力751を入力すると、区間情報152に該当する区間を鉄道車両が走行可能な最小時間T3が決定される。
図12は、図2に示した内容に、走行可能な最小時間T3が存在する場合の最小消費電力量W3を加えたものである。図2における最小消費電力量156で走行した時の所要時間155よりも走行可能な最小時間T3が大きい場合には、走行時間に制約が発生する。このため、最小時間T3が、本実施例で出力される走行時間752となり、その時の最小消費電力量W3が、本実施例で出力される最小消費電力量753となる。走行可能な最小時間T3が、所要時間155以下の場合には、図2と同じ値が出力されるため、所要時間155が走行時間752、最小消費電力量156が最小消費電力量753として出力される。
以上述べた方法から、鉄道車両がある定められた区間を走行する場合に、供給電力設備を考慮したうえで消費電力量を最も小さくする時の所要時間および消費電力量が求められる。なお、実施例3の走行制御システム3Sは、実施例1~2の走行制御システム1S~2Sと同様の車両を対象として適用できる。
<実施例4の走行制御システムの構成>
図13は、本発明の実施例4における走行制御システムの構成図である。実施例4の走行制御システム4Sは、地形情報151と、区間情報152と、上限電力751と、鉄道車両特性情報153と、停車時間154とをもとに、所要時間1351と最小消費電力量1352を生成する最小消費電力量算出部1301を有する。
所要時間1351は、鉄道車両が蓄電装置を利用して走行する際に消費電力量を最小化した場合における、停車時間154も含めて走行し終えるまでの時間である。最小消費電力量1352は、所要時間1351における、最小化した消費電力量である。また、走行制御システム4Sは、実施例3と同様の最大電力判定部701を有する。
<実施例4の最小消費電力量算出部の構成>
最小消費電力量算出部1301について、図14を用いて説明する。図14は、本発明の実施例4における最小消費電力量算出部の構成図である。
実施例4の最小消費電力量算出部1301について、実施例2の最小消費電力量算出部301(図4参照)との差分のみ説明する。最小消費電力量算出部1301は、最小消費電力量算出部301と比較して、走行時間調整部401に代えて走行時間調整部1401を有する。走行時間調整部1401は、地形情報151と、区間情報152と、鉄道車両特性情報153と、調整指令情報455とに加えて、さらに、上限電力751に基づいて走行時間451を算出する。
また、実施例4の最小電力判定部405は、所要時間351に代えて上限電力751を考慮した所要時間1351を出力し、最小消費電力量352に代えて上限電力751を考慮した最小消費電力量1352を出力する。
<実施例4の走行時間調整部の処理>
図15は、本発明の実施例4における走行時間調整部の処理フロー図である。実施例4の走行時間調整部1401の処理フローについて、実施例2の走行時間調整部401の処理フロー(図5参照)との差分についてのみ説明する。実施例4の走行時間調整部1401の処理は、区間情報152が入力されるか、または調整指令情報455がONになると実行される。
図15のステップS501は、図5と同様である。ステップS501に続いてステップS1502では、走行時間調整部1401は、区間情報152の最小走行時間TMを算出する。最小走行時間TMの算出に当たっては、地形情報151、鉄道車両特性情報153、および上限電力751を用いて鉄道車両の最大性能での制限速度を限界として走行する場合の時間を求めればよい。
この時、上限電力751と鉄道車両の最大性能で走行時に必要な電力とを比較し、上限電力751の方が小さければ、上限電力751で鉄道車両の性能を制限することで、最小走行時間TMを算出する。一方、上限電力751の方が大きければ、鉄道車両の最大性能を制限しないため、ステップS1502は、図5で述べたステップS502の処理と同じとなる。最小走行時間TMの計算は、前述した通り、従来から用いられている方法を用いればよい。なお、あらかじめ算出しておきデータベースなどに格納しておくことで、データベースから区間情報に基づき選択する手法でもよい。ステップS1502が終了すると、走行時間調整部1401は、ステップS503に処理を移す。
以上述べた方法から、鉄道車両がある定められた区間を走行する場合に、供給電力設備を考慮したうえで消費電力量が最も小さくなる時の所要時間および消費電力量が求められる。なお、実施例4の走行制御システム4Sは、実施例1~3の走行制御システム1S~3Sと同様の車両を対象として適用できる。
<実施例5の走行制御システムの構成>
図16は、本発明の実施例5における走行制御システムの構成図である。実施例5の走行制御システム5Sについて、実施例4の走行制御システム4Sとの差分を述べる。実施例5の走行制御システム5Sは、区間情報152に基づいて上限電力751および上限電力751を与える供給電力設備853を算出する最大電力判定部1601を有する。また、走行制御システム5Sは、供給電力設備853をもとに、供給電力設備853の電力設備容量1651を抽出する電力設備容量抽出部1602をさらに有する。また、走行制御システム5Sは、地形情報151と、区間情報152と、上限電力751と、電力設備容量1651と、鉄道車両特性情報153と、停車時間154とをもとに、走行時間1652と消費電力量1653と補機調整指令1654とを生成する最小消費電力量算出部1603を有する。
最小消費電力量1653は、鉄道車両が蓄電装置を利用して走行する際に最小化した消費電力量であり、走行時間1652は、最小消費電力量1653の電力量で停車時間154も含めて走行し終えるまでの時間である。補機調整指令1654については後述する。
<実施例5の最小消費電力判定部の構成>
最大電力判定部1601について、図17を用いて説明する。図17は、本発明の実施例5における最大電力判定部の構成図である。実施例5の最大電力判定部1601について、実施例3の最大電力判定部701(図8参照)との差分のみ説明する。実施例5において、給電距離算出部802は、供給電力設備853を、上限電力算出部803に出力するとともに、電力設備容量抽出部1602へ出力する。
<実施例5の電力設備容量抽出部の処理>
電力設備容量抽出部1602は、各供給電力設備に対応する電力容量を対応付けて格納するデータベースを有し、入力された供給電力設備853に対応する電力設備容量1651を抽出して出力する。
<実施例5における最小消費電力量の算出原理>
最小消費電力量算出部1603について、図18および図19を用いて説明する。図18は、本発明の実施例5における最小消費電力量の算出原理図である。図19は、本発明の実施例5における最小消費電力量の算出原理図である。図18は、電力設備容量1651により消費電力量に制約がある場合を示し、図19は、電力設備容量1651による消費電力量の制約がない場合を示す。
