JP7374541B2 - ポリイミドを含む粉体組成物、粉体組成物からなる成形品の製造方法 - Google Patents

ポリイミドを含む粉体組成物、粉体組成物からなる成形品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリイミドを含む粉体組成物、粉体組成物からなる成形品の製造方法に関し、より詳しくは、基礎混合粉体をベースにし、混合粉体または造粒粉体を経て成形品となる、ポリイミドを含む粉体組成物、粉体組成物からなる成形品の製造方法に関する。
フッ素樹脂を含む混合粉体は、材料科学の分野において広く研究開発が進められ、多くの製品が実用化されてきた。このような混合粉体は、成形加工されたときに、高強度で高耐熱性に優れた材料が形成されるため、様々な工業用部品として有用である。
これらのフッ素樹脂は、四弗化エチレン樹脂(PTFE(ポリテトラフルオロエチレン))、四弗化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA(パーフルオロアルコキシアルカン))、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP(パーフルオロエチレンプロペンコポリマー))のほか多くの重合物があることが知られている。フッ素樹脂の用途は、機能に合わせた種々の素材に分類すれば、成形用として、モールディング粉体(ダイキン工業株式会社製:M-12)、フィルム、綿状(繊状)用として、ファインパウダー(ダイキン工業株式会社製:F-106)が知られている。この中で、水性分散材料として使用する場合には、ファインパウダーが使用され、通常の分子としては分子量2,500,000乃至3,500,000、高分子としては分子量7,500,000乃至8,500,000が知られている。成形用粉体は、水性用には向かないが、ファインパウダーの水性分散から水分除去の後乾燥工程の後には、ファインパウダーに精製でき、フィルム、繊維としての製品化も可能となる。
フッ素樹脂粉体に各種の有機または無機材質の粉体を混合することで機能性を高めることができることも多く知られている。例えば、フッ素樹脂粉体は、成型加工時、あるいは、製品として使用した場合に、フッ素樹脂粉体単体だと260℃乃至300℃で流動する(フロー現象)という欠点があるが、フッ素樹脂に対して10%乃至25%の割合で無機材質の粉体を混合することにより、このような現象を防ぐことが知られている。混合する無機材質の粉体としては、アルミ粉体、ナノカーボン、黒鉛、ガラス粉体、粘土、シリカなどが挙げられる。
また、フッ素樹脂粉体に、ポリイミド(PI)類、ピーク(PEEK(ポリエーテルエーテルケトン))類、ポリエーテルイミド(PEI)、液体クリスタルポリマー(LCP(液晶ポリマー))、フェノール類などの有機材質の粉体を混合することもできる。これらの樹脂は、フッ素樹脂粉末の耐熱フロー現象温度の260℃乃至300℃以上の融点を有する樹脂であり、混合することによって、フロー現象を防止することができる。加えて、これらの樹脂を混合することによって、耐熱性や非粘着性といったフッ素樹脂の欠点を補うこともできることが知られている。
これらのフッ素樹脂と混合して使用するポリイミド(PI)は、粉体利用として、成形品(丸棒、板など)、フィルム、繊維などに幅広く使用されている。また、ポリアミド酸(PIA)をアミンによって水性化することが知られている。
このように、ポリイミドとフッ素樹脂を含む組成物は、粉体と水性分散液の両方から研究開発が進められてきたが、両者は、基本的に別々の技術であることに留意する必要がある。
例えば、成形用粉体は、水性用分散液に流用することは難しい。一方、ファインパウダーの水性分散から水分除去の後乾燥工程の後には、ファインパウダーに精製でき、フィルム、繊維、および押出し、延伸材料としての製品化が可能ではあるが、フッ素樹脂がファインパウダー系である混合水溶液のため、粉体組成物が繊維状になりやすく、製造工程において不便性を伴う。さらに、水性分散液から粉体組成物を製造する際には、製造時のコストも大きくなるため、成型品を量産化できないという問題も生じる。そのため、ポリイミドとフッ素樹脂を含む組成物に関し、粉体と水性分散液は、基本的に別々の技術であると考えることが適切であるという知見を得た。
一方、本発明者らは、ポリイミドの前駆体であるアミク酸(PIA)の水溶性液体を主体にして、四弗化エチレン(PTFE)樹脂配合の塗料(特許文献1)、これらの配合液の中に極性結晶体の他、アルミナゾル(Al)を分散配合した水性塗料(特許文献2)、エポキシ、フェノール、リグニン、ナイロン、液晶クリスタルポリマー、ポリイミドアミク酸などの配合の水溶性塗料(特許文献3)などを開発した。これらのPTFE樹脂配合の塗料のうち、とりわけ、極性結晶体を含むものは、従来品を遥かに超える高性能の粘着性・接着性機能を有し、加えて優れた耐熱性、絶縁性、輻射放熱特性、防錆・防蝕性、撥水性、撥油性、すべり性、誘電率も兼ね備えた塗膜またはコーティングを形成することができることを明らかにした。
このように、本発明者らは、原材料としてPTFE、PIA、極性結晶体(トルマリン)をベースにした高機能水性塗料を開発した。PTFE、PIAのみでのコーティング実験では、両材質の特性により、熱硬化してしまい、要求される基材への接着ができなかったが、新規に発見した、電気石(トルマリン)の性質を利用することにより、マイナスイオンの力を活用することによって、自然体の電着塗装と同じ現象を用いることにより、塗料のコーティングに関して求める基材への接着は完璧にできることを見出した。
この高機能水性塗料は、1)水性であるため、保管、運送、長寿命化等に不向きであること、2)水性の場合には、すべて水分散が条件であること、3)工程として、配合の後、求める機材へ、含浸、(コーティング)乾燥(120℃、30分水分除去)、焼成(380℃、15分)の後急冷が必須条件であること、といった製造工程に複雑さがあること、という特有の特徴を有していた。これらの点は、高機能水性塗料であることに必然的に伴う特徴であり、これらの点に関する改善策はこれまで知られていなかった。
特許第6704592号公報 特許第6781442号公報 特開2022-049388号公報
