JP7374856B2 - セメント製造方法及びセメント製造システム - Google Patents

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Description

本発明は、セメント製造設備の排ガス中に含まれるエネルギー起源のCOを活用して、該COの削減及び有害成分の除去を行いながらセメントを製造するセメント製造方法及びセメント製造システムに関する。
火力発電等の各種燃焼設備において、温室効果ガスの削減のため、燃焼で発生、排出されるCOを削減する努力がなされている。特に、社会活動に必要なエネルギーの大部分は石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料から得ていることから、この化石燃料から発生するCOの量は膨大であり、このエネルギー起源のCOを削減することが地球温暖化抑制に有効である。
また、化石燃料として用いる石炭や石油コークス、重油には、これらに含まれる窒素や硫黄を由来とするNOx(一般にフューエルNOxと呼ばれる)、SOxなどの有害成分が含まれており、これらの含む排ガスの処理には多大なコストが必要である。
燃焼排ガス中のCOを削減する技術として、従来、例えば、特許文献1に記載の燃焼排ガス中に含まれる二酸化炭素を分離して水素と反応させることによりメタンを得るメタン化方法が知られている。このメタン化方法では、燃焼排ガスを二酸化炭素吸収材に接触させて燃焼排ガス中の二酸化炭素を吸収させる工程と、二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収材を加熱して二酸化炭素を主成分とするガスを取り出す工程と、二酸化炭素を主成分とするガスに第一の量の水素を添加したガスを、脱硫剤を充填した脱硫器に通じて、ガス中の硫黄化合物を除去する工程と、硫黄化合物を除去する工程を経たガスに第二の量の水素を添加し、メタン化触媒に通じたメタン化反応によりメタンに変換する工程と、を含んでいる。
このメタン化方法を用いることにより、燃焼排ガスからの二酸化炭素の大気への放出を抑制している。
特開2019-172595号公報
特許文献1記載の方法は排出される燃焼ガスをメタン化することで有害成分を減少させることは可能である。一方で、化石燃料由来の燃焼ガスから製造されたメタンを燃焼させれば再びCOとして放出されるため、エネルギー起源のCOを削減しつつ活用して有害成分を除去しているとはいいがたい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、化石燃料由来ではないセメント排ガス中のCOをメタン化し有効活用することで、COの削減及び有害成分の除去を行いながらセメントを製造できるセメント製造方法及びセメント製造システムを提供することを目的とする。
本発明のセメント製造方法は、セメント原料を仮焼する仮焼炉及び仮焼されたセメント原料を焼成してセメントクリンカを製造するセメント焼成キルンを有するセメント製造設備からの排ガス中のCO又は該排ガスから分離回収したCOに水素を添加してメタンを生成し、該メタンの生成に用いた前記排ガスが排出された前記セメント製造設備の仮焼炉への石炭の一部の代替燃料として前記メタンを供給し、前記仮焼炉によりセメント原料を仮焼して、仮焼された前記セメント原料を前記セメント製造設備のセメント焼成キルンにより焼成してセメントクリンカを製造する。
セメント製造設備からの排ガス中のCOや排ガスから分離回収したCOをメタンに変換することにより、セメント製造設備から排出されるCOを削減できるとともに、このメタンをセメント製造設備の仮焼炉の代替燃料として使用することでメタンを有効活用できる。特に、仮焼炉の代替燃料として用いることで、石炭や石油等の化石燃料を石灰石由来のメタンで代替するので、化石燃料の使用を削減してエネルギー起源のCOを低減でき、温室効果ガスの削減効果を高めながらセメントを製造することができる。
一方、セメント製造設備からの排ガス中には、NOx(窒素酸化物)やSOx(硫黄酸化物)が含まれる。
仮焼炉では、化石燃料(例えば石炭等)の燃焼により炉内温度は800℃~900℃になる。このため、仮焼炉から排出される排ガス中のNOxは、主に燃料起源のNOxとなる。このようなNOxはフューエルNOxと呼ばれている。
これに対して、セメント焼成キルンでは、仮焼炉で仮焼されたセメント原料を焼成するため、1000℃以上(例えば、1450℃程度)の高温下で発生するNOxは、空気中の窒素が元となって生成される熱起源のNOxである。このようなNOxはサーマルNOxと呼ばれている。