図18および図19は、図12に示した内容に、供給電力設備853の供給電力設備の電力設備容量1651を加えたものである。供給電力設備853の電力設備容量1651よりも、図11および図12の処理で算出した最小消費電力量753が大きい場合には、補機電力量の制限を行うように、最小消費電力量算出部1603は、下記式(4)をもとに補機調整指令1654を算出する。
補機調整指令1654=(補機電力量453-(電力設備容量1651-最小消費電力量753))/走行時間752・・・(4)
また、最小消費電力量算出部1603は、走行時間1652として走行時間752を出力し、最小消費電力量1653として電力設備容量1651を出力する。
一方、図18に示すように、供給電力設備853の電力設備容量1651よりも最小消費電力量753が小さい場合には、余裕があるため、走行時間を調整する。なお、図18の例では、上限電力751の制限により既に制約が発生しているため、走行時間752より早めることができない。このため、図12と同じ値が出力されることになり、最小消費電力量算出部1603は、走行時間1652として走行時間752を出力し、最小消費電力量1653として最小消費電力量753を出力する。また、補機調整指令1654は、下記式(5)をもとに算出したものが出力される。
補機調整指令1654=補機電力量453/走行時間752・・・(5)
図19は、図18とは異なり、供給電力設備853の電力設備容量1651よりも最小消費電力量753が小さく、かつ、上限電力751の制限による制約がない場合を示す。最小消費電力量156は、供給電力設備853の電力設備容量1651よりも小さいため、所要時間155を早めることが可能である。早めることが可能な領域は、最小走行時間TMまでである。最小走行時間TMの時の消費電力量EMは、供給電力設備情報851の電力設備容量1651よりも小さいことから、最小走行時間TMで走行可能である。このため、最小消費電力量算出部1603は、走行時間1652として最小走行時間TMを出力し、最小消費電力量1653として消費電力量EMを出力する。また、補機調整指令1654は、下記式(6)をもとに算出したものが出力される。
補機調整指令1654=補機電力量453/最小走行時間TM・・・(6)
以上述べた方法から、鉄道車両がある定められた区間を走行する場合に、必要に応じて補機の電力量を制限する調整や走行時間の調整を行うことで、供給電力設備853の電力設備容量1651以下で走行可能な範囲で消費電力量が最も小さくなる時の所要時間および消費電力量が求められる。なお、実施例5の走行制御システム5Sは、実施例1~4の走行制御システム1S~4Sと同様の車両を対象として適用できる。
<実施例6の走行制御システムの構成>
図20は、本発明の実施例6における走行制御システムの構成図である。実施例6の走行制御システム6Sは、実施例5の走行制御システム5Sと比較して、地形情報151と、区間情報152と、上限電力751と、電力設備容量1651と、鉄道車両特性情報153と、停車時間154とをもとに、走行時間2051と最小消費電力量2052と補機調整指令2053とを生成する最小消費電力量算出部2001を有する。
最小消費電力量算出部2001について、図21を用いて説明する。図21は、本発明の実施例6における最小消費電力量算出部の構成図である。
実施例6の最小消費電力量算出部2001について、実施例4の最小消費電力量算出部1301との差分のみ説明する。最小消費電力量算出部2001は、最小消費電力量算出部1301と比較して、走行時間調整部1401に代えて走行時間調整部2101を有する。走行時間調整部2101は、地形情報151と、区間情報152と、鉄道車両特性情報153と、調整指令情報2151と、上限電力751とに基づいて走行時間451を算出する。
また、最小消費電力量算出部2001は、最小消費電力量算出部1301と比較して、最小電力判定部405に代えて最小電力判定部2102を有する。最小電力判定部2102は、区間情報152と、走行時間451と、補機電力量453と、消費電力量454と、電力設備容量1651とから、区間情報152で示される区間を走行するうえで適正な電力量であるかどうかを判定するとともに、最小消費電力量2052と、その時の走行時間2051と、走行時間2051の再調整を行うか否かの指令である調整指令情報2151と、補機の電力を調整する補機調整指令2053とを出力する。
図22は、本発明の実施例6における走行時間調整部の処理フロー図である。実施例6の走行時間調整部2101の処理フローについて、実施例4の走行時間調整部1401の処理フロー(図15参照)との差分についてのみ説明する。
区間情報152が2回目以降に入力された区間情報である、あるいは区間情報152の入力がない場合(ステップS501NO)、走行時間調整部2101は、ステップS2204aに処理を移す。ステップS2204aでは、走行時間調整部2101は、調整指令情報455がONであるか否かを判定する。調整指令情報455がONである場合(ステップS2204aYES)、走行時間調整部2101は、ステップS2204bに処理を移す。一方、調整指令情報455がOFFの場合(ステップS2204aNO)、走行時間調整部2101は、本処理フローを終了する。
ステップS2204aでは、走行時間調整部2101は、調整指令情報455が増加であるか否かを判定する。調整指令情報455が増加である場合(ステップS2204bYES)、走行時間調整部2101は、ステップS505に処理を移す。一方、調整指令情報455が減少である場合(ステップS2204bNO)、走行時間調整部2101は、ステップS2206に処理を移す。ステップS2206では、走行時間調整部401は、走行時間Tに対して任意の時間βを減じたT-βを走行時間451として出力する。なお、走行時間Tの下限は、最小走行時間TMとする。以上で実施例6の走行時間調整部2101の処理は終了する。
上述した処理で走行時間を算出することで、区間情報152に対する最小走行時間TMから、順次、増加あるいは減少させた時間を算出することができる。増加量αおよび減少量βは、任意の正数であればよい。αおよびβを小さい値に指定すればするほどより正確な最小消費電力量を算出することが可能となるが、算出するまでの時間が増加する。αおよびβを大きな値に指定すればするほど算出時間は短くなるが最小消費電力量算出の精度は落ちることになる。
なお、本処理は、区間情報152が最初に登録されたときのみステップS501、ステップS1502、ステップS503の順に処理が行われ、区間情報152が一度登録された後は、後述する最小電力判定部2102の結果である調整指令情報2151が増加指令か減少指令か、あるいはOFFかどうかにより、ステップS501、ステップS2204a、ステップS2204b、ステップS505、ステップS2206の処理が行われることになる。
<実施例6の最小電力判定部の処理>
図23は、本発明の実施例6における最小電力判定部の処理フロー図である。図6と同じ内容については図6と同じステップ番号にて記載し、差分のみを説明し、同一の説明を省略する。
