JP7374406B2 - 車両のステアリング装置 - Google Patents
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Description
本発明に係る車両のステアリング装置の特徴構成は、
ステアリングを支持するステアリング軸と、
前記ステアリング軸が接続されたコラムと、
前記コラムを覆うカバーと、
前記コラムの移動方向に沿う方向視において前記カバーの外側に設けられ、前記コラムを格納・引き出し可能に支持するガイド部材と、
車両に固定され、前記ガイド部材を支持するガイドフレームと、
前記コラムを駆動させる駆動機構と、を備え、
前記駆動機構が、
前記ガイドフレームの奥側に設けられた第1駆動部と、
前記コラムに設けられたナット部材と、
前記第1駆動部と前記ナット部材とに螺合し、前記第1駆動部によって回転駆動される送りネジとを有し、
前記第1駆動部の一部として前記送りネジの端部を支持する軸受および前記第1駆動部が、前記ガイドフレームに対して揺動可能な基部に設けられている点にある。
本構成のようにガイド部材をカバーの外側に設けることで、コラムおよびカバーの格納・引き出し操作に際して、コラム等とガイド部材とがコラム等の移動方向において干渉することがない。よって、例えば、ガイド部材の長さをコラムの格納・引き出しに必要な長さと同等に設定しておくことができ、ステアリング装置の奥行きサイズを短く留めることができる。
特に、本構成では、第1駆動部および軸受はガイドフレームに対して揺動可能な基部に設けられている。これは、仮にガイドフレームに対するガイド部材の取り付け状態に誤差がある場合、ガイド部材と送りネジとが平行にならない場合を考慮したものである。つまり、送りネジの姿勢は、軸受の位置とナット部材の位置とで決定されるが、コラムを構成する部品の組立誤差やガイドフレームに対するガイド部材の取付誤差がある場合、第1駆動部から見た送りネジの延出方向がコラムの移動に応じて変化する。その際、送りネジの駆動によってコラムが移動する際に、ガイドフレームに対して送りネジが揺動するから、送りネジとナット部材との摺動抵抗が増加することがなくコラムの円滑な移動が可能となる。
本発明に係る車両のステアリング装置においては、前記ガイド部材が、複数のガイドレールを備えるものとし、前記複数のガイドレールのうち少なくとも一対のガイドレールの位置につき、前記コラムの前記方向視において、前記少なくとも一対のガイドレールの夫々の中心どうしを結ぶ仮想線が前記コラムの輪郭と交差する状態となるように設定することができる。
本構成では、複数のガイドレールを備え、そのうち少なくとも一対のガイドレールがコラムの両側に配置された状態となる。ガイドレールの取付位置としては様々な位置を選択することができる。例えば、コラムの移動方向に沿って見たときに、コラムの上方に二本のガイドレールを並べて配置し、コラムを吊り下げ状態に固定する構成も採り得る。ただしこの場合には、仮にステアリング操舵力のうちの横方向成分が大きいとき、ガイドレールとステアリング軸との距離に応じたモーメントも大きくなり、ステアリングやコラムが横方向に変位し易くなる。つまり、ステアリング剛性が小さいとの操舵感覚が生じる。
本発明に係る車両のステアリング装置においては、前記コラムに対する前記少なくとも一対のガイドレールの位置が、前記仮想線と前記ステアリング軸とが交差する状態となるように設定されていると好都合である。
本構成であれば、ステアリング軸に入力される操舵力によってステアリング軸が自身の径方向に変位する事態は殆ど生じなくなる。よって、ステアリング軸の剛性が極めて高いものとなる。
(全体概要)
図1乃至図5に、本発明の第1実施形態に係る車両のステアリング装置Sを示す。本実施形態のステアリング装置Sは、ステアリングハンドルH(以下、ステアリングHと称する)およびこれを取り付けたステアリング軸Aが、車両の計器盤に対して引き出した位置(図2)と格納した位置(図3)とに変更可能である。車両が手動運転状態にあるときにはステアリングHは引き出された状態となり、自動運転状態にあるときには計器盤の内部にステアリングHが格納される。手動運転状態では、ステアリングHの前後位置を運転者の体格に合わせて微調整可能である。
図1ないし図5に本実施形態のガイド部材Gを示す。ガイド部材Gは、複数のガイドレールG1を備えるものが好ましい。本実施形態では、ガイド部材Gとして、左右に備えた二本のガイドレールG1を中央のガイドフレームGFが保持した構造を有する。当該ガイドフレームGFは例えば鋳造品で形成される。ガイドレールG1は、例えば略コの字形の断面を有する長尺状のチャンネル部材等によって構成する。この内部を、コラムCのカバーCaから飛び出した状態で装着されたベアリング40あるいはガイド車輪が往復移動する。
図2および図3に示すように、ガイドフレームGFの奥側の端部には第1駆動部M1が設けてある。ガイドフレームGFとコラムCの間には、第1駆動部M1と後述の第2駆動部M2との距離を変更する駆動伝達部材Tとして、雄ネジ部を有する長尺状の送りネジT1が設けてある。送りネジT1の端部は、第1駆動部M1の一部としてガイドフレームGFに設けた軸受10によって位置固定のまま回転可能に軸支されている。第1駆動部M1では、第1モータm1の軸部に設けた例えばウォームギアである第1歯車11により、送りネジT1の端部に設けた第2歯車12を回転させる。
