JP2012040954A - 電気鉄道用電力供給システム - Google Patents
電気鉄道用電力供給システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012040954A JP2012040954A JP2010184096A JP2010184096A JP2012040954A JP 2012040954 A JP2012040954 A JP 2012040954A JP 2010184096 A JP2010184096 A JP 2010184096A JP 2010184096 A JP2010184096 A JP 2010184096A JP 2012040954 A JP2012040954 A JP 2012040954A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- train
- power
- storage device
- power supply
- information
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Train Traffic Observation, Control, And Security (AREA)
Abstract
【課題】変電所から鉄道車両への電力供給が停止しても、鉄道車両に電力を供給することのできる電気鉄道用電力供給システムを提供することにある。
【解決手段】地上子82と列車90,90bの車上子81との間で双方向に情報を伝送する情報伝送装置を用い、変電所50の停電を検出した場合、情報伝送装置により停電区間の駅間に在線する列車90,90bを検出し、蓄電装置搭載型の列車90bに、情報伝送装置により蓄電装置97を停電区間に放電させ、停電区間の駅間に在線する列車90を駅まで走行させる電気鉄道用電力供給システム10。
【選択図】 図1
【解決手段】地上子82と列車90,90bの車上子81との間で双方向に情報を伝送する情報伝送装置を用い、変電所50の停電を検出した場合、情報伝送装置により停電区間の駅間に在線する列車90,90bを検出し、蓄電装置搭載型の列車90bに、情報伝送装置により蓄電装置97を停電区間に放電させ、停電区間の駅間に在線する列車90を駅まで走行させる電気鉄道用電力供給システム10。
【選択図】 図1
Description
本発明の実施形態は、電気鉄道の電力系統に電力を供給するシステムに関する。
一般に、電気鉄道の電力系統は、商用電源から供給される電力を変電所により鉄道車両に供給するための電力に変換する。鉄道車両は、変電所からき電系統を介して供給される電力を動力源として走行する。
しかしながら、変電所は、商用電源の停電やき電系統の系統事故などにより鉄道車両に電力供給できなくなることがある。このとき、駅間を走行中の鉄道車両は、駅間で停止することになる。
そこで、本発明の実施形態による目的は、変電所から鉄道車両への電力供給が停止しても、鉄道車両に電力を供給することのできる電気鉄道用電力供給システムを提供することにある。
実施形態の観点に従った電気鉄道用電力供給システムは、地上に設けられた地上装置と列車に設けられた車上装置との間で双方向に情報を伝送する情報伝送装置を用いる電気鉄道用電力供給システムであって、電気鉄道用電力系統の停電区間を判断する停電区間判断手段と、前記情報伝送装置により前記列車の位置を示す位置情報を取得する列車位置情報取得手段と、前記列車位置情報取得手段により取得された前記位置情報に基づいて、前記停電区間判断手段により判断された前記停電区間の駅間に在線する列車を検出する列車検出手段と、蓄電装置を搭載した蓄電装置搭載列車を検出する蓄電装置搭載列車検出手段と、前記蓄電装置搭載列車検出手段により検出された前記蓄電装置搭載列車に、前記情報伝送装置により前記停電区間判断手段により判断された前記停電区間に前記蓄電装置を放電させる指示をする蓄電装置放電手段と、前記列車検出手段により検出された前記停電区間の駅間に在線する前記列車に駅まで走行させる指示をする列車走行指示手段とを備える。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10の構成を示す構成図である。なお、以降の図における同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。以降の実施形態も同様にして重複する説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10の構成を示す構成図である。なお、以降の図における同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。以降の実施形態も同様にして重複する説明を省略する。
電気鉄道用電力供給システム10は、停電時電力供給制御装置1と、開閉器制御装置2と、運行管理システム3と、き電系統システム4と、信号制御地上システム5とを備えている。
き電系統システム4は、列車90,90bに電力を供給する電力系統である。き電系統システム4は、変電所50と、トロリ線40とを備えている。列車90,90bは、走行している区間のトロリ線40から受電する電力により走行する。なお、列車90,90bには、車両数に関係なく単独の鉄道車両による編成も含まれる。変電所50は、トロリ線40に電源51からの電力を供給する。
信号制御地上システム5は、伝送網41を介して、列車90,90bを制御するためのシステムである。信号制御地上システム5は、地上・車上伝送装置を備えている。
地上・車上伝送装置は、列車90,90bに取り付けられた車上子81と地上の伝送網41に接続された地上子82との間で無線による情報の双方向の伝送を行うための装置である。各列車90,90bは、無線により地上子82と双方向に情報を伝送するための車上子81を備えている。列車90,90bは、自己の状態などに関する情報を含む信号を車上子81から地上子82に送信する。各列車90,90bは、車上子81から受信する制御信号により制御される。
信号制御地上システム5は、列車90,90bの車上子81から発信された無線信号を地上子82により受信する。信号制御地上システム5は、受信した無線信号に含まれる情報に基づいて、列車90,90bの走行などを制御するための制御信号を生成する。信号制御地上システム5は、地上子82から各列車90,90bに生成した制御信号を送信して、変電所50の管轄区間内に在線する列車90,90bを制御する。
変電所50は、電源51と、母線52と、変電所開閉器53,54とを備えている。電源51は、商用電源から供給される電力を、変電所開閉器53を介して、母線52に供給する。母線52は、二次側に接続された各変電所開閉器54を介してそれぞれトロリ線40に電力を供給する。
開閉器制御装置2は、変電所50内に設けられている。開閉器制御装置2は、変電所開閉器53,54の開放及び投入などの制御をする。開閉器制御装置2は、各変電所開閉器53,54の状態を示す情報などを停電時電力供給制御装置1に送信する。開閉器制御装置2は、停電時電力供給制御装置1から制御信号を受信する。開閉器制御装置2は、受信した制御信号に基づいて、変電所開閉器53,54を制御する。
運行管理システム3は、電力管理センター61に設けられている。運行管理システム3は、列車90,90bの運行を管理するシステムである。運行管理システム3は、地上子82と信号の送受信を行う。これにより、運行管理システム3は、列車90,90bと無線による通信を行う。運行管理システム3は、列車90,90bの運行に関する各種の情報を有している。運行管理システム3は、各列車90,90bを制御するための制御信号を出力する。
