JP7376009B2 - コラーゲン配合飲料およびその製造方法 - Google Patents

コラーゲン配合飲料およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7376009B2
JP7376009B2 JP2017184903A JP2017184903A JP7376009B2 JP 7376009 B2 JP7376009 B2 JP 7376009B2 JP 2017184903 A JP2017184903 A JP 2017184903A JP 2017184903 A JP2017184903 A JP 2017184903A JP 7376009 B2 JP7376009 B2 JP 7376009B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
beverage
collagen
stain
concentration
coffee
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017184903A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019058094A (ja
Inventor
亜希子 木下
桂子 中嶋
あずさ 工藤
かおり 小川
英行 若林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kirin Holdings Co Ltd
Original Assignee
Kirin Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kirin Holdings Co Ltd filed Critical Kirin Holdings Co Ltd
Priority to JP2017184903A priority Critical patent/JP7376009B2/ja
Publication of JP2019058094A publication Critical patent/JP2019058094A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7376009B2 publication Critical patent/JP7376009B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Tea And Coffee (AREA)

Description

本発明は、コラーゲンが配合されてなる発酵茶飲料またはコーヒー飲料とその製造方法に関する。
近年の口腔審美に対する意識の高まりから、歯の着色汚れであるステインは審美上の主要な課題となっている。ステインは、食品中に含まれるポリフェノール、クルクミン、アミノカルボニル反応物等の着色物質や、煙草のタール(ヤニ)等の着色物質と、歯のエナメル質表面を覆う唾液成分ペリクルが結合して歯に付着することで生じることが知られている。
歯に付着したステインの除去を目的とした様々な手法が開発・検討されてきている。例えば、特許文献1には、ポリリン酸塩など4成分を含有するステイン除去効果の高い歯磨剤組成物が開示されている。特許文献2には、メタリン酸ナトリウムを含有するステイン除去用口腔用組成物が開示されている。しかし、これらの技術は、歯牙に付着したステインの除去を目的とした技術であり、歯牙へのステイン付着の抑制を目的とした食品はこれまで知られていない。
特開2013-112654号公報 特開2015-137274号公報
本発明は、それ自身に含まれるポリフェノールに起因する歯牙へのステイン付着と、煙草の吸引および/またはステイン付着性食品の摂取に起因する歯牙へのステイン付着とを抑制することができる発酵茶飲料およびコーヒー飲料とその製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは今般、紅茶飲料と一緒に煙草を吸引したり、ステイン付着性食品を摂取したりすると、歯牙へのステイン付着がより強まること、そして、紅茶飲料摂取時の煙草やステイン付着性食品に起因するステイン付着を所定濃度のコラーゲンが効果的に抑制することを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]コラーゲンが配合されてなる発酵茶飲料またはコーヒー飲料であって、飲料中のポリフェノール濃度に対するコラーゲン濃度の比率が2.3以上である、発酵茶飲料またはコーヒー飲料(以下、それぞれを「本発明の発酵茶飲料」、「本発明のコーヒー飲料」といい、両者を併せて「本発明の飲料」ということがある)。
