JP7377518B2 - 電極材料及びそれを用いた電極、電池 - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、平成30年11月26日発行の第59回電池討論会予稿集にて公開。
本発明は、電極材料及びそれを用いた電極、電池に関する。
昨今、環境問題への関心の高まりを背景に、様々な産業分野で石油や石炭から電気へとエネルギー源の転換が進んでおり、携帯電話やノートパソコン等の電子機器だけでなく、自動車や航空機等の分野をはじめ、様々な分野で電池やキャパシタ等の蓄電装置の使用が広がりをみせている。中でもリチウムイオン二次電池は、現在実用化されている蓄電池の中でも最も高いエネルギー密度を有することから、様々な電子デバイスの電源として幅広く利用されている。一方、レアメタルに分類され、資源が地球上で偏在しているリチウムに代えて、資源が無尽蔵であり、かつリチウムと化学的性質が類似し、リチウムイオン電池と同様の電池作動が期待できるナトリウムを用いた二次電池の開発も行われている。
現在、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池の負極材料として酸化物系材料が注目されており、酸化チタンや、チタンとリチウム、ナトリウム等の他の金属との複合酸化物を用いることが報告されている(特許文献1~3参照、非特許文献1参照)。また酸化チタンについては、アナタース型、ルチル型、ブルッカイト型等の結晶構造のうち、ルチル型の酸化チタンについて、c軸方向のリチウム拡散速度がa軸、b軸方向に比べて1000倍以上速いこと、及び、酸化チタンの粒子サイズを小さくすることで負極性能が改善されることが報告されている(非特許文献2参照)。
特開2015-178452号公報 特開2010-140863号公報 国際公開第2015/025795号
Jizhang Chen、外4名、「Improving the sodiation performance of Na2Ti3O7 through Nb-doping」、Electrochimica Acta、volume224、2017年、p446-451. 薄井洋行、外1名、「ナトリウム貯蔵性化合物の創製とその二次電池負極への応用」、FBテクニカルニュース、No.71号、2015年、p1-8
上記のとおり、リチウムイオン二次電池及びナトリウムイオン二次電池の負極材料として、酸化チタンやチタンと他の金属との複合酸化物について検討されているが、酸化チタンについては、上記非特許文献2の報告を除き、これまで電極材料として研究されてきたのはもっぱらアナタース型であり、それ以外の酸化チタンについて十分に検討されているとはいえないのが現状である。このためアナタース型酸化チタン以外の酸化チタンについて検討し、より優れた性能を発揮する電極材料を開発する余地がある。
本発明は、上記現状に鑑み、優れた性能を発揮する電極を実現することができる酸化チタンを用いた電極材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、酸化チタンの中でも、これまで電極材料として十分に検討されていなかったルチル型の酸化チタンに着目して検討したところ、比表面積から算出される粒子径Aと、X線回折パターンにおいて、2θ=27.4°付近のピークから算出される結晶子径Bとの比A/Bが1.5以下であり、かつ化学式Ti1-xNb2-yにおいて酸素欠陥量yが0.15以上、0.25未満であるニオブ元素がドープされたルチル型酸化チタンを電極材料として用いると、放電容量が高く、サイクル特性に優れた電極が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ニオブ元素がドープされたルチル型酸化チタンを含む電極材料であって、該ニオブ元素がドープされたルチル型酸化チタンは、比表面積から算出される粒子径Aと、X線回折パターンにおいて、2θ=27.4°付近のピークから算出される結晶子径Bとの比A/Bが1.5以下であり、かつ、化学式Ti1-xNb2-yにおいて酸素欠陥量yが0.15以上、0.25未満であることを特徴とする電極材料である。