停電時電力供給制御装置1は、変電所50内に設けられている。停電時電力供給制御装置1は、各変電所50に全て設けられていてもよいし、複数の変電所50を兼用させるように設けられていてもよい。停電時電力供給制御装置1は、変電所50の停電を検出した場合に、列車90,90bに電力を供給するために、列車90,90b又は変電所50の各種設備を制御する装置である。停電時電力供給制御装置1は、地上子82と無線信号の送受信を行う。これにより、停電時電力供給制御装置1は、列車90,90bと無線による通信を行う。停電時電力供給制御装置1は、開閉器制御装置2、運行管理システム3、又は列車90,90bから制御などに必要な情報を受信する。停電時電力供給制御装置1は、主にコンピュータ(ネットワークが構成された複数台のコンピュータを含む)により動作するシステムである。
図2は、本実施形態に係る蓄電装置搭載型の列車90bの構成を示す構成図である。
列車90bは、蓄電装置搭載型の鉄道車両(電気車)である。列車90bは、集電装置91と、車載遮断器92と、変換器93と、主電動機94と、電圧・電流検出部95と、通信部96と、蓄電装置97と、SOC検出部98と、車上子81とを備えている。
変換器93は、トロリ線40から集電装置91を介して受電した電力を変換して、主電動機94に供給する。変換器93は、通信部96を介して受信する運行管理システム3からの制御信号により、電力変換動作の制御がされる。これにより、主電動機94は、駆動を制御される。
主電動機94は、列車90bを走行させるための動力源である。
車載遮断器92は、集電装置91と変換器93との間に設けられている。車載遮断器92が開放されると、トロリ線40と変換器93との電気的な接続が切断される。
電圧・電流検出部95は、トロリ線40から供給される電流及び電圧を検出する。列車90bは、電圧・電流検出部95により検出される電圧及び電流により、トロリ線40の停電及び事故などを検出する。電圧・電流検出部95は、検出した電流及び電圧を通信部96に送信する。
蓄電装置97は、電力を蓄える装置である。蓄電装置97は、トロリ線40から受電する電力又は主電動機94の回生電力を蓄える。蓄電装置97は、必要に応じて、蓄電した電力を蓄電装置97又はトロリ線40に供給する。
SOC検出部98は、蓄電装置97のSOC(蓄電状態: state of charge)を検出する。SOC検出部98は、検出したSOCを通信部96に送信する。
通信部96は、外部の機器等と情報の送受信を行うための処理部である。通信部96は、電圧・電流検出部95により検出された電圧及び電流及びSOC検出部98により検出されたSOCなどの情報を信号として車上子81から地上子82に送信する。通信部96は、停電時電力供給制御装置1から送信された主電動機94を駆動制御するための制御信号を車上子81から受信する。通信部96が受信した制御信号を変換器93に入力することにより、停電時電力供給制御装置1は、停電時に列車90bの運転を制御する。
図3は、本実施形態に係る非蓄電装置搭載型の列車90の構成を示す構成図である。
列車90は、蓄電装置97が搭載されていない(非蓄電装置搭載型の)電気車である。列車90は、図2に示す列車90bにおいて、蓄電装置97及びSOC検出部98を取り除いた構成である。その他の点は、列車90は、列車90bと同様である。
図4は、本実施形態に係る停電時電力供給制御装置1の構成を示す構成図である。
停電時電力供給制御装置1は、停電区間判断部11と、列車位置判断部12と、変電所開閉器制御指示部13と、列車制御指示部14と、通信部15と、受信部16とを備えている。
受信部16は、変電所50の管轄内の全ての列車90,90bの車上子81から発信された無線信号を地上子82から受信する。受信部16は、地上子82から受信した無線信号に含まれる情報を通信部15に出力する。
通信部15は、受信部16から入力された情報に基づいて、各列車90,90bの状態を把握するための情報を抽出する。列車90,90bの状態とは、列車90,90bの現在位置に関する情報、又は列車90bに搭載されている蓄電装置97のSOCを示すSOC情報などである。通信部15は、抽出した各列車90,90bの現在位置に関する情報を列車位置判断部12に出力する。通信部15は、抽出した各蓄電装置搭載型の列車90bに搭載されている蓄電装置97のSOC情報を列車制御指示部14に出力する。
停電区間判断部11は、開閉器制御装置2から変電所50の各変電所開閉器53,54の状態(投入又は開放)を示す状態情報を受信する。停電区間判断部11は、変電所50の停電を検出した場合、受信した各変電所開閉器53,54の状態情報に基づいて、停電区間を判断する。停電区間判断部11は、判断した停電区間の情報を変電所開閉器制御指示部13及び列車制御指示部14に出力する。
列車位置判断部12は、通信部15から入力された各列車90,90bの現在位置に関する情報に基づいて、各列車90,90bの現在位置を判断する。列車位置判断部12は、判断した各列車90,90bの現在位置を示す位置情報を変電所開閉器制御指示部13及び列車制御指示部14に出力する。
変電所開閉器制御指示部13は、開閉器制御装置2から変電所50の各変電所開閉器53,54の状態情報を受信する。変電所開閉器制御指示部13は、停電区間判断部11により判断された停電区間の情報、列車位置判断部12により判断された各列車90,90bの位置情報、及び開閉器制御装置2から受信した状態情報に基づいて、変電所50の制御する変電所開閉器53,54を決定する。変電所開閉器制御指示部13は、決定した変電所開閉器53,54を制御(投入又は開放)するための制御信号を開閉器制御装置2に送信する。変電所開閉器制御指示部13は、変電所開閉器53,54の制御後の変電所50の電力系統の状態(各変電所開閉器53,54の状態)に関する情報を列車制御指示部14に出力する。
列車制御指示部14は、停電区間判断部11により判断された停電区間の情報、列車位置判断部12により判断された各列車90,90bの位置情報、変電所開閉器制御指示部13から入力された変電所50の電力系統の状態に関する情報、及び通信部15により入力された列車90bの蓄電装置97のSOC情報に基づいて、各列車90,90bの運行計画を決定する。列車制御指示部14は、決定した運行計画に従って、各列車90,90bを制御するための制御信号を運行管理システム3に送信する。列車制御指示部14は、運行管理システム3を介して、運行計画に従って、各列車90,90bを制御する。
図5は、本実施形態に係るき電系統システム4の構成を示す構成図である。
図5を参照して、停電時電力供給制御装置1の変電所開閉器制御指示部13による変電所開閉器の制御について説明する。
き電系統システム4は、変電所50と、4つのトロリ線40a,40b,40c,40dとを備えている。変電所50は、電源51と、母線52と、変電所開閉器(遮断器)53と、4つの変電所開閉器(遮断器)54a,54b,54c,54dとを備えている。各トロリ線40a〜40dは、それぞれ変電所開閉器54a〜54dを介して母線52と接続されている。図5に示す変電所開閉器54a〜54dは、図1に示す変電所開閉器54に相当する。
次に、変電所開閉器53よりも電源51側で、短絡又は地絡などの系統事故により、変電所50の全ての変電所開閉器53,54a〜54dが開放された場合について説明する。
全ての変電所開閉器53,54a〜54dが開放された状態では、各トロリ線40a〜40dは、それぞれ相互に電気的に接続されていない。