[2]ステイン付着抑制に用いるための、上記[1]に記載の飲料。
[3]ステイン付着が、発酵茶飲料またはコーヒー飲料の摂取並びに煙草の吸引および/またはステイン付着性食品の摂取に起因する、上記[1]または[2]に記載の飲料。
[4]飲料中のコラーゲン濃度が、0.1質量%以上である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の飲料。
[5]飲料中のポリフェノール濃度が、10~60mg/100mLである、上記[1]~[4]のいずれかに記載の飲料。
[6]飲料のpHが、5.5~7.0の範囲内である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の飲料。
[7]紅茶飲料である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の飲料。
[8]コラーゲンを配合することを含んでなる、ステイン付着抑制に用いるための発酵茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法であって、飲料中のポリフェノール濃度に対するコラーゲン濃度の比率が2.3以上となるようにコラーゲンを配合する、製造方法。
本発明の発酵茶飲料およびコーヒー飲料は、煙草の吸引や、ステイン付着性食品の摂取の際に一緒に摂取しても、飲料自身に含まれるポリフェノールに起因する歯牙へのステイン付着と、煙草の吸引および/またはステイン付着性食品の摂取に起因する歯牙へのステイン付着とを抑制することができるため、ステイン付着を懸念せずに摂取ができる点で有利である。
発明の具体的説明
本発明の飲料に配合されるコラーゲンは、家畜(例えば、ウシ、ブタ)や、家禽(例えば、ニワトリ)のコラーゲン組織(例えば、皮)から抽出したコラーゲンであってもよいし、魚類のコラーゲン組織から抽出したコラーゲンであってもよく、特に限定されるものではない。コラーゲンは、市販品を利用することもできる。
本発明においてコラーゲンは、飲料に溶解させて使用するため水溶性のものを使用することができる。ここで、水溶性コラーゲンとは、不溶性の天然コラーゲンが水溶性となるよう処理されたものを意味する。水溶性コラーゲンとしては、天然コラーゲンを熱変性させて得られたゼラチンや、天然コラーゲンまたはゼラチンを加水分解して得られたコラーゲンペプチドが挙げられ、これらをさらに加工した物(例えば、酵素修飾物、化学修飾物)であってもよい。
コラーゲンの分子量は特に限定されないが、飲料に溶解させて使用することを考慮すると、例えば、重量平均分子量500~300000(好ましくは1000~200000、より好ましくは3000~200000)のものを使用することができる。
本発明においては、コラーゲンまたはゼラチンの加水分解物であるコラーゲンペプチドを有効成分として使用することができる。すなわち、本発明において「コラーゲン」はコラーゲンペプチドを含む意味で用いられる。コラーゲンペプチドは、コラーゲンまたはゼラチンを酵素や酸により加水分解して得られるペプチドであり、市販品を利用することもできる。
コラーゲンペプチドの分子量は特に限定されないが、飲料に溶解させて使用することを考慮すると、例えば、重量平均分子量500~100000(好ましくは1000~50000、より好ましくは3000~20000)のものを使用することができる。ここで、本発明において使用されるコラーゲンおよびコラーゲンペプチドの重量平均分子量とは、分子量測定用プルランを標準として、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析によって求めた値をいい、例えば、写真用ゼラチン試験法(PAGI法)第10版に記載されている方法で測定することができる。
本発明の飲料においては、飲料中のポリフェノール濃度に対するコラーゲン濃度の比率が所定値であることを特徴とする。本発明において、飲料中のポリフェノール濃度は、茶類のポリフェノール量を評価する際の基準である日本食品分析センター編「五訂 日本食品標準成分分析マニュアルの解説」(日本食品分析センター編、中央法規、2001年7月、p.252)に記載の公定法(酒石酸鉄吸光度法)を用いて測定することができる。また、飲料中のコラーゲン濃度は、コラーゲンの配合量に基づいて算出することができる。
ここで、酒石酸鉄吸光度法により測定したポリフェノール濃度の単位は「mg/100mL」であるが、コラーゲン濃度の単位が「質量%」の場合には、「質量%」に換算して上記比率を算出する。すなわち、Amg/100mLは0.001×A質量%に換算されるから、例えば、ポリフェノール濃度が45mg/100mLの場合には、0.045質量%に換算することができる。