上記ニオブ元素がドープされたルチル型酸化チタンは、化学式Ti1-xNb2-yにおけるxが0.05~0.18の範囲内でニオブ元素がドープされたものであることが好ましい。
上記ニオブ元素がドープされたルチル型酸化チタンは、比表面積が10~50m/gであることが好ましい。
本発明はまた、本発明の電極材料を含んでなることを特徴とする電極でもある。
本発明はまた、本発明の電極を含んで構成されることを特徴とする電池でもある。
本発明の電極材料は、放電容量が高く、サイクル特性に優れた電極を形成することができる材料であることから、リチウムイオン二次電池やナトリウムイオン二次電池等の二次電池の電極を形成する材料として好適に用いることができる。
実施例1、2及び比較例1で用いたナトリウムイオン二次電池の充放電サイクル測定結果を示した図である。
以下、本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
本発明の電極材料が含むニオブ元素がドープされたルチル型酸化チタン(以下、ニオブドープルチル型酸化チタンとも記載する)は、比表面積から算出される粒子径Aと、X線回折パターンにおいて、2θ=27.4°付近のピークから算出される結晶子径Bとの比A/Bが1.5以下であることを特徴の1つとする。
比A/Bが小さいほど、ニオブドープルチル型酸化チタン粒子が単結晶に近いものであるといえる。ニオブドープルチル型酸化チタン粒子が多結晶体であると、多結晶体を構成する結晶毎に結晶の方向が異なる場合があるのに対し、単結晶に近ければ近いほど、粒子内の結晶の方向が一定である割合が高くなる。比A/Bはより好ましくは、1.48以下であり、更に好ましくは、1.45以下であり、特に好ましくは、1.40以下である。粒子径が0になることはないため、比A/Bは0より大きい値をとる。
この単結晶性は、実施例に記載の方法で測定することができる。
なお、本発明において、「2θ=27.4°付近のピーク」とは、ピークトップの位置から読み取れるピーク位置が概ね2θ=27.4°±0.3°程度の範囲に観察されるピークを意味する。
また上記ニオブ元素がドープされたルチル型酸化チタンは、化学式Ti1-xNb2-yにおいて、酸素欠陥量yが0.15以上、0.25未満であることをもう1つの特徴とする。
ニオブドープルチル型酸化チタン中に一定の割合の酸素欠陥の割合があると、ニオブドープルチル型酸化チタンの結晶格子中へのリチウムイオンやナトリウムイオンの挿入がしやすくなり、集電効果が高くなる。ただし、酸素欠陥量yが0.25を超えると、結晶系がマグネリとなり、電極材料に不向きなものとなる。結晶系がマグネリである酸化チタンが電極材料に不向きであることは、Abstract #1072, 224th ECS Meeting, 2013 The Electrochemical Societyにも記載されている。
上記ニオブドープルチル型酸化チタンにおける酸素欠陥量yは、0.17以上、0.25未満であることが好ましい。より好ましくは、0.19以上、0.25未満である。
上記ニオブ元素がドープされたルチル型酸化チタンは、化学式Ti1-xNb2-yで表され、xは0より大きく、1未満の値であるが、xが0.05~0.18の範囲内でニオブ元素がドープされたものことが好ましい。
このような割合でニオブ元素がドープされたルチル型酸化チタンを負極の活物質として用いると、放電容量に優れたものとなり、特に高レート時の放電容量に優れたものとなる。ニオブドープルチル型酸化チタン中のニオブ元素のドープ量は、より好ましくは、xが0.05~0.11の範囲であり、更に好ましくは、xが0.05~0.07の範囲である。
ニオブドープルチル型酸化チタンのニオブ元素含有量は、エネルギー分散型蛍光X線分析により、チタンとニオブの元素比から算出できる。
上記ニオブ元素がドープされたルチル型酸化チタンは、比表面積が10~50m/gであることが好ましい。ニオブドープルチル型酸化チタンの比表面積が10~50m/gとなるような粒子サイズに調製することにより、リチウムイオン等のイオンキャリアの挿入脱離に関与する反応場が十分に多くでき、放電容量の低下を抑制できる。従って、上記範囲にすることで、電極材料としてより優れた特性を発揮することができる。また、ハンドリング性の面でも好ましい。ルチル型酸化チタンの比表面積は、より好ましくは、15~40m/gであり、更に好ましくは、20~30m/gである。