変電所開閉器制御指示部13は、母線52と各トロリ線40a〜40dとを接続する全ての遮断器54a〜54dを投入する。これにより、全てのトロリ線40a〜40dは、母線52を介して、全て電気的に接続される。この状態で、トロリ線40aに蓄電装置搭載型の列車90bが停車しているとする。この場合、列車90bが蓄電装置97からトロリ線40aに電力を放電することにより、トロリ線40aと電気的に接続されている他のトロリ線40b〜40dも充電される。これにより、トロリ線40b〜40dに在線する非蓄電装置搭載型の列車90又は蓄電電力がない蓄電装置搭載型の列車90bでも、列車90bからトロリ線40aに放電された電力を受電して、走行可能な状態になる。
ここでは、全てのトロリ線40a〜40dにそれぞれ列車90,90bが在線しており、かつ、全ての遮断器54a〜54dを投入する場合について説明したが、列車90,90bが在線していないトロリ線又は運転させない列車90,90bしか在線していない場合は、投入しない。また、列車90,90bが在線していないトロリ線と在線しているトロリ線が遮断器を介して接続されている場合、在線していないトロリ線を充電させないように、この遮断器を開放してもよい。
図6は、本実施形態に係る列車制御指示部14による処理手順を示すフローチャートである。
列車制御指示部14は、変電所開閉器制御指示部13による変電所開閉器53,54a〜54dの開閉操作後、全ての蓄電装置搭載型の列車90bに搭載されている蓄電装置97のSOC情報を取得する(ステップS110)。
列車制御指示部14は、駅間に在線する列車90,90bについて、取得したSOC情報に基づいて、駅まで走行させる列車90,90bの優先順位を決定する(ステップS120)。
例えば、優先順位は、次のように決定される。列車制御指示部14は、駅まで走行する消費電力(蓄電電力の消費電力)が少ない列車90,90bを優先的に走行させるように優先順位を決定する。この場合において、放電する蓄電装置搭載型の列車90bと受電する列車の距離(インピーダンス)を考慮してもよい。または、列車制御指示部14は、駅に近い列車90,90bを優先的に駅まで走行させるように優先順位を決定する。これらの優先順位の決定方法は、駅まで走行させられる列車90,90bの本数を多く(ほぼ最大に)するような優先順位に決定されることが多い。
または、優先順位は、次のように決定される。列車制御指示部14は、優先順位を決定する前に、取得したSOC情報に基づいて、トロリ線40に放電できる合計の電力量などを演算する。列車制御指示部14は、演算した電力量などに基づいて、駅まで走行させることのできる列車90,90bの数を決定する。列車制御指示部14は、決定した列車90,90bの数に基づいて、駅まで走行させる列車90,90bを重要度に応じて決定する。
列車制御指示部14は、全ての蓄電装置搭載型の列車90bに搭載されている蓄電装置97をトロリ線40に放電させる(ステップS130)。ここで、高い優先順位の(確実に駅まで走行させることになる優先順位の)列車90bは、自己の蓄電装置97で駅まで走行した後に、残りの蓄電電力をトロリ線40に放電させてもよい。
列車制御指示部14は、決定した優先順位に従って、駅間に在線する列車90,90bを駅まで走行させる(ステップS140)。
列車制御指示部14は、蓄電量が駅間に在線する列車90,90bを1本も駅まで走行させることができない量にまで減少したら、駅間に在線する列車90,90bの補機に残りの蓄電電力を供給する(ステップS150)。これにより、駅間に在線する列車90,90bの空調などのサービス機器を作動させる。
図7から図9を参照して、停電時電力供給制御装置1による制御について説明する。図7は、変電所50の停電直後のき電系統システム4の状態を示す状態図である。図8は、停電時電力供給制御装置1による列車90,90bの走行制御中の状態を示す状態図である。図9は、停電時電力供給制御装置1による列車90,90bの走行制御完了後の状態を示す状態図である。
図7に示すように、蓄電装置搭載型の列車90bと非蓄電装置搭載型の列車90の2本が変電所50の管轄内の駅間に在線している状態で、変電所50が停電になったとする。
停電時電力供給制御装置1は、より多くのトロリ線40が電気的に接続されるように、変電所50の変電所開閉器を投入する。
停電時電力供給制御装置1は、列車90bと列車90とのどちらを優先して駅62まで走行させるかを決定する。ここでは、列車90bを優先的に駅62まで走行させる決定をしたとする。
停電時電力供給制御装置1は、列車90bに搭載されている蓄電装置97をトロリ線40に放電させる。これにより、蓄電装置97が搭載されていない列車90もトロリ線40を介して、列車90bの蓄電装置97から電力を受電することができる。
停電時電力供給制御装置1は、図8に示すように、優先順位の高い列車90bを先に駅62まで走行させる。ここで、停電時電力供給制御装置1は、列車90bを駅62まで走行させた後に、列車90bの蓄電装置97を放電させてもよい。
停電時電力供給制御装置1は、図9に示すように、列車90bが駅62に到着した後に、列車90を駅62まで走行させる。
このようにして、停電時電力供給制御装置1は、駅間に在線する全ての列車90,90bを駅62まで走行させる。
本実施形態によれば、変電所50が停電し、き電系統システム4に電力供給できなくなっても、蓄電装置搭載型の列車90bの蓄電装置97からき電系統システム4に電力供給することができる。これにより、自力で走行できない非蓄電装置搭載型の列車90や蓄電電力のない蓄電装置搭載型の列車90bが変電所50の管轄内の駅間に停車又は駅間を走行している時に変電所50が停電した場合であっても、より多くの列車90,90bを駅62まで走行させることができる。
よって、停電時電力供給制御装置1は、中央集中型の電力管理機能として設けられている電力管理システムに頼らなくても、変電所50の停電時に列車90,90bに電力供給するための制御をすることができる。
また、変電所50に停電時電力供給制御装置1を設けることで、蓄電装置搭載型の列車90bの蓄電装置97の運用と、変電所50による電力供給との最適化を図るための制御をすることができる。これにより、変電所50を蓄電装置97の運用・保守センターにすることもできる。
(第2の実施形態)
図10は、本発明の第2の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10Aの構成を示す構成図である。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10Aの構成を示す構成図である。
電気鉄道用電力供給システム10Aは、図1に示す第1の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10において、停電時電力供給制御装置1を停電時電力供給制御装置1Aに代え、運行管理システム3を情報管理・伝送装置6に代えたものである。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
情報管理・伝送装置6は、駅62に配置されている。情報管理・伝送装置6は、停電時電力供給制御装置1と情報の送受信を行うための経路で接続されている。情報管理・伝送装置6は、地上子82と無線信号の送受信をすることで、停電時電力供給制御装置1Aと列車90,90bとの間の通信を仲介する。
情報管理・伝送装置6は、変電所50の管轄内の全ての列車90,90bの車上子81から発信された無線信号を地上子82を介して受信する。情報管理・伝送装置6は、受信した信号を集計し、停電時電力供給制御装置1Aに送信するための情報に加工処理する。情報管理・伝送装置6は、加工処理した情報を電力供給制御装置1Aに出力する。
情報管理・伝送装置6は、電力供給制御装置1Aから列車90,90bを制御するための制御信号を受信すると、制御信号を列車90,90bに送信するための加工処理をする。情報管理・伝送装置6は、加工処理した制御信号を地上子82を介して列車90,90bに送信する。