本発明の飲料においては、飲料中のポリフェノール濃度に対するコラーゲン濃度の比率の下限値が2.3以上(好ましくは3.5以上であり、より好ましくは4.6以上)である。飲料中のポリフェノール濃度に対するコラーゲン濃度の比率を上記のように特定することにより、煙草やステイン付着性食品に起因する歯牙へのステイン付着を効果的に抑制することができる。本発明の飲料においてはまた、飲料中のポリフェノール濃度に対するコラーゲン濃度の比率の上限値を200(好ましくは100)とすることができ、飲料中のポリフェノール濃度に対するコラーゲン濃度の比率の数値範囲は、例えば、2.3~200(好ましくは4.6~100)とすることができる。
本発明の飲料におけるコラーゲン濃度は、飲料中のポリフェノール濃度に対するコラーゲン濃度の比率を満たしつつ、ステインの付着抑制効果をよりよく発揮させる観点から、例えば、下限値を0.1質量%(好ましくは0.2質量%)とすることができ、該濃度の上限値は2.0質量%(好ましくは1.0質量%)とすることができる。本発明の飲料中のコラーゲン濃度は、例えば、0.1~2.0質量%または0.2~1.0質量%とすることができる。
本発明の飲料中のポリフェノール濃度は、例えば、10~60mg/100mLの範囲内とすることができ、好ましくは20~50mg/100mL、より好ましくは20~45mg/100mLの範囲内である。本発明の飲料中のポリフェノール濃度は、飲料の原料(例えば、茶葉抽出物および/または茶類エキス)のポリフェノール濃度を測定することにより、所定の範囲に調整することができる。あるいは、予めポリフェノール濃度が調整された茶葉抽出物および/または茶類エキスを飲料に対して所定量添加することによっても、飲料中のポリフェノール濃度の調整を行うこともできる。
本発明において「発酵茶飲料」とは、紅茶飲料などの狭義の発酵茶飲料に加えて、烏龍茶飲料などの半発酵茶飲料を含む意味で用いられるものとする。
本発明の飲料は、ステインの付着抑制を目的として用いることができる。本発明において「ステイン付着」はヒトを含む哺乳動物の歯牙(特にヒトの歯)へのステイン付着を意味する。また、本発明において「ステイン付着」は、口腔を通じてなされる吸引または摂取に起因する着色現象を意味する。ステイン付着の原因としては、煙草の吸引、ステイン付着性食品の摂取が挙げられ、その原因物質としては、タール、ポリフェノール、アミノカルボニル反応物、アントシアニン、リコピン、カロテノイドが挙げられる。ポリフェノールを含有する食品としては、紅茶飲料などの茶飲料およびコーヒーや、ポリフェノールの一種であるクルクミンを含有するカレーが挙げられ、アミノカルボニル反応物を含有する食品としては、ソース、シロップが挙げられる。
本発明において「ステイン付着抑制」とは、煙草中、あるいは、食品(例えば、茶飲料、コーヒー、ソース、カレー、果実、緑黄色野菜)中のステイン原因物質(例えば、ポリフェノール、タール、アミノカルボニル反応物、アントシアニン、リコピン、カロテノイド)の歯牙への付着が抑制されることをいう。
本発明の飲料は、煙草の吸引前、吸引中および/または吸引後に口腔内に適用するか、あるいは摂取することで、煙草吸引に起因するステイン付着をよりよく抑制することができ、好ましくは煙草吸引直前、煙草吸引中および/または煙草吸引直後の口腔内への適用か、あるいは摂取である。本発明の飲料はまた、ステイン原因物質を含有する食品の摂取前、摂取中または摂取後に口腔内に適用するか、あるいは摂取することで、該食品の摂取に起因するステイン付着をよりよく抑制することができ、好ましくは該食品の摂取直前、摂取中および/または摂取直後の口腔内への適用か、あるいは摂取である。
後記例3に示されるように、発酵茶飲料の一種である紅茶飲料と一緒に煙草の吸引やステイン付着性食品の摂取をすると、歯牙へのステイン付着がより強まるが、本発明の発酵茶飲料やコーヒー飲料はこのような強いステイン付着を効果的に抑制できる点で有利である。すなわち、本発明によれば、ステイン付着を憂慮せずに、発酵茶飲料やコーヒー飲料を摂取しつつ、煙草の吸引やステイン付着性食品の摂取することができる。
本発明において、ステイン付着は、被験組成物浸漬前の歯牙と、着色原因物質存在下での被験組成物浸漬後の歯牙の歯牙表面の色差をL*a*b*表色系(JIS Z8722:2009)で測定することにより求めることができる(後記実施例の例1(3)参照)。被験組成物浸漬前の歯牙と、着色原因物質存在下での被験組成物浸漬後の歯牙の歯牙表面の色差が、対照組成物に浸漬した場合に比べて減少した被験組成物では、該被験組成物によりステイン付着が抑制されたと判断することができる。歯牙表面の色差は、例えば分光色差計により求めることができる。測定に用いる歯牙としては、例えば、ハイドロキシアパタイトペレット(ペンタックス社製)を用いることができる。