ステップS602に続いてステップS2303aでは、最小電力判定部2102は、調整指令情報2151を増加とする。ステップS2303aが終了すると、実施例6における最小電力判定部の処理は終了する。
一方、最小電力判定部2102は、区間情報152に対して走行時間451が2回目以降の登録の場合(ステップS601NO)に処理を移したステップS2303bにおいて、最小消費電力量が未確定か否かを判定する。最小消費電力量が未確定の場合(ステップS2303bYES)、最小電力判定部2102は、ステップS604に処理を移す。一方、最小消費電力量が確定の場合(ステップS2303bNO)、最小電力判定部2102は、ステップS2306に処理を移す。
ステップS604では、最小電力判定部2102は、基準消費電力量W>消費電力量454であるか否かを判定する。基準消費電力量W>消費電力量454の場合(ステップS604YES)、最小電力判定部2102は、ステップS602に処理を移す。一方、基準消費電力量W≦消費電力量454の場合(ステップS604NO)、最小電力判定部2102は、ステップS2305に処理を移す。ステップS2305では、最小電力判定部2102は、基準消費電力量Wを最小消費電力量として確定し、その旨を記録する。
以下のステップS2306以降の処理では、最小消費電力量と供給電力設備容量の比較を実施し、走行時間の調整や補機電力の低減を行うか否かを判定する。先ず、ステップS2306では、最小電力判定部2102は、基準消費電力量W>供給電力設備853の電力設備容量1651か否かを判定する。基準消費電力量W>供給電力設備853の電力設備容量1651の場合(ステップS2306YES)、最小電力判定部2102は、ステップS2307に処理を移す。一方、基準消費電力量W≦供給電力設備853の電力設備容量1651の場合(ステップS2306NO)、最小電力判定部2102は、ステップS2310に処理を移す。
ステップS2307では、最小電力判定部2102は、補機調整指令2053を、下記式(7)に基づいて計算する。
補機調整指令2053=(補機電力量453-(電力設備容量1651-基準消費電力量W))/(基準走行時間T+停車時間154)・・・(7)
ステップS2307に続いてステップS2308では、最小電力判定部2102は、基準消費電力量Wを最小消費電力量2052とし、基準走行時間Tと停車時間154の和を所要時間2051とし、ステップS2307で計算した補機調整指令2053とともに出力する。
続いてステップS2309では、最小電力判定部2102は、調整指令情報2151をOFFとする。ステップS2309が終了すると、最小電力判定部2102は、実施例6における最小電力判定部の処理を終了する。
他方、ステップS2310では、最小電力判定部2102は、電力設備容量1651と基準消費電力量Wについて、下記式(8)式が成立するか否かを判定する。下記式(8)において、ωは電力設備容量1651に対する余裕度であり、任意の正数を指定してよい。なお、下記式(8)においてω=0とすると、基準消費電力量Wと電力設備容量1651が一致することが判定条件となる。電力設備容量1651と基準消費電力量Wについて下記式(8)式が成立する場合(ステップS2310YES)、最小電力判定部2102は、ステップS2308に処理を移す。一方、下記式(8)式が成立しない場合(ステップS2310NO)、最小電力判定部2102は、ステップS2311に処理を移す。
電力設備容量1651-ω≦基準消費電力量W≦電力設備容量1651・・・(8)
ステップS2311では、最小電力判定部2102は、入力の走行時間451>最小走行時間TMか否かを判定する。ステップS2311は、電力設備容量1651が基準消費電力量Wに比べて余裕がある場合のみに到達する。走行時間451>最小走行時間TMの場合(ステップS2311YES)、最小電力判定部2102は、ステップS2312に処理を移す。一方、走行時間451≦最小走行時間TMの場合(ステップS2311NO)、最小電力判定部2102は、ステップS2315に処理を移す。
ステップS2312では、最小電力判定部2102は、調整指令情報2151を減少とする。ステップS2312は、走行時間を早めるように調整することができる場合に到達する。
ステップS2312に続いてステップS2313では、最小電力判定部2102は、入力の走行時間451<基準走行時間Tか否かを判定する。走行時間451<基準走行時間Tの場合(ステップS2313YES)、最小電力判定部2102は、ステップS2314に処理を移す。走行時間451≧基準走行時間Tの場合(ステップS2313NO)、最小電力判定部2102は、ステップS2315に処理を移す。
ステップS2314では、最小電力判定部2102は、消費電力量454を基準消費電力量Wとする。ステップS2314が終了すると、最小電力判定部2102は、実施例6における最小電力判定部の処理を終了する。一方、ステップS2315では、最小電力判定部2102は、調整指令情報2151をOFFとする。ステップS2315が終了すると、最小電力判定部2102は、実施例6における最小電力判定部の処理を終了する。
上述の実施例6における最小電力判定部の処理は、区間情報152に対して走行時間451が初めて登録された場合のみステップS601、ステップS602、ステップS2303aの処理が行われ、走行時間451が一度登録された後は、ステップS601の後はステップS2303b、ステップS604の処理に進み、最小消費電力量が求まるまではステップS602、ステップS2303aの処理が繰り返される。
最小消費電力量が確定したと判断された時には、ステップS2303b、ステップS604の後、ステップS2305へと進み、最小消費電力量確定のフラグをONとしてステップS2306以降の処理を行う。最小消費電力量が確定した後は、ステップS601、ステップS2303b、ステップS2306と進み、電力設備容量1651と最小消費電力量の大小関係を比較する。最小消費電力量の方が大きい場合には鉄道車両の補機電力量を低減しないと走行できないため、この調整指令をステップS2307、ステップS2308、ステップS2309で実施する。
また、電力設備容量1651に余裕がある場合で供給電力の上限電力により走行時間が制約されていない場合には、ステップS2310、ステップS2311、ステップS2312、ステップS2313で走行時間を早めるように処理する。供給電力の上限電力により走行時間が制約されている場合には、ステップS2310、ステップS2311、ステップS2315と進み終了となる。また、供給電力設備容量に対して適正な基準消費電力量Wが算出できれば、ステップS2310、ステップS2308、ステップS2309が実施される。
なお、上記の方法では、一度最小消費電力量を算出した後に再度調整指令を求める方法となっているが、最小電力判定部2102において、電力設備容量1651を下回る消費電力量454を検出した時点で処理を終了させる方式であってもよい。