図11は、本実施形態に係る停電時電力供給制御装置1Aの構成を示す構成図である。
停電時電力供給制御装置1Aは、図4に示す第1の実施形態に係る停電時電力供給制御装置1において、受信部16を取り除き、通信部15を通信部15Aに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態に係る停電時電力供給制御装置1と同様である。
列車制御指示部14は、第1の実施形態と同様に決定した運行計画に従って、各列車90,90bを制御するための制御信号を通信部15Aに出力する。
通信部15Aは、情報管理・伝送装置6と情報の送受信を行うための演算処理を行う。具体的には、通信部15Aは、情報管理・伝送装置6から受信した列車90,90bの状態を把握するための情報を受信する。通信部15Aは、情報管理・伝送装置6から受信した情報に基づいて、各列車90,90bの現在位置に関する情報を列車位置判断部12に出力する。通信部15Aは、情報管理・伝送装置6から受信した情報に基づいて、各蓄電装置搭載型の列車90bに搭載されている蓄電装置97のSOC情報を列車制御指示部14に出力する。通信部15Aは、列車制御指示部14から入力された各列車90,90bへの制御信号を情報管理・伝送装置6に送信する。
本実施形態によれば、運行管理システム3を利用する代わりに、列車90,90bと双方向に無線伝送することのできる情報管理・伝送装置6を設置することで、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、中央集中型のシステムとして設けられている運行管理システム3に頼らなくても、変電所50の停電時に列車90,90bの走行などを制御することができる。
(第3の実施形態)
図12は、本発明の第3の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10Bの構成を示す構成図である。
図12は、本発明の第3の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10Bの構成を示す構成図である。
電気鉄道用電力供給システム10Bは、図1に示す第1の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10において、変電所50に設けられた停電時電力供給制御装置1の代わりに、停電時電力供給制御装置1Bを設け、運行管理システム3を取り除いたものである。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
停電時電力供給制御装置1Bは、駅62に配置されている。停電時電力供給制御装置1Bは、各駅62に全て配置されていてもよいし、複数の駅62を兼用させるように配置されていてもよい。停電時電力供給制御装置1Bは、地上子82と無線信号の送受信をすることで、列車90,90bと通信をする。停電時電力供給制御装置1Bは、変電所50の管轄内の全ての列車90,90bの車上子81から発信された無線信号を地上子82から受信する。停電時電力供給制御装置1Bは、各列車90,90bへの無線信号による制御信号を地上子82に送信する。
図13は、本実施形態に係る停電時電力供給制御装置1Bの構成を示す構成図である。
停電時電力供給制御装置1Bは、図4に示す第1の実施形態に係る停電時電力供給制御装置1において、受信部16を伝送部16Bに代え、通信部15を通信部15Bに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態に係る停電時電力供給制御装置1と同様である。
伝送部16Bは、変電所50の管轄内の全ての列車90,90bの車上子81から発信された無線信号を地上子82から受信する。伝送部16Bは、地上子82から受信した無線信号に含まれる情報を通信部15Bに出力する。伝送部16Bは、通信部15Bから入力された各列車90,90bへの制御信号を地上子82に送信する。
列車制御指示部14は、第1の実施形態と同様に決定した運行計画に従って、各列車90,90bを制御するための制御信号を通信部15Bに出力する。
通信部15Bは、受信部16Bから入力された情報に基づいて、各列車90,90bの状態を把握するための情報を抽出する。通信部15Bは、抽出した各列車90,90bの現在位置に関する情報を列車位置判断部12に出力する。通信部15Bは、抽出した各蓄電装置搭載型の列車90bに搭載されている蓄電装置97のSOC情報を列車制御指示部14に出力する。通信部15Bは、列車制御指示部14から入力された各列車90,90bへの制御信号を伝送部16Bに出力する。
本実施形態によれば、第2の実施形態に係る情報管理・伝送装置6に相当する機能を停電時電力供給制御装置1Bに持たせ、停電時電力供給制御装置1Bを駅62に設けることで、第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システムは、図1に示す第1の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10において、停電時電力供給制御装置1の代わりに、停電時電力供給制御装置1Cを設けている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
本発明の第4の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システムは、図1に示す第1の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10において、停電時電力供給制御装置1の代わりに、停電時電力供給制御装置1Cを設けている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
図14は、本発明の第4の実施形態に係る停電時電力供給制御装置1Cの構成を示す構成図である。
停電時電力供給制御装置1Cは、図4に示す第1の実施形態に係る停電時電力供給制御装置1において、停電区間判断部11を系統事故発生区間判断部17に代え、変電所開閉器制御指示部13を変電所開閉器制御指示部13Cに代え、列車制御指示部14を列車制御指示部14Cに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態に係る停電時電力供給制御装置1と同様である。
系統事故発生区間判断部17は、変電所50に短絡又は地絡などの系統事故が発生すると、系統事故の事故発生区間に関する情報を開閉器制御装置2から受信する。系統事故発生区間判断部17は、受信した事故発生区間に関する情報に基づいて、事故発生区間及び事故発生による停電区間を判断する。系統事故発生区間判断部17は、判断した事故発生区間及び停電区間の情報を変電所開閉器制御指示部13C及び列車制御指示部14Cに送信する。
変電所開閉器制御指示部13Cは、系統事故発生区間判断部17により判断された事故発生区間及び停電区間の情報、列車位置判断部12により判断された各列車90,90bの位置情報、及び開閉器制御装置2から受信した状態情報に基づいて、変電所50の制御する変電所開閉器53,54を決定する。その他の点は、第1の実施形態に係る変電所開閉器制御指示部13と同様である。
図15は、本実施形態に係る停電時電力供給制御装置1Cの動作を説明するためのき電系統システム4fの系統事故時の状態を示す構成図である。
ここでは、停電時電力供給制御装置1Cは、2つの変電所50a,50bが電力供給する管轄内のき電系統システム4fを制御対象にするものとする。
き電系統システム4fは、トロリ線40e,40f,40gと、変電所50a,50bとを備えている。