本発明においては、被験組成物浸漬前の歯牙と着色原因物質存在下での被験組成物浸漬後の歯牙の歯牙表面の色差Δbが、対照組成物浸漬後の歯牙の歯牙表面の色差Δbよりも小さかった場合に、ステイン付着が抑制されたと判定することができる。
本発明の飲料では、通常の飲料の製造に用いられている飲料用添加剤、例えば、甘味料、酸味料、香料、色素、果汁、食品添加剤(例えば、起泡・泡持ち向上剤、苦味料、保存料、酸化防止剤、増粘安定剤、乳化剤、食物繊維、pH調整剤)などを添加してもよい。
本発明の飲料のpHは、5.5~7.0(好ましくは5.5~6.5)の範囲とすることができる。本発明の飲料のpHは、通常の飲料のpHを調整する手法により調整することができ、例えば、炭酸水素ナトリウムを用いて調整することができる。
本発明の飲料は、容器詰め飲料の形態で提供することができる。容器詰め飲料の容器とは、内容物と外気との接触を断つことができる密閉容器を意味し、例えば、金属缶、樽容器、プラスチック製ボトル(例えば、PETボトル、カップ)、紙容器、瓶、パウチ容器などが挙げられる。
本発明の飲料の製造は、コラーゲンを原材料に添加する点を除いては、発酵茶飲料やコーヒー飲料の製造に用いられる通常の方法に従って実施することができる。
例えば、本発明の発酵茶飲料は、通常の発酵茶抽出液の調製に用いられている方法を用いて製造される茶抽出液から調製することができる。本発明において「茶抽出液」とは、茶葉を抽出処理に付することにより得られる、抽出液を意味する。以下、発酵茶飲料のうち紅茶飲料を例に調製方法を説明する。
本発明に用いられる紅茶抽出液は、紅茶葉からの抽出液それ自体や、その加工品類(例えば、濃縮液体エキス、粉末エキス)などが挙げられ、従来、紅茶飲料の製造に用いられている紅茶抽出原料であれば、特に限定されず、適宜選択することができる。
紅茶葉の抽出処理は、特に限定されず、食品加工分野で一般的に用いられている種々の抽出方法を用いることができ、例えば、溶媒抽出、気流抽出、圧搾抽出などが包含され、必要に応じて、沈殿もしくは濾過などの固液分離、濃縮、遠心分離、乾燥(例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥)または粉末化などの処理をさらに施してもよい。
ここで、溶媒抽出で用いられる抽出溶媒としては、水(例えば、硬水、軟水、イオン交換水および天然水)が望ましい。抽出溶媒の量は、当業者が適宜選択することができ、特に限定されない。例えば、抽出溶媒が水の場合は、その量は、茶葉の1~100倍量(質量)である。抽出温度および時間は、当業者が適宜選択することができ、特に限定されない。例えば、抽出溶媒が水の場合は、その温度および時間は、10~120℃で1分~12時間である。
抽出処理の一例としては、紅茶葉を、水中に、0~90℃で、1分~24時間浸漬および攪拌し、その後、紅茶葉を濾過または遠心分離する方法が挙げられる。ここで、抽出時の温度や時間などの条件は、特に限定されず、紅茶葉の種類や量によって当業者が任意に選択し、かつ設定することができる。
本発明に用いられる紅茶葉は、茶期や、茶葉の形状、産地、品種や種類および等級などは限定されず、一般に飲用で市販されている乾燥茶葉を使用することができる。紅茶葉の種類は、例えば、スリランカ産茶葉(例えば、ウバ、ディンブラ、キャンディ、ラトナプラ、ギャル、ルフナ)、インド産茶葉(例えば、アッサム、ダージリン、ニルギリ)、ケニア、キーマン、ジャワとしてもよい。これらは1種類を使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
紅茶抽出液の調製において、紅茶エキスや紅茶パウダーなどの紅茶抽出液の濃縮物や精製物を用いてもよく、例えば、ポリフェノン(三井農林社製)などの市販品を用いることができる。また、これらの濃縮物や精製物は、そのまままたは水で溶解もしくは希釈したものを単独で使用しても、複数の種類を混合して用いても、紅茶抽出液と混合して用いてもよい。
紅茶以外の発酵茶飲料(例えば、烏龍茶飲料)についても、紅茶飲料と同様に調製することができる。
