JP7375530B2 - カートリッジ - Google Patents

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Description

本開示は、液体を収容するカートリッジに関する。
プリンターに装着されるカートリッジの中には、特許文献1に記載されているように、プリンターへの装着時に単にカートリッジをプリンターの装着部に押し込むだけではなく、更に回転させて取付けるものが知られている。カートリッジを回転させる目的は、カートリッジをプリンターに係合させ、カートリッジの脱落を防止したり、カートリッジとプリンターとの電気的な接触を図ったりするためである。
特開2019-127034号公報
しかしながら、こうしたカートリッジの回転によって、思わぬ不具合を生じることがある。例えば上記特許文献1に記載のカートリッジでは、単体で保管・輸送される際のインク漏れを防止するために、閉止弁が設けられ、その弁体は、スプリングなどで閉方向に付勢されている。カートリッジをプリンターの装着部に押し込むと、インクをカートリッジからプリンター側に取り出すためのインク供給針が、この弁体に当り、弁体をスプリングの付勢力を抗して開弁方向に移動させる。このとき、更にカートリッジを回転させると、弁体は、インク供給針に対して相対的に回転するから、インク供給針との摩擦力により、回転方向の力を受けることになる。この結果、弁体が回転してスプリングを捻ることになり、弁体を傾ける力が働いて、インク漏れの原因になることも考えられた。特に後者の問題は、カートリッジに対していずれの方向に力が加わってもインクが漏れないように、一つのスプリングの両側に弁体をそれぞれ配置し、相反する二つの方向にスプリングで弁体を付勢するといった構成を採用する場合には、発生しやすい。こうした構成では、一つのスプリングに二つの役割を持たせるため、僅かなアライアンスの狂いでも、インク漏れなどの問題を生じ易いからである。
こうした問題は、インクを収容しこれをプリンターに供給するインクカートリッジに限らず、水、油、薬液、溶液などを収容し、これをウォーターサーバーや液体混合機などの装置本体に供給する種々のカートリッジに共通であった。
本開示は、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。本開示の一態様として、装置本体に対して回転を伴う取付け動作によって装着されるカートリッジが提供される。このカートリッジは、前記装置本体側に設けられた液体供給針を受け入れる開口部と、前記開口部の前記カートリッジ内側の端部を閉止する弁体と、一端が前記弁体に接触し、他端が前記カートリッジ内側の他の部材に当接して、前記弁体を閉弁方向に付勢するスプリングと、前記弁体から前記他の部材までの間に設けられ、前記回転を伴う前記カートリッジの取付け動作によって、前記液体供給針に接触している前記弁体を介して前記スプリングに作用する捻れ方向の力を抑制する抑制部と、を備える。
実施形態のインクカートリッジが装着されたプリンターの外観図。 実施形態のインクカートリッジの装着の様子とプリンターの内部構成の概要を例示する説明図。 インクカートリッジの装着の様子を示す説明図。 第1実施形態におけるインクカートリッジにおける弁機構を示す端面図。 図4のV-V断面図。 第1実施形態における弁体の動きを示す説明図。 第2実施形態のインクカートリッジの弁機構を示す端面図。 第3実施形態のインクカートリッジの弁機構を示す端面図。 第4実施形態のインクカートリッジの弁機構を示す端面図。
A.第1実施形態:
(1)プリンターとインクカートリッジ装着部の構成:
図1は、第1実施形態のインクカートリッジ50から53が装着されるプリンター20の外観を示す外観図である。また、図2は、一つのインクカートリッジ50を代表的に用いて、プリンター20内部の構成を示す説明図である。これらに図示するように、このプリンター20は、プリンター本体25を備え、その下部には、インクカートリッジ50から53がそれぞれ装着される装着部55が設けられている。インクカートリッジ50から53は、複数色のインク、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)をそれぞれ収容しており、その構造は同一である。プリンター20は、インクカートリッジ50等から供給されるインクを用いてカラー印刷を行なう。印刷された用紙PPは、プリンター本体25の上部に設けられた排出口22から排出される。