変電所50a,50bは、図1に示す変電所50と同様の構成である。変電所50aを構成する部分の符号には、「a」を付している。変電所50bを構成する部分の符号には、「b」を付している。
トロリ線40fは、変電所50aを介して、トロリ線40eと接続されている。トロリ線40gは、変電所50bを介して、トロリ線40fと接続されている。
トロリ線40fは、短絡又は地絡などの系統事故が発生した電線である。
2つの変電所50a,50bの全ての変電所開閉器53a,53b,54a1,54a2,54b1,54b2は、トロリ線40fの事故発生後に、保護動作としてトリップしている。このため、トロリ線40e及びトロリ線40gは、停電している。
変電所50aの変電所開閉器54a2は、母線52aとトロリ線40fとを接続する。変電所50bの変電所開閉器54b1は、母線52bとトロリ線40fとを接続する。従って、変電所開閉器制御指示部13は、トロリ線40fの事故が継続している間は、変電所開閉器54a2,54b2を投入することはできない。
列車90bは、事故が継続しているトロリ線40fと車両内の主回路を電気的に接続することはできない。従って、列車制御指示部14は、トロリ線40fの区間内に在線している列車90bに対しては、充放電の制御指示をすることはできない。
図16は、本実施形態に係る列車制御指示部14Cによる処理手順を示すフローチャートである。
列車制御指示部14Cによる処理手順は、図6に示す第1の実施形態に係る列車制御指示部14による処理手順のステップS110の前にステップS105の処理を加えたものである。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
列車制御指示部14Cは、系統事故発生区間判断部17から受信した事故発生区間の情報及び列車位置判断部12から受信した各列車90,90bの位置情報に基づいて、事故区間に在線している蓄電装置搭載型の列車90bを検索する。列車制御指示部14Cは、事故区間に在線している全ての蓄電装置搭載型の列車90bを事故区間外の駅62まで走行させる(ステップS105)。
列車制御指示部14Cは、事故区間に在線している蓄電装置搭載型の列車90bを事故区間外の駅62まで走行させた後、図6に示す処理手順のステップS110〜ステップS150の処理を同様に行う。
図17から図19を参照して、停電時電力供給制御装置1Cによる制御について説明する。図17は、き電系統システム4fの系統事故直後の状態を示す状態図である。図18は、停電時電力供給制御装置1Cによる列車90,90bの走行制御中の状態を示す状態図である。図19は、停電時電力供給制御装置1Cによる列車90,90bの走行制御完了後の状態を示す状態図である。
図17に示すように、事故区間で蓄電装置搭載型の列車90bが駅間に在線している状態で、トロリ線40fで系統事故が発生し、変電所50a,50bが停電になったとする。また、このとき、健全区間で非蓄電装置搭載型の列車90が駅間に在線していたとする。変電所50bは停電しているため、このままでは、非蓄電装置搭載型の列車90は、駅62まで走行することはできない。
停電時電力供給制御装置1Cは、事故が発生したトロリ線40fと他のトロリ線40e,40gとが接続される変電所開閉器を除き、必要な変電所開閉器を投入する。
停電時電力供給制御装置1Cは、図17に示すような事故区間の駅間に在線する蓄電装置搭載型の列車90bを探索する。
停電時電力供給制御装置1Cは、図18に示すように、事故区間の駅間に在線する列車90bを事故区間外の近くの駅62まで自己の蓄電装置97により走行させる。停電時電力供給制御装置1Cは、列車90bが事故区間外の駅62に到着したと判断すると、列車90bに蓄電装置97の充電電力をトロリ線40gに放電させる指示をする。これにより、停電していたトロリ線40gは、列車90bの蓄電装置97からの放電電力により充電される。
停電時電力供給制御装置1Cは、図19に示すように、列車90bに蓄電装置97の充電電力をトロリ線40gに放電させた後、列車90を駅62まで走行させる。列車90は、列車90bの蓄電装置97から放電された電力を、トロリ線40gを介して受電することで、駅62まで走行する。
本実施形態によれば、き電系統システム4fの系統事故により変電所50a,50bが停電した場合でも、事故が発生したトロリ線40fをき電系統から切り離した状態で、停電時電力供給制御装置1Cは、列車90,90b等を制御することができる。これにより、き電系統に事故が発生した場合でも、停電時電力供給制御装置1Cを適用することで、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システムは、図10に示す第2の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10Aにおいて、停電時電力供給制御装置1Aの代わりに、停電時電力供給制御装置1Dを設けている。その他の点は、第2の実施形態と同様である。
本発明の第5の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システムは、図10に示す第2の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10Aにおいて、停電時電力供給制御装置1Aの代わりに、停電時電力供給制御装置1Dを設けている。その他の点は、第2の実施形態と同様である。
図20は、本発明の第5の実施形態に係る停電時電力供給制御装置1Dの構成を示す構成図である。
停電時電力供給制御装置1Dは、図11に示す第2の実施形態に係る停電時電力供給制御装置1Aにおいて、停電区間判断部11を系統事故発生区間判断部17に代え、変電所開閉器制御指示部13を第4の実施形態に係る変電所開閉器制御指示部13Cに代え、列車制御指示部14を第4の実施形態に係る列車制御指示部14Cに代えたものである。その他の点は、第2の実施形態に係る停電時電力供給制御装置1Aと同様である。
本実施形態によれば、図17に示すようなき電系統システム4fの系統事故により変電所50a,50bが停電した場合でも、事故が発生したトロリ線40fをき電系統から切り離した状態で、停電時電力供給制御装置1Dは、列車90,90b等を制御することができる。これにより、き電系統に事故が発生した場合でも、停電時電力供給制御装置1Dを適用することで、第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システムは、図12に示す第3の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10Bにおいて、停電時電力供給制御装置1Bの代わりに、停電時電力供給制御装置1Eを設けている。その他の点は、第3の実施形態と同様である。
本発明の第6の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システムは、図12に示す第3の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10Bにおいて、停電時電力供給制御装置1Bの代わりに、停電時電力供給制御装置1Eを設けている。その他の点は、第3の実施形態と同様である。
図21は、本発明の第6の実施形態に係る停電時電力供給制御装置1Eの構成を示す構成図である。
停電時電力供給制御装置1Eは、図13に示す第3の実施形態に係る停電時電力供給制御装置1Bにおいて、停電区間判断部11を系統事故発生区間判断部17に代え、変電所開閉器制御指示部13を第3の実施形態に係る変電所開閉器制御指示部13Cに代え、列車制御指示部14を第3の実施形態に係る列車制御指示部14Cに代えたものである。その他の点は、第3の実施形態に係る停電時電力供給制御装置1Bと同様である。