また、本発明のコーヒー飲料は、一般的な方法により抽出されたコーヒー抽出液から調製することができる。本発明において「コーヒー抽出液」とは、例えば、コーヒーミル(グラインダー)により粉砕した焙煎コーヒー豆から各種方法により得られる抽出液(いわゆるレギュラーコーヒー)のほか、コーヒーから抽出した成分を含有する液体がすべて包含され、コーヒー焙煎豆の冷水、温水、熱水、加圧熱水による抽出液や、プロピレングリコール水溶液、ショ糖脂肪酸エステルなどの食品添加物として許容されている界面活性剤の水溶液による抽出液、炭酸ガスなどの臨界抽出により得られた抽出液、インスタントコーヒーの溶解液なども包含される。コーヒー抽出液は上述したいずれであってもよいが、コーヒー抽出液は、好ましい態様によれば、焙煎したコーヒー豆を熱水(例えば、コーヒー豆の10倍量)で抽出した後、冷却してコーヒー抽出液とすることが好ましい。また、コーヒー豆からの抽出方法については、特に限定されず、例えば、ボイリング式、エスプレッソ式、サイフォン式、ドリップ式(例えば、ペーパー、ネル)が挙げられる。100gの抽出液を調製するために用いられるコーヒーの焙煎豆量は、例えば、5~50gとすることができ、好ましくは10~20gである。コーヒーの抽出は、例えば、焙煎コーヒー豆またはその粉砕物を水(20℃~100℃)で5~100分かけて抽出することにより実施できる。
本発明で用いられるコーヒー豆の種類は特に限定されないが、例えば、ブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウンテンが挙げられ、これらの1種または2種以上をブレンドして用いても良い。コーヒー豆種としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種があり、好ましくは、香味の観点から、アラビカ種を用いることができる。コーヒー豆を焙煎により焙煎コーヒーとする方法については、特に限定されるものではなく、焙煎温度、焙煎環境についても限定されない。焙煎方法としては直火式、熱風式、半熱風式などが挙げられる。焙煎コーヒーの焙煎度としては特に限定されるものではなく、例えばライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンのいずれを用いても良く、焙煎度の異なるコーヒー豆を複数種混合しても良い。
本発明の飲料の製造に当たっては、当業界に公知の製造技術を用いて製造することができ、例えば、「改訂新版ソフトドリンクス」(株式会社光琳)を参考にすることができる。
本発明の飲料の製造手順において、コラーゲンの添加時期は特に制限されず、例えば、原材料の調合工程において添加することができる。発酵茶抽出物またはコーヒー抽出物にコラーゲンを添加する手順と、飲料用添加剤等の他の配合成分を添加する手順は、同時に実施しても、別々に実施してもよく、別々に実施する場合にはいずれが先であってもよい。
本発明により提供される飲料は、抽出工程、調合工程、充填工程および殺菌工程などの工程を経て容器詰め飲料として提供することができる。例えば、調合工程で得られた飲料を常法に従って殺菌し、容器に充填することができる。殺菌は容器への充填前であっても充填後であってもよい。
本発明の飲料の製造において殺菌処理を行う場合、食品分野で一般的に用いられている種々の殺菌方法を用いることができ、典型的には加熱殺菌法を用いることができる。使用できる殺菌方法としては、例えば、レトルト殺菌、UHT殺菌、低温殺菌、HTST殺菌などが挙げられる。これらの加熱殺菌方法は飲料の製造に通常用いられている条件で実施することができる。
本発明の別の面によれば、コラーゲンを配合することを含んでなる、ステイン付着抑制に用いるための発酵茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法であって、飲料中のポリフェノール濃度に対するコラーゲン濃度の比率が2.3以上となるようにコラーゲンを配合する、製造方法が提供される。本発明の製造方法は、本発明の飲料とその製造に関する記載に従って実施することができる。
以下の例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
例1:コラーゲン配合紅茶飲料によるステイン付着抑制効果(1)
(1)煙草抽出液の調製
吸引ろ過瓶に50gのmilliQ水を入れ、ガラス管を刺したゴム栓を取り付けた。ガラス管の先端に煙草(Marlboro gold 100’s(登録商標)、フィリップモリス社製)1本を刺して点火し、直ちにポンプで吸引した。先端から5cmの長さになるまで煙草を燃やし、吸引を終了した。合計10本の煙草について同様の操作を繰り返した。吸引ろ過瓶から液体を回収し、これを煙草抽出液とした。
(2)コラーゲン配合紅茶飲料の調製
紅茶葉50gを、70℃の熱水1500gで7分間撹拌しながら抽出した。得られた紅茶抽出液を用いてポリフェノール量が45mg/100mL(酒石酸鉄法にて測定)となるように配合量を決定し、ビタミンCを終濃度0.04%となるように抽出液に配合し、さらに、3種類の市販のコラーゲン(イクオスHDL-50DR(新田ゼラチン社製、重量平均分子量:5000)、水溶性コラーゲンペプチドSS(協和発酵バイオ社製、重量平均分子量:6600)、スーパーコラーゲンペプチドSCP-2000(新田ゼラチン社製、重量平均分子量:1100))をそれぞれ終濃度0.4%、0.2%、0.1%、0.05%となるように紅茶抽出液に配合した後、重曹を配合してpH6.2に合わせ、紅茶飲料調合液を得た。得られた調合液は缶に充填してレトルト殺菌(121℃、7分)処理した。対照飲料としては、市販コラーゲンを配合せず、同様の手順で調合および殺菌したサンプルを用いた。