本発明では、排ガスから生成したメタンを仮焼炉に化石燃料の代替燃料として供給するので、前述作用効果に加えて、燃料起源のフューエルNOx(有害成分)を削減しながらセメントを製造することができる。
またSOxは、セメント製造設備で使用する石炭や石油等の化石燃料中の硫黄成分に由来する。このため、排ガスから生成したメタンをセメント製造設備の仮焼炉に供給することで、セメント製造設備からの燃料起源のSOxも削減することができる。
このセメント製造方法において、前記COは、前記セメント製造設備からの排ガスをCO吸収材に接触させて分離回収したCOであるとよい。
排ガスから分離回収したCOを用いることにより、その濃度を高めて高濃度のメタンが製造でき、より効果的にメタンを利用することができる。
本発明のセメント製造システムは、セメント製造設備と、このセメント製造設備に接続された排ガス処理設備と、を備え、前記セメント製造設備が、セメント原料を仮焼する仮焼炉と、該仮焼炉に石炭を供給する燃料供給ラインと、前記仮焼炉で仮焼された前記セメント原料を焼成してセメントクリンカを製造するセメント焼成キルンと、を備え、前記排ガス処理設備が、前記セメント製造設備からの排ガス中のCO又は該排ガスから分離回収したCOに水素を添加してメタンを生成するメタン化装置と、該メタンの生成に用いた前記排ガスが排出された前記セメント製造設備の前記仮焼炉の前記燃料供給ラインに前記メタンを供給して、該仮焼炉への石炭の一部の代替燃料として供給するメタン供給装置と、を備える。
このセメント製造システムにおいて、前記セメント製造設備からの排ガスをCO吸収材に接触させてCOを分離回収するCO分離回収装置を備えるとよい。
本発明によれば、セメント製造設備の排ガスから生成したメタンをセメント製造設備における仮焼炉の化石燃料の代替燃料として利用しているので、メタンを有効活用して、エネルギー起源のCOを削減し、温室効果ガスの削減効果を高めることができるとともに燃料起源のフューエルNOx及びSOxを削減しながらセメントを製造することができる。
本発明の一実施形態に係るセメント製造方法の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態のセメント製造システムを簡略化して示す図である。 上記実施形態のセメント製造システムを構成するメタン化装置の概略構成を示すブロック図である。
以下、本発明のセメント製造方法、及びセメント製造システムの、一実施形態について図面を用いて説明する。
[セメント製造システムの構成]
セメント製造システム100は、図2に示すように、セメント製造設備50と、セメント製造設備50に接続されて用いられる排ガス処理設備30と、を備えている。本実施形態では、排ガス処理設備30がセメント製造設備50からの排ガス又は該排ガスから分離回収したCOに水素を添加してメタンを生成し、生成したメタンをセメント製造設備50の仮焼炉4及びセメント焼成キルン5への化石燃料の一部又は全部の代替燃料として供給する。これにより、排ガスからCOを削減するだけでなく、特に仮焼炉4における化石燃料の燃焼により生じる燃料起源の有害成分を除去しながら、仮焼されたセメント原料をセメント焼成キルン5により焼成してセメントクリンカを製造する。
[セメント製造設備の構成]
セメント製造設備50は、図2に全体を示したように、セメント原料として石灰石、粘土、珪石、鉄原料等を個別に貯蔵する原料貯蔵庫1と、これらセメント原料を粉砕、乾燥する原料ミル及びドライヤ2と、原料供給管22を介して供給され、この原料ミルで得られた粉体状のセメント原料を予熱するプレヒータ3と、プレヒータ3によって予熱されたセメント原料を仮焼する仮焼炉4と、仮焼されたセメント原料を焼成するセメント焼成キルン5と、セメント焼成キルン5で焼成された後のセメントクリンカを冷却するためのクーラ6等とを備えている。
セメント焼成キルン5は、横向きで若干傾斜した円筒状のロータリーキルンであり、軸芯回りに回転することにより、その窯尻部5aにプレヒータ3から供給されるセメント原料を窯前部5bに送りながら、その送る過程で窯前部5bのバーナ8によって1450℃程度に加熱焼成してセメントクリンカを生成し、このセメントクリンカを窯前部5bからクーラ6に送り出すようになっている。バーナ8には、石炭、石油等の化石燃料を供給する燃料供給ライン15が接続されている。また、燃料供給ライン15とは別に、熱エネルギーを補うために、廃プラスチックや廃タイヤなどの代替熱源の供給系(図示略)も備えられている。セメントクリンカは、クーラ6で所定温度まで冷却された後、仕上げ工程へ送られることになる。