本発明は、高性能の粘着性・接着性機能を有し、加えて優れた耐熱性、絶縁性、輻射放熱特性、防錆・防蝕性、撥水性、撥油性、すべり性、誘電率も兼ね備えた、ポリイミドを含む粉体組成物、粉体組成物からなる成形品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定のフッ素樹脂に粉体のポリイミド(PI)、極性結晶体微粒子、従来知られている様々な添加物等を混合して使用する粉体組成物を開発することに成功した。開発に成功した粉体組成物は、前述の高機能水性塗料樹脂と塗膜特性としてはほぼ同等の性能を有する。この粉体組成物から成形品を製造した場合、従来品を遥かに超える、接着性、絶縁性、耐熱性、耐蝕性等を備えた丸棒、板、フィルム、繊維などの工業製品を製作でき、粉体組成物の保管の長寿命化、運送コストの削減、製造工程の複雑さの緩和化等、高機能水性塗料に比べて得られない特長を見出し、本発明品を完成するに至った。
請求項1に係る発明は、ポリイミドと、フッ素樹脂と、極性結晶体微粒子を主成分とする、ポリイミドを含む粉体組成物に関する。
請求項2に係る発明は、極性結晶体微粒子が、ピンクトルマリンまたはブラックトルマリンからなる微粒子である、請求項1に記載のポリイミドを含む粉体組成物に関する。
請求項3に係る発明は、極性結晶体微粒子の粒径が3μm以下である、請求項1乃至2に記載のポリイミドを含む粉体組成物に関する。
請求項4に係る発明は、ポリイミド/フッ素樹脂の重量比が、45/55乃至15/85である、請求項1乃至3に記載のポリイミドを含む粉体組成物に関する。
請求項5に係る発明は、ポリイミドならびにフッ素樹脂の合計/極性結晶体微粒子の重量比が、100/20乃至100/40である、請求項1乃至4に記載のポリイミドを含む粉体組成物に関する。
請求項6に係る発明は、アルミナ、または過硫酸カリウム、またはその両方を含む、請求項1乃至5に記載のポリイミドを含む粉体組成物に関する。
請求項7に係る発明は、フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ビニリデンフルオライドおよびビニルフルオライドからなる群から選択されるモノマーの重合体またはそれらの共重合体からなるフッ素樹脂であることを特徴とする、請求項1乃至6に記載のポリイミドを含む粉体組成物に関する。
請求項8に係る発明は、リグニン、フェノール、酸化チタン、エポキシ樹脂、LCP、ナノカーボン、カーボンブラック、炭素繊維、骨材(チョップド片)、二硫化モリブデン(MoS)、ポリエーテルイミド(PEI)、およびガラス粉からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含む、請求項1乃至7に記載のポリイミドを含む粉体組成物に関する。
請求項9に係る発明は、成形品に加工されてなる、請求項1乃至8に記載のポリイミドを含む粉体組成物に関する。
請求項10に係る発明は、
極性結晶体微粒子を粉砕し、ふるいにかけて粒径を3μm以下の極性結晶体微粒子を得る工程、
ポリイミドの粉体を調製する工程、
フッ素樹脂の粉体を調製する工程、
前記3種の粉体を混合する工程、
必要に応じ、混合した粉体を粒状に加工する工程、
混合粉体または加工した粒状の粉体を、金型成形する工程
を含む、請求項1乃至9に記載されたポリイミドを含む粉体組成物からなる成形品の製造方法に関する。
請求項1に係る発明によれば、ポリイミドと、フッ素樹脂と、極性結晶体微粒子を主成分とする、ポリイミドを含む粉体組成物であるので、耐熱性、耐薬品性、および絶縁性能等を高機能化させ、分子間結合をより強固にする粉体組成物を提供できる。
請求項2に係る発明によれば、極性結晶体微粒子が、ピンクトルマリンまたはブラックトルマリンからなる微粒子である、請求項1に記載のポリイミドを含む粉体組成物であるので、より優れた耐熱性、耐薬品性、および絶縁性能等を提供し、分子間結合をより強固にする粉体組成物を提供できる。
請求項3に係る発明によれば、極性結晶体微粒子の粒径が3μm以下である、請求項1乃至2に記載のポリイミドを含む粉体組成物であるので、より耐熱性、耐薬品性、および絶縁性能等を提供し、分子間結合をより強固にする粉体組成物を提供することができる。
請求項4に係る発明によれば、ポリイミド/フッ素樹脂の重量比が、45/55乃至15/85である、請求項1乃至3に記載のポリイミドを含む粉体組成物であるので、より優れた耐熱性、耐薬品性、および絶縁性能等を備えた粉体組成物を提供できる。
請求項5に係る発明によれば、ポリイミドならびにフッ素樹脂の合計/極性結晶体微粒子の重量比が、100/20乃至100/40である、請求項1乃至4に記載のポリイミドを含む粉体組成物であるので、より優れた耐熱性、耐薬品性、および絶縁性能等を提供し、分子間結合をより強固にする粉体組成物を提供することができる。
請求項6に係る発明によれば、アルミナ、または過硫酸カリウム、またはその両方を含む、請求項1乃至5に記載のポリイミドを含む粉体組成物であるので、より優れた耐熱性、耐薬品性、および絶縁性能等を備えた粉体組成物を提供できる。
請求項7に係る発明によれば、フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ビニリデンフルオライドおよびビニルフルオライドからなる群から選択されるモノマーの重合体またはそれらの共重合体からなるフッ素樹脂であることを特徴とする、請求項1乃至6に記載のポリイミドを含む粉体組成物であるので、より優れた耐熱性、耐薬品性、および絶縁性能等を備えた粉体組成物を提供できる。
請求項8に係る発明によれば、リグニン、フェノール、酸化チタン、エポキシ樹脂、LCP、ナノカーボン、カーボンブラック、炭素繊維、骨材(チョップド片)、二硫化モリブデン(MoS)、ポリエーテルイミド(PEI)、およびガラス粉からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含む、請求項1乃至7に記載のポリイミドを含む粉体組成物であるので、より優れた耐熱性、耐薬品性、および絶縁性能等を提供でき、場合によっては各性能をさらに特化させた粉体組成物を提供できる。
請求項9に係る発明によれば、成形品に加工されてなる、請求項1乃至8に記載のポリイミドを含む粉体組成物であるので、より優れた耐熱性、耐薬品性、および絶縁性能等を備えた粉体組成物を提供できる。
請求項10に係る発明によれば、
極性結晶体微粒子を粉砕し、ふるいにかけて粒径を3μm以下の極性結晶体微粒子を得る工程、
ポリイミドの粉体を調製する工程、
フッ素樹脂の粉体を調製する工程、
前記3種の粉体を混合する工程、
必要に応じ、混合した粉体を粒状に加工する工程、
混合粉体または加工した粒状の粉体を、金型成形する工程
を含む、請求項1乃至9に記載されたポリイミドを含む粉体組成物からなる成形品の製造方法であるので、優れた耐熱性、耐薬品性、および絶縁性能等を備えた成形品を製造することができる。