(3)着色試験
上記(1)で得られた煙草抽出液と上記(2)で得られた各紅茶飲料調合液を1:1(質量比)で混合して、各試験溶液を調製した。対照溶液は、上記(1)で得られた煙草抽出液と上記(2)で得られた対照飲料を1:1(質量比)で混合して調製した。各試験溶液によるステイン付着は、ハイドロキシアパタイトペレット(APP-100、PENTAX社、以下「HAP」という)を用いて評価した。分光色差計(SE7700、日本電色工業社製)を用いてHAPの表面を測色後、HAPを人工唾液(50mM塩化カリウム、1mM塩化カルシウム、0.1mM塩化マグネシウム、1mMリン酸2水素カリウム、1%アルブミン、pH7.0)に37℃で7時間浸漬した。浸漬後のHAPを全イオン交換水で洗浄した後、HAPを各試験溶液に37℃で24時間浸漬させた。浸漬後のHAPの表面を測色し、浸漬前後のHAP表面の色差Δbを算出した。色差Δbが対照溶液よりも低い値を示した試験溶液では、ステイン付着が抑制されたと判断した。着色試験は3回行い、色差Δbの平均値を求めた。
HAPの測色は、JIS Z8722:2009に基づくL*a*b*表色系のL*軸(明度)、a*軸(彩度:赤・緑軸)、b*軸(彩度:黄・青軸)で、反射測定条件、測定径φ6mmで上記分光色差計を用いて測定した。浸漬前のHAPの測色値をL1、a1、b1、浸漬後のHAPの測色値をL2、a2、b2とした時、以下の式により色差Δbとして算出した。
Δb=b2-b1
(4)結果
結果は表1に示される通りであった。
Figure 0007376009000001
コラーゲン添加量0.1%以上(ポリフェノール濃度に対するコラーゲン濃度が2.3倍以上)において、コラーゲン濃度依存的に煙草に起因するステイン付着が抑制された。
例2:コラーゲン配合紅茶飲料によるステイン付着抑制効果(2)
(1)コラーゲン配合紅茶飲料の調製
コラーゲン配合紅茶飲料の調製は、例1(2)に記載の手順に従って行った。但し、市販のコラーゲンのうちイクオスHDL-50DRと、スーパーコラーゲンペプチドSCP-2000について試験を行い、終濃度0.2%、0.1%となるように紅茶抽出液に配合した。
(2)着色試験
市販の中濃ソース(ブルドック中濃ソース、ブルドックソース社製)と上記(1)で得られた各紅茶飲料調合液を1:1(質量比)で混合して、各試験溶液を調製した。対照溶液は、市販の中濃ソースと上記(1)で得られた対照飲料を1:1(質量比)で混合して調製した。各試験溶液による着色試験は、例1(3)に記載の手順に従って行った。
(3)結果
結果は表2に示される通りであった。
Figure 0007376009000002
コラーゲン添加量0.1%以上(ポリフェノール濃度に対するコラーゲン濃度が2.3倍以上)において、コラーゲン濃度依存的にソース摂取に起因するステイン付着が抑制された。
例3:ステイン付着の程度
例1および2に示されるように、煙草やステイン付着性食品によるステイン付着がコラーゲンにより抑制されることが示されたが、本試験例では紅茶飲料がステイン付着にどの程度寄与しているかを確認した。
(1)試験溶液の調製と着色試験
例1(1)で得られた煙草抽出液と、水あるいは例1(2)で得られた対照紅茶飲料とを1:1(質量比)で混合して、試験溶液1および2を調製した。また、市販の中濃ソース(ブルドック中濃ソース、ブルドックソース社製)と、水あるいは例1(2)で得られた対照紅茶飲料とを、1:1(質量比)で混合して、試験溶液3および4を調製した。対照溶液は、例1(2)で得られた対照紅茶飲料と水を1:1(質量比)で混合して調製した。対照溶液および各試験溶液による着色試験は、例1(3)に記載の手順に従って行った。
(2)結果
結果は表3に示される通りであった。
Figure 0007376009000003
対照溶液、試験溶液1および試験溶液2の比較から明らかなように、煙草と紅茶飲料とを組み合わせて適用した場合には、煙草・紅茶飲料単独よりも強いステイン付着が認められた。また、対照溶液、試験溶液3および試験溶液4の比較から明らかなように、ステイン付着性食品であるソースと紅茶飲料とを組み合わせて適用した場合にも、ソース・紅茶飲料単独よりも強いステイン付着が認められた。これらの結果から、本発明の飲料は、このような強いステイン付着の抑制に効果を発揮することが判明した。