以上述べた方法から、当該鉄道車両がある定められた区間を走行する場合に、供給電力設備853の電力設備容量1651を考慮したうえで消費電力量を適正化した場合の所要時間および消費電力量が求められる。なお、実施例6の走行制御システム6Sは、実施例1~5の走行制御システム1S~5Sと同様の車両を対象として適用できる。
実施例1~6では、最小消費電力量算出機能を有する1つの装置が1つの鉄道車両を対象として処理を行うことを前提としている。このため、実施例1~6では、複数の鉄道車両を対象とする場合には、それぞれの鉄道車両に対して1つずつ最小消費電力量算出機能を有する装置を設ける必要がある。これに対して、複数の鉄道車両を対象とする場合に、1つの最小消費電力量算出機能を有する装置で対応する場合も考えられる。以下、この場合を実施例7として説明する。
<実施例7の走行制御システムの構成>
図24は、本発明の実施例7における走行制御システムの構成図である。本実施例の鉄道車両の走行制御システム7Sは、電力網としての架線2401に地上蓄電装置2402が接続され、その架線2401に接続された変電所等の供給電力設備(図示せず)から電力が供給されて走行する1または複数の鉄道車両2403に対して、後述する鉄道車両走行情報2451を送信するものである。
なお、地上蓄電装置2402は、地上蓄電装置2402Aおよび地上蓄電装置2402Bの総称とする。また、鉄道車両2403は、鉄道車両2403Aおよび鉄道車両2403Bの総称とする。地上蓄電装置2402は、鉄道車両2403から回生された電力を充電するものであり、必要に応じて、架線2401に充電されている電力を放電するものである。
本実施例では、鉄道車両2403は、路線(図示せず)上の予め定められた区間に存在する。また、鉄道車両2403は、架線2401を経由して供給電力設備(図示せず)や地上蓄電装置2402から電力が供給されて走行すると共に、自らの鉄道車両に搭載された蓄電装置2404の電力を使用して走行する。
なお、蓄電装置2404は、鉄道車両2403Aに搭載される蓄電装置2404Aおよび鉄道車両2403Bに搭載される蓄電装置2404Bの総称とする。蓄電装置2404は、鉄道車両2403からの回生された電力を充電するものであり、必要に応じて、自らの鉄道車両に、その充電されている電力を放電するものである。つまり、蓄電装置2404Aは、鉄道車両2403Aの回生電力を充電し、蓄電装置2404Bは鉄道車両2403Bの回生電力を充電する。
更に、本実施例の走行制御システム7Sは、地上蓄電装置2402から、地上蓄電装置情報2452を取得し、蓄電装置2404から、蓄電装置2404の充電電力量および最大瞬時電力の情報(以下「蓄電装置情報2453」と記載)を取得する。また、運行データベース2405から、鉄道車両2403の編成車両数やダイヤ情報を含む運行情報2454を取得する。さらに、鉄道車両2403から鉄道車両消費電力量2455と走行終了までに要する所要時間2456および所要時間を低減する余地があるかどうかを示す所要時間低減余地フラグ2457を取得する。
また、図24では、走行制御システム7Sは、地上蓄電装置2402と、鉄道車両2403上の蓄電装置2404との両方を含む構成としているが、これに限定されず、地上蓄電装置2402および蓄電装置2404の何れか一方を含む構成であってもよい。また、図24に図示の地上蓄電装置2402の数、鉄道車両2403の数は、一例を示すに過ぎない。
走行制御システム7Sは、地上蓄電装置情報2452と蓄電装置情報2453と運行情報2454と鉄道車両消費電力量2455と所要時間2456と所要時間低減余地フラグ2457に基づいて、定められた区間を移動する鉄道車両2403に対して補機電力低減指令2458と走行時間早急化指令2459と余裕電力量2460を決定する電力管理装置2406を有する。
図24において、一例として、電力管理装置2406から鉄道車両2403Aに対して送信される鉄道車両走行情報2451を「鉄道車両走行情報2451A」と表し、地上蓄電装置2402Aから電力管理装置2406へ送信される地上蓄電装置情報2452を「地上蓄電装置情報2452A」と表すが、他の要素および符号についても同様である。
なお、線路上の予め定められた区間を走行する全ての鉄道車両2403に対して、これら鉄道車両2403が線路上の予め定められた区間を走行した場合に消費する消費電力量およびその時の走行時間をデータベースに格納しておき、鉄道車両2403から鉄道車両消費電力量2455と所要時間2456を取得する代わりに、データベースから消費電力量および走行時間を取得してもよい。このデータベースに格納する消費電力量および走行時間は、線路上の予め定められた区間を実際に走行した鉄道車両2403について、種別、最高速度、重量、走行時分、およびその時の消費電力量を記録した実情報であってもよいし、線路上の予め定められた区間の勾配、曲線、制限速度などの地形データを考慮し、線路上の予め定められた区間を走行する全ての種別の鉄道車両2403に対して、走行時分、重量、最高速度、およびその時の消費電力量を、所定の条件を変動させて計算したシミュレーション結果であってもよい。
また、走行制御システム7Sは、鉄道車両2403の中に、走行制御装置2409を有する。
<実施例7の走行制御システムの構成>
図25は、本発明の実施例7における電力管理装置の機能構成図である。電力管理装置2406は、地上蓄電装置走行可否判断部2501と、補機電力量補正処理部2502と、運転指令部2503とを有する。
地上蓄電装置走行可否判断部2501は、地上蓄電装置情報2452と蓄電装置情報2453と鉄道車両消費電力量2455とから、現状の消費電力量で走行可能かを示すフラグ2551および不足電力量2552を算出する。
補機電力量補正処理部2502は、運行情報2454と所要時間2456とフラグ2551と不足電力量2552とから、補機電力低減指令2458を算出する。運転指令部2503は、フラグ2551と不足電力量2552と所要時間低減余地フラグ2457とから、走行時間早急化指令2459および余裕電力量2460を決定する。
<実施例7の走行可否判断部の処理>
図26は、本発明の実施例7における地上蓄電装置走行可否判断部の処理フロー図である。先ず、ステップS2601では、地上蓄電装置走行可否判断部2501は、地上蓄電装置情報2452から取得される地上蓄電装置2402の使用可能容量と、蓄電装置情報2453から取得される鉄道車両2403に搭載される蓄電装置2404の使用可能容量との合計使用可能容量Hと、鉄道車両消費電力量2455の合計量Xとを計算する。
続いてステップS2602では、地上蓄電装置走行可否判断部2501は、不足電力量2552を、下記式(9)により計算する。
不足電力量2552=鉄道車両消費電力量の合計量X-合計使用可能容量H・・・(9)
続いてステップS2603では、地上蓄電装置走行可否判断部2501は、不足電力量2552が正か否かを判定する。不足電力量2552が正の場合(ステップS2603YES)、ステップS2604に処理を移す。一方、不足電力量2552が0以下の場合(ステップS2603NO)、ステップS2605に処理を移す。ステップS2604では、地上蓄電装置走行可否判断部2501は、フラグ2551に走行不可をセットする。一方、ステップS2605では、地上蓄電装置走行可否判断部2501は、フラグ2551に走行可能をセットする。ステップS2604またはS2605が終了すると、実施例7の地上蓄電装置走行可否判断部の処理は終了する。