混合粉体および造粒粉体の成形方式または使用用途を示す。 粉体製造に関するフローチャートを示す。
以下、本発明に係る、ポリイミドを含む粉体組成物の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明は、フッ素樹脂(PTFE)、ポリイミド(PI)、極性結晶体(電気石)の3原体を基礎とした、高機能性を有する粉体組成物である。
本発明において「添加物」とは、当該粉体組成物を構成するポリイミド(PI)、フッ素樹脂、極性結晶体以外の構成成分の総称である。
具体的には、アルミナ、酸化チタン、リグニン(ペグリグニン)、フェノール、セルロース、二硫化モリブデン、過硫酸カリウム、シランカップリング剤、エポキシ樹脂、LCP、ナノカーボン、カーボンブラック、炭素繊維、骨材(チョップド片)、ガラス粉などがあるが、粉体組成物を目的に応じて改質するものであれば特に限定されない。
本発明において、「添加物粉体」とは、当該添加物の粉体のことを言い、本発明において、添加物は基本的に粉体として使用される。
本発明の「粉体」とは、当業者が通常理解する粉体を言う。粉体の大きさ(粒径)は当業者が通常理解可能な大きさであって、特定の大きさに限定されないが、好適には1乃至150μmの範囲にある。
本発明の粉体と同義の概念として粒子、微粒子などを挙げることができるが、当業者が通常、粉体と同義と解する概念であれば特に限定されない。
顆粒あるいは粒は、造粒工程(顆粒工程)において粉体を当業者が望む任意の大きさに凝集させ、ほぼ均一な粒径となった状態に加工された造粒粉体のうち小さい粉体のことである。
「ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)」とは、テトラフルオロエチレン(四弗化エチレン)の重合体で、フッ素原子と炭素原子のみからなるフッ素樹脂(フッ化炭素樹脂)である。テフロン(登録商標)の商品名で知られる。化学的に安定で耐熱性、耐薬品性に優れ、電気関係や高温腐食性流体を扱う化学的機械的用途において広く加工用素材として利用される。また、「テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)」および「テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)」も、PTFEと同様の性質を備え、同様の用途に使用される。
フッ素樹脂として、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ビニリデンフルオライドおよびビニルフルオライドからなる群から選択されるモノマーの重合体または共重合体からなるフッ素樹脂を使用してもよい。
この発明の実施例で使用するフッ素樹脂は、モールディング粉体を使用することが好ましいが、成型過程において粉体組成物に潤滑性を持たせ製造効率を上げるために、ファインパウダーのフッ素樹脂を混合させても良い。
ファインパウダーの混合割合に関して特に限定はないが、好ましくはフッ素樹脂全体のうち最大30重量%までのファインパウダーのフッ素樹脂を混合させて使用するのが望ましい。
ポリイミド(PI)は、化学材料として広く使われているものとして知られている。最近では、廃棄物としてのポリイミドを分解することによってポリアミド酸を工業的に得て、新たにポリイミドを合成するための原料としてこれを使うことが行われている(特開2014-221881号公報の段落[0011]、特開2017-165990公報の段落[0011]など)。
ポリイミド(PI)は、分子構造中にイミド結合を有する重合体からなる樹脂である。ポリイミドは、例えば、下記式で示される一般的な合成方法によって合成することができる。この合成方法では、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを原料に等モルで重合させ、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を得る。
このポリアミド酸を200℃以上の加熱、または触媒を用いて脱水・環化(イミド化)反応を進め、ポリイミドを得る。触媒を用いる場合はアミン系化合物が多く用いられ、イミド化によって発生した水を速やかに除去するための脱水剤としてカルボン酸無水物を併用する場合もある。
本明細書において、ポリイミドの原料になり得る化合物をポリイミド前駆体と称する。ポリイミド前駆体には、ポリアミド酸が含まれる。また、ポリアミド前駆体は、国際公開番号2012/096374号公報の図1、または特開2017-165990号公報の段落[0024]に記載される物質を含み得る。ポリイミド前駆体は、例えば、下記に示すようなものである。
(式中、記号Xは、アルカリ金属(リチウム/Li、ナトリウム/Na、カリウム/K、ルビジウム/Rb、又はセシウム/Ce)であり、添字n及びlは、ポリイミド構造の両側に位置するポリアミド酸構造の存在量(モル数)を示す記号であって、通常、0.1乃至0.8の範囲内の値であり、添字mは、ポリイミド構造の存在量(モル数)を示す記号であって、通常、0.2乃至0.9の範囲内の値である。)
上記のポリイミドは特に限定されず、例えば、無水ピロメリット酸等の芳香族四価カルボン酸無水物の反応等により得られる高分子量重合体からなる樹脂等が挙げられ、当業者に自明のものであればいかなるものでも用いることができる。
また、上記のポリイミドは、使用済みのポリイミドを粉砕してリサイクルしたものでも良く、未使用のものでも良い。
ポリイミドの形状は特に限定されないが、分散状態を長期間保ちやすいという観点から、微粒子であり粉体の大きさが1μm乃至100μmの範囲にあることが望ましい。
ポリイミドの含有量は、粉体組成物に対して、10重量%乃至40重量%であることが望ましく、15重量%乃至30重量%であることがより望ましい。
本発明におけるポリイミドは、粉体状で得られるものが好ましく、160℃以上の加熱により脱水・環化(イミド化)することができる。
さらに、本発明におけるポリイミドは、ポリアミドエステルから選択される1種以上のポリイミド類縁体を含んでもよい。