インクカートリッジ50は、装着部55に差し込まれ、その一番奥まで押し込まれると、プリンター20側に設けられたインク供給針32が、インクカートリッジ50先端の開口部に挿入され、インクカートリッジ50内部に収容されたインクが、プリンター20側に供給可能となる。この状態から、インクカートリッジ50は更に時計方向に90度回転され、インクカートリッジ50の装着は完了する。この状態、つまりインクカートリッジ50が装着部55に正しく装着されると、プリンター本体25の前面に設けられたカバー27を閉めることができる。インクカートリッジ50の挿入が不十分な場合には、カバー27が閉められない。プリンター20は、図示しないセンサーによりカバー27の開閉を監視し、カバー27が正常に閉められていない場合には、印刷を行なわないので、インクカートリッジ50が正しく装着されないまま、プリンター20が使用されることがない。
プリンター20の内部には、上述したインクカートリッジ50が装着される装着部55の他、インクヘッド31を用いて用紙PPに印刷を行なう印刷実行部30や、プリンター20全体を制御する制御部40等が備えられている。印刷実行部30には、インクヘッド31を用紙PPに対して主走査方向に往復駆動する機構や、用紙PPを副走査方向に搬送する機構、インクカートリッジ50からインクを吸引する機構、インクヘッド31を駆動してインクヘッド31からカラーインクのインク滴を用紙PPに吐出するドライバーなどが備えられている。こうした印刷実行部30の構成は周知のものなので、説明は省略する。
制御部40は、各種情報を表示する表示パネル33,プリンターに必要な制御を行なう電子制御装置(ECUとも呼ぶ)35,ネットワークNWとの間で通信を行なう通信部37等が設けられている。ECU35は、周知のCPUやメモリー、更には外部とのデータのやり取りを行なうPIOなども設けられている。CPUが、メモリーに記憶された各種プログラムを実行することにより、通信部37によりネットワークNWを介してコンピューター等から印刷の指示および印刷のためのデータをやり取りする機能、印刷のための各種設定を表示パネル33を用いて行なう機能、インクカートリッジ50との間で情報をやり取りする機能、更には印刷実行部30にドットのオンオフを定めるドットデータを送信して印刷を行なわせる機能、などを実現する。
制御部40が実現する機能のうち、インクカートリッジ50との間で情報をやり取りする機能は、以下のように行なわれる。インクカートリッジ50には、情報を不揮発的に記憶するメモリー80が搭載されている。このメモリー80は、フラッシュROMであり、データの入出力はシリアル通信により行なわれる。メモリー80には、電力を送信するラインと、データをシリアル通信で出し入れするラインとが設けられている。図2では、このラインを2本で描いたが、実際には、同期通信を行なう場合のクロックなども含めて多数本のラインが接続されている。インクカートリッジ50を装着部55に装着することにより、メモリー80と制御部40との間の電気的な接続が行なわれる。
インクカートリッジ50を装着することにより可能となる制御部40の電気的な接続について、図3を用いて説明する。図3は、インクカートリッジ50の取付と電気的な接続について、第1から第3状態に分けて示す説明である。図において、上段は、インクカートリッジ50と装着部55とを平面視した状態を模式的に示しており、下段は、インクカートリッジ50と装着部55とを、インクカートリッジ50の後端側から見た状態を模式的に示している。
インクカートリッジ50には、接続突部70が形成されている。接続突部70は、円筒形のインクカートリッジ50の外周の一箇所において、外方に突出した形状をしている。装着部55には、その入口部分に、接続突部70に対応した凹みが設けられているので、インクカートリッジ50の接続突部70をこの凹みに合わせることで、インクカートリッジ50の位置決めを行なって、インクカートリッジ50を装着部55に挿入する。つまり、接続突部70は、位置決め部材として機能する。接続突部70を用いて位置決めをした上で、インクカートリッジ50を、装着部55に挿入しようとする状態を第1状態として示した。