本実施形態によれば、図17に示すようなき電系統システム4の系統事故により変電所50a,50bが停電した場合でも、事故が発生したトロリ線40fをき電系統から切り離した状態で、停電時電力供給制御装置1Eは、列車90,90b等を制御することができる。これにより、き電系統に事故が発生した場合でも、停電時電力供給制御装置1Eを適用することで、第3の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システムは、図1に示す第1の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10において、停電時電力供給制御装置1の代わりに、停電時電力供給制御装置1Fを設けている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
本発明の第7の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システムは、図1に示す第1の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10において、停電時電力供給制御装置1の代わりに、停電時電力供給制御装置1Fを設けている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
図22は、本発明の第7の実施形態に係る停電時電力供給制御装置1Fの構成を示す構成図である。
停電時電力供給制御装置1Fは、図4に示す第1の実施形態に係る停電時電力供給制御装置1において、列車情報データベース18を追加し、列車制御指示部14を列車制御指示部14Fに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
列車情報データベース18は、運行している列車90,90bに関する列車情報が蓄積されている。列車情報データベース18には、運転種別、営業種別、編成種別、車種別、又は乗車率などの列車情報が含まれている。運転種別は、緩行電車又は優等列車などを示す情報である。営業種別は、営業運転又は非営業運転などを示す情報である。編成種別は、編成されている車両の構成を示す情報である。車種別は、車両の種類を示す情報である。乗車率は、過去の情報に基づいて、月日、曜日、時間帯、季節、又は天候などで区分けされている。列車情報データベース18は、列車制御指示部14Fからの要求に応じて、列車情報を送信する。
図23は、本実施形態に係る列車制御指示部14Fによる処理手順を示すフローチャートである。
列車制御指示部14Fによる処理手順は、図6に示す第1の実施形態に係る列車制御指示部14による処理手順において、ステップS115を追加し、ステップS120をステップS120Bに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
列車制御指示部14Fは、駅間に在線する全ての列車90,90bについて、列車情報データベース18から列車情報を取得する(ステップS115)。
列車制御指示部14Fは、列車情報データベース18から取得した駅間に在線する列車90,90bの列車情報及び列車90bから取得したSOC情報に基づいて、駅まで走行させる列車90,90bの優先順位を決定する(ステップS120B)。
列車制御指示部14Fは、次のように優先順位を決定する。回送電車又は貨物列車などの乗客のいない列車90,90bの優先順位は低くする。列車制御指示部14Fは、乗客のいる列車90,90bについて、過去の列車情報に基づいて乗車率を推測する。列車制御指示部14Fは、推測した乗車率の高い順に列車90,90bの優先順位を高くする。
その他に、次のような要素を優先順位の決定に加えてもよい。優等列車の優先順位は、緩行電車の優先順位よりも高くする。又は、駅62まで蓄電装置97の蓄電電力で自力走行できる列車90bの優先順位は高くする。
本実施形態によれば、第1の実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
停電時電力供給制御装置1Fに、運行している列車90,90bに関する様々な情報が蓄積された列車情報データベース18を設けることにより、停電時電力供給制御装置1Fは、列車90,90bの様々な情報に基づいて、駅62まで走行させる列車90,90bの優先順位を決定することができる。例えば、列車90,90bの乗車率などに基づいて優先順位を決定することで、より多くの乗客を駅62に運ぶことができる。
また、列車情報データベース18に蓄積する列車情報を追加することで、鉄道会社の運用に適した優先順位を決定することができる。
(第8の実施形態)
図24は、本発明の第8の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10Gの構成を示す構成図である。
図24は、本発明の第8の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10Gの構成を示す構成図である。
電気鉄道用電力供給システム10Gは、図1に示す第1の実施形態に係る電気鉄道用電力供給システム10において、停電時電力供給制御装置1を停電時電力供給制御装置1Gに代え、走行させる列車90,90bをそれぞれ列車90G,90Gbに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
図25は、本実施形態に係る蓄電装置搭載型の列車90Gbの構成を示す構成図である。図26は、本実施形態に係る非蓄電装置搭載型の列車90Gの構成を示す構成図である。
図25に示す列車90Gbは、図2に示す第1の実施形態に係る列車90bにおいて、応荷重装置99を追加した構成である。その他の点は、第1の実施形態に係る列車90bと同様である。同様に、図26に示す列車90Gは、図3に示す第1の実施形態に係る列車90において、応荷重装置99を追加した構成である。その他の点は、第1の実施形態に係る列車90と同様である。
応荷重装置99は、列車90G,90Gbに掛かる荷重を計測する装置である。応荷重装置99は、通信部96を介して、計測した荷重を無線信号として車上子81から地上子82に送信する。
図27は、本実施形態に係る停電時電力供給制御装置1Gの構成を示す構成図である。
停電時電力供給制御装置1Gは、図4に示す第1の実施形態に係る停電時電力供給制御装置1において、通信部15を通信部15Gに代え、列車制御指示部14を列車制御指示部14Gに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
受信部16は、列車90G,90Gbの車上子81から出力された荷重を示す荷重情報を含む無線信号を伝送網41を介して地上子82から受信する。受信部16は、地上子82から受信した無線信号に含まれる情報を通信部15Gに出力する。
通信部15Gは、受信部16から入力された情報に基づいて、各列車90,90bで計測された荷重情報を抽出する。通信部15Gは、抽出した荷重情報を列車制御指示部14Gに出力する。その他の点は、第1の実施形態に係る通信部15と同様である。
図28は、本実施形態に係る列車制御指示部14Gによる処理手順を示すフローチャートである。
列車制御指示部14Gによる処理手順は、図6に示す第1の実施形態に係る列車制御指示部14による処理手順において、ステップS115Gを追加し、ステップS120をステップS120Gに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