本発明の粉体組成物は、無機フィラーを含んでもよい。この無機フィラーは、好ましくは、少なくとも何らかの電気的性質を備えた任意の鉱物由来の微粒子である。さらに好ましくは、この無機フィラーは、極性結晶体であることが好ましい。本明細書において、極性結晶体とは、片側にプラス電極(+)、対する側にマイナス電極(-)を有する結晶体をいう。極性結晶体は、常に不安定な状態(電位差)を生じており、この電位差があるためにマイナス電極から絶えずプラス電極に向けて電子が放たれ流れている。極性結晶体が微粒子となったものが極性結晶体微粒子である。極性結晶体微粒子の形状は特に限定されないが、分散状態を長期間保ちやすいという観点から、粒径が1μm乃至100μmの範囲にあることが望ましく、さらには粒径が3μm以下となることが望ましい。本願明細書において、極性結晶体微粒子とは、ピンクトルマリン、ブラックトルマリン、および六晶石(登録商標)からなる群より選択される1種以上であるがこれらに限定されない。
極性結晶体微粒子の含有量は、粉体組成物に対して、5重量%乃至10重量%であることが望ましい。
極性結晶体のうち、特によく知られているものはトルマリンである。トルマリンは、化学式XYAl(BOSiO18(O,OH,F)からなる結晶体であり、このうち、ドラバイト(dravite)(苦土電気石)NaMgAl(BOSi18(OH)、elbaite(エルバイト)(リシア電気石)Na(Li,Al)Al(BOSi18(OH)、ショール(鉄電気石)NaFeAl(BOSi18(OH)、ウバイト(uvite)CaMg(AlMg)(BOSi18(OH,F)は、電気石と呼ばれているものである。
トルマリンは、1703年、現スリランカのセイロン島で発掘され、ヨーロッパに渡ったといわれている。その後1880年、ノーベル物理学賞を受けたピエール・キュリーはトルマリンの結晶に外部から圧力をかけると結晶表面に電荷が生じることを発見した。また、トルマリンに熱エネルギーを加えたときも電荷が生じることが明らかとなった。トルマリンに圧力を加えたときに生じる現象を圧電気(ピエゾ電気)といい、熱を加えたとき結晶の両極に電子が分かれ、プラスとマイナスの電気が生じる現象を焦電気(ピロ電気)という。トルマリンは、圧力や熱を加えたときに、石の両極にプラスとマイナスの電極が生じ電気が発生する。プラス極は電子を引き寄せ、マイナス極から結晶の外(水の中やカラダの皮膚表面など電気の流れやすい所)に電子を放出する。この放出した電子は水や空気中の水分を電気分解し、ヒドロキシルイオン(H )という、マイナスイオンを発生させる。
極性結晶体としては、六晶石(登録商標)を使用してもよい。六晶石(登録商標)は、凝灰岩質玄武岩で、短冊状の斜長石とその間を充填する単斜輝石・不透明鉱物・少量の橄欖石、球状又は不定形のセラドナイトからなり、いわゆる紫水晶の周辺岩石中で取り囲む分布をする鉱物である。成分としては、Feを重量比で5%以上含むものが好ましく、特に7%以上含むものが好ましい。
本発明の粉体組成物は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、FRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)、リグニン、および極性結晶体以外の無機フィラーからなる群より選択される少なくとも1つをさらに含有してもよい。本明細書において、樹脂「エポキシ」、「フェノール」、「ウレタン」、「アクリル」、「FRP」、「リグニン」、および「無機フィラー」という用語は、当業者によって通常理解される技術的意義を有する。
「エポキシ」という用語は、本明細書では「エポキシ樹脂」を意味し、これは、高分子内に残存させたエポキシ基で架橋ネットワーク化させることが可能な熱硬化性樹脂の総称である。エポキシ樹脂は、耐熱性温度は80℃、耐寒性温度は-30℃であり、毒性や引火性が小さいので取り扱いしやすい。
「フェノール」という用語は、本明細書では「フェノール樹脂」を意味し、これは、フェノールとホルムアルデヒドを原料とした熱硬化性樹脂の1つであり、世界で初めて植物以外の原料より人工的に合成された樹脂である。なお、前述のリグニンは天然のフェノール樹脂である。フェノール樹脂は、耐熱性は150乃至180℃であり、接着性が大きく、耐酸性が強く、電気絶縁性が高い、という特徴がある。
アルミナは、地殻中に存在するアルミニウムが最も安定に存在するための形態である。
アルミナは、酸化アルミニウム[組成式:Al]、無定形水酸化アルミニウム、ギブサイト、バイアライト[組成式:Al(OH)]および/またはベーマイトやディアスポア[組成式:AlOOH]のアルミニウム酸化物微粒子を包含する。
工業的に使用されることが多く、アルミニウム精錬への原料として使用されたり、吸着剤としての使用、研磨剤としての使用、アルミナファイバー、アルミナバイトなどの加工にも使用され、その使用用途は幅広い。
アルミナを含有させることによって、優れた接着性能および耐熱性能を備えた粉体組成物とすることができる。
アルミナは、フロー現象を防ぐための添加物として使用され得る。
アルミナは粉体として使用することができる。アルミナは、他の粉体と混合しやすいという観点から、好ましくは粉体の大きさが5乃至4500nmの範囲にあることが望ましい。
アルミナの含有量は、粉体組成物に対して、1重量%乃至10重量%であることが望ましく、3重量%乃至7重量%であることがより望ましい。これは、アルミナの含有量が1重量%未満であると、アルミナに起因する接着性能および耐熱性能を粉体組成物に十分に付与することができず、10重量%を超えてもそれ以上の効果の付与は望めないためである。
粉体組成物に用いるアルミナは特に限定されないが、水酸基(OH基)を有するアルミナの粉体を用いることが望ましい。
OH基を有するアルミナを用いることにより、アルミナのOH基による化学的な結合力(接着力)が増加するため、より優れた接着性能を粉体組成物に付与することができる。
アルミナの代わりに、あるいはアルミナに加えて、他の金属酸化物微粒子を添加しても良い。
他の金属酸化物微粒子としては、特に限定されないが、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化セリウムまたは酸化スズ等を用いることができる。
アルミナの代わりに、あるいはアルミナに加えてこれらの金属酸化物微粒子を添加することにより、アルミナのみを添加した場合とは異なる粉体組成物を提供することができる。
過硫酸カリウムは、OH基を含有する化合物であるため、粉体組成物に含まれるOH基の数を増加させることができ、OH基による化学的な結合力(接着力)が増加するため、粉体組成物に優れた接着性を付与することができる。
過硫酸カリウムの含有量は、粉体組成物に対して、0.1重量%乃至5重量%であることが望ましく、1重量%乃至3重量%であることがより望ましい。これは、過硫酸カリウムの含有量が0.1重量%未満であると、過硫酸カリウムに起因する接着性能を粉体組成物に十分に付与することができず、5重量%を超えてもそれ以上の効果の付与は望めないためである。