ステップS2604に到達した場合、全ての鉄道車両2403を、それぞれの鉄道車両消費電力量2455で走行させると、全ての鉄道車両2403が走行し終えるまでに蓄電装置の容量がなくなることを意味している。このため、ステップS2604で、現状の消費電力量では走行不可であるとしてフラグ2551に走行不可をセットする。
また、ステップS2605に到達した場合、全ての鉄道車両2403を、それぞれの鉄道車両消費電力量2455で走行させて、全ての鉄道車両2403が走行し終えても、蓄電装置の残容量があることを意味している。このため、ステップS2605で、現状の消費電力量で走行可能であるとしてフラグ2551に走行可能をセットする。
<実施例7の補機電力量補正処理の処理>
図27は、本発明の実施例7における補機電力量補正処理の処理フロー図である。先ず、ステップS2701では、補機電力量補正処理部2502は、フラグ2551が走行不可を示すか否かを判定する。フラグ2551が走行不可を示す場合(ステップS2701YES)、補機電力量補正処理部2502は、ステップS2702に処理を移す。一方、フラグ2551が走行可能を示す場合(ステップS2701NO)、補機電力量補正処理部2502は、ステップS2706に処理を移す。
ステップS2702では、補機電力量補正処理部2502は、各鉄道車両2403の各所要時間2456をTime(i)(iは各鉄道車両2403の番号を示す)と設定する。続いてステップS2703では、補機電力量補正処理部2502は、運行情報2454に含まれる各鉄道車両2403の編成車両数N(i)(iは各鉄道車両2403の番号を示す)を求める。
続いてステップS2704では、補機電力量補正処理部2502は、各鉄道車両2403に補機電力低減量を平均的に割り振るために、下記式(10)に基づいて、値HHを算出する。値HHは、各鉄道車両が走行あるいは停車しているときに、1車両についての1秒間あたりの補機動作の低減量である。
HH=不足電力量2552/Σ(Time(i)×N(i))・・・(10)
続いてステップS2705では、補機電力量補正処理部2502は、下記(11)式に基づいて各鉄道車両2403に対する補機電力低減指令2458を算出する。
補機電力低減指令2458=HH×Time(i)×N(i)・・・(11)
一方、ステップS2706では、補機電力量補正処理部2502は、補機を低減しなくても十分走行可能であるため、補機電力量低減指令を0とする。ステップS2705またはS2706が終了すると、実施例7の補機電力量補正処理は終了する。
<実施例7の運転指令部の処理>
図28は、本発明の実施例7における運転指令部の処理フロー図である。先ず、ステップS2801では、運転指令部2503は、フラグ2551が走行可能を示すか否かを判定する。フラグ2551が走行可能を示す場合(ステップS2801YES)、運転指令部2503は、ステップS2802に処理を移す。一方、フラグ2551が走行不可を示す場合(ステップS2801NO)、運転指令部2503は、ステップS2806に処理を移す。
ステップS2802では、運転指令部2503は、各鉄道車両2403に対する所要時間低減余地フラグ2457がONのものについて、走行時間早急化指令2459をONとする。続いてステップS2803では、運転指令部2503は、走行時間早急化指令2459をONにした鉄道車両に対して、運行情報2454に含まれる各鉄道車両の編成車両数N(i)(iは鉄道車両の番号を示す)を算出する。走行時間早急化指令2459をOFFにした鉄道車両については、編成車両数N(i)=0とする。
続いてステップS2804では、運転指令部2503は、下記式(12)に基づいて、値ZZを算出する。値ZZは、各鉄道車両1車両あたりに対して増加可能な消費電力量である。
ZZ=-1×不足電力量2552/Σ(N(i))・・・(12)
続いてステップS2805では、運転指令部2503は、下記式(13)に基づいて、各鉄道車両2403に対する余裕電力量2460を算出する。
余裕電力量2460=ZZ×N(i)・・・(13)
一方、ステップS2806では、運転指令部2503は、鉄道車両2403に対する走行時間早急化指令2459をOFFとし、また、余裕電力量2460を0とする。ステップS2805またはS2806が終了すると、実施例7の運転指令部の処理は終了する。
<実施例7の走行制御装置の構成>
図29は、本発明の実施例7における各鉄道車両が搭載する走行制御装置の構成図である。実施例7において各鉄道車両に搭載される走行制御装置2409は、地形データベース101と、最大電力判定部701と、電力設備容量抽出部1602と、最小電力量走行決定部2901とを有する。
地形情報151は、鉄道車両が走行する路線区間の地形を示す情報であり、地形データベース101に格納されている。最大電力判定部701は、区間情報152をもとに、当該鉄道車両に供給可能な上限電力751を算出する。電力設備容量抽出部1602は、上限電力751を算出する際に使用した供給電力設備853をもとに、当該供給電力設備853の電力設備容量1651を算出する。
最小電力量走行決定部2901は、地形情報151と、当該鉄道車両の走行する区間情報152と、当該鉄道車両の加減速度、重量、走行抵抗、補機の使用状況などの情報が入っている鉄道車両特性情報153、および停車時間154と、上限電力751と、電力設備容量1651と、補機電力低減指令2458と、走行時間早急化指令2459と、余裕電力量2460とから、当該鉄道車両の消費電力量を最小化した場合に、当該鉄道車両の停車時間154も含めて走行し終えるまでの時間である所要時間2456と、その際の鉄道車両消費電力量2455と、所要時間低減余地フラグ2457と、を生成する。
<実施例7の最小電力量走行決定部の構成>
図30は、本発明の実施例7における最小電力量走行決定部の構成図である。実施例7の最小電力量走行決定部2901は、走行時間調整部3001と、走行パターン生成部402と、補機電力量算出部3002と、消費電力量計算部404と、電力判定部3003とを有する。
走行時間調整部3001は、地形情報151と、区間情報152と、鉄道車両特性情報153、上限電力751および調整指令情報455と、走行時間早急化指令2459とに基づいて走行時間451を算出する。
走行パターン生成部402は、地形情報151と、区間情報152と、鉄道車両特性情報153、停車時間154および前記走行時間451とから、図示しない鉄道車両の走行パターンおよびその時の駆動電力量452を生成する。
補機電力量算出部3002は、走行時間451と、停車時間154と、鉄道車両特性情報153に含まれている補機設備容量APと、補機の使用状況AWと、補機電力低減指令2458をもとに、当該鉄道車両の補機電力量453を計算する。