列車制御指示部14Gは、駅間に在線する全ての列車90G,90Gbから応荷重装置99により計測された荷重情報を受信する(ステップS115G)。
列車制御指示部14Gは、受信した荷重情報に基づいて、列車90G,90Gbのそれぞれの乗車率を推定する。列車制御指示部14Gは、推定した列車90G,90Gbの乗車率及び列車90Gbから取得したSOC情報に基づいて、駅まで走行させる列車90G,90Gbの優先順位を決定する(ステップS120G)。列車制御指示部14Gは、推定した乗車率が高い順に優先順位が高くなるように優先順位を決定する。
本実施形態によれば、第1の実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
停電時電力供給制御装置1Gは、列車90G,90Gbに設けられた応荷重装置99から荷重情報を取得して、駅間に在線する列車90G,90Gbの乗車率を推定することができる。これにより、電気鉄道用電力供給システム10Gは、駅62まで走行させる列車90G,90Gbの優先順位を乗車率に基づいて決定することで、より多くの乗客を駅62に運ぶことができる。
なお、第1の実施形態において、停電時電力供給制御装置1が列車90,90bとの通信を行うために、通信を行うための地上・車上伝送装置を用いる構成としたが、列車90,90bと通信を行う方式はこれに限らない。例えば、停電時電力供給制御装置1は、軌道回路を利用して列車90,90bと情報の送受信をしてもよい。
また、第7の実施形態及び第8の実施形態では、第1の実施形態を基本構成として説明したが、他の実施形態を基本構成としてもよい。即ち、第7の実施形態に係る列車情報データベース18及び第8の実施形態に係る応荷重装置99を搭載した列車90G,90Gbは、他の実施形態と組み合わせてもよい。
さらに、各実施形態において、蓄電装置搭載型の列車90bと非蓄電装置搭載型の列車90とを混在させた構成としたが、これに限らない。全ての列車を蓄電装置搭載型の列車90bとしてもよい。また、蓄電電力が残っていない蓄電装置搭載型の列車90bは、非蓄電装置搭載型の列車90と同様に扱うことができる。
また、列車90,90bの乗車率を判断する方法は、第7の実施形態に係る列車情報データベース18による乗車率の推定方法、又は第8の実施形態に係る応荷重装置99による乗車率の推定方法に限らず、列車90,90bの乗車率を判断できるのであれば、他の方法でもよい。例えば、列車90,90bの加速時のトルクに基づいて、乗車率を推定してもよい。また、各列車90,90bの乗車率を実際に測定したものでもよい。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…停電時電力供給制御装置、2…開閉器制御装置、3…運行管理システム、4…き電系統システム、5…信号制御地上システム、10…電気鉄道用電力供給システム、40…トロリ線、50…変電所、51…電源、52…母線、53,54…変電所開閉器、61…電力管理センター、62…駅、81…車上子、82…地上子、90,90b…列車、97…蓄電装置。
Claims (10)
- 地上に設けられた地上装置と列車に設けられた車上装置との間で双方向に情報を伝送する情報伝送装置を用いる電気鉄道用電力供給システムであって、
電気鉄道用電力系統の停電区間を判断する停電区間判断手段と、
前記情報伝送装置により前記列車の位置を示す位置情報を取得する列車位置情報取得手段と、
前記列車位置情報取得手段により取得された前記位置情報に基づいて、前記停電区間判断手段により判断された前記停電区間の駅間に在線する列車を検出する列車検出手段と、
蓄電装置を搭載した蓄電装置搭載列車を検出する蓄電装置搭載列車検出手段と、
前記蓄電装置搭載列車検出手段により検出された前記蓄電装置搭載列車に、前記情報伝送装置により前記停電区間判断手段により判断された前記停電区間に前記蓄電装置を放電させる指示をする蓄電装置放電手段と、
前記列車検出手段により検出された前記停電区間の駅間に在線する前記列車に駅まで走行させる指示をする列車走行指示手段と
を備えたことを特徴とする電気鉄道用電力供給システム。 - 前記電気鉄道用電力系統の系統事故による事故区間を判断する事故区間判断手段を備え、
前記蓄電装置放電手段は、前記蓄電装置搭載列車が前記事故区間判断手段により判断された前記事故区間に在線している場合、前記事故区間に在線している前記蓄電装置搭載列車を前記事故区間外に走行させた後、前記停電区間に放電させること
を特徴とする請求項1に記載の電気鉄道用電力供給システム。 - 前記蓄電装置放電手段により前記蓄電装置から放電される電力を、前記列車検出手段により検出された前記停電区間の駅間に在線する前記列車に供給するために、前記電気鉄道用電力系統に設けられた開閉器を制御する開閉器制御手段
を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気鉄道用電力供給システム。 - 前記停電区間の駅間に在線する前記列車の駅まで走行させる優先順位を決定する優先順位決定手段を備え、
前記列車走行指示手段は、前記優先順位決定手段により決定された前記優先順位に従って、前記列車を駅まで走行させる指示をすること
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電気鉄道用電力供給システム。 - 前記優先順位決定手段は、駅まで走行させる前記列車の数を多くするように前記優先順位を決定すること
を特徴とする請求項4に記載の電気鉄道用電力供給システム。 - 前記優先順位決定手段は、前記停電区間の駅間に在線する前記列車の乗車率に基づいて、前記優先順位を決定すること
を特徴とする請求項4に記載の電気鉄道用電力供給システム。 - 前記列車に関する列車情報が記憶された列車情報記憶手段を備え、
前記優先順位決定手段は、前記列車情報記憶手段に記憶された前記列車情報に基づいて、前記優先順位を決定すること
を特徴とする請求項4に記載の電気鉄道用電力供給システム。 - 前記情報伝送装置により、前記列車に設けられた応荷重装置により測定された荷重情報を受信する荷重情報受信手段を備え、
前記優先順位決定手段は、前記荷重情報受信手段により受信された前記荷重情報に基づいて、前記優先順位を決定すること
を特徴とする請求項4に記載の電気鉄道用電力システム。 - 地上に設けられた地上装置と列車に設けられた車上装置との間で双方向に情報を伝送する情報伝送装置を用い、コンピュータで構成された電気鉄道用電力供給システムの制御方法であって、
前記コンピュータが、電気鉄道用電力系統の停電区間を判断し、
前記コンピュータが、前記情報伝送装置により前記列車の位置を示す位置情報を取得し、
前記コンピュータが、取得した前記位置情報に基づいて、判断した前記停電区間の駅間に在線する列車を検出し、
前記コンピュータが、蓄電装置を搭載した蓄電装置搭載列車を検出し、
前記コンピュータが、検出した前記蓄電装置搭載列車に、前記情報伝送装置により判断した前記停電区間に前記蓄電装置を放電させる指示をし、
検出した前記停電区間の駅間に在線する前記列車に駅まで走行させる指示をすること
を含むことを特徴とする電気鉄道用電力供給システムの制御方法。 - 地上に設けられた地上装置と列車に設けられた車上装置との間で双方向に情報を伝送する情報伝送装置を用い、コンピュータで構成された電気鉄道用電力供給システムの制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
電気鉄道用電力系統の停電区間を判断する停電区間判断手段と、
前記情報伝送装置により前記列車の位置を示す位置情報を取得する列車位置情報取得手段と、
前記列車位置情報取得手段により取得された前記位置情報に基づいて、前記停電区間判断手段により判断された前記停電区間の駅間に在線する列車を検出する列車検出手段と、
