JP7374562B2 - 位置計測システム - Google Patents

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Description

本発明は、物体の位置を計測するシステムに関する。
シールド機等の掘削装置を使用してトンネルを掘削する場合、掘削中の掘削装置が地中を計画通りに掘進しているかどうかを、掘削装置の位置を計測することにより確認する必要がある。掘削装置等の物体の位置は、トンネル内の見通しが良い環境では、例えば物体から既知点を見通せるため、トータルステーション(TS)等を使用して計測することができる。
しかしながら、曲線部を掘進する場合や狭隘断面で見通しが悪い環境では、物体から見通せる範囲へ既知点を盛り替える必要があり、その頻度が多くなれば、通常、盛り替えは自動でないため手作業が増えて生産性が悪化し、加えて、盛り替え誤差の累積で位置計測精度が低下するという問題がある。
そこで、掘削装置後方の既に掘削が済んだ空間(トンネルまたは推進管)にワイヤを通し、所定間隔でワイヤを支持し、ワイヤの各支持点でワイヤの折れ角度を三次元的に計測し、計測した各角度と各支持点の距離から掘削装置の位置を計測する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置は、装置の最後尾を既知点の見通せる範囲へ引き出し、最後尾の座標からワイヤの長さおよび計測した角度を用いて先端にある掘削装置の位置を計測し、既知点の盛り替え頻度を減少させ、生産性を改善し、位置計測精度を向上させるものと主張する。
特開2007-231635号公報
しかしながら、上記従来の装置では、ワイヤの張力を管理し、計測する必要があり、計測した張力を基に折れ角度を算出し、その折れ角度と各支持点の距離から物体の位置を計測するため、装置の取り扱いが面倒で生産性改善の効果を相殺し、また、物体の位置計測に充分な精度が得られないという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、物体の位置を計測するシステムであって、
1つが物体に連結される複数の棒状部材と、
各棒状部材間に回動可能に連結される1以上の台座と、
各台座上に設置され、該各台座の変位を計測する1以上の計測手段と、
各台座に連結される2つの棒状部材の対向する2つの端部を接続する1以上の弾性部材と
を含む、システムが提供される。
本発明によれば、物体の高精度な位置計測が可能となる。
位置計測システムの構成例を示した図。 位置計測システムを使用した掘削装置の位置の算出例を示した図。 2つの差動トランスを用いた変位計の構成を示した図。 測定範囲内のときの変位計の状態と出力について説明する図。 差動トランスの出力特性を示した図。 測定範囲外のときの変位計の状態と出力について説明する図。 位置計測システムに用いられる変位計の第1の構成例を示した図。 変位計の姿勢の矯正について説明する図。 変位計の第2の構成例を示した図。 図7に示した変位計を傾斜した地面に配置したところを示した図。 変位計の第3の構成例を示した図。
本発明で位置を計測する対象の物体は、GPS(Global Positioning System)からの測位電波が届かない場所や、トンネルのような一方向に長い空間で多方向からの電波ビーコンによる位置特定が望めない場所、さらには見通しが悪く既知点を頻繁に盛り替え(移動させ)なければレーザーやトータルステーション(TS)等の光学的な手法によって計測することができない場所にある物体である。このような物体としては、例えばトンネルを掘削するシールド機等が挙げられる。ここでは、物体をシールド機として説明するが、物体はシールド機に限定されるものではない。
シールド機は、トンネルを掘削する工法の1つであるシールド工法で使用される掘削装置である。シールド機を使用して地中にトンネルを掘削する場合、シールド機が計画通りに掘進しているかを、シールド機の位置を計測し、その位置を確認することが日常的に行われる。
シールド機は、略円筒形で、先端に複数のカッタービットを備えるカッターヘッドを有し、カッターヘッドの回転によりカッタービットで土砂を攪拌しながら取り込み、トンネルを掘削する。シールド機は、掘削したトンネル内に組立てられたセグメントにシールドジャッキを押し付け、そこで反力を取ってシールドジャッキを伸ばすことにより前進する。
カッタービットにより取り込んだ土砂は、ズリとして、カッターヘッドの開口部からシールド機の内部へ取り込まれ、内部のスクリューコンベアによりトンネル内へ運ばれ、ベルトコンベア等を使用してトンネル坑外へと運び出される。シールド機で掘削したトンネルは、シールド機が備えるエレクターという組立機械を使用して、上記のセグメントが組立てられ、トンネル内面が覆工される。