ニオブドープルチル型酸化チタンの比表面積は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明の電極材料が含む、比表面積から算出される粒子径Aと、X線回折パターンにおいて、2θ=27.4°付近のピークから算出される結晶子径Bとの比A/Bが1.5以下であり、かつ化学式Ti1-xNb2-yにおいて酸素欠陥量yが0.15以上、0.25未満であるニオブドープルチル型酸化チタンの製造方法は特に制限されないが、例えば、チタンアルコキシド又は四塩化チタンとニオブアルコキシド又は五塩化二オブを混合し、ヒドロキシ酸水溶液中でハイドロサーマルあるいはソルボサーマル処理を行うことで製造することができる。また必要に応じて、焼成によって酸素欠陥量を調整しても良い。
上述したとおり、本発明の電極材料を用いることで、放電容量が高く、サイクル特性に優れた電極を形成することができる。このような本発明の電極材料を用いて形成される電極もまた、本発明の1つであり、本発明の電極を含んで構成される電池もまた、本発明の1つである。
本発明の電極は、リチウムイオン電池、ナトリウムイオン二次電池等の負極として用いた場合に放電容量が高く、サイクル特性に優れた電池とすることができることから、負極として用いられることが好ましい。
本発明の電極は、本発明の電極材料と、導電助剤やバインダー等のその他の材料とを配合して得られる電極組成物からなる層を集電体上に形成することで得られる。
導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等を用いることができ、バインダーとしてはポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等を用いることができる。
また集電体としては、アルミ、銅、ステンレスのいずれかのメッシュやアルミ箔、銅箔等を用いることができる。
本発明の電池は、一次電池、二次電池のいずれであってもよいが、放電容量が高く、サイクル特性に優れた電極となることが本発明の電極材料を用いた電極の特徴であるから、二次電池であることが好ましい。また、本発明の電池が二次電池である場合、本発明の電極材料が負極の材料として使用できるものである限り、電池の種類は特に制限されないが、本発明の電極材料を負極材料として用いてリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン二次電池を構成することは本発明の好適な実施形態の1つである。
本発明を詳細に説明するために以下に具体例を挙げるが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「%」及び「wt%」とは「重量%(質量%)」を意味する。なお、各物性の測定方法は以下の通りである。
実施例1
0.144gのドデシル硫酸ナトリウムを50mLの1.6Mグリコール酸水溶液中に加え、攪拌した。その後、この水溶液に対し、5mLのオルトチタン酸テトライソプロピル、0.4mLのニオブペンタエトキシド及び5mLの2-プロパノールの混合液を加え、攪拌した。これをステンレス製水熱合成反応器に封入し、200℃で6時間反応させた。その後、固形分を洗浄した後、乾燥し、ニオブドープルチル型酸化チタンを回収した。
回収した粉末を用いて、後述する充放電サイクル測定の方法により、塗布電極を作製してナトリウムイオン二次電池のコインセルにより充放電サイクル測定を実施した。
実施例2
0.144gのドデシル硫酸ナトリウムを50mLの1.6Mグリコール酸水溶液中に加え、攪拌した。その後、この水溶液に対し、5mLのオルトチタン酸テトライソプロピル、0.4mLのニオブペンタエトキシド及び5mLの2-プロパノールの混合液を加え、攪拌した。これをステンレス製水熱合成反応器に封入し、200℃で6時間反応させた。
その後、固形分を洗浄した後、乾燥させた。回収した粉末を大気雰囲気下、100℃で6時間加熱処理した。回収したニオブドープルチル型酸化チタンの粉末を用いて、後述する充放電サイクル測定の方法により、塗布電極を作製してナトリウムイオン二次電池のコインセルにより充放電サイクル測定を実施した。