Claims (6)

  1. コラーゲンが配合されてなる、ステイン付着抑制に用いるための発酵茶飲料またはコーヒー飲料であって、飲料中のポリフェノール濃度に対するコラーゲン濃度の比率が2.3以上であり、前記コラーゲンの分子量が重量平均分子量500~6600であり、かつ、ステイン付着が発酵茶飲料またはコーヒー飲料の摂取並びに煙草の吸引および/またはステイン付着性食品の摂取に起因するものである、発酵茶飲料またはコーヒー飲料。
  2. 飲料中のコラーゲン濃度が、0.1質量%以上である、請求項1に記載の飲料。
  3. 飲料中のポリフェノール濃度が、10~60mg/100mLである、請求項1に記載の飲料。
  4. 飲料のpHが、5.5~7.0の範囲内である、請求項1に記載の飲料。
  5. 紅茶飲料である、請求項1に記載の飲料。
  6. コラーゲンを配合することを含んでなる、ステイン付着抑制に用いるための発酵茶飲料またはコーヒー飲料の製造方法であって、飲料中のポリフェノール濃度に対するコラーゲン濃度の比率が2.3以上となるようにコラーゲンを配合するものであり、前記コラーゲンの分子量が重量平均分子量500~6600であり、かつ、ステイン付着が発酵茶飲料またはコーヒー飲料の摂取並びに煙草の吸引および/またはステイン付着性食品の摂取に起因するものである、製造方法。
JP2017184903A 2017-09-26 2017-09-26 コラーゲン配合飲料およびその製造方法 Active JP7376009B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017184903A JP7376009B2 (ja) 2017-09-26 2017-09-26 コラーゲン配合飲料およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017184903A JP7376009B2 (ja) 2017-09-26 2017-09-26 コラーゲン配合飲料およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019058094A JP2019058094A (ja) 2019-04-18
JP7376009B2 true JP7376009B2 (ja) 2023-11-08