シールド機のトンネル内の位置は、トンネルの出入口となる坑口付近に工事基準点(既知点)が設置され、この既知点を基に計測される。また、この既知点は、坑外の基準点(三角点や電子基準点等)を基に測量を行うことにより設置したものである。測量は、既知点から目標までの距離と角度を計測し、計測した距離と角度から目標の三次元座標に変換するTS等を使用して行われる。シールド機による掘削が進むと、掘削線形や坑内環境の影響を受けて最初の既知点から目標を直接計測できなくなることが多く、その場合はトンネル内を前進した計測可能な新たな位置に既知点を盛り替えて、その既知点を基にシールド機の位置を計測することができる。
シールド機を使用したトンネルの掘削では、トンネル内にセグメントやベルトコンベア等が存在すると、視野が妨げられ、シールド機を見通しにくくなる。また、トンネルが曲がっている場合や、トンネル断面が狭隘な場合も同様である。視野が妨げられるたびに、シールド機から見通せる範囲へ既知点を盛り替えることができるが、その頻度が増加すると、盛り替え作業の負担が増え、また、誤差が累積して位置計測の精度が低下する。
そこで、位置計測システムをシールド機に連結し、シールド機の位置座標を、既知点が見通せる場所まで引き出すことで計測できるようにする。これにより、既知点の盛り替え頻度を減らし、盛り替え作業の負担を軽減し、また、位置計測の精度を向上させることができる。
図1は、位置計測システムの構成例を示した図である。位置計測システムは、1つがシールド機に連結される複数の棒状部材と、1以上の台座10と、1以上の計測手段と、1以上の弾性部材とを含んで構成される。棒状部材は、例えば固定長のロッド11である。計測手段は、例えば台座10の変位として台座10が回動する角度を変位として計測する変位計12である。弾性部材は、台座10に回動可能に連結される2本のロッド11の対向する2つの端部を接続する。図1に示す例では、台座10が4つ、ロッド11が5本、変位計12が4か所に設置されているが、これらの数に限定されるものではない。また、ロッド11の長さは、例えば5mの長さとすることができるが、この長さに限定されるものではない。
台座10は、両端にロッド11が回動可能に連結される。第1端部部材13および第2端部部材14は、片端にロッド11が回動可能に連結される。その結果、台座10は、シールド機に連結される第1端部部材13と、既知点が見通せる場所に配置される第2端部部材14との間に、ロッド11を介して配置される。すなわち、ロッド11は、第1端部部材13と台座10との間、第2端部部材14と台座10との間、台座10間をそれぞれ連結する。ここでは、第1端部部材13を設けているが、シールド機側の目標点に固定するアンカーの機能を果たせばよいので、ロッド11を直接シールド機に回動可能に連結してもよい。第1端部部材13、第2端部部材14は、ロッド11との連結部を有する部材であればいかなる部材であってもよく、例えば図1に示すような台座10と同様の台座を有し、その台座上に断面が矩形の支持体が設置されたものとし、その台座とロッド11とが連結され、支持体に後述するワイヤが接続されるように構成することができる。
ここで、回動可能とは、例えば台座10に対する両端のロッド11の場合で例示すると、両端のロッド11により、隣り合う台座10、第1端部部材13、第2端部部材14のいずれかとの距離は一定に保たれるが、同時に、台座10に対して両端のロッド11が成す角度は変位計12が対応できる範囲で自由とすることをいう。例示はしないが、第1端部部材13またはシールド機の直接固定点、第2端部部材14における片端のロッド11の場合も回動可能とは、同様の程度をいう。
台座10は、上記のように回動可能とするため、望ましくはボールジョイントによってロッド11と台座10、第1端部部材13、第2端部部材14等を連結した構造とされる。同等の動きが可能なジョイント構造であれば、ボールジョイントに限らず採用することができる。なお、ボールジョイントにより連結することで、水平方向のみならず、鉛直方向への回動も可能となる。
台座10上には、2つの差動変圧器(差動トランス)が1つの変位計12として、台座10に連結された2つのロッド11を直線状に延ばした場合に、各ロッド11が延びる方向へ向けて配置される。すなわち、台座10上には、2つの差動トランスが背中合わせにして前後に配置される。前側は、シールド機がある側であり、後側は、トンネル坑口側である。2つの差動トランスは、直接背中合わせにして配置してもよいし、支持体に180度異なる方向に向けて取り付け、その支持体を台座10上に配置してもよい。