図2および図3に示すように、コラムCには第2駆動部M2が設けられている。第2駆動部M2は、車両を手動運転する際にステアリングHの前後位置の微調整を行うものである。第2駆動部M2は、第2モータm2の駆動力を、モータ軸に例えばウォームギアである第3歯車21を介してナット部材20の外周部に設けられた雄ネジ部20bを駆動する。ナット部材20は、コラムCに対して相対回転自在かつコラムCの移動方向に沿っては相対移動不可に取り付けられている。よってナット部材20が回転することで、コラムCが送りネジT1に対して相対移動する。
コラムCの両側部には、コラムCの移動を案内するガイド機構として、複数のベアリング40が、コラムCの移動方向に沿って二列に並ぶようにリテーナ41に保持されている。一方、ガイド機構の他の構成であってこれらベアリング40を案内するガイドレールG1は、例えば、図1や図5に示すようにトラック形の一部を切り抜いた断面形状を有するチャンネル部材で構成してある。このチャンネル部材の両端部に設けた円弧状部位の間隔はベアリング40の間隔よりも僅かに小さく構成してある。その結果、ガイドレールG1とベアリング40とがガタ付きなく装着される。
図2あるいは図5に示すように、ガイドフレームGFとコラムCとの間には、両者間に付勢力を発生させる付勢機構Pが設けてある。この付勢機構Pとしては、まず、コラムCに設けられ、コラムCから離間する方向に付勢される付勢部50が備えられている。一方のガイドフレームGFには、コラムCの幅方向の中央位置に設けられ、コラムCの移動方向に沿って延出した受け部51が設けられている。受け部51としては、断面形状がコ形の受けレールが備えられている。受け部51の長さは、少なくとも運転領域においてコラムCが移動するあいだ付勢部50が当接可能となる範囲に設定する。
図2および図3に示すように、コラムCには第3モータm3を備えた第3駆動部M3が設けられており、第3モータm3の駆動によってステアリング軸Aのチルト角を調節することができる。本実施形態のステアリング装置Sは、例えばステアバイワイヤによるものであり、ステアリング軸Aの先にステアリングHの操作力を伝える他の軸部材が接続されていないため、送りネジT1をステアリング軸Aと同軸芯上に設けることができる。このため、コラムCの中央部とステアリング軸Aの中央部は、送りネジT1が進入可能なように中空構造にしてある。これらコラムCとステアリング軸Aとは中空構造のユニバーサルジョイント60で接続してある。
送りネジT1の端部を第2駆動部M2の側で固定し、コラムCの格納に際して、送りネジT1がコラムCと共に計器盤の奥側に移動する構成であっても良い。
図6(b)あるいは図6(c)に示すように、付勢部50のうち出退部50bを、例えばある程度の摺動性を有する樹脂材料で形成したブロック54としても良い。また、このブロック54の材質そのものが弾性を備えている場合には、バネ部材52を省略することもできる。
C コラム
Ca カバー
G ガイド部材
G1 ガイドレール
GF ガイドフレーム
H ステアリング
M 駆動部
Claims (3)
- ステアリングを支持するステアリング軸と、
前記ステアリング軸が接続されたコラムと、
前記コラムを覆うカバーと、
前記コラムの移動方向に沿う方向視において前記カバーの外側に設けられ、前記コラムを格納・引き出し可能に支持するガイド部材と、
車両に固定され、前記ガイド部材を支持するガイドフレームと、
前記コラムを駆動させる駆動機構と、を備え、
前記駆動機構が、
前記ガイドフレームの奥側に設けられた第1駆動部と、
前記コラムに設けられたナット部材と、
前記第1駆動部と前記ナット部材とに螺合し、前記第1駆動部によって回転駆動される送りネジとを有し、
前記第1駆動部の一部として前記送りネジの端部を支持する軸受および前記第1駆動部が、前記ガイドフレームに対して揺動可能な基部に設けられている車両のステアリング装置。 - 前記ガイド部材が、複数のガイドレールを備え、
前記複数のガイドレールのうち少なくとも一対のガイドレールの位置につき、前記コラムの前記方向視において、前記少なくとも一対のガイドレールの夫々の中心どうしを結ぶ仮想線が前記コラムの輪郭と交差する状態となるように設定されている請求項1に記載の車両のステアリング装置。 - 前記コラムに対する前記少なくとも一対のガイドレールの位置が、前記仮想線と前記ステアリング軸とが交差する状態となるように設定されている請求項2に記載の車両のステアリング装置。
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019168291A Active JP7374406B2 (ja) | 2019-09-17 | 2019-09-17 | 車両のステアリング装置 |
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