消費電力量計算部404は、駆動電力量452と補機電力量453の和で表される消費電力量454を計算する。電力判定部3003は、走行時間451と、区間情報152と、停車時間154と、補機電力量453と、消費電力量454と、電力設備容量1651と、余裕電力量2460とを入力として、当該区間を走行するうえで適正な電力量であるかどうかを判定するとともに、走行時間の再調整を行うかどうかの指令である調整指令情報455と鉄道車両消費電力量2455とその時の所要時間2456および所要時間低減余地フラグ2457を出力する。
なお、走行パターン生成部402および消費電力量計算部404については、実施例2で説明した内容と同一であるため説明を省略する。
<実施例7の走行時間調整部の処理>
図31は、本発明の実施例7における走行時間調整部の処理フロー図である。実施例7の走行時間調整部3001の処理フローについて、実施例4の走行時間調整部1401の処理フロー(図15参照)との差分についてのみ説明する。
区間情報152が初めての入力でない場合(ステップS501NO)、走行時間調整部3001は、ステップS3101に処理を移す。ステップS3101では、走行時間調整部3001は、走行時間早急化指令2459がOFFか否か判定する。走行時間早急化指令2459がOFFの場合(ステップS3101YES)、走行時間調整部3001は、ステップS504に処理を移す。一方、走行時間早急化指令2459がONの場合(ステップS3101NO)、走行時間調整部3001は、ステップS3102に処理を移す。
ステップS3102では、走行時間調整部3001は、所要時間低減余地フラグ2457がONであるか否かを判定する。所要時間低減余地フラグ2457がONの場合(ステップS3102YES)、ステップS3103に処理を移す。一方、所要時間低減余地フラグ2457がOFFの場合(ステップS3102NO)、走行時間調整部3001は、本処理フローを終了する。ステップS3103では、走行時間調整部3001は、基準走行時間Tに対して任意の時間βを減じたT-βを走行時間451として出力する。なお、基準走行時間Tの下限は、最小走行時間TMとする。以上で実施例7の走行時間調整部3001の処理は終了する。
上述した処理では、区間情報152が登録された場合のみ走行時間初期化フェーズであるステップS501、ステップS1502、ステップS503の順に処理が行われ、一度登録された後で、前述の電力管理装置2406の処理結果である走行時間早急化指令2459がOFFの場合、すなわち他システムからの指令がない場合には、走行時間決定フェーズであるステップS501、ステップS3101、ステップS504と進む。また、後述する電力判定部3003の結果である調整指令情報455がONかOFFかに応じてステップS505の処理を行うかどうかが決まる。また、前述の走行時間早急化指令2459がONの場合、すなわち他システムからの指令があり、所要時間低減余地フラグ2457がONである場合には、走行時間早急化フェーズであるステップS501、ステップS3101、ステップS3102、ステップS3103と進む。
<実施例7の補機最小消費電力量算出部の処理>
補機電力量算出部3002は、下記式(14)に基づいて補機電力量453を算出する。補機設備容量APおよび補機の使用状況AWは、鉄道車両特性情報153に含まれる情報である。
補機電力量453=補機設備容量AP×補機の使用状況AW×(走行時間451+停車時間154)-補機電力低減指令2458・・・(14)
で算出する。
<実施例7の電力判定部の処理>
図32は、本発明の実施例7における電力判定部3003の処理フロー図である。図23と同じ内容については図23と同じステップ番号にて記載し、差分のみを説明し、同一の説明を省略する。
ステップS602に続いてステップS603では、電力判定部3003は、調整指令情報455をONにする。ステップS603が終了すると、実施例7における電力判定部3003の処理は終了する。
一方、電力判定部3003は、区間情報152に対して走行時間451が2回目以降の登録の場合(ステップS601NO)に処理を移したステップS2302において、最小消費電力量が未確定か否かを判定する。最小消費電力量が未確定の場合(ステップS2303bYES)、電力判定部3003は、ステップS604に処理を移す。一方、最小消費電力量が確定の場合(ステップS2302NO)、電力判定部3003は、ステップS3205に処理を移す。
ステップS604では、電力判定部3003は、基準消費電力量W>消費電力量454であるか否かを判定する。基準消費電力量W>消費電力量454の場合(ステップS604YES)、電力判定部3003は、ステップS602に処理を移す。一方、基準消費電力量W≦消費電力量454の場合(ステップS604NO)、電力判定部3003は、ステップS2303に処理を移す。ステップS2303では、電力判定部3003は、基準消費電力量Wを最小消費電力量として確定し、その旨を記録する。
続いてステップS3201では、電力判定部3003は、調整指令情報455をOFFとする。続いてステップS3202では、電力判定部3003は、基準走行時間T>最小走行時間であるか否かを判定する。基準走行時間T>最小走行時間の場合(ステップS3202YES)、電力判定部3003は、ステップS3203に処理を移す。一方、基準走行時間T≦最小走行時間の場合(ステップS3202NO)、電力判定部3003は、ステップS3204に処理を移す。
ステップS3203では、電力判定部3003は、所要時間低減余地フラグ2457をONとする。また、ステップS3204では、電力判定部3003は、所要時間低減余地フラグ2457をOFFとする。ステップS3203またはステップS3204が終了すると、実施例7における電力判定部3003の処理は終了する。
他方、ステップS3205では、電力判定部3003は、余裕電力量2460>0か否かを判定する。余裕電力量2460>0の場合(ステップS3205YES)、電力判定部3003は、ステップS3206に処理を移す。一方、余裕電力量2460≦0の場合(ステップS3205NO)、電力判定部3003は、ステップS3209に処理を移す。
ステップS3206では、電力判定部3003は、走行時間451>最小走行時間か否かを判定する。走行時間451>最小走行時間の場合(ステップS3206YES)、電力判定部3003は、ステップS3207に処理を移す。一方、走行時間451≦最小走行時間の場合(ステップS3206NO)、電力判定部3003は、ステップS3212に処理を移す。
ステップS3207では、電力判定部3003は、消費電力量454>(最小消費電力量+余裕電力量2460)か否かを判定する。消費電力量454>(最小消費電力量+余裕電力量2460)の場合(ステップS3207YES)、電力判定部3003は、ステップS3208に処理を移す。一方、消費電力量454≦(最小消費電力量+余裕電力量2460)の場合(ステップS3207NO)、電力判定部3003は、ステップS3210に処理を移す。