差動トランスは、一次コイルと、二次コイルと、一次コイルと二次コイルの間を通り、一次コイルおよび二次コイルに非接触状態に保持される鉄芯(コア)とから構成される。一次コイルは、交流電源の供給により駆動され、二次コイルは、対称に巻かれ、逆接続された2つのコイルから構成される。コアとコイルの相対位置が変化すると、2つの二次コイルの一次コイルに対応する相互インダクタンスが変化し、この変化を2つの二次コイルの誘起電圧の差として出力する。出力される電圧は、差動トランスの動作範囲内では変位に対して高い直線性を示す。差動トランスは、測定範囲が広く、温度安定性も高く、高分解能を有することから、歪みゲージ等に比較して、高い精度で変位を計測することができる。
第1端部部材13および第2端部部材14と台座10上に設置された変位計12との間、変位計12間は、ロープ部材としてのワイヤ15により接続される。変位計12は、基準軸とワイヤ15が延びる方向とのなす角度を計測し、その角度に対応する電圧を出力する。基準軸は、変位計12のコアが一次コイルと二次コイルの中心にあり、出力される電圧が0となる方向に延びる軸である。
ワイヤ15は、隣り合う変位計12、または第1端部部材13や第2端部部材14等に設けた支持体と接続される。ここで、隣り合う変位計12、または第1端部部材13や第2端部部材14等の支持体との距離がロッド11で保たれることから、位置計測システムを初期設定した後は、シールド機の前進に追従する位置計測システムの盛り替えに際して、ワイヤ15に関する面倒な張り直しや張力調整の手間を省くことができる。
変位計12は、ケーブル16を介して、計測された角度をデータとして記録する記録装置(データロガー)17と接続される。データロガー17は、各変位計12からデータを取得し、記録する。データロガー17は、PC(Personal Computer)18等の情報処理装置と接続される。PC18は、ロッド11で固定されて既知である台座10、第1端部部材13、第2端部部材14等の間の距離と、データロガー17に記録されたデータを読み出し、変位計12で計測された台座10が両端のロッド11と成す角度からシールド機の位置を計算し、計算結果を表示する。PC18は、計画通りにシールド機が掘進しているかどうかを確認できるように、計画図と計測したシールド機の位置とを重ね合わせて表示することができる。
図1に示す例では、データロガー17とPC18とを別に設けているが、PC18をデータロガー17として機能させ、PC18のみを設けてもよい。情報処理装置は、PC18に限定されるものではなく、スマートフォンやタブレット端末等であってもよい。
図2は、位置計測システムを使用したシールド機の位置の算出例を示した図である。図2では、シールド機を図示しないが、第1端部部材13がシールド機に連結されるものとして説明する。位置計測システムは、図2(a)に示すように、各ロッド11を一方向へ延ばし、第2端部部材14に対する各変位計12a~12dの位置および第1端部部材13の相対座標を初期位置(イニシャル値)として記憶する。
位置計測システムは、シールド機に第1端部部材13が連結され、シールド機の動きによって、例えば図2(b)に示すように湾曲した形に変形する。このように変形できるのは、各台座10と各ロッド11が上記のボールジョイント等で回動可能に連結されているためである。図示はしないが、鉛直断面内であっても同様に変形でき、水平断面内と鉛直断面内との両方で同時に変形することができる。
位置計測システムは、トンネル坑口側から見て、少なくとも手前側2つの、第2端部部材14とそれに隣り合う変位計12aとを、既知点から見通せる範囲内に配置し、既知点を基にそれらの位置を計測し、絶対座標を得る。これらの位置は、従来の測量方法、例えばTS等を使用して計測される。ちなみに、第2端部部材14の座標のみでは、第2端部部材14に連結されたロッド11がどの方向に延びているかが分からない。この方向を導き出すため、第2端部部材14の座標に加え、少なくともそれに隣り合う変位計12aの座標が必要となる。
各変位計12a~12dでは、第1端部部材13側と第2端部部材14側の前後2つの角度が計測される。ここで、変位計12は、水平断面内と鉛直断面内の角度を独立に同時測定できる一対の差動トランスを備えており、前後2つと合わせて測定値は変位計当り4系統で出力される。ロッド11の長さは既知であることに加え、水平断面内の角度と鉛直断面内の角度と両方を用いることで三次元的な変位ベクトルを算出することができる。