比較例1
ルチル型酸化チタン(堺化学工業株式会社製、商品名「STR-100N」、比表面積100m/g)2.0gと金属チタン(和光純薬工業株式会社製、商品名「チタン,粉末」)0.3gを乾式混合した後、水素雰囲気下、700℃で6時間保持した後、室温まで冷却して結晶相がTiで表されるマグネリ相を有する亜酸化チタンを得た。回収した粉末を用いて、後述する充放電サイクル測定の方法により、塗布電極を作製してナトリウムイオン二次電池のコインセルにより充放電サイクル測定を実施した。
比較例2
0.144gのドデシル硫酸ナトリウムを50mLの1.6Mグリコール酸水溶液中に加え、攪拌した。その後、この水溶液に対し、5mLのオルトチタン酸テトライソプロピル、0.4mLのニオブペンタエトキシド及び5mLの2-プロパノールの混合液を加え、攪拌した。これをステンレス製水熱合成反応器に封入し、200℃で6時間反応させた。その後、固形分を洗浄した後、乾燥し、大気雰囲気下、400℃で1時間焼成させることで、ニオブドープルチル型酸化チタンを回収した。回収した粉末を用いて、後述する充放電サイクル測定の方法により、塗布電極を作製してナトリウムイオン二次電池のコインセルにより充放電サイクル測定を実施した。
比較例3
0.144gのドデシル硫酸ナトリウムを50mLの1.6Mグリコール酸水溶液中に加え、攪拌した。その後、この水溶液に対し、5mLのオルトチタン酸テトライソプロピル、0.4mLのニオブペンタエトキシド及び5mLの2-プロパノールの混合液を加え、攪拌した。これをステンレス製水熱合成反応器に封入し、200℃で6時間反応させた。その後、固形分を洗浄した後、乾燥し、大気雰囲気下、300℃で1時間焼成させることで、ニオブドープルチル型酸化チタンを回収した。回収した粉末を用いて、後述する充放電サイクル測定の方法により、塗布電極を作製してナトリウムイオン二次電池のコインセルにより充放電サイクル測定を実施した。
比較例4
4.86gの塩化ニオブを150mLの35%塩酸に溶解させた。その後、この水溶液に対し、純水100mL、53.95gのオルトチタン酸テトライソプロピルを加えた。その後、80℃で4時間、100℃で4時間反応させた。その後、固形分を洗浄した後、乾燥し、ニオブドープルチル型酸化チタンを回収した。回収した粉末を用いて、後述する充放電サイクル測定の方法により、塗布電極を作製してナトリウムイオン二次電池のコインセルにより充放電サイクル測定を実施した。
(充放電サイクル測定)
[塗布電極の作製]
実施例1、2又は比較例1~4で得られた酸化チタン粉末を負極活物質とし、これらとアセチレンブラック(AB)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、およびスチレンブタジエンゴム(SBR)を重量比で70:15:10:5、合計1gとなるように混合した。スラリーの混錬は、溶媒として90℃の純水を4mL加え、15分間のボールミル処理を行うことで実施した。混錬したスラリーを厚さ20μmの集電体銅箔に塗布し、乾燥させて電極を得た。
[コインセル作製]
ナトリウムイオン二次電池は、上記の負極と、対極として金属ナトリウム箔、セパレータとしてWhatmanガラス繊維フィルタを用い、電解液を注入して、2032型コインセルを作製した。電解液には1Mナトリウムビス(フルオロスルホニル)アミド/PC(プロピレンカーボネート)を用いた。
[充放電サイクル測定]
上記コインセルを用いて、30℃で、電位範囲0.005~3.000V(vs.Na/Na)、電流密度50mA/gで行った。実施例1、2及び比較例1の結果を図1に示す。また、30サイクル目における放電容量を評価した。結果を表2に示す。
(酸化チタンの各種測定)
実施例1、2、及び、比較例1~4で使用した酸化チタンについて、以下の方法によりX線回折パターン測定と比表面積測定を行った。これらより、比A/Bを算出した。また、下記の方法により、ニオブ元素含有量(化学式Ti1-xNb2-yにおけるx)及び、酸化チタンの酸素欠陥量(化学式Ti1-xNb2-yにおけるy)を算出した。結果を表1に示す。
[酸化チタンのX線回折パターン測定]