酸化チタンは、チタンの酸化鉱物であり、白色度や隠蔽力が優れていることから主に白色顔料として使われることが多い。
酸化チタンは、フロー現象を防ぐための添加物として使用され得る。
酸化チタンは、添加物として使用することで高い耐熱性と潤滑性を粉体組成物に付与できる。
酸化チタンは、他の粉体と混合しやすいという観点から、粉体の大きさが5乃至4500nmの範囲にあることが望ましい。
酸化チタンの含有量は、粉体組成物に対して、1重量%乃至20重量%であることが望ましく、3重量%乃至7重量%であることがより望ましい。
LCPは、「液体クリスタルポリマー」、「液晶ポリマー」、「液晶性ポリマー樹脂」、あるいは「液晶ポリエステル」とも呼ばれ、スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)に分類される高機能材料の1つである。耐熱性、耐薬品性、成形性に優れていることから、機械加工や溶接などに使用される。
LCPは、フロー現象を防ぐための添加物として使用され得る。
LCPの基本骨格となり得るモノマーはパラヒドロキシ安息香酸や6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸などがあり、様々な成分と直鎖状にエステル結合を行うことで作製することができる。
LCPの含有量は、粉体組成物に対して、1重量%乃至20重量%であることが望ましい。
ナノカーボンは、ナノサイズの炭素粒子の総称である。
代表的なものにグラフェン、カーボンナノチューブ、ナノダイヤモンド、フラーレンなどがある。
粉体組成物に添加物として使用することで高い耐熱性や潤滑性の他、熱伝導性や電気伝導性を粉体組成物に付与することができる。
ナノカーボンは、フロー現象を防ぐための添加物として使用され得る。
ナノカーボンは、他の粉体と混合しやすいという観点から、粉体の大きさが5乃至4500nmの範囲にあることが望ましい。
ナノカーボンの含有量は、粉体組成物に対して、1重量%乃至20重量%であることが望ましい。
カーボンブラックは、当業者が通常理解する炭素主体の粉体である。
カーボンブラックは、フロー現象を防ぐための添加物として使用され得る。
カーボンブラックは、添加物として使用することで高い耐熱性と潤滑性を粉体組成物に付与できる。
耐熱性が粉体組成物に付与されるのは、高温時にカーボンブラックが熱放散するためだと考えられる。
カーボンブラックは、他の粉体と混合しやすいという観点から、粉体の大きさが5乃至4500nmの範囲にあることが望ましい。
カーボンブラックの含有量は、粉体組成物に対して、1重量%乃至20重量%であることが望ましい。
炭素繊維は樹脂やセラミックスなどに対して機能性付与剤として使われ、添加物として使用することで高い機械的強度、耐熱性などを粉体組成物に付与することができる。
炭素繊維は、フロー現象を防ぐための添加物として使用され得る。
炭素繊維は、他の粉体と混合しやすいという観点から、粉体の大きさが5乃至4500nmの範囲にあることが望ましい。
炭素繊維の含有量は、粉体組成物に対して、1重量%乃至50重量%であることが望ましい。
骨材(チョップド片)は、モルタルやコンクリートを作る際に充填剤として用いるもので、主に建築業界で使われる。
骨材には自然界に存在する砂、砂利、海砂、軽石、砕石骨材、火山礫砂などをそのまま使用する天然骨材、スラグ、石灰殻、クリンカーなどの、金属精錬や発電などの業により副産物として得られる人工副産骨材、蛭石、黒曜石やパーライトなどを焼成し微細化したものや、膨張頁岩,膨張粘土,焼成フライアッシュ、精製粘土(例えばクニミネ工業株式会社製:クニピア-M)等の、人工的な手法を用いて加工して得られる骨材を人工骨材という。
骨材(チョップド片)は、他の粉体と混合しやすいという観点から、粉体の大きさが5乃至4500nmの範囲にあることが望ましい。
骨材(チョップド片)の含有量は、粉体組成物に対して、1重量%乃至50重量%であることが望ましい。
リグニンは、リグニンは木材の主要成分の1つであるフェノール性の高分子で、木材中の繊維同士を接着させる役割を果たしている。すなわち、高等植物の木化に関与する高分子のフェノール性化合物である。リグニンは、光合成(一次代謝)により同化された炭素化合物が、更なる代謝(二次代謝)を受けることで合成されるフェニルプロパノイドのうち、p-クマリルアルコール(p-ヒドロキシシンナミルアルコール)・コニフェリルアルコール・シナピルアルコールという3種類のリグニンモノマー(モノリグノール)が、酵素(ラッカーゼ・ペルオキシダーゼ)の触媒の元で1電子酸化されてフェノキシラジカルとなり、これがランダムなラジカルカップリングで高度に重合することにより三次元網目構造を形成した、巨大な生体高分子である。
リグニンの含有量は、粉体組成物に対して、1重量%乃至5重量%であることが望ましい。
セルロースは、植物の主要成分のうちの一つである。
有機高分子として自然界に多く存在する、グルコースにより構成された多糖類である。
天然の高分子であることから、上述したリグニンと同様に、樹脂の代替原料として使用できる。
二硫化モリブデン(MoS)は、優れた潤滑性と耐荷重性をもち、固体潤滑剤として用いられることが多い。
溶融点がおよそ1180℃以上であることから、耐熱性も付与できる。
ポリエーテルイミド(PEI)は、スーパーエンジニアリングプラスチックの1つであり、優れた機械強度、絶縁性、耐熱性をもつ。
本発明に混合させることで、粉体組成物の高機能化を図ることができる。
ガラスは、当業者が通常理解するガラスのことであり、代表的なものに、ケイ酸塩やホウ酸塩、リン酸塩などの無機酸化物が、過冷却によって固体状態となったものがある。
本発明において、ガラスは基本的に粉体(すなわちガラス粉)として用いられる。
ガラスは、フロー現象を防ぐための添加物として使用され得る。
本発明は、無機フィラーとして、シランカップリング剤で処理されている無機フィラーを用いてもよい。シランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3-ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物から選択される1種以上が挙げられるがこれらに限定されない。
なお、本発明の粉体組成物は、上記の構成要素以外にも、混合粉体を改質するためにその他の添加物等を含有していてもよい。
添加物としては、例えば、溶剤、粘着付与剤、可塑剤、硬化剤、架橋剤、希釈剤、充填剤、増粘剤、顔料等が挙げられるが、これに限定されず、混合粉体の性質を改質するために通常用いられ、当業者に自明のものであれば、いかなるものでも用いることができる。