接続突部70の表面には、図3に示したように、複数のポゴピン71,72が設けられている。このポゴピン71,72には、メモリー80から引き出されたラインが接続されている。電気的な接続を行なうためのコネクターであるポゴピン71,72は、内部にバネを備え、ピンの軸線方向に退避可能なピンである。第1状態から、インクカートリッジ50を装着部55の奥に向かって、図示→FW方向に挿入した状態が第2状態である。第1状態と第2状態とでは、ポゴピン71,72に対する電気的な接続は、まだ行なわれていない。
第2状態とは、インクカートリッジ50の挿入が完了し、プリンター本体25に設けられたインク供給針32がインクカートリッジ50先端の開口部に挿入された状態である。この状態で、使用者は、装着部55から突出した状態のインクカートリッジ50の後端を持って、これを時計回りRTに90度回転した状態が、第3状態である。インクカートリッジ50の回転に伴って、接続突部70も回転し、接続突部70は、電極保持体90と向き合う位置に配置される。なお、接続突部70は、この状態で、インクカートリッジ50の抜け止めとして機能させることも容易である。
電極保持体90は、電極91,92が設けられている。電極91,92は表面が金めっきされた電極板であり、回転された接続突部70のポゴピン71,72の先端が接触する位置に設けられている。もとより、その位置は、配置上のクリアランスを考慮して定められており、通常、電極91,92に接触したポゴピン71,72は、僅かに沈み込み、内部に設けられたバネの弾発力で外方に付勢されて、電極91,92との接触を維持する。
この状態で、制御部40のECU35は、PIOを介して、メモリー80と情報のやり取りが可能となり、そのことで、インクカートリッジ50が正常にプリンター本体25に装着されたことを知ることができる。メモリー80には、インクカートリッジ50の出荷時に、工場で、製造年月日や製造ロット番号、収容するインクの利用期限、収容するインクの種類、残存容量等が書込まれている。ECU35は、これを読み出して、装着部55に装着されたインクカートリッジ50が、プリンター20に適合した使用可能なカートリッジであるかなどを判断することができる。また、インクカートリッジ50に収容されたインクの使用量を、ECU35はソフトウェアによりカウントして、インクが消費された場合には、消費後の残容量をメモリー80に所定のタイミング、例えば印刷の終了毎に書込んでいる。従って、使用中のインクカートリッジ50がプリンター20から取り外されても、再度装着されたり、別のプリンターに装着されたりしても、プリンター20は、装着されたインクカートリッジ50から残容量を読み出すことで、インクカートリッジ50に収容されたインク量を知ることができる。
(2)弁機構の構造と働き:
上述したようにプリンター20の装着部55に装着されたインクカートリッジ50には、液体のインクが収容されている。インクカートリッジ50に収容されたインクは、第2,第3状態として示したように、インクカートリッジ50の開口部にインク供給針32が挿入されると、プリンター本体25側にインクを供給可能となる。これは、インクカートリッジ50の内部に設けられた弁機構60が、インク供給針32によって開状態となるからである。この仕組みについて、次に説明する。
図4は、インクカートリッジ50の先端部の内部に設けられた弁機構60の概略構成を示す端面図である。弁機構60は、図示するように、弁機構ケース61,シール部材62,第1弁体63,第2弁体64,インク供給路65,キャップ66,スプリング67等を備える。シール部材62は、樹脂製の弁機構ケース61が形成する開口部に装着され、第1弁体63に対して弁座として機能すると共に、インク供給針32が差し込まれたとき、インク供給針32の外周に密着してシールするための部材である。シール部材62,第1弁体63,第2弁体64は、それぞれシリコンゴムにより成形されている。もとより、これらの部材は、所望のシール性が実現できれば、他の合成樹脂やゴムにより形成されても差し支えない。また、各部材は、同一の材質でもよく、異なる材質を採用してもよい。