酸化チタンのX線回折パターン測定は粉末X線回折装置((株)リガク製RINT-TTR III、線源CuKα)を用いて、光学系は平行ビーム光学系、測定範囲は2θ=20.0000°~80.0000°、測定電圧、および測定電流は50kV、300mAの条件で測定した。
[酸化チタンの比表面積]
全自動比表面積測定装置((株)マウンテック製HM model-1220)を用いて、130℃で30分脱気・乾燥した後、BET1点法で測定した。結果を表1に示す。
[ニオブドープルチル型酸化チタンの単結晶性]
比表面積から算出される粒子径Aと、X線回折パターンにおいて、2θ=27.4°付近のピークから算出される結晶子径Bとの比A/Bにより、単結晶性を算出した。比表面積から算出される粒子径Aは、比表面積と同一の表面積を有する球の直径に相当する。よって、粒子径Aは、次式(1)の換算式によって求めた。
A=[6/(SSA×ρ)]×1000 (1)
式(1)において、Aは比表面積から算出される粒子径(nm)、SSAは粒子の比表面積(m/g)、ρは粒子の密度(g/cm)を表す。密度の値は4.26である。 一方、結晶子径BはX線回折パターンにおいて2θ=27.4°付近のピークを用いてSherrerの式により求めた。Sherrerの式における形状因子Kは0.94とした。
[ニオブ元素含有量]
ニオブ元素含有量は蛍光X線分析装置((株)島津製作所製EDX-720)を用いて、検量線法により、チタンとニオブの元素比から算出した。測定電圧は15kVとした。
[酸化チタンの酸素欠陥量]
酸化チタンは400℃以上で加熱処理することで、酸素欠陥部分に酸素が取り込まれ、酸素欠陥量yは0となる。これを利用して、実施例1で合成したルチル型酸化チタンを大気雰囲気下、400℃で加熱処理した際に増加する重量分から、酸素欠陥量y=0.24を算出した。
また、酸素欠陥量は格子定数a、bと線形の相間関係があることから、格子定数a、bを算出することにより酸素欠陥量を簡易的に算出することができる。格子定数は各ルチル型酸化チタンのX線回折パターンをもとに無機結晶構造データベース(ICSD No. 00-021-1276)を用いて算出できる。
酸素欠陥量y=0.24及びy=0のルチル型酸化チタンの格子定数a、bは0.46225nm及び0.46084nmであることから、2点検量線を作成した。作成した検量線から、実施例2で合成したルチル型酸化チタンの酸素欠陥量yを算出したところ、y=0.19であった。
比較例1で合成した亜酸化チタンはマグネリ相を有するため、化学式はTiO1.75となり、酸素欠陥量yは0.25となる。
比較例2~4についても、上記酸素欠陥量測定において作製した検量線からルチル型酸化チタンの酸素欠陥量yを算出したところ、それぞれy=0、0.13、0.15であった。
結果を表1に示す。
Figure 0007377518000001
Figure 0007377518000002
表2、及び図1の結果から、単結晶性の指標である比A/Bが1.5以下であり、かつ酸素欠陥量yが0.15以上、0.25未満である実施例1、2のニオブドープルチル型酸化チタンを電極材料として用いることで、放電容量が高く、サイクル特性に優れた電極となることが確認された。

Claims (4)

  1. ニオブ元素がドープされたルチル型酸化チタンを含む電極材料であって、該ニオブ元素がドープされたルチル型酸化チタンは、比表面積から算出される粒子径Aと、X線回折パターンにおいて、2θ=27.4°付近のピークから算出される結晶子径Bとの比A/Bが1.5以下であり、かつ、化学式Ti1-xNb2-yにおいてxが0.05~0.18の範囲内でニオブ元素がドープされたものであり、酸素欠陥量yが0.15以上、0.25未満であることを特徴とする電極材料。
  2. 前記ニオブ元素がドープされたルチル型酸化チタンは、比表面積が10~50m/gであることを特徴とする請求項に記載の電極材料。
  3. 請求項1又は2に記載の電極材料を含んでなることを特徴とする電極。
  4. 請求項に記載の電極を含んで構成されることを特徴とする電池。
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