プレヒータ3は、図2に示すように、セメント焼成キルン5で発生した排ガスを流通させる複数(4つ)のサイクロン13が上下方向に連結状態とされて構築されたものであり、最下段のサイクロン13とその上のサイクロン13との間に仮焼炉4が接続されているとともに、仮焼炉4の燃焼ガスによって仮焼されたセメント原料を最下段のサイクロン13からセメント焼成キルン5の窯尻部5aに供給するようになっている。
仮焼炉4は、内部にバーナ41を有しており、燃料供給ライン42から供給される石炭等の燃料を800℃~900℃の温度で燃焼させることで、上段のサイクロン13から送られてくるセメント原料を仮焼し、その仮焼により生じた排ガスとともにライジングダクト25を介して最下段のサイクロン13に供給する。そのセメント原料は、最下段のサイクロン13からセメント焼成キルン5の窯尻部5aに供給される。一方、ライジングダクト25はセメント焼成キルン5の窯尻部5aから排ガスを最下段のサイクロン13に送り出しており、仮焼炉4で生じた排ガスも、このライジングダクト25を介してサイクロン13に供給される。このため、セメント焼成キルン5の排ガス及び仮焼炉4からの排ガスが一体となってプレヒータ3を下方から上方に経由した後、排気管9を通って原料ミル及びドライヤ2に導入される。
原料ミル及びドライヤ2は、セメント焼成キルン5からの排ガスが導入されることにより、セメント原料の粉砕と乾燥を同時に行うようになっている。この原料ミル及びドライヤ2には、集塵機10、煙突11等を備える排ガスライン12が接続されている。
[排ガス処理設備の構成]
排ガス処理設備30は、セメント焼成キルン5及び仮焼炉4で発生し、煙突11から排出される前の排ガスを収集する排ガス収集ライン311と、該排ガス収集ライン311から送られてくる排ガスからCOを分離回収し、分離回収したCOに水素を添加してメタンを生成するメタン化装置31と、生成したメタンをセメント製造設備50へ供給するメタン供給装置32とを備えている。
排ガス収集ライン311は、セメント製造設備50の排ガスライン12における集塵機10と煙突11との間に接続され、セメント焼成時に生じた排ガスの一部を収集する。セメント焼成により生じた排ガスであるので、石炭等の燃料の燃焼による排ガスも一部含まれるが、石灰石由来の排ガスを多く含んでいる。
(メタン化装置の構成)
メタン化装置31は、排ガスからCOを分離回収するCO分離回収装置310と、CO分離回収装置310で分離回収されたCOに水素ガスを供給して混合する水素混合部316と、水素が混合されたCOからメタンを生成するメタン製造部317と、を備えている。
CO分離回収装置310は、図3に示すように、排ガス収集ライン311で収集された排ガスからSOxやNOx等の有害成分を除去する有害成分除去部312と、有害成分が除去された排ガスからCOを分離して回収するCO分離回収部313と、回収されたCOを圧縮する圧縮部314と、圧縮されたCOから水分を除去する除湿部315と、を備えている。
排ガス収集ライン311から送られてくる排ガスは、石炭、石油コークス、重油などの化石燃料や廃プラスチックや廃タイヤなどの燃焼排ガスであるため、COが例えば、20数%程度含まれるとともに、CO以外のガスや有害成分が含まれている。具体的には、セメント製造設備からの排ガス中には、NOx(窒素酸化物)やSOx(硫黄酸化物)が含まれている。仮焼炉4では、化石燃料(例えば石炭等)の燃焼により炉内温度は800℃~900℃になるため、仮焼炉から排出される排ガス中のNOxは、主に燃料起源のフューエルNOxである。一方、セメント焼成キルン5では、仮焼炉4で仮焼されたセメント原料を焼成することから、1000℃以上(例えば、1450℃程度)の高温下となるため、空気中の窒素が元となって生成される熱起源のサーマルNOxである。つまり、排ガス中には、燃料起源のフューエルNOx及び熱起源のサーマルNOxの2種類のNOxが含まれている。
有害成分除去部312は、排ガスから有害成分(上述したようなSOx、並びに、燃料起源のフューエルNOx及び熱起源のサーマルNOx等の酸化性ガス)を除去するものであり、NaOH水溶液などを充填したスクラバーを備える。この有害成分の除去により、NOxとともにハロゲンも除去されるので、次のCO分離回収で用いられるアミン化合物の吸収材の劣化を防止する。
CO分離回収部313は、一般的なCO回収装置からなり、この内部にはCOを吸収するCO吸収材(アミン化合物を水に溶解した液体吸収材、アミン化合物を多孔質材に担持させた固体吸収材等)が設けられ、有害成分が除去された後の排ガスがこれに接触することにより、排ガス中のCOがCO吸収材に吸収される。そして、COを吸収したCO吸収材を加熱する等により、CO吸収材からCOを取り出して回収する。なお、CO分離回収部313は、COが除去された後の排ガスを外部に排出する。圧縮部314は、回収されたCOを0.1MPa以上好ましくは0.5~1.0MPaの圧力をかけて圧縮する。除湿部315は、圧縮されたCOを冷却することにより、CO内に含まれる水分を除去する。この除湿は、水分がメタン化装置内のNi系触媒の酸化に影響するので、これをメタン化の前に除去するものである。