第1弁体63,第2弁体64およびスプリング67は、弁機構ケース61内部に形成された流路61a内に収容され、第1弁体63および第2弁体64が、スプリング67より互いに反対向きに付勢されるように配置されている。第1弁体63,スプリング67,第2弁体64を収容する流路61aは、開口部に挿入されるインク供給針32の軸中心AXに沿って形成されている。第1弁体63,第2弁体64およびスプリング67は、この軸AXにほぼ同心に配置される。第1弁体63は、インクカートリッジ50が単体で保管されている状態では、スプリング67により付勢されて、シール部材62に当接し、閉弁状態を保っている。他方、第2弁体64も、スプリング67により付勢されるが、その方向は、第1弁体63とは逆方向であり、インク供給路65が形成する端面61bに押し付けられ、閉弁状態を保つ。第1弁体63および第2弁体64には、スプリング67の位置決めのために、スプリング67が装着される側に、スプリング67の内径より小さな軸体が形成されている。スプリング67の端部は、第1弁体63および第2弁体64の軸体に緩やかに嵌っている。
第1実施形態では、第1弁体63は、図4のVーV端面図である図5に示すように、外周の一部に外方に突出した抑制部としてのガイド部材69を備える。弁機構ケース61の流路61aの内周面の一部は、ガイド部材69に対応した断面形状の溝68が、軸AX方向に沿って形成されており、第1弁体63は、軸AX周りの回転を規制された状態で、軸AX方向に移動可能とされている。
図4では、インク供給針32は、開口部入口に留まっており、まだ弁機構60の第1弁体63は、開弁されていない(図3、第1状態)。この状態から、インクカートリッジ50を図3の矢印FW方向に押し込んでいくと、相対的に、インク供給針32は、インクカートリッジ50内の弁機構60の内部に進入し、シール部材62により外周がシールされた状態で、第1弁体63を軸AXに沿って後退させ、第1弁体63を開弁状態とする。この状態を、図6に示した。
この状態では、流路61aとインク供給針32とは連通した状態となるが、第2弁体64は、第1弁体63との間に介装されたスプリング67により、端面61bに押しつけられているので、第2弁体64は閉弁状態に保たれる。この状態が、図3に示した第2状態である。更に、インクカートリッジ50を矢印RT方向に回転して、第3状態として示した状態にすると、プリンター20の制御部40は、インクカートリッジ50内部のメモリー80を認識可能となり、インクカートリッジ50が正常に装着されたと判断して、インクの吸引を開始する。インク供給針32には、その中心に図示しないインク供給路が形成されており、プリンター20側からインクを吸引すると、流路61a内は負圧になり、第2弁体64が端面61bから離れ、第2弁体64も開弁状態となる。第1弁体63,第2弁体64が開弁状態となると、インクカートリッジ50内のインクは、インク供給路65を介して流路61a内に流れ込み、最終的に、インク供給針32を介して、プリンター20に供給される。
図3の第2状態からインクカートリッジ50を回転させて第3状態とするとき、インク供給針32は、その先端が、第1弁体63に当接している。従って、インクカートリッジ50を回転すると、インク供給針32が第1弁体63を押す力と、インク供給針32と第1弁体63との摩擦係数に応じた摩擦力が、第1弁体63に加わり、第1弁体63を回転させようとするが、第1実施形態では、ガイド部材69が溝68に嵌っているため、第1弁体63は回転しない。この結果、第1弁体63を付勢しているスプリング67に対して、これを軸AXの周りに回転する力も働くことがない。このため、スプリング67を捻る力が働いて、スプリング67が傾くといった不具合を生じることがない。
B.第2実施形態:
次に第2実施形態のインクカートリッジ50について説明する。第2実施形態のインクカートリッジ50は、弁機構60Aの構造を除いて、他は第1実施形態と同一である。第2実施形態の弁機構60Aの構造を、図7に示す。第2実施形態の弁機構60Aは、第1弁体63Aが第1実施形態の第1弁体63と異なり、ガイド部材69がなく円柱形状をしており、またガイド部材69が嵌り合った流路61aの溝68も形成されていない。第2実施形態では、第1弁体63Aのスプリング67とは反対側、つまりインク供給針32側に、抑制部としての低摩擦部69Aが設けられている。低摩擦部69Aは、第1弁体63Aと同一の外径を有し、その表面の摩擦係数は、第1弁体63Aの摩擦係数より低い。低摩擦部69Aは、例えば第1弁体63Aがシリコンゴムを用いて成形されていれば、高度の高いシリコンゴムや、あるいはポリエステルなどの合成樹脂により成形されてもよい。