ステップS3208では、電力判定部3003は、消費電力量454では電力量の要求を満たさない場合であるため、1回前に求めた基準消費電力量Wを鉄道車両消費電力量2455とし、その時の(基準走行時間T+停車時間154)を所要時間2456とする。続いてステップS3209では、電力判定部3003は、調整指令情報455をOFFとする。ステップS3209が終了すると、実施例7における電力判定部3003の処理は終了する。
他方、ステップS3210では、電力判定部3003は、消費電力量454を基準消費電力量Wとし、走行時間451を基準走行時間Tとする。続いてステップS3211では、電力判定部3003は、調整指令情報455をOFFとする。ステップS3211が終了すると、実施例7における電力判定部3003の処理は終了する。
また、ステップS3212では、電力判定部3003は、走行時間451が最小走行時間よりも小さいため、実現不可能であることから、最小走行時間での消費エネルギーを鉄道車両消費電力量2455とし、最小走行時間に停車時間154を加えたものをその時の所要時間2456とする。ステップS3212が終了すると、電力判定部3003は、ステップS3209に処理を移す。
本処理は、区間情報152に対して走行時間451が初めて登録された場合のみステップS601、ステップS602、ステップS603の処理が行われ、一度登録された後は、ステップS601の後はステップS2302、ステップS604の処理に進み、最小消費電力量が求まるまではステップS602、ステップS603の処理が繰り返される。最小消費電力量が確定したと判断された時には、ステップS2302、ステップS604の後、ステップS2303、ステップS3201、ステップS3202へと進み、走行時間451が最小走行時間よりも大きいか小さいかの判定に従いステップS3203あるいはステップS3204に進む。
最小消費電力量が確定した後、電力管理装置2406から余裕電力量2460の指令があった場合には、ステップS601、ステップS2302、ステップS3205、ステップS3206と進み、走行時間451が最小走行時間TMよりも大きい場合にステップS3207へと進む。その後、消費電力量454が最小消費電力量と余裕電力量2460の和以下の範囲である間は、基準消費電力量Wおよび基準走行時間Tを消費電力量454および走行時間451で上書きするとともに、走行時間調整部3001で走行時間451を減じる処理が行えるように、ステップS3210およびステップS3211の処理を行う。
消費電力量454が最小消費電力量と余裕電力量2460の和よりも大きくなった場合には、調整が終了となり、走行時間調整部3001で走行時間451を減じる処理が行えないようにするともに、現在登録されている基準消費電力量Wおよび基準走行時間Tを出力するためステップS3208およびステップS3209の処理を行う。
これにより、走行時間が最小走行時間以上かつ消費電力量が最小消費電力量+余裕電力量2460以下となる時の走行時間451および消費電力量454を求めることが可能となる。また、電力管理装置2406から余裕電力量2460の指令があった場合で走行時間451が最小走行時間TM以下の場合には、調整余地がないためステップS3212の処理を行い、最小走行時間TMおよびその時の消費電力量EMとすることができる。
以上述べた方法から、当該鉄道車両がある定められた区間を走行する場合に、供給電力設備を考慮したうえで消費電力量を適正化した場合の所要時間および消費電力量を求めることができる。なお、実施例7の走行制御システム7Sは、実施例1~6の走行制御システム1S~6Sと同様の車両を対象として適用できる。
なお、本実施例では走行制御装置2409を各鉄道車両2403に設置する場合について説明したが、走行制御装置2409は電力管理装置2406と同じように地上側に1つだけ設ける仕組みでもよい。その場合には、各鉄道車両2403の情報で必要な地形情報151、走行区間の区間情報152や鉄道車両特性情報153は通信やデータベースなどで持たせておくことで実現可能である。
上述した実施例1~7の各処理フローは、一例を示すに過ぎず、実施例1~7のそれぞれを実現する他の処理フローによっても代替可能である。
<走行制御システム、電力管理装置、および走行制御装置を実現するコンピュータ>
図33は、本発明の実施例1~6における走行制御システム、ならびに実施例7における電力管理装置および走行制御装置を実現するコンピュータを示す図である。走行制御システム1S~6S、電力管理装置2406、および走行制御装置2409を実現するコンピュータ5000は、CPU(Central Processing Unit)に代表される演算装置5300、RAM(Random Access Memory)等のメモリ5400、入力装置5600(例えばキーボード、マウス、タッチパネル等)、および出力装置5700(例えば外部ディスプレイモニタに接続されたビデオグラフィックカード)が、メモリコントローラ5500を通して相互接続される。
コンピュータ5000において、走行制御システム1S~6S、電力管理装置2406、および走行制御装置2409を実現するための各プログラムがI/O(Input/Output)コントローラ5200を介してSSDやHDD等の外部記憶装置5800から読み出されて、演算装置5300およびメモリ5400の協働により実行されることにより、走行制御システム1S~6S、電力管理装置2406、および走行制御装置2409のそれぞれが実現される。
あるいは、走行制御システム1S~6S、電力管理装置2406、および走行制御装置2409を実現するための各プログラムは、ネットワークインターフェース5100を介した通信により外部のコンピュータから取得されてもよい。あるいは、走行制御システム1S~6S、電力管理装置2406、および走行制御装置2409を実現するための各プログラムは、可搬型媒体に記憶されて頒布され、この可搬型媒体から読み出されて演算装置5300およびメモリ5400の協働により実行されてもよい。
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例を含む。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換・統合・分散をすることが可能である。また実施例で示した各処理は、処理効率あるいは実装効率に基づいて適宜分散または統合してもよい。