蓄電装置を搭載した蓄電装置搭載列車を検出する蓄電装置搭載列車検出手段と、
前記蓄電装置搭載列車検出手段により検出された前記蓄電装置搭載列車に、前記情報伝送装置により前記停電区間判断手段により判断された前記停電区間に前記蓄電装置を放電させる指示をする蓄電装置放電手段と、
前記列車検出手段により検出された前記停電区間の駅間に在線する前記列車に駅まで走行させる指示をする列車走行指示手段
として機能させるための電気鉄道用電力供給システムの制御プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010184096A JP2012040954A (ja) | 2010-08-19 | 2010-08-19 | 電気鉄道用電力供給システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010184096A JP2012040954A (ja) | 2010-08-19 | 2010-08-19 | 電気鉄道用電力供給システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012040954A true JP2012040954A (ja) | 2012-03-01 |
Family
ID=45897749
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010184096A Withdrawn JP2012040954A (ja) | 2010-08-19 | 2010-08-19 | 電気鉄道用電力供給システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012040954A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014043141A (ja) * | 2012-08-24 | 2014-03-13 | Toshiba Corp | 予測ダイヤ作成装置 |
JP2014046821A (ja) * | 2012-08-31 | 2014-03-17 | Hitachi Ltd | 電力消費最適化システムおよび電力提供制御方法 |
JP2015053837A (ja) * | 2013-09-09 | 2015-03-19 | 近畿車輌株式会社 | 停電時における鉄道車両への電力供給システム及び停電時における鉄道車両への電力供給方法 |
JP2020182301A (ja) * | 2019-04-24 | 2020-11-05 | 株式会社日立製作所 | 鉄道車両の走行制御システムおよび走行制御方法 |
WO2022208569A1 (ja) * | 2021-03-29 | 2022-10-06 | 株式会社日立インダストリアルプロダクツ | 電気車および電気車システム |
-
2010
- 2010-08-19 JP JP2010184096A patent/JP2012040954A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014043141A (ja) * | 2012-08-24 | 2014-03-13 | Toshiba Corp | 予測ダイヤ作成装置 |
JP2014046821A (ja) * | 2012-08-31 | 2014-03-17 | Hitachi Ltd | 電力消費最適化システムおよび電力提供制御方法 |
JP2015053837A (ja) * | 2013-09-09 | 2015-03-19 | 近畿車輌株式会社 | 停電時における鉄道車両への電力供給システム及び停電時における鉄道車両への電力供給方法 |
JP2020182301A (ja) * | 2019-04-24 | 2020-11-05 | 株式会社日立製作所 | 鉄道車両の走行制御システムおよび走行制御方法 |
JP7377621B2 (ja) | 2019-04-24 | 2023-11-10 | 株式会社日立製作所 | 鉄道車両の走行制御システムおよび走行制御方法 |
WO2022208569A1 (ja) * | 2021-03-29 | 2022-10-06 | 株式会社日立インダストリアルプロダクツ | 電気車および電気車システム |
JP7441374B2 (ja) | 2021-03-29 | 2024-02-29 | 株式会社日立インダストリアルプロダクツ | 電気車および電気車システム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20110144831A1 (en) | Power supply control system and power supply control method | |
CN101941451B (zh) | 点式列车控制系统 | |
JP6603335B2 (ja) | 電源内蔵式鉄道輸送システム | |
EP2724885B1 (en) | Train information management device and train information management method | |
JP4981973B2 (ja) | 架線レス交通システムの充電システム | |
JP4909666B2 (ja) | き電システム | |
CN203937528U (zh) | 具有能量交换站的轨道系统 | |
CN103826962A (zh) | 列车控制系统 | |
JP6047827B2 (ja) | 運行制御装置、運行制御方法及び制御プログラム | |
WO2013099171A1 (ja) | 輸送管理装置、輸送管理システム及び制御プログラム | |
JP2012040954A (ja) | 電気鉄道用電力供給システム | |
JP2008148531A (ja) | 電気鉄道システム | |
JP3161154B2 (ja) | 列車運行管理システム | |
JP2012040955A (ja) | 電気鉄道用電力システム | |
Seo et al. | Reliability management and assessment for the electric traction system on the Korea High-Speed Train | |
EP3178689B1 (en) | Rail car provided with system for controlling storage cell discharge | |
JP2020062976A (ja) | 列車自動運転システム | |
JP2011079454A (ja) | 電気鉄道用電力システム | |
CN114715225B (zh) | 一种磁浮列车的无人驾驶系统 | |
US20220024496A1 (en) | Traction assembly including a locomotive and a tender and associated method | |
JP5681350B2 (ja) | 駅間線路上に給電設備を設けた鉄道システム | |
CN113928138B (zh) | 列车充电控制方法、信号系统和充电系统 | |
JP2020069949A (ja) | 鉄道システム | |
CN111619408A (zh) | 一种动力轨供电系统及其供电控制方法 | |
JP2005051891A (ja) | き電装置、列車編成及び被牽引車 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20131105 |