第2実施形態では、低摩擦部69Aは第1弁体63Aに接着剤で固定したが、固定は溶着により行なってもよい。あるいは、第1弁体63Aの一部を加熱などにより変性させて、その表面の摩擦係数を低くすることで、低摩擦部69Aとしてもよい。更には、低摩擦部69Aは、第1弁体63Aに固定せず、第1弁体63Aに対して、回転可能に取り付け、低摩擦部69Aと第1弁体63Aとの摩擦係数を小さくして、インク供給針32に対してインクカートリッジ50が回転しても、その影響が第1弁体63A、ひいてはスプリング67に及ばない、または及び難いようにしてもよい。
低摩擦部69Aを備えた第2実施形態のインクカートリッジ50の弁機構60Aは、インクカートリッジ50を装着部55に押し込んでから回転しても、インク供給針32の先端と低摩擦部69Aとの間に働く摩擦力は小さく、インクカートリッジ50の回転によって、第1弁体63Aが回転することが抑制される。従って、第1弁体63Aが回転してスプリング67を捻るといったことが生じにくい。このため、第2実施形態のインクカートリッジは、第1実施形態と同程度の作用効果を奏する。また、流路61aの形状が複雑なものになることがなく、更に組立も容易である。
第2実施形態では、低摩擦部69Aの外径を第1弁体63Aの外径とほぼ同径としたが、低摩擦部69Aの外径は、インク供給針32の外径より有意に大きければよい。例えば、低摩擦部69Aの外径を、シール部材62の内径より小さくし、第1弁体63Aはシール部材62と当接して閉弁状態となるようにしてもよい。こうすれば、第1弁体63Aのシール性と、インク供給針32に対する摩擦力の低下とを、容易に両立させることができる。
C.第3実施形態:
次に第3実施形態のインクカートリッジ50について説明する。第3実施形態のインクカートリッジ50は、弁機構60Bの構造を除いて、他は第2実施形態と同一である。第3実施形態の弁機構60Bの構造を、図8に示す。第3実施形態の弁機構60Bは、第1弁体63Bが第2実施形態の第1弁体63Aと異なり、第3実施形態では、第1弁体63Bのスプリング67側に抑制部としての低摩擦部69Bが設けられている。低摩擦部69Bは、第1弁体63Bの外径より僅かに小さく、スプリング67の外径より大きい外径を有し、そのスプリング67側の表面の摩擦係数は、第1弁体63Bの摩擦係数より低い。第3実施形態では、低摩擦部69Bと第1弁体63Bとは固定されておらず別部材として構成されている。もとより両者を第2実施形態と同様に、接着剤や溶着により固定しても差し支えない。あるいは、第1弁体63Bの一部を加熱などにより変性させて、そのスプリング67側の表面の摩擦係数を低くすることで、低摩擦部69Bとしてもよい。
低摩擦部69Bを備えた第3実施形態の弁機構60Bは、インクカートリッジ50を装着部55に押し込んでから回転したことにより、インク供給針32の先端から第1弁体63Bに作用する摩擦力によって、第1弁体63Bが例え回転しても、第1弁体63Bの回転によって、スプリング67を捻るといったことが生じ難い。このため、第3実施形態のインクカートリッジは、第1,第2実施形態と同様の作用効果を奏する。また、低摩擦部69Bを、第1弁体63Bのシール部材62側とは反対側に設けているので、第1弁体63Bのシール性に影響を与えることがない。第3実施形態では、低摩擦部69Bのスプリング67側の摩擦係数を低くし、つまり低摩擦部69Bが回転してもスプリング67が回転し難いようにしたが、第1弁体63Bと低摩擦部69Bとの摩擦係数を低くして、同様の作用効果を奏するものとしてもよい。
D.第4実施形態:
次に第4実施形態のインクカートリッジ50について説明する。第4実施形態のインクカートリッジ50は、弁機構60Cの構造を除いて、他は第1から第3実施形態と同一である。第3実施形態の弁機構60Cの構造を、図9に示す。第4実施形態の弁機構60Cは、第2弁体64Cのスプリング67側に抑制部としての低摩擦部69Cが設けられている。低摩擦部69Cは、第2弁体64Bの外径より小さく、スプリング67の外径より大きい外径を有し、そのスプリング67側の表面の摩擦係数は、第2弁体64Cの摩擦係数より低い。第4実施形態では、低摩擦部69Cと第2弁体64Cとは固定されている。両者の固定は、接着剤や溶着により行なえばよい。あるいは、第2弁体64Cの一部を加熱などにより変性させて、そのスプリング67側の表面の摩擦係数を低くすることで、低摩擦部69Cとしてもよい。