以下、粉体組成物からなる成形品の製造方法について説明する。
ポリイミド(PI)、フッ素樹脂、極性結晶体微粒子を含有する粉体組成物は、基本的に混合粉体または造粒粉体として製造される。本明細書において、粉体組成物とは、基礎混合粉体、混合粉体、および造粒粉体のいずれかをいう。
基礎混合粉体とは、ポリイミド(PI)の粉体、フッ素樹脂の粉体、極性結晶体微粒子を混合させた粉体のことである。基礎混合粉体を使用した成形品は、従来のポリイミド(PI)とフッ素樹脂を混合した混合物および混合物を使用した成形品よりも卓越した耐熱性、耐薬品性、および絶縁性能等を奏する。基礎混合粉体が製造工程を経て最終的に成形品となる場合、耐熱性、強度、撥水性等の物性を規格内に維持するには、ポリイミド(PI)、フッ素樹脂、極性結晶体微粒子の重量比に注目する必要がある。好ましくはポリイミド/フッ素樹脂の重量比が、50/50乃至10/90の範囲にあるのが望ましく、さらに好ましくは45/55乃至15/85の範囲にあるのが望ましい。また、好ましくはポリイミドならびにフッ素樹脂の合計/極性結晶体微粒子の重量比が、100/1.5乃至100/50の範囲にあるのが望ましく、さらに好ましくは100/20乃至100/40の範囲にあるのが望ましい。
混合粉体とは、基礎混合粉体に、有機または/および無機材質を含む様々な添加物を混合させることで高機能化を図った粉体のことであり、基礎混合粉体に混合される粉体として、リグニン(またはペグリグニン)、エポキシ(エポキシ樹脂)、フェノール、セルロース、二硫化モリブデン(MoS)、アルミナ、過硫酸カリウム、シランカップリング、酸化チタン、液体クリスタルポリマー(LCP)、ポリエーテルイミド(PEI)、カーボンブラック、ナノカーボン、炭素繊維、骨材(チョップド片)、精製粘土(例えばクニミネ工業株式会社製:クニピア-M)などがある。好ましくはアルミナ、または過硫酸カリウム、またはその両方を含む粉体を混合するのが望ましい。混合粉体が製造工程を経て最終的に成形品となる場合、耐熱性、強度、撥水性等の物性を規格内に維持するには、ポリイミド(PI)、フッ素樹脂、極性結晶体微粒子の重量比に注目する必要がある。好ましくはポリイミド/フッ素樹脂の重量比が、50/50乃至10/90の範囲にあるのが望ましく、さらに好ましくは45/55乃至15/85の範囲にあるのが望ましい。また、好ましくはポリイミドならびにフッ素樹脂の合計/極性結晶体微粒子の重量比が、100/1.5乃至100/50の範囲にあるのが望ましく、さらに好ましくは100/20乃至100/40の範囲にあるのが望ましい。
造粒粉体とは、基礎混合粉体あるいは混合粉体を顆粒、粒状にしたもので、品質が安定しており量産に向くものである。造粒工程(顆粒工程)は、基礎混合粉体あるいは混合粉体を造粒粉体にするための工程である。造粒工程(顆粒工程)は基礎混合粉体あるいは混合粉体の粒径を任意の大きさや形状に加工することができ、さらには粉体の表面や内部の構造なども変化するため、製品や成形品に任意の特性を持たせたい場合に有効な粉体の加工手段として行われ得る。
造粒工程(顆粒工程)によって得られる造粒粉体は、3μm乃至150μmの粒径であることが好ましく、より好ましくは、5μm乃至50μmの粒径であり、最も好ましくは、5μm乃至30μmの粒径である。
本発明の粉体組成物は、製造工程において、適切に加工することにより、繊維状組成物、または成形品とすることができる。
本発明の粉体組成物は、特許文献2や特許文献3などに記載した高機能水性塗料樹脂と、塗膜特性としてはほぼ同等の性能を有するため、静電塗装向けの高機能粉体組成物としても使用できる。
とりわけ、本発明の粉体組成物は、使用目的に合った金型を使い、熱成型または押出し成型することで、適切な成形品とすることができる。例えば、本発明の粉体組成物は、板材、角材、丸棒材である機械加工用素材として成型した後に、目的に合った製品に加工することができるため、加工ブロック材、押出しチューブ品、冷間加工品、熱間加工品などの幅広い用途に使用することができる。
より具体的には、粉体化のプロセスは以下の通りである。前述の通り、四弗化エチレン樹脂(PTFE)、ポリイミド(PI)、極性結晶体(電気石)から出来た材料が主原料である。本発明の粉体組成物は、その製法により、混合粉体と造粒粉体に大別される。
(粉体の場合)
粉体(混合粉体)は、ローフローパウダーとも称し、3μm乃至30μmの粒径を有する。大型・大物の成型(単式金型)に向いている。混合粉体の粒経を3μm乃至30μm程度にするため、焼成後の外観仕上がりを向上させるため、または製造される製品の品質安定のために、混合粉体の製造前における原料(PTFE、ポリイミド、極性結晶体、添加物など)の状態に応じて、原料を更に粉砕する、ふるいにかける、原料を焼成させ、焼成した原料を再び(球状もしくは顆粒状の)粉体にする(焼成粉体)などの工程を行う場合がある。
極性結晶体は、粉砕し、ふるいにかけて粒経を3μm乃至30μm程度(さらには3μm以下の粒径)の極性結晶体微粒子にすることが望ましい。
混合粉体の製法には、冷間成形方式と加熱成形方式がある。
冷間成形方式は、以下の工程を含む。
・粉体(パウダー)の乾燥200℃乃至260℃(8時間)(水分の除去が目的)
・粉体の借圧縮、プレス成型 密度2.1乃至2.7kg/cm
・焼成(327℃融点)360℃ 5乃至6時間
・自然冷却の後、完成品検査により完成。
加熱成形方式は、以下の工程を含む。
・粉体を金型に投入の後焼成(327℃融点) 360℃乃至380℃で30乃至60分で製品が完成する。密度は2.1乃至2.7kg/cmである。加熱成形方式で得られる製品は、金型の寸法精度で決まる。特に素材の丸棒、板材等の大物に向いている。
造粒粉体は、フリーフローパウダーとも称し、5μm乃至50μmの粒径を有し、量産製品の成型に向いている。造粒は、アルコール類等を活用して、3種から4種類の混合粉体を粒状に仕上げながら丸形状に仕上げた粉体を造粒粉体と称する。また、造粒粉体のうち、小さい粉体を顆粒に分類する。
これらの粉体は、すべて、金型成型あるいは、押出し成型用に使用し、直接製品になる物、素材としての丸棒、板材、フィルム等にも活用したり、機械加工用として使用したりすることができる。
粉体組成物のその他の用途活用としては、電着塗装が挙げられる。現在、多く使用される粉体としては、静電粉体塗装機(メーカー、ノードン社製)が主流であるが、本発明の基礎混合粉体(ポリイミド(PI)、四弗化、三弗化、三-六弗化、(PTFE、PFA)、極性結晶体(電気石、トルマリン))などを含む混合粉体であれば、マイナスイオンを活用した装置で15乃至25μm膜厚さ程度の完全なる電着塗装に使用することができる。