次に、簡単な場合として、変位が水平断面内に限る場合の計算手順を例示する。鉛直断面内についても、同じ計算手順で変位量を算出できる。各変位計12a~12dでは、180度(π)から、計測された2つの角度を減算し、隣り合う2つのワイヤ15がなす角度θをそれぞれθ~θとして算出する。データロガー17には、別途入力した既知の距離L~Lと、角度θ~θとが記録される。PC18は、データロガー17からこれらの情報を取得し、予め計測された第2端部部材14および変位計12aの座標を用い、変位計12b~12dの位置および第1端部部材13の位置を算出する。
具体的には、第2端部部材14の座標と、変位計12aの座標とから、これらの間を繋ぐロッド11aが延びる方向が求められる。変位計12bは、ロッド11aに対してθの角度の方向にLの長さだけ進んだ位置の座標として計算され、同様にして、変位計12c、12d、第1端部部材13の位置が座標として計算される。シールド機は、第1端部部材13の座標としてもよいし、シールド機との相対座標が判明している任意の位置を第1端部部材13の座標としてもよい。ただし、後者の場合、第1端部部材13に対するシールド機の相対座標を別の方法で取得する必要がある。
このように第2端部部材14と変位計12aの座標を測量により計測しておけば、その他の変位計12b~12dおよび第1端部部材13(シールド機)の座標を高い精度で簡単に計測することができる。なお、各変位計12a~12dおよび第1端部部材13の座標は、信頼性の高い絶対座標として計測されるため、例えば変位計12d、第1端部部材13の位置をマーキングしておき、それらの位置に第2端部部材14、変位計12aを配置し、同様にして計測することで、既知点を基に再度測量することなく、掘進するシールド機に追従して位置計測システム全体を盛り替えることができる。
位置計測システムは、各変位計12で接続される2本のワイヤ15のなす角度を連続的に計測することができる。そこで、第1端部部材13をシールド機に固定し、位置計測システム全体がシールド機の掘進に伴い移動するよう設計しても、シールド機の位置をリアルタイムに第2端部部材14の位置に引き出すことができる。なお、この場合は、リアルタイムに第2端部部材14をTS等で連続的に計測する必要がある。
位置計測システムは、位置計測が配置可能な空間を確保できれば、トンネル坑内の任意の位置に設置できる。なお、トンネル天頂位置は作業性の面で危険であり、トンネル底面の中央位置は床版下で塵埃や湿気等の環境が悪く、測定作業が物流の支障となり得るなどで、設置位置としては難点を孕む。好ましくはトンネル側壁に沿って配置することが考えられる。
図3は、2つの差動トランスを用いた変位計12の構成を示した図である。図3(a)は、変位計12を上から見た平面図で、図3(b)は、その側面図である。図3(b)に示すように、変位計12は、略長方形の台座10の長手方向の両端にボールジョイント20等を使用してロッド11a、11bが回動可能に連結される。台座10上には、2つの差動トランス21a、21bが背中合わせに前後に配置される。
各差動トランス21a、21bは、ワイヤ15a、15bが接続され、基準軸とワイヤ15a、15bの延びる方向とのなす角度を計測する。1つの台座10上に1つの差動トランスのみを設けてもよいが、1つの差動トランスでは、ロッド11の片側が固定となり、計測可能な角度が2つの場合の半分になり、狭い範囲でしか計測できなくなってしまう。このため、図3に示すように2つの差動トランスを背中合わせに配置した構成が望ましい。
図4および図6は、変位計12により計測される角度について説明する図である。図4は、正常時に計測される角度について説明する図である。正常時は、出力値が角度の変化量に対して高い直線性を示す測定範囲である。
ここで、図5に、角度の変化量と、変位計12の出力値である電圧との関係を示す。変位計12の理想的な出力特性は、破線で示すように角度の変化量と出力値とが比例関係で表される。計測される角度をδとすると、角度の変化量sinδが大きくても、直線性が確保される。しかしながら、実際の出力特性は、実線で示すように角度の変化量sinδが大きくなると、直線性が悪化し、角度の変化量sinδが大きい範囲では、計測精度が低下する。正常時は、実際の出力特性で直線性が確保できる測定範囲(-a≦sinδ≦a:aは正の整数で1より小さい数)である。
再び図4を参照して、変位計12は、基準軸を破線で示し、基準軸と各ワイヤ15a、15bが延びる方向とのなす角度α、βを計測する。正常時であるから、-a≦sinα、sinβ≦aとなる。