低摩擦部69Cを備えた第4実施形態の弁機構60Cは、インクカートリッジ50を装着部55に押し込んでから回転したことにより、インク供給針32の先端から第1弁体63に作用する摩擦力によって、第1弁体63とスプリング67が例え回転しても、スプリング67の第2弁体64C側は、低摩擦部69Cとの接触面で回転し、スプリング67の捻れは抑制される。このため、第4実施形態のインクカートリッジ50は、第1から第3実施形態と同様の作用効果を奏する。また、低摩擦部69Cを、第2弁体64C側に設けているので、第1弁体63のシール性に影響を与えることがない。第4実施形態では、低摩擦部69Cのスプリング67側の摩擦係数を低くし、スプリング67に捻れが生じにくいようにしたが、第2弁体64Cに対して、低摩擦部69Cを回転可能な別部材とし、両者の間の摩擦係数を低くしてもよい。
上述した第2実施形態から第4実施形態は、組み合わせて実施してもよい。こうすれば、インクカートリッジ50の回転によってスプリング67が捻られることを、より回避しやすくなる。
E.他の態様:
(1)本開示の他の態様の一つは、装置本体に対して回転を伴う取付け動作によって装着されるカートリッジとしての態様である。このカートリッジは、前記装置本体側に設けられた液体供給針を受け入れる開口部と、前記開口部の前記カートリッジ内側の端部を閉止する弁体と、一端が前記弁体に接触し、他端が前記カートリッジ内側の他の部材に当接して、前記弁体を閉弁方向に付勢するスプリングと、前記弁体から前記他の部材までの間に設けられ、前記回転を伴う前記カートリッジの取付け動作によって、前記液体供給針に接触している前記弁体を介して前記スプリングに作用する捻れ方向の力を抑制する抑制部と、を備えるものとしてよい。
このカートリッジは、抑制部を設けたことで、液体供給針が弁機構に接触した状態でカートリッジを回転しても、液体供給針と接触している弁体を付勢するスプリングに捻れを生じ難くできるという効果が得られる。
(2)こうしたカートリッジにおいて、前記抑制部は、前記弁体の前記スプリングの圧縮方向の移動は許容し、前記弁体の回転を規制する形状を備えたガイド部材であるものとしてよい。こうすれば、カートリッジの回転によって、弁体が回転することがなく、弁体を付勢するスプリングに捻れを生じさせることがないという効果を奏する。
(3)前記抑制部は、前記弁体の摩擦係数より低い摩擦係数を有し、前記弁体の前記液体供給針に接触する表面に設けられた表面部材であるものとしてよい。こうすれば、カートリッジの回転によって、弁体に回転を生じさせにくくでき、弁体を付勢するスプリングに捻れを生じさせ難いという効果を奏する。
(4)こうしたカートリッジにおいて、前記抑制部は、前記弁体の摩擦係数より低い摩擦係数を有し、前記弁体の前記スプリングの前記一端に接触する前記弁体の裏面に設けられた裏面部材であるものとしてよい。こうすれば、例え弁体が回転しても、その回転によってスプリングに捻れを生じさせ難いという効果を奏する。
(5)こうしたカートリッジにおいて、前記抑制部は、前記弁体の摩擦係数より低い摩擦係数を有し、前記スプリングの前記他端が接触する前記他の部材であるものとしてよい。こうすれば、弁体が回転しても、その回転によってスプリングに捻れを生じさせ難いという効果を奏する。
(6)こうしたカートリッジにおいて、前記弁体は、前記スプリングの付勢力により閉弁する第1閉止弁の第1弁体であり、前記他の部材は、前記第1弁体の閉止方向とは逆方向の移動により、前記カートリッジ内に収容された液体の流路を閉止する第2閉止弁の第2弁体であるものとしてもよい。こうすれば、第1弁体が回転しても、その回転によってスプリングに捻れを生じさせ難いという効果を奏する。また、第1弁体と第2弁体とを一つのスプリングで付勢する構成において、スプリングに捻れ生じさせ難くすることができる。なお、第2弁体のない構成も採用可能である。
(7)こうしたカートリッジにおいて、前記回転を伴う取付け動作の際に、前記カートリッジを前記装置本体に位置決めする位置決め部材を備えるものとしてよい。こうすれば、カートリッジを装置本体に容易に位置決めして、回転を伴う取付け動作を行なうことができる。
(8)こうしたカートリッジにおいて、前記カートリッジに収容された液体に関する情報を記憶するメモリーと、前記メモリーと電気的に接続され、前記回転を伴う取付け動作により、前記装置本体側に設けられた端子部材と電気的に接続される複数の電極部材と、を備えるものとしてよい。こうすれば、メモリーと装置本体とを電気的に接続するためにカートリッジを回転しても、スプリングに捻れを生じさせ難くでき、弁体のシール性を損なうことを抑制できる。