本発明によって製造された粉体組成物は、耐熱性が-80℃乃至450℃。耐薬品性がpH2乃至pH11、絶縁耐力性が49.9Vで、撥水性および撥油性を有し、容量法による誘電率測定で1.8乃至2.1であり、輻射率が遠赤外線分光放射計測定により平均値0.91という性質を示した。また、本発明によって製造された粉体組成物は、食品衛生法適合品であるため、食品分野における使用にも適している。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によって限定されるものではない。
各実施例には、使用する原料の製造会社を一例として記載しているが特に限定されない。例えばポリイミド(PI)粉体はピーアイ化成株式会社製に加え、株式会社カネカ製、宇部興産株式会社製、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製のものを使用しても、本発明の機能の維持あるいは向上に有用に使用できる。例えば四弗化エチレン(PTFE)樹脂はダイキン工業株式会社製に加え、株式会社セイシン企業製のものを使用しても、本発明の機能の維持あるいは向上に有用に使用できる。
(実施例1:基礎混合粉体の調合)
実施例1の組成は以下の通りである。
1.ポリイミド(PI)粉体(ピーアイ化成株式会社製:PIP-15 15μm):17重量%
2.四弗化エチレン(PTFE)樹脂粉体(ダイキン工業株式会社製:M-12 20μm):76重量%
3.極性結晶体微粒子(トルマリン)(3μm):7重量%
1.乃至3.の3種の粉体を、ニーダー装置(混錬機)を用いて、常温(25℃)で20分間混錬を行い、15kgの基礎混合粉体を得た。
(実施例2:混合粉体の調合(リグニン))
実施例2の組成は以下の通りである。
1.ポリイミド(PI)粉体(ピーアイ化成株式会社製:PIP-15 15μm):13重量%
2.四弗化エチレン(PTFE)樹脂粉体(ダイキン工業株式会社製:M-12 20μm):75重量%
3.極性結晶体微粒子(トルマリン)(3μm):7重量%
4.リグニン粉体(10μm):5重量%
1.乃至4.の4種の粉体を、ニーダー装置(混錬機)を用いて、常温(25℃)で20分間混錬を行い、13kgの混合粉体を得た。
(実施例3:混合粉体の調合(エポキシ樹脂))
実施例3の組成は以下の通りである。
1.ポリイミド(PI)粉体(ピーアイ化成株式会社製:PIP-15 15μm):13重量%
2.四弗化エチレン(PTFE)樹脂粉体(ダイキン工業株式会社製:M-12 20μm):75重量%
3.極性結晶体微粒子(トルマリン)(3μm):7重量%
4.エポキシ樹脂粉体(10μm):5重量%
1.乃至4.の4種の粉体を、ニーダー装置(混錬機)を用いて、常温(25℃)で20分間混錬を行い、15kgの混合粉体を得た。
(実施例4:基礎混合粉体から造粒粉体の製造)
実施例1の基礎混合粉体から得た15kgを造粒機にて300℃、60分間操作し、歩留まりを考慮して13.5kgの正味の造粒粉体を得た。
この完成した造粒粉体の平均粒度は、30μmであった。
(実施例5:混合粉体から造粒粉体の製造(リグニン))
実施例2の混合粉体から得た13kgを造粒機にて300℃、60分間操作し、歩留まりを考慮して11.7kgの正味の造粒粉体を得た。
この完成した造粒粉体の平均粒度は、28乃至31μmであった。
(実施例6:混合粉体から造粒粉体の製造(エポキシ樹脂))
実施例3の混合粉体から得た15kgを造粒機にて300℃、60分間操作し、歩留まりを考慮して12.8kgの正味の造粒粉体を得た。
この完成した造粒粉体の平均粒度は、28乃至31μmであった。
歩留まりが低下したのはエポキシの熱減と考えられる。
(実施例7:本発明品での熱加工品の製造の実施)
実施例4乃至6にて得られた基礎混合粉体および混合粉体からなる造粒粉体を用いて、熱成型金型を用いて製品化を行った。
これらの試作加工品の仕様は、
熱圧成型は、350℃において400トンの条件で加圧した。(温度は400℃まで調整可能)
成型機は、株式会社大阪ジャッキ製作所製のものを使用した。
圧縮成型面圧は、200kg/cmとした。(圧縮成型面圧は350kg/cmまで調整可能)
得られた試作製品を以下の通りである。
i)試作製品名:ポンプ、ネックブッシュ
形状:リング状
寸法:外径92.0mm×内径62.5mm×高さ12.0mm
試作製品密度:2.1g/cm以上
i)の製品を3つ試作した。
ii)試作製品名:バルブ、ネックブッシュ(玉型弁)
形状:リング状
寸法:(1)外径56.5mm×内径34.5mm×高さ8.5mm
(2)外径28.5mm×内径18.0mm×高さ5.0mm
試作製品密度:狙いを1.89g/cm乃至2.06g/cmとした。
(1)、(2)の試作製品をそれぞれ3つ試作した。
ii)の試作製品密度を測定すると、(1)、(2)で試作された3サンプルの密度はそれぞれ1.63g/cm、1.67g/cm、1.62g/cmであり、平均して1.64g/cmであった。
試作製品i)、ii)もそれぞれ満足のいく製品が完成した。
(試験結果:実施例1乃至7に関する)
実施例1乃至6にかかる成形品を、外観、耐熱性、強度、撥水性の点から評価した。比較例は、極性結晶体を含まない粉体を用いた。極性結晶体を含まない比較例とは対照的に、実施例1乃至6は非常に優れた性能を発揮する成形品であった。
本発明の粉体組成物に係る成形品の性能を以下の表1に要約する。
(焼成後の焼成品における外観不良の改善に関する検討)
本発明はポリイミドと、フッ素樹脂と、極性結晶体微粒子が含まれている粉体組成物であれば、重量比率としてスーパーエンジニアリングプラスチック(例えばPEEKなど)が最も多い粉体組成物とすることもできる。この粉体組成物の配合は、焼成後の成形品にフッ素樹脂由来の外観不良(例えば凝集、割れ、外観色の濃色化など)が生じる場合に検討する。実施例1乃至7ではフッ素樹脂が重量比率として最も多い粉体組成物を記載しているが、実施例8乃至実施例9では、PEEKおよびPIの重量比が多い場合の粉体組成物について記載する。
実施例8及び9において使用する原料は以下のとおりである。
1.ポリイミド(PI)粉体(ピーアイ化成株式会社製:PIP-15 15μm)
2.四弗化エチレン(PTFE)樹脂焼成粉体(株式会社セイシン企業製:TFW-1000P 5-10μm)