2本のワイヤ15a、15bのなす角度θは、ワイヤ15a、15bが基準軸に沿って直線状に延びる場合(θ=π)を基準に、θ=π-α-βにより算出される。
図6は、測定範囲外のときに計測される角度について説明する図である。図4にも示したように、前後に差動トランス21a、21bが配置され、変位計12のベースである台座10がロッド11a、11bに対して回動可能とされているため、変位計12の向きが自由に動く。変位計12の2つの角度α、βは、前後のロッド11a、11bのなす角度θに対し、α+β=π-θの関係にしか拘束されない。このため、角度α、βは、設置状況次第で1つに定まらず、特段の注意なく変位計12を設置すると、α>βまたはα<βとなる可能性が高い。すると、図6(a)に示すように変位計12が傾いて設置される。
変位計12が傾いて設置されると、角度α、βの一方が、図6(b)に示すように大きくなり、その傾きが大きいと、角度の変化量が直線性を確保できる測定範囲外となり、正確な出力結果が得られなくなる。図6(b)に示す例では、角度βが大きく、測定範囲外となっている。
そこで、変位計12が傾いて設置されないようにするため、図7に示すような構成とする。図7は、本システムに用いられる変位計の構成例を示した図である。本システムでは、台座10上に脚を有するスタンド30を設置し、スタンド30上に2つの差動トランス21a、21bを背中合わせに配置した変位計12を設置する。
また、2つのロッド11a、11bが回動可能に連結される台座10において、2つのロッド11a、11bの対向する2つの端部31a、31bを弾性部材により接続する。弾性部材は、バネであっても、ゴムであってもよい。図7に示す例では、弾性部材としてコイルバネ32が使用されている。
ロッド11a、11bの対向する2つの端部31a、31bには、それぞれ穴が設けられ、コイルバネ32の両端には、係止部としてのフック32a、32bが設けられる。コイルバネ32は、両端のフック32a、32bをロッド11a、11bの穴に通し、引っ掛けて止めることで、2つの端部31a、31bを接続する。
図8を参照して、コイルバネ32を使用した変位計12の姿勢の矯正について説明する。図8(a)に示すように、変位計12が傾いて設置された場合、2つの端部31a、31b間の距離が離れ、2つの端部31a、31bにそれぞれ設けられた穴33a、33bにフック32a、32bを引っ掛けて接続されたコイルバネ32が伸びた状態になる。
コイルバネ32は、元の縮んだ状態に戻ろうとする性質を有するため、図8(b)に示すように2つの端部31a、31b間の距離が小さくなり、基準軸と2つのロッド11a、11bが延びる方向とのなす角が等しくなるように、変位計12の傾きが矯正される。
台座10は変位計12の重量をもって接地面と摩擦を生じる。コイルバネ32で変位計12の傾きを矯正する際に抵抗となるこの摩擦が問題となる場合は、接地面の摩擦を減じる方策として、接地面にテフロン(登録商標)材等のシートを挟み込んだり、ベアリング支持の球座を介して台座を設置することが有効である。
変位計12の傾きが矯正されると、2つの角度の変化量が両方とも、出力特性が直線性を示す測定範囲内に入り、変位計12により正確に角度を計測することができるようになる。
図7および図8に示したようにコイルバネ32を使用し、変位計12の傾きを矯正することができるが、2つの角度をより等しい角度に近づけるため、図9に示すように、対向する2つのロッド11a、11bの2つの端部31a、31bに、ロッド11a、11bの長手方向と同じ方向に延びる針部材34a、34bを設け、台座10に基準軸に対する角度を示す目盛り35a、35bを設けることができる。
作業員は、コイルバネ32により変位計12の姿勢が矯正された後、針部材34a、34bが示す目盛り35a、35bを見ながら、それらの目盛り35a、35bが同じ目盛りを示すように、変位計12の姿勢をさらに矯正することができる。
このような矯正を実施しても、計測される角度が閾値を超え、出力特性が測定範囲外となる場合がある。このような場合に変位計12が計測結果を出力すると、シールド機の位置が異なった位置として計測されてしまう。
そこで、位置計測システムは、計測された角度が閾値を超えた場合、計測結果をそのまま出力せず、計測エラーとして出力するように、各変位計12に計測結果から計測エラーか否かを判断し、計測エラーである場合に計測エラーを出力する回路等を設けることができる。なお、計測エラーの出力は、回路に限らず、PC18で計測エラーか否かを判断し、計測エラーである旨を表示してもよい。計測エラーは、エラー表示、ランプの点灯、警告音等として出力することができる。