水素混合部316は、除湿されたCOに水素ガスを供給して混合し、加圧する。水素ガスは、再生可能エネルギーを利用した人工光合成、水の分解等によって生成したものを利用することができる。この水素混合部316による水素の添加は、水素が混合されたCOからメタンを製造しやすい濃度に適宜設定される。
メタン製造部317は、水素が混合されたCOからメタンを生成する。このメタン製造部317は、一般的なメタン製造装置からなり、メタン化に活性を示す触媒(例えば、水素化触媒としてNi、Pt、Pd、Cuが利用されるが、メタン化においては特に、Al、Cr、SiO、MgAl、TiO、ZrOなど担持されたNi及びNi合金が触媒として利用される)が充填された反応器(図示省略)を複数備えており、これら反応器に水素が混合されたCOを供給して反応させることによりメタンを製造する。
(メタン供給装置の構成)
メタン供給装置32は、図2に示すように、メタン化装置31により製造されたメタンを貯留するタンク(図示省略)と、タンクに接続され、メタンを窯前部5bのバーナ8及び仮焼炉4のバーナ41のそれぞれに送るメタン供給ライン321及びポンプ322,323を備えている。このメタン供給ライン321は、セメント焼成キルン5のバーナ8に石炭や石油等の燃料を供給する燃料供給ライン15及び仮焼炉4のバーナ41に石炭等の燃料を供給する燃料供給ライン42のそれぞれに接続されている。これにより、各バーナ8,41には、燃料とともにメタンが供給される。
[セメント製造方法]
上述したセメント製造システム100を用いてセメント製造設備50の排ガス中のCOをメタン化し有効活用することでCOの削減及び有害成分の除去を行いながらセメントを製造する方法について、図1に示すフローチャートに沿って説明する。
セメント製造設備50では、セメント原料としての石灰石、粘土、珪石、鉄原料等を粉砕、乾燥させることにより得られた粉体状のセメント原料を予熱し、予熱されたセメント原料を仮焼した後焼成し、これを冷却することによりセメントクリンカが製造される。このセメントクリンカの製造に伴いセメント焼成キルン5で発生する排ガスは、プレヒータ3を下方から上方に経由した後、排気管9を通って原料ミル及びドライヤ2に導入され、セメント原料の乾燥に用いられた後、集塵機10を介して煙突11から排出される。
このセメント製造プロセスにおいて、メタン化装置31の排ガス収集部311により、セメント焼成時に生じた排ガスの一部を排ガス処理ライン12の集塵機10と煙突11との間から収集する。次に、有害成分除去部312は、排ガスから有害成分を除去する。この有害成分除去部312において、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)、ハロゲンなどが除去される。そして、CO分離回収部313により、排ガスからCOが取り出されて分離回収される。このとき、COが除去された排ガスを外部に排出する。
次に、圧縮部314により、回収されたCOを0.1MPa以上好ましくは0.5~1.0MPaの圧力をかけて圧縮し、除湿部315によりCO内に含まれる水分を除去する。そして、水素混合部316により、除湿されたCOに水素ガスを供給して混合し、加圧する。そして、メタン製造部317により、水素が混合されたCOからメタンを生成する。
このようにして生成されたメタンは、メタン供給装置32のタンクに貯蔵される。そして、このタンクに貯蔵されたメタンを、メタン供給ライン321を介してセメント焼成キルン5及び仮焼炉4に供給する。セメント焼成キルン5には、燃料供給ライン15から石油や石炭等の化石燃料が供給されるが、メタンを供給することにより、その化石燃料の一部をメタンで代替することができ、その分、化石燃料を削減することができる。同様に、仮焼炉4においても石炭等の燃料の一部又は全部をメタンで代替するため、化石燃料を削減することができる。特に、仮焼炉4でから排出される排ガス中のNOxは、主に燃料起源のNOx(フューエルNOx)であることから、この仮焼炉4にメタンを供給することにより、仮焼炉4から排出される排ガス中のNOxを削減できる。なお、SOxについては、化石燃料の燃焼により発生するものであるため、セメント焼成キルン5及び仮焼炉4の化石燃料をメタンに代替することで削減できる。