3.PEEK(JILIN ZHONGYAN HIGH PERFORMANCE PLASTIC CO.,LTD社製 ZYPEEK(登録商標) 330-UPF 25μm)
4.極性結晶体微粒子(トルマリン)(3μm)
1.乃至4.の4種の原料を、総重量100グラムとなるように常温(25℃)で混合させた。得られた混合粉体を冷間成形方式によって乾燥、プレス成型、焼成の後に室温になるまで徐冷(自然乾燥)した。ここで、プレス成型時の金型は60mmφの金型を採用した。焼成条件は360℃×1時間とした。これは、焼成時間を1時間で固定した場合、350℃では割れが発生し、380℃ではフローが激しく、濃色したためである。
使用する原料の製造会社を一例として記載しているが特に限定されない。例えばポリイミド(PI)粉体はピーアイ化成株式会社製に加え、株式会社カネカ製、宇部興産株式会社製、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製のものを使用しても、本発明の機能を維持あるいは向上させ、焼成後の焼成品における外観不良の改善に有用に使用できる。例えばPEEKはジリン ジョンヤン ハイ パフォーマンス プラスチック(JILIN ZHONGYAN HIGH PERFORMANCE PLASTIC CO.,LTD)株式会社製に加え、ビクトレックス(VICTREX)社のものを使用しても、本発明の機能を維持あるいは向上させ、焼成後の焼成品における外観不良の改善に有用に使用できる。例えば四弗化エチレン(PTFE)樹脂は株式会社セイシン企業製に加え、ダイキン工業株式会社製のものを使用しても、本発明の機能を維持あるいは向上させ、焼成後の焼成品における外観不良の改善に有用に使用できる。
(実施例8:混合粉体の調合)
実施例8の組成は以下の通りである。
1.ポリイミド(PI)粉体(15μm):47.5重量%
2.四弗化エチレン(PTFE)樹脂焼成粉体(5-10μm):3重量%
3.PEEK(25μm):44.5重量%
4.極性結晶体微粒子(トルマリン)(3μm):5重量%
1.乃至4.の4種の粉体を、総重量100グラムとなるように常温(25℃)で混合させた。得られた混合粉体を冷間成形方式によって乾燥、プレス成型、焼成の後に徐冷した。ここで、プレス成型時の金型は60mmφの金型を採用した。焼成条件は360℃×1時間とした。
(実施例9:混合粉体の調合)
実施例9の組成は以下の通りである。
1.ポリイミド(PI)粉体(15μm):44.5重量%
2.四弗化エチレン(PTFE)樹脂焼成粉体(5-10μm):9重量%
3.PEEK(25μm):41.5重量%
4.極性結晶体微粒子(トルマリン)(3μm):5重量%
1.乃至4.の4種の粉体を、総重量100グラムとなるように常温(25℃)で混合させた。得られた混合粉体を冷間成形方式によって乾燥、プレス成型、焼成の後に徐冷した。ここで、プレス成型時の金型は60mmφの金型を採用した。焼成条件は360℃×1時間とした。
(試験結果:実施例8乃至9に関する)
実施例8乃至9で得られた焼成品の外観を確認した。実施例8及び9の焼成品は、割れも観られず、滑り性も良好であり、凝集(ダマ)による外観不良は見られなかった。実施例9は特に色味が鮮やかに仕上がった。実施例8及び9の評価結果を以下の表2に要約する。
実施例8及び実施例9では、外観不良が改善することを目的として焼成品を製作したが、実施例を基に成形品を製作すること、配合比を変更すること、耐熱性、強度、撥水性などの物性のさらなる向上のために添加物を配合すること、造粒すること等ができるのは自明である。
本発明は耐熱性、耐薬品性、耐絶縁性に優れ、金属へのなじみ性、応力緩和特性が優れた、満足のいく製品となった。
本発明の応用例として、製造工場の設備部品がある。
製造工場は、日本に数多く存在する。
鉄鋼業、石油・石炭製品製造業、化学工業などの製造工場では、製造工程のうち原料を高温処理して製品を製造することが多いために、工場や工場内の設備は耐熱性を考慮して設計されているのが一般的である。
既存の製造工場は耐熱性を確保するために金属を使用していることが多いが、工場や工場設備が劣化した場合、修繕箇所に金属を用いると、金属そのものにかかる費用や、場合によっては金属加工が難しくなるため、最終的に修繕にかかるコストが大きくなる傾向がある。
本発明は、係る事情の際に、金属に代わる代替材料として取り扱うことができる。
本発明は耐熱性・耐薬品性・耐絶縁性を持ち、金型成型を行えることによる加工の容易さをあわせもつことから、工場内で修繕箇所に適した部品を低コストで提供することができるようになる。
本発明は、例えばワッシャー、ナット、ビス、ボルト、スラストベアリング、ポンプ部品、油圧シールリング、工場内のパイプ、耐熱用ローラー、ボールバルブ、静的・動的シール、ベアリング、無給油ローラー軸受など、工場設備内において、劣化の早い設備部品を修繕する際に特に有用である。
本発明は耐熱性・耐薬品性・耐絶縁性などに優れているだけでなく、食品衛生法にも適合したものである。
本発明は、ポリイミドを含む粉体組成物、粉体組成物からなる成形品の製造方法に関するものである。得られる粉体組成物は、工業用など幅広い分野で使用することができ、加工ブロック材及び押出しチューブ品、さらにはフィルム、スラストベアリング、耐熱ローラー、ボールバルブなど、耐熱性、耐薬品性、耐電圧性などを求められる、製品劣化を促進させるような環境下でも十分に使用可能で、かつ安価な成形品として幅広く使用することができる。また、本発明は、PTFE、PI、極性結晶体(トルマリン)を原材料とする高機能水性塗料の欠点を補うものであり、高機能水性塗料の機能は保持したまま、保管、運送、長寿命化、多様な機能の発現、加工、量産化、産業向け材料としてリサイクル化が可能となり、さらに、低価格化、市場性の拡大化、カーボンリサイクルといった産業上のニーズにも答えるものである。

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  1. 極性結晶体微粒子を粉砕し、ふるいにかけて粒径を3μm以下の極性結晶体微粒子を得る工程、
    ポリイミドの粉体を調製する工程、
    フッ素樹脂の粉体を調製する工程、
    前記3種の粉体を混合する工程、
    必要に応じ、混合した粉体を粒状に加工する工程、
    混合粉体または加工した粒状の粉体を、金型成形する工程
    を含む、ポリイミドと、フッ素樹脂と、極性結晶体微粒子を主成分とする、ポリイミドを含む成形用粉体組成物からなる成形品の製造方法。
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