作業員は、計測エラーが発生した場合、それを確認し、変位計12の姿勢を、図9に示した針部材34a、34bおよび目盛り35a、35bを使用して調整し、再測定を行うことができる。
変位計12として2つの差動トランス22a、22bを背中合わせに配置したものを使用することで、高精度な位置計測が可能となる。また、台座10上でロッド11a、11b間をコイルバネ32で接続し、変位計12の姿勢を矯正することで、前後に配置された差動トランスの出力値を常に等しく保ち、変位計12の仕様として定められた曲率半径の範囲内であれば正確な出力を得ることができる。
これまでは、シールド機の掘進方向に対して変位計12の姿勢の水平方向(ヨー方向)の回転を矯正する方法について説明した。次に、鉛直方向(ピッチ方向)の回転を矯正する方法について説明する。これまでに説明した台座10では、図10に示すように、地面が傾斜する場合、変位計12がピッチ方向に傾き、図6に示したヨー方向の場合と同様、α>βまたはα<βとなり、正確な出力結果を得ることができない。ちなみに、シールド機の掘進方向へ水平に延びる軸を基準軸とした場合、その基準軸と各ワイヤ15が延びる方向とのなす角度がα、βである。
そこで、図11に示すように、台座10を、上部台座40と下部台座41の2つに分割し、回転軸42を介して両者を接続するように構成する。下部台座41は、傾斜した地面に設置された場合、傾斜して配置される。一方、上部台座40は、回転軸42により回転可能とされており、上部台座40上のロッド11間を接続するコイルバネ32が元の縮んだ状態に戻ろうとするため、α=βとなるように上部台座40の姿勢が矯正される。上部台座40の姿勢は、矯正されると、上部台座40の上面が略水平となる。
図11に示すような構成を採用することで、変位計12の姿勢のヨー方向およびピッチ方向のいずれの方向の回転も矯正することができ、より正確な出力を得ることができる。
これまで本発明のシステムについて図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…台座
11、11a…ロッド
12、12a~12d…変位計
13…第1端部部材
14…第2端部部材
15…ワイヤ
16…ケーブル
17…データロガー
18…PC
20…半ねじ
21a、21b…差動トランス
30…スタンド
31a、31b…端部
32…コイルバネ
32a、32b…フック
33a、33b…穴
34a、34b…針部材
35a、35b…目盛り
40…上部台座
41…下部台座
42…回転軸

Claims (6)

  1. 物体の位置を計測するシステムであって、
    1つが前記物体に連結される複数の棒状部材と、
    前記各棒状部材間に回動可能に連結される1以上の台座と、
    前記各台座上に設置され、該各台座の変位を計測する1以上の計測手段と、
    前記各台座に連結される2つの棒状部材の対向する2つの端部を接続する1以上の弾性部材と
    を含む、システム。
  2. 前記計測手段は、前記台座に連結された2つの棒状部材を直線状に延ばした場合に、各棒状部材が延びる方向へ向けて配置される2つの差動変圧器を含み、
    前記各差動変圧器は、各ロープ部材が接続され、基準軸と、該各ロープ部材の延びる方向とのなす角度を計測する、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記各台座に連結される2つの棒状部材のそれぞれの前記端部から該棒状部材の延びる方向へ突出するように設けられる2つの針部材と、
    前記2つの針部材を使用して2つの前記角度を計測することを可能にする前記各台座上に設けられる2つの目盛りと
    を含む、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記角度が閾値を超える場合にエラーを出力する出力手段を含む、請求項2または3に記載のシステム。
  5. 前記各台座は、前記計測手段が設置される上部台座と、地面に設置される下部台座と、前記上部台座を、前記下部台座に回転可能に接続する回転軸とを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
  6. 予め計測された前記物体と隣り合う計測手段との間および前記各計測手段間の距離と、前記1以上の計測手段により計測された前記変位とを用いて、前記物体の位置を計算する情報処理装置を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のシステム。
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