本実施形態では、セメント製造設備50からの排ガスから分離回収したCOをメタンに変換することにより、セメント製造設備50から排出されるCOを削減できるとともに、このメタンをセメント焼成キルン5及び仮焼炉4の代替燃料として使用することでメタンを有効活用できる。特に、地球温暖化の大きな原因となっている石炭や石油の化石燃料を石灰石由来のメタンで代替するので、化石燃料の使用を削減してエネルギー起源のCOを低減でき、温室効果ガスの削減効果を高めることができる。
さらに、仮焼炉4でから排出される排ガス中のNOxは、主に燃料起源のNOx(フューエルNOx)であることから、この仮焼炉4にメタンを供給することにより、仮焼炉4から排出される排ガス中の燃料起源のNOx(有害成分)を削減できる。またSOxは、セメント製造設備50で使用する化石燃料中の硫黄成分に由来するため、セメント製造設備50にメタンを供給することで、セメント製造設備50からの燃料起源のSOxも削減することができる。
また、排ガスから分離回収したCOを用いることにより、その濃度を高めて高濃度のメタンが製造でき、より効果的にメタンを利用することができる。
そして、このように排ガスから分離回収したCOによりメタンを生成し、そのメタンをセメント焼成キルン5及び仮焼炉4の代替燃料として用いることで、化石燃料の使用を削減してエネルギー起源のCOを低減できるだけでなく、特に仮焼炉4における化石燃料の燃焼により生じる燃料起源の有害成分を除去しながら、仮焼されたセメント原料をセメント焼成キルン5により焼成してセメントクリンカを製造することができる。
なお、本発明は上記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態ではセメント製造設備50の排ガスからCOを分離回収したが、セメント製造設備50の排ガスにはCOが20数%濃度で含まれているので、その排ガスに直接水素を添加してメタンを生成してもよい。
また、生成したメタンをセメント焼成キルン5及び仮焼炉4の両方に供給するようにしたが、仮焼炉4のみに供給するようにしてもよい。
1 原料貯蔵庫
2 原料ミル及びドライヤ
3 プレヒータ
4 仮焼炉
5 セメント焼成キルン
6 クーラ
5a 窯尻部
5b 窯前部
8 バーナ
9 排気管
10 集塵機
11 煙突
12 排ガスライン
13 サイクロン
15 燃料供給ライン
22 原料供給管
25 ライジングダクト
30 排ガス処理設備
31 メタン化装置
310 CO分離回収装置
311 排ガス収集ライン
312 有害成分除去部
313 CO分離回収部
314 圧縮部
315 除湿部
316 水素混合部
317 メタン製造部
32 メタン供給装置
321 メタン供給ライン
322,323 ポンプ
41 バーナ
42 燃料供給ライン
50 セメント製造設備
100 セメント製造システム

Claims (4)

  1. セメント原料を仮焼する仮焼炉及び仮焼されたセメント原料を焼成してセメントクリンカを製造するセメント焼成キルンを有するセメント製造設備からの排ガス中のCO又は該排ガスから分離回収したCOに水素を添加してメタンを生成し、該メタンの生成に用いた前記排ガスが排出された前記セメント製造設備の仮焼炉への石炭の一部の代替燃料として前記メタンを供給し、前記仮焼炉によりセメント原料を仮焼して、仮焼された前記セメント原料を前記セメント製造設備のセメント焼成キルンにより焼成してセメントクリンカを製造することを特徴とするセメント製造方法。
  2. 前記COは、前記セメント製造設備からの排ガスをCO吸収材に接触させて分離回収したCOであることを特徴とする請求項1に記載のセメント製造方法。
  3. セメント製造設備と、このセメント製造設備に接続された排ガス処理設備と、を備え、
    前記セメント製造設備が、セメント原料を仮焼する仮焼炉と、該仮焼炉に石炭を供給する燃料供給ラインと、前記仮焼炉で仮焼された前記セメント原料を焼成してセメントクリンカを製造するセメント焼成キルンと、を備え、
    前記排ガス処理設備が、前記セメント製造設備からの排ガス中のCO又は該排ガスから分離回収したCOに水素を添加してメタンを生成するメタン化装置と、該メタンの生成に用いた前記排ガスが排出された前記セメント製造設備の前記仮焼炉の前記燃料供給ラインに前記メタンを供給して、該仮焼炉への石炭の一部の代替燃料として供給するメタン供給装置と、を備えることを特徴とするセメント製造システム。
  4. 前記セメント製造設備からの排ガスをCO吸収材に接触させてCOを分離回収するCO分離回収装置を備えることを特徴とする請求項3に記載のセメント製造システム。
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