(9)前記装置本体はプリンターであり、前記カートリッジは前記プリンターにおいて印刷に用いられるインクを収容したインクカートリッジであるものとしてもよい。こうすれば、インクカートリッジからのインク漏れなどを抑制できる。もとより、カートリッジはインクカートリッジに限らず、水や油、薬液、溶液などを収容するカートリッジであってよく、装置本体はプリンターに限らず、ウォーターサーバーや薬液調製装置など、カートリッジの種類に対応したものであってよい。
(10)本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。例えば、上記実施形態においてハードウェアにより実現した構成の一部は、ソフトウェアにより実現することができる。
20…プリンター、22…排出口、25…プリンター本体、27…カバー、30…印刷実行部、31…インクヘッド、32…インク供給針、33…表示パネル、37…通信部、40…制御部、50…インクカートリッジ、55…装着部、60,60A,60B,60C…弁機構、61…弁機構ケース、61a…流路、61b…端面、62…シール部材、63,63A,63B…第1弁体、64,64B,64C…第2弁体、65…インク供給路、66…キャップ、67…スプリング、68…溝、69…ガイド部材、69A,69B,69C…低摩擦部、70…接続突部、71,72…ポゴピン、80…メモリー、90…電極保持体、91,92…電極、NW…ネットワーク、PP…用紙

Claims (9)

  1. 装置本体に対して回転を伴う取付け動作によって装着されるカートリッジであって、
    前記装置本体側に設けられた液体供給針を受け入れる開口部と、
    前記開口部の前記カートリッジ内側の端部を閉止する弁体と、
    一端が前記弁体に接触し、他端が前記カートリッジ内側の他の部材に当接して、前記弁体を閉弁方向に付勢するスプリングと、
    前記弁体から前記他の部材までの間に設けられ、前記回転を伴う前記カートリッジの取付け動作によって、前記液体供給針に接触している前記弁体を介して前記スプリングに作用する捻れ方向の力を抑制する抑制部と、
    を備えるカートリッジ。
  2. 前記抑制部は、前記弁体の前記スプリングの圧縮方向の移動は許容し、前記弁体の回転を規制する形状を備えたガイド部材である、請求項1に記載のカートリッジ。
  3. 前記抑制部は、前記弁体の摩擦係数より低い摩擦係数を有し、前記弁体の前記液体供給針に接触する表面に設けられた表面部材である、請求項1に記載のカートリッジ。
  4. 前記抑制部は、前記弁体の摩擦係数より低い摩擦係数を有し、前記弁体の前記スプリングの前記一端に接触する前記弁体の裏面に設けられた裏面部材である、請求項1または請求項3に記載のカートリッジ。
  5. 前記抑制部は、前記弁体の摩擦係数より低い摩擦係数を有し、前記スプリングの前記他端が接触する前記他の部材である、請求項1、請求項3または請求項4に記載のカートリッジ。
  6. 前記弁体は、前記スプリングの付勢力により閉弁する第1閉止弁の第1弁体であり、
    前記他の部材は、前記第1弁体の閉止方向とは逆方向の移動により、前記カートリッジ内に収容された液体の流路を閉止する第2閉止弁の第2弁体である、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のカートリッジ。
  7. 前記回転を伴う取付け動作の際に、前記カートリッジを前記装置本体に位置決めする位置決め部材を備える、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のカートリッジ。
  8. 前記カートリッジに収容された液体に関する情報を記憶するメモリーと、
    前記メモリーと電気的に接続され、前記回転を伴う取付け動作により、前記装置本体側に設けられた端子部材と電気的に接続される複数の電極部材と、
    を備える、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のカートリッジ。
  9. 前記装置本体はプリンターであり、前記カートリッジは前記プリンターにおいて印刷に用いられるインクを収容したインクカートリッジである、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のカートリッジ。
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