Family

ID=66175589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017184903A Active JP7376009B2 (ja) 2017-09-26 2017-09-26 コラーゲン配合飲料およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7376009B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006169226A (ja) 2004-12-14 2006-06-29 Sunstar Inc ステインの歯牙付着抑制用チューインガム
JP2007185109A (ja) 2006-01-11 2007-07-26 Yakult Honsha Co Ltd 美容飲料及びその製造方法
JP2009171903A (ja) 2008-01-25 2009-08-06 House Foods Corp 顆粒状造粒物及びその製造方法
JP2013141438A (ja) 2012-01-11 2013-07-22 Yakult Honsha Co Ltd パフィアエキス含有飲料
JP2015154758A (ja) 2014-02-21 2015-08-27 新田ゼラチン株式会社 コラーゲンペプチド含有茶飲料

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002003327A (ja) * 2000-06-20 2002-01-09 Kansai Research Institute 歯牙漂白後仕上用の半透明性歯牙被覆組成物
US20150202311A1 (en) * 2013-12-17 2015-07-23 Q'sai Co., Ltd. Collagen-peptide complex

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006169226A (ja) 2004-12-14 2006-06-29 Sunstar Inc ステインの歯牙付着抑制用チューインガム
JP2007185109A (ja) 2006-01-11 2007-07-26 Yakult Honsha Co Ltd 美容飲料及びその製造方法
JP2009171903A (ja) 2008-01-25 2009-08-06 House Foods Corp 顆粒状造粒物及びその製造方法
JP2013141438A (ja) 2012-01-11 2013-07-22 Yakult Honsha Co Ltd パフィアエキス含有飲料
JP2015154758A (ja) 2014-02-21 2015-08-27 新田ゼラチン株式会社 コラーゲンペプチド含有茶飲料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019058094A (ja) 2019-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI446876B (zh) 呈味改善劑及含有此之茶飲料
JP6527503B2 (ja) 茶飲料及びその製造方法
JP7053348B2 (ja) ポリフェノール含有飲料およびその製造方法
KR101799782B1 (ko) 폴리페놀 성분이 코팅된 커피 원두의 제조방법
AU2019315215A1 (en) Method for producing plant extract that contains chlorophyll
JP4999084B2 (ja) インスタント粉末茶
JP7062394B2 (ja) ポリフェノール含有飲料およびその製造方法
CN107249351A (zh) 含有香料的无色透明的饮料
JP7376009B2 (ja) コラーゲン配合飲料およびその製造方法
JP2006271259A (ja) プロアントシアニジンの渋味低減法ならびにこれにより得られた渋味低減化飲料
CN100577029C (zh) 香味变质抑制剂和柠檬醛变质气味生成抑制剂
JP5525150B2 (ja) 焙煎茶葉粉砕物及びこれを含有する茶飲料
JP6912190B2 (ja) ステインフリー茶飲料
JP6212675B1 (ja) 茶飲料
JP2011072242A (ja) 苦渋味抑制剤
JP5410179B2 (ja) 苦味抑制剤
JP2016154500A (ja) 優れた香味と旨味が持続する容器詰茶飲料の製造方法
JP5536381B2 (ja) 碾茶含有茶飲料
TW201818821A (zh) 粉末飲料
JP2007159541A (ja) 高濃度カテキン類含有液及びその製造方法
CN1915081B (zh) 香味变质抑制剂和柠檬醛变质气味生成抑制剂
JP7139575B2 (ja) 縮合リン酸塩配合飲料
JP2023024696A (ja) ステイン付着抑制用口腔組成物
JP7186087B2 (ja) 容器詰乳含有緑茶飲料の製造方法
JP7226886B2 (ja) 濃厚茶飲料

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20190731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190828

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200824

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210525

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210726

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220317

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20220317

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20220328

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220329

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20220603

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20220607

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20230425

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231013

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7376009

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150