1S,2S,3S,4S,5S,6S,7S:走行制御システム、101:地形データベース、102:最小消費電力量算出部、154:停車時間、155:所要時間、156:最小消費電力量、301:最小消費電力量算出部、401:走行時間調整部、402:走行パターン生成部、403:補機電力量予測部、404:消費電力量計算部、405:最小電力判定部、701:最大電力判定部、702:最小消費電力量算出部、801:給電データベース、802:給電距離算出部、803:上限電力算出部、853:供給電力設備、1301:最小消費電力量算出部、1401:走行時間調整部、1601:最大電力判定部、1602:電力設備容量抽出部、1603:最小消費電力量算出部、2001:最小消費電力量算出部、2101:走行時間調整部、2102:最小電力判定部、2402,2402A,2402B:地上蓄電装置、2403,2403A,2403B:鉄道車両、2404,2404A,2404B:蓄電装置、2406:電力管理装置、2409:走行制御装置、2501:地上蓄電装置走行可否判断部、2502:補機電力量補正処理部、2503:運転指令部、2901:最小電力量走行決定部、3001:走行時間調整部、3002:補機電力量算出部、3003:電力判定部、5000:コンピュータ、5100:ネットワークインターフェース、5200:I/Oコントローラ、5300:演算装置、5400:メモリ、5500:メモリコントローラ、5600:入力装置、5700:出力装置

Claims (9)

  1. 電力の供給を受けて鉄道車両を駆動させる駆動装置と、電力の供給を受けて動作する補機とを有する鉄道車両を走行制御する鉄道車両の走行制御システムにおいて、
    前記鉄道車両が、変電所からの電力の供給が停止されて駅中間に停車した際に供給電力設備からの電力の供給を受けて隣接する駅設備に移動する緊急走行時に所定区間を走行する場合に、前記駆動装置で消費される電力量および前記補機で消費される電力量の合計電力量が最小となる最小消費電力量を該鉄道車両の走行時間で制限することなく算出し、該鉄道車両が前記最小消費電力量で前記所定区間を走行する際の走行時間を算出する算出部
    を有し、
    前記算出部は、
    前記最小消費電力量と、前記供給電力設備の電力量の容量である電力設備容量と、を比較し、
    前記最小消費電力量が前記電力設備容量よりも小さい場合には、前記鉄道車両が前記所定区間を走行する際の前記走行時間に対応する前記合計電力量が前記電力設備容量を越えない範囲で、且つ、前記鉄道車両の最大性能で制限速度を限界として走行する場合の最小走行時間より小さくならないように、該鉄道車両の走行時間を決定することにより、前記駆動装置で消費される電力量を増加させて前記走行時間を短くする
    ことを特徴とする走行制御システム。
  2. 前記算出部は、
    前記鉄道車両が前記所定区間を走行する場合に消費可能な電力量の上限値に基づいて、前記最小消費電力量と前記走行時間とを算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の走行制御システム。
  3. 前記算出部は、
    前記鉄道車両が前記所定区間を走行する場合に、前記上限値から求まる走行可能な最小時間が前記走行時間よりも大きいときには、前記最小時間に対応する前記合計電力量を前記最小消費電力量とし、前記鉄道車両が該合計電力量で前記所定区間を走行する際の前記最小時間を前記走行時間とする
    ことを特徴とする請求項2に記載の走行制御システム。
  4. 前記算出部は、
    前記合計電力量が前記電力設備容量よりも大きい場合には、前記補機で消費される電力量を減少させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の走行制御システム。
  5. 前記供給電力設備は、前記鉄道車両の車上および前記鉄道車両外の地上の何れか一方または両方に設置されている
    ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の走行制御システム。
  6. 電力の供給を受けて鉄道車両を駆動させる駆動装置と、電力の供給を受けて動作する補機とをそれぞれ有する複数の鉄道車両を走行制御する鉄道車両の走行制御システムにおいて、
    前記複数の鉄道車両が、変電所からの電力の供給が停止されて駅中間に停車した際に供給電力設備からの電力の供給を受けて隣接する駅設備に移動する緊急走行時に各所定区間を走行する場合に、各鉄道車両で消費される電力量の合計電力量から前記供給電力設備の電力量の容量である電力設備容量を減算して不足電力量を算出し、該不足電力量がゼロ以下である場合に、該複数の鉄道車両の中から各所定区間を走行する所要時間を減少させることができる鉄道車両の各編成車両数を算出し、該各編成車両数に応じて、該不足電力量の符号を反転させた余裕電力量を各鉄道車両へ配分する電力管理装置
    を有することを特徴とする走行制御システム。
  7. 前記電力管理装置は、
    前記不足電力量が正である場合には、各鉄道車両の各補機で消費される電力量を減少させる
    ことを特徴とする請求項6に記載の走行制御システム。
  8. 電力の供給を受けて鉄道車両を駆動させる駆動装置と、電力の供給を受けて動作する補機とを有する鉄道車両を走行制御する鉄道車両の走行制御システムが行う走行制御方法であって、
    前記走行制御システムが、
    前記鉄道車両が、変電所からの電力の供給が停止されて駅中間に停車した際に供給電力設備からの電力の供給を受けて隣接する駅設備に移動する緊急走行時に所定区間を走行する場合に、前記駆動装置で消費される電力量および前記補機で消費される電力量の合計電力量が最小となる最小消費電力量を該鉄道車両の走行時間で制限することなく算出し、該鉄道車両が前記最小消費電力量で前記所定区間を走行する際の走行時間を算出し、
    前記最小消費電力量と、前記供給電力設備の電力量の容量である電力設備容量と、を比較し、
    前記最小消費電力量が前記電力設備容量よりも小さい場合には、前記鉄道車両が前記所定区間を走行する際の前記走行時間に対応する前記合計電力量が前記電力設備容量を越えない範囲で、且つ、前記鉄道車両の最大性能で制限速度を限界として走行する場合の最小走行時間より小さくならないように、該鉄道車両の走行時間を決定することにより、前記駆動装置で消費される電力量を増加させて前記走行時間を短くする
    ことを特徴とする走行制御方法。
  9. 電力の供給を受けて鉄道車両を駆動させる駆動装置と、電力の供給を受けて動作する補機とをそれぞれ有する複数の鉄道車両を走行制御する鉄道車両の走行制御システムが行う走行制御方法であって、
    前記走行制御システムが、
    前記複数の鉄道車両が、変電所からの電力の供給が停止されて駅中間に停車した際に供給電力設備からの電力の供給を受けて隣接する駅設備に移動する緊急走行時に各所定区間を走行する場合に、
    各鉄道車両で消費される電力量の合計電力量から前記供給電力設備の電力量の容量である電力設備容量を減算して不足電力量を算出し、
    前記不足電力量がゼロ以下である場合に、前記複数の鉄道車両の中から各所定区間を走行する所要時間を減少させることができる鉄道車両の各編成車両数を算出し、該各編成車両数に応じて、該不足電力量の符号を反転させた余裕電力量を各鉄道車両へ配分し、
    前記不足電力量が正である場合には、各鉄道車両の各補機で消費される電力量を減少させる
    ことを特徴とする走行制方法。
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